JP2002146419A - 鉄カーバイドの製造方法 - Google Patents

鉄カーバイドの製造方法

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JP2002146419A JP2000339311A JP2000339311A JP2002146419A JP 2002146419 A JP2002146419 A JP 2002146419A JP 2000339311 A JP2000339311 A JP 2000339311A JP 2000339311 A JP2000339311 A JP 2000339311A JP 2002146419 A JP2002146419 A JP 2002146419A
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Torakatsu Miyashita
虎勝 宮下
Junya Nakatani
純也 中谷
Teruyuki Nakazawa
輝幸 中澤
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Corp
Kawasaki Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特別の設備を要せず、また、特殊な補助原料
を必要とせず、良好な品質の確保と収率の向上を果たし
うる鉄カーバイドの製造方法を提供すること 【解決手段】 経路6から乾燥炉1に供給される製鉄用
含鉄原料に、経路7、8、9または10を経て低融点金
属の酸化物、水酸化物または炭酸塩を添加して、この低
融点金属の酸化物、水酸化物または炭酸塩を含有する含
鉄原料を、予熱炉2で予熱し、流動層式反応炉3、4で
還元および炭化ガスと反応させて鉄カーバイドを製造す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鉄カーバイドの製造
方法に関し、特に品質の確保と収率(歩留まり)の向上
を果たしうる鉄カーバイドの製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】鉄鉱
石の種類によっては、反応に伴って粉化が進行すること
がある。例えば、ある種の鉄鉱石では、400−600
℃で還元すると著しく粉化することが知られている。例
えば、原料鉄鉱石の重量に対して20重量%もの微少な
粉粒体が発生することがある。一定以下の粒径の微粉
は、反応炉内の反応ガスの圧力で容易に吹き飛ばされて
炉外に排出されるので、反応炉内の滞留時間が極く短
く、反応率が向上しない(良好な品質を確保できな
い)。また、一定量の微少な粉粒体が炉外に排出される
ことで、製品の収率が低くなる。一方、ある程度還元の
進んだ粉粒体は反応活性が高いので燃えやすく、安全対
策の面からも適切な処置が必要である。
【0003】そこで、反応炉から反応ガスとともに排出
された粉粒体を回収するための装置(例えば、サイクロ
ン)を設けても、一定以下の粒径の粉粒体は反応炉から
すぐに排出されるので、反応炉内の滞留時間が短いこと
に変わりなく、反応炉と回収装置を循環するだけで、反
応率は向上せず、一定以上の品質を有する製品を得るこ
とはできない。
【0004】本発明に関連する従来の技術として、特許
第2938825号(特開平10−237522号公
報)に記載された鉄カーバイドの製造方法によれば、粉
粒体状の製鉄用含鉄原料を鉄カーバイドに変換する場合
において、流動層を粗粒含鉄原料用と細粒含鉄原料用の
2つの分割室に分割し、反応の前半は粗い粒子に対応し
て反応ガスの流速を比較的速くし、反応の後半は細かい
粒子に対応して反応ガスの流速を比較的遅くすることに
よって、含鉄原料の粒径に対応した(反応の進行状況に
応じた)適正な操業条件を選択しうるが、同特許に記載
された方法でも、炉外に排出される反応ガスに粉粒体が
同伴しないように制御することは困難である。
【0005】また、米国特許第5560762には、図
4に示すように、第一流動層炉51と第二流動層炉52
を有し、0.1−5mmの粒径の粉粒体を得るために、酸
化鉄粉粒体にベントナイト、消石灰のようなバインダー
を添加してプリーヒーター53に供給し、さらに、サイ
クロン54、プリーヒーター55を経て予熱乾燥するこ
とによってその酸化鉄粉粒体を造粒し、さらに、造粒さ
れた酸化鉄がサイクロン56、貯槽57、スクリューコ
ンベヤ58を経て第一流動層炉51と第二流動層炉52
