JP2002146054A - 加飾用アクリル樹脂フイルム、その製造方法、それを積層した積層樹脂成形品およびその製造方法 - Google Patents

加飾用アクリル樹脂フイルム、その製造方法、それを積層した積層樹脂成形品およびその製造方法

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JP2002146054A
JP2002146054A JP2000348253A JP2000348253A JP2002146054A JP 2002146054 A JP2002146054 A JP 2002146054A JP 2000348253 A JP2000348253 A JP 2000348253A JP 2000348253 A JP2000348253 A JP 2000348253A JP 2002146054 A JP2002146054 A JP 2002146054A
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JP
Japan
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acrylic resin
film
resin film
laminated
metallic
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JP2000348253A
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English (en)
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Noriyoshi Terasawa
知徳 寺澤
Hideyuki Fujii
秀幸 藤井
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メタリック調の質感を有する樹脂成形
品を得るためのメタリック顔料を含有するフィルムおよ
びこれを積層した樹脂成形品を提供すること。 【解決手段】 メタリック顔料を含有し、全光線透過
率が10〜90%である厚み10〜500μmの加飾用
アクリル樹脂フイルム、その製造方法、該フィルムを用
いた積層樹脂成形品およびその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層樹脂成形品へ
のメタリック調の表面加飾用として好適なアクリル樹脂
フイルム、その製造方法、該フイルムが積層されたメタ
リック調外観を有する積層樹脂成形品およびその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、樹脂成形品の表面加飾には、より
高度な質感が要望され、特にメタリック塗装、湿式メッ
キ、乾式メッキ等による樹脂成形品表面へのメタリック
調の質感付与は、自動車の外装部品、内装部品、家電製
品、OA機器および雑貨類等多岐の工業用途に応用され
ている。
【0003】従来、このような樹脂成形品表面へのメタ
リック調質感の付与の方法としては、樹脂成形品表面に
直接,印刷,メッキ、金属蒸着等の表面加飾を施す方法
以外に、樹脂成形品を構成する樹脂組成物中にアルミ系
顔料、パール顔料等の高輝性顔料を練り込む方法、さら
に塗装、メッキ、蒸着等を施した樹脂フィルムを樹脂成
形品表面に積層する方法があり、特に様々な加飾を施し
た樹脂フィルムを積層する方法は、生産性、作業環境の
自由度の広さから近年、様々な工業分野で用いられてい
る。
【0004】具体的には、特開平11−207887号
公報に、真珠顔料を含有させたフッ素系樹脂とこれと色
調の異なる無機系顔料を含有したフッ素系樹脂とを、フ
ィードブロックダイを備えた押出機にて成形した多層フ
イルムおよびこれを樹脂基材にラミネートしてメタリッ
ク調の質感を有する樹脂成形品を製造する方法が提案さ
れている。
【0005】また、特開平11−245261号公報に
は、アクリルフイルムに金属蒸着したインサートフイル
ムを用い、インサート成形にてメタリック調の質感を有
する成形品を得る方法が提案されている。
【0006】また、特開2000−33675号公報に
は着色アクリル系樹脂シートと特定の破断伸度を有する
透明アクリル系樹脂シートを積層した化粧板で、着色ア
クリル系樹脂シートに使用される着色剤として二酸化チ
タン被覆雲母の箔粉からなるパール顔料を用いたメタリ
ック調化粧板が例示されている。
【0007】また、特開平11−123739号公報に
は、転写フイルムを用いたアルミニウム顔料含有ポリプ
ロピレン樹脂のインサート成形により、深み感のあるメ
タリック調成形品を得る方法が提案されている。
【0008】また、特開2000−86853号公報に
はアクリル樹脂組成物にアルミペーストを混入させた樹
脂とアクリル樹脂をフィードブロック型多層ダイスを通
して作製したシルバーメタリック色の積層フイルム、お
よびそれを用いたインモールド成形によるメタリック調
の質感の成形品を得る方法が記載されている。
【0009】一方、樹脂成形品に付与するメタリック調
の質感の種類においては、樹脂成形品を工業部材として
利用する際の用途あるいは利用者の嗜好に応じてアルミ
を模したシルバーメタリック調、鋼鉄を模したブラック
メタリック調、真鍮を模したイエローメタリック調、金
を模したゴールドメタリック調あるいはメタリック調に
様々な有彩色の色相を組み合わせたブルーメタリック
調、レッドメタリック調等の様々な質感のメタリック調
の樹脂成形品への付与が車輌外装部材、内装部材あるい
は雑貨類を中心に強く要望されている。
【0010】これら様々な質感のメタリック調を発現さ
せる方法として、アルミ粉、鉄粉、真鍮粉等の金属粉、
天然パールエッセンス等のパール顔料、塩基性炭酸鉛お
よびその二酸化チタンコート顔料、天然マイカ、合成マ
イカおよびその酸化金属被覆顔料等の高輝性顔料とカー
ボンブラック、チタンホワイト等の無彩色系顔料および
/または様々な色相を有する有彩色系の顔料あるいは染
料を組み合わせて、多彩な色相を有するメタリック調を
発現させる技術が、印刷、塗装あるいは樹脂用着色剤の
分野で広く応用されている。
【0011】従来、上述の加飾フィルムを用いた樹脂成
形品表面への様々な質感のメタリック調を付与する場
合、例えばメタリック調印刷フィルムを積層して使用す
る方法では、目的とする質感に適応したそれぞれ異なる
印刷フィルムを用意する必要があり、生産性の不良、と
りわけ多品種小生産量の製造には不向きであり、工業的
利用価値は低い。
【0012】また、特開平11−245261号公報の
例のような金属蒸着層を有するフィルムを用いる場合で
は、実質的に蒸着する金属の種類を変えなければ異なる
質感のメタリック調を発現させることは困難であり、ま
た、金属蒸着フィルムを用いる場合は、これを樹脂成形
品に積層するためのラミネート法あるいはインモールド
成型法のような延伸加工によって金属蒸着層にクラック
が発生しやすく、その為基材成形品の形状に制限が生じ
ると言った欠点を有する。
【0013】また、特開平11−123739号公報の
ように、成形樹脂にメタリック顔料を練り込んで成形す
る方法では、異なる質感のメタリック調を付与するため
に成形樹脂に使用するメタリック顔料の種類を変更する
必要があり、この場合、基材である樹脂成形品の機械特
性や成形性の低下を招きやすく、工業的価値は低い。ま
た、樹脂成形品へのメタリック顔料添加の場合、比較的
多量の顔料が必要となり、経済性の観点からも好ましく
ない。
【0014】一方、特開2000−33675号公報、
特開平11−207887号公報および特開2000−
86853号公報のメタリック顔料を含有する着色フィ
ルムを基材樹脂成形品に積層する方法では、用いる着色
フィルムのメタリック調の質感を変更することによっ
て、基材の特性を損なうことなくメタリック調の樹脂成
形品を得ることができる。しかしながら、いずれの方法
