JP2002145922A - Ep(d)mスラリー重合用の新規なバナジウム触媒系 - Google Patents

Ep(d)mスラリー重合用の新規なバナジウム触媒系

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JP2002145922A JP2001333964A JP2001333964A JP2002145922A JP 2002145922 A JP2002145922 A JP 2002145922A JP 2001333964 A JP2001333964 A JP 2001333964A JP 2001333964 A JP2001333964 A JP 2001333964A JP 2002145922 A JP2002145922 A JP 2002145922A
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ヘイダー・ザハルカ
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    • C08F210/00Copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond
    • C08F210/16Copolymers of ethene with alpha-alkenes, e.g. EP rubbers
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オレフィン、特にエチレンとポリプロピレン
のコポリマー(EPM)およびエチレンとプロピレンと
非共役ジエンとのターポリマー(EPDM)を重合する
際に、得られる重合生成物からの触媒残渣の除去が不要
でかつバナジウム化合物をベースとする新規なオレフィ
ンモノマー重合触媒系の提供。 【解決手段】 オレフィンモノマーを、(a)バナジウム
触媒、(b)有機アルミニウム助触媒、および(c)触媒活性
剤を含有する触媒系の存在下で重合する工程を含む、オ
レフィンポリマーの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オレフィン重合用
触媒系、およびそれを用いたオレフィン重合法に関す
る。特に、本発明は、一つの態様として、触媒活性化剤
として作用するハロゲン化物を含有するバナジウムをベ
ースとする触媒系を用いたスラリー重合において、任意
に1種以上のジオレフィンを含有するエチレン−プロピ
レン−コポリマーの調製のための触媒系に関する。
【0002】
【従来の技術】エチレンとポリプロピレンのコポリマー
(EPM)およびエチレンとプロピレンと非共役ジエン
とのターポリマー(EPDM)は、工業上のポリオレフ
ィンポリマーの大きな市場区分を構成している。多数の
EPMおよびEPDMグレードが市場で入手できる。E
PDM類における基本的な差異は、(1)エチレン含量、
(2)第3のモノマー、種類および量、そして(3)分子量で
ある。エチレン含量の高いEPDMのグレードは、より
高い引張および引裂強度、高い硬度、改良された耐磨耗
性、そしてより良好な耐熱性を有する。このような類の
EPDMは、通常、ポリオレフィンの衝撃系統の強さを
高めるために、ポリプロピレンとポリエチレンを含むブ
レンド中で使用される。ゴム変性プラスチックである熱
可塑性オレフィンに関するいくつかの用途は、自動車の
バンパー、おもちゃおよび包装用フィルムである。高い
エチレン含量のEPDMグレードに関するもう一つの大
きな市場区分は、押出および射出成形における、目詰
め、プロフィール、シールおよび高温ホースなどの自動
車用途である。しかし、他方で、エチレン含量を高める
ことは、ゴムの冷却耐性と圧縮永久歪みに悪影響を及ぼ
す。低いエチレン含量のEPDMのグレードは、ゴムが
広い温度範囲にわたって高い弾性シール力を保持しかつ
低い圧縮永久歪みを有しなければならないガスケットや
建築用プロフィールなどの種々の用途に使用される。
【0003】EPDMポリマーの工業生産に現在用いら
れている常套の第3のモノマーとしては、エチリデンノ
ルボルネン(ENB)、1,4-ヘキサジエン(1,4-HD)
およびジシクロペンタジエン(DCPC)が挙げられ
る。ENB系EPDMは、DCPC系および1,4-HD系
EPDMの両者に比べて、硫黄加硫における硬化速度が
随分速い。
【0004】常套のEPDMは通常結晶性が低いため、
飽和炭化水素溶液中に良く溶解する。このため、EPD
Mの製造に使用される大抵の汎用プロセスは、溶液系で
ある。この汎用のプロセスでは、溶液粘度が低く保たれ
ている限り、非常に均一な重合条件が保持される。高い
溶液粘度では、混合が困難になって、物質移動限界が生
じ、その結果、濃度グラジエントが発生する。
【0005】スラリーをベースとする方法では、EPD
Mは非反応性希釈剤中で沈降する。反応媒体は、本質的
には、重合希釈剤として作用する過剰の液体プロピレン
によって形成されて、ポリマーが液相中に懸濁される固
体沈降物として形成される。スラリー法は、溶液法に優
る多数の利点、すなわち撹拌粘度の問題がないこと;非
常に均一な反応媒体;反応熱の除去がより容易であるこ
と;媒体中のより高いポリマー濃度に起因する高い反応
スループット;より高い重合収率;非常に高分子量(M
w)のポリマーの製造の可能性;ポリマー回収における
省エネルギー化;より低い投資コストおよびより低い生
産コストをもたらす。
【0006】スラリー重合法のすばらしい点は、狭い分
子量分布(MWD)が非常に高分子量(Mw)のポリマ
ーを製造できることである。非常に高分子量のEPDM
グレードは、ゴムの加工性を高めて、低い配合コストで
高度に充填されたコンパウンド(すなわち良好な物理特
性)の機会を与える大量の油やフィラーを受容できる。
