JP2002143868A - 医療施設用水の処理方法 - Google Patents

医療施設用水の処理方法

Info

Publication number
JP2002143868A
JP2002143868A JP2000339403A JP2000339403A JP2002143868A JP 2002143868 A JP2002143868 A JP 2002143868A JP 2000339403 A JP2000339403 A JP 2000339403A JP 2000339403 A JP2000339403 A JP 2000339403A JP 2002143868 A JP2002143868 A JP 2002143868A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
particles
silicate
weight
medical facilities
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000339403A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3991070B2 (ja
Inventor
Takashi Sato
隆 佐藤
Junichi Miyawaki
淳一 宮脇
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NIPPON JISUI KK
Original Assignee
NIPPON JISUI KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NIPPON JISUI KK filed Critical NIPPON JISUI KK
Priority to JP2000339403A priority Critical patent/JP3991070B2/ja
Publication of JP2002143868A publication Critical patent/JP2002143868A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3991070B2 publication Critical patent/JP3991070B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 配管や熱交換器へのスケール堆積やトイレに
おける尿石の堆積、流し、排水管等へのスライムやヌメ
リの付着を抑制し、人工透析機においては炭酸カルシウ
ムの析出を抑制して、バルブの作動不良を減少させ、汚
染物質の増加を抑制して装置の安定稼動、酢酸洗浄の手
間と費用を軽減することのできる医療施設用水の処理方
法を提供する。 【解決手段】 人工透析用や医療器具洗浄用、洗面用、
トイレ用、浴場用、空調設備冷却用、ボイラー用、調理
用などに用いる医療施設用水を、珪酸塩系セラミックス
の粒子からなる粒子層が形成された流動処理器に供給
し、前記医療施設用水の水流により流動化された前記粒
子と接触させる医療施設用水の処理方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は人工透析用や医療器
具洗浄用、洗面用、トイレ用、浴場用、空調設備冷却
用、ボイラー用、調理用などに用いる医療施設用水の処
理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】病院や保健所等の医療施設においては、
医薬品の希釈や医療器具の洗浄、病院食の調理等に際し
て、医療施設用水が大量に用いられ、この医療施設用水
の水質により、医療施設用水を流す配管内にスケールの
堆積や、ヌメリ、赤水等を生じ設備、器具の維持管理費
が左右されることからその管理や処理には多大の関心が
払われている。特に人工透析に際しては、医薬品である
透析原液を人工透析用希釈液を用いて混合希釈した透析
液が人工透析器内の複雑な流路を流れて供給され、この
人工透析用希釈液の性状で人工透析の効率のみならず人
工透析器の管理や保守の状態が左右されていた。従来、
このような医療施設用水によるトラブルが多く、障害除
去のためにフィルタ処理、イオン交換膜(又は樹脂)処
理、活性炭処理、薬剤添加処理等が行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の医療施設用水の処理方法は以下のような課題を有し
ていた。 (1)フィルタを用いる処理方法は、単に医療施設用水
中の有害な固形分や細菌を物理的に除くだけであるた
め、水分子の会合状態を変化させることはできない。こ
のため、医療施設用水として必要なスケール付着防止効
果、尿石付着防止効果、赤水抑制効果等の機能を増進さ
せることができないという課題があった。 (2)イオン交換膜等を用いる処理方法は、これによっ
て水中のイオン成分を除去するのみで、非イオン物質は
通過するためシリカ成分等による障害要因は残る上、医
療施設用水として必要な装置や配管におけるスケールの
付着防止効果、赤水の抑制効果、ヌメリの付着防止効
果、トイレにおける尿石付着防止効果等の機能を増進で
きないという課題があった。 (3)薬品を用いる処理方法は、薬品コストがかかる上
に、廃液による環境汚染の問題が生じるという課題があ
った。 (4)特に、人工透析液は、塩化カルシウム、塩化ナト
リウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、酢酸ナトリ
ウム、ぶどう糖、炭酸ナトリウム等を調合したものであ
るため、透析装置内の配管チューブやバルブ等に炭酸カ
ルシウムが析出する。炭酸カルシウムの析出によりバル
ブの作動不良で透析ができなくなったり、細菌が繁殖し
てエンドトキシン等の汚染物質が析出物に濃縮されたり
するため、定期的に酢酸洗浄が必要になるという課題が
あった。
【0004】本発明は、前記従来の課題を解決するため
になされたもので、処理前後における溶解成分を変化さ
せることなく医療施設用水における水分子の会合状態を
変化させて活性化することで、熱交換器等の装置や配管
やへのスケールの堆積や流し、排水管等へのスライムや
ヌメリの付着、トイレにおける尿石の堆積を抑制し、人
工透析機においては炭酸カルシウム等の析出を抑制し
て、バルブの作動不良を減少させ、汚染物質の増加を抑
制して装置の安定稼動、酢酸洗浄の手間と費用を軽減す
ることのできる医療施設用水の処理方法を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は以下の構成を有している。請求項1に記載の
医療施設用水の処理方法は、人工透析用や医療器具洗浄
用、洗面用、トイレ用、浴場用、空調設備冷却用、ボイ
ラー用、調理用などに用いる医療施設用水を、珪酸塩系
セラミックスの粒子からなる粒子層が形成された流動処
理器に供給し、前記医療施設用水の水流により流動化さ
れた前記粒子と接触させるように構成されている。この
構成によって以下の作用が得られる。 (a)医療施設用水が珪酸塩系セラミックスを充填した
流動処理器を通過するときの流れにより、珪酸塩系セラ
ミックス粒子を流動させ、この時起こるセラミックス粒
子同士の摩擦や衝突で発生する電磁気的エネルギーによ
り、水分子の会合状態を変化させることにより、機器及
びその配管等へのスケール堆積の抑制、トイレにおける
尿石付着抑制、臭気の抑制、流し、排水管等のヌメリ、
スライムの生成抑制、赤水の抑制の効果を発揮させるこ
とができ、人工透析機においては、炭酸カルシウム等の
析出を抑制することができる。 (b)接触処理の際に珪酸塩系セラミックス中の成分が
医療施設用水中に溶出したり、逆に医療施設用水中の成
分がセラミックス粒子に吸着されたりすることがないの