においても、用いるメタリック調フィルムの質感によっ
てフィルムを積層した樹脂成形品の質感は決定され、例
えばメタリック調の色相を変更して質感を変える場合に
は、異なる質感のメタリック調フィルムを用いる必要が
あり、生産性の不良、とりわけ多品種小生産量の製造に
は不向きであり、工業的利用価値は低い。
【0015】具体的には、特開2000−33675号
公報では、成形品を構成する化粧シート表面にパール顔
料を含有する着色アクリル樹脂系シートおよびその表面
に透明アクリル樹脂系シートを積層することが記載され
ているが、パール顔料の種類、添加量や着色アクリル樹
脂系シートの光線透過率に関しての具体的な記載はな
く、またこの積層シートを用いた場合、例え基材の種類
を変えたとしても得られる積層樹脂成形品のメタリック
調の質感の変化は見られず、このようにメタリック調の
質感にバリエーションを出せないメタリック調の加飾方
法は工業的利用価値が低い。
【0016】また、特開平11−207887号公報の
フッ素系樹脂に真珠顔料を添加して作製した多層フイル
ムを用いることが記載されているが、用いる多層フイル
ムの光線透過率には言及されておらず、この多層フィル
ムを用いた場合、例え基材の種類を変えたとしても得ら
れるメタリック調の質感には変化が無く、このようにメ
タリック調の質感にバリエーションを出せないメタリッ
ク調の加飾方法は工業的利用価値が低い。
【0017】また、特開2000−86853号公報の
実施例には、アクリル組成物にアルミニウム顔料を添加
した着色層と透明なアクリル樹脂層からなる多層フィル
ムを積層樹脂成形品として用いることが記載されている
が、多層フィルムのそれぞれの厚みについての記載が無
く、また、多層フイルムとしての光線透過率に関しての
具体的な記載はなく、またこの積層シートを用いた場
合、例え基材の種類を変えたとしても得られる積層樹脂
成形品のメタリック調の質感の変化は見られず、このよ
うにメタリック調の質感にバリエーションを出せないメ
タリック調の加飾方法は工業的利用価値が低い。
【0018】上述のごとく、従来は、メタリック調の質
感を有する樹脂成形品において、基材である樹脂成形品
の特性を損なうことなく、かつ質感の異なる種々のメタ
リック調樹脂成形品を、積層するフィルムの種類を変え
ることなく効率よく製造する方法は見出されておらず、
これを実現させるための技術の開発が強く要望されてい
た。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、メタ
リック調の質感を有する樹脂成形品を得るためのメタリ
ック顔料を含有するフィルムおよびこれを積層した樹脂
成形品を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の要旨
とするところは、メタリック顔料を含有し、全光線透過
率が10〜90%である厚み10〜500μmの加飾用
アクリル樹脂フイルム、その製造方法、該フィルムを用
いた積層樹脂成形品およびその製造方法にある。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について説明する。
【0022】本発明の加飾用アクリル樹脂フィルムはア
クリル樹脂組成物から得ることができる。アクリル樹脂
組成物としては特に限定されるものではないが、例えば
特公昭62−19309号公報、特開昭63−7796
3号公報、特開平8−323934号公報等で示されて
いるアクリル樹脂組成物を使用することが好ましい。
【0023】本発明で使用されるアクリル樹脂組成物の
例として、具体的には、75〜94.5質量%の熱可塑
性重合体(I)と、5.5〜25質量%のゴム含有重合
体(II)を含むアクリル樹脂組成物であることが好まし
い。
【0024】熱可塑性重合体(I)としては、メタクリ
ル酸アルキルエステルを50質量%以上と、アクリル酸
アルキルエステルを50質量%未満と、メタクリル酸ア
ルキルエステルおよびアクリル酸アルキルエステルの少
なくとも一方と共重合可能なビニル単量体の1種以上を
49質量%以下とを含んでなる単量体混合物(I)を重
合して得られるものが挙げられ、ゴム含有重合体(II)
としては、弾性内層および硬質外層を含んでなる2層以
上の多層構造を有しており、弾性内層は主にアクリル酸
アルキルエステルを重合して得られる弾性(共)重合体
からなる層を1層以上有しており、硬質外層は該弾性
(共)重合体存在下に主にメタクリル酸アルキルエステ
ルをグラフト重合して得られる硬質重合体からなる層を
1層以上有しているものを挙げることができる。
【0025】熱可塑性重合体(I)で使用されるメタク
リル酸アルキルエステルおよびアクリル酸アルキルエス
テルは特に限定はされないが、炭素数1〜4のアルキル
基を有するものが好ましい。
【0026】この様なメタクリル酸アルキルエステルと
してはメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸ブチル等を例示できるが、メタクリル酸メチル
が好ましい。アクリル酸アルキルエステルとしてはアク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等
を例示することができる。アクリル酸アルキルエステル
の含有量は50質量%未満とされるが、0.1〜40質
量%が好ましい。
【0027】熱可塑性重合体(I)で使用される共重合
可能なビニル単量体としては、公知の単量体を使用する
ことができる。
【0028】熱可塑性重合体(I)の還元粘度(重合体
0.1gをクロロホルム100mLに溶解し、25℃で
測定)は、溶融時にアクリル樹脂組成物の適度な伸び、
および良好な製膜性を実現するために、0.1L/g以
下が好ましい。また、アクリル樹脂フイルムの十分な柔
軟性を実現し、製膜およびその後の2次加工の際にフイ
ルムの破断を抑制するために、0.05L/g以上であ
ることが好ましい。
【0029】熱可塑性重合体(I)の重合方法は特に限
定されないが、通常の懸濁重合、乳化重合、塊状重合等
の方法で行うことができる。なお、粘度を好ましい範囲
とするためには、連鎖移動剤を必要とする場合がある。
連鎖移動剤としては公知のものを使用することができる
が、好ましくはメルカプタン類である。連鎖移動剤の量
は、単量体の種類および組成により適宜決めることがで
きる。
【0030】ゴム含有重合体(II)としては、アクリル
酸アルキルエステルを50〜99.9質量%と、他の共
重合性ビニル系単量体を49.9質量%以下と、共重合
性の架橋性単量体0.1〜10質量%とを含んでなる単
量体混合物を重合させて弾性(共)重合体を得た後、得
られた弾性(共)重合体100質量部の存在下に、メタ
クリル酸エステル50質量%以上と、これと共重合可能
なビニル系単量体50質量%未満とを含んでなる単量体
の混合物を10〜400質量部を、少なくとも1段以上
で重合させることにより製造することが好ましい。
【0031】なお、得られるアクリル樹脂フイルムが脆
性となることを抑制するために、ゴム含有重合体(II)
中の弾性(共)重合体の含有量は、熱可塑性重合体
(I)およびゴム含有重合体(II)の合計量100質量
%中5質量%以上が好ましく、8質量%以上がより好ま
しい。一方、得られるアクリル樹脂フイルムの透明性を
向上するために、18質量%以下が好ましく、15質量
%以下がより好ましい。
【0032】特に、以下に示すセミハード芯構造のゴム
含有重合体(II)を用いることもできる。即ち、セミハ
ード芯構造のゴム含有重合体(II)は、最内層の重合体
(II−A)および中間層のゴム重合体(II−B)からな
る弾性(共)重合体((II−A)+(II−B))と、最
外層の硬質重合体(II−C)を含み、最内層がメタクリ
ル酸アルキルエステルおよびアクリル酸アルキルエステ
ルを主成分とする重合体(II−A)、中間層がアクリル
酸アルキルエステルを主成分とするガラス転移温度が0
℃未満であるゴム重合体(II−B)、最外層がメタクリ
ル酸アルキルエステルを主成分とする硬質重合体(II−
