JP2002148411A - 平板状レンズの製造方法 - Google Patents

平板状レンズの製造方法

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JP2002148411A JP2000347654A JP2000347654A JP2002148411A JP 2002148411 A JP2002148411 A JP 2002148411A JP 2000347654 A JP2000347654 A JP 2000347654A JP 2000347654 A JP2000347654 A JP 2000347654A JP 2002148411 A JP2002148411 A JP 2002148411A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 屈折率勾配レンズの微細化及び高精度化、な
らびに基板の薄板化を図る。 【解決手段】 金属薄膜から成るマスク材料13を透明
基板3の一表面3a上に形成し(A)、マスク材料13
上にレジストパターン15aを形成し(B)、レジスト
パターン15aをマスクにしてマスク材料13にエッチ
ングを施してイオン注入用開口部13bをもつマスク1
3aを形成した後(C)、マスク13aにプラスの電位
を供給しながら、基板3に対してボロンイオンを用いた
イオン注入処理(矢印17参照)を施す(D)。マスク
13aにプラスの電位を供給することにより、ボロンイ
オンはマスク13aの開口部13bの輪郭部分にて反発
し、開口部13bの中心側の基板3に注入される。基板
3において開口部13bの中心部分のボロンイオン濃度
が高くなり、半球状のボロンイオン濃度分布からなる屈
折率勾配レンズ5が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロレンズア
レイのように、透明基板内に屈折率勾配レンズを一体形
成した平板状レンズ(以下、平板マイクロレンズとい
う)の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図7は、平板マイクロレンズを示す断面
図である。平板マイクロレンズ1はガラスやプラスチッ
ク等の表面平坦な透明基板3の内部に屈折率勾配レンズ
5を一体に埋め込み形成したものである。屈折率勾配レ
ンズ5は一方の屈折面が基板3の表面3aと一致し、そ
の表面3aの法線方向に光軸7をもつ。その屈折率分布
は光軸7方向には表面3aにおいて最大で、深部に向け
て次第に減少し、かつ光軸7に直交する方向には中心に
おいて最大で、側縁に向けて次第に減少する形状になっ
ている。また、平面形状としては、図8に示すように円
形のもの、図9に示すように帯状のものなどがある。こ
のような平板マイクロレンズ1の製造方法を図10に示
す(特公平6−44082号公報参照。)。
【0003】図10は、平板マイクロレンズ1を作る従
来の方法を示す工程断面図である。 (A)基板3の表面3aを金属薄膜等から成るイオン透
過防止マスク9で覆うとともに、そのマスク9に、得よ
うとする屈折率勾配レンズの平面形状に相似の例えば円
形の微小開口部9aを設けておく。 (B)マスク9が形成された基板3の表面3a側を、基
板3の屈折率増大に寄与する陽イオン、例えばタリウム
イオンを含む溶融塩11に浸漬する。これにより、溶融
塩11中の陽イオンがマスク9の開口部9aを通して表
面3aから基板3内に拡散する。一定時間のイオン拡散
処理の後、基板3内には、開口部9a近傍で最も濃度が
高く、深部及び周辺に向けて次第に減少するイオン濃度
分布が形成され、このイオン濃度分布によって前述した
屈折率勾配部分すなわち屈折率勾配レンズ5が形成され
る。
【0004】通常のレンズは、均質なレンズ媒質と空気
との境界で光線が屈折することにより、光路を変え結像
させる。これに対し、屈折率分布を有するマイクロレン
ズ媒質中では、光線が屈折率の変化に伴って光路を変
え、結像する。平板マイクロレンズ1を構成する屈折率
勾配レンズ5は、基板3中に拡散した物質が作る屈折率
分布によってレンズとして作用する。したがって、屈折
率分布領域の寸法を一般的なレンズと同等に取り扱うこ
