JP2002143661A - 乳化装置、乳化組成物及びその製造方法 - Google Patents

乳化装置、乳化組成物及びその製造方法

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JP2002143661A
JP2002143661A JP2000343215A JP2000343215A JP2002143661A JP 2002143661 A JP2002143661 A JP 2002143661A JP 2000343215 A JP2000343215 A JP 2000343215A JP 2000343215 A JP2000343215 A JP 2000343215A JP 2002143661 A JP2002143661 A JP 2002143661A
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sectional area
flow path
cross
channel
mixing chamber
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JP2000343215A
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English (en)
Inventor
Hikoroku Sugiura
彦六 杉浦
Tomoyuki Mabuchi
智之 馬淵
Takeo Inagaki
毅夫 稲垣
Yoshihiro Honami
義浩 穂浪
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LION KAGAKU KK
Original Assignee
LION KAGAKU KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 少動力で短時間に効率的な攪拌・混合が行な
える乳化装置、及び該乳化装置を用いる乳化物の製造方
法、及び該乳化装置を用いて得られる乳化組成物を提供
する。 【解決手段】 混合室10は合流路1の流路断面積の2
倍以上の流路断面積を有する同芯状のハウジング筒部1
1を有し、その内に径が該合流路の内径より大きく周縁
部位に上流側に向かって突出する縁部13を有した衝突
盤12を同芯状に固定し、衝突盤12の縁部の外周面と
ハウジング筒部の内周面との間隙で構成される流路断面
積と、衝突盤の下流側面とハウジング筒部の下流側端面
との間隙で構成される流路断面積とを共に、合流路の流
路断面積と略等しいかそれ以上となるように設定してな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化粧品やワックス
をはじめとする、各種コロイド状製品又はゲル状製品を
得るための乳化装置、及び該乳化装置を用いる乳化物の
製造方法、及び該乳化装置を用いて得られる乳化組成物
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の乳化装置は、水やエチレングリコ
ール等の水溶物質(本願では、水相物質という。)に、
油性成分等の通常は水に混ざらない物質(本願では、油
相物質という。)を界面活性剤と共に混入して、攪拌翼
等で激しく攪拌・混合して、乳化製品を得ている。そし
て、均質な乳化製品を得るには、攪拌をより確実に行な
うことと、界面活性剤の選定及び使用量の調整が必要と
されている。
【0003】しかし、攪拌翼等の機械的攪拌は、動力を
それだけ浪費するし、発熱源となって製品に悪影響を与
えることもあり得るという問題点を有している。
【0004】また、従来の乳化装置によると、界面活性
剤の量や種類の設定を行なうこと、それなりの効果を発
揮するも、製品によっては、あまり多量の界面活性剤を
使用できなかったり、界面活性剤の選定範囲が制約され
ることもあり、不安定な乳化しか行なえない場合があ