C)からなる3層構造を有している。
【0033】なお、成形性の観点から、弾性(共)重合
体中の重合体(II−A)は20質量%以上が好ましく、
30質量%以上がより好ましい。同様の理由から、弾性
(共)重合体中のゴム重合体(II−B)は40質量%以
上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、80質
量%以下が好ましい。
【0034】また、最内層重合体(II−A)のガラス転
移温度は0℃以上が好ましく、15℃以上がより好まし
く、25℃未満であることが好ましい。ガラス転移温度
が0℃以上であれば、得られるアクリル樹脂層の耐可塑
剤白化性が向上し、25℃未満であれば、得られるアク
リル樹脂層の真空成形時の成形性が向上するからであ
る。
【0035】上記の弾性(共)重合体の作製で用いられ
るアクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル基の
炭素数が1以上8以下のものが好ましく、それらのうち
ではアクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシ
ル等が好ましい。弾性(共)重合体を得る際に使用され
る共重合性ビニル単量体としては、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル
等のメタクリル酸アルキルエステルや、スチレン、アク
リロニトリル等が好ましい。
【0036】さらに、弾性(共)重合体の作製において
は、共重合性の架橋性単量体を使用することが好まし
い。用いる架橋性単量体は、特に限定されないが、好ま
しくはエチレングリコールジメタクリレート、ブタンジ
オールジメタクリレート、アクリル酸アリル、メタクリ
ル酸アリル、フタル酸ジアリル、トリアリルシアヌレー
ト、トリアリルイソシアヌレート、ジビニルベンゼン、
マレイン酸ジアリル、トリメチロールトリアクリレー
ト、アリルシンナメート等が挙げられ、これらを単独ま
たは2種以上の組合せで用いることができる。
【0037】弾性(共)重合体にグラフトさせるメタク
リル酸エステルとしては、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−
エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル等が挙げ
られる。
【0038】また、弾性(共)重合体にグラフトさせる
ビニル系単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル
酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル等のアクリル酸ア
ルキルエステルや、スチレン、アクリロニトリル等が挙
げられる。なお、グラフトさせる単量体の混合物は、弾
性(共)重合体の凝集を抑制するために、弾性(共)重
合体の100質量部に対し、10質量部以上が好まし
く、20質量部以上がより好ましく、400質量部以下
が好ましく、200質量部以下がより好ましい。
【0039】以上に述べたゴム含有重合体(II)の重量
平均粒子径は、得られるアクリル樹脂フイルムの十分な
製膜性を実現するために、0.2μm以上が好ましく、
0.25μm以上がより好ましい。また、アクリル樹脂
フイルムの十分な透明性を実現するために、0.4μm
以下が好ましく、0.35μm以下がより好ましい。
【0040】ゴム含有重合体(II)は、公知の乳化重合
法で製造することができる。重合温度は用いる重合開始
剤の種類や量により異なるが、40℃以上が好ましく、
60℃以上がより好ましく、95℃以下が好ましく、1
20℃以下がより好ましい。
【0041】重合開始剤は公知のものが使用でき、その
添加方法は水相、単量体相いずれか片方、または双方に
添加する方法を用いることができる。
【0042】乳化剤はアニオン系、カチオン系、ノニオ
ン系の界面活性剤が使用できるが、特にアニオン系の界
面活性剤が好ましい。アニオン系界面活性剤としてはオ
レイン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウムミリスチン
酸ナトリウム、N−ラウロイルザルコシン酸ナトリウ
ム、アルケニルコハク酸ジカリウム系等のカルボン酸
塩、ラウリル硫酸ナトリウム等の硫酸エステル塩、ジオ
クチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジス
ルホン酸ナトリウム系等のスルホン酸塩、ポリオキシエ
チレンアルキルフェニルエーテルリン酸ナトリウム系等
のリン酸エステル塩が挙げられる。
【0043】乳化重合法によって得られたラテックス
は、酸凝固法、塩凝固法、凍結凝固法、噴霧乾燥法等公
知の凝固法により凝固される。酸凝固法としては硫酸、
塩酸、リン酸等の無機酸、酢酸等の有機酸を使用するこ
とができ、塩凝固法としては硫酸ナトリウム、硫酸マグ
ネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム等の無機
塩、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム等の有機塩を使
用することができる。凝固された重合体は、さらに洗
浄、脱水、乾燥される。
【0044】また、上記組成物を用いてアクリル樹脂フ
イルムを製膜する場合、フイルム膜厚や製膜速度を高精
度に制御して製膜性を向上するために、上記組成物に、
メタクリル酸メチルを50質量%以上と、メタクリル酸
メチルと共重合可能なビニル単量体の1種以上を50質
量%未満を含んでなる単量体混合物(III)を重合して
得られ熱可塑性重合体(III)を添加することが好まし
い。
【0045】なお、熱可塑性重合体(I)とゴム含有重
合体(II)の合計量100質量部に対する熱可塑性重合
体(III)の含有量は、十分に製膜性を向上するために
0.1〜10質量部の範囲が好ましい。
【0046】また、熱可塑性重合体(III)の還元粘度
(重合体0.1gをクロロホルム100mLに溶解し、
25℃で測定)は、厚み精度が良好なアクリル樹脂フイ
ルムを得るために、0.2L/gを超えるものが好まし
く、2L/g以下が好ましく、1.2L/g以下がより
好ましい。
【0047】さらに、得られるアクリル樹脂フイルムが
脆性となることを抑制するために、ゴム含有重合体(I
I)中の弾性(共)重合体の含有量は、熱可塑性重合体
(I)、ゴム含有重合体(II)および熱可塑性重合体
(III)の合計量100質量%中5質量%以上が好まし
く、得られるアクリル樹脂フイルムの透明性を向上する
ために、18質量%以下が好ましい。
【0048】熱可塑性重合体(III)の製造で使用され
るメタクリル酸メチルと共重合可能なビニル系単量体と
しては、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸ア
ルキルエステル、芳香族ビニル化合物、ビニルシアン化
合物等が挙げられる。重合は乳化重合法によるのが好ま
しく、公知の乳化重合法によって製造した重合体ラテッ
クスを各種凝固剤により分離回収あるいはスプレードラ
イにより固形分を分離回収し重合体粉末を得ることによ
って製造される。
【0049】アクリル樹脂組成物の熱変形温度は、ゴム
含有重合体(II)の使用量によっても変わるが、主に熱
可塑性重合体(I)の熱変形温度が支配的である。熱可
塑性重合体(I)の熱変形温度については、熱可塑性重
合体(I)の単量体組成を公知の方法で調整することに
よって制御できる。種々の条件によって異なるが、例え
ば、共重合成分としてメチルアクリレートを使用する場
合において、熱変形温度を80℃以上とする場合は、熱
可塑性重合体(I)中のメチルメタクリレート含有量を
88質量%以上とし、熱変形温度を100℃以上とする
場合は、熱可塑性重合体(I)中のメチルメタクリレー
ト含有量を95質量%以上とすることにより調節でき
る。熱変形温度を110℃以上とする場合においては、