で、水中の溶存成分を変えることなく、水を活性化する
ので、以降の水処理を安定に行うことができる。 (c)珪酸塩系セラミックスの粒子が流動処理器内に流
出することなく配置されているので、常時、管理された
安定な流動状態のもとで医療施設用水を粒子と接触さ
せ、水分子を必要な会合状態に維持させることができ
る。 (d)セラミックス粒子が流動し、摩擦や衝突を繰り返
しているので、絶えず表面が洗浄され、半永久的に機器
及びその配管等へのスケール堆積の抑制、トイレにおけ
る尿石付着抑制、赤水の抑制等の効果を発揮させること
ができる。
【0006】水分子は酸素1個に対し2個の水素が10
4.52度の角度で結合し、水素と酸素の電気陰性度の
違いと結合角度の影響で、酸素原子側はマイナス(−)
に、水素原子側はプラス(+)に電荷が偏り双極子にな
っている。このため、静電気力で酸素原子側に他の水分
子の水素が引きつけられ、水中にはいくつかの分子が会
合したクラスターと呼ばれる集団が形成されている。こ
の会合状態により水の活性化機能が規定されるものと考
えられ、装置や配管におけるスケール生成の抑制効果、
赤水抑制効果、流し台、排水管等におけるヌメリ、スラ
イムの生成抑制効果、トイレにおける尿石付着抑制効
果、臭気の軽減効果、洗浄効果等の有用な効果が実験に
より確認されている。流動処理器は、管体の上下に粒子
径より目の細かいステンレス製や合成樹脂製の網または
多孔板からなる流出防止部を有し、内部で所定粒度の珪
酸塩系セラミックスの粒子が十分流動できる流動部を設
けて保持し、所定流量の医療施設用水を流すことによ
り、医療施設用水と粒子とを流動状態で接触させ、珪酸
塩系セラミックスの粒子と水との界面に形成された電気
二重層を相対に移動させる際のゼータ電位や、珪酸塩系
セラミックス粒子の機械的衝撃に伴う圧電現象等を生じ
させ、電磁気的エネルギーを医療施設用水に付与し活性
化する。流動の方式としては、管体の下部から上部に向
けて通水する垂直上昇流動層方式が流動状態を制御し易
いことから好ましい。流動部に収容される珪酸塩系セラ
ミックス粒子は流動部の体積の10〜80vol%、好
ましくは20〜70vol%になるように収容される。
流動部の体積が20vol%より少なくなるにつれ、ス
ケールの発生が認められる傾向があり、また70vol
%を越えるにつれ、粒子間の摩擦や衝突回数が減るため
と思われるがスケールが発生する傾向が認められるので
好ましくない。また、10vol%より少なくなるかあ
るいは80vol%を越えるとこれらの傾向がさらに強
まるので好ましくない。珪酸塩系セラミックスの粒子を
適正に流動させるため、容器内において水の一定の流速
(流過速度)が必要となる。粒子の粒径によって異なる
が、この流速は1cm/sec〜15cm/secの範
囲が好適に用いられる。具体的には、粒子の比重やサイ
ズ径にもよるが、粒径が1mmの粒子の場合で2〜4c
m/sec、2mm径の粒子の場合で5〜6cm/se
c、3mm径の粒子の場合で8〜10cm/secとす
るのが適当である。珪酸塩系セラミックスは、シリカを
主成分とするセラミックスが適用できる。この珪酸塩系
セラミックスには、例えば宮崎県で産出する堆積砂岩ホ
ルンヘルスの原石を3工程で粉砕(粗砕→粗粉砕→微粉
砕)して造粒機により所定の粒径に造粒した後、焼成炉
において1050℃〜1400で焼成したものが好適に
使用できる。この主成分となる珪素の他に、アルミニウ
ム、鉄、カルシウム、カリウム、ナトリウム等も含まれ
ている。このように珪酸塩系セラミックスは所定の温度
で焼成されているので、モース硬度は約6〜7と石英に
匹敵する硬度を有し、水中で流動させても粒子の衝突に
より磨耗したり、セラミックスの成分が溶出したりする
ことがない。
【0007】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の医療施設用水の処理方法において、前記医療施設用水
が人工透析液の希釈に用いる人工透析用希釈液であるよ
うに構成されている。この構成によって、請求項1の作
用の他、以下の作用が得られる。 (a)医療施設用水が人工透析液の希釈に用いる人工透
析用希釈液であり、人工透析用希釈液を珪酸塩系セラミ
ックスと流動状態で接触させることにより、水分子の会
合状態を変化させて活性化して活性水を透析液に含ませ
ることができる。この活性水によって、透析液中のカル
シウム等が配管チューブ、バルブなどに炭酸カルシウム
等のスケールとなって析出するのが抑制され、電磁バル
ブ等の作動不良によるトラブルが減少すると共に、酢酸
洗浄の間隔を伸ばすことができ、手間と費用が軽減でき
る。 (b)人工透析器内の流路におけるカルシウムスケール
の堆積を低減して、汚染物質(エンドトキシンなど)の
濃縮を抑制することができ、人工透析における機器の衛
生管理を容易にし、感染等の危険を回避することができ
る。 (c)人工透析用希釈液を珪酸塩系セラミックスで処理
した処理水には余分な溶出成分が含まれないので、透析
液の成分調整に伴う薬品成分の添加が不要であると共
に、溶出成分によって透析液中の必要なイオンの効果が
阻害されるようなことを防止できる。ここで、人工透析
用希釈液は、予め成分が調整された透析用原液に添加さ
れ、所定成分濃度の透析液を得るためのものであり、予
めフィルタによる濾過処理、イオン交換処理、活性炭処
理、逆浸透膜処理を行って成分を調整したり、不純物を
除去したりしたものを用いることもできる。
【0008】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
に記載の医療施設用水の処理方法において、前記珪酸塩
系セラミックスが、珪素:55〜75重量%、アルミニ
ウム:10〜25重量%、鉄:2〜15重量%、カルシ
ウム:1〜10重量%、カリウム:2〜10重量%、ナ
トリウム:0.1〜1重量%、マグネシウム:0.1〜
1重量%、チタン:0.1〜3重量%、ジルコニウム:
0.1〜2重量%を含むセラミックスであるように構成
されている。この構成によって、請求項1又は2の作用
の他、以下の作用が得られる。 (a)珪酸塩系セラミックスの各成分が特定範囲に限定
されているので、水流によって粒子を流動化させ、この
時に起こる粒子間の衝突や摩擦により発生する微弱な電
磁気的エネルギーを利用して、水分子の会合状態を変え
ることで、水そのものを活性化させる効果を発揮させる
ことができる。 (b)特定組成の珪酸塩系セラミックスが焼成により所
定の焼結強度を有して得られるので、水中で粒子同士が
衝突を繰り返しても磨耗したり、あるいは成分が溶出し
たりすることがなく、長期間にわたり安定して用いるこ
とができる。 (c)特定組成範囲内で各成分を変化させ珪酸塩系セラ
ミックスの誘電率を調整することができ、粒子と水との
界面に形成されるゼータ電位等を所定範囲に設定し、水
の会合状態を変化させる活性化効果をさらに向上させる
こともできる。
【0009】ここで、珪酸塩系セラミックスに含まれる
珪素が55重量%より少なくなると、珪酸塩系セラミッ
クスを構成することが困難になると共に、融点が高くな
るために焼結性が低下して製造の際に高温の焼成処理が
必要になる傾向が有るので好ましくない。逆に75重量
%を超えると、誘電率等の特性を必要な範囲に維持させ
ることが困難になる傾向が有るので好ましくない。珪酸
塩系セラミックスに含まれるアルミニウムが10重量%
より少なくなると、珪酸塩系セラミックスを構成するこ
とが困難になるの傾向が有るので好ましくない。逆に2
5重量%を超えると、融点が上昇すると共に強度や誘電
率等の特性を必要な範囲に維持させることが困難になる
傾向が有るので好ましくない。珪酸塩系セラミックスに
含まれる鉄が2重量%より少なくなると、誘電率等を必
要な範囲に維持させるのが困難になる傾向が有るので好
ましくない。逆に15重量%を超えると、焼結後の機械
