JP2002144018A - 軽量高強度部材の製造方法 - Google Patents

軽量高強度部材の製造方法

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JP2002144018A
JP2002144018A JP2000335713A JP2000335713A JP2002144018A JP 2002144018 A JP2002144018 A JP 2002144018A JP 2000335713 A JP2000335713 A JP 2000335713A JP 2000335713 A JP2000335713 A JP 2000335713A JP 2002144018 A JP2002144018 A JP 2002144018A
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Keiji Nakahara
啓二 仲原
Yasuaki Mizugaki
保彰 水垣
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MURAYAMA TEKKOSHO KK
Yorozu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所望の機械的特性を有する自動車の足周り部
品のような軽量高強度部材を製造し得るようにする。 【解決手段】 自動車の足周り部品などの軽量高強度部
材の製造方法であって、Siを4.0 〜10.5重量%含有
し、Cuを0.3 〜1.3 重量%含有するアルミニウム合金
の溶湯を鋳型内に加圧注入して予成形品を鋳造し、予成
形品を鍛造型を用いて熱間鍛造加工により最終成形品を
成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルミニウム材料を
使用した軽量高強度部材の製造方法に関し、特に、自動
車用サスペンションリンクなどの足周り部品の製造に適
用して有用な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用のサスペンションリンクの素材
として鋼材に代えてアルミニウム合金を使用できれば、
サスペンションリンクの軽量化を達成することができる
ことから、サスペンションリンクのように高強度が求め
られる部品についても、アルミニウム合金材料の使用が
研究されている。アルミニウム合金を使用した場合でも
サスペンションリンクとしては、引張強度と耐力と伸び
などの機械的特性が所望の値となるようにすることが必
要である。
【0003】アルミニウム合金を素材としてサスペンシ
ョンリンクなどを製造するには、まず、溶湯を鋳型に注
入して鋳造品つまり予成形品を鋳造し、この予成形品を
鍛造型を用いて鍛造加工により最終成形品つまり鍛造品
を成形し、次いで、鍛造品を熱処理することが行われて
おり、従来では、鋳造工程は鋳型の中に溶湯をその自重
で注入するようにした重力鋳造が行われている。
【0004】アルミニウム材料を用いて重力鋳造するに
は、溶湯の鋳型内における流動性つまり鋳造性が良好で
あって、鋳造割れなどの鋳造欠陥が発生しないようにす
ることが重要となる。アルミニウム材料の鋳造性を向上
させるには、アルミニウム合金にSiを含有させること
が知られているが、アルミニウムに含有させるSi量を
多くすると、伸び率などの引張特性が劣り、機械特性に
優れた鍛造製品を得ることができない。
【0005】そこで、従来では鋳造性を確保しながら引
張特性を高めるために、共晶Siを微細化するようにし
た技術が、たとえば、特開平5-9637号公報(公知例1)
および特開平7-109536号公報(公知例2)に示されるよ
うに提案されている。この場合には、AC4CやAC4
CHなどの従来のアルミニウム合金に比較して共晶Si
を微細化するために、Siを2.0 〜3.0 重量%に低減し
た溶湯を用いて予成形品を重力鋳造し、その予成形品を
鍛造加工するようにしている。これらの技術にあって
は、共晶Siの平均粒径を20μm以下に微細化するた
めに、Pの含有量、Fe含有量を規制するようにした
り、Na,Sr,Sbなどを添加するようにしている。
【0006】一方、特開平8-3675号公報(公知例3)
は、Siを0.6 〜3.0 重量%とし、鍛造時の熱間割れを
防止するために、合金設計値から換算したMg2 Si量
が1.5重量%以上となるように合金成分を調整した鍛造
用アルミニウム合金を開示しており、鋳造時における鋳
造冷却速度を低下させてゆっくりと冷却するようにして
いる。また、特開平9-3581号公報(公知例4)は、Si
を6.5 〜8.重量%含むアルミニウム材料を鋳造する際に
溶湯を電磁攪拌または機械攪拌することにより初晶デン
ドライトを塊状化するようにした技術を開示している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】鋳造により成形された