熱可塑性重合体(I)中に、無水マレイン酸、フェニル
マレイミド等のマレイミド類を共重合させれば良い。な
お、熱変形温度を80℃以上および100℃以上とする
場合においても、無水マレイン酸、フェニルマレイミド
等のマレイミド類を共重合させることが可能であり、こ
の場合メチルメタクリレートの含有量は低減すれば良
い。
【0050】本発明の加飾用アクリル樹脂フイルムに使
用されるメタリック顔料としては特に限定はなく、アル
ミニウム顔料;パール調顔料として天然パールエッセン
ス、塩基性炭酸鉛、酸塩化ビスマスおよび酸塩化ビスマ
ス被覆マイカ、二酸化チタン被覆マイカ、二酸化チタン
および/または各種金属酸化物被覆マイカ、二酸化チタ
ン被覆塩基性炭酸鉛、二酸化チタンおよび/または各種
金属酸化物被覆塩基性炭酸鉛、二酸化チタン被覆硫酸バ
リウム、二酸化チタンおよび/または各種金属酸化物被
覆被覆硫酸バリウムなどを用いることができる。ここで
述べた各種金属酸化物には酸化クロム、酸化銅、酸化ス
ズ、酸化コバルト、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化
鉄;天然マイカ、合成マイカなどが挙げられる。
【0051】メタリック調発現性と得られるフイルムの
機械強度を考慮すると、鱗片状のアルミニウム顔料を使
用することが好ましく、鱗片状アルミニウムの粒度は特
に限定されるものではないが、5〜60μmのものを使
用することが好ましい。
【0052】本発明の加飾用アクリル樹脂フイルムの全
光線透過率は10〜90%でなければならない。
【0053】全光線透過率が10%未満の場合、フイル
ムを積層して得られる積層樹脂成形品の色調が、メタリ
ック顔料色のみが支配する外観となるので、基材の有す
る色相に対応して積層樹脂成形品のメタリック調の質感
を変更することができなくなってしまう。一方、全光線
透過率が90%を超えると、本発明の目的であるメタリ
ック調の基材への付与が困難となってしまう。
【0054】これに対し、全光線透過率が10%以上と
すれば基材の色が反映され、基材色を変更することによ
り基材の有する色相に対応して積層樹脂成形品のメタリ
ック調の質感を変更することができる。
【0055】また、加飾用アクリル樹脂フイルムの全光
線透過率を60〜90%とすることで、さらに基材色を
有効に反映させたメタリック調の質感を得ることができ
るために好ましく、さらに好ましい全光線透過率の範囲
は60〜85%である。
【0056】ここで、基材色を有効に反映させるとは、
基材色の濃淡のみを反映したメタリック調の質感付与に
とどまらず、例えば、黒色樹脂基材の表面にシルバーメ
タリック調の加飾を施した場合、外観が表面のメタリッ
ク層のみに依存したシルバーメタリック色ではなく、基
材の黒が映し出された黒味のある黒鉄色になったり、基
材に黄色の基材を用いると真鍮の様なイエローメタリッ
ク外観に、或いは白色基材を用いるとパールホワイト調
の外観を樹脂成形品に付与することができることを示
す。
【0057】また、前述のような様々なメタリック色調
外観を施すために表面の加飾用フイルム自体の色調を替
える場合は、各色の加飾媒体を用意する必要があり、生
産性が低く、経済性が悪くなる。しかし、全光線透過率
が10〜90%である、加飾用アクリル樹脂フィルム
を、基材樹脂成形品に積層することによって、基材の有
する色相に対応して積層樹脂成形品のメタリック調の質
感を変更することができ、これによって用いるメタリッ
ク顔料含有フィルムの種類を変えることなく、基材であ
る樹脂成形品の色調を変えるだけで様々な質感のメタリ
ック調を有する樹脂成形品を得ることができる。
【0058】本発明の加飾用アクリル樹脂フイルムの厚
みは10μm以上とされる。フイルム膜厚が10μm以
上であれば、2次加工に適用可能なフイルム強度を再現
できる。また、製膜性やアクリル樹脂フイルムを積層し
た樹脂成形品の深みのある透明感を向上させるために
は、50μm以上がより好ましく、70μm以上がさら
に好ましい。
【0059】また、本発明の加飾用アクリル樹脂フイル
ムの厚みは500μm以下とされる。フイルムが500
μm以下であれば、良好な製膜製が実現でき、安定した
生産が可能となり、得られたアクリル樹脂フイルムの剛
性を小さく抑えられるため、良好なラミネート性等の2
次加工性を実現できる。加えて、単位面積当たりの質量
も低減できるため経済的に好ましい。以上の観点から3
00μm以下がより好ましい。
【0060】本発明の加飾用アクリル樹脂フイルムの全
光線透過率を決定する因子としてはメタリック顔料の添
加量とフイルム厚みであり、これらを変更することによ
って、フイルムの全光線透過率を変更することができ
る。
【0061】メタリック顔料の含有量については、得ら
れるフイルムの全光線透過率が10〜90%の範囲であ
れば特に限定されるものではないが、フイルムのメタリ
ック調付与性と機械強度を考慮すると、熱可塑性重合体
(I)とゴム含有重合体(II)の合計量100質量部に
対し、0.01質量部以上、10質量部以下が好まし
く、さらに好ましくは0.01質量部以上、2質量部以
下で、さらに好ましくは0.01質量部以上、1質量部
以下である。0.01質量部未満だと、十分なメタリッ
ク外観が得られにくく、一方、10質量部を超えるとフ
イルムが脆くなり製膜が困難な場合がある。
【0062】また、メタリック顔料の粒子径によっても
全光線透過率は変更することが可能なので、大粒子径の
顔料を用いる場合、添加量およびフイルム厚みが同一で
も、小粒子径の顔料を用いた場合よりも全光線透過率が
大きくなる傾向を示す。
【0063】本発明の加飾用アクリル樹脂フイルムに
は、必要に応じて、一般の配合剤、例えば、安定剤、滑
剤、加工助剤、可塑剤、耐衝撃助剤、紫外線吸収剤を添
加することができ、また、全光線透過率が本発明を満足
する範囲内で発泡剤、着色剤、艶消し剤を添加すること
もできる。特に基材保護の点では、耐候性を付与するた
めに、0.1〜5質量%の範囲で紫外線吸収剤を添加す
ることが好ましい。使用される紫外線吸収剤の分子量は
300以上であることが好ましく、特に好ましくは40
0以上である。分子量が300以上の紫外線吸収剤を使
用することにより、射出成形金型内で真空・圧空成形を
施す際に、紫外線吸収剤が揮発し、金型を汚染すること
が抑制される。
【0064】紫外線吸収剤の種類は、特に限定されない
が、分子量400以上のベンゾトリアゾール系または分
子量400以上のトリアジン系のものが特に好ましく使
用でき、前者の具体例としては、チバガイギー社のチヌ
ビン234、旭電化工業社のアデカスタブLA−31、
後者の具体例としては、チバガイギー社のチヌビン15
77等が挙げられる。また、ヒンダードアミン系光安定
剤(HALS)として、旭電化工業社のアデカスタブL
A−57等を使用することもできる。
【0065】本発明の加飾用アクリル樹脂フイルムは溶
融流延法、Tダイ法、インフレーション法等の溶融押出
法;カレンダー法等の方法により製造することができる
が、経済性の観点から、Tダイと冷却ロールおよび巻き
取り機を備えた押出製膜機により製造することが好まし
い。
【0066】使用するTダイは特に限定されないが、T
ダイ内での溶融樹脂の流動性を安定化させる観点から、
コートハンガータイプのTダイが好ましい。
【0067】Tダイより溶融押出されたアクリル樹脂組
成物は、冷却ロールを備えた引き取り機にてフイルム状
に製膜される。溶融樹脂の冷却法としては特に限定され
ないが、1本の金属ロールに接触して製膜する方法;複
数の金属ロール、非金属ロールおよび/または金属ベル
トに挟持して製膜する方法を例示することができる。
【0068】この中でも本発明のアクリル樹脂フイルム
表面の鏡面性、深み感を得る上で、複数の金属ロール、
非金属ロールおよび/または金属ベルトに挟持して製膜
する方法が好ましく、複数のロールで挟持する場合は、
少なくともフイルムの有効面側が金属ロールに接する様
に製膜することで、フイルム表面の鏡面性、深み感が得
