JP2002144579A - 液体吐出ヘッド、液体吐出装置および液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

液体吐出ヘッド、液体吐出装置および液体吐出ヘッドの製造方法

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JP2002144579A
JP2002144579A JP2001254510A JP2001254510A JP2002144579A JP 2002144579 A JP2002144579 A JP 2002144579A JP 2001254510 A JP2001254510 A JP 2001254510A JP 2001254510 A JP2001254510 A JP 2001254510A JP 2002144579 A JP2002144579 A JP 2002144579A
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discharge
discharge port
wall
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Masahiko Ogawa
正彦 小川
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小液滴においても、吐出の間隔が長くなって
も吐出することができ、液滴の吐出速度を上げることが
でき、更に、繰り返し吐出周波数を非常に高くすること
のできる、液体吐出ヘッド、このヘッドを用いた液体吐
出装置および液体吐出ヘッドの製造方法を提供する。 【解決手段】 吐出口16の面積が吐出エネルギ発生部
3の面積より小さく、吐出口16は液体流路4中に設け
られる。そして、液体と大気が接する界面を保持する開
口部2を備え、この開口部の面積は吐出口16の面積よ
り大きく形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙,プラスチック
シート,布,物品等を包含する記録保持体に対して、イ
ンクやその定着処理液等の機能性液体を吐出させ、文
字,記号,画像等の記録,印刷を行う液体吐出ヘッド
(通常、インクジェット記録ヘッドといっている)、こ
の液体吐出ヘッドを用いた液体吐出装置およびこの液体
吐出ヘッドの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液体吐出装置としては、例えば、発熱体
からの熱エネルギを利用してインクを吐出する液体吐出
ヘッドを用いて画像を記録する液体吐出装置がある。
【0003】従来、このような液体吐出ヘッドには、例
えば、インク吐出口周りの部分を図13のように拡大し
て見ると、インクを吐出させるための発泡用の発熱体3
が搭載されている基板8の周辺にインク流路4、インク
吐出口16を有するプレート7を載せて構成する液体吐
出ヘッドがある。
【0004】このような液体吐出ヘッドにおいては、今
後、ますます高画質,高解像度,高速度等の様々な印字
性能が求められ、これらのために、多ノズル化,小液滴
化が必要となってきている。
【0005】しかしながら、前述の図13に示したよう
な従来の構成では、以下のような問題が有る。
【0006】図13に示したような今までの液体吐出ヘ
ッドでは、高解像度化のために、小液滴化をしていくと
きに、発泡用の発熱体の面積を小さくして発泡エネルギ
を小さくし、それとともに、吐出口の面積を小さくし
て、所望の吐出量,吐出スピードを得るようにしてい
る。ところが、吐出口を小さくすると、吐出を続けてい
るときは良いが、一つの吐出口からの吐出の間隔が長く
なると、吐出口での、インクと大気との界面部分のイン
ク粘度が上がりひいては吐出ができなくなり不吐出にな
ることがあると言う問題がある。また、小液滴化の時に
は、液滴が小さいために、更に、高速化をして多くの液
滴を吐出しなければならないが、消泡する時に、吐出口
でのインクと大気との界面部分から空気を引き込むため
に、界面部分が安定するのに時間がかかり、繰り返し吐
出周波数を非常に高くすることが難しいと言う問題があ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況のもとでなされたもので、この種の液体吐出ヘッド
がますます、多ノズル化,高速化,小液滴化が進むな
か、小液滴においても、吐出の間隔が長くなっても吐出
することができ、液滴の吐出速度を上げることができ、
更に、繰り返し吐出周波数を非常に高くすることのでき
る、液体吐出ヘッド、このヘッドを用いた液体吐出装置
および液体吐出ヘッドの製造方法を提供することを目的
とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明では、液体吐出ヘッドを次の(1)ないし
(11)のとおりに構成し、液体吐出装置を次の(1
2)のとおりに構成し、液体吐出ヘッドの製造方法を次
の(13)ないし(22)のとおりに構成する。
【0009】(1) 液体を滴として吐出するために利
用されるエネルギを発生する吐出エネルギ発生部と、該
吐出エネルギ発生部に対向して配置された吐出口とを備
える液体吐出ヘッドであって、前記吐出口の面積が前記
吐出エネルギ発生部の面積より小さく、前記吐出口は前
記液体中に設けられている液体吐出ヘッド。
【0010】(2) 前記(1)記載の液体吐出ヘッド
において、前記吐出口と対向する位置に、液体と大気が
接する界面を保持する開口部を備え、この開口部の面積
は前記吐出口の面積より大きい液体吐出ヘッド。
【0011】(3) 前記(2)記載の液体吐出ヘッド
において、複数の吐出口に対向して1つの開口部が設け
られている液体吐出ヘッド。
【0012】(4) 前記(1)記載の液体吐出ヘッド
において、前記吐出口の前端から液体と大気が接する界
面までの距離が2μmから20μmの範囲内である液体
吐出ヘッド。
【0013】(5) 前記(1)記載の液体吐出ヘッド