さらに、非常に高いMwや狭いMWDは、熱い間は良好
な形状保持力を与える。上記特性に加えて、このような
EPDMグレードは、(室温および高温での)最適な引
裂および引張強度、優れた弾性および低い圧縮永久歪み
のような、より良好な物理特性を最終製品に与える。
【0007】最近のEPDM製造法において、高いMw
のEPDMエラストマーを製造するのに使用される触媒
は、バナジウムテトラクロライド、バナジルトリクロラ
イド、バナジウムアセチルアセトナート、または有機ア
ルミニウム化合物と結合したバナジルトリアルコキシ化
合物などの、バナジウム化合物から形成された溶解性触
媒である。しかし、(チーグラー−ナッタ系として公知
の)このようなバナジウム触媒系は、過還元され易く、
その結果、不活性なバナジウム種を製造する。触媒生産
性を高めるために、塩素化炭化水素促進剤を使用して、
活性な酸化状態にバナジウムを戻すためのバナジウムの
再酸化を達成しなければならない。さらには、バナジウ
ム化合物触媒の活性が一般に遅いため、生成物からの触
媒残渣の除去は特定の応用法を必要とする(何故なら
ば、比較的大量の触媒を使用して、満足のいく反応速度
を達成しなければならないためである)。
【0008】欧州特許出願公開第0,874,005号公報に
は、二座配位子−遷移金属単独部位触媒と少なくとも1
種の有機金属化合物、有機アルミニウムオキシ化合物ま
たはイオン化イオン性化合物との組み合わせを用いた、
オレフィン/共役ジエンコポリマーの製造方法が開示さ
れている。この公報に開示されている触媒の大部分は、
第IV類の金属(Ti、Zr、Hf)をベースとし、そ
して優れた活性を示した。対照して、第V類の金属
(V、Nb,Ta)をベースとする触媒はほとんど開示
されておらず、しかもこのような触媒は、対応する(す
なわち、配位子が同一である)第IV類の金属化合物の
活性よりも低い活性を示した。例えば、開示されている
バナジウム系触媒の唯一の実施例は、対応するハフニウ
ム化合物の活性よりも約300倍低く、かつ対応するジ
ルコニウム化合物に比べて約1000倍低い活性を示し
ていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】EPDMの製造におい
て、モノマーのランダムな分布は、高い結晶性をもたら
し得るエチレンの長い連鎖を避けるのに望ましい。触媒
錯体がそれぞれ、エチレン、プロピレンおよびENB
(またはこれら以外の第3のモノマー)との異なる相対
反応性を有することから、異なる種類の触媒の活性種の
数を制御することも望ましい。触媒が十分に活性な製造
方法では、生成物からの触媒残渣の除去が不要であるこ
とが望ましい。バナジウム化合物をベースとするような
触媒系は現在まで報告されていない。
【0010】
【課題を解決するための手段】従って、本発明の目的
は、先行技術における上記不利益のうち少なくとも1つ
を回避するかまたは軽減することである。本発明の目的
は、新規なオレフィン重合法を提供することでもある。
さらに本発明の目的は、新規なオレフィン重合触媒系を
提供することである。
【0011】すなわち、一態様において、本発明は、 (a)式Iのバナジウム触媒、
【化7】 (式中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル
基、アリール基、複素環式基、酸素含有基、窒素含有
基、ホウ素含有基、硫黄含有基、りん含有基、珪素含有
基、ゲルマニウム含有基および錫含有基から成る群より
選択され、R〜Rは、水素原子、ハロゲン原子、ア
ルキル基、複素環式基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ
素含有基、硫黄含有基、りん含有基、珪素含有基、ゲル
マニウム含有基および錫含有基から成る群より独立して
選択され、ここでR〜Rのうち2つ以上が環を形成
するように結合されていてよく、およびXは、水素原
子、ハロゲン原子、アルキル基、酸素含有基、窒素含有
基、ホウ素含有基、硫黄含有基、アルミニウム含有基、
りん含有基、ハロゲン含有基、複素環式基、珪素含有
基、ゲルマニウム含有基および錫含有基から成る群より
選択され、ここで各Xは、同一または異なっていてよ
く、かつ環を形成するように互いに結合されていてよ
い。) (b)式IIの有機アルミニウム助触媒、および
【化8】 R(R)Al−X' II (式中、RおよびRは、独立して、アルキル基また
はアルコキシ基であり、およびX'は、ハロゲンであ
る。) (c)式IIIの触媒活性剤
【化9】 R(R10) (R11)C−CO12 III (式中、Rは、アルキル基、アルケニル基、アリール
基、シクロアルキル基およびエステル基から成る群より
選択され、R10は、ハロゲンであり、R11は、水素
原子、ハロゲン原子、アルキル基およびアリール基から
成る群より選択され、およびR12は、アルキル基、ア
ルケニル基およびアリール基からなる群より選択され
る。)を含有する触媒系の存在下でオレフィンモノマー
を重合する工程を含む、オレフィンポリマーの製造方法
を提供する。
【0012】もう一つの態様では、本発明は、 (a)式Iのバナジウム触媒、
【化10】 (式中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル
基、アリール基、複素環式基、酸素含有基、窒素含有
基、ホウ素含有基、硫黄含有基、りん含有基、珪素含有
基、ゲルマニウム含有基および錫含有基から成る群より
選択され、R〜Rは、水素原子、ハロゲン原子、ア
ルキル基、複素環式基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ
素含有基、硫黄含有基、りん含有基、珪素含有基、ゲル
マニウム含有基および錫含有基から成る群より独立して
選択され、ここでR〜Rのうち2つ以上が環を形成
