JP2002145910A - 重合方法および重合設備 - Google Patents
重合方法および重合設備Info
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Abstract
(57)【要約】
【解決手段】 本発明の重合方法は、溶媒および重合触
媒の存在下、気液共存状態で、1種以上のα−オレフィ
ンを重合器内で(共)重合する重合工程(1)と、重合
工程(1)で生成した(共)重合体、未反応のα−オレ
フィン、溶媒および重合触媒を含有する液体成分を重合
器から抜き出す排出工程(2)と、液体成分から、未反
応のα−オレフィンおよび溶媒を蒸発分離する分離工程
(3)と、分離した未反応のα−オレフィンおよび溶媒
を、重合器に導入する再供給工程(4)とを有し、排出
工程(2)の後、分離工程(3)の前に、液体成分に重
合禁止剤を添加する重合禁止剤添加工程(5)を有する
ことを特徴としている。 【効果】 本発明によれば、重合器外における意図しな
い重合反応による、低分子量重合物の生成を効果的に防
止することができ、高度に分子量を制御された高品質の
α−オレフィン(共)重合体製品を製造する場合にも、
低分子量重合物を含まない高品質の製品を得ることがで
きる、優れた重合方法および重合設備を提供することが
できる。
媒の存在下、気液共存状態で、1種以上のα−オレフィ
ンを重合器内で(共)重合する重合工程(1)と、重合
工程(1)で生成した(共)重合体、未反応のα−オレ
フィン、溶媒および重合触媒を含有する液体成分を重合
器から抜き出す排出工程(2)と、液体成分から、未反
応のα−オレフィンおよび溶媒を蒸発分離する分離工程
(3)と、分離した未反応のα−オレフィンおよび溶媒
を、重合器に導入する再供給工程(4)とを有し、排出
工程(2)の後、分離工程(3)の前に、液体成分に重
合禁止剤を添加する重合禁止剤添加工程(5)を有する
ことを特徴としている。 【効果】 本発明によれば、重合器外における意図しな
い重合反応による、低分子量重合物の生成を効果的に防
止することができ、高度に分子量を制御された高品質の
α−オレフィン(共)重合体製品を製造する場合にも、
低分子量重合物を含まない高品質の製品を得ることがで
きる、優れた重合方法および重合設備を提供することが
できる。
Description
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、オレフィン系重合体の重
合方法および重合設備に関する。詳しくは、気液共存状
態でα−オレフィンを重合して重合体あるいは共重合体
を製造するにあたり、分子量分布を高度に制御したオレ
フィン系重合体の重合方法および重合設備に関する。
合方法および重合設備に関する。詳しくは、気液共存状
態でα−オレフィンを重合して重合体あるいは共重合体
を製造するにあたり、分子量分布を高度に制御したオレ
フィン系重合体の重合方法および重合設備に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】槽型攪拌重合器などを用いた溶液
重合法によるα−オレフィン系(共)重合体の製造は、
重合体が完全に溶媒に溶解しているため均一重合とも呼
ばれ、高品質の重合体が得られるため広く用いられてい
る。α−オレフィン系(共)重合体を、溶液重合法によ
り製造する場合には、1種以上のα−オレフィンモノマ
ー、重合触媒および溶媒の共存下、重合器内において気
液共存状態でα−オレフィンを重合あるいは共重合す
る。
重合法によるα−オレフィン系(共)重合体の製造は、
重合体が完全に溶媒に溶解しているため均一重合とも呼
ばれ、高品質の重合体が得られるため広く用いられてい
る。α−オレフィン系(共)重合体を、溶液重合法によ
り製造する場合には、1種以上のα−オレフィンモノマ
ー、重合触媒および溶媒の共存下、重合器内において気
液共存状態でα−オレフィンを重合あるいは共重合す
る。
【0003】このようなα−オレフィンの(共)重合で
は、たとえば図2に示されるように、原料となるα−オ
レフィンおよび溶媒を配管(11)より重合器(1)内に
導入し、重合触媒を配管(12)より重合器(1)内に導
入することにより、重合器(1)内でα‐オレフィンを
(共)重合する。そして、生成したα−オレフィン系
(共)重合体、未反応のモノマー、溶媒および重合触媒
を含有する重合器中の液相を、重合器(1)と接続する
配管(15)より抜き出し、ポンプ(4)により配管(1
6)を経て熱交換器(8)で加熱し、低圧のホッパーなど
の分離器(5)に導入し、未反応のモノマーおよび溶媒
を配管(18)から蒸発分離することにより、α−オレフ
ィン系(共)重合体を配管(17)から得る。また、配管
(18)より気体成分として得た未反応のモノマーおよび
溶媒は、経済的に(共)重合体を製造するため、熱交換
器(7)、配管(20)を経て、新たに導入するα−オレ
フィンモノマーおよび溶媒と共に、重合器内に再導入し
て用いる。
は、たとえば図2に示されるように、原料となるα−オ
レフィンおよび溶媒を配管(11)より重合器(1)内に
導入し、重合触媒を配管(12)より重合器(1)内に導
入することにより、重合器(1)内でα‐オレフィンを
(共)重合する。そして、生成したα−オレフィン系
(共)重合体、未反応のモノマー、溶媒および重合触媒
を含有する重合器中の液相を、重合器(1)と接続する
配管(15)より抜き出し、ポンプ(4)により配管(1
6)を経て熱交換器(8)で加熱し、低圧のホッパーなど
の分離器(5)に導入し、未反応のモノマーおよび溶媒
を配管(18)から蒸発分離することにより、α−オレフ
ィン系(共)重合体を配管(17)から得る。また、配管
(18)より気体成分として得た未反応のモノマーおよび
溶媒は、経済的に(共)重合体を製造するため、熱交換
器(7)、配管(20)を経て、新たに導入するα−オレ
フィンモノマーおよび溶媒と共に、重合器内に再導入し
て用いる。
【0004】しかしながら、このような方法によりα−
オレフィンを製造する場合、重合器から取り出した液体
成分中に、未反応のモノマーおよび重合触媒が共存する
ため、重合器(1)と分離器(5)との間の配管(15)、
(16)あるいは熱交換器(8)内などで、意図しない重
合反応が起こり、低分子量の重合体などが生成して製品
中に混入することにより、製品品質が悪化するという問
題があった。そしてこのような問題は、遷移金属化合物
と、有機アルミニウム化合物と、ホウ素化合物とからな
る重合性能に優れた触媒を用いて、高度に分子量制御さ
れた(共)重合を行う場合に特に顕著であり、改善が求
められいた。
オレフィンを製造する場合、重合器から取り出した液体
成分中に、未反応のモノマーおよび重合触媒が共存する
ため、重合器(1)と分離器(5)との間の配管(15)、
(16)あるいは熱交換器(8)内などで、意図しない重
合反応が起こり、低分子量の重合体などが生成して製品
中に混入することにより、製品品質が悪化するという問
題があった。そしてこのような問題は、遷移金属化合物
と、有機アルミニウム化合物と、ホウ素化合物とからな
る重合性能に優れた触媒を用いて、高度に分子量制御さ
れた(共)重合を行う場合に特に顕著であり、改善が求
められいた。
【0005】このため、重合器外での意図しない重合反
応を、効果的に防止する方法の出現が強く望まれてい
た。
応を、効果的に防止する方法の出現が強く望まれてい
た。
【0006】
【発明の目的】本発明は、α−オレフィン系(共)重合
体を溶液重合法で製造するに際し、重合器外で重合反応
が生じるのを防止し、意図しない低分子量の重合体の生
成を抑制し、高品質のα−オレフィン系(共)重合体製
品を得ることを目的としている。
体を溶液重合法で製造するに際し、重合器外で重合反応
が生じるのを防止し、意図しない低分子量の重合体の生
成を抑制し、高品質のα−オレフィン系(共)重合体製
品を得ることを目的としている。
【0007】
【発明の概要】本発明の重合方法は、溶媒および重合触
媒の存在下、気液共存状態で、1種以上のα−オレフィ
ンを重合器内で(共)重合する重合工程(1)と、重合
工程(1)で生成した(共)重合体、未反応のα−オレ
フィン、溶媒および重合触媒を含有する液体成分を重合
器から抜き出す排出工程(2)と、液体成分から、未反
応のα−オレフィンおよび溶媒を蒸発分離する分離工程
(3)と、分離した未反応のα−オレフィンおよび溶媒
を、重合器に導入する再供給工程(4)とを有し、排出
工程(2)の後、分離工程(3)の前に、液体成分に重
合禁止剤を添加する重合禁止剤添加工程(5)を有する
