JP2002145721A - リポソーム組成物及びそれを含有する皮膚外用剤 - Google Patents

リポソーム組成物及びそれを含有する皮膚外用剤

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JP2002145721A JP2000338766A JP2000338766A JP2002145721A JP 2002145721 A JP2002145721 A JP 2002145721A JP 2000338766 A JP2000338766 A JP 2000338766A JP 2000338766 A JP2000338766 A JP 2000338766A JP 2002145721 A JP2002145721 A JP 2002145721A
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Tetsuro Iwanaga
哲朗 岩永
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Noevir Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に皮膚外用剤への配合に適する
安定性及び安全性を具備し、それ自体が生理活性を有
し、さらに内包成分の作用を相乗的に向上させ得るリポ
ソーム組成物を得る。 【解決手段】 ヒドロキシ脂肪酸のホスファチジ
ルエステルを膜構成脂質として含有させてリポソームを
形成させ、これを皮膚外用剤に配合する。ヒドロキシ脂
肪酸のホスファチジルエステルとしては、2-ヒドロキシ
脂肪酸もしくは炭素数が2〜6のヒドロキシ脂肪酸のホ
スファチジルエステルが好ましい。また、前記リポソー
ムには、親油性及び親水性の種々の成分を内包させるこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、経時的な安定性が
良好で、それ自体皮膚の老化防止及び改善効果を有し、
さらに内包物質の生理活性の向上も期待できるリポソー
ム組成物、及びこれを含有する皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】リポソームは、内部に水相を有する脂質
二重層から成る閉鎖小胞体であり、生体膜のモデル系
や、種々の薬物のキャリアー等として利用されている。
しかしながらリポソームは、光,熱,温度,浸透圧等の
影響を受け、化学的或いは物理的変化を起こしやすく、
保存中にリポソーム粒子同士の凝集や融合、さらには沈
殿物の生成や不溶物の析出など、状態変化や機能低下が
起こるといった問題があった。それゆえ、リポソームの
安定化を図る試みが多くなされ、また近年ドラッグデリ
バリーシステムへの応用に伴い、さらにリポソームの機
能化を図る試みがなされている。
【0003】リポソームの安定化を図る試みとしては、
脂質膜成分として、ホスファチジルコリン,リゾホスフ
ァチジルコリン,ホスファチジン酸を特定モル比で含有
させる(特開平5−239)他、脂肪酸エステル化コラ
ーゲン加水分解物(特開平7−48247),トレハロ
ースの脂肪酸エステル(特開平7−108166),レ
シチン・キシロオリゴ糖複合体(特開平7−23304
9)を用いたり、リポソーム水懸濁液組成物に、タウリ
ン及び酸性リン脂質(特開平5−212269)や、グ
リセリン,プロピレングリコール,1,3-ブチレングリコ
ール等の水溶性有機溶媒(特開平6−178930)を
含有させたり、環状イヌロオリゴ糖及び多価アルコール
を含有させた後凍結乾燥製剤としたり(特開平8−13
3986)、表面を2-メタクリロイルオキシエチルホス
ホリルコリンのホモ重合体や共重合体等により被覆した
りする(特開平6−178930)技術が開示されてい
る。
【0004】一方、リポソームの機能化を図る試みとし
ては、イソプレノイド型リン脂質を用いて生体膜に近い
流動性を持たせたもの(特開平5−194191)、抗
体又は抗原結合リン脂質誘導体を用いたもの(特開平7
−291853)、構成脂肪酸組成の10%以上がドコ
サヘキサエン酸であるホスファチジルコリンを膜形成脂
質として含有するもの(特開平8−151334)、ア
ミノ基を有する脂質を膜構成成分とし、外水相側に抗原
を固定化し、内外水相に糖を含有させたもの(特開平9
−202735)等が開示されている。
【0005】しかしながら、特に皮膚外用剤に配合した
場合に、安定性及び皮膚に対する安全性が良好で、リポ
ソーム自体が皮膚に対し優れた生理活性を示し、さらに