予成形品を鍛造加工して最終成形品を得るようにした従
来の軽量高強度部材にあっては、鋳造工程は溶湯を自重
によって鋳型の中に注入するようにした重力鋳造を用い
ており、公知例1および公知例2にあっては、Si含有
量を低減して共晶Si量を低減するとともに共晶Siを
微細化するようにしているが、Si含有量を低減する
と、鋳造割れが発生することになる。これを改善するた
めに、公知例3では、Mg2 Si量およびSi量を増加
させるべく、鋳造冷却速度を緩慢化させるようにしてお
り、デンドライトの樹枝間が粗大化し、耐力値を確保す
ることができなくなるおそれがある。
【0008】一方、高強度部材の生産性の向上を達成す
るには、重力鋳造よりも加圧鋳造が優れているが、加圧
鋳造を行うと重力鋳造よりも共晶Siが凝集して大きな
塊となり、機械特性の低下原因となることから従来は重
力鋳造が採用されていた。
【0009】そこで、サスペンションリンクなどの高強
度部材をアルミニウム合金を使用して鋳造工程と鍛造工
程とにより製造し、所望の引張強度と耐力と伸び値とを
有する軽量高強度部材を得るために本発明者は種々の実
験と研究を行った。
【0010】その結果、重力鋳造で予成形品を鋳造する
際にはSiの含有量をいかに低減するかに技術課題が注
がれていたが、Si含有量を4.0 〜10.5重量%として従
来技術よりも多く含有させるとともにCuを0.3 〜1.3
重量%含有させると、加圧鋳造によって予成形品の成形
を行っても、共晶Siの凝集が粗大化せずに、結晶粒を
微細化することができ、自動車の足周り部品として必要
な所望の機械的特性値を有する製品を製造することがで
きることが判明した。
【0011】本発明の目的は、所望の機械的特性を有す
る自動車の足周り部品のような軽量高強度部材を製造し
得るようにすることにある。
【0012】本発明の他の目的は、アルミニウム合金の
溶湯を用いて鋳造する際に、鋳造割れを発生させること
なく、能率的に鋳造し、かつ所望の機械的特性値を有す
る軽量高強度部材を製造し得るようにすることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の軽量高強度部材
の製造方法は、自動車の足周り部品などの軽量高強度部
材の製造方法であって、Siを4.0 〜10.5重量%、Cu
を0.3 〜1.3 重量%含有するアルミニウム合金の溶湯を
鋳型内に注入して予成形品を鋳造する工程と、前記予成
形品を鍛造型を用いて熱間鍛造加工により最終成形品を
成形する工程とを有することを特徴とする。
【0014】本発明の軽量高強度部材の製造方法は、鋳
造工程は溶湯の加圧圧力を39MPa以上の圧力で加圧
鋳造することを特徴とする。
【0015】本発明の軽量高強度部材の製造方法は、鍛
造加工後の部材を530〜545℃の温度で4〜10時
間加熱する溶体化工程と、焼入れする工程と、170〜
180℃の温度で6〜10時間加熱する時効工程とを有
することを特徴とする。
【0016】本発明にあっては、Siを4.0 〜10.5重量
%含み、かつCuを0.3 〜1.3 重量%むアルミニウム合
金の溶湯を用いて鋳造により予成形品を形成し、この予
成形品を鍛造型を用いて鍛造加工により最終成形品を成
形する。鋳造工程としては、溶湯の加圧圧力を39MP
a以上の圧力で加圧鋳造を行うことができる。これによ
り、共晶Siが充分に分散化され、伸び値を所望値とす
ることが可能な軽量高強度部材を製造することができ
た。
【0017】この理由は、アルミニウム合金を加圧して
冷却凝固させると、α組織部つまりデンドライトが形成
されるが、Siが4.0 重量%未満では、それぞれのデン
ドライトの樹枝間のスペースつまりアーム間隔が狭くな
るので、Siが樹枝間のスペース内に滞留せず、Siが
デンドライト樹枝間の外部に排出されることになると推
測される。排出されたSiは、アルミニウムと共晶組織
を形成するとともに互いに凝集してデンドライト組織の
外部に塊状の固まりとなって生成される。共晶Siは殆
ど靱性を持たないことから、引張強度、耐力および伸び
値を低下させる原因となる。
【0018】これに対して、Siを4.0 重量%以上にす
ると、樹枝間隔のスペースが広くなって、加圧下での凝
固過程で生成されるSiとAlからなる共晶Siは広い
樹枝間に捕捉されることになり、鋳造組織の全体に共晶
Siが分散されることから凝集する共晶Siが少なくな
ることが判明した。共晶Siが分散され凝集される量が
少なくなると引張強度や耐力のみならず伸び値を向上さ
せることが可能となる。特に、4%以下の低Siの溶湯
を加圧鋳造した場合には、共晶Siの凝集が見られた
が、4%以上の高Siの溶湯を加圧鋳造すると、共晶S
iの凝集現象は低減した。
【0019】一方、Siを10.5重量%以上含有させる
と、伸び値が低下することが判明した。この理由はデン
ドライトの発生密度が減少して共晶組織が増加すること
になるからであると考えられる。したがって、Siを4.