に順次導入されて還元された後、クーラー59で一定温
度に冷却されて排出される、酸化鉄粉粒体を金属鉄に還
元するための熱処理プロセスが開示されている。この米
国特許に記載された方法によれば、粉粒体の凝集化を図
ることは可能であるが、そのためには大量の特別のバイ
ンダーが必要であり、造粒後の酸化鉄を還元することに
よって金属鉄を得ている。
【0006】さらに、高炉やシャフト炉による製鉄法で
は、塊鉱やペレットが用いられるので、流動層式反応炉
に比べて粉化量が少ないという特徴があるが、そのため
には、選鉱設備やペレタイジング設備が必要であり、設
備コストを上昇させる。
【0007】本発明は従来の技術の有するこのような問
題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、特別
の設備を要せず、良好な品質の確保と収率の向上を果た
しうる鉄カーバイドの製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、製鉄用含鉄原料に、低融点金属の酸化物、
水酸化物または炭酸塩(以下「低融点金属の化合物」と
もいう)を添加することにより、この低融点金属の化合
物が反応温度で溶融し、あるいは軟化して造粒剤として
の機能を果たし、還元および炭化反応の進行とともに造
粒が行われ、所定の反応条件の下で所定時間還元および
炭化反応が行われて良好な品質を有する鉄カーバイド製
品を得ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】すなわち、本発明は、酸化鉄類の
ヘマタイト、マグネタイト、ウスタイト及び第一水酸化
鉄、第二水酸化鉄のうち少なくとも1つあるいはそれら
のうちの2つ以上の混合物を主成分とする鉄鉱石もしく
は製鉄プロセスから発生するダスト等の製鉄用含鉄原料
に低融点金属の酸化物、水酸化物または炭酸塩を添加し
て、この低融点金属の酸化物、水酸化物または炭酸塩を
含有する含鉄原料を還元および炭化ガスと反応炉で反応
させて鉄カーバイドを製造する方法を第一の発明とし、
上記第一の発明において、含鉄原料に対する低融点金属
の酸化物、水酸化物または炭酸塩の添加量が、0.07
〜10重量%である鉄カーバイドの製造方法を第二の発
明とし、上記第一または第二の発明において、低融点金
属の酸化物、水酸化物または炭酸塩の中で、それ自体あ
るいは化合・混合状態において、反応温度より低い融点
または分解融解点を有するものが1〜60重量%を占
め、反応温度より高い融点または分解融解点を有するも
のが残部を占める鉄カーバイドの製造方法を第三の発明
とし、上記第一、第二または第三の発明において、還元
または炭化反応時に低融点金属の酸化物、水酸化物また
は炭酸塩を添加する鉄カーバイドの製造方法を第四の発
明とし、上記第一、第二または第三の発明において、含
鉄原料の還元前に予熱を行い、予熱時に低融点金属の酸
化物、水酸化物または炭酸塩を添加する鉄カーバイドの
製造方法を第五の発明とし、上記第一、第二、第三、第
四または第五の発明において、低融点金属がアルカリ金
属、アルカリ土類金属またはマグネシウムである鉄カー
バイドの製造方法を第六の発明とし、上記第五の発明に
おいて、予熱、還元または炭化工程で発生する微少な粉
粒体を回収装置で回収して、当該予熱、還元または炭化
工程に返送する鉄カーバイドの製造方法を第七の発明と
し、上記第七の発明において、回収装置で回収できなか
った極く微少な粉粒体を湿式集塵装置で回収し、該湿式
集塵装置で回収した粉粒体を脱水後に製鉄用含鉄原料に
添加する鉄カーバイドの製造方法を第八の発明とし、上
記第八の発明において、湿式集塵装置で回収した粉粒体
を予熱工程で発生した粉粒体に混合したものを製鉄用含
鉄原料に添加する鉄カーバイドの製造方法を第九の発明
とし、上記第一、第二、第三、第四、第五、第六、第
七、第八または第九の発明において、反応炉が流動層式
反応炉である鉄カーバイドの製造方法を第十の発明とす
る。
【0010】本発明によれば、製鉄用含鉄原料に低融点
金属の酸化物、水酸化物または炭酸塩を添加することに
より、この低融点金属の化合物が反応温度で溶融し、あ
るいは軟化して造粒剤としての機能を果たし、還元およ
び炭化反応の進行とともに造粒が行われるので、微小粉
粒体の発生する割合は極めて少なく、一定以上の粒径と
なった粉粒体は反応ガスに同伴して飛散することはな
く、所定の反応条件の下で反応炉内に一定時間滞留しつ
つ還元および炭化反応が行われ、良好な品質の鉄カーバ