とができる。屈折率勾配レンズ5の形成においては、三
次元的な屈折率分布をいかに制御するかが重要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図10に示す従来技術
では、開口部をもつマスクを形成した基板表面を、基板
の屈折率増大に寄与する陽イオンを含む溶融塩に浸漬す
ることによって溶融塩中の陽イオンをマスクの開口部を
通して基板内に拡散させている。基板内への陽イオンの
分布は自然な拡散に支配されるので、基板内でのイオン
濃度分布の精密な制御が困難である。また、従来技術で
は拡散イオンはマスク口径よりも拡がるため、レンズ口
径が10μm以下の微細な屈折率勾配レンズを形成する
ことが困難であった。
【0006】そこで本発明は、屈折率勾配レンズの微細
化及び高精度化、ならびに基板の薄板化を実現できる平
板状レンズの製造方法を提供することを目的とするもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる平板状レ
ンズの製造方法では、屈折率勾配レンズ形成位置に開口
部をもち、少なくともその開口部周辺が電気伝導性であ
るマスクを介してマスクの開口部周辺にイオン種の電荷
と同じ極性又は逆の極性の電位を供給しつつ、透明基板
内に屈折率増大に寄与するイオン種をイオン打込みする
ことによって、透明基板に屈折率勾配レンズを形成す
る。
【0008】透明基板へのイオン種の打込みの際に、マ
スクにイオン種の電荷と同じ極性の電位を供給すること
により、透明基板に向かって加速されたイオンは、マス
クに供給された電位により開口部の周辺からの距離に応
じて中心側に反発されて透明基板部分に注入される。こ
れにより、透明基板の一表面の法線方向に光軸をもち、
その屈折率分布が光軸方向には表面において最大で、深
部に向けて次第に減少し、かつ光軸に直交する方向には
中心において最大で、側縁に向けて次第に減少する分布
形状をもつ屈折率勾配レンズを備えた平板マイクロレン
ズを形成することができる。また、透明基板へのイオン
種の打込みの際に、マスクにイオン種の電荷とは逆の極
性の電位を供給することにより、透明基板に向かって加
速されたイオンは、マスクに供給された電位により開口
部の周辺からの距離に応じて開口部の周辺側に引き寄せ
られて透明基板部分に注入される。これにより、透明基
板の一表面の法線方向に光軸をもち、その屈折率分布が
光軸方向には表面において最大で、深部に向けて次第に
減少し、かつ光軸に直交する方向には中心において最小
で、側縁に向けて次第に増加する分布形状をもつ屈折率
勾配レンズを備えた平板マイクロレンズを形成すること
ができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法にかかるイオン
打込みの一例は以下の工程(A)から(D)を含む。 (A)透明基板の一表面に金属膜を形成する金属膜形成
工程、(B)金属膜表面にレジストを塗布し、リソグラ
フィー技術により屈折率勾配レンズ形成位置に対応する
部分に開口部をもつレジストパターンを形成するレジス
トパターン形成工程、(C)レジストパターンをマスク
にして金属膜をエッチング技術によりエッチングし、屈
折率勾配レンズ形成位置に開口部をもつ金属膜パターン
を形成する金属膜パターン形成工程、(D)注入するイ
オン種の電荷と同じ極性又は逆の極性の電位を金属膜パ
ターンに供給しつつ、金属膜パターンをマスクとして、
透明基板にイオン打込みを行なって屈折率勾配レンズを
形成するイオン打込み工程。この方法によれば、半導体
プロセスで確立されているリソグラフィー技術とエッチ
ング技術を利用して金属膜パターンを形成することがで
き、寸法精度がよく、微細化も容易である。
【0010】上記工程(A)は、透明基板の一表面に絶
縁層を形成した後、その絶縁層上に金属膜を形成する工
程であり、上記工程(C)では、レジストパターンをマ
スクにして金属膜及び絶縁層をエッチング技術によりエ
ッチングし、屈折率勾配レンズ形成位置に開口部をもつ
金属膜パターン及び絶縁層パターンを形成する工程であ
ることが好ましい。この方法によれば、基板と金属マス
クを間隔をもって形成することができ、その間隔を選択
