JP2002142944A - 低反発枕 - Google Patents

低反発枕

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JP2002142944A
JP2002142944A JP2000343388A JP2000343388A JP2002142944A JP 2002142944 A JP2002142944 A JP 2002142944A JP 2000343388 A JP2000343388 A JP 2000343388A JP 2000343388 A JP2000343388 A JP 2000343388A JP 2002142944 A JP2002142944 A JP 2002142944A
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low
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urethane foam
pressure
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Yoshinori Hamazaki
崎 義 徳 浜
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Pigeon Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】 異なる反発弾性及び硬さを有する複数の
ウレタンフォームが厚さ方向に積層された低反発枕であ
り、該低反発枕を構成する低反発弾性率を有するウレタ
ンフォーム層について測定した厚さ方向に圧縮したとき
の反発弾性率が、該低反発枕を構成する最大反発弾性率
を有するウレタンフォーム層について厚さ方向に圧縮し
たときの反発弾性率の80%以上であり、かつ、該低反
発枕の大丘陵部中心を直径200mmの円盤状の板材に
て厚さ方向に垂直に0〜50kgの範囲内でその変形率が
0〜75%の範囲内で変形するように圧力を連続的に増
加減少させて測定した圧力と変形量との関係がヒステリ
シス曲線を形成する。 【効果】 温度による弾性変化が緩和された、使い勝手
のよい、しかも頚部と頭部を正しく保持できる、感触・
寝心地に優れた低反発枕を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、複数のウレタンフォーム
を積層することによって形成された低反発枕に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来一般的に使用されている枕
は、内部に、そばがら、小豆、パンヤ、スポンジ、羽毛
等の材料をいれたものが代表的であった。しかし、そば
がらあるいは小豆を入れた枕は、後頭部と肩で首を支え
るため、頚椎部がブリッジ状になり首に力がかかるとい
う欠点がある。また、パンヤ、スポンジ等のクッション
材料を入れた枕は、ある程度頭の形状になじむが、反発
があり結果として後頭部と肩で首を支えるため、頚椎部
がブリッジ状になり首に力がかかるという欠点がある。
また、寝返り時は、反発が強く、より頚部に負担がかか
ることになる。さらに、羽毛を入れた枕は、腰がなく沈
み込むため、頭部頚部とも支持できない。
【0003】かかる欠点を解消するためには、圧力分散
に優れた枕が必要であるが、頚部及び頭部の重さを分散
して受け止める素材としては、低反発ウレタンが極めて
有効である。低反発ウレタンは、健康枕として実績のあ
る素材であり、例えば、特開平7−67757号公報お
よび特開平11−56559号公報では、頭部を安定保
持させることのできる素材として、また、ソフト感及び
硬度を備える素材として、提案されている。
【0004】しかし、低反発ウレタンを使用した枕は、
外気温度による弾性変化が激しいという低反発ウレタン
の特性から、感触・寝心地が季節により異なり、使い勝