的強度等の特性が低下する要因となるので好ましくな
い。珪酸塩系セラミックスに含まれるカルシウムが1重
量%より少なくなると、誘電率等を必要な範囲に維持さ
せるのが困難になる傾向が有るので好ましくない。逆に
10重量%を超えると、カルシウムの溶出等が生じるの
で好ましくない。珪酸塩系セラミックスに含まれるカリ
ウムが2重量%より少なくなると、誘電率等を必要な範
囲に維持させるのが困難になる傾向が有るので好ましく
ない。カリウムが10重量%を超えるとカリウムの溶出
等が生じることもある上に、機械的強度等が低下するの
で好ましくない。
【0010】珪酸塩系セラミックスに含まれるナトリウ
ムが0.1重量%より少なくなると、誘電率等を必要な
範囲に維持させるのが困難になる。ナトリウムが1重量
%を超えると、焼成後の機械的強度等の低下要因となる
ので好ましくない。珪酸塩系セラミックスに含まれるマ
グネシウムが0.1重量%より少なくなると、誘電率等
を必要な範囲に維持させるのが困難になるので好ましく
ない。逆に1重量%を超えると、焼成後の機械的強度等
が低下する要因となり、成分の溶出を生じるので好まし
くない。珪酸塩系セラミックスに含まれるチタンが0.
1重量%より少なくなると、誘電率等を必要な範囲に維
持させるのが困難になり、粒子を圧電体として機能させ
る効果が失われるので好ましくない。チタンが3重量%
を超えると、焼成後の機械的強度等が低下したり、成分
の溶出を生じたりする要因となるので好ましくない。珪
酸塩系セラミックスに含まれるジルコニウムが0.1重
量%より少なくなると、融点が高くなるために焼結性が
低下して高温での焼成が必要になるので好ましくない。
逆に2重量%を超えると、錫成分が溶出する場合がある
ので好ましくない。
【0011】請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3
のいずれか1項に記載の医療施設用水の処理方法におい
て、前記珪酸塩系セラミックスの粒子の平均粒子径が
0.5〜5mmであるように構成されている。この構成
によって、請求項1乃至3のいずれか1項の作用の他、
以下の作用が得られる。 (a)珪酸塩系セラミックスの平均粒子径がそれぞれ特
定範囲に設定されているので、医療施設用水が流動状態
の珪酸塩系セラミックスの粒子と接触して、衝突の際に
生じる電磁気的エネルギーを効率的に利用して、水分子
の会合状態を変えることができる。これによって医療施
設用水が活性化され、この医療施設用水を水洗用水とし
た場合におけるトイレ便器、排水管への尿石の付着抑
制、臭気の軽減、水配管や熱交換器等へのスケール堆積
抑制、排水管の錆びによる赤水の抑制などの効果を発揮
させることができる。 (b)流速を所定範囲内で調整し、医療施設用水の必要
量に応じて、適正に活性化された医療施設用水を病院施
設等の調理場や透析室、手洗い場、流し台、調理場、手
術室、治療室等に供給することができ、ヌメリやスライ
ムの発生によるトラブルが抑制される。 (c)流速を所定範囲で調整し、適正に活性化され医療
施設用水を人工透析用純水製造装置に通した、純水を人
工透析希釈水として用いた場合には、これらの装置にお
けるチューブやバルブへの炭酸カルシウム等のスケール
の堆積が抑制され、バルブの作動不良トラブルが減少
し、装置の長期安定運転ができる。また、スケール生成
によって引き起こされるエンドトキシンなどの有害物の
濃縮なども抑制できる。
【0012】珪酸塩系セラミックスの粒子の粒平均子径
が0.5mmより少なくなるにつれて、水流によって粒
子が流され易くなるため、適正な流動をさせるための流
速が小さくなるので、装置が大型化する。一方、平均粒
子径が5mmを超えると、流動させるための流速が大き
くなる上、衝突回数も減り有効に電磁気的エネルギーを
水に伝達できない。また、セラミックス粒子の流動にお
ける衝突で粒子の破壊が起こり易くなるので好ましくな
い。均一な流動状態を得るためには、粒子径を一定に揃
えて使用することが必要である。粒子径が揃っていない
と、粒径毎に分離し適切な流動状態が得られない。流動
処理器に充填するセラミックス粒子の量は、処理器の大
きさにもよるが、流動処理器の流動部の単位断面積当た
り10〜40g/cm2の範囲が適当である。粒子の量
が10g/cm2より少なくなると、粒子が分散しすぎ
て衝突の回数が減少し、十分なエネルギー伝達がなされ
ない。また、粒子の量が40g/cm2を超えると圧力
損失が大きくなる上、それ程活性化が促進されない。流
動部の粒子層を通過する医療施設用水の流速は、粒子の
比重やサイズ径によるが、直径を約1mmに揃えた粒子
の場合で、2〜5cm/sec、直径を約2mmに揃え
た粒子の場合で5〜8cm/sec、直径を約3mmに
揃えた粒子の場合で8〜15cm/secの範囲とする
ことが粒子を均一流動させる上で好ましい。この流速が
下限値より遅くなると、セラミックス粒子が流動しなく
なると共に、水中の不純物が粒子表面に堆積する傾向が
あるので好ましくない。逆に、上限値を超えると、セラ
ミックス粒子が流動処理器の上部の粒子流出防止ネット
等に張り付き流動しなくなり、圧力損失が大きくなり、
粒子流出防止ネットを破損して、粒子が流出する恐れが
ある。
【0013】請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4
のいずれか1項に記載の医療施設用水の処理方法におい
て、前記珪酸塩系セラミックスのpH6〜8の水溶液中
におけるゼータ電位が−15mV〜−10mVであるよ
うに構成されている。この構成によって、請求項1乃至
4のいずれか1項の作用の他、以下の作用が得られる。 (a)珪酸塩系セラミックスのゼータ電位が特定範囲に
設定されているので、固液界面における電位を有効に利
用して水分子の会合状態を効果的に変化させることがで
きる。これによって、医療施設や医療機器におけるスケ
ールの付着防止効果や、生理学的活性を高める等の顕著
な効果を発揮させることができる。
【0014】珪酸塩系セラミックスのゼータ電位がpH
6〜8の水溶液中において−15mVより低くさせても
流動電解効果を有効に向上させることができないため好
ましくない。逆にゼータ電位が−10mVを超えると粒
子が液中を運動することにより生じる電位差が少ないた
め、水分子の会合状態を変化させるのが困難となるので
好ましくない。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につき
図面を用いて説明する。 (実施の形態1)図1は実施の形態1の医療施設用水の
処理方法を適用する透析設備の構成図であり、図2は透
析設備における透析装置の詳細構成図である。図1にお
いて、10は実施の形態1の医療施設用水の処理方法が
適用される透析設備、11は透析原液を希釈するため人
工透析用希釈液(医療施設用水)が供給される流動処理
器、12は流動処理器11内に配置された平均粒径が約
1mm〜2.5mmのサイズに揃えられた珪酸塩系セラ
ミックスの粒子、13は粒子12の流出を防止するため
に流動処理器11の上下部に取付けられ、装填された粒
子12の粒子径より目の細かいステンレス製ネットある
いはパンチングメタルからなる粒子流出防止部、13a
は粒子流出防止部13で形成され粒子12が通水時に流
動層を形成する流動部、14は流動処理器11の粒子層
を透過した人工透析用希釈水が供給される透析装置(株
式会社東レ・メデカル製TR−321)である。
【0016】図2において、20は流動処理器11で流
動電解処理された人工透析用希釈水が供給される透析装
置14の希釈液バルブ、21は透析原液の内のA液を供
給するA液バルブ、22は透析原液の内のB液を供給す
るB液バルブ、23は希釈液バルブ20、A液バルブ2
1、B液バルブ22から供給される液をそれぞれ定量づ
つ取り出して送り出すための定量ポンプ、24、25は
ダイヤフラム膜によって内部が2室に分割され、定量ポ