することにより、注入イオンの屈曲を制御しやすくな
る。
【0011】本発明の製造方法にかかるイオン打込みの
他の例は以下の工程(A)及び(B)を含む。 (A)レンズ形成位置に開口部をもつ、予め準備した既
製金属マスクを透明板基板上に配置する既製金属マスク
配置工程、(B)注入するイオン種の電荷と同じ極性又
は逆の極性の電位を既製金属マスクに供給しつつ、既製
金属マスクをマスクとして、透明基板にイオン打込みを
行なうイオン打込み工程。この方法によれば、既製金属
マスクをエッチング、打抜きなどの方法により別途製作
することができ、マスクの板厚も自由に選択できる。板
厚の選択や基板とマスクとの間隔により、注入イオンの
屈曲を制御しやすくなる。
【0012】上記イオン打込み工程において、イオン打
ち込みの注入エネルギーと、マスクへの印加電圧を時間
とともに変化させることが好ましい。この方法によれ
ば、基板における注入イオンの濃度分布を高精度に制御
することができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明を図面に示した実施例に基づい
て詳細に説明する。本発明により製造される平板マイク
ロレンズは図7から図9と同じ構造である。透明基板3
として透明ガラス基板(組成はモル%でSiO2:60
%,B23:4%,ZnO:15%,K2O:8%,N
2O:13%)を用い、屈折率勾配レンズ5を形成す
るイオン種として、屈折率を増加させる陽イオン、一例
としてボロンイオンを用いた。
【0014】図1は第1の実施例を示す工程断面図であ
る。図1を用いて平板マイクロレンズを製造する好適な
方法について説明する。 (A)イオン透過防止効果がある金属薄膜、例えばTi
N等から成るマスク材料13を透明ガラス基板3の一表
面3a上にPVD法(物理的蒸着法)により形成する。
マスク材料13の膜厚は例えば2μmである。 (B)周知のリソグラフィー技術により、マスク材料1
3上にレジストを塗布し、屈折率勾配レンズ形成位置に
対応する部分に開口部15b(半径10μmの円形)を
もつレジストパターン15aを形成する。
【0015】(C)周知のエッチング技術により、レジ
ストパターン15aをマスクにしてマスク材料13にエ
ッチングを施してイオン注入用開口部13bを形成し、
金属膜パターンからなるマスク13aを形成する。開口
部13bの平面形状は得ようとするレンズの平面形状と
相似形、例えば図8に示すように円形レンズであれば開
口部13bを円形に、また図9に示すように帯状であれ
ば帯状とし、得ようとする屈折率勾配レンズの配列パタ
ーンに応じて適宜間隔をおいて配置する。
【0016】(D)上記のように設定した開口部13b
をもつマスク13aにプラスの電位、例えば0.5ke
Vを供給しながら、注入エネルギーが100〜150k
eV、注入量が1×1018〜1×1020/cm2程度の
条件で基板3に対してボロンイオンを用いたイオン注入
処理(矢印17参照)を施す。このイオン注入処理はイ
オン注入機を用いた周知のイオン注入処理により行なう
ことができる。マスク13aにプラスの電位を供給する
ことにより、陽イオンであるボロンイオンがマスク13
aの開口部13bの輪郭部分からの電界により反発し、
開口部13bの中心側の基板3に注入される。これによ
り、基板3において開口部13bの中心部分のボロンイ
オン濃度が高くなり、半球状のボロンイオン濃度分布か
らなる屈折率勾配レンズ5が得られる。
【0017】(E)マスク13aを除去した後、ダメー
ジ回復のための熱処理を行なって平板マイクロレンズ1
の製造を完了する。この熱処理は、基板3の材質によっ
て処理温度及び処理時間が異なる。この実施例によれ
ば、マスク13aの膜厚、プラス電位供給の大きさ、注
入エネルギーの大きさ及び注入量を制御することによ
り、基板3内のボロンイオンの濃度分布を任意に制御す
ることができる。これにより、屈折率勾配レンズ5の微
細化及び高精度化を実現できる。さらに、屈折率勾配レ
ンズ5として非球面レンズ等の形成も可能である。
【0018】図2は第2の実施例を示す工程断面図であ
る。図2を用いて平板マイクロレンズを製造する好適な
方法について説明する。 (A)透明ガラス基板3の一表面3a上に例えばシリコ