において、前記吐出エネルギ発生部に対応して、前記吐
出エネルギ発生部上へ液体を供給する液体流路が設けら
れている液体吐出ヘッド。
【0014】(6) 前記(1)記載の液体吐出ヘッド
において、前記吐出エネルギ発生部の表面から前記吐出
口までの空間を、吐出口形成壁が囲んでいる液体吐出ヘ
ッド。
【0015】(7) 前記(6)記載の液体吐出ヘッド
において、前記吐出エネルギ発生部に対応して、該吐出
エネルギ発生部上へ液体を供給する液体流路が設けられ
ている液体吐出ヘッド。
【0016】(8) 前記(7)記載の液体吐出ヘッド
において、前記吐出口と対向する位置に、液体と大気が
接する界面を保持する開口部が設けられている液体吐出
ヘッド。
【0017】(9) 前記(8)記載の液体吐出ヘッド
において、前記開口部の面積は、前記吐出口形成壁の外
壁の前記吐出口側の端部に囲まれた面積より大きい液体
吐出ヘッド。
【0018】(10) 前記(7)記載の液体吐出ヘッ
ドにおいて、前記吐出口形成壁の高さと、前記液体流路
を形成するための液体流路壁の高さとは、同じ高さであ
る液体吐出ヘッド。
【0019】(11) 前記(1)記載の液体吐出ヘッ
ドにおいて、該液体吐出ヘッドは、前記吐出エネルギ発
生部に発生する熱エネルギーにより液体に膜沸騰を生起
させて液体を滴として吐出するものである液体吐出ヘッ
ド。
【0020】(12) 前記(1)記載の液体吐出ヘッ
ドを搭載し、該液体吐出ヘッドから液体を滴として吐出
して記録媒体に付着させる液体吐出装置であって、記録
媒体を搬送する搬送手段を備えている液体吐出装置。
【0021】(13) 液体を滴として吐出するために
利用されるエネルギを発生する吐出エネルギ発生部と、
該吐出エネルギ発生部に対向して前記液体中に配置され
た吐出口と、前記吐出エネルギ発生部に対応して設けら
れ、該吐出エネルギ発生部上へ液体を供給する液体流路
と、前記エネルギ発生部の表面から前記吐出口までの空
間を囲む吐出口形成壁と、前記液体流路を形成するため
の液体流路壁と、を備え、前記吐出口の面積が該吐出口
と対向する前記吐出エネルギ発生部の面積より小さい液
体吐出ヘッドを製造するための液体吐出ヘッドの製造方
法であって、前記吐出口形成壁と前記液体流路壁とを、
前記吐出エネルギ発生部が設けられた基板上に半導体製
造プロセスで一括して形成する液体吐出ヘッドの製造方
法。
【0022】(14) 前記(13)に記載の液体吐出
ヘッドの製造方法において、前記半導体製造プロセス
は、前記吐出エネルギ発生部が設けられた基板を準備す
る工程と、該基板上の前記吐出エネルギ発生部の表面か
ら前記吐出口までの空間の下部に対応する位置にエッチ
ングストップ層を形成する工程と、前記基板および前記
エッチングストップ層上に前記吐出口形成壁の材料また
は前記液体流路壁の材料となる膜を積層する工程と、前
記膜上の前記吐出口形成壁または前記液体流路壁に対応
する位置にエッチングマスク層を形成する工程と、前記
膜をエッチングすることにより、前記吐出口形成壁と前
記液体流路壁とを一括して形成する工程と、前記エッチ
ングストップ層と前記エッチングマスク層とを除去する
工程と、を備えた液体吐出ヘッドの製造方法。
【0023】(15) 前記(13)記載の液体吐出ヘ
ッドの製造方法において、前記吐出口形成壁および前記
液体流路壁を、窒化シリコンまたは酸化シリコンまたは
炭化シリコンで形成する液体吐出ヘッドの製造方法。
【0024】(16) 前記(13)記載の液体吐出ヘ
ッドの製造方法において、前記吐出口形成壁および前記
液体流路壁を、感光性樹脂で形成する液体吐出ヘッドの
製造方法。
【0025】(17) 前記(16)記載液体吐出ヘッ
ドの製造方法において、前記感光性樹脂は、前記吐出エ
ネルギ発生部を搭載している基板上にスピンコート法に
より形成した薄膜である液体吐出ヘッドの製造方法。
【0026】(18) 前記(16)記載の液体吐出ヘ
ッドの製造方法において、前記吐出口形成壁と前記液体
流路壁との上に、フィルム状の感光性樹脂膜を貼り合わ
せて、前記液体流路を形成する液体吐出ヘッドの製造方
法。
【0027】(19) 液体を滴として吐出するために
利用されるエネルギを発生する吐出エネルギ発生部と、
該吐出エネルギ発生部に対向して前記液体中に配置され
た吐出口と、前記吐出エネルギ発生部に対応して設けら
れ、該吐出エネルギ発生部上へ液体を供給する液体流路
と、前記吐出口と対向する位置に設けられ、液体と大気
が接する界面を保持する開口部と、前記エネルギ発生部
の表面から前記吐出口までの空間を囲む吐出口形成壁
と、前記液流路を形成するための液体流路壁と、前記開
口部を形成する開口部形成部材と、を備え、前記吐出口
の面積が該吐出口と対向する前記吐出エネルギ発生部の
面積より小さく、前記開口部の面積が該開口部が対向す
る吐出口を形成する前記吐出口形成壁の外壁の前記吐出
口側の端部に囲まれた面積より大きい液体吐出ヘッドを
製造するための液体吐出ヘッドの製造方法であって、前
記吐出口形成壁、前記液体流路壁および前記開口部形成
部材を、前記吐出エネルギ発生部が設けられた基板上に
半導体製造プロセスで形成する液体吐出ヘッドの製造方
法。
【0028】(20) 前記(19)記載の液体吐出ヘ
ッドの製造方法において、前記半導体製造プロセスは、
前記前記吐出エネルギ発生部が設けられた基板を準備す
る工程と、前記基板上に、前記吐出口形成壁の下部の材
料または前記液体流路壁の下部の材料となる第1の膜を
形成する工程と、前記第1の膜の一部を除去することに
より、前記吐出口形成壁の下部と前記液体流路壁の下部
とを一括して形成する工程と、前記吐出口形成壁の下部
上および前記液体流路壁の下部上に、前記基板を覆うよ
うに、前記吐出口形成壁の上部の材料または前記液体流
路壁の上部の材料となる第2の膜を形成する工程と、前
記第2の膜の一部を除去することにより、前記吐出口形
成壁の上部と前記液体流路壁の上部とを一括して形成す
る工程と、前記吐出口形成壁の上部上および前記液体流
路壁の上部上に、前記基板を覆うように、前記開口部形
成部材の材料となる第3の膜を形成する工程と、前記第
