JP2002147751A - 炉圧制御装置 - Google Patents

炉圧制御装置

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JP2002147751A
JP2002147751A JP2000343694A JP2000343694A JP2002147751A JP 2002147751 A JP2002147751 A JP 2002147751A JP 2000343694 A JP2000343694 A JP 2000343694A JP 2000343694 A JP2000343694 A JP 2000343694A JP 2002147751 A JP2002147751 A JP 2002147751A
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furnace
flow rate
exhaust
pressure
gas
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Tadashi Imaizumi
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Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】定期的或いは不定期に排気路内に気体が供給さ
れる場合にも炉内の圧力変動を好適に抑制し得る炉内圧
力制御装置を提供する。 【解決手段】炉圧制御のための制御装置は、作動検出手
段110によってスートブロー装置の作動が検出される
と、操作量変更手段112によってダンパ操作量を増加
させることによりスートブロー流量Qb 、Qr に応じた
流量だけ煙道の排気流量を一時的に増加させる。そのた
め、スートブロー装置によって蒸気が煙道(排気路内)
に供給されても、その供給により生じ得る炉内圧力変動
は、スートブロー流量Qb 、Qr に応じて予め一時的に
操作量MV延いては排気流量を増加させること、すなわ
ちフィードフォワード制御により緩和される。したがっ
て、定期的或いは不定期に煙道内にスートブローのため
の蒸気が供給される場合にも炉内の圧力変動が好適に抑
制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炉内の圧力を制御
するための制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、高温ガスを炉外に排出するに際
しては、エネルギ利用効率を高めると共に最終的な排気
温度を低くして安全性を高める等の目的で、排出過程に
おいて熱交換器(例えばボイラやレキュペレータ等)等
で排気の熱を回収することが行われている。例えば、特
公昭64−5233号公報等に記載されている移動型炉
床炉等のように、製鋼ダストである酸化鉄や酸化ニッケ
ル等の金属酸化物を還元して金属を回収するための金属
酸化物還元炉(以下、還元炉という)の一種として、金
属酸化物を石炭やコークス等の還元材と混合し、必要に
応じて有機結合剤(バインダー)を添加して造粒した被
処理材(ペレット)を、炉室内を移動する炉床に載せて
その炉室内を搬送しつつ還元雰囲気下で高温に加熱する
インメトコ法(INMETCO Process )と称される方法を適
用したものが知られている。
【0003】このような還元炉においては、加熱された
被処理材が還元されて金属が生成されると同時に、還元
により金属酸化物から発生した酸素と還元材とが化合し
た気体や、造粒するための有機結合剤の分解ガス等が炉
内で生成される。また、被処理材の加熱は通常ガス・バ
ーナで為されるが、その空燃比は還元雰囲気とする目的
で1未満に設定されることから、炉室内には未燃焼の燃
料ガスも存在する。炉室内で発生し或いは余剰となった
これらの気体(高温ガス)は排気路(煙道)を通して外
部に排出されるが、その排出過程において上記のような
熱回収が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、排気路に送
られる排ガスには、還元炉の回収目的外の金属の酸化物
や塩化物等のダストが含まれているが、これらのダスト
は熱交換器に付着して熱交換能力を低下させる。そのた
め、前記のような熱回収システムにおいては、熱交換能
力を維持する目的で、排気路内に蒸気等を吹きつけて付
着ダストを除去するスートブローと称される処理が定期
的および不定期に行われている。しかしながら、スート
ブローは多量の気体を短時間で急激に排気炉内に吹き込
むものであるため、排気路内延いては炉内における一時
的な圧力変動要因となる。そのため、炉内圧力を一定に
維持することが必要な加熱炉では一般にその炉内圧力が
フィードバック制御されているが、フィードバック制御
でこのような急激な圧力変動に追随することは困難であ
ることから、スートブローのような一時的な気体供給に
伴う圧力変動を抑制することが望まれていた。
【0005】因みに、前記の還元炉には、連続的に被処
理材を投入して還元する目的でその炉室の一部に被処理
材投入用に常時開口する開口部が設けられている。この
開口部は炉内外の気体を出入り可能とするが、開口部か
ら炉内の高温ガスが吹き出すと設備損傷や安全上の問題
等が生じることからそれらに対応すべく設備が複雑化
し、反対に開口部から空気が入り込むと炉内温度が低下
してエネルギ損失が大きくなる。そのため、気体の出入
りを抑制すべく、その開口部における炉内外の気圧差が
可及的に小さくなるように排気路から排出される気体流
量を調節して炉内圧を制御することが望まれるのであ
る。
【0006】本発明は、以上の事情を背景として為され
たものであって、その目的は、定期的或いは不定期に排
気路内に気体が供給される場合にも炉内の圧力変動を好
適に抑制し得る炉内圧力制御装置を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するた
め、本発明の炉圧制御装置の要旨とするところは、炉内