手が温度変化によって異なるという問題があった。ま
た、その変形のし易さから、寝具(主に敷布団、ベッ
ド、畳等)の弾性の違いにより形状が変化し、所望の形
状に変形してくれないという問題があった。
【0005】上記特開平7−67757号公報および特
開平11−56559号公報で開示された発明によれ
ば、従来の枕に比べ、頭部安定性や通気性の点で改善が
見られるものの、上記問題点及びその解決法については
何ら示唆されていない。
【0006】
【発明の目的】本発明は、使い勝手がよく、健康にもよ
い枕を提供することを目的とする。詳しくは、異なる特
定の反発弾性及び硬さを有するウレタンフォームを複数
積層させることで、温度による弾性変化及び寝具の弾性
との関係を改善し、睡眠時の姿勢保持のために理想的な
形状に変形する枕を提供することを目的とする。
【0007】
【発明の概要】本発明の低反発枕は、上面部が、少なく
とも小丘陵部および大丘陵部が連続した縦断面形状を有
すると共に、異なる反発弾性及び硬さを有する複数のウ
レタンフォームが厚さ方向に積層された低反発枕であ
り、該低反発枕を構成する低反発弾性率を有するウレタ
ンフォーム層について測定した厚さ方向に圧縮したとき
の反発弾性率が、該低反発枕を構成する最大反発弾性率
を有するウレタンフォーム層について厚さ方向に圧縮し
たときの反発弾性率の80%以上であり、上記大丘陵部
を上部から直径200mmの円盤状の板材にて厚さ方向
に垂直に0〜50kgの範囲内でその変形率が0〜75%
の範囲内で変形するように圧力を連続的に増加減少させ
て測定した圧力と変形量との関係がヒステリシス曲線を
形成すると共に、該ヒステリシス曲線における圧力を連
続的に増加させて変化する該低反発枕の変形量が少なく
とも1つの変曲点を有することを特徴としている。
【0008】本発明の低反発枕は、異なる特定の反発弾
性及び硬さを有する複数のウレタンフォーム層から構成
される枕が、温度による弾性変化及び寝具の弾性との関
係を改善し、頚部及び頭部になじんで理想的な形状に変
形するとの本発明者の見出した新たな知見に基づくもの
である。
【0009】
【発明の具体的説明】以下、本発明の低反発枕につい
て、図面を参照しながら具体的に説明する。図1は、本
発明の低反発枕の一実施例を示す斜視図であり、図2
は、図1におけるA−A断面図である。また、図3は、
本発明の低反発枕を形成する素材について測定したヒス
テリシス曲線の例を示すものである。
【0010】本発明の低反発枕は、上面部が、少なくと
も小丘陵部および大丘陵部が連続した上面形状を有する
と共に、特性の異なる少なくとも2層のウレタンフォー
ムが積層された縦断面形状を有する。図1および図2に
おいて、低反発枕は付番10で示されており、この枕の
上面部にある小丘陵部は付番12、大丘陵部は付番14
で示されている。このような形状であれば、図2に破線
で示したように、大丘陵部14がこの低反発枕を使用す
る人の頚部を支持し、大丘陵部14と小丘陵部12の間
の谷部13から小丘陵部12が頭部を支持し、使用者の
頚部から頭部全体が本発明の低反発枕全体に接触して、
これらの部位を均一に支持することから、使用者の頚椎
および肩部から頭部に至る筋肉にかかる負担を均一化す
ることによって低減し、使用者の就寝姿勢を自然な状態
に保持することが可能となる。
【0011】本発明の低反発枕において、この低反発枕
10において最も薄い谷部13の厚さH13を100%と
したときに、小丘陵部12の厚さ(高さ)H12は通常は
100〜180%、好ましくは120〜170%の範囲
内にあり、大丘陵部14の厚さ(高さ)H14は、通常は
120〜270%、好ましくは140〜220%の範囲
内にある。さらに、この大丘陵部14と小丘陵部12と
の厚さの比(H14:H 12)は、通常は3:1〜8:7、
好ましくは7:3〜7:6の範囲内にある。
【0012】また、本発明の低反発枕は、異なる反発弾
性及び硬さを有する複数のウレタンフォーム層から構成
されている。図1および図2には、特性の異なる2層の