0 〜10.5重量%含有するアルミニウム合金を用いると、
所要な機械的特性を有する軽量高強度部材を得ることが
できる。
【0020】加圧鋳造としては、注入圧力を39MPa
以上の圧力、たとえば98MPa程度とし、注入速度
を、たとえば30cm/秒以上とした。加圧鋳造により予
成形品を成形すると、冷却速度を早くすることができ、
鋳造組織の微細化を図り、高い耐力値を獲得することが
できる。具体的には、樹枝間のスペースは約30μm以
下に微細化され、その中に共晶Siが捕捉されることに
なる。ただし、冷却速度を早くすることができれば、重
力鋳造によっても、同様の効果を得ることができる。共
晶Siの樹枝間への捕捉に加えて、素材にSr,Sb,
Ti,Bなどを添加することによってSi共晶を微細化
することができ、伸び値を高めることができる。
【0021】特に、Cuを0.3 〜1.3 %含有させると、
Siを4.0 〜10.5重量%としても、鋳造時に共晶Siの
凝集の発生を防止することができ、伸び値などの機械的
特性を向上させることができる。一方、Cuに加えてM
gを0.3 〜1.3 重量%含有させることによって、耐力値
を向上させることができる。
【0022】鋳造後の予成形品は熱間鍛造加工により最
終製品の形状に成形される。鍛造加工に際しては、鋳造
品を350〜450℃に加熱して熱間鍛造を行ってお
り、これにより、伸び値が10%以上となる。この伸び
値は自動車用の足周り部品として充分な値である。鍛造
加工を行う前の予成形品の伸び値は、7〜15%程度の範
囲にばらついたが、鍛造加工によって伸び値を平均化す
ることができる。この理由は、鋳造組織は若干の偏析分
散の不均一性が存在するからであると考えられるが、鍛
造加工を施すことによって不均一性が緩和されるととも
に、偏析分散の無害化が図られて、伸び値が向上し、そ
のばらつきがなくなるからであると考えられる。
【0023】引張試験データによると引張強度と耐力値
については、鋳造品と鍛造品とでは差異はなく、所要の
耐力値は鋳造段階で確保する必要があるが、鋳造段階で
素材を前述した元素配合として樹枝間スペースに共晶S
iを捕捉するようにし、さらに微細化することが重要で
ある。このように、耐力値について差異がないことか
ら、伸び値が低くても良い場合には、鍛造加工を行うこ
となく、鋳造品を製品として使用することもできる。
【0024】鍛造品はT6 熱処理される。この熱処理は
鍛造品を530〜545℃の温度で4〜10時間加熱す
る溶体化工程と、加熱後に水冷する水焼入れ工程と、1
70〜180℃の温度で6〜10時間加熱する時効工程
とを有している。溶体化工程においてα組織部の中にM
g,Cu,Siなどの合金成分が取り込まれて固溶量が
増加し、焼入れにより増加した固溶量がα組織の中に固
定される。
【0025】溶体化処理の温度を高くすると、共晶部の
合金成分が溶解つまりバーニングすることになり、製品
特性を低下させることになる。これに対して、本発明に
あっては、Si量を前述したように、4.0 〜10.5%の範
囲としたので、共晶Siがデンドライトの樹枝間に取り
込まれて分散化され、凝集される共晶Si量が低減され
ることになり、溶体化温度を従来より高くすることがで
き、製品特性を向上させることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】図1は軽量高強度部材の一例であ
るサスペンションリンクの製造工程を示す工程図であ
り、前述した成分のアルミニウム材料は溶融炉などにお
いて溶融状態とされる。溶湯温度730℃に加熱された
溶湯は、鋳造工程の鋳型に注入圧力98MPaの圧力で
注入される。これにより、鋳造品である予成形品が形成
される。鋳造品は350℃に予熱した後に鍛造金型によ
り熱間鍛造加工され、最終成形品に成形される。
【0027】鍛造品は鍛造加工時に発生したランド部と
言われるバリがトリミング工程において除去された後
に、蛍光探傷検査工程に送られて製品検査を行い、適正
な製品については熱処理を行うことにより最終製品が製
造され、さらに必要な機械加工が施される。
【0028】図2は鋳造工程に用いる横型締め縦鋳込み
式高圧鋳造装置10を示す図であり、この鋳造装置はそ
れぞれ金属製の第1と第2の鋳型11,12を有し、そ
れぞれの鋳型11,12には鋳造製品の形状に対応した
凹部13が形成されている。一方の鋳型12は他方の鋳
型11に対して水平方向に接近離反移動自在となり、両
方の鋳型を型締めすることにより、それぞれの凹部13
により鋳造製品に対応したキャビティが形成されること
になる。
【0029】鋳型11,12の下方には支持軸14によ
りこれを中心に揺動自在となった溶湯注入機15が設け
られており、この溶湯注入機15は射出スリーブ16内
に往復動自在に設けられたプランジャ17を有し、この
プランジャ17は加圧シリンダ18によって駆動される
ようになっている。この高圧鋳造装置10を用いて予成
形品を鋳造するには、溶湯を射出スリーブ16内に供給
した後に、一方の鋳型12を他方の鋳型11に接近させ
るとともに射出スリーブ16が型合わせ面に対して直線
状となるように溶湯注入機15を揺動させる。さらに、
射出スリーブ16を鋳型11,12に向けて接近させて
密着させた後に、加圧シリンダ18を駆動してキャビテ
ィ内に溶湯を注入する。注入速度は30cm/ 秒とした。
【0030】
【実施例】図3は組成A〜Cの3種類の材料を用いた実
施例の機械的特性を示す特性線図であり、図3(A1)
は組成Aの材料を用いて加圧鋳造により得られた予成形
品の機械的特性を示し、図3(A2)はその予成形品を
熱間鍛造加工により成形した後の最終成形品の機械的特
性を示す。同様に、図3(B1)は組成Bの材料を用い
て加圧鋳造により得られた予成形品の機械的特性を示
し、図3(B2)はその予成形品を熱間鍛造加工により
成形した後の最終成形品の機械的特性を示し、図3(C
1)は組成Cの材料を用いて加圧鋳造により得られた予
成形品の機械的特性を示し、図3(C2)はその予成形
品を熱間鍛造加工により成形した後の最終成形品の機械
的特性を示す。なお、実際の製品を製造する際には、予
成形品を用いて熱間加工により最終成形品を成形した後
には、T6処理を行うが、予成形品と最終製品との機械
的特性値を比較のために、予成形品と最終製品のそれぞ
れについて、T6熱処理を行った。A〜Cの組成は以下
の通りである。
【0031】組成AはSiが3.50%、Mgが0.39%、C
uが0.66%、Feが0.09%であり、組成BはSiが5.00
%、Mgが0.39%、Cuが0.80%、Feが0.10%であ
り、組成CはSiが7.20%、Mgが0.42%、Cuが0.87
%、Feが0.12%である。
【0032】引張強さおよび0.2 %耐力については、鋳
造後の予成形品と最終製品ともにSi量が増加するに伴
って向上することが判明し、これらの特性値は予成形品
と最終製品とでは差異は大きくないが、鍛造加工後の最
終製品の7%Siは、引張強さが373MPa、0.2 %
耐力が255MPaと高い数値が得られた。これらの特
性値のばらつきは、鋳造後に比べて鍛造加工によって安
定する傾向があると判明した。
【0033】伸び値についても鋳造後の予成形品と最終
製品ともにSi量が増加するに伴って向上することが判
明し、鋳造後と鍛造後で比較とする、各Si量のそれぞ
れについて、鍛造加工により伸び値が5%向上すること
が判明した。特に、7%Si量では、鍛造後の伸び値は
15%以上と高い数値が得られた。伸び値のばらつきに
ついても、Si量による改善効果が明瞭であり、7%S
i量では加圧鋳造後および鍛造加工後ともにばらつきが
安定することが判明した。
【0034】これに対して、Si量が3重量%の場合に
は、図3(A2)に示すように、伸び値のばらつきが大
きくなってしまい、量産品としては好ましいと言えず、
Siが4重量%以下となると、伸び値のばらつきが大き
くなった。一方、Si量を10.5重量%以上とすると、デ
ンドライトの発生密度が低下し、Si共晶の占有率が多
くなり、Cuを前述した重量%含有させても、10%以
上の伸び値は期待できない。
【0035】以上のように、4〜10.5重量%のSiと0.
3 〜1.3 重量%のCuとを含有するアルミニウム合金を
素材として、加圧鋳造のように溶湯を急速に冷却しなが
ら鋳造して予成形品を成形した後に鍛造金型により最終
成形品を形成すると、良好な機械的特性を有する高強度
部材が得られることが判明した。
【0036】図4(A)〜図4(C)は、前述した組成
A〜Cの予成形品についてのミクロ組織を示す顕微鏡写
真であり、Si共晶の捕捉状況が示されている。図4
(A)に示されるように、Si量が3重量%の場合には
デンドライトの樹枝間のスペースが狭くなり、共晶Si
が外部に排出されて樹枝間には捕捉されていないことが
分かる。これに対して、図4(B),(C)に示すよう
に、Si量を5重量%とした場合および7重量%とした
場合には、樹枝間のスペースに共晶Siが捕捉されてい
ることが分かる。
【0037】図5(A)〜図5(C)は組成A〜Cの予
成形品について、捕捉されなかった塊状共晶偏析の発生
状況を示す高感度X線画像解析写真である。
【0038】3%のSi量の予成形品Aでは、図5
(A)に示されるように、中央部に共晶Siが塊状に凝
集していることが分かる。5%のSi量の予成形品Bで
は、図5(B)に示されるように、僅かに凝集が観察さ
れる程度であり、7%のSi量の予成形品Cでは、図5
(C)に示されるように、X線で観察されないレベルま
で共晶Siが微細化されていることが分かる。
【0039】図6は3%Si量の予成形品Aのマクロエ
ッチングを示す写真であり、図7は7%Si量の予成形
品のマクロエッチングを示す写真である。図6に示され
るように、3%Si量の予成形品では大きく塊状に凝集
した偏析が明瞭に観察されたが、7%のSi量の予成形
品Cでは偏析は大きく凝集することなく、観察されない
程度まで分散した。
【0040】図8はSiを11.1重量%、Cuを2.4 重量
%、Mgを0.25重量%、Feを0.79重量%とした材料を
用いて加圧鋳造した予成形品を示す組織写真である。図
8において白色の円形島状の部分はAlのα組織であ
り、その間の微細な灰黒色の部分がAl−Siの共晶組
織である。このように、Siを11.1重量%とした材料を
用いて鋳造すると、予成形品は共晶の比率がα組織より
も多くなった共晶主体の組織となり、この予成形品を用
いて鍛造加工を行っても、伸び値は2〜3%程度しか期
待できない。
【0041】この結果から、Siを4.0 〜10.5重量%含
有させ、Cuを0.3 〜1.3 重量%含有させたアルミニウ
ム合金を使用して、加圧鋳造によって高い速度で冷却さ
せると、Al−Si共晶偏析はデンドライト樹枝間の偏
析プール機能によってその多くが捕捉され、凝集を形成
する割合が少なく、凝集も分散する。これにより、伸び
値の特性に優れた軽量高強度部材を得ることができた。
【0042】逆に、本来共晶偏析の少ない4%Si量以
下ではデンドライトの樹枝間には偏析を捕捉する機能が
低いため生成された偏析のほぼ全量が図6に示すように
一部に凝集する結果、図5(A)に示されるように塊状
の偏析フローパターンが形成される。一方、10.5重量%
以上ではデンドライトの発生密度が低下して共晶Si量
が増加することになる。このため、伸び値の特性として
は所望の特性値のものを得ることができなかった。
【0043】本発明は前記実施の形態に限定されるもの
ではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能で
あることはいうまでもない。