内包させる有効成分の活性を向上させ得るようなもの
は、ほとんど報告されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明において
は、特に皮膚外用剤への配合に適する安定性及び安全性
を具備し、それ自体が生理活性を有し、さらに内包成分
の作用を相乗的に向上させ得るリポソーム組成物を得る
ことを目的とした。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するべく
種々検討した結果、本発明者はヒドロキシ脂肪酸のホス
ファチジルエステルを膜構成脂質として用いてリポソー
ムを形成することができることを見いだし、しかもこの
リポソームが安定性及び安全性に優れ、皮膚の真皮線維
芽細胞活性化作用等により、皮膚の老化や肌荒れの防止
及び改善に有効であることを確認して、本発明を完成す
るに至った。なお、ヒドロキシ脂肪酸のホスファチジル
エステルについての皮膚の老化防止作用等はすでに開示
している(特開平6−279259)が、今回リポソー
ム化することにより、さらに良好な結果を得ることがで
きた。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明においてリポソーム膜構成
脂質として用いるヒドロキシ脂肪酸のホスファチジルエ
ステルは、ヒドロキシ脂肪酸とホスファチジン酸とを定
法に従い化学的にエステル化したり、或いはホスホリパ
ーゼD等を用いたエステル交換反応等により得ることが
できる。ホスファチジン酸と結合させるヒドロキシ脂肪
酸としては、2位に水酸基を有するものがその生理活性
から好ましく、さらに炭素数が2〜6のものがより好ま
しい。好適なものとして、ホスファチジルグリコール
酸,ホスファチジル乳酸,ホスファチジル2-ヒドロキシ
酪酸,ホスファチジル2-ヒドロキシ吉草酸,ホスファチ
ジル2-ヒドロキシカプロン酸が挙げられる。
【0009】本発明においては、リポソームの膜構成脂
質に、上記ヒドロキシ脂肪酸のホスファチジルエステル
より1種又は2種以上を選択して含有させる。ヒドロキ
シ脂肪酸のホスファチジルエステルのみを膜構成脂質と
してリポソームを形成させてもよいが、ホスファチジル
コリン,ホスファチジルセリン,ホスファチジルエタノ
ールアミン,ホスファチジルイノシトール,ホスファチ
ジン酸等のグリセロリン脂質、モノグルコシルジアシル
グリセロール,モノガラクトシルジアシルグリセロール
等のグリセロ糖脂質、スフィンゴミエリン等のスフィン
ゴリン脂質、セレブロシド,ガングリオシド等のスフィ
ンゴ糖脂質、セチルアルコール,ステアリルアルコー
ル,アラキルアルコール,ベヘニルアルコール等の高級
アルコール類、コレステロール,フィトステロール等の
ステロール類などの膜形成性脂質もしくは膜安定化脂質
成分を併用してもよい。
【0010】本発明に係るリポソームを形成するに際
し、ヒドロキシ脂肪酸のホスファチジルエステルのリポ
ソーム懸濁液あたりの含有量は、0.001〜10.0
重量%とするのが適切であり、さらに0.01〜5.0
重量%とするのが好ましい。
【0011】さらに本発明に係るリポソームには、脂質
膜中及び内水相中にそれぞれ親油性もしくは親水性の種
々の成分を内包させることができる。脂質膜中に内包さ
せ得る親油性成分としては、アボカド油,アルモンド
油,オリーブ油,ゴマ油,サザンカ油,サフラワー油,
大豆油,ツバキ油,トウモロコシ油,ナタネ油,パーシ
ック油,ヒマシ油,綿実油,落花生油,ホホバ油等の植
物性油類又は植物性ロウ類、ミリスチン酸イソプロピ
ル,パルミチン酸イソプロピル,ラウリン酸ヘキシル,
ミリスチン酸オクチルドデシル,ジメチルオクタン酸ヘ
キシルデシル,2-エチルヘキサン酸セチル,トリ2-エチ
ルヘキサン酸グリセリル,トリオクタン酸トリメチロー
ルプロパン等のエステル油類、フェニルアラニン,トリ
プトファン,イソロイシン,ロイシン,プロリン,メチ
オニン,バリン,アラニン等の疎水性アミノ酸類及びこ
れらの親油性誘導体、レチノール,レチナール,レチノ
イン酸等のビタミンA類及びこれらの親油性誘導体、α
-カロテン,β-カロテン,γ-カロテン等のプロビタミ
ンA類、コレカルシフェロール,エルゴカルシフェロー
ル等のビタミンD類及びこれらの親油性誘導体、7-デヒ
ドロコレステロール,エルゴステロール等のプロビタミ
ンD類及びこれらの親油性誘導体、α-トコフェロー
ル,βトコフェロール,γ-トコフェロール,δ-トコフ
ェロール等のビタミンE類及びこれらの親油性誘導体、