ウレタンフォーム層20および30が積層された態様が
示されている。一般に、反発弾性が低く、硬い(即ち変
形スピードが遅い)ウレタンフォームから構成される枕
は、時間の経過に伴って頭部になじむために、硬いとい
う使用感は否めない。即ち反発弾性が低く、硬い(即ち
変形スピードが遅い)ウレタンフォームから形成された
枕は、頭部が枕に接触した後、枕が頭部の形態に変形す
るまでに一定時間が必要であり、従って、使用開始直後
あるいは寝返り時などのように、枕の形態が好適形態に
変形する際に、その好適形態にいたる時間のずれに起因
して、反発弾性が低く、硬い(即ち変形スピードが遅
い)ウレタンフォームから形成された枕は、硬いという
使用感を与える。逆に、反発弾性が低く、軟らかいウレ
タンフォームから構成される枕は、頭部の沈み込みが大
きすぎて使用感が悪い。更に反発弾性の高い枕では、頭
部及び首部に対して常に負荷を与えるため、疲れやす
い。
【0013】そこで、本発明の低反発枕10は、例えば
図1および図2に示すように、異なる反発弾性及び硬さ
を有する複数のウレタンフォーム層を積層した構造を有
し、下層に低反発弾性を有し硬度が高めのウレタンフォ
ーム層30が配置され、上層に下層よりも反発弾性がや
や高く軟らかいウレタンフォーム層20が配置されてい
る。
【0014】反発弾性及び硬さの異なる2層のウレタン
フォーム層を積層すると共に、下層30を低反発弾性で
硬度が高めのウレタンフォーム層とし、上層20を下層
よりも反発弾性がやや高く軟らかいウレタンフォーム層
とすることにより、本発明の低反発性枕10の使用を開
始する際に、上層のウレタンフォーム層20が瞬時にこ
の枕に接触する使用者の頭部および頚椎などの形状に即
追随して変形すると共に、下層であるウレタンフォーム
層30が使用者の頭部および頚椎などの形状に追随して
変形した上層20の変形を受けてゆっくりと沈み込み、
例えば図2の一点鎖線16で示すように、無理のないリ
ラックスしたポジションを保つことが可能となり、さら
に寝返りなど、急激な接触頭部の変位に対しては、下層
よりも反発弾性がやや高い上層のウレタンフォーム層2
0が瞬時にその変位に対応してその形態を変え、次い
で、この上層のウレタンフォーム層20の形態の変化に
応じて下層のウレタンフォーム層30が上層20よりも
遅れて上層20の形態の変化に応じてゆっくりと変形す
る。従って、本発明の低反発枕10は、従来の単独のウ
レタンフォームからなる低反発枕とは異なり、非常に使
用感が良好である。
【0015】また、ウレタンフォームは、外気温度によ
ってその弾性率が著しく変動する。このような特性の変
化は低反発性のウレタンフォームに起因する場合が多い
が、本発明では、異なる反発弾性を有する複数のウレタ
ンフォームを積層することで、外気温度による弾性変化
が激しく変動する夏と冬とにおいてもその使用感の変化
を低減することができる。
【0016】さらに、異なる反発弾性及び硬さを有する
複数のウレタンフォームを積層し、下層30に低反発弾
性で硬度が高めのウレタンフォーム層30を配置するこ
とにより、この下層30が、この下層30の下面と接触
する寝具(主に敷布団、ベッド、畳等)の弾性の違いを
感知して、こうした寝具等の物性あるいは形状変化を吸
収し、枕全体が変形することも防ぎ、寝具等の状態が本
発明の低反発性枕の表面近傍にまでは反映されないの
で、本発明の低反発枕は、使用する寝具の表面形状およ
び特性に追随して下層30が下端部から寝具等の表面状
態を吸収するように変形して安定性がよく、こうした点
においても非常に良好な使用感が発現する。
【0017】本発明において低反発枕を形成するウレタ
ンフォームは、ポリイソシアネートとポリオールなどと
の反応物であり、この重合体反応(ジイソシアネート+
ポリオール→ポリウレタン)の際にポリイソシアネート
が反応することにより生ずる炭酸ガスのような常温で気
体である成分がポリウレタンを発泡させることにより生