られる。
【0069】本発明の加飾用アクリル樹脂フイルムが積
層された積層樹脂成形品を製造する方法としては、アク
リル樹脂フイルムと基材となる樹脂成形品や樹脂シート
を加熱し、境界面の熱融着により積層せしめるラミネー
ション法、境界面に接着性の層を設けてアクリル樹脂フ
イルムと基材となるや樹脂成形品や樹脂シートを積層せ
しめるラミネーション法等の方法、あるいは樹脂シート
の押出成形時、ダイスから出てきた溶融樹脂にアクリル
樹脂フイルムを直接接触させ、境界面の熱融着により積
層せしめるラミネートする方法等により積層シートを作
製し、この積層シートを、本発明の加飾用アクリル樹脂
フイルムが表面になるように真空・圧空成形することに
よりアクリル樹脂フイルム積層樹脂成形品を得ることが
できる。
【0070】また、アクリル樹脂フイルムを予め射出成
形品の形状に真空・圧空成形、突き上げ成形等により加
工し、これを射出成形用金型に配置後、射出成形を行う
ことによって射出成形と同時に積層射出成形品を成形す
る方法(インサート成形法);射出成形用金型キャビテ
ィー内でアクリル樹脂フイルムを真空・圧空成形した
後、金型キャビティー内に成形樹脂を射出成形する方法
(インモールド成形法)によっても、積層樹脂成形品を
得ることができる。 なお、積層樹脂成形品を構成する
熱可塑性樹脂シートとしては、公知の熱可塑性樹脂であ
れば特に限定されないが、例えばアクリル樹脂、ポリカ
ーボネート(以降PC)樹脂、ABS樹脂、ABS/P
C樹脂、塩化ビニル(以降PVC)樹脂、ポリエステル
樹脂、または、これらを主成分とする樹脂が好ましい。
ただし、ポリオレフィン樹脂等のアクリル樹脂に熱融着
しない基材樹脂の場合においては、アクリル樹脂フイル
ムと熱可塑性樹脂シートの境界面に接着性の層を設ける
ことで積層することが可能である。
【0071】熱可塑性樹脂シートの厚みは用途に応じて
替えられるため、特に限定されないが、本発明の加飾用
アクリル樹脂フイルムと積層できる範囲であり、かつ真
空・圧空成形が可能な範囲であることが好ましい。
【0072】また、熱可塑性樹脂シートには、得られる
加飾アクリル樹脂フイルム積層樹脂成形品に、様々な質
感のメタリック調を付与するために、公知の各種着色顔
料が含有されることが好ましい。
【0073】なお、樹脂成形品を構成する樹脂として
は、アクリル樹脂フイルムとの接着性に優れるものであ
れば特に限定されないが、例えばアクリル樹脂、PC樹
脂、ABS樹脂、ABS/PC樹脂、PVC樹脂、ポリ
エステル樹脂、または、これらを主成分とする樹脂が好
ましい。ただし、ポリオレフィン樹脂等のアクリル樹脂
に熱融着しない樹脂の場合においては、本発明の加飾用
アクリル樹脂フイルムが樹脂と接する面に接着性の層を
設けることで積層することが可能である。
【0074】また、樹脂には、得られる加飾アクリル樹
脂フイルム積層樹脂成形品に、様々な質感のメタリック
調を付与するために、公知の各種着色顔料が含有される
ことが好ましい。
【0075】以上で説明してきた様に、本発明の加飾用
アクリル樹脂フイルムは、全光線透過率が10〜90%
であるため、基材の有する色相に対応して積層樹脂成形
品のメタリック調の質感を変更することができ、用いる
メタリック顔料含有フィルムの種類を変えることなく、
基材である樹脂成形品の色調を変えるだけで様々な質感
のメタリック調を有する、意匠性の高い樹脂成形品を良
好な生産性で製造することができる。
【0076】本発明の加飾用アクリル樹脂フイルムを含
むアクリル樹脂フイルム積層樹脂成形品の工業的用途例
としては、車輌内装、車輌外装等の車輌部品;窓枠、サ
ッシ等の建材部品;食器、玩具、ゲーム機等の雑貨;掃
除機ハウジング、テレビジョンハウジング、エアコンハ
ウジング等の家電部品;インテリア部材;船舶部材;パ
ソコンハウジング、携帯電話ハウジング等の電子通信機
等を例示することができる。
【0077】
【実施例】以下に実施例によって本発明をさらに詳細に
説明するが、これらは本発明を何ら限定するものではな
い。なお、以下特に明記しない限り、「部」および
「%」は、それぞれ「質量部」および「質量%」を意味
しており、試薬等は市販の高純度品を用いた。
【0078】また、以下の略号を使用することもある; メチルメタクリレート MMA、 メチルアクリレート MA、 ブチルアクリレート BA、 スチレン St、 アリルメタクリレート AMA、 1, 3−ブチレングリコールジメタクリレート 1,3BD、 t−ブチルハイドロパーオキサイド tBH、 t−ヘキシルハイドロパーオキサイド tHH、 n−オクチルメルカプタン nOM。
【0079】(評価方法)得られた熱可塑性重合体
(I)、ゴム含有重合体(II)、熱可塑性重合体(II
I)およびアクリル樹脂フイルムの各特性は、以下のの
様にして測定した。
【0080】(ア)熱可塑性重合体(I)および(II
I)の還元粘度(L/g):25℃において、クロロホ
ルム100mLに重合体サンプル0.1gを溶解し、サ
ン電子工業製AVL−2C自動粘度計を用いて測定し
た。
【0081】(イ)ゴム含有重合体(II)の重量平均粒
子径(μm):乳化重合にて得られたゴム含有重合体
(II)のポリマーラテックスの最終粒子径を、大塚電子
(株)製の光散乱光度計DLS−700を用い、動的光
散乱法によって測定した。
【0082】(ウ)アクリル樹脂フイルムの全光線透過
率(%):JIS K6714に準拠し、村上色彩研究
所製HR100反射・透過率計にて測定した。
【0083】(エ)アクリル樹脂フイルムの表面光沢度
(%):グロスメーター(ムラカミカラーリサーチラボ
ラトリー製GM−26D型)を用い、60°での表面光
沢を測定した。
【0084】(オ)加飾用アクリル樹脂フイルム積層樹
脂成形品の評価:基材となる樹脂の色調を変化させ、表
面外観を評価する。
【0085】◎ : 基材色を中心にメタリック観が付
与されたメタリック調外観。
【0086】○ : メタリック調外観の背景に基材色
が確認できるメタリック調外観。
【0087】△ : メタリック調外観の背景に、基材
色の濃淡のみが確認できるメタリック調外観。
【0088】× : 基材の色が反映されず、フイルム
の有するメタリック調外観。
【0089】×× : メタリック外観は無く、基材色
のみの表面外観。
【0090】(参考例1)熱可塑性重合体(I)の製造 熱可塑性重合体(I)として、MMA/MA共重合体
(MMA/MA=98/2、還元粘度0.06L/g)
を製造した。
【0091】(参考例2)ゴム含有重合体(II)の製造 窒素雰囲気下、還流冷却器付き反応容器に脱イオン水2
44部を入れ80℃に昇温し、下記に示す(イ)を添加
した後、撹拌を行いながら下記に示す重合体(II−A)
の単量体混合物(ロ)の1/15を仕込み、15分保持
した。その後、水に対して単量体混合物の1時間当たり
の増加率が8%となるよう、(ロ)の残りを連続的に添
加した。そして1時間保持し、重合体(II−A)よりな
るラテックスを得た。
【0092】次に、得られたラテックスにソジウムホル
ムアルデヒドスルホキシレート0.6部を加えた後、1
5分保持し、窒素雰囲気下80℃で撹拌を行いながら、
水に対して単量体混合物の1時間当たりの増加率が4%
となるよう、下記に示す重合体(II−B)の単量体混合
物(ハ)を連続的に添加した。その後2時間保持して、
ゴム重合体(II−B)の重合を行い、弾性体重合体ラテ
ックスを得た。
【0093】引き続き、得られた弾性体重合体ラテック
スにソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.4
部を加えた後、15分保持し、窒素雰囲気下80℃で撹
拌を行いながら、水に対して単量体混合物の1時間当た
りの増加率が10%となるよう、下記に示す最外層重合
体(II−C)の単量体混合物(ニ)を連続的に添加し
た。その後1時間保持して、最外層重合体(II−C)の
重合を行い、ゴム含有重合体(II)のラテックスを得
た。得られたゴム含有重合体(II)の平均粒子径は0.