り、乳化物の製造方法に制約を受けたり、乳化物の組成
に制約を受けたりするという問題点を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は上記
の問題点に鑑み成されたもので、少動力、少エネルギー
で、短時間に効率的な攪拌・混合が行なえる乳化装置、
及び該乳化装置を用いる乳化物の製造方法、及び該乳化
装置を用いて得られる乳化組成物を提供することを課題
としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
本発明は、乳化原料を収納する複数の槽T1,T2,T
3・・・の夫々に、乳化原料を定量供送するポンプP
1,P2,P3・・・・を設けた原料供送路C1,C
2,C3・・・を設け、上記各原料供送路C1,C2,
C3・・・の下流側は合流路1に合流して、該合流路1
の途中に混合室10を介装し、上記混合室10は合流路
1の途中に、該合流路1の流路断面積の2倍以上の流路
断面積を有する同芯状のハウジング筒部11を介装し、
このハウジング筒部11内に、径が該合流路1の内径よ
り大きく周縁部位に上流側に向かって突出する縁部13
を有した衝突盤12を、該ハウジング筒部11と同芯状
に固定して収納し、該衝突盤12の縁部13の外周面と
ハウジング筒部11の内周面との間隙で構成される流路
断面積と、該衝突盤12の下流側面とハウジング筒部1
1の下流側端面との間隙で構成される流路断面積とを共
に、合流路1の流路断面積と略等しいかそれ以上となる
ように設定してなる技術的手段を講じたものである。
【0007】それ故、本発明乳化装置は、各乳化原料が
合流路1で合流して、混合室10にて混合して、乳化す
る作用を呈するものである。なお、該混合室10内に流
入した流体は、その全量が衝突板12に衝突して、一部
が乱流となり攪拌される作用を呈する。また、衝突板1
2に衝突した混合流は周縁13を乗り越えるため流れの
方向を変える。すなわち、部分的に逆流が生ずることに
なる。そして、この逆流の発生で、対向流同士が衝突し
てさらに攪拌・混合される作用を呈する。
【0008】さらに、混合室10内において、周縁13
を乗り越えた混合流は衝突板12の裏側(下流側)で合
流・衝突して攪拌されて、該混合室10より吐出される
ことになり、流路の変更に伴う乱流の発生、壁面への衝
突、流体同士の衝突により攪拌・混合される作用を呈す
るものである。なお、これら各種の攪拌、混合が極く短
い流路距離内で生じることで攪拌・混合が相乗的に作用
し合い、効率的な攪拌・混合がなされる作用を呈するも
のである。
【0009】なお、本発明は循環流路3の流路断面積
と、衝突盤12の縁部13の外周面とハウジング筒部1
1の内周面との間隙で構成される流路断面積と、該衝突
盤12の下流側面とハウジング筒部11の下流側端面と
の間隙で構成される流路断面積とが略同一に構成してい
るので、混合室10内を硫化する流体の圧力損を小さく
抑える作用を呈するものである。
【0010】次ぎに、請求項2の発明は、乳化原料を収
納する複数の槽T1,T2,T3・・・の夫々に、乳化
原料を定量供送するポンプP1,P2,P3・・・・を
設けた原料供送路C1,C2,C3・・・を設け、上記
各原料供送路C1,C2,C3・・・の下流側は合流路
1に合流して、該合流路1は循環用ポンプPを有した循
環流路となし、該合流路の途中に混合室10を介装し、
上記混合室10は合流路1の途中に、該合流路1の流路
断面積の2倍以上の流路断面積を有する同芯状のハウジ
ング筒部11を介装し、このハウジング筒部11内に、
径が該合流路1の内径より大きく周縁部位に上流側に向
かって突出する縁部13を有した衝突盤12を、該ハウ
ジング筒部11と同芯状に固定して収納し、該衝突盤1
2の縁部13の外周面とハウジング筒部11の内周面と
の間隙で構成される流路断面積と、該衝突盤12の下流
側面とハウジング筒部11の下流側端面との間隙で構成
される流路断面積とを共に、合流路1の流路断面積と略
等しいかそれ以上となるように設定して、上記合流路1