成する。そして、このポリイソシアネートとポリオール
などとの反応条件を変えることにより、得られるウレタ
ンフォーム中に形成される気泡の含有率、この気泡中に
おける独立気泡と連続気泡との比率、気泡を形成するウ
レタン層の厚さ、気泡の大きさなど、ウレタンフォーム
中に形成される気泡の状態を制御することにより、ウレ
タンフォームの反発弾性を調整することができる。
【0018】一般にウレタンフォームは、形成される気
泡の状態によって、軟質(可撓性)ウレタンフォーム、
反硬質ウレタンフォーム、硬質ウレタンフォームの3種
類に分類される。可撓性ウレタンフォームは荷重をかけ
ると変形し、荷重を開放すると容易に回復するとの特性
を有する。また、硬質ウレタンフォームは、荷重がかか
ってもほとんど変形せず荷重負担能力は大きいが、弾性
限界がかなり小さく変形がある程度以上大きくなると回
復しないとの特性を有する。さらに、半硬質フォームは
その中間的な特性を有し、可撓性ウレタンフォームほど
の可撓性は有していないが、硬質ウレタンフォームより
も軟質である。
【0019】本発明の低反発枕10は、上記のような種
々のウレタンフォームの中から、特性の異なる複数のウ
レタンフォームを選択的に使用して、使用初期における
頭部および頚部の沈み込みと長時間使用した際の頭部お
よび頚部の支持とのバランスを考慮して、本発明の低反
発枕を構成する低反発弾性率を有するウレタンフォーム
層について測定した厚さ方向に圧縮したときの反発弾性
率(この反発弾性率を100%とする)が、この低反発
枕を構成する最大反発弾性率を有するウレタンフォーム
層について厚さ方向に圧縮したときの反発弾性率の通常
は80%以上、好ましくは、85〜95%の範囲内にあ
るような反発弾性率のウレタンフォームを選択して積層
する。例えば、上層・下層のそれぞれについて、以下に
例示するような反発弾性率、硬さ、見掛け密度を有する
ウレタンフォーム層の組合せを参照して積層することが
好ましい。
【0020】 反発弾性 :上層 10%以下 下層 8%以下 硬さ :上層 20〜27N 下層 27〜35N 見掛け密度:上層 100kg/m3 下層 90kg/m3 なおここで、反発弾性は、以下のようにして測定した
値である。 試験片:50mm x 100mm x 100mm 試料の数:3 測定器具:反発弾性試験機 試験方法:試験片を試験機のホルダー保持台上に設置
し、剛球を所定の位置から自由落下させ、反発最高到達
時の上面を読み取る。各試験片についてこれを3回以上
行い、各試験片毎にそれぞれ最も高い値を測定値とす
る。結果は各々の測定値を平均する。
【0021】また、硬さは、次のようにして測定した
値である。 試験片:50mm x 380mm x 380mm 試料の数:1 測定器具:インストロンタイプ圧縮試験機 試験方法:試験片を試験機の台上の中央に置き、加圧板
を試験片の上面に載せて荷重を5Nにしたときの厚みを
0.1mmまで読みとり、これを初めの厚さとする。次
に加圧板を毎分100±20mmの速さで初めの厚さの
75%押し込んだ後、直ちに荷重を除き、再び直ちに加
圧板を100±20mmの速さで初めの厚さの25%押
し込み、静止後20秒経過した時の荷重を1Nまで読み
とり、硬さ(H)は読み取った荷重とする。測定は1回
とする。
【0022】さらに、見掛け密度は、次のようにして
測定した値である。 試験片:体積100cm3 試料の数:3 測定器具:ノギスもしくは金属製直尺はかり、ダイヤル
ゲージ 試験方法:フォームに変形を与えない状態で、厚さ、幅
及び長さのそれぞれについて、異なった場所を3ヶ所以
上測定し、それぞれの平均値を出し、各々の試験片の体
積を算出する。次に各々の試験片の質量を0.5%の精
度まで量りグラムで表す。
【0023】
【数1】
【0024】このように反発弾性及び硬さの異なるウレ
タンフォームを選択して使用することにより、例えば使
用初期の頭部および頚部の沈み込みと長時間使用した際
の頭部および頚部の支持性とのバランスが良好になり、