28μmであった。
【0094】その後、ゴム含有重合体(II)のラテック
スを酢酸カルシウムを用いて凝析、凝集、固化反応を行
い、ろ過、水洗後乾燥してゴム含有重合体(II)を得
た。
【0095】 (イ)ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.6部 硫酸第一鉄 0.00012部 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.0003部 (ロ)MMA 22.0部 BA 15.0部 St 3.0部 AMA 0.4部 1,3BD 0.14部 tBH 0.18部 モノ(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)リン酸40%と ジ(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)リン酸60%との 水酸化ナトリウムの混合物の部分中和物 1.0部 (ハ)BA 50.0部 St 10.0部 AMA 0.4部 1,3BD 0.14部 tHH 0.2部 モノ(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)リン酸40%と ジ(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)リン酸60%との 水酸化ナトリウムの混合物の部分中和物 1.0部 (ニ)MMA 57.0部 MA 3.0部 nOM 0.3部 tBH 0.06部 (参考例3)熱可塑性重合体(III)の製造 反応容器に窒素置換したイオン交換水200部を仕込
み、乳化剤オレイン酸カリウム1部、過硫酸カリウム
0.3部を仕込んだ。続いてMMA40部、BA10
部、NOM0.005部を仕込み、窒素雰囲気下65℃
にて3時間撹拌し、重合を完結させた。引き続いて、M
MA48部、BA2部からなる単量体混合物を2時間に
渡り滴下し、滴下終了後2時間保持を行い、重合を完結
させた。得られたラテックスを0.25%硫酸水溶液に
添加し、重合体を酸凝析した後脱水、水洗、乾燥し、粉
体状で重合体を回収した。得られた共重合体の還元粘度
ηsp/cは0.38L/gであった。
【0096】(実施例1)参考例1で製造した熱可塑性
重合体(I)80部と、参考例2で製造したゴム含有重
合体(II)20部と、参考例3で製造した熱可塑性重合
体(III)5部と、アルミニウム顔料アルペーストTC
R3130(東洋アルミニウム(株)製、形状:鱗片
状、粒度:13μm )0.5部と、紫外線吸収剤アデ
カスタブLA−31RG(旭電化(株)製)1.4部
と、ヒンダードアミン系光安定剤LA−57(旭電化
(株)製)0.2部とをヘンシェルミキサーを用いて混
合した。次いで、φ50mmのスクリュー型単軸押出機
を用いてシリンダー温度200〜230℃、ダイ温度2
30℃で溶融混練し、ペレット化してアクリル樹脂組成
物(A−1)を得た。
【0097】次に、得られたアクリル樹脂組成物(A)
を80℃で一昼夜乾燥し、Tダイを取り付けたφ65m
mのノンベントスクリュー型押出機(三菱重工(株)製
HME−65)、1本の冷却ロールおよび巻き取り機を
備えた製膜機を用い、シリンダー温度200℃〜240
℃、Tダイ温度250℃、冷却ロール温度70℃で膜厚
75μmのアクリル樹脂フイルム(A−1−1)を製膜
した。
【0098】得られたアクリル樹脂フイルム(A−1−
1)の全光線透過率を測定し、結果を表1に示した。
【0099】得られたアクリル樹脂フイルム(A−1−
1)と厚み2mm、長さ300mm、幅300mmの黒
色、白色、黄色、青色の各色のABS板とをプレス成形
機を用いて、140℃でプレス成形し、黒色、白色、黄
色、青色の各色のABS板表面にアクリル樹脂フイルム
(A−1−1)が貼り合わされた積層シートを作製し、
このシートを200mm×200mm×深さ20mmの
キャビティを有する金型を備えた真空成形機を用いて真
空成形し、箱形のアクリル樹脂フイルム積層樹脂成形品
(ア−1)〜(ア−4)を作製した。
【0100】得られた成形品(ア−1)〜(ア−4)の
外観を表1に示した。
【0101】さらに、アクリル樹脂フイルム(A−1−
1)を型締め力2.2MNの射出成形機に取り付けた投
影面積500cm、絞り深さ10cmのキャビティを
有する真空成形可能な射出成形金型の雌型キャビティ表
面にセットし(型開状態)、非接触加熱板によりアクリ
ル樹脂フイルムを加熱した後、真空成形によりキャビテ
ィ面に追従させた。次いで金型を閉じてから黒色、白
色、黄色、青色の各色のABS樹脂(三菱レイヨン
(株)製ダイヤペット1001)をシリンダー温度23
0℃で射出成形して、アクリル樹脂フイルム積層射出成
形品(い −1)〜(い−4)を製造した。
【0102】得られた成形品(い −1)〜(い−4)
の外観を表1に示した。
【0103】(実施例2、3)実施例1と同様にして厚
み125μmのアクリル樹脂フイルム(A−1−2)と
厚み200μmのアクリル樹脂フイルム(A−1−3)
を作製した。
【0104】得られたアクリル樹脂フイルム(A−1−
2)、(A−1−3)の全光線透過率を測定し、結果を
表1に示した。
【0105】次に、実施例1と同様にして、得られたア
クリル樹脂フイルム(A−1−2)、(A−1−3)を
用いてアクリル樹脂フイルム積層樹脂成形品(ア−5)
〜(ア−8)を作製した。
【0106】得られた成形品(ア−5)〜(ア−8)の
外観を表1に示した。
【0107】さらに、前述のアクリル樹脂フイルム(A
−1−2)、(A−1−3)を用い、実施例1と同様に
してアクリル樹脂フイルム積層射出成形品(い −5)
〜(い−8)を製造した。
【0108】得られた成形品(い −5)〜(い−8)
の外観を表1に示した。
【0109】(実施例4〜6)実施例1で作製したアク
リル樹脂組成物(A−1)のアルミニウム顔料添加量を
1部に変更した以外は実施例1と同様にして樹脂組成物
(A−2)を作製し、実施例1と同様にして、膜厚7
5、125、200μmのアクリル樹脂フイルム(A−
2−1)〜(A−2−3)を得た。
【0110】得られたアクリル樹脂フイルム(A−2−
1)〜(A−2−3)の全光線透過率を測定し、結果を
表1に示した。
【0111】次に、実施例1と同様にしてアクリル樹脂
フイルム(A−2−1)〜(A−2−3)を用いてアク
リル樹脂フイルム積層樹脂成形品(イ−1)〜(イ−1
2)およびアクリル樹脂フイルム積層射出成形品(ろ−
1)〜(ろ−12)を製造した。
【0112】得られた成形品 (イ−1)〜(イ−1
2)および(ろ−1)〜(ろ−12)の外観を表1に示
した。
【0113】(実施例7、8)実施例1で作製したアク
リル樹脂組成物(A−1)のアルミニウム顔料添加量を
1.5部に変更した以外は実施例1と同様にしてアクリ
ル樹脂組成物(A−3)を作製し、実施例1と同様にし
て、膜厚75、125μmのアクリル樹脂フイルム(A
−3−1)、(A−3−2)を得た。