3の膜の一部を除去することにより、前記開口部形成部
材を形成する工程と、を備えた液体吐出ヘッドの製造方
法。
【0029】(21) 前記(19)記載の液体吐出ヘ
ッドの製造方法において、前記開口部形成部材を、感光
性樹脂のプレートで形成する液体吐出ヘッドの製造方
法。
【0030】(22) 前記(21)記載液体吐出ヘッ
ドの製造方法において、前記感光性樹脂のプレートは、
前記液体流路壁の上に貼り合わせられたフィルム状の膜
である液体吐出ヘッドの製造方法。
【0031】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を液体吐
出ヘッド、液体吐出ヘッドの製造方法および液体吐出装
置の実施例により詳しく説明する。
【0032】(実施例1)図1は、実施例1である“液
体吐出ヘッド”の要部を示す平面図である。本実施例
は、図1に示すのように、吐出エネルギ発生部3の面積
より小さい面積の吐出口16を搭載したものであり、液
体流路4、液体流路4を形成するための液体流路壁6お
よび液体と大気とが接する界面10を保持または形成す
る開口部2を備えている。液体流路4の中には、吐出口
16が吐出エネルギ発生部3の上方に設けられている。
吐出口形成壁1は、吐出エネルギ発生部3から吐出口1
6までの空間を囲んでおり(図2参照)、この吐出口形
成壁1によって、点線で示した吐出エネルギ発生部3の
面積よりも小さな吐出口16が形成されている。そし
て、この吐出口形成壁1の外壁17の吐出口16側の端
部に囲まれた面積より大きな面積の開口部2が配置され
ている。また隣接する液体流路4同士は、液体流路壁6
で仕切られている。ここで、吐出口16の形状は、四角
の例であるが、丸型でも星型でも形状にはこだわらずに
特性上,構造上あるいは製造上、最適な形状を選択すれ
ばよい。
【0033】この図1のX−Y線で切断した断面図が図
2である。図2に示すように、吐出口形成壁1の内壁
は、吐出エネルギ発生部3の表面から吐出口16までの
空間を囲んでおり、吐出口形成壁1の内壁の下方部が、
吐出口16方向にすぼまるテーパ形状をしている。
【0034】これにより、液体流路4の中の、吐出エネ
ルギ発生部3の上方に、吐出エネルギ発生部3の表面か
ら吐出口16までの空間を囲む吐出口形成壁1が位置
し、エネルギ発生部3の面積よりも小さな面積をもつ吐
出口16が形成されている。また、液体と大気とが接す
る界面10を保持する開口部2は、吐出口形成壁1の外
壁17の吐出口16側の端部よりの外側に位置してい
る。
【0035】吐出口16は、液体中に有り、界面10と
の距離を2μmから20μmの範囲内に設定することが
好ましい。これは、2μmより小さいと吐出口16と界
面10が接触してしまって、吐出不安定になり、また、
20μmより大きいと、所望の吐出速度が得られないた
めである。
【0036】また、液体流路4は液体流路壁6で仕切ら
れているので、開口部2を含むプレート7を液体流路壁
6の上に貼り合わせれば、液体流路が出来上がる。した
がって、今までのように、吐出口と吐出エネルギ発生部
を厳密にあわせる必要がなく製造上も楽になる。
【0037】図3は、図2に示した液体吐出ヘッドの変
形例であり、図2と図3の違いは、吐出口形成壁1の内
壁の下方底辺部15から上方の吐出口16までの形状で
ある。この形状をどのようにするかは、実際の作りやす
さと吐出特性を考慮して選択すれば良い。
【0038】次に、吐出エネルギ発生部3を加熱して発
泡させたときの、液体が吐出する様子を説明する。
【0039】まず、従来例による液体吐出ヘッドの場合
を図14により説明する。なお、図14では、説明の都
合上、ハッチング(斜線)で液体の部分を示している。
すなわちこのハッチングの部分に液体が充填されてい
る。
【0040】図14の(a)は、液体流路4に液体が満
たされている状態である。吐出口16の液体と大気とが
接する部分である界面10は、安定している。ここで、
吐出エネルギ発生部3としての発熱体に不図示の駆動回
路により通電すると、発熱し温度が上がる。吐出エネル
ギ発生部3の上部の液体(インク液等)との界面温度
が、液体の膜沸騰温度になると液体は膜沸騰をし、発泡
を始める。(b)は、発泡した状態を示している。その
後、発泡した圧力の勢いで(b),(c)のように、発
泡空間9が増大し、液体が動き、吐出口16の上方が盛
り上がり、徐々に吐出していく。そして、発泡空間9が
最大になってから、(d)のように消泡に向かう。吐出
し始めた液体は、(e),(f)のように進み、(f)
のように液滴11が、ちぎれて飛び出す。そして、
(g)のように、消泡時には、界面10は、へこんでし
まい、(h)のように、徐々に、界面10は、元の位置
の(a)の界面10に戻る。通常、この戻る時間は、発
泡して消泡するまでの時間の約2倍から6倍ぐらいにな
る。すなわち、戻る時間は、吐出口16の内径の毛細管
力によることになる。この時間が、繰返し吐出周波数を
遅くしている原因である。
【0041】次に、本実施例の場合を図7により説明す
る。なお、図7では、前述の図14と同様に、説明の都
合上、ハッチング(斜線)で液体の部分を示している。
【0042】図7の(a)は、液体流路4に液体が満た
されている状態である。開口部2の液体と大気とが接す
る部分である界面10は、安定している。ここで、吐出
エネルギ発生部3としての発熱体に不図示の駆動回路に
より通電すると、発熱し温度が上がる。吐出エネルギ発
生部3の上部の液体(インク等)との界面温度が、液体
の膜沸騰温度になると液体は膜沸騰をし、発泡を始め
る。(b)は、発泡した状態を示している。その後、発
泡した圧力の勢いで(b),(c)のように、発泡空間
9が増大し、液体が動き、界面10の一部である吐出口
16の上方が盛り上がる。このとき、吐出口16の面積
は、吐出エネルギ発生部3の面積より小さいために、吐
出エネルギ発生部3の表面から吐出口16までの空間を
囲む吐出口形成壁1の内側から勢いよく上方に液体が移
動する。そして、発泡空間9が最大になってから、