本発明の低反発枕が、非常に優れた使用感を有するよう
になる。さらに、本発明の低反発枕10は上面形状が平
面ではないので、サンプリングする部分によってこの低
反発枕10についてヒステリシス曲線を測定しようとし
ても一定した値を示さないため、本発明の低反発枕10
の大丘陵部14の中心を直径200mmの円盤状の板材
を厚さ方向に0〜50kgの範囲内でその変形率が0〜
75%の範囲内で変形するように圧力を連続的に増減さ
せて測定した圧力とこの試験片の変形量との関係を測定
すると、この付加した圧力とこの試験片の変形量との関
係は、例えば図3に示すようなヒステリシス曲線を形成
する。なお、この際における下層30の厚さと上層20
の厚さの比は、大丘陵部14の中心において、5:13
である。
【0025】図3に示すように、この大丘陵部14の中
心に(A−1)に示すように30kgの厚さ方向に均等に
圧力をかけると、この低反発枕10の変形量は58mm
である。即ちこうした急速な加圧による上層のウレタン
フォームの変形によって圧力は瞬時に吸収され、下層に
は圧力は部分的にしか到達しない。さらに圧力を加えて
圧力が50kgに到達した後、徐々に圧力を開放する
と、(A−2)に示すように、58mmの変形時における
圧力は約19kgである。即ち、下層20の変形は、圧
力を開放しても徐々に回復し、急激にその形態は変化し
ない。
【0026】他方、この低反発枕10に10kgの圧力
をかけると(B−3)に示すように、この低反発枕の変形
量は31mm程度である。そして、さらに圧力を加えて
圧力が50kgに達した後、次第に圧力を開放して変形
量31mmにいたるときの圧力は7kg程度である。そ
して、(A−1)と(A−2)とは変形量は、58mmと
同一であるにも拘わらず、その時の圧力30kg-19
kg=11kgである。一方、(B−3)と(B−4)と
は変形量は、共に31mmと同一であるにも拘わらず、
その時の圧力10kg-7kg=3kgである。
【0027】そして、図3に示すヒステリシス曲線にお
いて曲線Xと曲線Yとは、加圧15kg付近において、
曲線Xの付与する圧力に対する変形量は、曲線Xにおい
て少なくとも約15kg程度の位置でその曲線Xの変化
率が急速に上昇しており、この荷重15kg程度の位置
で曲線Xは少なくとも最初の変曲点を有している。一
方、荷重50kgから圧力を開放した時の変化量を示す
曲線Yは、ほぼ一定の割合で変化率と加圧との関係が変
化しており、なだらかな曲線を形成して変化量は減少す
る。
【0028】このように加圧したときの本発明の低反発
枕の変形量と、圧力を開放したときの変形量との差が、
本発明の低反発枕の非常に優れた使用感を発現させる主
たる要因となっている。さらに、別の視点から説明する
と、反発弾性及び硬さの異なる複数のウレタンフォーム
を積層した本発明の低反発弾性枕は、厚さ方向に荷重が
かかるため、この方向に、特に下層部に上層部よりも硬
く、低反発のものを積層することで、寝具の弾性との関
係を改善し、頭部に対し理想的な形状に変形せしめるこ
とが可能となる。
【0029】本発明の低反発枕は、上層部に配置される
ウレタンフォームの反発弾性及び硬さが、下層部に配置
されるウレタンフォームの反発弾性よりも高く、硬さが
軟らかいことが好ましい。即ち、上部層にはより軟らか
い軟質フォームが使用され、下部層にはやや硬めのフォ
ームが使用されることが好ましい。このような構造であ
れば、上部層は反発弾性がやや高く軟らかいため、使用
感がよく頭の形によりなじみやすく、また、下部層は反
発弾性が低くやや硬いため、頭部の重みをしっかり受け
止め、寝具への必要以上の沈み込みを防ぐことが可能と
なる。
【0030】本発明の低反発枕は、通常は2層の反発弾
性を有するウレタンフォーム層から構成されているが、
上記本発明の趣旨を逸脱しない限り、2層に限定される
ものではない。また、本発明の低反発枕は、見かけ密度
が通常は70〜120kg/m3の範囲内、好ましくは80
〜110kg/m3の範囲内にある。即ち、単層で高密度の