ンプ23から供給される液を一方側の室に出し入れする
と共に、他方側の室に透析処理後の透析液が導入される
一対のチャンバー(定量供給装置)、26はチャンバー
24、25で定量づつ混合された透析液を人工透析を行
う血液の流れに対向して透析膜を介して接触させるため
のダイアライザー、27はダイアライザー26に人工透
析を行う血液を定流量で供給するための血液ポンプ、2
8はダイアライザー26で透析処理された血液中の気泡
を検出するための気泡検出器、29は透析液中の気泡を
除くための脱気槽、30は定量ポンプ23を介してチャ
ンバー24、25送り込まれる人工透析用希釈液や透析
原液、透析処理後の透析液の流れを切替えるための三方
電磁弁、31は液温を制御するためのヒータ、32は透
析処理前の透析液と透析処理後の透析液との間でそれぞ
れ熱交換させ温度を安定に保持させる熱交換器、33は
血液の凝固を抑制するためのヘパリンを血液中に供給す
るためのヘパリンポンプ、34は透析液の流量を測定す
るための流量計、35は血液からの除水量を一定にする
ためのポンプである。
【0017】珪酸塩系セラミックスの粒子12は以下の
ようにして作成した。まず、宮崎県で産出する堆積砂岩
ホルンヘルスや接触変性岩等の天然鉱石を粗砕、微粉砕
した後、必要に応じて界面活性剤や結合剤としてのポリ
ビニールアルコール(PVA)等を含む水25〜30重
量%を添加し、転動造粒機で直径が約2mmになるよう
に造粒した。この造粒したものを電気炉中で1200℃
前後に加熱し焼結させた。この珪酸塩系セラミックスの
粒子12についての各種特性の確認を行った。この珪酸
塩系セラミックスの粒子表面はガラス状を呈し、モース
硬度は6.8とモース硬度が7の石英並みの硬度を持っ
ていた。粒子12の密度は2.45g/cm3、押し潰
し強度は15kg/粒であった。この粒子12が充填さ
れた流動処理器を容量が50リットルの水槽にセット
し、蒸留水40リットルを循環ポンプを用いて40回循
環処理した。この循環処理された水をICP発光分光分
析を用いて検査してもイオンの溶出は検出されず、ま
た、0.1μmのメンブレンフィルターを用いて濾過
し、濾紙表面を走査型電子顕微鏡で微粒子の生成がない
か調査したが、微粒子の発生は検出されなかった。前記
と同一の装置で、蒸留水に塩酸や水酸化ナトリウムを添
加してそのpHを4〜13の範囲で調整したものを用い
て試験した結果、pH=4〜11の場合ではイオンの溶
出、微粒子の生成はなかったが、pH=11〜13の場
合はシリカの溶出が認められた。これにより、pHを1
1未満の範囲で使用するのが好ましいことが分かった。
また、このセラミックス粒子は磨耗がなく耐久性に優れ
ていることからメンテナンスが殆ど不要であることが分
かった。なお、この焼結体の組成を蛍光X線分析を用い
て確認したところ酸化物換算値で、珪素63重量%、ア
ルミニウム17.7重量%、鉄6.7重量%、カルシウ
ム4.5重量%、カリウム4.7重量%、ナトリウム
0.4重量%、マグネシウム0.3重量%、チタン1.
4重量%、ジルコニウム0.6重量%を含む珪酸塩系セ
ラミックスであった。
【0018】このように製造された珪酸塩系セラミック
スはその結晶の構造に起因して特有の誘電性、圧電性、
焦電性、摩擦電気生成等の電気的特性を有しており、本
発明においては、これらの特性を用いてこの珪酸塩系セ
ラミックスの粒子の流動状態で接触する処理液における
水分子の会合状態を変化させるようにしている。次に、
珪酸塩系セラミックスの粒子についてゼータ電位を測定
した。ここでは、粒径が0.7〜1.0mmのセラミッ
クス粒子を選別し、島津製作所製島津流動電位測定装置
(ZP−20TYPE・H)を用いてゼータ電位を測定
した。なお、pHの調整にはJISで規定されたpH標
準液を用いた。その結果を図3に示した。図3は、液中
の水素イオン濃度指数(pH)と珪酸塩系セラミックス
のゼータ電位との関係を示したグラフである。実施の形
態1の珪酸塩系セラミックスによれば、pH6〜8の水
溶液中において−15mV〜ー10mVのゼータ電位が
得られることがわかった。
【0019】この焼結させた珪酸塩系セラミックスの粒
子120gを流動処理器11内に充填して粒子層を形成
させた。プラスチック又はステンレス製(SUS30
4)の筺体で形成された流動処理器11は、流動層の内
径が38mm、高さが180mmである。これは粒子層
の流動層に対する体積の25%であった。セラミックス
の粒子12を充填した上下には、SUS304製のパン
チングメタル(孔径0.8mm)からなる粒子流出防止
部13が装着されている。これによって、供給される医
療施設用水の水流によって流動化した粒子12を流動処
理器11内の所定範囲に限定して、粒子12間の衝突や
摩擦を効果的に起こさせ、水分子の会合状態を有効に変
化させることができる。この流動処理器11の下部から
人工透析用希釈水(医療施設用水)を送り、その水流に
より粒子12を流動させ、この時に起こる粒子12間の
衝突や摩擦により発生する微弱な電磁気的エネルギーを
活用し、水の機能を向上させるようにしたものであ
る.。透析原液は、例えば扶桑食品工業製:人工腎臓用
透析液・キンダリー液AF2号である。この透析原液の
A液は、塩化ナトリウム:1914g、塩化カリウム:
47g、塩化カルシウム:69g、塩化マグネシウム:
32g、酢酸ナトリウム:155g、ブドウ糖:315
gを溶かして全体を9リットルにした水溶液である。ま
た、B液は例えば炭酸水素ナトリウム793.8gを溶
解して全体を11.34リットルにした水溶液である。
【0020】ダイアライザー26の内部は透析膜等によ
って仕切られ、人工透析を行う血液と透析液とが透析膜
を介して互いに逆方向に流れるようになっている。透析
膜として、直径50〜100μm程度の細いホローファ
イバー(中空繊維)で作り、膜の表面積を大きくしたもの
や、芳香族ポリアミドやアセチルセルロースを用いる中
空繊維膜を用いるもの等が使用できる。また、機械的な
圧力でつぶれない強度を有する多孔性膜の表面に薄い半
透膜を形成させた複合膜等を用いることもできる。
【0021】以上のように構成された透析設備10に適
用される医療施設用水の処理方法について説明する。ま
ず、図1に示すように、透析装置14の希釈液バルブ2
0に取り付られた流動処理器11の供給口から、逆浸透
膜で処理した純水(RO水:ReverseOsmos
is)を人工透析用希釈液として所定流量、例えば10
00mリットル/minで供給して粒子層における流速
を5〜7cm/secに調整した。これによって、珪酸
塩系セラミックスの粒子層がRO水により流動状態を呈
した。この流動状態における粒子12間の衝突や粒子1
2間及び水と粒子12間の摩擦により発生する圧電気や
焦電気等により水分子の会合状態を変化させること(以
下流動電解という)により、その機能を向上させること
ができる。ここでは、人工透析用希釈水として逆浸透膜
処理を施したRO水を用いたが、水道水等の原水を約
25μmや5〜10μm程度の透過孔を有するカートリ
ッジ式膜フィルタ、イオン交換処理を行う軟水器、
逆浸透膜処理装置の順で処理されたものを人工透析用希
釈水として用いることもできる。また、流動処理器11
で処理された水量(1000mリットル/min)の
内、透析に必要な量(例えば700〜900mリットル
/min)が透析装置14に供給されるようにした。余
分な水量分(100〜300mリットル/min)をド
レンとして排水することで流動処理器11内を流動電解
の最適化状態に維持させながら、透析に必要な人工透析
用希釈水の水量を確保するようにした。
【0022】このように流動処理器11で水分子の会合
状態を変化させ活性化された希釈水は、図2に示すよう
に透析装置14の希釈液バルブ20から定量ポンプ23
を介して定量づつ、チャンバー24もしくはダイヤフラ