(d)のように消泡に向かう。盛り上がった液体は、
(e),(f)のように進み、(g)のように液滴11
が、ちぎれて飛び出す。すなわち、大きな開口部2か
ら、小さな液滴11が吐出速度を大きくして吐出される
ことになる。
【0043】また、(d),(e)と消泡する時に液体
を周りから供給するため、界面10の安定が早くなり、
消泡後すぐに吐出エネルギ発生部3を加熱し、発泡させ
ることができる。こうして、繰返し吐出周波数を高くす
ることが可能になる。
【0044】以上説明したように、本実施例によれば、
吐出エネルギ発生部の面積より吐出口の面積を小さく
し、吐出口を液体中に設けることにより、今までのよう
に、液体と大気との界面の形状に応じた吐出量の液滴が
吐出されるのではなく、吐出エネルギ発生部上方の液体
中の吐出口の形状に応じた吐出量の液滴が吐出される。
【0045】よって、高解像度化の小液滴化をするため
に、今までは、液体と大気との界面の形状を小さくしな
ければならなかったが、その必要がなくなり、液体と大
気との界面の形状が大きい開口部から小さな液滴を吐出
することができるようになった。
【0046】また、液体と大気との界面の形状の大きい
開口部を用いているので、開口部での液体と大気との界
面部分の液体粘度があがりにくくなり、同一ノズルの吐
出の間隔が長くなっても安定して小さな液滴を吐出でき
るようになった。
【0047】また、吐出口の開口面積が吐出エネルギ発
生部の面積より小さいことにより、吐出エネルギが吐出
口の中心により集中するため、吐出速度が速くて直進性
に優れた液滴を吐出できるようになった。
【0048】また、今までのように、消泡時に、開口部
から界面を引っ張り、界面がへこむことがないために、
所望の吐出量,吐出速度が、すばやく実現でき、繰返し
吐出周波数を非常に高くできるようになった。
【0049】また、開口部の大きさは、吐出液滴によら
ず大きくできるので、開口部付きのプレートを貼る時の
精度は低くて良いので、製造工程が容易になり、歩留ま
りがあがりコスト低減になった。
【0050】なお、本実施例では、図1,図2に示すよ
うに、吐出エネルギ発生部3の面積S1、吐出口16の
開口面積S2、開口部2の開口面積S3、液体流路壁6の
高さH1、吐出口形成壁1の高さH2、吐出口16と気液
界面10との距離L1が下記の表1の(a)に示す値と
なるように設定した。このような構成により、吐出量
2.7ngの液滴を10m/sの吐出速度で吐出するこ
とができた。また、表1の(b)に示すように、本実施
例において、吐出口16の開口面積S2を196μm
2(14μm×14μm)にすると、液滴の吐出量,吐
出速度はそれぞれ3.7ng,5m/sであった。ま
た、表1の(c)に示すように、吐出口16の開口面積
2を吐出エネルギ発生部3の開口面積S1と同じにする
と、気液界面10が突出するだけで、液滴は吐出されな
かった。このように、本実施例の液体吐出ヘッドは、液
体中に吐出口を設け、吐出口16の開口面積を吐出エネ
ルギ発生部3の面積より小さくすることにより、大きな
開口部から小さな液滴を吐出することができるものであ
り、さらには、吐出エネルギ発生部3の面積と比べて吐
出口16の開口面積を小さくするほど、より小さな液滴
をより高い吐出速度で吐出できるものであることが確認
されている。
【0051】
【表1】 (実施例2)図4は、実施例2による“液体吐出ヘッド”
の要部を示す平面図である。本実施例は、図示のよう
に、1つの開口部2に複数の吐出エネルギ発生部3を持
つ例である。図4では、一つの開口部2に対して、液体
流路4の中に、複数の吐出エネルギ発生部3を、この例
では2個持ち、その吐出エネルギ発生部3ごとに、各吐
出エネルギ発生部3の表面から各吐出口16までの空間
を囲む吐出口形成壁1を形成したものであり、各吐出エ
ネルギ発生部3の面積より各吐出口16の面積の方が小
さくなっている。また、一つの開口部2に対応する各吐
出口形成壁1は一体になっており、この開口部2の開口
面積は、この吐出口形成壁1の外壁17の吐出口16側
の端部に囲まれた面積よりも大きい。また隣接する液体
流路4同士は、液体流路壁6で仕切られている。
【0052】この図4のX−Y線で切断した断面図が図
5であり、図6はその変形例である。図5又は図6に示
すように、液体流路4の中の、2個の吐出エネルギ発生
部3の上方に、各吐出口16までの空間を囲む壁1が位
置し、各エネルギ発生部3の面積よりも小さな面積をも
つ吐出口16がそれぞれ形成されている。また、開口部
2は、吐出口16までの空間を囲む壁1の外壁の吐出口
16側の端部より外側に位置している。また、吐出口1
6は、液体中に有り、界面10との距離を2μmから2
0μmの範囲内に設定している。これは、2μmより小
さいと吐出口16と界面10とが接触してしまって吐出
不安定になり、また、20μmより大きいと、所望の吐
出速度が得られないためである。
【0053】また、隣接する液体流路4同士が、液体流
路壁6で仕切られているので、開口部2を含むプレート
7を液体流路壁6の上に貼り合わせれば、液体流路が出
来上がる。したがって、開口部2と吐出エネルギ発生部
3を厳密にあわせる必要がなく製造上も楽になる。
【0054】また、2個の吐出エネルギ発生部3の片方
を加熱して小さな液滴を吐出し、2個の吐出エネルギ発
生部3の両方を加熱して大きな液滴を吐出することがで
きる。
【0055】吐出エネルギ発生部3を加熱して発泡させ
たときの、液体が吐出する様子は実施例1の場合と同様
なので、ここでの再度の説明は省略する。本実施例で
は、実施例1に対し、2倍の吐出量をすばやく吐出する
ことができる。
【0056】以上説明したように、本実施例によれば、
吐出エネルギ発生部の面積より吐出口の面積を小さく
し、吐出口を液中に設けることにより、今までのよう
に、液体と大気との界面の形状に応じた吐出量の液滴が
吐出されるのではなく、吐出エネルギ発生部上方の液中
の吐出口の形状に応じた吐出量の液滴が吐出される。し
たがって、高解像度化の小液滴化をするために、今まで
は、液体と大気の界面の形状を小さくしなければならな
かったが、その必要がなくなり、液体と大気との界面の
形状が大きい開口部から小さな液滴を吐出することがで
きるようになった。
【0057】これにより、開口部での液体と大気との界
面部分の液体粘度があがりにくくなったため、同一ノズ
ルの吐出の間隔が長くなっても安定して液滴を吐出でき
るようになった。
【0058】また、吐出口の面積が吐出エネルギ発生部
の面積より小さいことにより、吐出エネルギが吐出口の
中心により集中するため、吐出速度が速くて直進性に優
れた液滴を吐出できるようになった。
【0059】更に、一つの開口部から複数の液滴を吐出
することができ階調記録もできるようになった。
【0060】また、今までのように、消泡時に、開口部
から界面を引っ張り、界面がへこむことがないために、
所望の吐出量,吐出速度が、すばやく実現でき、繰返し
吐出周波数を非常に高くすることができるようになっ
た。
【0061】また、開口部の大きさを吐出液滴によらず
大きくできるので、開口部付きのプレートを貼る時の精
度は低くて良いなって、製造工程が容易になり、その結
果、歩留まりが上がりコスト低減になった。
【0062】(実施例3)実施例3は、実施例1による
液体吐出ヘッド(図2参照)を、窒化シリコン膜を用い
た半導体製造プロセスで製造する例である。図8は、実
施例1の液体吐出ヘッドの要部である、吐出口16まで
の空間を囲む吐出口形成壁1と液体流路を囲む壁6の製
造方法を説明するための図である。この要部以外の部分
は従来どおりの適宜の方法で製造すればよく、ここでの
説明は省略する。
【0063】図8の(a)は、吐出エネルギ発生部3が
搭載されている基板8の上部断面を示している。この基
板8の上に、アルミニウムをスパッターして、それをパ
ターニングして更に、テーパエッチングして、これから
載せる窒化シリコン膜(SiN膜)をエッチングすると
きに基板8にダメージを与えないようにし、同時に、吐
出口16までの空間を囲む壁1の内壁の下方底辺部15
より上方に湾曲させる空間を作るエッチングストップ層
12を(b)のように形成する。
【0064】それからその上に、プラズマCVD等で
(c)のようにSiN膜13を高速成膜して吐出口16
までの空間を囲む壁1,液体流路を囲む壁6の材料とす
る。そして、その上にアルミニウムをスパッターして、
それをエッチングして、液体流路用の空間を空けるため
のエッチングマスク層14を(d)のように形成する。
【0065】そして、SiN膜13をエッチングストッ
プ層12まで高速エッチングして(e)のように形成
し、最後に、エッチングストップ層12とエッチングマ
スク層14のアルミニウムを除去して(f)のように、
吐出口16までの空間を囲む壁1,液体流路を囲む壁6
を形成する。
【0066】このように、半導体製造プロセス上で製造
できるので、非常に精度も上がりコストも低減できる。
また、吐出口16までの空間を囲む壁1と液体流路を囲
む壁6の高さを同じにすると製造工程を簡略化できる。
そして、この吐出口16までの空間を囲む壁1と液体流
路を囲む壁6の上に、開口部2を含むプレート7を貼り
合わせれば液体流路4が出来上がり、今までのように、
吐出口と吐出エネルギ発生部を厳密に合わせる必要がな
く製造上も楽になる。
【0067】同様に、実施例1の変形例である液体吐出
ヘッド(図3参照)の吐出口16までの空間を囲む吐出
口形成壁1と液体流路を形成するための液体流路壁6の
製造方法を、図9にしたがって説明する。
【0068】図9の(a)は、吐出エネルギ発生部3が
搭載されている基板8の上部断面を示している。この基
板8の上に、アルミニウムをスパッターして、それをエ
ッチングして、これから載せる窒化シリコン膜(SiN
膜)をエッチングするときに基板8にダメージを与えな
いようにし、吐出エネルギ発生部3の面積より吐出口1
6の面積を小さくするためのエッチングストップ層12
を(b)のように形成する。
【0069】それからその上に、プラズマCVD等で
(c)のようにSiN膜13を高速成膜して、吐出口1
6までの空間を囲む壁1と液体流路壁6の材料とする。
そして、その上にアルミニウムをスパッターして、それ
をエッチングして、液体流路用の空間を空けるためのエ
ッチングマスク層14を(d)のように形成する。
【0070】そして、SiN膜13をエッチングストッ
プ層12まで高速エッチングして(e)のように形成
し、最後に、エッチングストップ層12とエッチングマ
スク層14のアルミニウムを除去して(f)のように、
吐出口形成壁1、液体流路壁6を形成する。
【0071】このように吐出口形成壁1と液体流路壁6
の高さを同じにすると製造工程を簡略化できる。
【0072】なお、本実施例では、吐出口形成壁1およ
び液体流路壁6を窒化シリコンで形成しているが、これ
に限らず、酸化シリコンまたは炭化シリコンで形成する
こともできる。
【0073】(実施例4)実施例4は、実施例1の変形
の液体吐出ヘッド(図3参照)を感光性樹脂を用いた半
導体製造プロセスで製造する例である。図10,図11
は、図3に示した実施例1の変形例の、液体吐出ヘッド
の要部の製造方法、ずなわち、吐出口形成壁1と液体流
路壁6の部分の製造方法を説明する図である。この要部
以外の部分は従来どおりに製造すればよく、ここでの説
明は省略する。
【0074】図10の(a)は、吐出エネルギ発生部3
が搭載されている基板8の上部断面の一部を示してい
る。この基板8の上に、液状のネガレジストタイプの第
一の感光性樹脂をスピンコートして、(b)の18のよ
うに形成する。この状態で、フォトマスクをかけて
(c)の第一の感光性樹脂膜の露光部分19を残すよう
に露光する。これを、現像処理して未露光部分の20を
取り去りベークすれば、(d)のように液体流路壁の一
部を形成できる。
【0075】更に、その上に、フィルム状のネガレジス
トタイプの第二の感光性樹脂膜を貼付け、(e)の21
のように形成する。この状態で、フォトマスクをかけて
(f)の第二の感光性樹脂膜の露光部分22を残すよう
に露光する。これを、現像処理して未露光部分の23を