ウレタンフォームからなる枕よりも見かけ密度は低く質
感はあるが、枕の移動に支障が生ずるほど重いという使
用感はなく、安定して使用できる反面、発泡倍率が高く
連続気泡が多数形成されているウレタンフォーム製の枕
よりは質感があり、使用時の安定感が良好である。
【0031】本発明の低反発枕は、異なる反発弾性及び
硬さを有する複数のウレタンフォームから構成されると
ころ、フォームの変形量は反発弾性に応じて変化するた
め、圧力と変形量との関係は各層ごとに異なることにな
る。例えば、上層部に配置されるウレタンフォームの硬
さが、下層部に配置されるウレタンフォームの硬さより
も軟らかい場合、加圧初めは、より軟らかい上層部の作
用によりフォームの変形量が大きいが、そのまま加圧を
続けると、やや硬めの下層部の作用によりフォームの変
形量が小さくなる。すなわち、圧力と該低反発枕の変形
量の関係は、異なる反発弾性及び硬さを有する各層ごと
に異なるため、該ヒステリシス曲線における圧力と変形
量の関係は、層と層との変わり目で変曲点を有すること
になる。
【0032】本発明の低反発枕は、低反発枕の大丘陵部
14の中心部を測定したヒステリシス曲線において、0
〜30kgの範囲内で圧力を連続的に増加させたときの変
形量と30〜0kgに圧力を連続的に減少させたときの変
形量との差が、30kgを超え50kgの範囲内で圧力を連
続的に増加させたときの変形量と50kg以下でかつ30
kgを超える範囲内で連続的に圧力を減少させたときの変
形量との差よりも小さいことが好ましい。
【0033】本発明の低反発枕は、上述したとおり、複
数のウレタンフォーム層から構成されていることを特徴
とし、上層部に配置されるウレタンフォームの反発弾性
が、下層部に配置されるウレタンフォームの反発弾性よ
りも弱冠高いことが好ましい。すなわち、上部層にはよ
り軟らかいウレタンフォームが使用され、下部層にはそ
れよりも硬質度の高いフォームが使用されることが好ま
しい。このような枕においては、反発弾性の高いウレタ
ンフォームから成る上層部は、荷重をかけると変形する
が、取り除くと下層と比べると容易に回復する。すなわ
ち、加圧の増減による変形量の差がより小さい。一方、
反発弾性が低く硬質度のより高い下層部は、荷重をかけ
ても変形が小さいものの、回復が遅い。すなわち、加圧
の増減による変形量の差がより大きい。したがって、0
〜30kgの範囲内で圧力を連続的に増加させたときは、
上層部の作用により、加圧の増減による変形量の差がよ
り小さく、30〜50kgの範囲内で圧力を連続的に増加
させたときは、下層部の作用により、加圧の増減による
変形量の差がより大きくなる。換言すれば、加圧変形
後、上層部の戻りは早いが、下層部は遅れて戻ることに
なり、上層からの荷重をしっかり受け、寝具への影響も
受けづらい。
【0034】本発明の低反発枕は、上記のように異なる
反発弾性及び硬さを有するウレタンフォームを複数層積
層した構成を有しており、図1および2には2層のウレ
タンフォーム層が積層された態様が示されているが、本
発明の低反発枕では、層は上から順次反発弾性が低くな
り、硬くなるだけでなく、中央部に硬いウレタンフォー
ムを使用し、芯材とし、下層部により軟らかいもので、
寝具に追随しやすくするなど、2層以上であってもよ
い。また、表層部には、本発明の低反発枕における通気
性を確保するために表材層を配置することができる。こ
の表材層は厚さ1〜2cm程度の連続気泡を有する樹脂
発泡体で形成することができる。
【0035】本発明の低反発枕を生成するに際しての異
なる反発弾性を有するウレタンフォームの積層には、接
着剤を使用することもできるし、異なる条件で2種類の
ウレタンをその場で発泡させることもできる。こうして
形成された本発明の低反発枕は、例えばパイル状やメッ
シュ状の水分蒸散性の高い表層袋に上記積層された本発
明の低反発枕を収納して、さらに必要により、枕カバー