するように結合されていてよく、およびXは、水素原
子、ハロゲン原子、アルキル基、酸素含有基、窒素含有
基、ホウ素含有基、硫黄含有基、アルミニウム含有基、
りん含有基、ハロゲン含有基、複素環式基、珪素含有
基、ゲルマニウム含有基および錫含有基から成る群より
選択され、ここで各Xは、同一または異なっていてよ
く、かつ環を形成するように互いに結合されていてよ
い。) (b)式IIの有機アルミニウム助触媒、および
【化11】 R(R)Al−X' II (式中、RおよびRは、独立して、アルキル基また
はアルコキシ基であり、およびX'は、ハロゲンであ
る。) (c)式IIIの触媒活性剤
【化12】 R(R10) (R11)C−CO12 III (式中、Rは、アルキル基、アルケニル基、アリール
基、シクロアルキル基およびエステル基から成る群より
選択され、R10は、ハロゲンであり、R11は、ハロ
ゲン原子、水素原子、アルキル基およびアリール基から
成る群より選択され、およびR12は、アルキル基、ア
ルケニル基およびアリール基からなる群より選択され
る。)を含有する、オレフィンモノマー重合触媒系を提
供する。
【0013】本発明者は、前記成分(a)、(b)および(c)
の組み合わせを含有する重合触媒系が、所望の物理特性
を有するポリマーを製造するのに使用できることを見出
した。前記ポリマーは、効率良く製造できると同時に、
大量の触媒を使用する必要を回避または軽減する。とい
うのも本明細書に記載の触媒系は、先行技術の触媒系に
比べて著しく高い活性を有するためである。本発明の方
法は、スラリー系におけるEPM系およびEPDM系ポ
リマーの製造に特にうまく適合している。
【0014】
【発明の実施の形態】
【用語の定義】本明細書において、アリールという用語
は、フェニル、ピリジル、フリル、チエニルなどのよう
な単環式芳香族基、またはナフチル、インダニル、キノ
リニルなどのような二環式ベンゾ融合芳香族基を表す。
アルキルという用語は、炭素数1〜12の直鎖および分
岐鎖アルキルラジカルを表し、メチル、エチル、イソプ
ロピル、オクチルなどを包含する。アルケニルという用
語は、炭素数1〜12の直鎖および分岐鎖アルケニルラ
ジカルを表し、ビニル、イソプロピルなどを包含する。
シクロアルキルという用語は、炭素数3〜8の炭素環員
の環を表し、シクロプロピル、シクロヘキシルなどを包
含する。アルコキシという用語は、炭素数1〜12の直
鎖および分岐鎖アルコキシラジカルを表し、メトキシ、
エトキシなどを包含する。さらに、ハロゲンという用語
は、フルオロ、クロロ、ブロモなどを包含する。
【0015】従って、本発明のオレフィンモノマー重合
触媒系の成分(a)は、式Iのバナジウム化合物である。
【化13】 上記式中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル
基、アリール基、複素環式基、酸素含有基、窒素含有
基、ホウ素含有基、硫黄含有基、りん含有基、珪素含有
基、ゲルマニウム含有基および錫含有基から成る群より
選択され、R〜Rは、水素原子、ハロゲン原子、ア
ルキル基、複素環式基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ
素含有基、硫黄含有基、りん含有基、珪素含有基、ゲル
マニウム含有基および錫含有基から成る群より独立して
選択され、ここでR〜Rのうち2つ以上が環を形成
するように結合されていてよく、およびXは、水素原
子、ハロゲン原子、アルキル基、酸素含有基、窒素含有
基、ホウ素含有基、硫黄含有基、アルミニウム含有基、
りん含有基、ハロゲン含有基、複素環式基、珪素含有
基、ゲルマニウム含有基および錫含有基から成る群より
選択され、ここで各Xは、同一または異なっていてよ
く、かつ環を形成するように互いに結合されていてよ
い。
【0016】好ましくは、Rは、アリール基、より好
ましくは置換アリール基であり、最も好ましくはR
は、3,5-ジメチルフェニル基である。Rは、好まし
くは水素原子またはアルキル基であり、より好ましくは
は、水素原子である。R、R、RおよびR
は、好ましくは水素原子またはアルキル基であり、より
好ましくはRおよびRは、アルキル基であり、そし
てRおよびRは、tert-ブチル基である。好ましく
は、Xは、塩素原子である。
【0017】有用な遷移金属化合物の非限定的な例は、
欧州特許出願公開第0874005Aに開示されており、[3,5-t
ert-ブチル-2-ヒドロキシ-1-メチルイミノ-(3,5-ジメチ
ルフェニル)-ベンゼン]VClが挙げられる。
【0018】本発明のオレフィンモノマー重合触媒系の
成分(b)は、式IIの有機アルミニウム化合物である。
【化14】 R(R)Al−X' II 上記式中、RおよびRは、独立して、アルキル基ま
たはアルコキシ基であり、およびX'は、ハロゲン原子
である。好ましくはRおよびRは、独立して選択さ
れたアルキル基であり、およびX'は、塩素原子であ
る。このような化合物の非限定的な例は、塩素化ジメチ
ルアルミニウム、塩素化ジエチルアルミニウム、塩素化
ジオクチルアルミニウムおよびエチルアルミニウムセス
キクロライドを包含する。
【0019】本発明のオレフィンモノマー重合触媒系の
成分(c)は、式IIIの化合物である。
【化15】 R(R10) (R11)C−CO12 III 上記式中、Rは、アルキル基、アルケニル基、アリー
ル基、シクロアルキル基およびエステル基から成る群よ
り選択され、R10は、ハロゲンであり、R は、ハ
ロゲン原子、水素原子、アルキル基およびアリール基か
ら成る群より選択され、およびR12は、アルキル基、
アルケニル基およびアリール基からなる群より選択され
る。好ましくは、Rはアルキル基またはアリール基で
あり、より好ましくはRはアリール基であり、最も好
ましくはRはフェニル基である。R10は、好ましく