ム25に供給される。この定量ポンプ23は、各バルブ
の開閉操作をそれぞれ制御することにより希釈液バルブ
20、A液バルブ21、B液バルブ22のいずれかから
定量取り出しができるようになっていて、人工透析用希
釈水、A液、B液を交互に取り出してチャンバー24、
25のダイヤフラム膜で仕切られた透析液供給側の室に
供給され、この操作によって、3液の混合撹拌がなされ
ている。一方、ダイヤフラム膜で仕切られた反対側の室
には処理済みの透析液が戻るようになっており、チャン
バー24、25のそれぞれの供給流量と排出流量とがバ
ランスされるようになっている。また、三方電磁弁30
等を切替えて操作することでチャンバー24、25を交
互に入出力の方向を変えて動作させ、全体として連続的
に透析液をダイアライザー26に供給することができ
る。ダイアライザー26には、人工透析を行う血液が血
液ポンプ27を介して定量供給され、内部の透析膜を介
して透析液と接触させ、血液中の不要分が透析液中に取
り込まれ、こうして血液の浄化が行われるようになって
いる。なお、ダイアライザー26から排出される処理済
みの透析液はチャンバー24、25を経由して外部に排
出される。
【0023】ここでは、実際の血液を使用せず透析液を
流すだけの条件で、本実施の形態の流動処理器11を
用いた場合と、比較例として流動処理器11を用いな
い従来例とで透析設備10をそれぞれ所定時間作動さ
せ、作動後における配管チューブや三方電磁弁30にお
ける炭酸カルシウムの椎積状態、及び三方電磁弁30に
作動不良が発生するまでの日数を比較した。この結果、
三方電磁弁30が作動不良を起こすまでの連続稼動日数
は、流動処理器11を用いた場合で14日、流動処
理器を用いない場合で7日(N=4の平均)であった。
以上のように、本実施の形態によれば、従来例に比べ、
約2倍長く連続運転を行うことができることがわかっ
た。次に、配管チューブへのカルシウムスケールの堆積
状態を本実施の形態の方法を適用して活性化した活性水
と、活性化処理を行わないR0水を用いた比較例とで対
比した。対比方法として、透析装置14からダイアライ
ザー26への配管チューブ(シリコンチューブ)を取り
外し、外側から写真撮影を行った。図4は本実施の形態
における配管チューブの通水開始時、通水後5日目、通
水後10日目の写真を図示したものであり、図5は従来
法における通水後10日目の写真を図示したものであ
る。この結果から明らかなように、本実施の形態の10
日目における配管チューブ(図4)は、従来例(図5)
の場合に比べて、スケールが40%程少ないことがわか
る。また、本実施の形態の5日目においてもスケール付
着が少なく実用上問題のないレベルであった。なお、ス
ケールの厚みは薄すぎて実測不可能であった。表1は
本実施の形態で処理された透析液と、従来法で作成さ
れた透析液とにおけるそれぞれの透析液の組成及び特性
を示している。表1に示されるように、両者における成
分値等の差異はごく少なく、透析液としてほぼ同一の特
性を有することが分かる。
【0024】
【表1】
【0025】実施の形態1の医療施設用水の処理方法は
以上のように構成されるので以下の優れた作用を有す
る。 (1)透析に用いる希釈水を流動状態の珪酸塩系セラミ
ックスの粒子と接触させるので、この時の水分子とセラ
ミックス粒子12あるいは粒子同士の衝突や摩擦により
発生する圧電気、焦電気、摩擦電気等の作用によって、
水分子の会合状態を変化させることができる。 (2)この人工透析用希釈液を用いて作成される透析液
の水分子の会合状態が変化させられているので、この透
析液中のカルシウム等が、配管チューブ、バルブなどに
炭酸カルシウム等のスケールとなって析出するのを効果
的に抑制できる。これによって、バルブの作動不良を防
止し、酢酸洗浄の手間と酢酸費用を軽減できる。 (3)流動接触処理の際に珪酸塩系セラミックス中の成
分が透析液中に溶出混入することがないので、成分の変
化に伴う浸透圧等の変化が抑制され、以降の処理を安定
的に行うことができる。 (4)透析装置14の流路におけるカルシウムスケール
の堆積を低減して、汚染物質の濃縮を抑制することがで
き、人工透析における機器の衛生管理を容易にし、感染
等の危険を回避することができる。
【0026】(5)珪酸塩系セラミックスの粒子12が
流動処理器11内に流出することなく配置されているの
で、常時、管理された安定な流動状態のもとで人工透析
用希釈液を粒子12と接触させ、水分子を必要な会合状
態に維持させることができる。 (6)珪酸塩系セラミックスの各成分が特定範囲に限定
されているので、粒子12の流動時に起こる衝突や摩擦
により発生する微弱な電磁気的エネルギーを利用して、
水分子の会合状態を変え、水そのものを活性化させる流
動電解効果を効率的に発揮させることができる。 (7)珪酸塩系セラミックスのゼータ電位が特定範囲に
設定されているので、固液界面における電位を有効に利
用して水分子の会合状態を効果的に変化させ、透析装置
におけるスケールの付着防止効果を向上させることがで
きる。 (8)特定組成の珪酸塩系セラミックスが焼成により所
定の焼結強度を有して得られるので、水中で粒子12同
士が衝突を繰り返しても磨耗したり、あるいは成分が溶
出したりすることがなく、長期間にわたり安定して用い
ることができる。 (9)珪酸塩系セラミックスの平均粒子径と粒子層を通
過する医療施設用水の流速とがそれぞれ特定範囲に設定
されているので、尿石の剥離やスケールの付着防止等の
効果を発揮させることができる。
【0027】(実施の形態2)実施の形態2の医療施設
用水の処理方法を適用する医療施設は病院であって、そ
の病院内で使用する医薬品の希釈や医療器具の洗浄、病
院食の調理等に用いる医療施設用水は、珪酸塩系セラミ
ックスの粒子層を有する流動処理器11を用いて予め処
理されたものを用いた。ここでは大型の流動処理器11
を病院の用水取り込みライン(病院受水槽への導入口)
に設置し、病院で使用する水全体を処理するようにし
た。その結果、トイレの排水管の尿石の堆積がなくなる
と共に、臭気がなくなった。病院食調理場においては、
流しの排水溝のヌメリがなくなった。また、赤水が出な
くなったなど、用水による障害が大幅に低減された。ま
た被試験者(病院従業員や患者)から、水がおいしくな
ったという高い評価を受けた。
【0028】水は、水分子同士が互いに水素結合して会
合する性質を有していることから、磁気処理、電場処理
などで水の機能性が変化させることができる。本発明者
らはこの特性に着目して、珪酸塩系セラミックスの粒子
12を流動状態で被処理水に接触させる流動処理器11
を病院設備等に用いる医療施設用水の給水タンクの下流
側に体積率50%で装着した。その結果、スケールの付
着が防止されるだけでなく、湯垢の付着が防止できるこ
とがわかった。具体的には、流動処理器11を浴場の排
水口に取付けたところ、30日経過してもヌメリが認め
られなかった。一方、珪酸塩系セラミックスの粒子12
による流動処理を行わなかったところ、30日経過時に
湯垢によるヌメリがあった。更に、被試験者(病院従業
者や患者)から食事やお茶等のカルキ臭が消え、実にお
いしいという高い評価を得た。
【0029】実施の形態2の医療施設用水の処理方法は
以上のように構成されるので以下の優れた作用を有す
る。 (1)流動処理器11で医療施設用水が予め処理されて
いるので、医療施設用水が流動状態の珪酸塩系セラミッ
クスの粒子12と接触し衝突する際に生じる電磁気的エ
ネルギーを効率的に利用することができる。これによっ
て医療施設用水が活性化され、尿石の剥離効果やスケー
ルの付着防止効果及び、生理学的効果などを発揮させる
ことができる。 (2)特別な化学薬品や、熱エネルギーを使用すること
なく、簡単な処理でバルブへの炭酸カルシウム等の堆積
を効果的に抑制することができる。 (3)適正に活性化された用水を使用することで、トイ