【0114】得られたアクリル樹脂フイルム(A−3−
1)、(A−3−2)の全光線透過率を測定し、結果を
表1に示した。
【0115】次に、実施例1と同様にしてアクリル樹脂
フイルム(A−3−1)、(A−3−2)を用いてアク
リル樹脂フイルム積層樹脂成形品(ウ−1)〜(ウ−
8)およびアクリル樹脂フイルム積層射出成形品(は−
1)〜(は−8)を製造した。
【0116】得られた成形品(ウ−1)〜(ウ−8)お
よび(は−1)〜(は−8)の外観を表1に示した。
【0117】(実施例9)実施例1で作製したアクリル
樹脂組成物(A−1)のアルミニウム顔料添加量を2部
に変更した以外は実施例1と同様にして樹脂組成物(A
−4)を作製し、これを用いて膜厚75μmのアクリル
樹脂フイルム(A−4−1 )を得た。
【0118】得られたアクリル樹脂フイルム(A−4−
1 )の全光線透過率を測定し、結果を表2に示した。
【0119】次に、実施例1と同様にしてアクリル樹脂
フイルム(A−4−1)を用いてアクリル樹脂フイルム
積層樹脂成形品(エ−1)〜(エ−4)およびアクリル
樹脂フイルム積層射出成形品(に−1)〜(に−4)を
製造した。
【0120】得られた成形品(エ−1)〜(エ−4)お
よび(に−1)〜(に−4)の外観を表2に示した。
【0121】(実施例10〜12)実施例1で作製した
アクリル樹脂組成物(A−1)のアルミニウム顔料をア
ルペーストTCR3040(東洋アルミニウム(株)
製、形状:鱗片状、粒度:17μm)に変更した以外は
実施例1と同様にして樹脂組成物(B−1)を作製し、
実施例1と同様にして、膜厚75、125、200μm
のアクリル樹脂フイルム(B−1−1)〜( B−1−
3)を得た。
【0122】得られたアクリル樹脂フイルム(B−1−
1)〜( B−1−3)の全光線透過率を測定し、結果
を表2に示した。
【0123】次に、実施例1と同様にしてアクリル樹脂
フイルム(B−1−1)〜( B−1−3)を用いてア
クリル樹脂フイルム積層樹脂成形品(オ−1)〜(オ−
12)およびアクリル樹脂フイルム積層射出成形品(ほ
−1)〜(ほ−12)を製造した。
【0124】得られた成形品 (オ−1)〜(オ−1
2)および(ほ−1)〜(ほ−12)の外観を表2に示
した。
【0125】(実施例13〜15)実施例10で作製し
たアクリル樹脂組成物(B−1)のアルミニウム顔料添
加量を1部に変更した以外は実施例1と同様にして樹脂
組成物(B−2)を作製し、実施例1と同様にして、膜
厚75、125、200μmのアクリル樹脂フイルム
(B−2−1)〜(B−2−3)を得た。
【0126】得られたアクリル樹脂フイルム(B−2−
1)〜(B−2−3)の全光線透過率を測定し、結果を
表2に示した。
【0127】次に、実施例1と同様にしてアクリル樹脂
フイルム(B−2−1)〜(B−2−3)を用いてアク
リル樹脂フイルム積層樹脂成形品(カ−1)〜(カ−1
2)およびアクリル樹脂フイルム積層射出成形品(へ−
1)〜(へ−12)を製造した。
【0128】得られた成形品 (カ−1)〜(カ−1
2)および(へ−1)〜(へ−12)の外観を表2に示
した。
【0129】(実施例16〜18)実施例10で作製し
たアクリル樹脂組成物(B−1)のアルミニウム顔料添
加量を1.5部に変更した以外は実施例1と同様にして
樹脂組成物(B−3)を作製し、実施例1と同様にし
て、膜厚75、125、200μmのアクリル樹脂フイ
ルム(B−3−1)〜(B−3−3)を得た。
【0130】得られたアクリル樹脂フイルム(B−3−
1)〜(B−3−3)の全光線透過率を測定し、結果を
表2に示した。
【0131】次に、実施例1と同様にしてアクリル樹脂
フイルム(B−3−1)〜(B−3−3)を用いてアク
リル樹脂フイルム積層樹脂成形品(キ−1)〜(キ−1
2)およびアクリル樹脂フイルム積層射出成形品(と−
1)〜(と−12)を製造した。
【0132】得られた成形品 (キ−1)〜(キ−1
2)および(と−1)〜(と−12)の外観を表2に示
した。
【0133】(実施例19〜21)実施例10で作製し
たアクリル樹脂組成物(B−1)のアルミニウム顔料添
加量を2部に変更した以外は実施例1と同様にして樹脂
組成物(B−4)を作製し、 実施例1と同様にして、
膜厚75、125、200μmのアクリル樹脂フイルム
(B−4−1)〜(B−4−3)を得た。
【0134】得られたアクリル樹脂フイルム(B−4−
1)〜(B−4−3)の全光線透過率を測定し、結果を
表3に示した。
【0135】次に、実施例1と同様にしてアクリル樹脂
フイルム(B−4−1)〜(B−4−3)を用いてアク
リル樹脂フイルム積層樹脂成形品(ク−1)〜(ク−1
2)およびアクリル樹脂フイルム積層射出成形品(ち−
1)〜(ち−12)を製造した。
【0136】得られた成形品 (ク−1)〜(ク−1
2)および(ち−1)〜(ち−12)の外観を表3に示
した。
【0137】(実施例22〜24)実施例1で作製した
アクリル樹脂組成物(A−1)のアルミニウム顔料をア
ルペーストTCR3010(東洋アルミニウム(株)
製、形状:鱗片状、粒度:31μm )に変更し、添加
量を0.2部に変更した以外は実施例1と同様にして樹
脂組成物(C−1 )を作製し、実施例1と同様にし
て、膜厚75、125、150μmのアクリル樹脂フイ
ルム(C−1−1)〜(C−1−3)を得た。
【0138】得られたアクリル樹脂フイルム(C−1−
1)〜(C−1−3)の全光線透過率を測定し、結果を
表3に示した。
【0139】次に、実施例1と同様にしてアクリル樹脂
フイルム(C−1−1)〜( C−1−3)を用いてア
クリル樹脂フイルム積層樹脂成形品(ケ−1)〜(ケ−
12)およびアクリル樹脂フイルム積層射出成形品(り
−1)〜(り−12)を製造した。
【0140】得られた成形品 (ケ−1)〜(ケ−1
2)および(り−1)〜(り−12)の外観を表3に示
した。
【0141】(実施例25〜27)実施例22で作製し
たアクリル樹脂組成物(C−1)のアルミニウム顔料添
加量を0.4部に変更した以外は実施例1と同様にして
樹脂組成物(D−1 )を作製し、実施例1と同様にし
て、膜厚75、125、150μmのアクリル樹脂フイ
ルム(D−1−1)〜(D−1−3)を得た。
【0142】得られたアクリル樹脂フイルム(D−1−
1)〜( D−1−3)の全光線透過率および表面光沢
を測定し、結果を表3に示した。
【0143】次に、実施例1と同様にしてアクリル樹脂
フイルム(D−1−1)〜(D−1−3)を用いてアク
リル樹脂フイルム積層樹脂成形品(コ−1)〜(コ−1
2)およびアクリル樹脂フイルム積層射出成形品(ぬ−
1)〜(ぬ−12)を製造した。
【0144】得られた成形品 (コ−1)〜(コ−1
2)および(ぬ−1)〜(ぬ−12)の外観を表3に示
した。
【0145】(実施例28〜30)実施例25で作製し
たアクリル樹脂組成物(D−1)を用い、フイルムに製
膜する際、Tダイから吐出された溶融樹脂を2本の金属
ロールで挟持する以外は実施例1と同様にして、膜厚7
5、125、150μmのアクリル樹脂フイルム(D−