の混合室10より下流側部位には切替弁3を介して分岐
した製品排出流路2を設けてなる技術的手段を講じたも
のである。
【0011】それ故、本発明は請求項1の作用に加え、
合流路1を循環用ポンプPを有した循環流路となしたの
で、乳化原料を所望回数混合室で混合して乳化できる作
用を呈するものである。
【0012】次ぎに、請求項3の発明は、乳化原料を収
納する複数の槽T1,T2,T3・・・の夫々に、乳化
原料を定量供送するポンプP1,P2,P3・・・・を
設けた原料供送路C1,C2,C3・・・を設け、上記
各原料供送路C1,C2,C3・・・の下流側は合流路
1に合流して、該合流路1の途中に混合室10を、その
下流側に流路狭窄装置20を介装し、上記混合室10は
合流路1の途中に、該合流路1の流路断面積の2倍以上
の流路断面積を有する同芯状のハウジング筒部11を介
装し、このハウジング筒部11内に、径が該合流路1の
内径より大きく周縁部位に上流側に向かって突出する縁
部13を有した衝突盤12を、該ハウジング筒部11と
同芯状に固定して収納し、該衝突盤12の縁部13の外
周面とハウジング筒部11の内周面との間隙で構成され
る流路断面積と、該衝突盤12の下流側面とハウジング
筒部11の下流側端面との間隙で構成される流路断面積
とを共に、合流路1の流路断面積と略等しいかそれ以上
となるように設定し、上記流路狭窄装置20は、回転角
度によって流路断面積の解放量を変化するボールバルブ
で構成してなる技術的手段を講じたものである。
【0013】それ故、本発明乳化装置は、請求項1の作
用に加えて、流路狭窄装置20を介装したので、この部
位で圧力損失を伴うことは避け得ないが、該流路狭窄装
置20によって流路断面積を局所的に狭窄すると、オリ
フィスの作用で流過中の流体に圧力振動が生じて、攪拌
・混合作用を呈するものである。
【0014】特に、本発明では上記流路狭窄装置20に
ボールバルブを使用しているので、狭窄された流路開口
部は循環流路3の流路に対して偏心した開口となってい
る。したがって、偏心狭窄開口部より圧送される混合流
体は層流に戻ろうとして、複雑な乱流が噴射部位に発生
して、この部位でも効率的な攪拌・混合作用を呈するも
のである。
【0015】次ぎに、請求項4の発明は、乳化原料を収
納する複数の槽T1,T2,T3・・・の夫々に、乳化
原料を定量供送するポンプP1,P2,P3・・・・を
設けた原料供送路C1,C2,C3・・・を設け、上記
各原料供送路C1,C2,C3・・・の下流側は合流路
1に合流して、該合流路1は循環用ポンプPを有した循
環流路となし、該合流路1の途中に混合室10と、その
下流側に位置する流路狭窄装置20とを介装し、上記混
合室10は合流路1の途中に、該合流路1の流路断面積
の2倍以上の流路断面積を有する同芯状のハウジング筒
部11を介装し、このハウジング筒部11内に、径が該
合流路1の内径より大きく周縁部位に上流側に向かって
突出する縁部13を有した衝突盤12を、該ハウジング
筒部11と同芯状に固定して収納し、該衝突盤12の縁
部13の外周面とハウジング筒部11の内周面との間隙
で構成される流路断面積と、該衝突盤12の下流側面と
ハウジング筒部11の下流側端面との間隙で構成される
流路断面積とを共に、合流路1の流路断面積と略等しい
かそれ以上となるように設定し、上記流路狭窄装置20
は、回転角度によって流路断面積の解放量を変化するボ
ールバルブで構成し、上記合流路1の混合室10より下
流側部位には切替弁3を介して分岐した製品排出流路2
を設けてなる技術的手段を講じたものである。
【0016】それ故、本発明は、前記請求項3の作用
と、請求項2の作用とを共に呈するものである。
【0017】次ぎに、請求項5の発明は、上記請求項1
乃至請求項4記載の乳化装置を使用して得た乳化組成物
である。
【0018】上記請求項1乃至請求項4記載の乳化装置
は非常に効率的なものであり、乳化組成物は乳化効率を
高めることで、従来不可能とされていた乳化原料の乳化
組成物を得ることが可能となる作用を呈するものであ