取り去りベークすれば、(g)のように吐出口形成壁1
と液体流路壁6を形成することができる。
【0076】このように吐出口形成壁1と液体流路壁6
の高さが同じにすると製造工程を簡略化できる。そし
て、この吐出口形成壁1と液体流路壁6の上に、開口部
2を含むプレート7を貼り合わせるだけで液体流路が出
来上がり、今までのように、吐出口と吐出エネルギ部を
厳密に合わせる必要がなく製造上も楽になる。
【0077】図10の工程に続けて、図10の(g)の
構成の上にフィルム状のネガレジストタイプの第三の感
光性樹脂膜を貼付け、図11の(h)の24のように形
成する。この状態で、フォトマスクをかけて(i)に示
すように第三の感光性樹脂膜の露光部分25を残すよう
に露光する。これを、現像処理して未露光部分の26を
取り去りベークすれば、(j)に示すように開口部2を
含むプレート7が形成でき、半導体製造プロセス上で製
造できるので、非常に精度も上がりコストも低減でき
る。
【0078】(実施例5)図12は、実施例5である
“液体吐出装置”の概略構成を示す斜視図である。本実
施例は、図1および図2に示した液体吐出ヘッドを有す
るヘッドカートリッジ200を搭載した装置である。
【0079】図12に示される液体吐出装置では、互い
に平行な、リードスクリュー304およびガイド軸30
5が筐体に備えられている。リードスクリュー304お
よびガイド軸305には、キャリッジ301がリードス
クリュー304およびガイド軸305と平行な方向に移
動可能に取り付けられている。キャリッジ301は、キ
ャリッジモータ(不図示)によってリードスクリュー3
04が回転されることで平行移動させられる。
【0080】キャリッジ301には、図1および図2に
示したような液体吐出ヘッド100を備えたヘッドカー
トリッジ200が搭載されている。液体吐出ヘッド10
0の吐出面の移動軌跡面の近傍には、紙押さえ板309
が備えられている。
【0081】また、本液体吐出装置には、記録媒体であ
る記録用紙306を液体吐出ヘッド100の記録領域に
向けて搬送する給紙ローラ307と、液体吐出ヘッド1
00により記録された記録用紙306を排出するための
排紙ローラ308とが備えられている。給紙ローラ30
7および排紙ローラ308は、不図示のモータにより回
転される。そのモータや、給紙ローラ307および排紙
ローラ308などから、ヘッドカートリッジ200の液
体吐出ヘッド100から吐出された液体を受ける記録用
紙306を搬送する記録媒体搬送機構が構成されてい
る。そして、記録媒体搬送機構による記録用紙306の
搬送方向と交差する方向にキャリッジ301が往復移動
する。
【0082】液体吐出ヘッド100から吐出されるイン
クが、液体吐出ヘッド100の吐出口面と対向する記録
用紙306に付着することによって、記録用紙306の
表面に記録画像が形成される。液体吐出ヘッド100に
よる記録用紙306への記録と連動して、モータにより
回転される給紙ローラ307および排紙ローラ308
と、紙押さえ板309とによって記録用紙306が液体
吐出装置の外部に排出される。
【0083】(本発明の関連技術)なお、本発明は、特
にインクジェット記録方式の中でも、液体の吐出を行わ
せるために利用されるエネルギとして熱エネルギを発生
する手段を備え、前記熱エネルギによりインクの状態変
化を生起させる方式の液体吐出ヘッド、この液体吐出ヘ
ッドを用いた液体吐出装置において優れた効果をもたら
すものである。かかる方式によれば記録の高密度化,高
精細化が達成できるからである。
【0084】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク液等)が
保持されているシートや液路に対応して配置されている
電気熱変換体(本発明においては、吐出エネルギ発生部
3である。)に、記録情報に対応していて膜沸騰を越え
る急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を
印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発
生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせ
て、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体内の
気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長,収
縮により吐出用開口を介して液体を吐出させて、少なく
とも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状と
すると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特
に応答性に優れた液体の吐出が達成でき、より好まし
い。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4
463359号明細書,同第4345262号明細書に
記載されているようなものが適している。なお、前記熱
作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313
124号明細書に記載されている条件を採用すると、さ
らに優れた記録を行うことができる。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
小液滴においても、吐出の間隔が長くなっても吐出する
ことができ、液滴の吐出速度を上げることができ、更
に、繰り返し吐出周波数を非常に高くすることのでき
る。
【0086】詳しくは、請求項1記載の発明によれば、
吐出エネルギ発生部上方の液体中の吐出口の形状に応じ
た吐出量の液滴が吐出されるので、高解像度化の小液滴
化をするために、液体と大気との界面の形状を小さくす
る必要がなくなり、また吐出エネルギが吐出口の中心に
より集中するため、吐出速度が速くて直進性に優れた液
滴を吐出できる。請求項2記載の発明によれば、開口部
を大きくできるため、開口での液体と大気との界面部分
の液体粘度があがりにくく、同一ノズルの吐出の間隔が
長くなっても安定して液滴を吐出できる。請求項3記載
の発明によれば、一つの開口部から複数の液滴を吐出す
ることができ階調記録もできる。
【0087】請求項10記載の発明によれば、この吐出
口形成壁と液体流路壁の上に、開口部を含むプレート7
を貼り合わせれば液体流路が形成でき、製造工程を簡略
化できる。
【0088】請求項13,16記載の発明によれば、半
導体製造プロセス上で製造できるので、非常に精度も上
がりコストも低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の要部を示す平面図
【図2】 図1のX−Y線で切断した断面図
【図3】 図2の変形例の断面図
【図4】 実施例2の要部を示す平面図
【図5】 図4のX−Y線で切断した断面図
【図6】 図5の変形例の断面図
【図7】 実施例1における液滴の吐出過程を示す図
【図8】 実施例3の製造方法を示す図
【図9】 実施例3の変形の製造方法を示す図
【図10】 実施例4の製造方法を示す図(その1)
【図11】 実施例4の製造方法を示す図(その2)
【図12】 実施例5の概略構成を示す断面図
【図13】 従来例の要部を示す断面図
【図14】 従来例における液滴の吐出過程を示す図
【符号の説明】
3 吐出エネルギ発生部 4 液体流路 16 吐出口

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を滴として吐出するために利用され
    るエネルギを発生する吐出エネルギ発生部と、該吐出エ
    ネルギ発生部に対向して配置された吐出口とを備える液
    体吐出ヘッドであって、前記吐出口の面積が前記吐出エ
    ネルギ発生部の面積より小さく、前記吐出口は前記液体
    中に設けられていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の液体吐出ヘッドにおい
    て、前記吐出口と対向する位置に、液体と大気が接する
    界面を保持する開口部を備え、この開口部の面積は前記
    吐出口の面積より大きいことを特徴とする液体吐出ヘッ
    ド。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の液体吐出ヘッドにおい
    て、複数の吐出口に対向して1つの開口部が設けられて
    いることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の液体吐出ヘッドにおい
    て、前記吐出口の前端から液体と大気が接する界面まで
    の距離が2μmから20μmの範囲内であることを特徴
    とする液体吐出ヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の液体吐出ヘッドにおい
    て、前記吐出エネルギ発生部に対応して、前記吐出エネ
    ルギ発生部上へ液体を供給する液体流路が設けられてい
    ることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の液体吐出ヘッドにおい
    て、前記吐出エネルギ発生部の表面から前記吐出口まで
    の空間を、吐出口形成壁が囲んでいることを特徴とする
    液体吐出ヘッド。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の液体吐出ヘッドにおい
    て、前記吐出エネルギ発生部に対応して、該吐出エネル
    ギ発生部上へ液体を供給する液体流路が設けられている
    ことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の液体吐出ヘッドにおい
    て、前記吐出口と対向する位置に、液体と大気が接する
    界面を保持する開口部が設けられていることを特徴とす
    る液体吐出ヘッド。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の液体吐出ヘッドにおい
    て、前記開口部の面積は、前記吐出口形成壁の外壁の前
    記吐出口側の端部に囲まれた面積より大きいことを特徴
    とする液体吐出ヘッド。
  10. 【請求項10】 請求項7記載の液体吐出ヘッドにおい
    て、前記吐出口形成壁の高さと、前記液体流路を形成す
    るための液体流路壁の高さとは、同じ高さであることを
    特徴とする液体吐出ヘッド。
  11. 【請求項11】 請求項1記載の液体吐出ヘッドにおい
    て、該液体吐出ヘッドは、前記吐出エネルギ発生部に発
    生する熱エネルギーにより液体に膜沸騰を生起させて液
    体を滴として吐出するものであることを特徴とする液体
    吐出ヘッド。
  12. 【請求項12】 請求項1記載の液体吐出ヘッドを搭載
    し、該液体吐出ヘッドから液体を滴として吐出して記録
    媒体に付着させる液体吐出装置であって、記録媒体を搬
    送する搬送手段を備えていることを特徴とする液体吐出
    装置。
  13. 【請求項13】 液体を滴として吐出するために利用さ
    れるエネルギを発生する吐出エネルギ発生部と、該吐出
    エネルギ発生部に対向して前記液体中に配置された吐出
    口と、前記吐出エネルギ発生部に対応して設けられ、該
    吐出エネルギ発生部上へ液体を供給する液体流路と、前
    記エネルギ発生部の表面から前記吐出口までの空間を囲
    む吐出口形成壁と、前記液体流路を形成するための液体
    流路壁と、を備え、前記吐出口の面積が該吐出口と対向
    する前記吐出エネルギ発生部の面積より小さい液体吐出
    ヘッドを製造するための液体吐出ヘッドの製造方法であ
    って、 前記吐出口形成壁と前記液体流路壁とを、前記吐出エネ
    ルギ発生部が設けられた基板上に半導体製造プロセスで
