JP2002142152A - 映像特殊効果装置の制御システム - Google Patents

映像特殊効果装置の制御システム

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JP2002142152A
JP2002142152A JP2000335798A JP2000335798A JP2002142152A JP 2002142152 A JP2002142152 A JP 2002142152A JP 2000335798 A JP2000335798 A JP 2000335798A JP 2000335798 A JP2000335798 A JP 2000335798A JP 2002142152 A JP2002142152 A JP 2002142152A
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Senzaburo Nakamura
泉三郎 中村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 映像特殊効果装置の設定復旧処理に伴う通信
量を減らすことができると共に、設定復旧を行ったとき
の設定情報の表示を高速に行うことができるようにす
る。 【解決手段】 主制御部102は、主設定記憶部104
に映像特殊効果部101の設定情報を記憶するたびに、
その記憶した設定情報を第2の操作部10B側に送信す
る。第2の操作部10Bは、その記憶内容が主設定記憶
部104の記憶内容と同一となるように、送信されてき
た設定情報を操作部設定記憶部112bに記憶する。こ
れにより、例えば、映像特殊効果部101の設定復旧を
行った場合に、設定復旧に使用した設定情報を第2の操
作部10B側へ転送する必要がなくなる。設定復旧など
を行うときに主制御部102と第2の操作部10Bとの
間で設定情報の送受信を行う必要がなくなるので、その
通信量が減少する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、映像に対して映像
特殊効果を施す映像特殊効果装置を制御するための制御
システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば放送局などでは、放送
用の映像を生成する目的で映像特殊効果装置が使用され
ている。映像特殊効果装置は、入力映像に対して種々の
映像特殊効果を施して出力する機能を有している。映像
特殊効果装置を用いて構築された映像処理用のシステム
は、映像特殊効果システムなどと呼ばれている。映像特
殊効果システムでは、任意の時点における映像特殊効果
装置の設定状態を記憶しておくことで、一度行った映像
特殊効果を復旧させて後から再度利用することが可能と
なっている。
【0003】図55は、従来の映像特殊効果システムの
構成例を示している。このシステムは、システム全体の
制御を行う主制御部2021と、この主制御部2021
に接続された、設定記憶部2022、操作部2023お
よび映像特殊効果部2025とを備えている。主制御部
2021と操作部2023は、ローカルエリアネットワ
ーク(LAN)などの通信路2024によって接続され
ている。
【0004】操作部2023は、図示しないが、操作者
からの各種の指示入力を受け付ける入力部と、マイクロ
コンピュータを含んで構成され、入力部に入力された指
示に応じた制御動作を行う制御部と、操作に必要な各種
の情報を表示する表示部とを有している。主制御部20
21は、マイクロコンピュータを含んで構成され、通信
路2024を介して受信した操作部2023からの指示
に応じて映像特殊効果部2025の制御などを行うよう
になっている。設定記憶部2022は、映像特殊効果部
2025の設定状態に関する情報を設定情報として記憶
するようになっている。設定記憶部2022は、物理的
にはメモリの領域を確保したものであり、例えば主制御
部2022を構成するマイクロコンピュータに接続さ
れ、そのマイクロコンピュータからアクセス可能に構成
されたメモリ中の領域として実現される。
【0005】このようなシステムにおいて、操作部20
23は、図示しない入力部からの入力された指示に従っ
て動作し、通信路2024を介して、主制御部2021
との間で各種のコマンドや各種の情報の送受信を行う。
例えば、操作部2023は、主制御部2021に対し
て、映像特殊効果部2025の設定状態を変更する「設
定変更」の指示を示すコマンドや、映像特殊効果部20
25の任意の時点における設定状態の情報を設定記憶部
2022に記憶するよう指示する「設定記憶」のコマン
ドなどを主制御部2021に送信する。操作部2023
は、また、設定記憶部2022に記憶した設定情報を用
いた復旧動作を指示する「設定復旧」のコマンドなど
を、主制御部2021に送信する。主制御部2021
は、操作部2023からのコマンドに応じた制御動作を
行う。
【0006】図53は、操作部2023から「設定変
更」のコマンドを受信した場合の主制御部2021の動
作を示している。また、図54は、操作部2023から
「設定記憶」のコマンドを受信した場合の主制御部20
21の動作を示している。主制御部2021は、操作部
2023から「設定変更」を指示するコマンドを受信す
る(ステップS511)と、そのコマンドに従って、映
像特殊効果部2025を制御し、映像特殊効果部202
5の設定を変更する(ステップS512)。また、主制
御部2021は、操作部2023から「設定記憶」を指
示するコマンドを受信する(ステップS521)と、映
像特殊効果部2025から現在の設定状態を読み出し
て、その設定状態に関する情報を設定記憶部2022に
記憶する(ステップS522)。
【0007】図55は、操作部2023から「設定復
旧」のコマンドを受信した場合の主制御部2021の動
作を示している。主制御部2021は、操作部2023
から「設定復旧」を指示するコマンドを受信する(ステ
ップS531)と、設定記憶部2022に記憶された設
定情報の中から、コマンドで指示された設定情報を読み
出す。そして、その情報に従って、映像特殊効果部20