レ、手洗い、調理場におけるヌメリやスライム等の発生
が抑制され、悪臭や細菌の増殖等が減り、これの処理の
ための薬品や労力が低減できる。 (4)流動接触処理の際に珪酸塩系セラミックス中の成
分が医療施設用水中に溶出混入することがないので、特
別な分離処理なしに以降の水処理工程を行うことができ
る。 (5)医療施設用水の流路におけるカルシウムスケール
等の堆積を低減して、汚染物質の濃縮を抑制することが
でき、機器の衛生管理を容易にし、感染等の危険を回避
することができる。 (6)珪酸塩系セラミックスで処理した処理水には余分
な溶出成分が含まれないので、蒸留水、逆浸透膜処理水
(RO水)を処理してもそれらを汚染することがなく、
活性化した蒸留水、逆浸透膜処理水を得ることができ、
薬品溶解等容易にすることができる。 (7)特定組成の珪酸塩系セラミックスが焼成により所
定の焼結強度を有して得られるので、水中で粒子12同
士が衝突を繰り返しても磨耗したり、あるいは成分が溶
出したりすることがなく、長期間にわたり安定に使用で
きる。
【0030】
【発明の効果】請求項1に記載の医療施設用水の処理方
法によれば以下の効果が得られる。 (a)医療施設用水が珪酸塩系セラミックスを充填した
流動処理器を通過するときの流れにより、珪酸塩系セラ
ミックス粒子を流動させ、この時起こるセラミックス粒
子同士の摩擦や衝突で発生する電磁気的エネルギーによ
り、水分子の会合状態を変化させることにより、機器及
びその配管等へのスケール堆積の抑制、トイレにおける
尿石の付着抑制、臭気の抑制、流し、排水管等のヌメ
リ、スライムの生成抑制、赤水の抑制の効果を発揮させ
ることができ、人工透析機においては、炭酸カルシウム
等の析出を抑制することができる。 (b)接触処理の際に珪酸塩系セラミックス中の成分が
医療施設用水中に溶出したり、逆に医療施設用水中の成
分がセラミックス粒子に吸着されたりすることがないの
で、水中の溶存成分を変えることなく、水を活性化する
ので、以降の水処理を安定に行うことができる。 (c)珪酸塩系セラミックスの粒子が流動処理器内に流
出することなく配置されているので、常時、管理された
安定な流動状態のもとで医療施設用水を粒子と接触さ
せ、水分子を必要な会合状態に維持させることができ
る。 (d)セラミックス粒子が流動し、摩擦や衝突を繰り返
しているので、絶えず表面が洗浄され、半永久的に機器
及びその配管等へのスケール堆積の抑制、トイレにおけ
る尿石付着抑制、赤水の抑制等の効果を発揮させること
ができる。
【0031】請求項2に記載の医療施設用水の処理方法
によれば、請求項1の効果の他、以下の効果が得られ
る。 (a)医療施設用水が人工透析液の希釈に用いる人工透
析用希釈液であり、人工透析用希釈液を珪酸塩系セラミ
ックスと流動状態で接触させることにより、水分子の会
合状態を変化させて活性化して活性水を透析液に含ませ
ることができる。この活性水によって、透析液中のカル
シウム等が配管チューブ、バルブなどに炭酸カルシウム
等のスケールとなって析出するのが抑制され、電磁バル
ブ等の作動不良によるトラブルが減少すると共に、酢酸
洗浄の間隔を伸ばすことができ、手間と費用が軽減でき
る。 (b)人工透析器内の流路におけるカルシウムスケール
の堆積を低減して、汚染物質(エンドトキシンなど)の
濃縮を抑制することができ、人工透析における機器の衛
生管理を容易にし、感染等の危険を回避することができ
る。 (c)人工透析用希釈液を珪酸塩系セラミックスで処理
した処理水には余分な溶出成分が含まれないので、透析
液の成分調整に伴う薬品成分の添加が不要であると共
に、溶出成分によって透析液中の必要なイオンの効果が
阻害されるようなことを防止できる。
【0032】請求項3に記載の医療施設用水の処理方法
によれば、請求項1又は2に記載の効果に加えて、以下
の効果を有する。 (a)珪酸塩系セラミックスの各成分が特定範囲に限定
されているので、水流によって粒子を流動化させ、この
時に起こる粒子間の衝突や摩擦により発生する微弱な電
磁気的エネルギーを利用して、水分子の会合状態を変え
ることで、水そのものを活性化させる効果を発揮させる
ことができる。 (b)特定組成の珪酸塩系セラミックスが焼成により所
定の焼結強度を有して得られるので、水中で粒子同士が
衝突を繰り返しても磨耗したり、あるいは成分が溶出し
たりすることがなく、長期間にわたり安定して用いるこ
とができる。 (c)特定組成範囲内で各成分を変化させ珪酸塩系セラ
ミックスの誘電率を調整することができ、粒子と水との
界面に形成されるゼータ電位等を所定範囲に設定し、水
の会合状態を変化させる活性化効果をさらに向上させる
こともできる。
【0033】請求項4に記載の医療施設用水の処理方法
によれば、請求項1乃至3のいずれか1項の効果の他、
以下の効果が得られる。 (a)珪酸塩系セラミックスの平均粒子径がそれぞれ特
定範囲に設定されているので、医療施設用水が流動状態
の珪酸塩系セラミックスの粒子と接触して、衝突の際に
生じる電磁気的エネルギーを効率的に利用して、水分子
の会合状態を変えることができる。医療施設用水が活性
化され、この医療施設用水を水洗用水とした場合におけ
るトイレ便器、排水管への尿石の付着抑制、臭気の軽
減、水配管や熱交換器等へのスケール堆積抑制、排水管
の錆びによる赤水の抑制などの効果を発揮させることが
できる。 (b)流速を所定範囲内で調整し、医療施設用水の必要
量に応じて、適正に活性化された医療施設用水を病院施
設等の調理場や透析室、手洗い場、流し台、調理場、手
術室、治療室等に供給することができ、ヌメリやスライ
ムの発生によるトラブルが抑制される。 (c)流速を所定範囲で調整し、適正に活性化され医療
施設用水を人工透析用純水製造装置に通した、純水を人
工透析希釈水として用いた場合には、これらの装置にお
けるチューブやバルブへの炭酸カルシウム等のスケール
の堆積が抑制され、バルブの作動不良トラブルが減少
し、装置の長期安定運転ができる。また、スケール生成
によって引き起こされるエンドトキシンなどの有害物の
濃縮なども抑制できる。
【0034】請求項5に記載の医療施設用水の処理方法
によれば、請求項1乃至4のいずれか1項の効果の他、
以下の効果が得られる。 (a)珪酸塩系セラミックスのゼータ電位が特定範囲に
設定されているので、固液界面における電位を有効に利
用して水分子の会合状態を効果的に変化させることがで
きる。医療施設や医療機器におけるスケールの付着防止
効果や、生理学的活性を高める等の顕著な効果を発揮さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の医療施設用水の処理方法を適用
する透析設備の構成図
【図2】透析設備における透析装置の詳細構成図
【図3】液中の水素イオン濃度指数(pH)とゼータ電
位との関係を示すグラフ
【図4】本実施の形態における配管チューブの写真図
【図5】従来例における配管チューブの写真図
【符号の説明】
10 透析設備 11 流動処理器 12 粒子 13 粒子流出防止部 13a 流動部 14 透析装置 20 希釈液バルブ 21 A液バルブ 22 B液バルブ 23 定量ポンプ 24 チャンバー 25 チャンバー 26 ダイアライザー 27 血液ポンプ 28 気泡検出器 29 脱気槽 30 三方電磁弁 31 ヒータ、 32 熱交換器 33 ヘパリンポンプ 34 流量計 35 ポンプ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 5/00 610 C02F 5/00 610B 620 620B C04B 35/16 C04B 35/16 Z Fターム(参考) 4D006 GA13 MA01 MA06 MC16 MC54 PB54 PC44 4G030 AA03 AA04 AA07 AA08 AA16 AA17 AA27 AA36 AA37 GA27 HA25