1−4)〜(D−1−6)を得た。
【0146】得られたアクリル樹脂フイルム(D−1−
4)〜(D−1−6)の全光線透過率および表面光沢を
測定し、結果を表4に示した。
【0147】次に、実施例1と同様にしてアクリル樹脂
フイルム(D−1−4)〜(D−1−6)を用いてアク
リル樹脂フイルム積層樹脂成形品(サ−1)〜(サ−1
2)およびアクリル樹脂フイルム積層射出成形品(る−
1)〜(る−12)を製造した。
【0148】得られた成形品 (サ−1)〜(サ−1
2)および(る−1)〜(る−12)の外観を表4に示
した。
【0149】(比較例1)実施例7のアクリル樹脂組成
物(A−3)を用い、実施例1と同様にして、膜厚20
0μmのアクリル樹脂フイルム(A−3−3)を得た。
【0150】得られたアクリル樹脂フイルム(A−3−
3)の全光線透過率を測定し、結果を表4に示した。
【0151】次に、実施例1と同様にしてアクリル樹脂
フイルム(A−3−3)を用いてアクリル樹脂フイルム
積層樹脂成形品(ウ−9)〜(ウ−12)およびアクリ
ル樹脂フイルム積層射出成形品(は−9)〜(は−1
2)を製造した。
【0152】得られた成形品(ウ−9)〜(ウ−12)
および(は−9)〜(は−12)の外観を表4に示し
た。
【0153】(比較例2)実施例22で作製したアクリ
ル樹脂組成物(C−1)のアルミニウム顔料添加量を
0.01部に変更した以外は実施例1と同様にして樹脂
組成物(D−2 )を作製し、実施例1と同様にして、
膜厚50μmのアクリル樹脂フイルム(D−2−1)を
得た。
【0154】得られたアクリル樹脂フイルム(D−2−
1)の全光線透過率を測定し、結果を表4に示した。
【0155】次に、実施例1と同様にしてアクリル樹脂
フイルム(D−2−1)を用いてアクリル樹脂フイルム
積層樹脂成形品(シ−1)〜(シ−4)およびアクリル
樹脂フイルム積層射出成形品(を−1)〜(を−4)を
製造した。
【0156】得られた成形品 (シ−1)〜(シ−4)
および(を−1)〜(を−4)の外観を表4に示した。
【0157】以上の実施例および比較例より、次のこと
が明らかとなった。
【0158】第1に、アクリル樹脂フイルム(A−1−
1)〜(D−2−1)の中で、全光線透過率が10〜9
0%の範囲にある加飾用アクリル樹脂フイルムを使用し
たアクリル樹脂フイルム積層樹脂成形品は各色の基材色
を反映した、異なる質感のメタリック調外観を発現す
る。
【0159】第2に、全光線透過率が10%より小さい
加飾用アクリル樹脂フイルム(A−3−3)を使用した
アクリル樹脂フイルム積層樹脂成形品は、基材色が反映
されず、フイルム色のみを示す外観となった。
【0160】第3に、全光線透過率が90%を超える加
飾用アクリル樹脂フイルム(D−2−1)を使用したア
クリル樹脂フイルム積層樹脂成形品は、メタリック外観
は得られず、基材のソリッド色のみを示す外観となっ
た。
【0161】第4に、実施例25〜27と28〜30か
ら分かる様に、加飾用アクリル樹脂フイルムをロールな
どで挟持して作製することにより、高い表面光沢度が得
られ、深み感のある外観となった。
【0162】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【0163】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、メタリ
ック顔料を含有し、全光線透過率が10〜90%である
厚み10〜500μmの加飾用アクリル樹脂フイルムを
用いることにより、フイルム積層樹脂成形品において、
基材の有する色相に対応して積層樹脂成形品のメタリッ
ク調の質感を変更することができ、用いるメタリック顔
料含有フィルムの種類を変えることなく、基材である樹
脂成形品の色調を変えるだけで様々な質感のメタリック
調を有する、意匠性の高い樹脂成形品を良好な生産性で
製造することが可能となる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/00 C08K 3/00 4J002 C08L 33/10 C08L 33/10 // B29K 33:00 B29K 33:00 B29L 31:30 B29L 31:30 31:34 31:34 Fターム(参考) 4F071 AA33 AB09 AB17 AB21 AB26 AD05 AE05 AE09 AF30Y AF32 AH07 AH12 BA01 BB06 BC01 BC12 4F202 AA11 AA13 AA21 AB12 AB16 AD08 AH17 AH33 AH48 CA11 CB01 CB12 CB13 CB22 CN01 CN05 CQ05 4F206 AA13 AA21 AB12 AB16 AD08 AH17 AH33 AH48 JA03 JB12 JB13 JB22 JE06 JF05 JL05 JQ81 JW15 4F207 AA13 AA21 AB12 AB16 AD08 AH17 AH33 AH48 KA01 KF01 KF02 KK12 KK64 KL22 KW50 4F208 AA13 AA21 AB12 AB16 AD08 AH17 AH33 AH48 MA01 MA03 MB01 MB11 MB22 MC01 MG04 MG22 MJ05 MJ30 MW01 4J002 BG061 BN122 DA096 DE096 DE106 DE116 DE146 DE286 DG046 DJ056 FA016 FB076 FD096

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタリック顔料を含有し、全光線透過率
    が10〜90%である厚み10〜500μmの加飾用ア
    クリル樹脂フイルム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の加飾用アクリル樹脂フイ
    ルムが積層された積層樹脂成形品。
  3. 【請求項3】 メタリック顔料を含有するアクリル樹脂
    組成物を溶融押出成形し、さらにそのフイルムの両面を
    複数の金属ロール、非金属ロールおよび/または金属ベ
    ルトに挟持して請求項1記載の加飾用アクリル樹脂フイ
    ルムを製造する方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の加飾用アクリル樹脂フイ
    ルムを熱可塑性樹脂シートに積層した後、該フイルムが
    表面になる様に真空・圧空成形して積層樹脂成形品を製
    造する方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の加飾用アクリル樹脂フイ
    ルムを金型キャビティー内で真空・圧空成形し、型締め
    後熱可塑性樹脂を射出成形して成形品表面に該フイルム
    を積層して積層樹脂成形品を製造する方法。
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