の気体を排気路を通して排出するための排気装置と、定
期的または不定期に一定流量の気体をその排気路内に供
給するための気体供給装置と、その炉内からの排気流量
を調節するためにその排気路に設けられた流量調節装置
とを備えた加熱炉において、前記流量調節装置を操作す
ることにより炉内圧力が設定圧力に一致するように制御
する制御装置であって、(a) 前記気体供給装置の作動を
検出する作動検出手段と、(b) 前記気体供給装置の作動
時にはその供給気体流量に応じた量だけ排気流量を増加
させるように前記流量調節装置の操作量を一時的に変化
させる操作量変更手段とを、含むことにある。
【0008】
【発明の効果】このようにすれば、炉圧制御装置は、作
動検出手段によって気体供給装置の作動が検出される
と、操作量変更手段によって供給気体流量に応じた量だ
け排気流量が増加するように流量調節装置の操作量を一
時的に変化させる。そのため、気体供給装置によって気
体が排気路内に供給されても、その供給により生じ得る
炉内圧力変動は、供給気体流量に応じて予め一時的に操
作量を変化させ延いては排気流量を増加させること、す
なわちフィードフォワード制御により緩和される。した
がって、定期的或いは不定期に排気路内に気体が供給さ
れる場合にも炉内の圧力変動が好適に抑制される。
【0009】
【発明の他の態様】ここで、前記炉圧制御装置は、好適
には、(c) 前記排気流量を取得する排気流量取得手段
と、(d) 前記供給気体流量、前記排気流量、および前記
排気装置の差圧に基づき前記炉内圧力を前記設定圧力に
維持するための前記流量調節装置の圧損定数の補正量を
算出する圧損定数補正量算出手段と、(e) 予め求められ
た前記流量調節装置における流量と圧損定数との関係か
ら前記圧損定数の補正量に基づき前記操作量の変化量を
決定する変化量決定手段とを含み、(b-2) 前記操作量変
更手段は、その決定された変化量だけ前記操作量を一時
的に変化させるものである。
【0010】このようにすれば、排気流量取得手段によ
り取得された排気流量と、供給気体流量と、排気装置の
差圧とに基づいて圧損定数補正量算出手段によって圧損
定数の補正量が算出されると、変化量決定手段によって
流量調節装置における流量と圧損定数との関係からその
補正量に基づいて操作量の変化量、すなわち排気流量の
一時的な増加量が決定される。流量調節装置における操
作量延いては流量と圧損定数との間には一定の相関があ
るため、圧損定数の補正量が判れば操作量の変化量を決
定し得る。この圧損定数の補正量は、供給気体流量、排
気流量、および排気装置の差圧(すなわち排気装置の能
力)に基づいて算出でき、気体供給流量および排気装置
の差圧は、予め設定され或いは装置能力で定められる定
数である。そのため、排気流量を測定、計算等適宜の手
段で取得すれば、予め求められた計算式或いはマップ等
を用いて、その補正量の値から操作量の変化量を決定で
きる。
【0011】また、好適には、前記圧損定数補正量算出
手段は、前記排気装置の差圧能力をPS 、前記排気流量
をQf 、前記供給気体流量をQk としたとき、下記A式
に従って前記圧損定数の補正量△Kdを算出するものであ
り、 △Kd=−[(PS /Qf 2)−C]× (Qk /Qf )2・・・A
(但し、Cは定数) 前記変化量決定手段は、前記操作量をMV0 としたと
き、下記B式に従って前記変化量△MV0 を決定するも
のである。 △MV0 =(dMV/dKd)×△Kd・・・B
【0012】また、好適には、前記変化量決定手段は、
関数発生器を用いて前記圧損定数の補正量からその値の
対応値として前記操作量の変化量を決定するものであ
る。このようにすれば、実験的に或いは回帰的に予め決
定された関数によって操作量の変化量を決定することが
できる。
【0013】また、好適には、前記炉は、炉室が円環状
を成し、その軸心回りに回転させられる円環状の炉床に
被処理材が載せられてその炉室内を周方向に搬送される
ものである。本発明の炉圧制御装置は、このような途切
れの無い炉床を備えた回転床炉として構成された金属酸
化物還元炉にも好適に適用できる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面を
参照して詳細に説明する。
【0015】図1(a) は、本発明の炉内圧力制御装置が
備えられた金属酸化物還元炉(以下、還元炉という)1
0の炉体全体を示す図であり、図1(b) はその要部を
(a) とは異なる角度から見た状態を示す図であり、図2
は、その還元炉10の水平断面を、図3は、図2におけ
るIII −III 視断面をそれぞれ示す図である。図1(a)
において、還元炉10は、略一様な高さ(厚さ)の円環
状を成すものであって、同心に配された外周側周壁12
および内周側周壁14の間の上端位置および下端位置
に、それぞれ頂壁16および底壁18が設けられること
により、それらの間に環状の炉室(加熱空間)が形成さ
れている。後述するように、製鋼ダスト等から金属を回
収するために炉内に投入される金属酸化物は、この環状
の炉室を搬送される過程で還元される。なお、これら周
壁12、14および頂壁16、底壁18は全て断熱壁で
ある。
【0016】還元炉10は、図1(a) に一点鎖線で示す
ように、例えば周方向において区分された加熱帯20、
中間帯22、第1還元帯24、第2還元帯26、および
抽出帯28の5つの部分を環状の炉室内に備えている。
これらのうち抽出帯28以外の各帯は、外周側周壁12
および内周側周壁14に複数本(図2においては2本或
いは4本)のバーナ30を有する。バーナ30の各々に
は、燃料ガス供給配管56および空気供給配管58が接
続されており、各帯の雰囲気温度を予め定められた1100
〜 1300(℃) 程度に加熱するために、COG(石炭をコ
ークス炉で乾留するときに発生するガス)やLPG(液
化石油ガス)等の燃料ガスと空気との混合気が炉室内に
向かって噴射されるようになっている。燃料ガスは、加
熱帯20では理論空燃比以上で燃焼して十分に発熱させ
られ、中性乃至酸化性の炉内雰囲気でその温度が例えば
1100(℃) 程度まで高められる。また、中間帯22では
理論空燃比程度(例えば0.98〜1.00程度)で燃焼して、
やや還元性雰囲気で炉内温度が加熱帯20と同程度或い
はそれよりもやや高い 1250(℃) 程度の温度に高められ
る。また、還元帯24、26では理論空燃比よりも十分
に低い混合比(例えば0.85〜0.95程度)で燃焼して炉内
が還元性雰囲気で 1300(℃) 程度の雰囲気温度とされ
る。バーナ30が設けられていない抽出帯28ではやや
雰囲気温度が低く、 1100(℃) 程度である。
【0017】また、外周側周壁12のうち加熱帯20お
よび中間帯22に対応する部分には、バーナ30間に位
置するようにそれぞれ1乃至複数個(図2においては3
個)の空気導入口32が取り付けられている。この空気
導入口32は、燃料ガスや生成ガスの完全な酸化に必要
な酸素を補う目的で炉内に空気を送り込むためのもので
ある。なお、空気導入口32は、加熱帯20および中間
帯22にそれぞれ送り込まれる空気流量を独立して制御
できるように、それぞれ別系統の配管68、70に接続
されている。
【0018】また、前記の頂壁16は炉室を上側から覆
うものであるが、上記の加熱帯20と抽出帯28との間
の位置には、その頂壁16の周方向の一部が切り欠かれ
ることにより、被処理物である金属酸化物のペレット3
4を炉内に投入するための投入口36が設けられてい
る。投入口36の上には、図示しないペレット造粒機で
製造されたペレット34を投入するための投入装置の投
入部38が位置させられており、そこからペレット34
が適宜の速度で還元炉10に投入される。したがって、
還元炉10には投入口36から連続的にペレット34が
投入されるため、その投入口36は常時開口させられて
おり、炉内外の気体はその投入口36を通して出入り可
能である。なお、ペレット34は、ペレット造粒機(ペ
レタイザ)に製鋼ダスト等を投入して還元材(カーボ
ン)、有機バインダ、および水等を適量添加することに
より、例えば7 〜13(mm)程度の適当な直径の球状乃至粒
状に成形される。本実施例においては、上記の投入口3
6が開口部に相当する。
【0019】また、加熱帯20のうち投入口36の近傍
の位置には、炉内で発生した生成ガスや過剰の空気等を
排出するための排気路すなわち煙道40が頂壁16から
立設されている。煙道40から続く排気経路には、排気
の熱を回収する熱交換器として機能するボイラ82およ
びレキュペレータ83等が設けられているが、これらに
ついては還元炉10の制御構成の説明と併せて後述す
る。なお、バーナ30および空気導入口32は炉体の複
数箇所に備えられている一方、煙道40は加熱帯20の
うち抽出帯28よりの一箇所だけに備えられていること
から、図2に矢印g1 、g2 で示すように、生成ガスは
加熱帯20および抽出帯28の双方から煙道40に向か
って流れる。但し、抽出帯28および加熱体20と投入
口36とのそれぞれの間には、頂壁16から下方に向か
う仕切り壁42、43が周壁12、14間に設けられて
いるため、加熱帯20および第2還元帯26の各々の雰
囲気はその仕切り壁42、43によって略区分されてい
る。
【0020】また、加熱帯20のうち煙道40近傍には
圧力検出手段である圧力センサ44および酸素濃度検出
手段である酸素センサ45が、煙道40の加熱帯20近
傍の基端部には温度測定手段である温度センサ47がそ
れぞれ設けられ、炉室内において煙道40の入口近傍の
圧力(気圧)および酸素濃度が測定されると共に煙道4
0の入口近傍における排気温度が測定され、制御装置4
6にそれら圧力信号、酸素濃度信号、および温度信号が
送られる。制御装置46は、CPU、ROM、RAM等
を備え、予めROMに記憶されたプログラムに従って、
このような圧力センサ44、酸素センサ45、および温
度センサ47の出力である炉内圧力や排気酸素濃度、排
気温度等の種々の測定値を処理し、その処理結果に基づ
いて燃料ガス流量、空気流量や炉内圧力等を後述するよ
うな設定値に一致するように制御するものである。
【0021】また、抽出帯28のうち投入口36の近傍
の位置であって炉室外周外側には、還元処理を終えたペ
レット34を排出するためのペレット排出口48が設け
られている。図2に示すように、排出口48の上には炉
体の径方向に略沿って伸びるスクリュー50が炉室内に
設けられており、抽出帯28に到達したペレット34
は、図示しない駆動機構で軸心回りに回転させられるそ
のスクリュー50によって炉室の外周側に送られ、排出
口48から順次に排出させられる。排出されたペレット
34は、再酸化を防止するための還元雰囲気下で冷却さ
れた後に回収されるが、そのための設備や機構は本実施
例の理解に必要ではないので説明を省略する。
【0022】また、還元炉10内には、図2に示される
ように外周側周壁12および内周側周壁14の相互間隔
よりも僅かに小さい幅寸法を備えて円環状を成す炉床5
2が一つ設けられている。鉛直断面を表した図3に示さ
れるように、炉床52は、ペレット34が2〜3層程度
の厚みで載せられる略平坦なペレット載置部と、その幅
方向(炉体の径方向)における両端部に僅かな高さ寸法
を以て上方に向かって突設された側壁部とを有し、底面
の幅方向両端部位置に複数対の車輪54を備えたもので
ある。この車輪54は、炉床52を一定の高さ位置に支
持するように炉体の周方向において適当な間隔を以て設
けられている。
【0023】このため、炉床52は、図2における紙面
に垂直な鉛直方向に沿って伸びるその軸心回りに回転可
能に構成されており、図示しない駆動機構によって例え
ば図に矢印Pで示される右回り方向に回転させられる。
すなわち、本実施例においては、還元炉10は円環状の
炉内をその周方向に円環状の炉床52が回転させられる
回転床炉に構成されている。投入口36から投入された
ペレット34は、回転させられている炉床52に順次載
せられて加熱帯20、中間帯22、第1還元帯24、お
よび第2還元帯26を加熱されつつ順に通過させられ、
その過程で主にそれら還元帯24、26において金属に
還元され、抽出帯28に設けられた排出口48から排出
されて回収されることになる。
【0024】図4は、上記の還元炉10の炉内圧力制御
構成の要部を説明する図である。なお、本図は制御の接
続構成を表すものであり、バーナ30、空気導入口3
2、センサ位置、および炉内の各帯20、22等の配置
等を説明の便宜上変形して示している。図4において、
各帯20、22等にそれぞれ設けられたバーナ30に
は、それぞれ燃料ガス供給配管56および空気供給配管
58が接続されている。それら配管56、58には、そ
れらの合流点よりも上流側にそれぞれ制御装置46によ
って開度が制御される弁60、62が備えられており、
燃料ガス流量および空気流量が各帯20、22等毎に独
立して調節される。また、それら弁60、62よりも上
流側の位置には、燃料ガスおよび空気の流量を例えば差
圧によりそれぞれ測定するための差圧流量計64、66
が備えられ、それらにより測定された実際の流量を示す
流量信号が制御装置46に送られるようになっている。
このため、弁60、62の開度は、流量計64、66に
よって測定された実際の流量の比が予め定められた空燃
比に一致し、且つ予め設定された炉内温度が実現される
ようにフィードバック制御によって調節されることにな
る。
【0025】また、加熱帯20および中間帯22にそれ
ぞれ設けられた空気導入口32には、例えばバーナ30
に接続された空気供給配管58と供給源を共通とする空
気供給配管68、70がそれぞれ接続されている。空気
供給配管68、70の各々のには、制御装置46によっ
て開度が制御される弁72、74と、それぞれの空気流
量を例えば差圧により測定するための差圧流量計76、
78が備えられており、空気流量が相互に独立して測定
され且つ調節される。これら空気供給配管68、70か
らの導入空気流量は、弁72、74の開度を調節するこ
とにより、流量計76、78により測定された流量が予
め設定された流量に一致するように制御される。この設
定流量は、例えば排気中の酸素濃度が設定値に一致する
ように、前記検出酸素濃度などに基づいて定められるも
のである。すなわち、バーナ30は専ら温度調節の目的
で制御され、空気導入口32は専ら雰囲気調節の目的で
制御される。なお、制御装置46と弁72、74との間
に設けられている比率設定器80は、加熱帯20および
中間帯22にそれぞれ供給される空気流量の配分を調節
するものである。
【0026】また、前記の煙道40に続く排気経路に
は、ボイラ82、レキュペレータ83、集塵機84、ダ
ンパ86、およびファン(排風機)88等が順次設けら
れている。そのため、還元炉10から排出された気体
(排ガス)は、冷却器として機能するボイラ82および
レキュペレータ83において冷却されることによりその
熱が回収され、集塵機84において気体中に含まれる固
形物が除去され、ファン88を通して図示しない煙突か
ら排出される。本実施例においては、ファン88が排気
装置に相当する。
【0027】図5は、上記のレキュペレータ83の構成
を詳しく説明する図である。煙道40は、レキュペレー
タ83内において複数の排気通路90に分岐しており、
それら複数の排気通路90を通過する過程でその内壁面
から外壁面に排気の熱が伝達される。前記の空気供給路
68、70に接続された空気供給路92は、このレキュ
ペレータ83内およびボイラー82内を通過するように
設けられており、その空気供給路92内を送られる空気
は、その外壁面に伝達された熱とボイラ82内で発生さ
せられた蒸気とによって順次加熱され、予熱された状態
で還元炉10に供給されることになる。
【0028】また、レキュペレータ83内の複数箇所に
は、排気通路90にスートブロー装置94が設けられて
いる。スートブロー装置94は、排気通路90内に蒸気
を吹き付けることによりその内壁面に付着したダストを
除去して、レキュペレータ83の熱交換能力を維持する
ためのものである。スートブロー装置94の各に接続さ
れたモータ96は、制御装置98によって駆動制御され
るものであり、例えば、モータ96毎に予め設定された
一定の時間間隔を以て10〜 300秒程度の一定時間だけ一
定の回転速度で駆動される。そのため、スートブロー装
置94からは、その設置場所に応じた時期、時間、及び
強さで蒸気が排気通路90内に吹き付けられることにな
る。このようなスートブロー装置94は、図4に示され
るようにボイラ82にも設けられており、その内部を通
過する煙道40の内壁面に付着したダストも同様にして
除去されるようになっている。但し、ボイラ82及びレ
キュペレータ83にそれぞれ設けられているスートブロ
ー装置94a、94bは、一時に一方だけから蒸気を煙
道40内(レキュペレータ83においては排気通路90
内)に供給するように制御され、同時には駆動されな
い。本実施例においては、スートブロー装置94a、9
4bが気体供給装置に相当する。
【0029】また、前記のダンパ86は、制御装置46
に駆動制御されるモータ100でその開度が調節される
ことにより、煙道40を通して排出される気体流量を調
節する流量調節装置である。ダンパ開度は、例えば、圧
力センサ44によって検出される炉内圧力が設定圧力に
一致するようにフィードバック制御されるが、その設定
圧力は、例えば、投入口36内側における静圧が零とな
るように定められる。例えば、その投入口36内側の圧
力が実測される場合には設定圧力は零とされるが、例え
ば実測が困難なために投入口36から隔てた位置におけ
る圧力が測定される場合等には、その測定圧力と投入口
36における気体の出入りとの相関関係等に基づいて設
定圧力が適宜の値に定められる。
【0030】図6は、上記制御装置46の機能を説明す
る機能ブロック線図である。排気流量取得手段102
は、例えば、煙道40に設けられた流量計により測定
し、或いは前記の差圧流量計64,66,76,78に
よって測定された還元炉10への燃料ガス供給量の合計
値TotalGas、空気流量の合計値TotalAir、および酸素セ
ンサ45により測定された煙道40の入口における酸素
濃度検出値OXから算出することにより、煙道40を流れ
る排気流量Qf を取得する。後者の排気流量演算は、具
体的には、例えば以下の計算式により行われる。 RAir=TotalAir−α×TotalGas・・・(1) GasExh=β×TotalGas・・・(2) PltExh=RAir×γ×δ・・・(3) Qf =GasExh+PltExh+(1−γ)RAir ・・・(4)
【0031】上記の(1) 式において、RAirは燃料ガスの
燃焼に消費されない残存空気流量である。また、αは燃
料ガス1(t)を燃焼させるために必要となる理論空気流量
に相当する係数であり、例えばCOGの場合には4.9 程
度の値が用いられる。また、(2) 式において、GasExhは
燃料ガスの完全燃焼により生じる理論排気流量である。
また、βは燃料ガス1(t)の燃焼により発生する排気流量
に相当する係数であり、例えばCOGの場合には5.6 程
度の値が用いられる。また、(3) 式において、PltExhは
ペレット34の還元反応により発生する排気流量、γは
残留空気流量RAirのうちペレット34の反応に使用され
る割合である。また、δは空気1(m3) がペレット34と
反応することにより発生する排気量であり、例えば1.19
程度の値が用いられる。なお、本願において気体の体積
や流量等は特に断らない限り標準状態における値であ
る。
【0032】なお、上記のγは、煙道40に流れ込む
(還元炉10の出口の)排気の酸素濃度OXに基づいて下
記(5) 式により算出される。下記(5) 式において21は空
気中の酸素濃度(%) である。したがって、炉内から煙道
40に排出される排気流量Qfは、燃料ガスおよびペレ
ット34と空気との反応により生じた排気と、未反応の
まま排出される余剰の空気との和で与えられることにな
る。なお、排気流量Qfはボイラ82やレキュペレータ
83等における外気吸引に起因して排気経路上において
変化するものであり、上記値は、還元炉10の出口にお
ける値、すなわち排出経路における代表値である。 γ=[21-OX(1+(GasExh/RAir))]/[(21+(δ-1)OX]・・・(5)
【0033】また、圧損定数補正量算出手段104は、
上記のように取得された排気流量Q f と、ファン88の
差圧PS と、ボイラ82およびレキュペレータ83にそ
れぞれ設けられたスートブロー装置94a、94bから
煙道40に供給されるスートブロー流量Qb 、Qr とか
ら、ダンパ86の圧損定数Kdの補正量△Kdを算出す
る。この補正量△Kdは、スートブロー装置94からそ
の作動時に煙道40に蒸気が供給されることに伴う煙道
40内の圧力変化延いては還元炉10内の圧力変化を抑
制するための補正量である。圧力変化を抑制するために
は、スートブロー流量Qb 、Qr に応じた流量だけ一時
的に煙道40内の排気流量Qf を高める必要があるた
め、本実施例においては、ダンパ86における圧損を減
じることにより排気流量Qf を増大させる。
【0034】上記の補正量△Kdは、例えば、還元炉1
0の排気系を図7に示すようなシステム・モデルで考え
たとき、スートブロー装置94a作動時では下記(6) 式
で与えられ、スートブロー装置94b作動時では下記
(7) 式で与えられる。両式において添字の「200 」は、
3 =200(℃) における値であることを表している。図
7において、T1 、T2 、T3 は、それぞれ煙道40の
入口における排気温度、レキュペレータ83の入口にお
ける排気温度、集塵機84の入口における排気温度であ
り、例えば、それぞれ 1100(℃) 程度、480(℃) 程度、
200(℃) 程度である。また、K1 、K2 、K3 、K4
5 は、それぞれボイラ82までの圧損定数[差圧△P
1 =300(Pa) ]、ボイラ82内での圧損定数[差圧△P
2 =400+250+50=700(Pa) ]、レキュペレータ83入口
における圧損定数[△P3 =差圧500(Pa) ]、レキュペ
レータ83内部における圧損定数[差圧△P4 =500(P
a) ]、集塵機84から煙突106までの圧損定数[差
圧△P5 =200+800+300+2500+500=4300(Pa)]であり、
例えば、排気流量Qf =35100(m3/h) としたとき、それ
ぞれ下記のような値になる。また、スートブロー流量Q
b 、Qr は、それぞれ2740(m3/h)程度、4180(m3/h)程度
に設定される。なお、下記(6) 、(7) 式において、C
b、Crは、それぞれ定数である。また、図4等におい
てはレキュペレータ83が1段だけ設けられているよう
に説明しているが、2段以上のレキュペレータを設ける
こともできる。上記の差圧△P5 は、レキュペレータが
集塵機84の前に更に1段設けられている場合におい
て、そのレキュペレータにおける圧損も考慮した値であ
る。本実施例では、Cb、Crが定数Cに、Qb 、Qr
が供給気体流量をQk にそれぞれ対応する。 △Kd200 =−[(PS /Qf 2)−Cb] × (Qb /Qf )2・・・(6) △Kd200 =−[(PS /Qf 2)−Cr] × (Qr /Qf )2・・・(7) K1 =[273/(273+T1)]×△P1/Qf 2 = 4.8×10-82 =[273/(273+T1)]×△P2/Qf 2 =11.3×10-83 =[273/(273+T2)]×△P3/Qf 2 =14.7×10-84 =[273/(273+T2)]×△P4/Qf 2 =14.7×10-85 =[273/(273+T3)]×△P5/Qf 2 =201 ×10-8
【0035】これら2式は、上記図7のシステム・モデ
ルにおける下記(8) 式のシステム方程式から導き出され
る。排気系の圧力を一定に維持するためには、この(8)
において、スートブローが無いとき(Qb =Qr =0)
および、スートブロー時(Q b およびQr の一方のみが
0)の何れの圧力P1 もファン差圧能力PS と一致する
必要がある。そのため、スートブロー時にはダンパ圧損
定数KdをKd+△Kdに変化させて差圧をPS に維持
するものと考えてP1 =PS として(8) 式を解き、
b 、Qr <<Qf を考慮すれば、スートブロー装置9
4a、94bがそれぞれ作動させられた場合の解として
下記(9) 、(10)式が得られる。これら(9) 、(10)式にお
いて、温度T3 が10(%) 程度変動しても△Kdの変化は
何れも4(%)程度と小さいので無視できる。本実施例では
3 =200(℃) で操業されるので、そのときの△Kdを
△Kd200 と表せば、これら(9) 、(10)式は前記(6) 、
(7) 式と等価である。 [K1(273+T1)/273]×Qf 2+[K2(273+T1)/273]× (Qf 2+Qb 2) +[K3(273+T2)/273]× (Qf 2+Qb 2) +[(K4(273+T2)/273)+(K5+Kd)((273+T3)/273)]× (Qf 2+Qb 2+Qr 2)=P1 ・・・(8) △Kd=−[273/(273+T3)][(PS /Qf 2)−Cb] × (Qb /Qf )2・・・(9) △Kd=−[273/(273+T3)][(PS /Qf 2)−Cr] × (Qr /Qf )2・・・(10) 但し、Cb=K1(273+T1)/273、 Cr=[K1(273+T1)/273]+[K2(273+T1)/273]+[(273+T2)/27
3]
【0036】なお、ファン差圧能力PS は7400(Pa)程度
の値であるから、下記のように、CbおよびCrの値は
S /Qf 2 に比較して何れも十分に小さいため、T1
およびT2 が10(%) 程度変動した場合の△Kdの変化は
(6) 式において0.3(%)程度、(7) 式において1.5(%)程度
に過ぎない。したがって、これらの値を定数として取り
扱うことに支障はない。但し、下記のCb、Crの値は
排気流量の代表値から求めた概略値であるので、実際の
制御に際してはこれらの値は用いず、スートブローの無
いときの安定した操業中における煙道40入口からボイ
ラ82のスートブロー装置94aまでの圧損Pb 或いは
煙道40入口からレキュペレータ83のスートブロー装
置94bまでの圧損Pr と、排気流量Qf の実測値とか
ら、Cb=Pb /Qf 2 或いはCr=Pr /Qf 2 で求
めた値にそれぞれ置き換えられる。 PS /Qf 2 =7400/351002 =601 ×10-8 Cb=K1(273+T1)/273=△P1/Qf 2 = 4.8×10-8 Cr=[K1(273+T1)/273]+[K2(273+T1)/273]+[K3(273+T2)/
273]= (△P1+△P2+△P3) /Qf 2 = 122×10-8
【0037】上記のようにして圧損定数Kdの補正量△
Kdを求めた後、変化量決定手段108においては、そ
の補正量△Kdに対応するダンパ開度MVの変化量(補
正量)すなわち開度増分△MV0 を決定する。ダンパ開
度MVと圧損定数Kdとの間には、図8に示すような関
係のあることがダンパ特性の実測データから判ってお
り、このグラフから下記(11)式,更に(12)式が得られ
る。そのため、この(12)式から補正量△Kdに対応する
開度増分△MV0 を決定できる。この△MV0 の決定
は、計算によることもできるが、通常は関数発生器等を
用いて△Kdに対応する△MV0 の値を読み取ることで
行われる。なお、制御に用いられる実際の開度増分△M
Vは、下記(12)式に示すように、ゲインGをこれに乗じ
た値である。ゲインGは、計算誤差を調節して制御の安
全性を確保するための係数であり、例えば、0 〜1.1 程
度の値が用いられる。すなわち、変化量決定手段108
は、厳密に言えば△Kdから△MVを決定するものであ
る。なお、ダンパ開度MVと排気流量Qf との間には、
図9に示される関係があるため、この変化量決定手段1
08は、実質的にスートブロー流量Qb 、Qr に応じた
排気流量の増分を決定するものである。 dMV/dKd200=-18.66/Kd200 ・・・(11) △MV0 =(dMV/dKd200) ×△Kd ・・・(12) △MV=△MV0 ×G ・・・(13)
【0038】なお、上記の(11)式において、Kd200
下記(14)式で与えられるため、制御にはこの式で算出し
た値が用いられる。この式においてKx は511 ×10-8
度の値であるが、スートブローの無いときのダンパ86
以外での圧損をPx とすると、Kx は下記(15)式で与え
られるため、実際の制御では実測した圧損Px および排
気流量Qf から計算した値を用いる。 Kd200 =(PS /Qf 2)-Kx ・・・(14) Kx = Px /Qf 2 ・・・(15)
【0039】一方、作動検出手段110は、スートブロ
ー装置94の制御装置98から制御装置46に送られる
作動信号に基づきスートブロー装置94a、94bが作
動させられたことを検出する。なお、スートブロー装置
94a、94bは、前述したように同時には作動させら
れないものであるため、作動検出手段110は、何れか
一方が作動しているか、または何れもが作動していない
かを検出することになる。
【0040】そして、上記のようにしてダンパ開度の増
分△MVが決定される一方、作動検出手段110によっ
てスートブロー装置94の作動が検出されると、操作量
変更手段112は、その作動が検出されている間は、ダ
ンパ86の設定開度MVを△MVだけ増加させ、実際の
ダンパ開度がその設定開度MV+△MVに一致するよう
にモータ100を駆動する。これにより、ダンパ開度が
増大させられ、その圧損が減じられる。すなわち、前述
したようにダンパ開度MVは、炉内圧力の測定値が設定
値に一致するようにフィードバック制御されるものであ
るが、スートブロー装置94の作動に伴う増分△MVは
外乱から予測されるフィードフォワード値であり、ダン
パ86の開度制御は全体としてフィードバック−フィー
ドフォワード複合制御されている。そのため、前述した
ように投入口36内側における静圧が零となるように設
定圧力が定められ且つその値に測定値が一致するように
制御されている炉内圧力は、スートブロー装置94が作
動させられることにより一時的且つ急激に煙道40内に
蒸気(気体)が送り込まれても、その作動中だけダンパ
開度MVが予め増大させられ、延いては排気流量が増加
させられることによって、フィードバック制御のみによ
る場合の制御遅れによる不都合が生じることなく所期の
値に略維持されることになる。
【0041】以上のように構成される還元炉10を用い
て製鋼ダスト等をペレット化した金属酸化物を還元処理
するに際しては、炉床52を図2に示す矢印P方向に一
定速度で回転させ、且つバーナ30に前述したような空
燃比となるように燃料ガスおよび空気を供給して点火し
て炉内の各部を予め定められた温度に保持した後、空気
導入口32から空気を導入すると共に、ペレット造粒機
で成形したペレット34を還元炉10の投入口36から
一定の速度で炉内に投入する。
【0042】投入されたペレット34は、炉床52の回
転に従って加熱帯20から還元帯24、26に向かって
搬送され、その過程で還元雰囲気下で加熱されることに
より還元される。このとき、炉内で発生した気体(未反
応の空気を含む)は、図2に矢印g1 、g2 で示される
ように煙道40に向かわせられ、前述したような排気経
路を通って排出されるが、矢印g2 で示される抽出帯2
8側から煙道40に向かう気体はその流通過程で投入口
36を通過する。そのため、炉内圧と外圧とが相違する
とその差圧に応じた気体の流通が生じるが、本実施例に
おいては、その差圧すなわち投入口36内側の静圧が零
となるように設定圧力が設定されているため、投入口3
6を通した気体の出入りは生じていない。
【0043】上記のようにして還元炉10が継続的に運
転されていると、煙道40にダストを含む排気が定常的
に送られるため、そのダストがボイラ82およびレキュ
ペレータ83の内壁面等に付着し、その熱交換能力を低
下させる。そのため、スートブロー装置94は、その付
着ダストが熱交換能力に著しい影響を与えることの無い
ようにタイマ等で定期的に作動させられるが、その作動
により煙道40内に吹き込まれる蒸気は炉内圧力の変動
要因となる。この場合において、本実施例ではスートブ
ロー装置94の作動が検出された場合には、前記のよう
に供給される蒸気流量に応じた流量だけ一時的に排気流
量が高められるため、その作動に伴う炉内圧力変動が好
適に抑制される。また、スートブロー装置94は、必要
に応じて手動でも作動させられるが、この場合にも定期
的に作動させられる場合と同様に炉内圧力の変動が抑制
される。
【0044】要するに、本実施例においては、炉圧制御
のための制御装置46は、作動検出手段110によって
スートブロー装置94の作動が検出されると、操作量変
更手段112によって操作量MVを増加させることによ
り、スートブロー流量Qb 、Qr に応じた流量だけ煙道
40の排気流量を一時的に増加させる。そのため、スー
トブロー装置94によって蒸気が煙道40(排気路内)
に供給されても、その供給により生じ得る炉内圧力変動
は、スートブロー流量Qb 、Qr に応じて予め一時的に
操作量MV延いては排気流量を増加させること、すなわ
ちフィードフォワード制御により緩和される。したがっ
て、定期的或いは不定期に煙道40内にスートブローの
ための蒸気が供給される場合にも炉内の圧力変動が好適
に抑制される。
【0045】また、本実施例においては、排気流量取得
手段102により取得された排気流量Qf と、スートブ
ロー流量Qb 、Qr と、ファン88の差圧PS とに基づ
いて圧損定数補正量算出手段104によってダンパ86
の圧損定数Kdの補正量△Kdが算出されると、変化量
決定手段108によってダンパ開度MVと圧損定数Kd
との関係からその補正量△Kdに基づいてダンパ開度M
Vの増分△MVが決定される。そのため、スートブロー
流量Qb 、Qr およびファン88の差圧PS は、予め設
定され或いは装置能力で定められる定数であることか
ら、排気流量Qfを前述したように適宜の手段で取得す
れば、予め求められた計算式或いはマップ等を用いて、
圧損定数補正量△Kdの値から開度増分△MV0 を決定
できる。
【0046】なお、上記の実施例においては、炉圧制御
の略全体が制御装置46によってデジタル制御される場
合について説明したが、例えば、炉内圧力(検出圧力)
を設定圧力に一致させる制御は、図10に示すように圧
力調節計114を用いてアナログ制御してもよい。図1
0において、圧力調節計114は、圧力センサ44によ
り検出された圧力が予め設定された圧力、すなわち制御
装置46により決定された設定圧力に一致するように、
それらの偏差に応じた制御電流を出力する。この出力電
流は、モータ100の出力を制御するものであり、フィ
ードバック制御によりダンパ86の開度MVが調節され
ることになる。
【0047】また、制御装置46は、前述したようにス
ートブロー装置94の作動時にはそのスートブロー流量
b 、Qr に応じたダンパ開度補正量△MVに応じた制
御電流を出力する。この補正量△MVは、圧力調節計1
14の出力MVに加算され、モータ100には、ダンパ
開度をMV+△MVとするための制御電流が出力される
ことになる。このように、アナログ制御の場合にも圧力
調節計114の出力電流を一時的に増大させることで、
デジタル制御の場合と同様に圧力変動を抑制することが
できる。なお、図10には炉内圧力制御をアナログ制御
する場合だけを示しているが、バーナ30の空燃比制御
や空気導入口32の導入空気制御等も同様にアナログ制
御し得る。
【0048】以上、本発明の一実施例を図面を参照して
詳細に説明したが、本発明は、更に別の態様でも実施さ
れる。
【0049】例えば、実施例においては、円環状の炉室
を備えて円環状の炉床52がその内部で回転させられる
回転床炉に本発明が適用された場合について説明した
が、本発明は、全体として円環状を成すように炉床52
が複数個に分割されている形式の回転床炉や、長手状の
炉室内をその長さ寸法よりも十分に小さい炉床がその両
端部に設けられた入口から出口に向かって移動させられ
る形式の移動床炉等であっても、常時開口する開口部を
有し且つその内側における静圧を制御する目的等のため
に圧力制御が要求される炉であれば同様に適用される。
【0050】また、実施例においては、熱交換器(冷却
機)としてボイラ82およびレキュペレータ83が設け
られ、それぞれにスートブロー装置94が設けられてい
る場合について説明したが、排気からの熱回収のための
装置は適宜変更・追加・削除することができる。また、
スートブロー装置94は、熱交換能力の低下を抑制する
ためにボイラ82およびレキュペレータ83の内壁面に
付着したダストを除去するものであったが、その他の目
的で設置されている場合にも、その作動により炉内圧力
変動が生じ得る場合には同様に本発明を適用し得る。ま
た、熱交換能力の低下抑制を目的とする場合において
も、スートブロー装置94は、必ずしも全ての熱交換器
に設けなくともよく、排気中のダストが付着し且つそれ
が熱交換器の能力を低下させ得る部分だけに設ければ足
りる。
【0051】また、実施例においては、流量調節装置と
してダンパ86が用いられると共に、変化量決定手段1
08が圧損定数補正量△Kdに対応するダンパ開度補正
量△MVを決定するものであったが、流量調節装置とし
ては、ダンパ以外にも流量調節弁等の公知の種々の装置
を用い得るものであり、操作量の変化量例えば増分は、
その流量調節装置に種類に応じた適宜の方法で、補正量
△Kdから間接的或いは直接的に決定できる。また、流
量調節装置は、ダンパ86をバイパスするバイパス路を
煙道40に並列に有し、常には実施例の場合と同様にそ
のダンパ86の開度を変化させることで排気流量を調節
するが、スートブロー装置94の作動時にはそのバイパ
ス路を開くことにより圧損延いては排気流量を変化させ
るものであってもよい。このようなバイパス路には排気
ファン等が適宜備えられる。
【0052】また、実施例においては、ペレット34の
加熱にガス・バーナ30が用いられていたが、加熱方法
は公知の種々の方法を採用でき、例えば、電気ヒータを
用いてもよい。
【0053】また、還元炉10の炉室の分割帯数、各帯
20、22等における温度および雰囲気(例えばバーナ
30の空燃比)等は、処理対象であるペレット34の材
質や炉室構成等に応じて適宜変更されるものである。例
えば、炉室をそれぞれ一つの加熱帯と還元帯だけで構成
してもよい。
【0054】また、実施例では煙道40が加熱帯20の
一箇所だけに設けられていたが、その複数箇所或いは加
熱帯20および中間帯22にそれぞれ設けることもでき
る。
【0055】その他、一々例示はしないが、本発明は、
その主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) は本発明の炉圧制御装置が備えられた金属
酸化物還元炉の全体を示す図であり、(b) は、その要部
を異なる角度から見た状態を示す図である。
【図2】図1の金属酸化物還元炉の水平断面図である。
【図3】図2におけるIII −III 視断面に対応する図で
ある。
【図4】図1の金属酸化物還元炉の炉圧制御構成を説明
する図である。
【図5】煙道に設けられているレキュペレータの構成を
詳しく説明する図である。
【図6】図4の制御装置の機能を説明する機能ブロック
線図である。
【図7】本発明の制御装置が適用されるシステム・モデ
ル図である。
【図8】ダンパ開度と圧損定数との関係を示した図であ
る。
【図9】ダンパ開度と排気流量との関係を示した図であ
る。
【図10】図1の炉に適用される他の制御構成例の要部
を示す図である。
【符号の説明】
10:金属酸化物還元炉 40:煙道(排気路) 46:制御装置 86:ダンパ(流量調節装置) 88:ファン(排気装置) 94:スートブロー装置 102:排気流量取得手段 104:圧損定数補正量算出手段 108:変化量決定手段 110:作動検出手段 112:操作量変更手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉内の気体を排気路を通して排出するた
    めの排気装置と、定期的または不定期に一定流量の気体
    をその排気路内に供給するための気体供給装置と、その
    炉内からの排気流量を調節するためにその排気路に設け
    られた流量調節装置とを備えた加熱炉において、前記流
    量調節装置を操作することにより炉内圧力が設定圧力に
    一致するように制御する制御装置であって、 前記気体供給装置の作動を検出する作動検出手段と、 前記気体供給装置の作動時にはその供給気体流量に応じ
    た量だけ排気流量を増加させるように前記流量調節装置
    の操作量を一時的に変化させる操作量変更手段とを、含
    むことを特徴とする炉圧制御装置。
  2. 【請求項2】 前記排気流量を取得する排気流量取得手
    段と、 前記供給気体流量、前記排気流量、および前記排気装置
    の差圧に基づき前記炉内圧力を前記設定圧力に維持する
    ための前記流量調節装置の圧損定数の補正量を算出する
    圧損定数補正量算出手段と、 予め求められた前記流量調節装置における流量と圧損定
    数との関係から前記圧損定数の補正量に基づき前記操作
    量の変化量を決定する変化量決定手段とを含み、 前記操作量変更手段は、その決定された変化量だけ前記
    操作量を一時的に変化させるものである請求項1の炉圧
    制御装置。
  3. 【請求項3】 前記圧損定数補正量算出手段は、前記排
    気装置の差圧能力をPS、前記排気流量をQf 、前記供
    給気体流量をQk としたとき、下記A式に従って前記圧
    損定数の補正量△Kdを算出するものであり、 △Kd=−[(PS /Qf 2)−C]× (Qk /Qf )2・・・A
    (但し、Cは定数) 前記変化量決定手段は、前記操作量をMV0 としたと
    き、下記B式に従って前記変化量△MV0 を決定するも
    のである請求項2の炉圧制御装置。 △MV0 =(dMV/dKd)×△Kd・・・B
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