フィロキノン,メナキノン,メナジオン等のビタミンK
類及びこれらの親油性誘導体等といった親油性ビタミン
類、ユビキノン及びその親油性誘導体,リポ酸及びその
親油性誘導体,リノール酸及びその親油性誘導体,リノ
レン酸及びその親油性誘導体,アラキドン酸及びその親
油性誘導体等といった親油性ビタミン様作用因子類、リ
ボフラビン酪酸エステル,ジカプリル酸ピリドキシン,
ジパルミチン酸ピリドキシン,パルミチン酸アスコルビ
ル,ジパルミチン酸アスコルビル等の水溶性ビタミン類
の親油性誘導体、グアイアズレン,グアイアズレンスル
ホン酸エチル,グリチルレチン酸ステアリル等の親油性
抗炎症剤などが挙げられ、これらより1種又は2種以上
を選択して用いる。
【0012】一方、内水相に内包させる親水性成分とし
ては、1,3-ブチレングリコール,プロピレングリコー
ル,グリセリン等の多価アルコール類、グルコース,ガ
ラクトース,フルクトース,サッカロース,マルトース
等の単糖類及びオリゴ糖類、イノシトール,ソルビトー
ル,マルチトール等の糖アルコール類、リシン,グルタ
ミン,アスパラギン,グルタミン酸,アスパラギン酸,
トレオニン,アルギニン,セリン,ピロリドンカルボン
酸等の親水性アミノ酸類及びこれらの塩並びに親水性誘
導体、チアミン等ビタミンB1類及びこれらの塩並びに
親水性誘導体、リボフラビン等ビタミンB2類及びこれ
らの塩並びに親水性誘導体、ニコチン酸,ニコチン酸ア
ミド等ナイアシン類及びこれらの塩並びに親水性誘導
体、ピリドキシン,ピリドキサール,ピリドキサミン等
ビタミンB6類及びこれらの塩並びに親水性誘導体、パ
ントテン酸及びその塩並びに親水性誘導体、ビオチン及
びその塩並びに親水性誘導体、葉酸及びその塩並びに親
水性誘導体、コバラミン等ビタミンB12類及びこれらの
塩並びに親水性誘導体、アスコルビン酸及びその塩並び
に親水性誘導体といった親水性ビタミン類、オロト酸及
びその塩並びに親水性誘導体、カルニチン及びその塩並
びに親水性誘導体、ヘスペリジン,エリオジクチン,ル
チン等のビタミンP類といった親水性ビタミン様作用因
子、グリコール酸,乳酸,クエン酸等の2-ヒドロキシカ
ルボン酸及びこれらの塩並びに親水性誘導体、ヒアルロ
ン酸,コンドロイチン硫酸,デルマタン硫酸,ヘパリン
等ムコ多糖類及びこれらの塩並びに親水性誘導体、可溶
性コラーゲン,コラーゲン加水分解物,エラスチン加水
分解物,ケラチン加水分解物等のペプチド類及びこれら
の塩並びに親水性修飾物、アラントイン及びその塩並び
に親水性誘導体,グアイアズレンスルホン酸塩,グリチ
ルリチン酸及びその塩並びに親水性誘導体といった親水
性抗炎症剤、植物の極性溶媒による抽出物などが挙げら
れ、これらより1種又は2種以上を選択して用いる。
【0013】本発明に係るリポソーム組成物は、一般的
な調製方法により得ることができるが、ヒドロキシ脂肪
酸のホスファチジルエステルを含む膜構成脂質成分と水
性溶液とを、膜構成脂質成分の相転移温度以上にて撹拌
するか、又は膜構成脂質成分を、グリセリン,ジグリセ
リン,プロピレングリコール,ジプロピレングリコー
ル,ポリエチレングリコール,1,3-ブチレングリコー
ル,ジエチレングリコールモノエチルエーテル,ソルビ
トール,マルチトール等の多価アルコール類、グリセリ
ルモノ酢酸エステル,グリセリルジ酢酸エステル,グリ
セロリン酸等のグリセリンエステル類といった水溶性の
非揮発性有機溶媒に混合し、次いで水性溶液に分散して
調製することが好ましい。さらに、得られたリポソーム
懸濁液を超音波処理することにより、一枚膜リポソーム
を効率よく得ることができる。なお多重膜リポソーム
は、2,500〜3,000gで10分間程度の遠心分
離により、また一枚膜リポソームは、100,000g
で60分間程度の遠心分離により、回収することができ
る。さらに本発明においては、T.Kaneko及びH.Sagitani
により報告された方法(Colloids and Surfaces 69 125
-133 (1992))に従って、リポソーム組成物を調製する
こともできる。
【0014】本発明においては、リポソームを調製する
際に、親油性物質を膜構成脂質成分に溶解するか、膜構
成脂質成分とともに水溶性の非揮発性有機溶媒に混合す
ることにより、リポソームの脂質膜に親油性物質を内包
させることができる。親水性物質の内水相への内包は、
リポソーム調製時に、親水性物質を水性溶液に溶解する
ことにより行うことができる。
【0015】さらに本発明においては、上記により調製
したリポソーム組成物を皮膚外用剤基剤に分散させて、