は塩素原子である。Rがアルキル基であれば、R11
は、好ましくはハロゲン原子またはアルキル基であり、
より好ましくはR11はアルキル基である。Rがアリ
ール基であれば、R11は、好ましくはアリール基であ
る。R12は、好ましくはアルキル基またはアリール基
であり、より好ましくはR12はアルキル基である。こ
のような化合物の非限定的な例としては、エチル-α,α
-ジクロロフェニルアセテート、エチル-α-クロロ-ジフ
ェニルアセテートおよびエチル-2-クロロ-2-フェニルマ
ロネートが挙げられる。
【0020】前記式Iの触媒は、アニリンとo-ヒドロキ
シベンズアルデヒドとの縮合から得られる二座のシッフ
塩基である配位子を含有する。前記配位子は、以下の一
般式で表されるような文献公知の方法により合成され
た。
【化16】
【0021】本発明の触媒系は、オレフィンポリマーを
製造するのに使用され得る。本明細書中で使用するよう
に、「オレフィンポリマー」という用語は、ホモポリマ
ー、コポリマー、ターポリマーなどを包含する広い意味
を有するものとされ、これは、少なくとも1種のオレフ
ィンモノマーの重合から生成される。本明細書中で使用
されるように、「オレフィンモノマー」という用語は、
広い意味を有するものとされ、α-オレフィンモノマ
ー、ジオレフィンモノマーおよび少なくとも1種の内部
イレフィン結合を含むモノマーが挙げられる。
【0022】好ましい態様では、オレフィンモノマーは
エチレンである。別の好ましい態様では、オレフィンモ
ノマーはα-オレフィンモノマーである。α-オレフィン
モノマーは、当該分野において周知であり、本発明にお
けるその使用のための選択は、当業者の認識の範疇であ
る。好ましくは、α-オレフィンモノマーは、プロピレ
ン、ブテン、イソブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテ
ン、およびそれらの分岐異性体、およびスチレン、α-
メチルスチレン、ならびにそれらの混合物から選択され
る。最も好ましいα-オレフィンモノマーはプロピレン
である。
【0023】もう一つの好ましい態様において、オレフ
ィンモノマーは、非共役ジオレフィンモノマーを包含す
る。ジオレフィンモノマーは、当該分野において周知で
あり、本発明におけるその使用のための選択は、当業者
の認識の範疇である。非共役ジオレフィンは、炭素数が
6〜15の直鎖、分岐鎖または環式の炭化水素ジオレフ
ィンであり得る。非限定的な実例としては、1,4-ヘキサ
ジエンおよび1,6-オクタジエンのような直鎖の環式ジオ
レフィン、5-メチル-1,4-ヘキサジエン、7-メチル-1,6-
オクタジエンおよび7-メチル-1,7-オクタジエンのよう
な分岐鎖の非環式ジオレフィン、1,4-シクロヘキサジエ
ンおよび1,5-シクロオクタジエンのような単環非環式ジ
オレフィン、およびテトラヒドロインデン、ジシクロペ
ンタジエン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-ビニリ
デン-2-ノルボルネンおよび5-イソプロピリデン-2-ノル
ボルネンのような多数の環の非環式融合および架橋され
た環ジオレフィンが挙げられる。1,4-ヘキサジエン、7-
メチル-1,6-オクタジエン、ジシクロペンタジエンおよ
び5-エチリデン-2-ノルボルネンが好ましい非共役ジオ
レフィンであり、5-エチリデン-2-ノルボルネンが最も
好ましい非共役ジオレフィンである。
【0024】当然、種々の前記オレフィンモノマーの混
合物を利用することも可能でありかつ好ましい。
【0025】一つの好ましい態様において、オレフィン
モノマーは、エチレンと(前述のような)少なくとも1
種のα-オレフィンとの混合物であり、これからコポリ
マーが製造される。好ましい前記モノマー混合物は、エ
チレンおよびプロピレンを含有する。この態様では、エ
チレンを約30〜約75重量%、より好ましくは約35
〜約65重量%と、α-オレフィンを約25〜約70重
量%、より好ましくは約35重量%〜約65重量%含有
するエラストマーを生成する混合物を利用することが好
ましい。
【0026】もう一つの好ましい態様では、オレフィン
は、エチレンと、少なくとも1種の(前述の)α-オレ
フィンと、少なくとも1種の(前述の)ジオレフィンモ
ノマーとの混合物であり、これからターポリマーが製造
される。好ましい前記モノマー混合物は、エチレンと、
プロピレンと、5-エチリデン-2-ノルボルネンおよび5-
ビニリデン-2-ノルボルネンの一方または両方とを含有
する。この態様では、エチレンとα-オレフィンとの好
ましい混合物中に、ジオレフィンモノマーを、エラスト
マー生成物がジオレフィンモノマーを約0.5〜約15
重量%、より好ましくは約1〜約10重量%含有するよ
うな量で組み込むことが好ましい。
【0027】本発明の触媒系を用いたオレフィンモノマ
ーの重合は、少なくともオレフィンモノマーおよび前記
触媒系用の溶媒である不活性な炭化水素を含有する重合
媒体中で行われる。重合法がスラリー重合であれば、反
応物のうち1種(例えば、使用されるのであれば、α-
オレフィン)を重合希釈剤として使用しても、あるいは
生成物ポリマーが溶解しない炭化水素を希釈剤として使
用してもよい。オレフィンモノマーの重合は、バッチ式
でまたは連続法で行われてよい。好ましい方法は、連続
スラリー重合を伴い、これは例えば、エチレン、α-オ
レフィンモノマー、(さらに使用されるのであれば)ジ
オレフィンモノマー、そして触媒系を連続反応領域に供
給して、生成物ポリマーを液相中にスラリーとして形成
する。重合媒体としての使用に好適な不活性な炭化水素
は、C-C脂肪族炭化水素、C-C10脂環式炭化
水素、C-C芳香族炭化水素、C-Cモノオレフ
ィン炭化水素、およびそれらの混合物から成る群より選
択されるものである。このような炭化水素の非限定的な
例としては、(i)プロパン、ブタン、イソブタン、ペン
タン、ヘキサン、オクタンなどのような直鎖および分岐
鎖炭化水素、(ii)シクロペンタン、シクロヘキサン、シ
クロヘプタン、エチルシクロペンタン、メチルシクロヘ
キサン、メチルシクロヘプタンなどのような環式および
脂環式炭化水素、(iii)トルエン、キシレンなどのよう
なアルキル置換された芳香族炭化水素、および(iv)モノ
マーまたはコモノマーとして作用するプロピレンやブテ
ン-1-などのような液体オレフィンが挙げられる。
【0028】本発明の方法は、一般には、約−40℃〜
約200℃の範囲の温度、好ましくは約−20℃〜約1
00℃、より好ましくは約−10℃から約80℃におい
て、約5〜約700ポンド/(インチ)(すなわち、
3.45×10〜4.83×10Pa)の範囲の圧
力で行われる。
【0029】好ましくは、式IIの有機アルミニウム化合
物と式Iのバナジウム化合物とのモル比は、約5〜約5
00の範囲、より好ましくは約10〜約200の範囲、
最も好ましくは約12〜約100の範囲である。
【0030】好ましくは、式IIIの活性化剤と式Iのバ
ナジウム化合物とのモル比は、約2〜約100の範囲、
より好ましくは約4〜約50の範囲、最も好ましくは約
4〜約20の範囲である。
【0031】本発明の方法を行う正確なモードは、特に
限定されない。一つの好ましい態様において、本発明の
方法は、最初に炭化水素希釈剤をオレフィンモノマーと
一緒に撹拌タンク反応容器に導入し、反応容器内容物の
温度が所望のレベルになるように反応容器内容物の圧力
を調節することによって行われる。エチレンガスは、反
応容器の蒸気相中に導入されてもよく、あるいは当該分
野において公知のように液相中に散布されてもよい。そ
の後、アルミニウム助触媒の炭化水素溶液、次いで所望
量の活性化剤を含有するバナジウム化合物の炭化水素溶
液を、所望の比率で液相中に導入する。続いて、重合が
液相中で生じて、生成物ポリマーのスラリーが希釈剤中
に形成される。重合比は、触媒の添加速度で制御でき
る。反応物の温度と圧力は、液相の蒸発によって、そし
て冷却コイル、ジャケットなどによって制御される。オ
レフィンモノマーの混合物を使用するのであれば、ポリ
マー生成物中のいずれか1種のモノマーの含有量を、各
オレフィンモノマーの反応容器への仕込み速度を操作す
ること、および反応容器へ供給される触媒の濃度を操作
することによって制御する。ポリマー生成物は、常套の
方法で、より低沸点の化合物を減圧下で蒸発させるかあ
るいは前記スラリーを水蒸気と熱水の混合物で処理し
て、揮発分を除去する押出機を使用するかまたは水蒸気
ストリッピングを更に行い、そしてその後、脱水および
乾燥することにより回復される。
【0032】好ましい連続法において、触媒およびポリ
マーの反応容器内での平均滞留時間は、一般に約20分
〜8時間、好ましくは約30分〜約6時間、より好まし
くは約30分〜約4時間、最も好ましくは約30分〜約
2時間である。
【0033】別法として、重合は、溶液重合法を用いて
行ってよい。例えば、欧州特許出願公開第0,044,595A号
公報[エヴァンスら]、同第0,552,945号公報[カワサキ
ら]および国際特許出願公開第WO96/33227号公報[シッ
フィーノら]のいずれかを参照のこと。
【0034】重合は、常套の気相重合法を用いて行って
もよい。例えば、米国特許第4,994,534号公報[リー
ら]、国際特許出願公開第WO99/19059号公報[ヘンドラ
ーら]および同第WO99/19385号公報[ヘラルドら]のい
ずれかを参照のこと。
【0035】以下の実施例を参照して本発明のいくつか
の態様を説明するが、これら実施例は本発明の範囲を限
定するために使用されるべきではない。
【0036】
【実施例】実施例において、有機金属化合物は、保護的
アルゴン雰囲気下において、空気と水分を排除しながら
調製し、取り扱った(「シュレンク法」として当該分野
において公知の方法)。必要な溶媒は全て、使用前に好
適な乾燥剤を用いて数時間沸騰させた後、アルゴン下で
蒸留することにより、無水溶媒として得た。これら化合
物は、H−NMR、X線回折、IR(赤外分光光度
法)、MS(質量分析)および元素分析で特性評価し
た。これら以外に、市販の出発物質は、それ以上精製せ
ずに使用した。
【0037】ポリマー特性 エチレン含量は、赤外分光光度法により、公知の標準を
用いて較正した後、ASTM手順D−3900に従って、1
155cm−1と720cm−1バンドのピーク高さの
比を用いて決定した。ENBは、FTIRにより、AS
TM手順D−6047を用いて決定した。
【0038】I.配位子合成3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシ-1-メチルイミノ-(3,
5-ジメチルフェニル)-ベンゼン 3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンズアルデヒド
(7.8g、33ミリモル)のエタノール(100mL)溶液
を、3,5-ジメチル-アニリン(5.0g、40ミリモル)で処
理し、触媒量の酢酸(2mL)存在下で24時間還流し
た。得られた明るい橙色の溶液を真空でエバポレート
し、揮発物質を全て除去して黄色の粘着性粉末を得た。
次いで、固体残渣を、ヘキサンから−37℃で再結晶し
て、生成物の明るい黄色の結晶を収率85%で得た。主な
MSピークは以下の通りである;337(M)、332(M-
CH)、307(M-2CH)、280(M-t-Bu)、105
(MePh)、57(t-Bu)。 H−NMR(CDCl、200MHz、ppm)δ:Me
(2.34)、t-Bu(1.30,1.49)、OH(4.10)、Ph(6.9
0)、CH(8.60)、Ph(7.42)、Ph(7.28)。 ヘキサンからの室温での再結晶により、単結晶が得られ
た。X線回折によって生成物の構造を確認した。
【0039】3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシ-1-メチ
ルイミノ-(2,6-ジイソプロピルフェニル)-ベンゼン 3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンズアルデヒド
(6.6g、28ミリモル)のエタノール(150mL)溶液
を、2,6-ジイソプロピル-アニリン(3.5g、28ミリモ
ル)で処理した後、触媒としての酢酸(2mL)存在下
で24時間還流した。得られた明るい橙色の溶液を少量と
なるまで濃厚化して、分析上純粋な黄色の結晶性生成物
を得た(収率90%)。主なMSピークは以下の通りであ
る;393(M)、378(M-CH)、336(M-2C
)、162(ジイソプロピル-Ph)。H−NMR(C
DCl、200MHz、ppm)δ:iso-Pr(2.30)、t-B
u(2.50,2.70)、OH(4.20)、Ph-H(8.40)、CH(9.7
2)、Ph(8.65)、Ph(8.75)。X線回折するのに適した
単結晶を、室温でのヘキサンからの再結晶により得た。
【0040】II.配位子リチオ化3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキソ-1-メチルイミノ-(2,
6-ジイソプロピルフェニル)-ベンゼンリチウム
【化17】 3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキソ-1-メチルイミノ-(3,
5-ジメチルフェニル)-ベンゼン(3g、7.7ミリモル)
の無水エーテル100mL溶液を−78℃まで冷却した。n-
BuLi(2.16mL、3.59モル)のヘキサン溶液を添加
した後、室温で一晩撹拌すると、白色沈殿物の分離が生
じた。これをろ過し、1時間真空乾燥させた。収率80
%。
【0041】III.バナジウム(IV)触媒の合成(触媒
1)バナジウム(IV)テトラクロライド1,2-ジメトキシエタ
ン錯体 正味のVCl(10g、5,19ミリモル)を0℃において
無水DME 30mLに添加した。非常に空気に敏感な暗
緑色の溶液を室温で24時間撹拌した。暗褐色の固体が沈
降し、これをろ過して、1時間真空乾燥させた。収率69
%。
【0042】[3.5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシ-1-メ
チルイミノ(3,5-ジメチルフェニル)-ベンゼン]VCl
3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシ-1-メチルイミノ(3,5
-ジメチルフェニル)-ベンゼン(17.8ミリモル)のDM
E(100mL)溶液を、過剰のNaHで処理した。室温
で一晩撹拌した後、この混合物をVCl(DME)(2.
5g、8.9ミリモル)で処理した。得られた混合物は、即
座に暗青色になり、撹拌を24時間続けた。ろ過後、青色
の溶液を乾固するまでエバポレートし、残渣をTHF
100mLに再溶解させた後、もう一度ろ過した。溶液を
非常に少量になるまで濃厚化し、その後約40mLのトル
エンを加えた。得られた溶液は、ヘキサンと層状に重な
り、室温で一晩放置すると青色結晶が得られた(6.4
g、収率90%)。元素分析:C4662Cl
V、測定値(計算値);C、69.21(69.35);H、7.75
(7.78);N、3.50(3.52)。IR(ヌジョール法、cm
−1):1605(m)、1588(s)、1544(s)、1508(w)、1461(v
s,br)、1377(s)、1304(w)、1269(m)、1251(s)、1209
(m)、1179(m)、1149(m)、1027(m)、976(w)、951(w)、91
8(m)、856(s)、805(w)、770(m)、761(m)、722(s)、696
(s,sh)、668(w)、641(w)。
【0043】IV.バナジウム(III)触媒の合成(触媒
2) [3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシ-1-メチルイミノ-
(2,6-ジイソプロピルフェニル)-ベンゼン]VCl 3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシ-1-メチルイミノ(2,6
-ジイソプロピルフェニル)-ベンゼン(12.2ミリモル)
のTHF(100mL)溶液を、過剰のNaHで処理し
た。室温で一晩撹拌した後、この混合物をVCl(T
HF)(2.3g、6.1ミリモル)で処理した。得られた
暗赤色懸濁液を更に24時間撹拌した。ろ過後、赤色の溶
液を乾固するまでエバポレートし、固体残渣をヘキサン
に再溶解させた。もう一度ろ過した後、ヘキサン溶液を
少量になるまで濃厚化して、室温において、錯体の赤色
結晶が分離するまで放置した(4.2g、収率80%)。元
素分析:C5476ClV、測定値(計算
値);C、71.84(74.46);H、8.86(8.72);N、2.70
(3.21)。IR(ヌジョール法、cm−1):1609(vs)、
1601(vs)、1586(s)、1552(s)、1539(s)、1464(vs,br)、
1427(w)、1408(w)、1378(vs)、1362(s)、1327(m)、1291
(w)、1248(s)、1231(w)、1200(s)、1167(vs)、1137
(s)、1098(s)、1057(m)、1042(m)、1027(s)、979(s)、9
34(s)、918(w)、886(w)、874(s)、832(s,sh)、798(s,s
h)、777(s,sh)、762(vs)、747(s)、722(s)、673(w)、63
6(m)、583(w)、566(w)、545(w)。