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】人工透析用や医療器具洗浄用、洗面用、ト
    イレ用、浴場用、空調設備冷却用、ボイラー用、調理用
    などに用いる医療施設用水を、珪酸塩系セラミックスの
    粒子からなる粒子層が形成された流動処理器に供給し、
    前記医療施設用水の水流により流動化された前記粒子と
    接触させることを特徴とする医療施設用水の処理方法。
  2. 【請求項2】前記医療施設用水が人工透析液の希釈に用
    いる人工透析用希釈液であることを特徴とする請求項1
    に記載の医療施設用水の処理方法。
  3. 【請求項3】前記珪酸塩系セラミックスが、珪素:55
    〜75重量%、アルミニウム:10〜25重量%、鉄:
    2〜15重量%、カルシウム:1〜10重量%、カリウ
    ム:2〜10重量%、ナトリウム:0.1〜1重量%、
    マグネシウム:0.1〜1重量%、チタン:0.1〜3
    重量%、ジルコニウム:0.1〜2重量%を含むセラミ
    ックスであることを特徴とする請求項1又は2に記載の
    医療施設用水の処理方法。
  4. 【請求項4】前記珪酸塩系セラミックスの粒子の平均粒
    子径が0.5〜5mmであることを特徴とする請求項1
    乃至3のいずれか1項に記載の医療施設用水の処理方
    法。
  5. 【請求項5】前記珪酸塩系セラミックスのpH6〜8の
    水溶液中におけるゼータ電位が−15mV〜−10mV
    であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項
    に記載の医療施設用水の処理方法。
JP2000339403A 2000-11-07 2000-11-07 医療施設用水の処理方法 Expired - Fee Related JP3991070B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000339403A JP3991070B2 (ja) 2000-11-07 2000-11-07 医療施設用水の処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000339403A JP3991070B2 (ja) 2000-11-07 2000-11-07 医療施設用水の処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002143868A true JP2002143868A (ja) 2002-05-21
JP3991070B2 JP3991070B2 (ja) 2007-10-17