イド製品を得るとともに収率の向上を図ることができ
る。
【0011】しかし、含鉄原料に対する低融点金属の化
合物の配合割合が少なすぎると、造粒効果(微小な粉粒
体を凝集させて一定以上の大きさの粉粒体にすること)
を期待することができず、一方、低融点金属の化合物の
配合割合が多すぎると、含鉄原料の塊状化が進行して、
反応炉内壁に塊状物が付着堆積して反応の進行を阻害し
たり、その塊状物により反応炉およびその付属装置が閉
塞されることがあるので、含鉄原料に対する低融点金属
の化合物の添加量は、0.07〜10重量%とするのが
好ましい。
【0012】反応温度と低融点金属の化合物の融点また
は分解融解点との関係については、反応温度が比較的低
いとき、反応温度よりもその化合物の融点または分解融
解点が高ければ、十分な造粒効果を期待できず、一方、
反応温度が比較的高いとき、反応温度よりもその化合物
の融点または分解融解点が低ければ、含鉄原料の塊状化
が異常に進行して、上記したような不都合が発生する恐
れがあるので、低融点金属の化合物の中で、それ自体あ
るいは化合・混合状態において、反応温度より低い融点
または分解融解点を有するものが1〜60重量%を占
め、反応温度より高い融点または分解融解点を有するも
のが残部を占めることにより、含鉄原料の塊状化が進行
することなく、十分な造粒効果を期待することができ
る。本明細書において、分解融解点とは、化合物が真の
融点に達する前に分解し、原固相とは異なる組成の液相
または固相に変化する温度をいう。
【0013】一般的には、還元反応時に粉化が進むこと
が多いので、還元反応時に低融点金属の化合物を添加す
れば、造粒効果が最も効果的に発揮されるので好まし
い。しかし、含鉄原料の種類によっては炭化反応時に粉
化が進むものもあるので、炭化反応時に低融点金属の化
合物を添加して、造粒を図ることもできる。
【0014】含鉄原料の還元前に予熱を行い、予熱時に
低融点金属の化合物を添加すると、還元または炭化反応
前に予備的な造粒が行われ、適度の大きさの粉粒体によ
り還元および炭化反応時における造粒化を促進し、良好
な品質の確保と収率の向上を確実に期待しうるのでより
好ましい。
【0015】低融点金属として、アルカリ金属、アルカ
リ土類金属またはマグネシウムは入手しやすいので好ま
しい。反応炉の反応温度に対応させて、塊状化が進行す
ることなく適度の大きさの粉粒体が得られるように、ア
ルカリ金属、アルカリ土類金属またはマグネシウムの酸
化物、水酸化物または炭酸塩を適宜組み合わせることが
できる。
【0016】反応炉から炉外に排出されるガスに同伴す
る微小な粉粒体(径<100μm)を回収装置で回収し
て反応炉に返送するようにすれば、微小な粉粒体の造粒
により収率の向上を図りうるので好ましい。
【0017】回収装置で回収できなかった極く微小な粉
粒体(径<20μm)を湿式集塵装置で回収し、湿式集
塵装置で回収した粉粒体を脱水後に含鉄原料に添加すれ
ば、さらに、収率の向上を図りうる。また、湿式集塵装
置で回収した粉粒体を予熱工程で発生した粉粒体に混合
したものを含鉄原料に添加すれば、湿式集塵装置で回収
した粉粒体に含まれる水分により粉粒体が飛散しないの
でハンドリングに都合がよく、一層の収率向上を図りう
る。
【0018】反応炉が流動層式反応炉であれば、微小な
粉粒体が造粒されて凝集化されることで最小流動化速度
が大きくなるので、大粒径の粉粒体の処理が可能にな
り、連続処理が特徴である流動層炉の機能を活かして生
産性をさらに向上することが可能である。流動層式反応
炉におけるガス流速は、ガス送給配管が摩耗しない程度
に一定以下の流速に抑え、一方、一定の流動層高を維持
しうるようなガス流速を確保するのが好ましい。
【0019】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。図1は、
本発明の鉄カーバイドの製造方法を適用しうる鉄カーバ
イドの製造装置の一例の系統図である。図1において、
1は乾燥炉、2は予熱炉、3、4は流動層式反応炉、5
は製品クーラーである。この場合、経路6を経て乾燥炉
1に供給される含鉄原料に対して、経路7から低融点金
属の化合物を添加する。また、予熱炉2に導入される含
鉄原料に、経路8を経て低融点金属の化合物を添加する
こともできる。さらに、流動層式反応炉3に導入される
含鉄原料に、経路9を経て低融点金属の化合物を添加す
ることもできる。また、流動層式反応炉4に導入される