ことを特徴としている。
媒の存在下、気液共存状態で、1種以上のα−オレフィ
ンを重合器内で(共)重合する重合工程(1)と、重合
工程(1)で生成した(共)重合体、未反応のα−オレ
フィン、溶媒および重合触媒を含有する液体成分を重合
器から抜き出す排出工程(2)と、液体成分から、未反
応のα−オレフィンおよび溶媒を蒸発分離する分離工程
(3)と、分離した未反応のα−オレフィンおよび溶媒
を、重合器に導入する再供給工程(4)とを有し、排出
工程(2)の後、分離工程(3)の前に、液体成分に重
合禁止剤を添加する重合禁止剤添加工程(5)を有する
ことを特徴としている。
【0008】このような本発明の重合方法では、前記重
合触媒が、遷移金属化合物、重合触媒用有機アルミニウ
ム化合物およびホウ素化合物を含んでなることも好まし
い。また、本発明の重合方法では、重合禁止剤添加工程
(5)において、重合禁止剤添加後の混合物中の、重合
禁止剤濃度と、重合触媒用有機アルミニウム化合物の濃
度との比; (重合禁止剤濃度)/(重合触媒用有機アルミニウム化
合物の濃度) が、0.5〜10の範囲であることも好ましい。
合触媒が、遷移金属化合物、重合触媒用有機アルミニウ
ム化合物およびホウ素化合物を含んでなることも好まし
い。また、本発明の重合方法では、重合禁止剤添加工程
(5)において、重合禁止剤添加後の混合物中の、重合
禁止剤濃度と、重合触媒用有機アルミニウム化合物の濃
度との比; (重合禁止剤濃度)/(重合触媒用有機アルミニウム化
合物の濃度) が、0.5〜10の範囲であることも好ましい。
【0009】さらに、本発明の重合方法では、前記重合
禁止剤がアルコールであることも好ましい。またさら
に、本発明の重合方法では、重合禁止剤添加工程(5)
の後に、重合禁止剤を含有する成分に重合禁止剤失活用
有機アルミニウム化合物を添加し、重合禁止剤の少なく
とも一部を失活させる重合禁止剤失活工程(6)を有す
ることも好ましく、重合禁止剤失活工程(6)における
重合禁止剤失活用有機アルミニウム化合物の添加量が、
重合禁止剤添加工程(5)における重合禁止剤の添加量
の、0.1〜10倍であることも好ましく、また、重合
禁止剤失活工程(6)の後、再供給工程(4)の前に、
重合禁止剤と重合禁止剤失活用有機アルミニウム化合物
との反応生成物および/または未反応有機アルミニウム
化合物を除去する除去工程(7)を有することも好まし
い。
禁止剤がアルコールであることも好ましい。またさら
に、本発明の重合方法では、重合禁止剤添加工程(5)
の後に、重合禁止剤を含有する成分に重合禁止剤失活用
有機アルミニウム化合物を添加し、重合禁止剤の少なく
とも一部を失活させる重合禁止剤失活工程(6)を有す
ることも好ましく、重合禁止剤失活工程(6)における
重合禁止剤失活用有機アルミニウム化合物の添加量が、
重合禁止剤添加工程(5)における重合禁止剤の添加量
の、0.1〜10倍であることも好ましく、また、重合
禁止剤失活工程(6)の後、再供給工程(4)の前に、
重合禁止剤と重合禁止剤失活用有機アルミニウム化合物
との反応生成物および/または未反応有機アルミニウム
化合物を除去する除去工程(7)を有することも好まし
い。
【0010】本発明の重合設備は、溶媒および重合触媒
の存在下、気液共存状態で、1種以上のα−オレフィン
の重合反応を行う重合器と、重合器から液体成分を抜き
出す排出手段と、重合器の液体排出口から抜き出した液
体成分より、未反応のα−オレフィンおよび溶媒を蒸発
分離する分離手段と、分離した未反応のα−オレフィン
および溶媒を、重合器に導入する再供給手段とを有し、
重合器と分離手段との間において、重合禁止剤を導入す
る重合禁止剤導入手段を有することを特徴としている。
の存在下、気液共存状態で、1種以上のα−オレフィン
の重合反応を行う重合器と、重合器から液体成分を抜き
出す排出手段と、重合器の液体排出口から抜き出した液
体成分より、未反応のα−オレフィンおよび溶媒を蒸発
分離する分離手段と、分離した未反応のα−オレフィン
および溶媒を、重合器に導入する再供給手段とを有し、
重合器と分離手段との間において、重合禁止剤を導入す
る重合禁止剤導入手段を有することを特徴としている。
【0011】このような本発明の重合設備では、重合禁
止剤導入手段と再供給手段との間において、重合禁止剤
失活用有機アルミニウム化合物を導入する有機アルミニ
ウム化合物導入手段を有することも好ましく、また、有
機アルミニウム化合物導入手段と再供給手段との間にお
いて、重合禁止剤と重合禁止剤失活用有機アルミニウム
化合物との反応生成物および/または未反応有機アルミ
ニウム化合物を除去する除去手段を有することも好まし
い。
止剤導入手段と再供給手段との間において、重合禁止剤
失活用有機アルミニウム化合物を導入する有機アルミニ
ウム化合物導入手段を有することも好ましく、また、有
機アルミニウム化合物導入手段と再供給手段との間にお
いて、重合禁止剤と重合禁止剤失活用有機アルミニウム
化合物との反応生成物および/または未反応有機アルミ
ニウム化合物を除去する除去手段を有することも好まし
い。
【0012】
【発明の具体的説明】以下、本発明について具体的に説
明する。 <重合方法>まずは、本発明の重合方法について説明す
る。本発明の重合方法は、重合工程(1)、排出工程
(2)、分離工程(3)、再供給工程(4)および禁止
剤添加工程(5)を有し、さらに必要に応じて重合禁止
剤失活工程(6)、除去工程(7)を有する。
明する。 <重合方法>まずは、本発明の重合方法について説明す
る。本発明の重合方法は、重合工程(1)、排出工程
(2)、分離工程(3)、再供給工程(4)および禁止
剤添加工程(5)を有し、さらに必要に応じて重合禁止
剤失活工程(6)、除去工程(7)を有する。
【0013】重合工程(1)は、溶媒および重合触媒の
存在下、気液共存状態で、1種以上のα−オレフィンを
重合器内で(共)重合する工程である。重合にモノマー
として用いることのできるα−オレフィンとしては、エ
チレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−
ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、
1−オクテン、1−デセンなどの炭素原子数2〜20の
α−オレフィンが挙げられる。重合工程(1)では、こ
れらのα−オレフィンの1種あるいは2種以上を、重合
あるいは共重合し、(共)重合体を生成させる。
存在下、気液共存状態で、1種以上のα−オレフィンを
重合器内で(共)重合する工程である。重合にモノマー
として用いることのできるα−オレフィンとしては、エ
チレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−
ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、
1−オクテン、1−デセンなどの炭素原子数2〜20の
α−オレフィンが挙げられる。重合工程(1)では、こ
れらのα−オレフィンの1種あるいは2種以上を、重合
あるいは共重合し、(共)重合体を生成させる。
【0014】重合工程(1)において、溶媒としては、
α−オレフィンを溶液重合する場合に用いる溶媒として
公知のものをいずれも用いることができ、具体的には、
たとえば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、灯油などの
脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサ
ン、などの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシ
レンなどの芳香族炭化水素などを用いることができる。
α−オレフィンを溶液重合する場合に用いる溶媒として
公知のものをいずれも用いることができ、具体的には、
たとえば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、灯油などの
脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサ
ン、などの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシ
レンなどの芳香族炭化水素などを用いることができる。
【0015】重合工程(1)で用いる重合触媒として
は、α−オレフィンを溶液重合するのに用いられる従来
公知の触媒を、いずれも用いることができ、特に限定さ