Family

ID=18814480

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000339403A Expired - Fee Related JP3991070B2 (ja) 2000-11-07 2000-11-07 医療施設用水の処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3991070B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007209912A (ja) * 2006-02-10 2007-08-23 Sage Corporation 塩素処理水の水質改善用のセラミックス粒子の製造方法、および塩素処理水の水質改善方法
JP2009056458A (ja) * 2007-08-06 2009-03-19 Sage Corporation 洗浄用水製造装置、洗浄用水、水製造装置及び水製造方法
KR101230628B1 (ko) 2010-07-15 2013-02-06 강성훈 세라믹을 이용한 수처리 방법 및 장치
JP2014016088A (ja) * 2012-07-09 2014-01-30 Yukio Hirose 活性水素含有氷

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105066720B (zh) * 2015-08-31 2017-07-11 中冶南方工程技术有限公司 一种烧结冷却机余热利用系统

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007209912A (ja) * 2006-02-10 2007-08-23 Sage Corporation 塩素処理水の水質改善用のセラミックス粒子の製造方法、および塩素処理水の水質改善方法
JP2009056458A (ja) * 2007-08-06 2009-03-19 Sage Corporation 洗浄用水製造装置、洗浄用水、水製造装置及び水製造方法
KR101230628B1 (ko) 2010-07-15 2013-02-06 강성훈 세라믹을 이용한 수처리 방법 및 장치
JP2014016088A (ja) * 2012-07-09 2014-01-30 Yukio Hirose 活性水素含有氷

Also Published As

Publication number Publication date
JP3991070B2 (ja) 2007-10-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2016201345B2 (en) Catalytic water treatment method and apparatus
CN102381799B (zh) 反渗透设备
TWI356042B (en) Manufacturing system for ultra pure water
TW200523216A (ja)
JP5169267B2 (ja) 風呂給湯装置
CN204862720U (zh) 自清洁饮水机
WO2020244353A1 (zh) 非电解微酸性次氯酸水生成设备及生成方法
CA3015264A1 (en) Residential grey water recycling system
US10071402B2 (en) Method for sterilizing water treatment apparatus having plurality of tanks
CN105011769A (zh) 自清洁饮水机
JP2010279870A (ja) 精製水の製造方法
JP2002143868A (ja) 医療施設用水の処理方法
KR100613853B1 (ko) 공급용수 여과장치
JP4181295B2 (ja) 膜分離水調整装置及び膜分離装置の水の調整方法
JP2997099B2 (ja) 無菌水溶液を製造する系
TW201806877A (zh) 一種高鎂含量濃縮液及高鎂含量飲用水的混合系統
CN115297940A (zh) 使滤水系统中的结垢最小化的方法
EP3712105A1 (en) Beverage dispenser for output of beverage with variable temperature
JP2010036142A (ja) 軟水化装置およびそれを備えた給湯装置
WO2023032305A1 (ja) 飲料水供給システム
JP3791158B2 (ja) 水浄化装置
JP2000189975A (ja) 電極皮膜の除去方法およびその方法を用いた水浄化装置
JP3769906B2 (ja) 水浄化装置
CN208055038U (zh) 一种综合水处理系统
JP4169634B2 (ja) 殺菌方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061215

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070213

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070402

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070427

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3991070

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100803

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110803

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110803

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120803

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130803

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140803

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D02

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees