JP2002142299A - 聴覚補助装置 - Google Patents

聴覚補助装置

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JP2002142299A
JP2002142299A JP2001338025A JP2001338025A JP2002142299A JP 2002142299 A JP2002142299 A JP 2002142299A JP 2001338025 A JP2001338025 A JP 2001338025A JP 2001338025 A JP2001338025 A JP 2001338025A JP 2002142299 A JP2002142299 A JP 2002142299A
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克文 近藤
Yoshinori Hayashi
好典 林
Akira Miki
晃 三木
Koji Tanitaka
幸司 谷高
Hiroshi Owaki
浩 大脇
Koichi Kawamoto
晃一 河本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】構成が簡略、且つ適度な指向性で外来音を集音
することができる聴覚補助装置を提供する。 【解決手段】装用者が耳に装用する装用部2に、装用し
たとき正面に向くように指向性マイク4を設け、全体の
音を集音できるように側面に無指向性マイク5う設け
て、ミキサ12で両方の音をミキシングして装用者に出
力する。ミキサ12のミキシング比率は、指向性マイク
4のミキシング比率を高くしたり、無指向性マイク5の
ミキシング比率を高くしたりすることができる。そし
て、指向性マイク4のミキシング比率を高くしたときに
話速変換をオンし、無指向性マイク5のミキシング比率
を高くしたときに話速変換をオフすることにより、正面
の対話者やテレビの音声に注意を払っているときに自動
的に話速変換をオンし、周囲の環境音に注意を払ってい
るときに自動的に話速変換をオフすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、補聴器などの聴
覚補助装置に関し、特に外来音を受信するマイクの設置
形態の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】聴覚補助装置は、できる限り立体感のあ
る聴覚を装用者に提供できるようにマイクの個数や設置
位置などが決定されている。たとえば、指向性マイクと
無指向性マイクを設け、これを切り換えて用いるもの、
マイクを複数使用し、配置距離と位相調整によって指向
性を作りだしているもの、などがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、指向性マイク
と無指向性マイクを切り換えて使用するものでは、指向
特性の中間的な調整ができず、無指向性マイクを使用し
ているときは周辺のノイズが大きく入力されてしまい目
的の音声が聞き取りにくいという問題があり、指向性マ
イクを使用しているときには側方や後方の音声が全く入
力できないため、街路などでは危険であるという問題点
があった。
【0004】また、複数の無指向性マイクで指向性を持
たせるものの場合、マイクを所定の間隔に水平に設ける
など、マイクの設置位置や配置に制約があり装用者の装
用形態に自由度がないという問題点があった。
【0005】この発明は、構成が簡略、且つ適度な指向
性で外来音を集音することができ、かつ指向性の程度に
応じて話速変換を制御することができる聴覚補助装置を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、装用者の正
面に向けて設けられた指向性マイクと、装用者から任意
の方向に向けて設けられた無指向性マイクと、該指向性
マイクが受信した信号および無指向性マイクが受信した
信号をミキシングして信号処理部に入力するミキサ回路
と、少なくとも指向性マイクが受信した信号を話速変換
する信号処理部と、装用者の操作により、または、自動
的に前記ミキサ回路のミキシング比率を変更するととも
に、このミキシング比率の変更に連動して前記信号処理
部の話速変換をオン・オフする指向性変更手段と、備え
たことを特徴とする。