る。
【0019】次ぎに、請求項6の発明は、上記請求項1
乃至請求項4記載の乳化装置を使用して、乳化物を製造
する技術的手段を講じたものである。
【0020】それ故、本発明は、効率的であるばかり
か、粒子径の小さい乳化物を容易に製造できる作用を呈
するものである。
【0021】
【実施例】次に、本発明の実施例を、添付図面を参照し
て詳細に説明する。図中、T1,T2,T3・・・が乳
化原料を収納する槽で、この槽T1,T2,T3・・・
は複数用意され、夫々に乳化原料を収納できるようにな
し、また夫々には、ポンプP1,P2,P3・・・・を
設けた原料供送路C1,C2,C3・・・を設け、この
原料供送路C1,C2,C3・・・より槽T1,T2,
T3・・・内に収納した乳化原料を定量供送できるよう
になしてある。
【0022】図1例では、槽T1,T2が二つ用意さ
れ、いずれか一方の槽T1内には水、水溶性物質等の水
相成分が収納され、他方の槽T2には流動パラフィン等
の油相成分を収納してあり。本発明はこれらを混合して
乳化組成物を得るものである。なお、界面活性剤は槽T
1,T2のいずれに混合してもよく、さらには別途槽T
3を設けてもよいのは無論である。なお、乳化原料の具
体例としては、水相成分として水と重量比20%のエチ
ルグリコールを、油相成分として15%のアーカード2
Cと15%の流動パラフィン#30と0.3%のカルウ
ナバワックスと、0.6〜0.9%のキャリーオーバー
成分(IPA)を試料として使用した。
【0023】そして、上記各原料供送路C1,C2,C
3・・・の下流側は合流路1に合流して、該合流路1の
途中に混合室10を介装してある。上記混合室10は合
流路1の途中に、該合流路1の流路断面積の2倍以上の
流路断面積を有する同芯状のハウジング筒部11を介装
し、このハウジング筒部11内に、径が該合流路1の内
径より大きく周縁部位に上流側に向かって突出する縁部
13を有した衝突盤12を、該ハウジング筒部11と同
芯状に固定して収納し、該衝突盤12の縁部13の外周
面とハウジング筒部11の内周面との間隙で構成される
流路断面積と、該衝突盤12の下流側面とハウジング筒
部11の下流側端面との間隙で構成される流路断面積と
を共に、合流路1の流路断面積と略等しいかそれ以上と
なるように設定してなる
【0024】上記合流路1と混合室10とは中心軸を共
通する断面円形に構成され、該混合室10は周面部10
aは上流側と下流側とに円盤状の垂直エンドプレート1
0b,10cとで構成し、該垂直エンドプレート10
b,10c部位で段状に拡径又は縮径するようになして
ある。そして、該ハウジング筒部11内に収納固定した
衝突盤12は混合室10と同芯に設けられることで、合
流路1を流れる(混合)流体はその全量がこの衝突盤1
2に衝突するようになしてある。衝突板12に流体が衝
突すると一部は跳ね返り渦流を生じ、流体が攪拌され
る。
【0025】また、衝突した流体の多くは、流れの方向
を変え衝突板12に沿ってその遠心方向に流れる。そし
て、衝突板12の縁部13まで流れると、流体はこの縁
部13があるのでこれを乗り越えようとして、一部で合
流路1とは逆方向の流れが生じる。そして、この逆流
は、さらに新たに合流路1より順次送られてくる流れと
衝突して衝突による攪拌・混合が行なわれる。
【0026】そして、縁部13より漏れ出た流体は、該
衝突盤12の縁部13の外周面とハウジング筒部11と
の間隙と、該衝突盤12の下流側面とハウジング筒部1
1の下流側端面との間隙とを通過して、下流側に流れる
が、衝突板12の下流側では流れが合流して、この合流
で攪拌・混合がなされるものである。なお、該衝突盤1
2の縁部13の外周面とハウジング筒部11との間隙で
構成される流路断面積と、該衝突盤12の下流側面とハ
ウジング筒部11の下流側端面との間隙で構成される流
路断面積とを共に、合流路1の流路断面積と略等しいか
それ以上となるように設定してあるので、混合室10内
を流過する流体の圧力損失分は少なくてすみ、そのエネ