ン酸化膜からなる絶縁層19をCVD法(化学的蒸着
法)により形成し、さらにその上に金属薄膜から成るマ
スク材料13をPVD法により形成する。絶縁層19の
膜厚は1μmであり、マスク材料13の膜厚は2μmで
ある。絶縁層19はシリコン酸化膜に限定されるもので
はなく、シリコン窒化膜など、他の絶縁層を用いること
ができる。また、絶縁層19は単相膜に限定されるもの
ではなく、多層膜であってもよい。 (B)周知のリソグラフィー技術により、マスク材料1
3上にレジストを塗布し、屈折率勾配レンズ形成位置に
対応する部分に開口部15b(半径10μmの円形)を
もつレジストパターン15aを形成する。
【0019】(C)周知のエッチング技術により、レジ
ストパターン15aをマスクにしてマスク材料13及び
絶縁層19にエッチングを施してイオン注入用開口部1
3b,19bを形成し、マスク13a及び絶縁層パター
ン19aを形成する。開口部13b,19bの平面形状
は得ようとするレンズの平面形状と相似形、例えば図8
に示すように円形レンズであれば開口部13b,19b
を円形に、また図9に示すように帯状であれば帯状と
し、得ようとする屈折率勾配レンズの配列パターンに応
じて適宜間隔をおいて配置する。
【0020】(D)マスク13aにプラスの電位、例え
ば0.5keVを供給しながら、注入エネルギーが10
0〜150keV、注入量が1×1018〜1×1020
cm 2程度の条件で基板3に対してボロンイオンを用い
たイオン注入処理(矢印17参照)を施す。このイオン
注入処理はイオン注入機を用いた周知のイオン注入処理
と同じであってよい。マスク13aにプラスの電位を供
給することにより、陽イオンであるボロンイオンがマス
ク13aの開口部13bの輪郭部分からの電界により反
発し、開口部13b及び開口部19bを介して開口部1
3b,19bの中心側の基板3に注入される。これによ
り、基板3において開口部13b,19bの中心部分の
ボロンイオン濃度が高くなり、半球状のボロンイオン濃
度分布からなる屈折率勾配レンズ5が得られる。
【0021】(E)マスク13aを除去した後、ダメー
ジ回復のための熱処理を行なって平板マイクロレンズ1
の製造を完了する。この熱処理は、基板3の材質によっ
て処理温度及び処理時間が異なる。第2の実施例によれ
ば、マスク13aの膜厚、絶縁層パターン19aの膜
厚、プラス電位供給の大きさ、注入エネルギーの大きさ
及び注入量を制御することにより、基板3内のボロンイ
オンの濃度分布を任意に制御することができる。絶縁層
パターン19aの膜厚を選択することにより、屈折率勾
配レンズ5の精度をより向上させることができる。
【0022】図3は第3の実施例を示す工程断面図であ
る。図3を用いて平板マイクロレンズを製造する好適な
方法について説明する。 (A)屈折率勾配レンズ形成位置に開口部21bをも
つ、予め準備した既製金属マスク21aを基板3の一表
面3a上に配置する。既製金属マスク21aの膜厚は例
えば100μmである。ここでは既製金属マスク21a
を表面3aとは間隔d、例えば100μmの間隔をもっ
て配置しているが、表面3aに密着して配置してもよ
い。
【0023】(B)図1の工程(D)と同様に、既製金
属マスク21aにプラスの電位、例えば0.5keVを
供給しながら、注入エネルギーが100〜150ke
V、注入量が1×1018〜1×1020/cm2程度の条
件で基板3に対してボロンイオンを用いたイオン注入処
理(矢印17参照)を施す。既製金属マスク21aにプ
ラスの電位を供給することにより、陽イオンであるボロ
ンイオンが既製金属マスク21aの開口部21bの輪郭
部分からの電界により反発し、開口部21bの中心側の
基板3に注入される。これにより、基板3において開口
部21bの中心部分のボロンイオン濃度が高くなり、半
球状のボロンイオン濃度分布からなる屈折率勾配レンズ
5が得られる。
【0024】(C)既製金属マスク21aを除去した
後、ダメージ回復のための熱処理を行なって平板マイク
ロレンズ1の製造を完了する。この熱処理は、基板3の
材質によって処理温度及び処理時間が異なる。第3の実
施例においては、既製金属マスク21aの膜厚や、間隔