れるものではないが、重合活性に優れた重合触媒である
のが望ましく、遷移金属化合物、重合触媒用有機アルミ
ニウム化合物およびホウ素化合物を含んでなる重合触媒
を用いるのが特に好ましい。
は、α−オレフィンを溶液重合するのに用いられる従来
公知の触媒を、いずれも用いることができ、特に限定さ
れるものではないが、重合活性に優れた重合触媒である
のが望ましく、遷移金属化合物、重合触媒用有機アルミ
ニウム化合物およびホウ素化合物を含んでなる重合触媒
を用いるのが特に好ましい。
【0016】重合工程(1)では、上述した溶媒、重合
触媒およびモノマーである1種以上のα−オレフィン
を、重合器内の液相部に導入し、重合あるいは共重合を
行う。重合器内は、気液共存状態(気相部と液相部とを
有する状態)であって、生成したα−オレフィンの
(共)重合体は、液相に溶解した状態となる。重合器内
の液相部は攪拌状態にあるのが望ましい。
触媒およびモノマーである1種以上のα−オレフィン
を、重合器内の液相部に導入し、重合あるいは共重合を
行う。重合器内は、気液共存状態(気相部と液相部とを
有する状態)であって、生成したα−オレフィンの
(共)重合体は、液相に溶解した状態となる。重合器内
の液相部は攪拌状態にあるのが望ましい。
【0017】モノマーであるα−オレフィンは、気体状
であっても液体状であってもよいが、重合器内の液相に
導入するのが望ましく、α−オレフィンが気体状である
場合には、ガス吹き込みノズルなどを通じて、重合器内
の液相に導入するのが望ましい。排出工程(2)は、重
合工程(1)で生成した(共)重合体、未反応のα−オ
レフィン、溶媒および重合触媒を含有する液体成分を重
合器から抜き出す工程である。重合器からの液体成分の
排出は、重合器の液面付近から行ってもよく、重合器底
部から行ってもよい。排出工程(2)は、ポンプなどの
動力を用いて行うことも好ましい。
であっても液体状であってもよいが、重合器内の液相に
導入するのが望ましく、α−オレフィンが気体状である
場合には、ガス吹き込みノズルなどを通じて、重合器内
の液相に導入するのが望ましい。排出工程(2)は、重
合工程(1)で生成した(共)重合体、未反応のα−オ
レフィン、溶媒および重合触媒を含有する液体成分を重
合器から抜き出す工程である。重合器からの液体成分の
排出は、重合器の液面付近から行ってもよく、重合器底
部から行ってもよい。排出工程(2)は、ポンプなどの
動力を用いて行うことも好ましい。
【0018】分離工程(3)は、液体成分から、未反応
のα−オレフィンおよび溶媒を蒸発分離する工程であ
る。分離工程(3)で分離する液体成分は、排出工程
(2)で重合器から排出された液体成分と、後述する重
合禁止剤添加工程(5)で添加する重合禁止剤と、場合
により、後述する重合禁止剤失活工程(6)で添加する
重合禁止剤失活用有機アルミニウム化合物とからなる。
のα−オレフィンおよび溶媒を蒸発分離する工程であ
る。分離工程(3)で分離する液体成分は、排出工程
(2)で重合器から排出された液体成分と、後述する重
合禁止剤添加工程(5)で添加する重合禁止剤と、場合
により、後述する重合禁止剤失活工程(6)で添加する
重合禁止剤失活用有機アルミニウム化合物とからなる。
【0019】分離工程(3)では、通常、液体成分を熱
交換器などで加熱後、低圧のホッパーなどの分離手段に
導入し、フラッシュさせることにより、液体成分中の溶
媒および未反応のモノマーを気体状態で分離手段から排
出することによって、重合工程(1)で生成した(共)
重合体を含む液体成分中から分離する。再供給工程
(4)は、分離工程(3)で分離した溶媒および未反応
のモノマーを、重合器に再導入する工程である。分離工
程(3)で分離した溶媒および未反応のモノマーは、そ
のまま重合器に再導入してもよいが、必要に応じて熱交
換器などで冷却し、少なくとも一部が液化された状態で
重合器に再導入するのが望ましい。
交換器などで加熱後、低圧のホッパーなどの分離手段に
導入し、フラッシュさせることにより、液体成分中の溶
媒および未反応のモノマーを気体状態で分離手段から排
出することによって、重合工程(1)で生成した(共)
重合体を含む液体成分中から分離する。再供給工程
(4)は、分離工程(3)で分離した溶媒および未反応
のモノマーを、重合器に再導入する工程である。分離工
程(3)で分離した溶媒および未反応のモノマーは、そ
のまま重合器に再導入してもよいが、必要に応じて熱交
換器などで冷却し、少なくとも一部が液化された状態で
重合器に再導入するのが望ましい。
【0020】重合禁止剤添加工程(5)は、前記排出工
程(2)の後、前記分離工程(3)の前に、液体成分に
重合禁止剤を添加する工程である。重合禁止剤添加工程
(5)において、添加される重合禁止剤としては、重合
工程(1)で用いた重合触媒の少なくとも一部を失活さ
せるか、重合反応を抑制する作用のある成分をいずれも
用いることができ、たとえば、アルコール、水などを挙
げることができる。本発明で用いる重合禁止剤として
は、このうち、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソ
ブチルアルコールなどの脂肪族飽和アルコール、シクロ
ヘキサノール、シクロペンタノールなどの環式脂肪族飽
和アルコール等が好ましく用いられ、このうち、メタノ
ールまたはエタノールが特に好ましく用いられる。
程(2)の後、前記分離工程(3)の前に、液体成分に
重合禁止剤を添加する工程である。重合禁止剤添加工程
(5)において、添加される重合禁止剤としては、重合
工程(1)で用いた重合触媒の少なくとも一部を失活さ
せるか、重合反応を抑制する作用のある成分をいずれも
用いることができ、たとえば、アルコール、水などを挙
げることができる。本発明で用いる重合禁止剤として
は、このうち、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソ
ブチルアルコールなどの脂肪族飽和アルコール、シクロ
ヘキサノール、シクロペンタノールなどの環式脂肪族飽
和アルコール等が好ましく用いられ、このうち、メタノ
ールまたはエタノールが特に好ましく用いられる。
【0021】重合禁止剤としてメタノールまたはエタノ
ールを用いた場合には、上述した、遷移金属化合物、重
合触媒用有機アルミニウム化合物およびホウ素化合物を
含んでなる重合触媒を、特に効果的に失活させることが
できる。重合禁止剤添加工程(5)は、上述のように、
排出工程(2)の後、分離工程(3)の前に、液体成分
に重合禁止剤を添加することにより行うが、重合禁止剤
の添加は、排出工程(2)の後速やかに行うのが望まし
く、重合体の液体排出部と、分離手段の液体導入部との
間の配管上において、重合体の液体排出部近傍で行うの
が望ましい。
ールを用いた場合には、上述した、遷移金属化合物、重
合触媒用有機アルミニウム化合物およびホウ素化合物を
含んでなる重合触媒を、特に効果的に失活させることが
できる。重合禁止剤添加工程(5)は、上述のように、
排出工程(2)の後、分離工程(3)の前に、液体成分
に重合禁止剤を添加することにより行うが、重合禁止剤
の添加は、排出工程(2)の後速やかに行うのが望まし
く、重合体の液体排出部と、分離手段の液体導入部との
間の配管上において、重合体の液体排出部近傍で行うの
が望ましい。
【0022】このような重合禁止剤添加工程(5)にお
いて、重合禁止剤の添加量は、重合禁止剤添加後の混合
物中の、重合禁止剤濃度と、重合触媒用有機アルミニウ
ム化合物の濃度との比(モル濃度比); (重合禁止剤濃度)/(重合触媒用有機アルミニウム化
合物の濃度) が、0.5〜10、好ましくは0.5〜5、より好まし
くは0.75〜3であるのが望ましい。重合禁止剤添加
後の混合物中の濃度比が、このような範囲である場合に
は、充分な後重合抑制効果が得られるため望ましい。
いて、重合禁止剤の添加量は、重合禁止剤添加後の混合
物中の、重合禁止剤濃度と、重合触媒用有機アルミニウ
ム化合物の濃度との比(モル濃度比); (重合禁止剤濃度)/(重合触媒用有機アルミニウム化
合物の濃度) が、0.5〜10、好ましくは0.5〜5、より好まし
くは0.75〜3であるのが望ましい。重合禁止剤添加
後の混合物中の濃度比が、このような範囲である場合に
は、充分な後重合抑制効果が得られるため望ましい。
【0023】本発明の重合方法では、重合禁止剤添加工
程(5)の後に、重合禁止剤を含有する成分に重合禁止
剤失活用有機アルミニウム化合物を添加し、重合禁止剤
の少なくとも一部を失活させる重合禁止剤失活工程
(6)を有するのが好ましい。重合方法が、重合禁止剤