ルギーの殆どが液体の攪拌・混合に利用されるものであ
る。
【0027】そして、本発明は上記合流路1の混合室1
0より下流側に製品排出流路2を設け、この製品排出流
路2より、攪拌混合されて乳化された乳化組成物が得ら
れるようになしてある。
【0028】上記槽T内の水相(水と重量比20%のエ
チルグリコール)に、槽T2内に収納した油相成分(1
5%のアーカード2Cと15%の流動パラフィン#30
と0.3%のカルウナバワックスと、0.6〜0.9%
のキャリーオーバー成分(IPA))を、合流路1で合
流させ、混合室10で混合したところワックス乳化物を
得た。そして、比較のため、同一組成物を従来のホモミ
キサーと称するタービン式攪拌機で乳化させ、両者を偏
光顕微鏡で測定(精製水で50倍に希釈)したところ、従
来装置での平均粒子径は0.7371ミクロンであった
が、本発明装置で得られたものの平均粒子径は0.39
76ミクロン(1次粒子に相当するものと考えられ
る。)で、その優位性が確認できた。
【0029】次ぎに、請求項2の発明は、上記請求項1
の構成に加え、図示するように、合流路1は循環用ポン
プPを有した循環流路となし、混合室10より下流側部
位には切替弁3を介して分岐した製品排出流路2を設け
てなる構成を付加したものである。なお、図1、図2例
では上記ポンプPは、ポンプP1を共用してなる。ま
た、図示例では、該切替弁3は一対の弁3a,3bを組
み合わせて使用しているが無論、流路の分岐点に三方切
替弁を使用してもよいものである。
【0030】すなわち、本発明は、乳化原料が混合室1
0を単に一回通過するだけでは混合が不十分な場合を想
定して、循環式となすことで何回も混合室10で攪拌さ
れ、より確実な乳化を行なうようになしたものである。
なお、本発明混合室10の混合効率は非常に高いもの
で、乳化しにくいものに限って、或は乳化剤の使用量が
制限されるような場合に、この循環流路よりなる合流路
1を使用すればよい。
【0031】次ぎに、請求項3の発明は、乳化原料を収
納する複数の槽T1,T2,T3・・・の夫々に、乳化
原料を定量供送するポンプP1,P2,P3・・・・を
設けた原料供送路C1,C2,C3・・・を設け、上記
各原料供送路C1,C2,C3・・・の下流側は合流路
1に合流して、該合流路1の途中に混合室10を、その
下流側に流路狭窄装置20を介装し、上記混合室10は
合流路1の途中に、該合流路1の流路断面積の2倍以上
の流路断面積を有する同芯状のハウジング筒部11を介
装し、このハウジング筒部11内に、径が該合流路1の
内径より大きく周縁部位に上流側に向かって突出する縁
部13を有した衝突盤12を、該ハウジング筒部11と
同芯状に固定して収納し、該衝突盤12の縁部13の外
周面とハウジング筒部11の内周面との間隙で構成され
る流路断面積と、該衝突盤12の下流側面とハウジング
筒部11の下流側端面との間隙で構成される流路断面積
とを共に、合流路1の流路断面積と略等しいかそれ以上
となるように設定し、上記流路狭窄装置20は、回転角
度によって流路断面積の解放量を変化するボールバルブ
で構成してなるものである。
【0032】すなわち、本発明は、請求項1の構成に、
合流路1の混合室10の下流側に流路狭窄装置20を介
装してなる構成を付加したものであり、この流路狭窄装
置20は、回転角度によって流路断面積の解放量を変化
するボールバルブで構成してなるものである。
【0033】上記流路狭窄装置20を設けた理由は、混
合室10の圧力損失が非常に小さいため、合流路1の圧
力損失を積極的に大きく設定して、加えるエネルギーを
大きくすればより確実な攪拌・混合が可能でないかと考
え、また、流路を局所的に狭窄して流体に圧力振動を加
えることも有効かと思料したためである。そこで、当初
は流路狭窄装置20として通常のオリフィスを使用して
みたが、消費エネルギーが増えるばかりで、特に、有効
な効率向上は認められなかった。
【0034】そこで、狭窄量を可変とすることで、デー
タを採るべくボールバルブを使用したところ、同じ狭窄