皮膚外用剤を得る。本発明に係る皮膚外用剤は、ローシ
ョン剤,乳剤,ペースト剤,ゲル剤等として好適に提供
される。また、化粧水,乳液,美容液等の化粧料として
も提供することができる。これら皮膚外用剤におけるリ
ポソームの含有量としては、0.1〜10.0重量%程
度とするのが適切である。
【0016】なお、本発明に係る皮膚外用剤には、リポ
ソーム組成物に影響を与えない範囲で、油脂類,炭化水
素油類,高級脂肪酸類,エステル油類,低級アルコール
類,多価アルコール類,紫外線吸収剤,pH調整剤,抗
酸化剤,キレート剤,防腐剤,香料等、一般的な配合成
分を含有させることができる。
【0017】
【実施例】さらに本発明の特徴について、実施例により
詳細に説明する。
【0018】[実施例1〜実施例12]表1中の膜構成
脂質成分及び親油性成分を、表1に示す脂質濃度となる
ように表1中の水性溶液に55℃にて撹拌しながら添
加,混合し、次いで10分間超音波処理してリポソーム
懸濁液を得た。
【0019】
【表1】
【0020】 [実施例13] (1)ホスファチジルグリコール酸 5.00(重量%) (2)プロピレングリコール 4.50 (3)グリセリン 4.50 (4)エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.02 (5)タラ由来コラーゲン加水分解物 0.10 (6)精製水 85.88 製法:(1)を(2),(3)の混合溶液に溶解し、次いで(4),
(5)を(6)に溶解した水溶液にて希釈してリポソーム懸濁
液を得た。
【0021】 [実施例14] (1)ホスファチジル乳酸 4.50(重量%) (2)プロピレングリコール 4.50 (3)グリセリン 4.50 (4)エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.02 (5)カッコンの50容量%エタノール抽出液 2.50 (6)ワレモコウの50容量%エタノール抽出液 2.50 (7)精製水 81.48 製法:(1)を(2),(3)の混合溶液に溶解し、次いで(4)〜
(6)を(7)に溶解した水溶液にて希釈してリポソーム懸濁
液を得た。
【0022】上記実施例1〜実施例14のリポソーム懸
濁液について、顕微鏡下にて観察したところ、いずれに
おいてもリポソームの形成が確認された。これらにおい
て、主として認められるリポソームのタイプと、粒径分
布の測定結果を表2に示した。また、25℃及び50℃
にて1カ月間保存した場合の安定性について、評価し
た。安定性については、1カ月間保存した後に、リポソ
ームの融合や凝集,不溶物の析出等の有無を観察し、
「○;前記状態変化が全く認められない」、「△;前記
状態変化がわずかに認められる」,「×;前記状態変化
が顕著に認められる」として、表2に併せて示した。な
お比較のため、水素添加大豆レシチンを5.0重量%と
なるように精製水に55℃で添加,混合撹拌し、次いで
10分間超音波処理して調製したリポソーム懸濁液を比
較例1とし、同時に評価を行った。
【0023】
【表2】
【0024】表2中、「SUV」は小さな一枚膜リポソ
ームを示し、「MLV」は多重膜リポソームを示す。こ
れより明らかなように、本発明の実施例においては、膜
構成脂質成分の濃度が低い場合には主としてSUVが形
成されており、膜構成脂質成分の濃度が高くなるに従っ
て、MLVの占める割合が高くなっていた。また、本発
明の実施例は、いずれも25℃及び50℃にて良好な安
定性を示していたが、比較例1については、25℃にお
いても凝集が認められ、安定性に劣ることが示されてい
た。
【0025】続いて、本発明に係る皮膚外用剤の実施例
を示す。なお、以下に示す実施例に配合するリポソーム
としては、上記実施例1〜実施例14に係るリポソーム
懸濁液より、実施例1,実施例5,実施例6,実施例8
及び実施例12については、100,000gにて60
分間遠心分離してSUVを回収し、実施例2〜実施例
4,実施例7,実施例9〜実施例11,実施例13及び
実施例14については、3,000gにて10分間遠心
分離してMLVを回収して用いた。
【0026】 [実施例15〜実施例18] ローション剤 (1)エタノール 20.0(重量%) (2)ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油 1.0 (3)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (4)ジプロピレングリコール 5.0 (5)1,3-ブチレングリコール 10.0 (6)精製水 全量を100.0とする量 (7)表3に示すリポソーム 表3に示す量 製法:(1)に(2),(3)を溶解してアルコール相とする。