【0044】
【発明の効果】鋳造工程と鍛造工程とを有する軽量高強
度部材の製造方法において、Siを4.0 〜10.5重量%含
有し、Cuを0.3 〜1.3 重量%含有するアルミニウム合
金を素材として鋳造により予成形品を成形した後に鍛造
加工により最終成形品を成形することによって、サスペ
ンションリンクなどの自動車の足周り部品として所望の
機械的特性を有する製品を能率的に製造することができ
る。アルミニウム合金に含まれるSi量とCu量を前述
した値に設定することにより、鋳造時に共晶Siの凝集
を発生させることなく、結晶粒は微細化して均一に分散
され、自動車の足周り部品として必要な機械的特性を有
する製品を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】軽量高強度部材の製造工程を示す工程図であ
る。
【図2】鋳造工程に用いる横型締め縦鋳込み式高圧鋳造
装置を示す断面図である。
【図3】(A1),(B1),(C1)はそれぞれ組成
A〜Cの3種類の材料を用いて鋳造加工により得られた
予成形品の機械特性を示す特性線図であり、(A2),
(B2),(C2)はそれぞれの予成形品を熱間鍛造加
工した最終成形品の機械的特性を示す特性線図である。
【図4】(A)〜(C)は、組成A〜Cの予成形品につ
いてのミクロ組織写真であり、Si共晶の捕捉状況を示
す。
【図5】(A)〜(C)は、組成A〜Cの予成形品につ
いての高感度X線画像処理写真であり、塊状共晶偏析の
発生状況を示す。
【図6】組成Aの予成形品のマクロエッチングを示す写
真である。
【図7】組成Cの予成形品のマクロエッチングを示す写
真である。
【図8】Siを11.1重量%含有する材料を用いた鋳造後
の予成形品のミクロ組織写真である。
【符号の説明】
11,12 鋳型 13 凹部 15 溶湯注入機 16 射出スリーブ 17 プランジャ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22F 1/043 C22F 1/043 // C22C 21/02 C22C 21/02 C22F 1/00 630 C22F 1/00 630A 681 681 683 683 691 691B 691C (72)発明者 水垣 保彰 東京都板橋区小豆沢2−36−12 株式会社 村山鉄工所内 Fターム(参考) 4E087 AA10 BA04 BA20 BA24 CA11 CB01 DB12 DB15 DB22 DB24 HA84

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車の足周り部品などの軽量高強度部
    材の製造方法であって、 Siを4.0 〜10.5重量%、Cuを0.3 〜1.3 重量%含有
    するアルミニウム合金の溶湯を鋳型内に注入して予成形
    品を鋳造する工程と、 前記予成形品を鍛造型を用いて熱間鍛造加工により最終
    成形品を成形する工程とを有することを特徴とする軽量
    高強度部材の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の軽量高強度部材の製造方
    法において、鋳造工程は溶湯の加圧圧力を39MPa以
    上の圧力で加圧鋳造することを特徴とする軽量高強度部
    材の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の軽量高強度部材
    の製造方法において、鍛造加工後の部材を530〜54
    5℃の温度で4〜10時間加熱する溶体化工程と、焼入
    れする工程と、170〜180℃の温度で6〜10時間
    加熱する時効工程とを有することを特徴とする軽量高強
    度部材の製造方法。
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