【0007】この発明の聴覚補助装置では、装用者の正
面方向に向けて指向性マイクを設けるとともに、全体の
音声を受信できるように無指向性マイクを設けた。そし
て、この指向性マイクの入力および無指向性マイクの入
力を所定のミキシング比率でミキシングして処理し、装
用者に伝達する。指向性マイクの音声は装用者が最も注
意している正面のものであり、無指向性マイクの音声は
装用者が視覚では認知できない、すなわち聴覚でないと
得られない側方や後方の情報を含んでいる。したがっ
て、両方とも重要であるため一方をカットすることはせ
ず、両者をミキシングして出力する。そして、指向性変
更手段によってそのミキシング比率を変更することによ
り、より前方に注意を払う場面、全体に注意を払う場面
を切り換えるようにしている。
【0008】また、前方に注意を払う場面は、正面から
音声が到来している場面であり、正面から到来する音声
は対話者の音声など話速変換することによってより了解
度を向上させることができるものである。また、全体に
注意を払う場面は、周囲の環境音を聴いている場面であ
り、このような場面では話速変換は不要である。したが
って、上記のミキシング比率の変更に連動して話速変換
をオン・オフすることにより、装用者が注意を払ってい
る音に合わせた話速変換制御が可能になる。
【0009】
【発明の実施の形態】図面を参照してこの発明の実施形
態である聴覚補助装置について説明する。図1は同聴覚
補助装置のブロック図、図2は同聴覚補助装置に用いら
れる装用部の外観を示す図である。まず、図2におい
て、同図(A)は同装用部を装用時に正面となる方向か
ら見た図であり、同図(B)は同装用部を装用時に側面
となる方向から見た図である。この装用部は右耳用のも
のであるが、左耳用のものはこれと左右対称で同様の構
成である。装用部2には、装用者の外耳道に挿入される
耳栓3が設けられ、耳栓3の先端には傘部3aが形成さ
れている。傘部3aは、装用者の外耳道を外界から遮断
する。
【0010】また、装用部2の正面には、指向性マイク
4が前方(正面方向)に向けて設けられている。そし
て、この装用部2の側面には無指向性マイク5がその側
面に向けて設けられている。指向性マイク4は中心軸か
ら各方向に30度程度の指向性を有するものを用いる。
これは、人の耳の指向性に近似させるためであり、指向
性を30度よりも狭くした場合にはマイクの方向が少し
変化するだけで音を受信できなくなる場合があり、指向
性を30度よりも広くした場合には人の聴覚による方向
感覚と実際の音の方向とに大きなズレが生じ装用者に不
快感を与えるためである。また、無指向性マイク5は全
ての方向に均等に感度を有するものを用いる。したがっ
て、装用者がこの装用部2を装着したときのそれぞれの
マイクの感度特性(集音範囲)は同図(C)のような範
囲になる。指向性マイク4は正面から到来する音声を高
感度に受信し、無指向性マイク5は全方向の音声を隈な
く集音する。
【0011】なお、この実施形態では、装用部2にマイ
クを設けるため、装用者の両耳の間隔だけ左右のマイク
が離れることになるが、装用部以外にマイクを設ける場
合にも、左右のマイクを5cm以上離すことにより、左
右方向の定位感が生じて音源の方向を判断しやすくな
る。
【0012】図1は同聴覚補助装置の回路ブロック図で
ある。なお、この図においても、一方の耳(右耳)用の
回路のみ示しているが、他方の耳(左耳)用の回路も同
様の構成である。また、同図において、指向性マイク
4、無指向性マイク5、発音素子16および前置アンプ
10,11は、前記装用部2の内部に収納されており、
それ以外の回路部は装用部2とケーブルで接続される本
体1の内部に収納されている。本体1は、胸のポケット
に収納できる程度の大きさであり、その頂部にケーブル
を接続するジャックと指向性を切り換えるスイッチ21
(後述)が設けられている。
【0013】指向性マイク4,無指向性マイク5にはそ
れぞれ前置増幅器10,11が接続されている。前置増
幅器10,11は、マイク4,5から入力された音声信
号を処理可能なレベルまで増幅する。前置増幅器10で
増幅された指向性マイク4の音声信号、および、前記増
幅器11で増幅された無指向性マイク5の音声信号は、
ミキサ12に入力される。ミキサ12は所定の比率で指
向性マイク4の音声信号と無指向性マイクの音声信号を
混合して後段に出力する。この混合比率mは、0<m<