失活工程を有する場合には、重合器内での重合反応が重
合禁止剤の影響により阻害されるのを防止することがで
きるため好ましい。
程(5)の後に、重合禁止剤を含有する成分に重合禁止
剤失活用有機アルミニウム化合物を添加し、重合禁止剤
の少なくとも一部を失活させる重合禁止剤失活工程
(6)を有するのが好ましい。重合方法が、重合禁止剤
失活工程を有する場合には、重合器内での重合反応が重
合禁止剤の影響により阻害されるのを防止することがで
きるため好ましい。
【0024】重合禁止剤失活工程(6)で用いる重合禁
止剤失活用有機アルミニウム化合物としては、上述した
重合触媒用有機アルミニウム化合物として用いられる有
機アルミニウム化合物をいずれも好ましく用いることが
でき、このうちトリイソブチルアルミニウムを特に好ま
しく用いることができる。重合触媒用有機アルミニウム
化合物と、重合禁止剤失活用有機アルミニウム化合物と
は、同じであっても異なっていてもよい。重合禁止剤失
活工程(6)において、重合禁止剤失活用有機アルミニ
ウム化合物は、粉末状、溶液状、懸濁状、スラリー状な
ど、どのような形態で添加してもよいが、溶液状、懸濁
状あるいはスラリー状であるのが望ましい。
止剤失活用有機アルミニウム化合物としては、上述した
重合触媒用有機アルミニウム化合物として用いられる有
機アルミニウム化合物をいずれも好ましく用いることが
でき、このうちトリイソブチルアルミニウムを特に好ま
しく用いることができる。重合触媒用有機アルミニウム
化合物と、重合禁止剤失活用有機アルミニウム化合物と
は、同じであっても異なっていてもよい。重合禁止剤失
活工程(6)において、重合禁止剤失活用有機アルミニ
ウム化合物は、粉末状、溶液状、懸濁状、スラリー状な
ど、どのような形態で添加してもよいが、溶液状、懸濁
状あるいはスラリー状であるのが望ましい。
【0025】たとえば、重合禁止剤としてエタノールが
添加された液体成分中に、重合禁止剤失活工程(6)
で、重合禁止剤失活用有機アルミニウム化合物として、
トリイソブチルアルミニウムを添加すると、エタノール
とトリイソブチルアルミニウムとが反応してアルミニウ
ムエトキシドを生成し、エタノールの重合禁止剤として
の影響が重合器中の重合反応に及ぶのを防止することが
できる。
添加された液体成分中に、重合禁止剤失活工程(6)
で、重合禁止剤失活用有機アルミニウム化合物として、
トリイソブチルアルミニウムを添加すると、エタノール
とトリイソブチルアルミニウムとが反応してアルミニウ
ムエトキシドを生成し、エタノールの重合禁止剤として
の影響が重合器中の重合反応に及ぶのを防止することが
できる。
【0026】重合禁止剤失活工程(6)における重合禁
止剤失活用有機アルミニウム化合物の添加量は、重合器
から抜き出した液体成分中の触媒量などにもより特に限
定されるものではないが、重合禁止剤添加工程(5)に
おける重合禁止剤の添加量の0.1〜10倍、好ましく
は0.5〜5倍、より好ましくは0.5〜2倍程度であ
るのが望ましい。
止剤失活用有機アルミニウム化合物の添加量は、重合器
から抜き出した液体成分中の触媒量などにもより特に限
定されるものではないが、重合禁止剤添加工程(5)に
おける重合禁止剤の添加量の0.1〜10倍、好ましく
は0.5〜5倍、より好ましくは0.5〜2倍程度であ
るのが望ましい。
【0027】重合禁止剤失活工程(6)における重合禁
止剤失活用有機アルミニウム化合物の添加は、重合禁止
剤添加工程(5)の後であればよく、分離工程(3)の
前に添加してもよく、また、分離工程(3)により分離
された未反応のα−オレフィンおよび溶媒を含有する成
分中に添加してもよい。重合禁止剤失活用有機アルミニ
ウム化合物を、分離工程(3)の前に添加する場合に
は、分離工程(3)に近い段階で行うのが望ましく、重
合体の液体排出部と、分離手段の液体導入部との間の配
管上において、分離手段の液体導入部近傍で行うのが望
ましい。
止剤失活用有機アルミニウム化合物の添加は、重合禁止
剤添加工程(5)の後であればよく、分離工程(3)の
前に添加してもよく、また、分離工程(3)により分離
された未反応のα−オレフィンおよび溶媒を含有する成
分中に添加してもよい。重合禁止剤失活用有機アルミニ
ウム化合物を、分離工程(3)の前に添加する場合に
は、分離工程(3)に近い段階で行うのが望ましく、重
合体の液体排出部と、分離手段の液体導入部との間の配
管上において、分離手段の液体導入部近傍で行うのが望
ましい。
【0028】重合方法が、このような重合禁止剤失活工
程(6)を有する場合には、重合禁止剤失活工程(6)
の後、再供給工程(4)の前に、重合禁止剤と重合禁止
剤失活用有機アルミニウム化合物との反応生成物および
/または未反応有機アルミニウム化合物を除去する除去
工程(7)を有することも好ましい。重合禁止剤失活工
程(6)での重合禁止剤失活用有機アルミニウム化合物
の添加が、分離工程(3)の前である場合、重合禁止剤
と重合禁止剤失活用有機アルミニウム化合物との反応生
成物、および/または、未反応有機アルミニウム化合物
は、未反応のα−オレフィンおよび溶媒とともに蒸発気
化し、気体状態あるいは気体に同伴された状態で分離手
段から排出される場合がある。このため、重合禁止剤失
活工程(6)における重合禁止剤失活用有機アルミニウ
ム化合物の添加量が多い場合などには、再供給工程
(4)において、重合禁止剤と重合禁止剤失活用有機ア
ルミニウム化合物との反応生成物および/または未反応
有機アルミニウム化合物が、重合器内へ導入され、重合
触媒の組成を乱し、安定した重合反応に支障をきたすこ
とがある。このような問題が生じるのを防止するため、
分離工程(3)で蒸発分離した成分中から、重合禁止剤
と重合禁止剤失活用有機アルミニウム化合物との反応生
成物および/または未反応有機アルミニウム化合物を除
去する除去工程(7)を行うことが好ましい。
程(6)を有する場合には、重合禁止剤失活工程(6)
の後、再供給工程(4)の前に、重合禁止剤と重合禁止
剤失活用有機アルミニウム化合物との反応生成物および
/または未反応有機アルミニウム化合物を除去する除去
工程(7)を有することも好ましい。重合禁止剤失活工
程(6)での重合禁止剤失活用有機アルミニウム化合物
の添加が、分離工程(3)の前である場合、重合禁止剤
と重合禁止剤失活用有機アルミニウム化合物との反応生
成物、および/または、未反応有機アルミニウム化合物
は、未反応のα−オレフィンおよび溶媒とともに蒸発気
化し、気体状態あるいは気体に同伴された状態で分離手
段から排出される場合がある。このため、重合禁止剤失
活工程(6)における重合禁止剤失活用有機アルミニウ
ム化合物の添加量が多い場合などには、再供給工程
(4)において、重合禁止剤と重合禁止剤失活用有機ア
ルミニウム化合物との反応生成物および/または未反応
有機アルミニウム化合物が、重合器内へ導入され、重合
触媒の組成を乱し、安定した重合反応に支障をきたすこ
とがある。このような問題が生じるのを防止するため、
分離工程(3)で蒸発分離した成分中から、重合禁止剤
と重合禁止剤失活用有機アルミニウム化合物との反応生
成物および/または未反応有機アルミニウム化合物を除
去する除去工程(7)を行うことが好ましい。
【0029】除去工程(7)は、重合禁止剤と重合禁止
剤失活用有機アルミニウム化合物との反応生成物および
/または未反応有機アルミニウム化合物を除去するもの
であればよく、特に方法を限定するものではないが、除
去工程(7)を行う方法としては、たとえば、分離工程
(3)で蒸発分離した未反応のα−オレフィンおよび溶
媒を含む成分を、多段トレイを有するタワーなどを用い
て分留する方法が挙げられる。
剤失活用有機アルミニウム化合物との反応生成物および
/または未反応有機アルミニウム化合物を除去するもの
であればよく、特に方法を限定するものではないが、除
去工程(7)を行う方法としては、たとえば、分離工程
(3)で蒸発分離した未反応のα−オレフィンおよび溶
媒を含む成分を、多段トレイを有するタワーなどを用い
て分留する方法が挙げられる。
【0030】このような本発明の重合方法によれば、排
出工程(2)の後、分離工程(3)の前に、液体成分に
重合禁止剤を添加することにより、重合器から排出され
た後の液体成分中で、未反応のα−オレフィンモノマー
が(共)重合する後重合を抑制することができる。これ
により、後重合で生じた低分子量の(共)重合体が、製
品中に混入し、α−オレフィン(共)重合体製品の品質
を悪化させるのを効果的に防止することができ、高度に
分子量を制御された高品質のα−オレフィン(共)重合
体製品を製造することができる。また、後重合で生じた
(共)重合体が配管内あるいは分離手段内に付着するこ
とも防止でき、装置の洗浄、メンテナンスなどを軽減で
き、安定に長時間連続して(共)重合体を製造すること
ができる。
出工程(2)の後、分離工程(3)の前に、液体成分に
重合禁止剤を添加することにより、重合器から排出され
た後の液体成分中で、未反応のα−オレフィンモノマー
が(共)重合する後重合を抑制することができる。これ
により、後重合で生じた低分子量の(共)重合体が、製
品中に混入し、α−オレフィン(共)重合体製品の品質
を悪化させるのを効果的に防止することができ、高度に
分子量を制御された高品質のα−オレフィン(共)重合
体製品を製造することができる。また、後重合で生じた
(共)重合体が配管内あるいは分離手段内に付着するこ
とも防止でき、装置の洗浄、メンテナンスなどを軽減で
き、安定に長時間連続して(共)重合体を製造すること
ができる。
【0031】<重合設備>本発明の重合設備は、重合
器、排出手段、分離手段、再供給手段および重合禁止剤
導入手段を有し、さらに必要に応じて、有機アルミニウ
ム化合物導入手段、除去手段を有する。以下、本発明の
重合設備について、本発明の一態様である図1を参照し
て説明する。
器、排出手段、分離手段、再供給手段および重合禁止剤
導入手段を有し、さらに必要に応じて、有機アルミニウ
ム化合物導入手段、除去手段を有する。以下、本発明の
重合設備について、本発明の一態様である図1を参照し
て説明する。
【0032】本発明の重合設備は、図1に示すように、
溶媒および重合触媒の存在下、気液共存状態で、1種以
上のα−オレフィンの重合反応を行う重合器(1)と、
重合器(1)から液体成分を抜き出す排出手段である配
管(15)と、重合器の液体排出口から抜き出した液体成
分より、未反応のα−オレフィンおよび溶媒を蒸発分離
する分離手段である、熱交換器(8)およびホッパー
(5)と、分離した未反応のα−オレフィンおよび溶媒
を、重合器に導入する再供給手段である配管(18)、
(19)および(20)とを有し、重合器(1)と分離手段
である熱交換器(8)との間において、重合禁止剤を導
入する重合禁止剤導入手段である配管(21)を有してい
る。
溶媒および重合触媒の存在下、気液共存状態で、1種以
上のα−オレフィンの重合反応を行う重合器(1)と、
重合器(1)から液体成分を抜き出す排出手段である配
管(15)と、重合器の液体排出口から抜き出した液体成
分より、未反応のα−オレフィンおよび溶媒を蒸発分離
する分離手段である、熱交換器(8)およびホッパー
(5)と、分離した未反応のα−オレフィンおよび溶媒
を、重合器に導入する再供給手段である配管(18)、
(19)および(20)とを有し、重合器(1)と分離手段
である熱交換器(8)との間において、重合禁止剤を導
入する重合禁止剤導入手段である配管(21)を有してい
る。
【0033】重合器(1)は、1種以上のα−オレフィ
ンモノマー、溶媒および触媒を導入し、気液共存状態で
重合を行う重合器であればよく、特に限定されるもので
はないが、攪拌翼(3)などの攪拌手段を有している
と、液相での重合が均質に行われ、高品質の(共)重合
体を容易に得ることができるため好ましい。本発明で
は、原料であるα−オレフィンモノマーは、重合器
(1)に液体で導入しても気体で導入してもよく、液体
で導入する場合には溶媒とともに配管(11)から、気体
で導入する場合には配管(13)からガス吹き込みノズル
(2)を通じて、重合器(1)内の液相に好適に導入する
ことができる。重合触媒は、重合器(1)内に、配管(1
2)より導入してもよく、また、溶媒などとともに配管
(11)より導入してもよい。重合器(1)内では、この
ように各原料を導入して、α−オレフィンの(共)重合
反応を行うことができる。
ンモノマー、溶媒および触媒を導入し、気液共存状態で
重合を行う重合器であればよく、特に限定されるもので
はないが、攪拌翼(3)などの攪拌手段を有している
と、液相での重合が均質に行われ、高品質の(共)重合
体を容易に得ることができるため好ましい。本発明で
は、原料であるα−オレフィンモノマーは、重合器
(1)に液体で導入しても気体で導入してもよく、液体
で導入する場合には溶媒とともに配管(11)から、気体
で導入する場合には配管(13)からガス吹き込みノズル
(2)を通じて、重合器(1)内の液相に好適に導入する
ことができる。重合触媒は、重合器(1)内に、配管(1
2)より導入してもよく、また、溶媒などとともに配管
(11)より導入してもよい。重合器(1)内では、この
ように各原料を導入して、α−オレフィンの(共)重合
反応を行うことができる。
【0034】重合器(1)内の気相は、未反応の気体状
α−オレフィン、反応熱により気化した溶媒および未反
応の液状α−オレフィンによる混合気体であり、冷却を
目的として、配管(14)を通じて重合器外(1)の外部
に排出することができる。この場合、排出後の混合気体
は、外部で冷却された後、気相および/または液相とし
て。重合器に循環導入することが好ましい。
α−オレフィン、反応熱により気化した溶媒および未反
応の液状α−オレフィンによる混合気体であり、冷却を
目的として、配管(14)を通じて重合器外(1)の外部
に排出することができる。この場合、排出後の混合気体
は、外部で冷却された後、気相および/または液相とし
て。重合器に循環導入することが好ましい。
【0035】重合器(1)内の液相は、重合器内で生成
した(共)重合体、未反応のα−オレフィン、溶媒およ
び重合触媒を含有する液体成分である。重合器(1)
は、液体排出口を液相部位に有しており、液相の液体成
分は該液体排出口から排出される。液体排出口は、製造
する(共)重合体の種類などにもよるが、重合器の液相
部位であれば、液面付近に設けられていてもよく、重合
器底部に設けられていてもよい。
した(共)重合体、未反応のα−オレフィン、溶媒およ
び重合触媒を含有する液体成分である。重合器(1)
は、液体排出口を液相部位に有しており、液相の液体成
分は該液体排出口から排出される。液体排出口は、製造
する(共)重合体の種類などにもよるが、重合器の液相
部位であれば、液面付近に設けられていてもよく、重合
器底部に設けられていてもよい。
【0036】排出手段である配管(15)は、重合器
(1)から、重合器(1)内の液相を構成する液体成分を
抜き出す手段であり、重合器(1)の液体排出口に接続
している。排出手段は、液体成分を抜き出す動力となる
ポンプ(4)などを有していてもよい。分離手段は、重
合器の液体排出口から抜き出した液体成分より、未反応
のα−オレフィンおよび溶媒を蒸発分離する手段であ
り、具体的には、液体成分を加熱する熱交換器(8)お
よび低圧でフラッシュするホッパー(5)などが用いら
れる。分離手段である熱交換器(8)には、重合器の液
体排出口から抜き出した液体成分と、重合禁止剤と、場
合により重合禁止剤失活用有機アルミニウム化合物とか
らなる液状物が、配管(16)より導入される。熱交換器
(8)で加熱された液体成分は、低圧のホッパー(5)に
導入してフラッシュさせることにより、(共)重合体を
含有する液体成分を配管(17)から排出し、未反応のα
−オレフィンおよび溶媒を含有する気体成分を配管(1
8)から排出する。
(1)から、重合器(1)内の液相を構成する液体成分を
抜き出す手段であり、重合器(1)の液体排出口に接続
している。排出手段は、液体成分を抜き出す動力となる
ポンプ(4)などを有していてもよい。分離手段は、重
合器の液体排出口から抜き出した液体成分より、未反応
のα−オレフィンおよび溶媒を蒸発分離する手段であ
り、具体的には、液体成分を加熱する熱交換器(8)お
よび低圧でフラッシュするホッパー(5)などが用いら
れる。分離手段である熱交換器(8)には、重合器の液
体排出口から抜き出した液体成分と、重合禁止剤と、場
合により重合禁止剤失活用有機アルミニウム化合物とか
らなる液状物が、配管(16)より導入される。熱交換器
(8)で加熱された液体成分は、低圧のホッパー(5)に
導入してフラッシュさせることにより、(共)重合体を
含有する液体成分を配管(17)から排出し、未反応のα
−オレフィンおよび溶媒を含有する気体成分を配管(1
8)から排出する。
【0037】再供給手段である配管(18)、(19)、
(20)は、分離手段で分離した未反応のα−オレフィン
および溶媒を、重合器に導入する手段である。再供給手
段は、熱交換器(7)あるいは冷却器などの冷却手段を
有していると、冷却により再供給する成分の少なくとも
一部を液化することができるため好ましい。本発明の重
合設備は、重合器(1)と分離手段である熱交換器(8)
との間において、重合禁止剤を導入する重合禁止剤導入
手段である、配管(21)を有する。重合禁止剤導入手段
は、重合器(1)と分離手段である熱交換器(8)との間
に設けられていればよいが、排出手段がポンプ(4)を
有する場合には、ポンプ(4)の上流(重合器側)に設
けられているのが好ましく、重合器(1)の液体排出口
に近接して設けられていることも好ましい。重合禁止剤
導入手段がポンプの上流に設けられている場合には、導
入された重合禁止剤を含有した液体成分が、ポンプによ
り攪拌され、重合禁止剤の効果が充分に発現されるため
好ましい。また、重合禁止剤導入手段が重合器(1)の
液体排出口に近接して設けられている場合には、液体成
分が重合器から排出されてすぐに、重合禁止剤が液体成
分に添加されるため、早い段階で後重合が防止され、後
重合による低分子量物の生成を効果的に抑制することが
できるため好ましい。
(20)は、分離手段で分離した未反応のα−オレフィン
および溶媒を、重合器に導入する手段である。再供給手
段は、熱交換器(7)あるいは冷却器などの冷却手段を
有していると、冷却により再供給する成分の少なくとも
一部を液化することができるため好ましい。本発明の重
合設備は、重合器(1)と分離手段である熱交換器(8)
との間において、重合禁止剤を導入する重合禁止剤導入
手段である、配管(21)を有する。重合禁止剤導入手段
は、重合器(1)と分離手段である熱交換器(8)との間
に設けられていればよいが、排出手段がポンプ(4)を
有する場合には、ポンプ(4)の上流(重合器側)に設
けられているのが好ましく、重合器(1)の液体排出口
に近接して設けられていることも好ましい。重合禁止剤
導入手段がポンプの上流に設けられている場合には、導
入された重合禁止剤を含有した液体成分が、ポンプによ
り攪拌され、重合禁止剤の効果が充分に発現されるため
好ましい。また、重合禁止剤導入手段が重合器(1)の
液体排出口に近接して設けられている場合には、液体成
分が重合器から排出されてすぐに、重合禁止剤が液体成
分に添加されるため、早い段階で後重合が防止され、後
重合による低分子量物の生成を効果的に抑制することが
できるため好ましい。
【0038】本発明の重合設備では、分離手段である分
離器(5)で分離した、未反応のα−オレフィンと溶媒
とを、重合器に導入する前に、冷却して少なくとも一部
を液化する冷却手段を有していることも好ましい。冷却
手段としては、冷却器、熱交換器(7)などが挙げられ
る。冷却手段は、分離器手段と再供給手段との間に設け
られるのが望ましい。
離器(5)で分離した、未反応のα−オレフィンと溶媒
とを、重合器に導入する前に、冷却して少なくとも一部
を液化する冷却手段を有していることも好ましい。冷却
手段としては、冷却器、熱交換器(7)などが挙げられ
る。冷却手段は、分離器手段と再供給手段との間に設け
られるのが望ましい。
【0039】また、本発明の重合設備では、重合禁止剤
導入手段と再供給手段との間において、重合禁止剤失活
用有機アルミニウム化合物を導入する有機アルミニウム
化合物導入手段を有していてもよい。有機アルミニウム
化合物導入手段は、重合禁止剤導入手段と再供給手段と
の間に設けられていればよいものであって、重合禁止剤
導入手段と分離手段との間に設けられていてもよく、分
離手段と再供給手段の間に設けられていてもよい。有機
アルミニウム化合物導入手段が、重合禁止剤導入手段と
分離手段との間に設けられている場合には、配管上の、
分離手段の液体導入部に近接した位置に設けられるのが
より好ましい。本発明の好ましい一態様である図1の重
合設備では、有機アルミニウム化合物導入手段である配
管(22)が、分離手段である熱交換器(8)に液体を供
給する配管(16)上の、熱交換器(8)付近の位置に設
けられている。
導入手段と再供給手段との間において、重合禁止剤失活
用有機アルミニウム化合物を導入する有機アルミニウム
化合物導入手段を有していてもよい。有機アルミニウム
化合物導入手段は、重合禁止剤導入手段と再供給手段と
の間に設けられていればよいものであって、重合禁止剤
導入手段と分離手段との間に設けられていてもよく、分
離手段と再供給手段の間に設けられていてもよい。有機
アルミニウム化合物導入手段が、重合禁止剤導入手段と
分離手段との間に設けられている場合には、配管上の、
分離手段の液体導入部に近接した位置に設けられるのが
より好ましい。本発明の好ましい一態様である図1の重
合設備では、有機アルミニウム化合物導入手段である配
管(22)が、分離手段である熱交換器(8)に液体を供
給する配管(16)上の、熱交換器(8)付近の位置に設
けられている。
【0040】本発明の重合設備が、有機アルミニウム化
合物導入手段を有する場合には、重合禁止剤導入手段よ
り導入された重合禁止剤を、重合禁止剤失活用有機アル
ミニウム化合物により失活させることができ、重合禁止
剤が重合器(1)に再導入されて重合器内の重合反応を
阻害する影響を防止することができるため好ましい。本
発明の重合設備は、有機アルミニウム化合物導入手段を
有している場合には、有機アルミニウム化合物導入手段
と再供給手段との間において、重合禁止剤と重合禁止剤
失活用有機アルミニウム化合物との反応生成物および/
または未反応有機アルミニウム化合物を除去する除去手
段を有していてもよい。除去手段は、好ましくは、分離
手段と再供給手段との間に設けるのが望ましい。除去手
段は、混合物から重合禁止剤と重合禁止剤失活用有機ア
ルミニウム化合物との反応生成物および/または未反応
有機アルミニウム化合物を除去するものであればどのよ
うな手段であってもよいが、分留により有機アルミニウ
ム化合物との反応生成物を除去する分留器(6)である
のが好ましく、多段トレーを有する分留器であるのがよ
り好ましい。
合物導入手段を有する場合には、重合禁止剤導入手段よ
り導入された重合禁止剤を、重合禁止剤失活用有機アル
ミニウム化合物により失活させることができ、重合禁止
剤が重合器(1)に再導入されて重合器内の重合反応を
阻害する影響を防止することができるため好ましい。本
発明の重合設備は、有機アルミニウム化合物導入手段を
有している場合には、有機アルミニウム化合物導入手段
と再供給手段との間において、重合禁止剤と重合禁止剤
失活用有機アルミニウム化合物との反応生成物および/
または未反応有機アルミニウム化合物を除去する除去手
段を有していてもよい。除去手段は、好ましくは、分離
手段と再供給手段との間に設けるのが望ましい。除去手
段は、混合物から重合禁止剤と重合禁止剤失活用有機ア
ルミニウム化合物との反応生成物および/または未反応
有機アルミニウム化合物を除去するものであればどのよ
うな手段であってもよいが、分留により有機アルミニウ
ム化合物との反応生成物を除去する分留器(6)である
のが好ましく、多段トレーを有する分留器であるのがよ
り好ましい。
【0041】除去手段である分留器(6)が、分離手段
であるホッパー(5)と再供給手段である配管(20)と
の間に設けられた場合には、ホッパー(5)で気体成分
として分離された、未反応のα−オレフィンと、溶媒
と、重合禁止剤と重合禁止剤失活用有機アルミニウム化
合物との反応生成物および/または未反応有機アルミニ
ウム化合物との混合物を、除去手段である分留器(6)
に導入し、未反応のα−オレフィンと溶媒とを主成分と
する留分と、溶媒成分と重合禁止剤と重合禁止剤失活用
有機アルミニウム化合物との反応生成物および/または
未反応有機アルミニウム化合物を主成分とする留分とに
分留することにより、重合禁止剤と重合禁止剤失活用有
機アルミニウム化合物との反応生成物および/または未
反応有機アルミニウム化合物を好適に除去することがで
きる。
であるホッパー(5)と再供給手段である配管(20)と
の間に設けられた場合には、ホッパー(5)で気体成分
として分離された、未反応のα−オレフィンと、溶媒
と、重合禁止剤と重合禁止剤失活用有機アルミニウム化
合物との反応生成物および/または未反応有機アルミニ
ウム化合物との混合物を、除去手段である分留器(6)
に導入し、未反応のα−オレフィンと溶媒とを主成分と
する留分と、溶媒成分と重合禁止剤と重合禁止剤失活用
有機アルミニウム化合物との反応生成物および/または
未反応有機アルミニウム化合物を主成分とする留分とに
分留することにより、重合禁止剤と重合禁止剤失活用有
機アルミニウム化合物との反応生成物および/または未