【0044】スラリー(バッチ式)重合 触媒、助触媒、触媒活性化剤および分子量制御剤(ジエ
チル亜鉛;DEZ)を別個の供給流れによって反応容器
に導入する。ラボ用反応器は、1リットルのジッパー・
クレーブ反応容器から構成されており、この反応容器は
直接データ(温度とエチレンフロー)を取得するために
パーソナルコンピュータとインターフェースで接続され
ている。
【0045】通常の実験では、反応容器にブタン(300
mL)、液体プロピレン(200mL)を仕込み、エチレ
ンで合計圧力74ポンド/(インチ)(すなわち5.11×1
Pa)まで圧力をかけた。12℃で平衡させた後、D
EAC(10mL、70ミリモル)をシリンジ・ポンプで反
応容器に分配した後、同様に(別のシリンジ・ポンプか
ら)、触媒(10mL、1ミリモル)、クロロフェニル酢
酸エチルエステル(5mL、10ミリモル)およびDEZ
(9.6mL、10ミリモル)を添加した。エチレンは、合
計圧力74ポンド/(インチ)(すなわち5.11×10
Pa)を保持するために、所望により供給した。重合を
60分間まで行った。60分間反応後、モノマーを蒸発さ
せ、反応容器の温度を室温まで上げた。ポリマーをエタ
ノールで回復し、60℃のオーブンで真空乾燥させた。
【0046】スラリー条件下でのラボラトリー・バッチ
式重合 エチレン-プロピレン共重合(EP)およびエチレン-プ
ロピレン-ジエン3者共重合(EPDM)は、主にV(I
V)触媒(触媒1)を用いて行い、数種の比較実験は、
V(III)触媒(触媒2)を用いて行った。重合データを
以下の表にまとめる。実験データは、助触媒としてのM
MAOおよびTIBAの存在下において低い活性が観ら
れたことを明示している。同様の活性レベルがDEAC
を助触媒として使用したときにも認められた。しかし、
塩素化触媒活性剤の重合反応への添加は、触媒活性を実
質的に増加させた。すなわち、DCPEEの添加によ
り、40未満から4000超(g EP/ミリモル・
時)まで活性が増加した。
【0047】表:スラリー条件下でのEP(D)M重合
【表1】
【0048】上述の通り、本発明を種々の好ましい態様
および特別な実施例を参照して説明したが、本発明の精
神および範囲を逸脱することなく、好ましい態様および
特別な実施例の改良および変更が可能であることが当業
者には自明であろう。
【0049】従って、好ましい態様および特別な実施例
の改良および変更も本発明に包含されるものと考えられ
る。
【0050】本明細書に引用した文献、特許公報および
特許出願の内容を全て、これらを参照としてここに挿入
することが具体的かつ別個に必要であるのと同じ程度ま
で、参照としてここに挿入する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J028 AA01A AB00A AC38A BA01B BB01B BC16B BC19B CB45C EB02 EB03 EB04 EB05 EB06 EB07 EB08 EB09 EB16 EB17 EB18 EB21 EB26 EC02 EC03 EC05 FA02 FA06 FA07 GB01

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オレフィンモノマーを、(a)式Iのバナ
    ジウム触媒、 【化1】 (式中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル
    基、アリール基、複素環式基、酸素含有基、窒素含有
    基、ホウ素含有基、硫黄含有基、りん含有基、珪素含有
    基、ゲルマニウム含有基および錫含有基から成る群より
    選択され、R〜Rは、水素原子、ハロゲン原子、ア
    ルキル基、複素環式基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ
    素含有基、硫黄含有基、りん含有基、珪素含有基、ゲル
    マニウム含有基および錫含有基から成る群より独立して
    選択され、ここでR〜Rのうち2つ以上が環を形成
    するように結合されていてよく、およびXは、水素原
    子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アミノ
    基、ホウ素含有基、硫黄含有基、アルミニウム含有基、
    りん含有基、ハロゲン含有基、複素環式基、珪素含有
    基、ゲルマニウム含有基および錫含有基から成る群より
    選択され、ここで各Xは、同一または異なっていてよ
    く、かつ環を形成するように互いに結合されていてよ
    い。) (b)式IIの有機アルミニウム助触媒、および 【化2】 R(R)Al−X' II (式中、RおよびRは、独立して、アルキル基また
    はアルコキシ基であり、およびX'は、ハロゲンであ
    る。) (c)式IIIの触媒活性剤 【化3】 R(R10) (R11)C−CO12 III (式中、Rは、アルキル基、アルケニル基、アリール
    基、シクロアルキル基およびエステル基から成る群より
    選択され、R10は、ハロゲンであり、R11は、ハロ
    ゲン原子、水素原子、アルキル基およびアリール基から
    成る群より選択され、およびR12は、アルキル基、ア
    ルケニル基およびアリール基からなる群より選択され
    る。)を含有する触媒系の存在下で重合する工程を含
    む、オレフィンポリマーの製造方法。
  2. 【請求項2】 Rがアリール基である請求項1記載の
    方法。
  3. 【請求項3】 アリール基が置換されている請求項2記
    載の方法。
  4. 【請求項4】 アリール基が3,5-ジメチル-フェニル基
    である請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 Rが水素原子またはアルキル基である