などに収容して使用する。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、温度による弾性変化が
緩和された、使い勝手のよい、しかも頚部と頭部を正し
く保持できる、感触・寝心地に優れた低反発枕を提供す
ることができる。殊に本発明の低反発枕は、異なる反発
弾性及び硬さを有する複数のウレタンフォームを用いて
形成されているので、使用開始時に通常のウレタン枕の
ように硬いという感じがなく、さらに、使用中に頭部お
よび頚椎が沈み込みすぎるという従来のウレタン枕の有
していた不具合もない。
【0037】そして、使用開始時と使用し続けていると
きで、頭部および頚部を支持するウレタンフォーム層が
異なることから、理想的な就寝状態を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の低反発枕の一実施例による枕
の斜視図を示したものである。
【図2】図2は、本発明の低反発枕の一実施例による枕
の縦断面図を示したものである。
【図3】図3は、本発明の低反発枕を形成する素材につ
いて測定したヒステリシス曲線の例を示したものであ
る。
【符号の説明】
10・・・低反発枕 12・・・小丘陵部 13・・・谷部 14・・・大丘陵部 15・・・頭部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上面部が、少なくとも小丘陵部および大
    丘陵部が連続した縦断面形状を有すると共に、異なる反
    発弾性及び硬さを有する複数のウレタンフォームが厚さ
    方向に積層された低反発枕であり、該低反発枕を構成す
    る低反発弾性率を有するウレタンフォーム層について測
    定した厚さ方向に圧縮したときの反発弾性率が、該低反
    発枕を構成する最大反発弾性率を有するウレタンフォー
    ム層について厚さ方向に圧縮したときの反発弾性率の8
    0%以上であり、かつ、該低反発枕の大丘陵を、上部か
    ら直径200mmの円盤状の板材にて厚さ方向に垂直に
    0〜50kgの範囲内でその変形率が0〜75%の範囲内
    で変形するように圧力を連続的に増加減少させて測定し
    た圧力と変形量との関係がヒステリシス曲線を形成する
    と共に、該ヒステリシス曲線における圧力を連続的に増
    加させて変化する該低反発枕の変形量が少なくとも1つ
    の変曲点を有することを特徴とする低反発枕。
  2. 【請求項2】 上記直径200mmの板材にて測定したヒ
    ステリシス曲線において、0〜30kgの範囲内で圧力を
    連続的に増加させたときの変形量と30〜0kgに圧力を
    連続的に減少させたときの変形量との差が、30kgを超
    え50kgの範囲内で圧力を連続的に増加させたときの変
    形量と50kg以下でかつ30kgを超える範囲内で連続的
    に圧力を減少させたときの変形量との差よりも小さいこ
    とを特徴とする請求項第1項記載の低反発枕。
  3. 【請求項3】 上記低反発枕全体の見かけ密度が70〜
    120kg/m3の範囲内にあることを特徴とする請求項第
    1項記載の低反発枕。
  4. 【請求項4】 上記低反発枕が、異なる反発弾性及び硬
    さを有する2層のウレタンフォーム層から実質的に構成
    されていることを特徴とする請求項第1項記載の低反発
    枕。
  5. 【請求項5】 上記低反発枕における上層部に配置され
    るウレタンフォームの反発弾性が、下層部に配置される
    ウレタンフォームの反発弾性よりも高いことを特徴とす
    る請求項第4項記載の低反発枕。
  6. 【請求項6】 上記低反発枕における上層部に配置され
    るウレタンフォームの硬さが、下層部に配置されるウレ
    タンフォームの硬さよりも軟らかいことを特徴とする請
    求項第4項記載の低反発枕。
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