量でもオリフィスに比較してボールバルブでは攪拌効率
が顕著に向上することが判明した。この、相違の理由は
明らかではないが、両者が相違する点は狭窄流路の開口
部が同芯状であるか否かであって、ボールバルブでの狭
窄開口部は合流路1の偏心位置にある。すなわち、偏心
した開口部を設けることでこの部位を通過した流体は吐
出された側で激しく複雑な渦流が生ずることが効率を向
上するものであるものと確信される。なお、この流路狭
窄装置20は、流体の粘度等で開口率を調整することが
望ましく、本発明では従来公知なボールバルブを使用し
たものである。
【0035】次ぎに、請求項4の発明は、前記請求項3
の構成に、請求項2の発明と同様に、合流路1は循環用
ポンプPを有した循環流路となし、混合室10より下流
側部位には切替弁3を介して分岐した製品排出流路2を
設けてなる構成を付加したものである。そして、この循
環流路の目的、作用効果も請求項2と同じである。
【0036】なお、前記した具体的実施例とは別に、第
二の具体的実施例として、水相成分として水を57.3
1重量部、クニピアGを3.0重量部、アルギン酸ナト
リウムを0.3重量部、エチルアルコールを5.0重量
部、シクロデキストリン10.0重量部を用い、均一溶
解し、70℃に保ち使用した。油相成分としてスクワラ
ンを10.0重量部、ワセリンを5.0重量部、オクチ
ルメトキシシンナメートを5.0重量部、2−ヒドロキ
シ−4メトキシベンゾフェノンを2.1重量部、ジグリ
セリンジイソステアレート2.0重量部、α−トコフェ
ロールを0.01重量部、グリチルレチン酸を0.03
重量部、エチルパラベンを0.1重量部、ブチルパラベ
ンを0.2重量部、香料を0.05重量部を用い、均一
溶解し80℃に保ち使用した。
【0037】上記水相原料を請求項2の装置の槽T1に
入れ、循環流路となした合流路1で循環し、上記油相成
分を該合流路1に添加し5分間循環を続行し乳化組成物
(クリーム)を得た。そして、比較のため、同一組成物
を従来のホモミキサーと称するタービン式攪拌機で乳化
させ、両者を偏光顕微鏡で測定(精製水で50倍に希
釈)したところ、従来装置での平均粒子径は0.927
3ミクロンであったが、本発明装置で得られたものの平
均粒子径は0.480ミクロン(1次粒子に相当するも
のと考えられる。)で、その優位性が確認できた。
【0038】次ぎに、請求項5の発明は、上記請求項1
乃至請求項4記載の乳化装置を使用して得られる乳化組
成物である。前記したように、本発明装置では消費動力
が少なく効率的な攪拌・混合が行なえ、得られる乳化組
成物は、1次粒子に相当する極小粒子となるので、従来
にないきめの細かな乳化組成物が提供できるものであ
る。
【0039】次ぎに、請求項6の発明は、上記請求項1
乃至請求項4記載の乳化装置を使用して、乳化物を製造
する乳化物の製造方法である。本発明装置は、前記もし
たように効率的で使用動力が少なくてすみ経済的であ
る。しかし、本発明装置を使用することは経済的優位性
が主なものではなく、得られる乳化組成物が従来品に比
較し、きめが細やかで、安定性が高いと言う品質的な優
位性を有し、さらには、従来法に比較して、界面活性剤
の使用量を低減できる等の、原料の種類、混合量をこと
にする多くの乳化組成物の製造が可能となるものであ
る。
【0040】
【発明の効果】本発明は上記のように、混合室10に駆
動機構を利用しない衝突板12方式を利用したので、少
動力で効率的な乳化装置を提供できるものである。そし
て、本発明は消費エネルギーが僅かであり、低温での乳
化も可能となり、界面活性剤の種類を問わず、その使用
量も少なくてすむ乳化装置、及び該乳化装置を用いる乳
化物の製造方法、及び該乳化装置を用いて得られる乳化
組成物を提供できるものである。
【0041】また、請求項3、請求項4の発明は、流路
狭窄装置20を併用したので、消費エネルギーは増加す
る場合もあるも、混合効率が向上し、さらには、この流
路狭窄装置20を開口量可変となしたので、乳化に伴っ