    請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 Rが水素原子である請求項5記載の方
    法。
  7. 【請求項7】 RおよびRが独立して選択されるア
    ルキル基である請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 RおよびRがtert-ブチル基である
    請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 Xがハロゲン原子である請求項1記載の
    方法。
  10. 【請求項10】 Xが塩素である請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 RおよびRが独立して選択される
    アルキル基である請求項1記載の方法。
  12. 【請求項12】 X'が塩素である請求項1記載の方
    法。
  13. 【請求項13】 Rが、アルキル基およびアリール基
    から成る群より選択される請求項1記載の方法。
  14. 【請求項14】 Rがアリール基である請求項13記
    載の方法。
  15. 【請求項15】 Rがフェニル基である請求項14記
    載の方法。
  16. 【請求項16】 R10が塩素原子である請求項1記載
    の方法。
  17. 【請求項17】 バナジウム触媒が、[3,5-ジ-tert-ブ
    チル-2-ヒドロキシ-1-メチルイミノ-(3,5-ジメチルフェ
    ニル)-ベンゼン]VClである請求項1記載の方
    法。
  18. 【請求項18】 アルミニウム助触媒が、塩素化ジメチ
    ルアルミニウム、塩素化ジエチルアルミニウム、塩素化
    ジオクチルアルミニウムおよびエチルアルミニウムセス
    キクロライドから成る群より選択される請求項1記載の
    方法。
  19. 【請求項19】 触媒活性化剤が、エチル-α,α-ジク
    ロロ-フェニルアセテート、エチル-α-クロロ-ジフェニ
    ルアセテートおよびジエチル-2-クロロ-2-フェニルマロ
    ネートから成る群より選択される請求項1記載の方法。
  20. 【請求項20】 (a)式Iのバナジウム触媒、 【化4】 (式中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル
    基、アリール基、複素環式基、酸素含有基、窒素含有
    基、ホウ素含有基、硫黄含有基、りん含有基、珪素含有
    基、ゲルマニウム含有基および錫含有基から成る群より
    選択され、R〜Rは、水素原子、ハロゲン原子、ア
    ルキル基、複素環式基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ
    素含有基、硫黄含有基、りん含有基、珪素含有基、ゲル
    マニウム含有基および錫含有基から成る群より独立して
    選択され、ここでR〜Rのうち2つ以上が環を形成
    するように結合されていてよく、およびXは、水素原
    子、ハロゲン原子、アルキル基、酸素含有基、窒素含有
    基、ホウ素含有基、硫黄含有基、アルミニウム含有基、
    りん含有基、ハロゲン含有基、複素環式基、珪素含有
    基、ゲルマニウム含有基および錫含有基から成る群より
    選択され、ここで各Xは、同一または異なっていてよ
    く、かつ環を形成するように互いに結合されていてよ
    い。)(b)式IIの有機アルミニウム助触媒、および 【化5】 R(R)Al−X' II (式中、RおよびRは、独立して、アルキル基また
    はアルコキシ基であり、およびX'は、ハロゲンであ
    る。)(c)式IIIの触媒活性剤 【化6】 R(R10) (R11)C−CO12 III (式中、Rは、アルキル基、アルケニル基、アリール
    基、シクロアルキル基およびエステル基から成る群より
    選択され、R10は、ハロゲンであり、R11は、ハロ
    ゲン原子、水素原子、アルキル基およびアリール基から
    成る群より選択され、およびR12は、アルキル基、ア
    ルケニル基およびアリール基からなる群より選択され
    る。)を含有するオレフィンモノマー重合触媒系。
  21. 【請求項21】 Rがアリール基であり、Rが水素
    原子であり、RおよびRが独立して選択されるアル
    キル基であり、Xがハロゲン原子であり、R およびR
    が独立して選択されるアルキル基であり、X'が塩素
    原子であり、Rがアリール基であり、そしてR10
    塩素原子である請求項20記載の触媒系。
  22. 【請求項22】 Rが3,5-ジメチルフェニル基であ
    り、RおよびRがtert-ブチル基であり、Xが塩素
    原子であり、Rがフェニル基である請求項21記載の
    触媒系。
  23. 【請求項23】 バナジウム触媒が、[3,5-ジ-tert-ブ
    チル-2-ヒドロキシ-1-メチルイミノ-(3,5-ジメチルフェ
    ニル)-ベンゼン]VClであり、アルミニウム助触
    媒が、塩素化ジメチルアルミニウム、塩素化ジエチルア
    ルミニウム、塩素化ジオクチルアルミニウムおよびエチ
    ルアルミニウムセスキクロライドから成る群より選択さ
    れ、触媒活性化剤が、エチル-α,α-ジクロロ-フェニル
    アセテート、エチル-α-クロロ-ジフェニルアセテート
    およびジエチル-2-クロロ-2-フェニルマロネートから成
    る群より選択される請求項20記載の触媒系。
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