反応有機アルミニウム化合物を好適に除去することがで
きる。
【0042】本発明の重合設備が、除去手段を有してい
る場合には、有機アルミニウム化合物導入手段より導入
された重合禁止剤失活用有機アルミニウム化合物と重合
禁止剤との反応生成物、および/または、未反応有機ア
ルミニウム化合物を除去することができるため、重合器
内の触媒組成バランスの乱れを防止することができ、
(共)重合体を安定して製造することができる。
る場合には、有機アルミニウム化合物導入手段より導入
された重合禁止剤失活用有機アルミニウム化合物と重合
禁止剤との反応生成物、および/または、未反応有機ア
ルミニウム化合物を除去することができるため、重合器
内の触媒組成バランスの乱れを防止することができ、
(共)重合体を安定して製造することができる。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、重合器外における意図
しない重合反応による、低分子量重合物の生成を効果的
に防止することができ、高度に分子量を制御された高品
質のα−オレフィン(共)重合体製品を製造する場合に
も、低分子量重合物を含まない高品質の製品を得ること
ができる、優れた重合方法および重合設備を提供するこ
とができる。また、本発明によれば、配管内における重
合体の付着を効果的に防止することができ、装置の洗
浄、メンテナンスなどの手間を軽減し、配管の閉塞など
の問題を生じることなく長期間安定にα−オレフィン系
(共)重合体を製造することができる。
しない重合反応による、低分子量重合物の生成を効果的
に防止することができ、高度に分子量を制御された高品
質のα−オレフィン(共)重合体製品を製造する場合に
も、低分子量重合物を含まない高品質の製品を得ること
ができる、優れた重合方法および重合設備を提供するこ
とができる。また、本発明によれば、配管内における重
合体の付着を効果的に防止することができ、装置の洗
浄、メンテナンスなどの手間を軽減し、配管の閉塞など
の問題を生じることなく長期間安定にα−オレフィン系
(共)重合体を製造することができる。
【0044】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【0045】
【実施例1】図1の重合設備を用いて、エチレンとオク
テンの共重合を行った。攪拌機(3)を有する重合器
(1)中に、原料モノマーとして、配管(13)よりエチ
レンを27kg/hで、配管(11)よりオクテンを14
kg/h(循環量を除く)で、それぞれ連続的に導入し
た。また、配管(11)からは、ヘキサン溶媒と、配管
(20)から循環されたエチレン、オクテンおよびヘキサ
ン溶媒とを、原料モノマーとして導入するオクテンとと
もに重合器(1)に導入した。さらに、配管(12)よ
り、メタロセン系遷移金属化合物、ホウ素系化合物およ
びトリイソブチルアルミニウムからなる触媒を重合器
(1)に導入した。
テンの共重合を行った。攪拌機(3)を有する重合器
(1)中に、原料モノマーとして、配管(13)よりエチ
レンを27kg/hで、配管(11)よりオクテンを14
kg/h(循環量を除く)で、それぞれ連続的に導入し
た。また、配管(11)からは、ヘキサン溶媒と、配管
(20)から循環されたエチレン、オクテンおよびヘキサ
ン溶媒とを、原料モノマーとして導入するオクテンとと
もに重合器(1)に導入した。さらに、配管(12)よ
り、メタロセン系遷移金属化合物、ホウ素系化合物およ
びトリイソブチルアルミニウムからなる触媒を重合器
(1)に導入した。
【0046】重合器(1)内の液相が常に一定量になる
ように、重合器(1)内で生成した共重合物と、未反応
の原料モノマーと、ヘキサン溶媒および重合触媒を含む
液体成分を、配管(15)から抜き出し、ポンプ(4)を
通じて、分離手段である熱交換器(8)に導入した。こ
のとき、配管(15)には、配管(21)を通じて重合禁止
剤であるエタノールを、重合器(1)から抜き出した配
管(15)内の液体成分中のトリイソブチルアルミニウム
に対して1.5mol倍の量で連続的に導入した。ま
た、配管(16)には、配管(22)を通じて、重合禁止剤
失活剤であるトリイソブチルアルミニウムを、配管(1
6)内のエタノールに対して1.0mol倍の量で連続
的に導入した。
ように、重合器(1)内で生成した共重合物と、未反応
の原料モノマーと、ヘキサン溶媒および重合触媒を含む
液体成分を、配管(15)から抜き出し、ポンプ(4)を
通じて、分離手段である熱交換器(8)に導入した。こ
のとき、配管(15)には、配管(21)を通じて重合禁止
剤であるエタノールを、重合器(1)から抜き出した配
管(15)内の液体成分中のトリイソブチルアルミニウム
に対して1.5mol倍の量で連続的に導入した。ま
た、配管(16)には、配管(22)を通じて、重合禁止剤
失活剤であるトリイソブチルアルミニウムを、配管(1
6)内のエタノールに対して1.0mol倍の量で連続
的に導入した。
【0047】重合禁止剤および重合禁止剤失活剤を導入
後の液体成分は、熱交換器(8)にて加熱した後、分離
手段である減圧状態のホッパー(5)に導入して気液分
離し、配管(18)よりエチレン・オクテンランダム共重
合体を41kg/hで連続的に得た。得られた共重合体
41kg/h中、重合器出口と熱交換器(8)との間に
おける重合量は、熱量からの計算値で0〜2kg/hで
あった。また、得られた共重合体中の、酢酸メチル抽出
量分析による分子量約1000以下の低分子量成分は、
0.5%以下であった。
後の液体成分は、熱交換器(8)にて加熱した後、分離
手段である減圧状態のホッパー(5)に導入して気液分
離し、配管(18)よりエチレン・オクテンランダム共重
合体を41kg/hで連続的に得た。得られた共重合体
41kg/h中、重合器出口と熱交換器(8)との間に
おける重合量は、熱量からの計算値で0〜2kg/hで
あった。また、得られた共重合体中の、酢酸メチル抽出
量分析による分子量約1000以下の低分子量成分は、
0.5%以下であった。
【0048】このエチレン・オクテンランダム共重合体
の製造は、1週間安定して連続運転を行うことができ、
共重合体中の低分子量成分の増加も見られなかった。
の製造は、1週間安定して連続運転を行うことができ、
共重合体中の低分子量成分の増加も見られなかった。
【0049】
【比較例1】実施例1において、重合禁止剤であるエタ
ノールおよび、重合禁止剤失活剤であるトリイソブチル
アルミニウムを用いなかったことの他は、実施例1と同
様にして、エチレン・オクテンランダム共重合体を41
kg/hで連続的に得た。得られた共重合体41kg/
h中、重合器出口と熱交換器(8)との間における重合
量は、熱量からの計算値で10〜15kg/hであっ
た。また、得られた共重合体中の、酢酸メチル抽出量分
析による分子量約1000以下の低分子量成分は、4〜
6%であった。
ノールおよび、重合禁止剤失活剤であるトリイソブチル
アルミニウムを用いなかったことの他は、実施例1と同
様にして、エチレン・オクテンランダム共重合体を41
kg/hで連続的に得た。得られた共重合体41kg/
h中、重合器出口と熱交換器(8)との間における重合
量は、熱量からの計算値で10〜15kg/hであっ
た。また、得られた共重合体中の、酢酸メチル抽出量分
析による分子量約1000以下の低分子量成分は、4〜
6%であった。
【0050】
【実施例2】実施例1において、重合禁止剤失活剤であ
るトリイソブチルアルミニウムを導入しなかったことの
ほかは、実施例1と同様にして、エチレン・オクテンラ
ンダム共重合体を製造した。得られた共重合体41kg
/h中、重合器出口と熱交換器(8)との間における重
合量を熱量から計算したところ、0〜2kg/hであっ
た。また、得られた共重合対中の酢酸メチル抽出量分析
による分子量約1000以下の低分子量成分は0.5%
以下であった。
るトリイソブチルアルミニウムを導入しなかったことの
ほかは、実施例1と同様にして、エチレン・オクテンラ
ンダム共重合体を製造した。得られた共重合体41kg
/h中、重合器出口と熱交換器(8)との間における重
合量を熱量から計算したところ、0〜2kg/hであっ
た。また、得られた共重合対中の酢酸メチル抽出量分析
による分子量約1000以下の低分子量成分は0.5%
以下であった。
【0051】製造を継続したところ、重合開始から約1
時間後より触媒が失活した。
時間後より触媒が失活した。
【図1】図1は、実施例1の概略工程図である。
【図2】図2は、比較例1の概略工程図である。