て粘度が高くなっても適宜な混合力が得られる乳化装置
を提供できるものである。
【0042】また、請求項5及び請求項6の発明は、経
済的に従来より高い信頼性が得られる乳化組成部が提供
でき、新規な乳化組成部をも得られる可能性があり得る
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明乳化装置の一実施例を示す要部断面正面
図である。
【図2】本発明乳化装置の別の実施例を示す要部断面正
面図である。
【図3】本発明乳化装置のさらに別の実施例を示す要部
断面正面図である。
【符号の説明】
1 合流路 2 製品排出流路 3 切替弁 10 混合室 11 ハウジング筒部 12 衝突板 13 縁部 20 流路狭窄装置 T1 槽 T2 槽 T3 槽 C1 原料供送路 C2 原料供送路 C3 原料供送路 P 循環用ポンプ P1 ポンプ P2 ポンプ P3 ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 馬淵 智之 茨城県鹿島郡神栖町東和田22 ライオン化 学株式会社鹿島工場内 (72)発明者 稲垣 毅夫 茨城県鹿島郡神栖町東和田22 ライオン化 学株式会社鹿島工場内 (72)発明者 穂浪 義浩 茨城県鹿島郡神栖町東和田22 ライオン化 学株式会社鹿島工場内 Fターム(参考) 4G035 AB40 AC06 AC26

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳化原料を収納する複数の槽(T1,T
    2,T3・・・)の夫々に、乳化原料を定量供送するポ
    ンプ(P1,P2,P3・・・・)を設けた原料供送路
    (C1,C2,C3・・・)を設け、 上記各原料供送路(C1,C2,C3・・・)の下流側
    は合流路(1)に合流して、該合流路(1)の途中に混
    合室(10)を介装し、 上記混合室(10)は合流路(1)の途中に、該合流路
    (1)の流路断面積の2倍以上の流路断面積を有する同
    芯状のハウジング筒部(11)を介装し、このハウジン
    グ筒部(11)内に、径が該合流路(3)の内径より大
    きく周縁部位に上流側に向かって突出する縁部(13)
    を有した衝突盤(12)を、該ハウジング筒部(11)
    と同芯状に固定して収納し、該衝突盤(12)の縁部
    (13)の外周面とハウジング筒部(11)の内周面と
    の間隙で構成される流路断面積と、該衝突盤(12)の
    下流側面とハウジング筒部(11)の下流側端面との間
    隙で構成される流路断面積とを共に、合流路(1)の流
    路断面積と略等しいかそれ以上となるように設定してな
    る乳化装置。
  2. 【請求項2】 乳化原料を収納する複数の槽(T1,T
    2,T3・・・)の夫々に、乳化原料を定量供送するポ
    ンプ(P1,P2,P3・・・・)を設けた原料供送路
    (C1,C2,C3・・・)を設け、 上記各原料供送路(C1,C2,C3・・・)の下流側
    は合流路(1)に合流して、該合流路(1)は循環用ポ
    ンプ(P)を有した循環流路となし、該合流路の途中に
    混合室(10)を介装し、 上記混合室(10)は合流路(1)の途中に、該合流路
    (1)の流路断面積の2倍以上の流路断面積を有する同
    芯状のハウジング筒部(11)を介装し、このハウジン
    グ筒部(11)内に、径が該合流路(1)の内径より大
    きく周縁部位に上流側に向かって突出する縁部(13)
    を有した衝突盤(12)を、該ハウジング筒部(11)
    と同芯状に固定して収納し、該衝突盤(12)の縁部
    (13)の外周面とハウジング筒部(11)の内周面と
    の間隙で構成される流路断面積と、該衝突盤(12)の
    下流側面とハウジング筒部(11)の下流側端面との間
    隙で構成される流路断面積とを共に、合流路(1)の流