1である。すなわち、ミキサ12は、入力を完全に一方
のマイクに切り換えてしまうことはせず、必ず両方のマ
イク入力を混合して後段に出力する。この混合比率mは
制御部20から与えられる。ミキサ12が出力する混合
された音声信号はアンプ13で増幅されたのち信号処理
部14に入力される。
【0014】また、マイク4,5の位置関係による信号
位相差が発生する場合には、同図(B)に示すように、
ミキサ12の前段に位相制御回路22を設け、マイク4
から入力した信号とマイク5から入力した信号をミキシ
ングするまえに、これらが同相の信号となるように位相
調整を行っておけばよい。
【0015】信号処理部14は、入力信号のイコライジ
ングや話速変換などを行う回路であり、たとえば、A/
D変換器、DSP、D/A変換器などからなっている。
なお、話速変換を行う場合には、入力された音声信号
が、装用者が自ら発声した自己発話であるか否かを判断
し、自己発話の場合には、話速変換を停止する必要があ
るため、自己発話を検出する自己発話センサが別に設け
られる。自己発話センサは、たとえば、自己発話による
耳骨〜外耳道の振動を検出する振動検出器が用いられ、
この振動検出器は、耳栓3の傘部3aを介して外耳道に
接触するように装用部2または直接耳栓3に設けられ
る。なお、信号処理部14の処理内容およびアンプ15
の増幅ゲインはともに前記制御部20によって制御され
る。
【0016】信号処理部14でイコライジングおよび/
または話速変換された音声信号はアンプ15で増幅さ
れ、発音素子16から発音される。なお、前記耳栓3の
中央部には貫通孔が開設されており、装用部2内部の発
音素子16が発生した音響(空気振動)はこの貫通孔を
介して外耳道に伝搬する。
【0017】前記制御部20には、指向性切換用のスイ
ッチ21が接続されている。このスイッチ21が一方の
側(無指向性モード)にセットされているときは、混合
比率m=0.3(指向性マイク4の入力0.3、無指向
性マイク5の入力0.7)になるようにミキサ12に制
御信号を出力し、スイッチ21が他方の側(指向性モー
ド)にセットされているときは、混合比率m=0.7
(指向性マイク4の入力0.7、無指向性マイク5の入
力0.3)になるようにミキサ12に制御信号を出力す
る。
【0018】装用者は、通常はスイッチ21を無指向性
モードにセットして、どこからの音声も聞き取れるよう
にする。そして、誰かと会話するとき、テレビを見ると
き、講演を聞くときなど、特に前方からの音声に注意を
払う場合にスイッチ21を指向性モードに切り換えて前
方の音声の入力ゲインをあげる。ただし、この場合でも
周囲の音声が全く耳に入らないと不安であったり危険で
あったりするため、無指向性マイク5の入力に対しても
ある程度のゲインを残すようにしている。
【0019】なお、混合比率mは上記の例(0.3、
0.7)に限定されない。この混合比率を装用者が好み
に合わせて設定できるようにしてもよい。この場合、複
数種類の混合比率を制御部20にテーブルとして記憶し
ておき、装用者がその中から自由に混合比率を選択でき
るようにしてもよい。また、スイッチ21の代わりにボ
リュームを設け、混合比率mを無段階で変化できるよう
にしてもよい。さらに、周囲の音の状況や装用者の自己
発話の状況に応じて制御部20が自動的にミキサ12の
混合比率を変更するようにしてもよい。また、話速変換
と混合比率の切り換えを連動させるようにしてもよい。
たとえば、話速変換する音声は、大抵の場合、正面から
到来する音声であるため、話速変換のオン・オフと指向
性モードのオン・オフを連動させるようにすればよい。
【0020】また、指向性マイク4から入力した信号と
無指向性マイク5から入力した信号の位相差が問題とな
る場合には図1(B)に示すようにミキサ12の前段に
位相制御回路を設け、両マイクの入力信号の位相を整合
するようにすればよい。位相制御回路としては、たとえ
ば、ディレイ回路を適用することができる。
【0021】図3は、装用部2の前後に同じ発音源を置
き、混合比率を変化させたとき、前後の音声信号の入力
レベルの比率がどのように変化するかを示したものであ
る。この図では混合比率は、(指向性マイク4の入力/
無指向性マイク5の入力)で示している。図示のように
無指向性マイクの入力比率が高い場合は、前後の信号レ
ベル比率は略同じ(0.9程度)になるが、指向性マイ