    一括して形成することを特徴とする液体吐出ヘッドの製
    造方法。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の液体吐出ヘッドの
    製造方法において、前記半導体製造プロセスは、 前記吐出エネルギ発生部が設けられた基板を準備する工
    程と、 該基板上の前記吐出エネルギ発生部の表面から前記吐出
    口までの空間の下部に対応する位置にエッチングストッ
    プ層を形成する工程と、 前記基板および前記エッチングストップ層上に前記吐出
    口形成壁の材料または前記液体流路壁の材料となる膜を
    積層する工程と、 前記膜上の前記吐出口形成壁または前記液体流路壁に対
    応する位置にエッチングマスク層を形成する工程と、 前記膜をエッチングすることにより、前記吐出口形成壁
    と前記液体流路壁とを一括して形成する工程と、 前記エッチングストップ層と前記エッチングマスク層と
    を除去する工程と、を備えたことを特徴とする液体吐出
    ヘッドの製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項13記載の液体吐出ヘッドの製
    造方法において、前記吐出口形成壁および前記液体流路
    壁を、窒化シリコンまたは酸化シリコンまたは炭化シリ
    コンで形成することを特徴とする液体吐出ヘッドの製造
    方法。
  16. 【請求項16】 請求項13記載の液体吐出ヘッドの製
    造方法において、前記吐出口形成壁および前記液体流路
    壁を、感光性樹脂で形成することを特徴とする液体吐出
    ヘッドの製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項16記載液体吐出ヘッドの製造
    方法において、前記感光性樹脂は、前記吐出エネルギ発
    生部を搭載している基板上にスピンコート法により形成
    した薄膜であることを特徴とする液体吐出ヘッドの製造
    方法。
  18. 【請求項18】 請求項16記載の液体吐出ヘッドの製
    造方法において、前記吐出口形成壁と前記液体流路壁と
    の上に、フィルム状の感光性樹脂膜を貼り合わせて、前
    記液体流路を形成することを特徴とする液体吐出ヘッド
    の製造方法。
  19. 【請求項19】 液体を滴として吐出するために利用さ
    れるエネルギを発生する吐出エネルギ発生部と、該吐出
    エネルギ発生部に対向して前記液体中に配置された吐出
    口と、前記吐出エネルギ発生部に対応して設けられ、該
    吐出エネルギ発生部上へ液体を供給する液体流路と、前
    記吐出口と対向する位置に設けられ、液体と大気が接す
    る界面を保持する開口部と、前記エネルギ発生部の表面
    から前記吐出口までの空間を囲む吐出口形成壁と、前記
    液流路を形成するための液体流路壁と、前記開口部を形
    成する開口部形成部材と、を備え、前記吐出口の面積が
    該吐出口と対向する前記吐出エネルギ発生部の面積より
    小さく、前記開口部の面積が該開口部が対向する吐出口
    を形成する前記吐出口形成壁の外壁の前記吐出口側の端
    部に囲まれた面積より大きい液体吐出ヘッドを製造する
    ための液体吐出ヘッドの製造方法であって、 前記吐出口形成壁、前記液体流路壁および前記開口部形
    成部材を、前記吐出エネルギ発生部が設けられた基板上
    に半導体製造プロセスで形成することを特徴とする液体
    吐出ヘッドの製造方法。
  20. 【請求項20】 請求項19記載の液体吐出ヘッドの製
    造方法において、 前記半導体製造プロセスは、 前記前記吐出エネルギ発生部が設けられた基板を準備す
    る工程と、 前記基板上に、前記吐出口形成壁の下部の材料または前
    記液体流路壁の下部の材料となる第1の膜を形成する工
    程と、 前記第1の膜の一部を除去することにより、前記吐出口
    形成壁の下部と前記液体流路壁の下部とを一括して形成
    する工程と、 前記吐出口形成壁の下部上および前記液体流路壁の下部
    上に、前記基板を覆うように、前記吐出口形成壁の上部
    の材料または前記液体流路壁の上部の材料となる第2の
    膜を形成する工程と、 前記第2の膜の一部を除去することにより、前記吐出口
    形成壁の上部と前記液体流路壁の上部とを一括して形成
    する工程と、 前記吐出口形成壁の上部上および前記液体流路壁の上部
    上に、前記基板を覆うように、前記開口部形成部材の材
    料となる第3の膜を形成する工程と、 前記第3の膜の一部を除去することにより、前記開口部
    形成部材を形成する工程と、を備えたことを特徴とする
    液体吐出ヘッドの製造方法。
  21. 【請求項21】 請求項19記載の液体吐出ヘッドの製
    造方法において、前記開口部形成部材を、感光性樹脂の
    プレートで形成することを特徴とする液体吐出ヘッドの
    製造方法。
  22. 【請求項22】 請求項21記載液体吐出ヘッドの製造
    方法において、前記感光性樹脂のプレートは、前記液体
    流路壁の上に貼り合わせられたフィルム状の膜であるこ
    とを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7364267B2 (en) 2003-10-22 2008-04-29 Canon Kabushiki Kaisha Liquid ejection head

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US7364267B2 (en) 2003-10-22 2008-04-29 Canon Kabushiki Kaisha Liquid ejection head

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