1 … 重合器 2 … ガス吹き込みノズル 3 … 攪拌機 4 … ポンプ 5 … 分離器(ホッパー) 6 … 分留器 7、8 … 熱交換器 11〜22 … 配管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 10/00 C08F 10/00 (72)発明者 遠 藤 雅 紀 千葉県市原市千種海岸3 三井化学株式会 社内 (72)発明者 工 藤 真佐樹 千葉県市原市千種海岸3 三井化学株式会 社内 Fターム(参考) 4J011 DA04 DB27 DB28 DB30 DB32 DB34 HA03 HB06 HB10 HB12 HB22 NA19 NB02 NC02 4J028 AA01A AB00A AB01A AC10A AC20A AC28A AC39A BA00A BA02B BB00A BB01B BC12B BC13B BC15B EB02 EB04 EB05 EB07 EB08 EB09 EB10 FA02 GB07 4J100 AA02P AA03P AA04P AA07P AA15P AA16P AA17P AA19P AA21P CA01 CA04 FA09 FA19 FA47 GA06 GA28 GB01 GB12 GD03 GD04 GD19 4J128 AA01 AB00 AB01 AC10 AC20 AC28 AC39 AD00 BA00A BA02B BB00A BB01B BC12B BC13B BC15B EB02 EB04 EB05 EB07 EB08 EB09 EB10 FA02 GB07
Claims (10)
- 【請求項1】溶媒および重合触媒の存在下、気液共存状
態で、1種以上のα−オレフィンを重合器内で(共)重
合する重合工程(1)と、 重合工程(1)で生成した(共)重合体、未反応のα−
オレフィン、溶媒および重合触媒を含有する液体成分を
重合器から抜き出す排出工程(2)と、 液体成分から、未反応のα−オレフィンおよび溶媒を蒸
発分離する分離工程(3)と、 分離した未反応のα−オレフィンおよび溶媒を、重合器
に導入する再供給工程(4)とを有し、 排出工程(2)の後、分離工程(3)の前に、液体成分
に重合禁止剤を添加する重合禁止剤添加工程(5)を有
することを特徴とする重合方法。 - 【請求項2】前記重合触媒が、遷移金属化合物、重合触
媒用有機アルミニウム化合物およびホウ素化合物を含ん
でなる、請求項1に記載の重合方法。 - 【請求項3】重合禁止剤添加工程(5)において、重合
禁止剤添加後の混合物中の、重合禁止剤濃度と、重合触
媒用有機アルミニウム化合物の濃度との比; (重合禁止剤濃度)/(重合触媒用有機アルミニウム化
合物の濃度) が、0.5〜10の範囲である、請求項2に記載の重合
方法。 - 【請求項4】前記重合禁止剤がアルコールである、請求
項1〜3のいずれかに記載の重合方法。 - 【請求項5】重合禁止剤添加工程(5)の後に、重合禁
止剤を含有する成分に、重合禁止剤失活用有機アルミニ
ウム化合物を添加し、重合禁止剤の少なくとも一部を失
活させる重合禁止剤失活工程(6)を有する、請求項1
〜4のいずれかに記載の重合方法。 - 【請求項6】重合禁止剤失活工程(6)における、重合
禁止剤失活用有機アルミニウム化合物の添加量が、重合
禁止剤添加工程(5)における重合禁止剤の添加量の、
0.1〜10倍である、請求項5に記載の重合方法。 - 【請求項7】重合禁止剤失活工程(6)の後、再供給工
程(4)の前に、重合禁止剤と重合禁止剤失活用有機ア
ルミニウム化合物との反応生成物および/または未反応
有機アルミニウム化合物を除去する除去工程(7)を有
する、請求項5または6に記載の重合方法。 - 【請求項8】溶媒および重合触媒の存在下、気液共存状
態で、1種以上のα−オレフィンの重合反応を行う重合
器と、 重合器から液体成分を抜き出す排出手段と、 重合器の液体排出口から抜き出した液体成分より、未反
応のα−オレフィンおよび溶媒を蒸発分離する分離手段
と、 分離した未反応のα−オレフィンおよび溶媒を、重合器
に導入する再供給手段とを有し、 重合器と分離手段との間において、重合禁止剤を導入す
る重合禁止剤導入手段を有することを特徴とする重合設
備。 - 【請求項9】重合禁止剤導入手段と再供給手段との間に
おいて、重合禁止剤失活用有機アルミニウム化合物を導
入する有機アルミニウム化合物導入手段を有する、請求
項8に記載の重合設備。 - 【請求項10】有機アルミニウム化合物導入手段と再供
給手段との間において、重合禁止剤と重合禁止剤失活用
有機アルミニウム化合物との反応生成物および/または
未反応有機アルミニウム化合物を除去する除去手段を有
する、請求項9に記載の重合設備。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000401308A JP2002145910A (ja) | 2000-12-28 | 2000-12-28 | 重合方法および重合設備 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000401308A JP2002145910A (ja) | 2000-12-28 | 2000-12-28 | 重合方法および重合設備 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002145910A true JP2002145910A (ja) | 2002-05-22 |
Family
ID=18865762
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000401308A Pending JP2002145910A (ja) | 2000-12-28 | 2000-12-28 | 重合方法および重合設備 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002145910A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003024760A (ja) * | 2001-07-17 | 2003-01-28 | Grand Polymer Co Ltd | 気体、液体、固体混合物の撹拌装置、およびこれを用いる撹拌方法 |
WO2008059974A1 (fr) * | 2006-11-17 | 2008-05-22 | Mitsui Chemicals, Inc. | Procédé pour produire un polypropylène syndiotactique |
WO2021047049A1 (zh) * | 2019-09-14 | 2021-03-18 | 南京延长反应技术研究院有限公司 | 一种强化乙烯聚合的系统和工艺 |
-
2000
- 2000-12-28 JP JP2000401308A patent/JP2002145910A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003024760A (ja) * | 2001-07-17 | 2003-01-28 | Grand Polymer Co Ltd | 気体、液体、固体混合物の撹拌装置、およびこれを用いる撹拌方法 |
WO2008059974A1 (fr) * | 2006-11-17 | 2008-05-22 | Mitsui Chemicals, Inc. | Procédé pour produire un polypropylène syndiotactique |
JPWO2008059974A1 (ja) * | 2006-11-17 | 2010-03-04 | 三井化学株式会社 | シンジオタクティックプロピレン系重合体の製造方法 |
US8017705B2 (en) | 2006-11-17 | 2011-09-13 | Mitsui Chemicals, Inc. | Process for production of syndiotactic propylene polymer |
JP2013173955A (ja) * | 2006-11-17 | 2013-09-05 | Mitsui Chemicals Inc | シンジオタクティックプロピレン系重合体の製造方法 |
WO2021047049A1 (zh) * | 2019-09-14 | 2021-03-18 | 南京延长反应技术研究院有限公司 | 一种强化乙烯聚合的系统和工艺 |
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