クの入力比率を高くすると、後方の信号は前方の信号に
対して0.2程度になる。このように、無指向性マイク
5の入力比率を高くすると前後にかかわらず全ての方向
の音声を隈なく集音することができ、指向性マイク4の
入力比率を高くすると前方以外の信号を遮断して前方の
目的音声に対するS/N比を良くすることができる。
【0022】図4は、この発明の他の実施形態を示す外
観図である。この実施形態は、所謂一体型の聴覚補助装
置の例である。図1,図2の実施形態では、本体1と装
用部2をケーブルで接続し、本体1は胸ポケット等に収
納する2分型の聴覚補助装置を示したが、この図のもの
は本体31を耳介(耳たぶ)に係止し、本体31から取
り出された樹脂チューブ32と軟質シリコン樹脂で構成
される傘部33で装用部を構成することにより、全体を
一体化している。
【0023】この実施形態でも、回路構成は図1に示す
ものと同じであるため、説明を省略する。そして、同一
構成の部品には同一番号を付す。本体31は耳介の上部
に係止され、チューブ32は耳介の前から回り込んで外
耳道に挿入される。本体31のチューブ32取付部には
発音素子16が設けられており、信号処理された音声が
このチューブ32を介して外耳道に伝搬される。
【0024】本体31の上端部正面側には指向性マイク
4が設けられており、その側面には無指向性マイク5が
設けられている。そして、本体部31の下部にスイッチ
21が設けられている。装用者は、耳介後側の本体31
を人指し指で押さえて親指でスイッチ21を切り換える
簡単な操作で、指向性マイク4の入力と無指向性マイク
5の入力の混合比率mを切り換えることができる。
【0025】
【発明の効果】この発明によれば、前方の音声を集中的
に集音する指向性マイクと、全体の音を隈なく集音する
無指向性マイクの音声をミキシングして処理することに
より、全体にも注意を払うことができ、且つ、通常最も
注目する正面の音声をよりよく拾うことができる。ま
た、これらのミキシング比率を変更することにより、通
常全体に注意を払っているときや、会話をしたりテレビ
を見たりしているときなど前方に集中したいときなどに
応じて最適の集音性能で聴覚補助装置を使用することが
できる。
【0026】さらに、ミキシング比率の変更に連動して
信号処理部の話速変換をオン・オフすることにより、装
用者が注意を払っている音に合わせた話速変換制御が可
能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態である聴覚補助装置のブロ
ック図
【図2】同聴覚補助装置の装用部の構成図
【図3】同聴覚補助装置の入力レベル比を変更したとき
の前後の信号の入力レベル比を示す図
【図4】この発明の他の実施形態を示す図
【符号の説明】
1…本体、2…装用部、3…耳栓、3a…傘部、4…指
向性マイク、5…無指向性マイク、10,11…前置増
幅器、12…ミキサ、13…アンプ14…信号処理部、
15…アンプ、16…発音素子、20…制御部、21…
スイッチ、31…本体、32…チューブ、33…傘部
フロントページの続き (72)発明者 三木 晃 静岡県浜松市中沢町10番1号 ヤマハ株式 会社内 (72)発明者 谷高 幸司 静岡県浜松市中沢町10番1号 ヤマハ株式 会社内 (72)発明者 大脇 浩 静岡県浜松市中沢町10番1号 ヤマハ株式 会社内 (72)発明者 河本 晃一 静岡県浜松市中沢町10番1号 ヤマハ株式 会社内 Fターム(参考) 5D045 BA02

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 装用者の正面に向けて設けられた指向性
    マイクと、 装用者から任意の方向に向けて設けられた無指向性マイ
    クと、 該指向性マイクが受信した信号および無指向性マイクが
    受信した信号をミキシングして信号処理部に入力するミ
    キサ回路と、 少なくとも指向性マイクが受信した信号を話速変換する
    信号処理部と、 装用者の操作により、または、自動的に前記ミキサ回路
    のミキシング比率を変更するとともに、このミキシング
    比率の変更に連動して前記信号処理部の話速変換をオン
    ・オフする指向性変更手段と、 備えた聴覚補助装置。
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