d、プラス電位供給の大きさ、注入エネルギーの大きさ
及び注入量、既製金属マスク21aの開口部21bの断
面形状を制御することにより、基板3内のボロンイオン
の濃度分布を任意に制御することができるので、屈折率
勾配レンズ5の微細化及び高精度化を実現できる。
【0025】これらの実施例では、イオン打込み工程に
おいて、イオン打ち込みの注入エネルギー及びマスクへ
の印加電圧を所定の電圧に保ちつつイオン打込みを行な
っているが、イオン打ち込みの注入エネルギー及びマス
クへの印加電圧を時間とともに変化させるようにしても
よい。
【0026】図1及び図2の工程(A)でのPVD法、
工程(B)での写真製版技術、工程(C)でのエッチン
グ技術、図2の工程(A)でのCVD法、図1及び図2
の工程(D)ならびに図3の工程(B)でのイオン打込
み技術は、半導体微細加工プロセスと同様の製造プロセ
スを有しており、それらの技術を適用することができる
ので、量産化が容易である。
【0027】図4は第4の実施例を示す工程断面図であ
る。図4を用いて平板マイクロレンズを製造する好適な
方法について説明する。工程(A)から(C)は図1の
工程(A)から(C)と同じであるので、説明は省略す
る。
【0028】(D)マスク13aにマイナスの電位、例
えば−0.5keVを供給しながら、注入エネルギーが
100〜150keV、注入量が1×1018〜1×10
20/cm2程度の条件で基板3に対してボロンイオンを
用いたイオン注入処理(矢印23参照)を施す。このイ
オン注入処理はイオン注入機を用いた周知のイオン注入
処理により行なうことができる。マスク13aにマイナ
スの電位を供給することにより、陽イオンであるボロン
イオンがマスク13aの開口部13bの輪郭部分からの
電界により引き寄せられ、開口部13bの周辺側の基板
3に注入される。これにより、基板3において開口部1
3bの周辺部分のボロンイオン濃度が高くなり、中心部
分のボロンイオン濃度が低くなり、ボロンイオン濃度分
布からなる凹レンズ状の屈折率勾配レンズ25が得られ
る。
【0029】(E)マスク13aを除去した後、ダメー
ジ回復のための熱処理を行なって平板マイクロレンズ2
7の製造を完了する。この熱処理は、基板3の材質によ
って処理温度及び処理時間が異なる。第4の実施例によ
れば、マスク13aの膜厚、プラス電位供給の大きさ、
注入エネルギーの大きさ及び注入量を制御することによ
り、基板3内のボロンイオンの濃度分布を任意に制御す
ることができる。これにより、屈折率勾配レンズ25の
微細化及び高精度化を実現できる。
【0030】図5は第5の実施例を示す工程断面図であ
る。図5を用いて平板マイクロレンズを製造する好適な
方法について説明する。工程(A)から(C)は図2の
工程(A)から(C)と同じであるので、説明は省略す
る。
【0031】(D)マスク13aにマイナスの電位、例
えば−0.5keVを供給しながら、注入エネルギーが
100〜150keV、注入量が1×1018〜1×10
20/cm2程度の条件で基板3に対してボロンイオンを
用いたイオン注入処理(矢印23参照)を施す。このイ
オン注入処理はイオン注入機を用いた周知のイオン注入
処理と同じであってよい。マスク13aにマイナスの電
位を供給することにより、陽イオンであるボロンイオン
がマスク13aの開口部13bの輪郭部分からの電界に
より引き寄せられ、開口部13bの周辺側の基板3に注
入される。これにより、基板3において開口部13bの
周辺部分のボロンイオン濃度が高くなり、中心部分のボ
ロンイオン濃度が低くなり、ボロンイオン濃度分布から
なる凹レンズ状の屈折率勾配レンズ25が得られる。
【0032】(E)マスク13aを除去した後、ダメー
ジ回復のための熱処理を行なって平板マイクロレンズ2
7の製造を完了する。この熱処理は、基板3の材質によ
って処理温度及び処理時間が異なる。第5の実施例によ
れば、マスク13aの膜厚、絶縁層パターン19aの膜
厚、プラス電位供給の大きさ、注入エネルギーの大きさ
及び注入量を制御することにより、基板3内のボロンイ
オンの濃度分布を任意に制御することができる。絶縁層
パターン19aの膜厚を選択することにより、屈折率勾
配レンズ25の精度をより向上させることができる。