    路断面積と略等しいかそれ以上となるように設定して、 上記合流路(1)の混合室(10)より下流側部位には
    切替弁(3)を介して分岐した製品排出流路(2)を設
    けてなる乳化装置。
  3. 【請求項3】 乳化原料を収納する複数の槽(T1,T
    2,T3・・・)の夫々に、乳化原料を定量供送するポ
    ンプ(P1,P2,P3・・・・)を設けた原料供送路
    (C1,C2,C3・・・)を設け、 上記各原料供送路(C1,C2,C3・・・)の下流側
    は合流路(1)に合流して、該合流路(1)の途中に混
    合室(10)を、その下流側に流路狭窄装置(20)を
    介装し、 上記混合室(10)は合流路(1)の途中に、該合流路
    (1)の流路断面積の2倍以上の流路断面積を有する同
    芯状のハウジング筒部(11)を介装し、このハウジン
    グ筒部(11)内に、径が該合流路(1)の内径より大
    きく周縁部位に上流側に向かって突出する縁部(13)
    を有した衝突盤(12)を、該ハウジング筒部(11)
    と同芯状に固定して収納し、該衝突盤(12)の縁部
    (13)の外周面とハウジング筒部(11)の内周面と
    の間隙で構成される流路断面積と、該衝突盤(12)の
    下流側面とハウジング筒部(11)の下流側端面との間
    隙で構成される流路断面積とを共に、合流路(1)の流
    路断面積と略等しいかそれ以上となるように設定し、 上記流路狭窄装置(20)は、回転角度によって流路断
    面積の解放量を変化するボールバルブで構成してなる乳
    化装置。
  4. 【請求項4】 乳化原料を収納する複数の槽(T1,T
    2,T3・・・)の夫々に、乳化原料を定量供送するポ
    ンプ(P1,P2,P3・・・・)を設けた原料供送路
    (C1,C2,C3・・・)を設け、 上記各原料供送路(C1,C2,C3・・・)の下流側
    は合流路(1)に合流して、該合流路(1)は循環用ポ
    ンプ(P)を有した循環流路となし、該合流路(1)の
    途中に混合室(10)と、その下流側に位置する流路狭
    窄装置(20)とを介装し、 上記混合室(10)は合流路(1)の途中に、該合流路
    (1)の流路断面積の2倍以上の流路断面積を有する同
    芯状のハウジング筒部(11)を介装し、このハウジン
    グ筒部(11)内に、径が該合流路(1)の内径より大
    きく周縁部位に上流側に向かって突出する縁部(13)
    を有した衝突盤(12)を、該ハウジング筒部(11)
    と同芯状に固定して収納し、該衝突盤(12)の縁部
    (13)の外周面とハウジング筒部(11)の内周面と
    の間隙で構成される流路断面積と、該衝突盤(12)の
    下流側面とハウジング筒部(11)の下流側端面との間
    隙で構成される流路断面積とを共に、合流路(1)の流
    路断面積と略等しいかそれ以上となるように設定し、 上記流路狭窄装置(20)は、回転角度によって流路断
    面積の解放量を変化するボールバルブで構成し、 上記合流路(1)の混合室(10)より下流側部位には
    切替弁(3)を介して分岐した製品排出流路(2)を設
    けてなる乳化装置。
  5. 【請求項5】 上記請求項1乃至請求項4記載の乳化装
    置を使用して得られる乳化組成物。
  6. 【請求項6】 上記請求項1乃至請求項4記載の乳化装
    置を使用して、乳化物を製造する乳化物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US10967336B2 (en) 2011-08-19 2021-04-06 Japan Agency For Marine-Earth Science And Technology Method for producing emulsion
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