含鉄原料に、経路10を経て低融点金属の化合物を添加
することもできる。
【0020】この流動層式反応炉3は還元反応の一部ま
たは全部を行う還元炉である。流動層式反応炉3で還元
反応の一部を行う場合、流動層式反応炉4では残りの還
元反応と炭化反応を行う。また、流動層式反応炉3で還
元反応の全部を行う場合、流動層式反応炉4では炭化反
応のみを行う。このようにして、流動層式反応炉の機能
を分けることにより、流動層式反応炉3において使用す
るガスを還元反応のみに最適の組成(例えば、水素ガ
ス)にし、流動層式反応炉4において使用するガスを残
りの還元反応と炭化反応(または炭化反応のみ)に最適
の組成(例えば、前者の場合は水素ガスとメタンガス、
後者の場合はメタンガスのみ)にすることができるた
め、含鉄原料の還元と炭化を還元ガスおよび炭化ガスの
混合ガスによる単一の操作で行う方法よりも反応速度を
高め、反応時間の短縮を図ることができるので好まし
い。
【0021】図1において、経路6を経て乾燥炉1に供
給された含鉄原料は、乾燥炉1で乾燥され、次いで、予
熱炉2で所定温度に予熱された後、流動層式反応炉3、
4に供給され、流動層式反応炉3と4で所定組成の反応
ガスと所定反応条件(圧力が約4〜5kg/cm2 で、温度
が約550〜750℃の条件)の下で還元および炭化さ
れるが、経路7、8、9または10を経て添加される低
融点金属の化合物により造粒化が促進されるので、含鉄
原料の炉内滞留時間として一定以上確保し、良好な品質
の確保と収率の向上を図ることができる。かくして、所
定品質の鉄カーバイド製品は流動層式反応炉4から排出
された後、製品クーラー5で一定以下の温度(約100
℃以下)に冷却されて経路11より排出され、電気炉等
の原料として利用される。
【0022】このように、低融点金属の化合物の添加に
よる造粒効果で含鉄原料の粉粒体は炉外に排出される反
応ガスに同伴されにくくなるが、一定以下の微小な粉粒
体は反応ガスとともに容易に(短時間で)炉外に排出さ
れるので、この微小な粉粒体を回収するために、例え
ば、図2に示すように、予熱炉2と流動層式反応炉3、
4の上方にそれぞれサイクロン12、13、14を設
け、これらの各炉頂から経路15、16または17を経
てガスとともに排出された微小な粉粒体(径<100μ
m)をサイクロン12、13、14で回収し、経路1
8、19または20を経て各炉に返送することができ
る。このようにサイクロンを設ければ、炉から排出され
た微小粉粒体は低融点金属の化合物による造粒効果で凝
集化され、炉外に排出されるガスに同伴しにくくなるの
で、微小粉粒体の炉内滞留時間(反応時間)を一定以上
確保し、良好な品質の確保と収率の向上を図ることがで
きる。
【0023】さらに、サイクロンでも捕集できない極く
微小な粉粒体(径<20μm)は、湿式集塵装置で回収
することができる。例えば、図3に示すように、散気管
式流動層反応炉21の頂部とサイクロン22を管路23
で接続し、サイクロン22の頂部から延びる経路24を
熱交換器25に接続し、経路24から供給される高温
(約500〜600℃)で高露点(約100℃以上)の
微小粉粒体含有ガスを、コンプレッサー26で圧送され
て経路27を経て供給される低温(約40℃以下)で低
露点(100℃以下)のガスと、熱交換器25において
間接的に熱交換をすることで、微小粉粒体を含有するガ
スは一定温度以下に冷却されて経路28を経て湿式集塵
装置29に達し、経路30を経て湿式集塵装置29内に
散布される水に微小粉粒体は溶解し、スラリー状にな
る。そして、微小粉粒体を含有したスラリーは経路31
を経て沈殿槽32に達する。沈殿槽32の下部から適宜
引き抜かれる濃縮スラリーはポンプ33でフィルタープ
レス34に圧送され、ケークと廃液に分離され、ケーク
は経路35を経て排出され、廃液は経路36を経て排出
される。この含鉄微小粉粒体のケークはある程度の水分
を含有するので、乾燥炉や予熱炉で発生する乾燥ダスト
等と混合すれば、乾燥ダストが飛散せず、ハンドリング
に好都合である。そして、その混合物を含鉄原料に添加
して反応を行わしめることで、造粒効果により収率の向
上を図ることができる。
【0024】沈殿槽32の上澄液はポンプ37により経
路30を経て上述の湿式集塵装置29内に達する。その
経路30にはクーラー38が設置されているので、送給
される上澄液は一定温度以下(約40℃以下)に冷却さ
れる。湿式集塵装置29の頂部に接続された経路27内
を流通するガスは、実質的に微小粉粒体を含まず、熱交
換器25で高温・高露点の微小粉粒体含有ガスと間接的
に熱交換をすることによって温度は上昇するが(約20
0〜300℃)、流動層反応炉21の反応に必要な温度
(約550〜750℃)には不十分であるから、ヒータ
ー39で所定の反応温度まで昇温された後、多数のパイ
プを井桁状に組み合わせた散気管40に供給される。散
気管40を構成する主管41に対して直交する多数の枝
管42には下方(図の矢示方向)に向けてガスを吹き出
す多数のノズルが取り付けられている。
【0025】流動層反応炉21から排出された微少な粉
粒体を含有するガスはサイクロン22において、微少な
粉粒体とガス(極く微小な粉粒体を含むガス)に分離さ
れ、サイクロン22で捕集された微少な粉粒体43の中
で一部のものは経路44を経て排出されて副産物として
利用され、経路45を経て排出された微少な粉粒体は散
気管式流動層反応炉21に返送される。このようにして
散気管式流動層反応炉21に返送された微少な粉粒体
は、散気管40を構成する枝管42のノズルから吹き出
されるガスにより流動層46を形成する。そして、流動
層反応炉21の頂部から排出される微少な粉粒体を含有
するガスはサイクロン22で微少な粉粒体43とガスに
分離され、サイクロン22で分離されずにガス中に移行
した極く微小な粉粒体は、湿式集塵装置29で捕集され
るので、それらの微粉は含鉄原料に添加して有効に利用
することができる。
【0026】次に、本発明に従った範囲の低融点金属の
化合物を有する含鉄原料を用いて、還元および炭化した
場合の粒径分布の変化と得られた製品組成について説明
する。 (1)原料組成
【0027】
【表1】
【0028】表1に示す組成の原料を用いて、図2の乾
燥炉1に投入して約120℃で乾燥し、予熱炉2で約2
50℃まで予熱し、水素雰囲気の流動層式反応炉3で約
630℃、約4.5気圧の条件の下で約0.55時間を
かけて含鉄原料の一部を還元し、さらに、水素とメタン
の混合ガス雰囲気の流動層式反応炉4で約630℃、約
4.5気圧の条件の下で約6時間をかけて残りの還元と
炭化を行い、鉄カーバイド製品を得、製品クーラー5で
100℃以下まで冷却した後、経路11を経て排出し
た。 (2)粒径分布
【0029】
【表2】
【0030】表2に示すように、原料AおよびBとも
に、製品の粒径分布は、原料の粒径分布に比べて微小粒
径のものが大幅に減少しており、一方、原料中には見ら
れなかった大粒径のものが製品中には含まれており、反
応中に造粒が行われたことが分かる。 (3)製品組成
【0031】
【表3】
【0032】表3に示すように、原料A、Bに係る製品
の鉄カーバイド化率は85%を超えており、良好な品位
を示している。また、製品歩留まり(製品鉄カーバイド
重量/含鉄原料重量)は、原料Aに係る製品では、9
2.2%であり、原料Bに係る製品では、91.8%で
あった。 (4)比較例 原料中に含まれる低融点金属の化合物の重量が本発明の
範囲を下回るもの(低融点金属の化合物を0.06重量
%含有したもの)について同上の条件で還元と炭化を行
った結果、製品歩留まりは、76.1%であり、製品の
鉄カーバイド率は78.2%であった。すなわち、反応
中に造粒が行われなかったので、一部の粉粒体は短時間
で反応炉から排出され、製品歩留まりは低く、一定の品
質を確保するのに十分な炉内滞留時間を得ることができ
なかったので、良好な品質を確保することができなかっ
た。
【0033】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されているの
で、次の効果を奏する。 (1)請求項1、5記載の発明によれば、低融点金属の
化合物が反応温度で溶融し、あるいは軟化して造粒剤と
しての機能を果たし、還元および炭化反応の進行ととも
に造粒が行われるので、微小粉粒体の存在する割合は極
めて少なく、所定の反応条件の下で所定時間還元および
炭化反応が行われ、鉄カーバイド製品の品質確保と収率
の向上を図ることができる。また、造粒効果により、処
理可能な含鉄原料の粒径範囲が広がるという効果があ
る。 (2)請求項2、3記載の発明によれば、反応炉内壁に
塊状物が付着堆積したり、その塊状物により反応炉およ
びその付属装置が閉塞されることもなく、低融点金属の
化合物による造粒効果を確実に期待することができる。 (3)請求項4記載の発明によれば、含鉄原料の種類に
対応させて最も適切なタイミングで効果的に造粒を行う
ことができる。 (4)請求項6記載の発明によれば、製造コストを低減
しうる。 (5)請求項7、8、9記載の発明によれば、さらに、
収率の向上を図りうる。 (6)請求項10記載の発明によれば、造粒効果で流動
層式反応炉における最小流動化速度が大きくなり、大き
な粒径の粉粒体の処理が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鉄カーバイドの製造方法を適用しうる
鉄カーバイドの製造装置の一例の系統図である。
【図2】本発明の鉄カーバイドの製造方法を適用しうる
鉄カーバイドの製造装置の別の例の系統図である。
【図3】粉粒体を回収するためのサイクロンおよび湿式
集塵装置を有する流動層式反応炉の概略構成図である。
【図4】従来の鉄カーバイドの製造装置の概略構成図で
ある。
【符号の説明】
1…乾燥炉 2…予熱炉 3、4…流動層式反応炉 5…製品クーラー 12、13、14、22…サイクロン 21…散気管式流動層反応炉 29…湿式集塵装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中谷 純也 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番1 号 川崎重工業株式会社神戸工場内 (72)発明者 中澤 輝幸 東京都千代田区丸の内2丁目6番3号 三 菱商事株式会社内 Fターム(参考) 4G046 MA12 MB02 MC04 4K001 AA10 BA02 BA05 BA14 BA24 DA10 GA09 GB09 GB10 KA06 KA07 4K012 DB04 DB07 EA03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化鉄類のヘマタイト、マグネタイト、
    ウスタイト及び第一水酸化鉄、第二水酸化鉄のうち少な
    くとも1つあるいはそれらのうちの2つ以上の混合物を
    主成分とする鉄鉱石もしくは製鉄プロセスから発生する
    ダスト等の製鉄用含鉄原料に低融点金属の酸化物、水酸
    化物または炭酸塩を添加して、この低融点金属の酸化
    物、水酸化物または炭酸塩を含有する含鉄原料を還元お
    よび炭化ガスと反応炉で反応させて鉄カーバイドを製造
    する方法。
  2. 【請求項2】 含鉄原料に対する低融点金属の酸化物、
    水酸化物または炭酸塩の添加量が、0.07〜10重量
    %である請求項1記載の鉄カーバイドの製造方法。
  3. 【請求項3】 低融点金属の酸化物、水酸化物または炭
    酸塩の中で、それ自体あるいは化合・混合状態におい
    て、反応温度より低い融点または分解融解点を有するも
    のが1〜60重量%を占め、反応温度より高い融点また
    は分解融解点を有するものが残部を占める請求項1また
    は2記載の鉄カーバイドの製造方法。
  4. 【請求項4】 還元または炭化反応時に低融点金属の酸
    化物、水酸化物または炭酸塩を添加する請求項1、2ま
    たは3記載の鉄カーバイドの製造方法。
  5. 【請求項5】 含鉄原料の還元前に予熱を行い、予熱時
    に低融点金属の酸化物、水酸化物または炭酸塩を添加す
    る請求項1、2または3記載の鉄カーバイドの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 低融点金属がアルカリ金属、アルカリ土
    類金属またはマグネシウムである請求項1、2、3、4
    または5記載の鉄カーバイドの製造方法。
  7. 【請求項7】 予熱、還元または炭化工程で発生する微
    少な粉粒体を回収装置で回収して、当該予熱、還元また
    は炭化工程に返送する請求項5記載の鉄カーバイドの製
    造方法。
  8. 【請求項8】 回収装置で回収できなかった極く微少な
    粉粒体を湿式集塵装置で回収し、該湿式集塵装置で回収
    した粉粒体を脱水後に製鉄用含鉄原料に添加する請求項
    7記載の鉄カーバイドの製造方法。
  9. 【請求項9】 湿式集塵装置で回収した粉粒体を予熱工
    程で発生した粉粒体に混合したものを製鉄用含鉄原料に
    添加する請求項8記載の鉄カーバイドの製造方法、
  10. 【請求項10】 反応炉が流動層式反応炉である請求項
    1、2、3、4、5、6、7、8または9記載の鉄カー
    バイドの製造方法。
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