【0033】図6は第6の実施例を示す工程断面図であ
る。図6を用いて平板マイクロレンズを製造する好適な
方法について説明する。 (A)図3の工程(A)と同様に、屈折率勾配レンズ形
成位置に開口部21bをもつ、予め準備した既製金属マ
スク21aを基板3の一表面3a上に配置する。既製金
属マスク21aの膜厚は例えば100μmである。ここ
では既製金属マスク21aを表面3aとは間隔d、例え
ば100μmの間隔をもって配置しているが、表面3a
に密着して配置してもよい。
【0034】(B)既製金属マスク21aにマイナスの
電位、例えば−0.5keVを供給しながら、注入エネ
ルギーが100〜150keV、注入量が1×1018
1×1020/cm2程度の条件で基板3に対してボロン
イオンを用いたイオン注入処理(矢印23参照)を施
す。既製金属マスク21aにマイナスの電位を供給する
ことにより、陽イオンであるボロンイオンが既製金属マ
スク21aの開口部21bの輪郭部分からの電界により
引き寄せられ、開口部21bの周辺側の基板3に注入さ
れる。これにより、基板3において開口部21bの周辺
部分のボロンイオン濃度が高くなり、中心部分のボロン
イオン濃度が低くなり、ボロンイオン濃度分布からなる
凹レンズ状の屈折率勾配レンズ25が得られる。
【0035】(C)既製金属マスク21aを除去した
後、ダメージ回復のための熱処理を行なって平板マイク
ロレンズ27の製造を完了する。この熱処理は、基板3
の材質によって処理温度及び処理時間が異なる。第6の
実施例においては、既製金属マスク21aの膜厚や、間
隔d、プラス電位供給の大きさ、注入エネルギーの大き
さ及び注入量、既製金属マスク21aの開口部21bの
断面形状を制御することにより、基板3内のボロンイオ
ンの濃度分布を任意に制御することができるので、屈折
率勾配レンズ25の微細化及び高精度化を実現できる。
【0036】これらの実施例では、イオン打込み工程に
おいて、イオン打ち込みの注入エネルギー及びマスクへ
の印加電圧を所定の電圧に保ちつつイオン打込みを行な
っているが、イオン打ち込みの注入エネルギー及びマス
クへの印加電圧を時間とともに変化させるようにしても
よい。
【0037】図1、図2、図4及び図5の工程(A)で
のPVD法、工程(B)での写真製版技術、工程(C)
でのエッチング技術、図2及び図5の工程(A)でのC
VD法、図1、図2、図4及び図5の工程(D)ならび
に図3及び図6の工程(B)でのイオン打込み技術は、
半導体微細加工プロセスと同様の製造プロセスを有して
おり、それらの技術を適用することができるので、量産
化が容易である。
【0038】以上、基板3としてガラスを用いた場合を
例に挙げて説明したが、本発明はプラスチック等の基板
に屈折率勾配レンズを形成する場合にも適用できる。図
1、図2、図4及び図5の工程(D)ならびに図3及び
図6の工程(B)におけるイオン注入処理の注入条件、
すなわちマスク13a,21aに印加する電圧、注入イ
オンの注入エネルギー及びドーズ量は、注入するイオン
種、基板の材質、ならびに形成する屈折率勾配レンズ単
体の大きさ及び焦点距離によって異なる。
【0039】これらの実施例では、注入イオン種として
ボロンイオンを用いているが、本発明はこれに限定され
るものではなく、屈折率増大に寄与するイオン種、例え
ばリンやヒ素など、他のイオン種も用いることができ
る。
【0040】また、これらの実施例では、マスク全体が
電気伝導性材料からなるマスクを用いているが、本発明
はこれに限定されるものではなく、屈折率勾配レンズ形
成位置に開口部をもち、少なくともその開口部周辺に電
位供給可能な電気伝導性材料を備えたマスクであればよ
い。
【0041】
【発明の効果】本発明にかかる平板状レンズの製造方法
によれば、屈折率勾配レンズ形成位置に開口部をもち、
少なくともその開口部周辺が電気伝導性であるマスクを
介してマスクに注入イオンの電荷と同じ極性又は逆の極
性の電位を供給しつつ、透明基板内に屈折率増大に寄与
するイオン種をイオン打込みすることによって、透明基
板に屈折率勾配レンズを形成するようにしたので、従来
不可能であった、平板マイクロレンズにおける屈折率勾
配レンズの微細化及び高精度化が可能となる。特に、イ