一方、(6)に(4),(5)を順次溶解して水相とする。水相
にアルコール相を添加し、均一に混合した後、(7)を添
加し、分散する。
【0027】
【表3】
【0028】 [実施例19〜実施例22] 乳剤 (1)セタノール 1.0(重量%) (2)ミツロウ 0.5 (3)ワセリン 2.0 (4)スクワラン 8.0 (5)ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン 1.0 モノステアリン酸エステル (6)グリセリルモノステアリン酸エステル 1.0 (7)グリセリン 4.0 (8)1,3-ブチレングリコール 4.0 (9)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (10)精製水 全量を100.0とする量 (11)カルボキシビニルポリマー 10.0 (1.0重量%水溶液) (12)水酸化カリウム 0.1 (13)エタノール 5.0 (14)表4に示すリポソーム 表4に示す量 製法:(1)〜(6)の油相成分を混合し、加熱溶解して75
℃とする。一方、(7)〜(10)の水相成分を混合,溶解し
て75℃とする。これに前記油相を加えて予備乳化した
後、(11)を添加してホモミキサーにて均一に乳化し、次
いで(12)を加えて増粘させた後冷却し、30℃にて(13)
及び(14)を順次添加して溶解及び分散する。
【0029】
【表4】
【0030】 [実施例23〜実施例26] ゲル剤 (1)ジプロピレングリコール 10.0(重量%) (2)カルボキシビニルポリマー 0.5 (3)水酸化カリウム 0.1 (4)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (5)精製水 全量を100.0とする量 (6)表5に示すリポソーム 表5に示す量 製法:(5)に(2)を均一に溶解した後、(1)に(3),(4)を
溶解して添加し、次いで(3)を加えて増粘させた後、(6)
を添加,分散する。
【0031】
【表5】
【0032】 [実施例27] 美容液 (1)1,3-ブチレングリコール 5.0(重量%) (2)カルボキシビニルポリマー 0.4 (3)ポリオキシエチレン(50E.O.)硬化ヒマシ油 1.0 (4)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (5)L-アルギニン 1.0 (6)精製水 89.5 (7)リポソーム(実施例13) 3.0 製法:(1)〜(5)を順次(6)に添加して均一に溶解し、(7)
を添加,分散する。
【0033】 [実施例28] 化粧ジェル (1)ジプロピレングリコール 7.00(重量%) (2)ポリオキシエチレン(15E.O.)オレイル 1.00 エーテル (3)パラオキシ安息香酸メチル 0.10 (4)香料 0.10 (5)ポリエチレングリコール 8.00 (平均分子量1,500) (6)カルボキシビニルポリマー 0.40 (7)メチルセルロース 0.20 (8)エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.02 (9)精製水 78.08 (10)水酸化カリウム 0.10 (11)リポソーム(実施例5) 2.50 (12)リポソーム(実施例10) 2.50 製法:(9)に(6),(7)を溶解した後、(5),(8)を添加し
て水相とする。(1)に(2)を加え、50℃〜55℃で加熱
溶解し、(3),(4)を添加,混合して、前記水相に撹拌し
ながら徐々に添加する。次いで(10)を添加して増粘さ
せ、冷却後(11),(12)を添加し、分散する。
【0034】上記実施例のうち、実施例15,実施例2
0,実施例23,実施例27及び実施例28について使
用試験を行い、皮膚の老化症状及び肌荒れ症状の改善効
果を評価した。その際、各実施例において配合した本発
明に係るリポソームを、それぞれ表6に示すように代替
して比較例2〜比較例6とし、同時に使用試験に供し
た。
【0035】
【表6】
【0036】使用試験は、皮膚の老化症状の評価パネラ
ーとして、小じわや皮膚弾性の低下といった顕著な皮膚
の老化症状の見られる40才〜60才代の女性パネラー
を、肌荒れの評価パネラーとして、顕著な肌荒れ症状を
呈する20才〜60才代の女性パネラーを、それぞれ2
0名を1群として用い、各群に前記実施例及び比較例を
それぞれブラインドにて、1日2回ずつ連続使用させて
行った。皮膚の老化症状については、使用試験開始前及
び3カ月間使用後に皮膚の小じわの肉眼及びレプリカに
よる観察と、キュートメーターによる皮膚弾性測定を行
い、使用試験開始前と比べた小じわ及び皮膚弾性の改善
状態を、「改善」,「やや改善」,「変化なし」の3段
階にて評価し、各評価を得たパネラー数にて示した。ま
た、肌荒れ症状については、使用試験開始前及び2週間
使用後の皮膚の状態を観察し、それぞれ表7に示す評価
基準に従って評価点数化し、20名の平均値にて示し
た。結果は表8にまとめて示した。
【0037】
【表7】
【0038】
【表8】
【0039】表8より明らかなように、本発明の実施例
使用群では全群で良好な皮膚の老化症状の改善が認めら
れ、各群において全パネラーにおいて小じわ及び皮膚弾
性の改善傾向を認めていた。また、肌荒れの改善も顕著
に認められ、2週間の連続使用により、皮膚の状態はほ
ぼ良好な状態まで改善されていた。
【0040】これに対し、グリコール酸をホスファチジ
ルコリンによるリポソームに内包させて配合した比較例
2使用群では、皮膚の老化症状の改善及び肌荒れ症状の
改善は認められてはいたが、対応する実施例15使用群
に比べて改善の程度は明らかに小さいものであった。ま
た保湿作用を有するピロリドンカルボン酸ナトリウム,
スフィンゴミエリン,タラ由来コラーゲン加水分解物を
それぞれホスファチジルコリンによるリポソームに内包
させて配合した比較例3〜比較例5の各使用群と、乳酸
及びヒアルロン酸ナトリウムをリポソーム化しないで配
合した比較例6使用群では、小じわ及び皮膚弾性の明確
な改善を認めたパネラーは2名以下であり、肌荒れの改
善も不十分であった。
【0041】以上の結果より、本発明に係るリポソーム
組成物はそれ単独でも良好な皮膚の老化症状及び肌荒れ
の改善効果を発揮し、また保湿作用等を有する内包成分
との相乗作用により、前記効果がさらに向上されること
が示された。なお、上記使用試験期間中において、実施
例使用群においては、皮膚の刺激感や皮膚の異常を訴え
たパネラーは存在せず、本発明の実施例15〜実施例2
8については、25℃で6カ月間保存した場合に、状態
の変化を認めなかった。
【0042】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明により、安
定性及び安全性を具備し、それ自体が生理活性を有し、
さらに内包成分の作用を相乗的に向上させ得るリポソー
ム組成物を得ることができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 17/00 A61P 17/00 Fターム(参考) 4C076 AA17 AA19 BB31 CC18 DD63F FF16 FF36 4C083 AA112 AB032 AC012 AC022 AC072 AC102 AC122 AC172 AC182 AC422 AC432 AC442 AC482 AC532 AC582 AC882 AC901 AC902 AD042 AD092 AD262 AD432 AD492 CC02 CC04 CC05 DD31 DD41 DD45 FF05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒドロキシ脂肪酸のホスファチジルエス
    テルを膜構成脂質として含有することを特徴とする、リ
    ポソーム組成物。
  2. 【請求項2】 ヒドロキシ脂肪酸のホスファチジルエス
    テルが、2-ヒドロキシ脂肪酸のホスファチジルエステル
    であることを特徴とする、請求項1に記載のリポソーム
    組成物。
  3. 【請求項3】 ヒドロキシ脂肪酸のホスファチジルエス
    テルが、炭素数が2〜6のヒドロキシ脂肪酸のホスファ
    チジルエステルであることを特徴とする、請求項1又は
    請求項2に記載のリポソーム組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3に記載のリポソーム
    組成物より選択した1種又は2種以上を含有して成る、
    皮膚外用剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006298890A (ja) * 2005-04-22 2006-11-02 Sunstar Inc 乳化型化粧料
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