オン打込みの精密な制御が可能であるため、設計仕様に
対する自由度が高く、屈折率勾配レンズ形状の精密な形
成が可能となる。また、半導体微細加工と同様の製造プ
ロセスを有しているので、平板状レンズの量産化が容易
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例を示す工程断面図である。
【図2】第2の実施例を示す工程断面図である。
【図3】第3の実施例を示す工程断面図である。
【図4】第4の実施例を示す工程断面図である。
【図5】第5の実施例を示す工程断面図である。
【図6】第6の実施例を示す工程断面図である。
【図7】平板マイクロレンズを示す断面図である。
【図8】平面形状が円形の屈折率勾配レンズを示す平面
図である。
【図9】平面形状が帯状の屈折率勾配レンズを示す平面
図である。
【図10】平板マイクロレンズを作る従来の方法を示す
工程断面図である。
【符号の説明】
1,27 平板状レンズ(平板マイクロレンズ) 3 透明基板 3a 透明基板の一表面 5,25 屈折率勾配レンズ 7 光軸 13 マスク材料 13a マスク 13b,15b,17b,19b 開口部 15a レジストパターン 17,23 イオン注入を示す矢印 19 絶縁層 19a 絶縁層パターン 21a 既製金属マスク

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屈折率勾配レンズ形成位置に開口部をも
    ち、少なくともその開口部周辺が電気伝導性であるマス
    クを介して前記マスクの開口部周辺に注入イオン種の電
    荷と同じ極性又は逆の極性の電位を供給しつつ、透明基
    板内に屈折率増大に寄与する注入イオン種をイオン打込
    みすることによって、前記透明基板に屈折率勾配レンズ
    を形成することを特徴とする平板状レンズの製造方法。
  2. 【請求項2】 以下の工程(A)から(D)を含む請求
    項1に記載の製造方法。 (A)透明基板の一表面に金属膜を形成する金属膜形成
    工程、(B)前記金属膜表面にレジストを塗布し、リソ
    グラフィー技術により屈折率勾配レンズ形成位置に対応
    する部分に開口部をもつレジストパターンを形成するレ
    ジストパターン形成工程、(C)前記レジストパターン
    をマスクにして前記金属膜をエッチング技術によりエッ
    チングし、屈折率勾配レンズ形成位置に開口部をもつ金
    属膜パターンを形成する金属膜パターン形成工程、
    (D)注入するイオン種の電荷と同じ極性又は逆の極性
    の電位を前記金属膜パターンに供給しつつ、前記金属膜
    パターンをマスクとして、前記透明基板にイオン打込み
    を行なって屈折率勾配レンズを形成するイオン打込み工
    程。
  3. 【請求項3】 前記工程(A)は、透明基板の一表面に
    絶縁層を形成した後、その絶縁層上に金属膜を形成する
    工程であり、 前記工程(C)は、前記レジストパターンをマスクにし
    て前記金属膜及び前記絶縁層をエッチング技術によりエ
    ッチングし、屈折率勾配レンズ形成位置に開口部をもつ
    金属膜パターン及び絶縁層パターンを形成する工程であ
    る請求項2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 以下の工程(A)及び(B)を含む請求
    項1に記載の製造方法。 (A)レンズ形成位置に開口部をもつ、予め準備した既
    製金属マスクを前記透明板基板上に配置する既製金属マ
    スク配置工程、(B)注入するイオン種の電荷と同じ極
    性又は逆の極性の電位を前記既製金属マスクに供給しつ
    つ、前記既製金属マスクをマスクとして、前記透明基板
    にイオン打込みを行なうイオン打込み工程。
  5. 【請求項5】 前記イオン打込み工程において、イオン
    打ち込みの注入エネルギーと、前記マスクへの印加電圧
    を時間とともに変化させる請求項1から4のいずれかに
    記載の製造方法。
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