25の設定を変更する(ステップS532)。これによ
り、映像特殊効果部2025の設定が以前の設定状態と
なるように復旧される。
【0008】ところで、操作部2023では、映像特殊
効果部2025の現在の設定状態を例えばランプを点灯
させるなどして表示し、これにより操作者の操作の助け
としている。しかしながら、操作部2023は、設定復
旧を行った後に、映像特殊効果部2025が実際にどの
ような設定状態になっているのかを示す情報を持ってい
ないので、設定状態の表示を行うために、設定状態の情
報を主制御部2021から送信してもらう必要がある。
このため、主制御部2021は、ステップS532にお
いて設定状態の復旧をした際に用いた設定情報を操作部
2023に送信する処理を行う(ステップS533)。
操作部2023は、主制御部2021からの設定情報を
受信し、これを受けて設定状態の表示に反映させる。
【0009】以上のような映像特殊効果システムによれ
ば、操作部2023を複数回操作することにより実現可
能な映像特殊効果であっても、その設定状態を設定記憶
部2022に記憶しておくことで、次回からは複雑な操
作を行うことなく、操作部2023から「設定復旧」の
操作指示を行うだけで、設定復旧処理が行われ、以前の
設定状態を簡単に再現することができる。このような設
定状態を再現する機能は、“スナップショット”などと
呼ばれている。映像特殊効果システムでは、このスナッ
プショットの機能を利用して、何度も使用する設定状態
を設定記憶部2022に記憶しておくことにより、作業
の効率を上げている。映像特殊効果システムでは、設定
記憶部2022に、複数の設定状態を記憶しておくこと
も可能であり、各設定状態を番号等で識別して、後から
容易に再現できるようにすることもできる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の映像特殊効果システムでは、操作部2023は、設定
復旧を行った後の映像特殊効果部2025における設定
状態の情報を持っていない。このため、従来では、操作
部2023において設定状態に関する表示を行うため
に、設定復旧を行った後で、主制御部2021から操作
部2023に対して設定状態の情報を送信してやる必要
がある。しかしながら、近年の映像特殊効果技術は複雑
化しており、設定復旧によって変化する設定状態の情報
量は大きくなる傾向にある。設定状態に関する情報量が
大きくなると、その情報を主制御部2021から操作部
2023に伝送するのに時間がかかり、結果として、復
旧された設定状態を操作部2023の表示に反映させる
のが遅れてしまうという問題が生じる。特に、操作部2
023が複数ある場合には、情報の伝送量がさらに増大
するので、この問題が顕著になるおそれがある。この問
題を解決するための方法としては、単純に通信路を大容
量・高速化するというものが考えられるが、通信路を大
容量・高速化するとコストが高くなり、非経済的である
という問題がある。
【0011】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その第1の目的は、映像特殊効果装置の設定復旧
などを行ったときの設定情報の送受信に伴う通信量を減
らすことができる映像特殊効果装置の制御システムを提
供することにある。また本発明の第2の目的は、設定復
旧を行ったときに設定情報の表示を高速に行うことがで
きる映像特殊効果装置の制御システムを提供することに
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明による映像特殊効
果装置の制御システムは、映像特殊効果装置を制御する
第1の制御手段と、映像特殊効果装置の設定状態に関す
る設定情報を記憶する第1の設定情報記憶手段とを有す
る第1の構成部と、映像特殊効果装置の設定に関する指
示を入力するための入力手段と、入力手段からの指示に
応じた制御動作を行うと共に、入力手段からの指示を第
1の制御手段に送信する処理を行う第2の制御手段と、
映像特殊効果装置の設定情報を記憶する第2の設定情報
記憶手段とを有した第2の構成部と、第1の制御手段と
第2の制御手段とを結ぶ伝送路とを備えている。ここ
で、第1の制御手段は、入力手段からの指示に応じて、
映像特殊効果装置の設定情報を第1の設定情報記憶手段
に記憶する制御を行うと共に、第1の設定情報記憶手段
に設定情報を記憶するたびに、その記憶した設定情報を
伝送路を介して第2の制御手段に送信する制御を行うよ
う構成されている。一方、第2の制御手段は、その記憶
内容が第1の設定情報記憶手段の記憶内容と同一となる
ように、第1の制御手段から送信されてきた設定情報を
第2の設定情報記憶手段に記憶する制御を行うよう構成
されている。
【0013】ここで、本発明による映像特殊効果装置の
制御システムにおいて、第2の構成部が、さらに、表示
手段を有していても良い。この場合、第1の制御手段
が、さらに、入力手段からの指示に応じて、第1の設定
情報記憶手段に記憶された設定情報を用いて、映像特殊
効果装置の設定が指示された設定状態となるように復旧
させると共に、設定状態が復旧されたことを第2の制御
手段に通知するよう構成されていることが望ましい。ま
たこの場合、第2の制御手段が、さらに、第1の制御手
段から設定状態が復旧されたことを示す通知を受けたと
きに、復旧された設定状態に関する設定情報を第2の設
定情報記憶手段から取得し、その取得した設定状態に関
する情報を表示手段に表示させる制御を行うよう構成さ
れていることが望ましい。
【0014】本発明による映像特殊効果システムでは、
第1の制御手段において、入力手段からの指示に応じ
て、映像特殊効果装置の設定情報を第1の設定情報記憶
手段に記憶する制御が行われると共に、第1の設定情報
記憶手段に設定情報を記憶するたびに、その記憶した設
定情報を伝送路を介して第2の制御手段に送信する制御
が行われる。一方、第2の制御手段では、その記憶内容
が第1の設定情報記憶手段の記憶内容と同一となるよう
に、第1の制御手段から送信されてきた設定情報を第2
の設定情報記憶手段に記憶する制御が行われる。
【0015】これにより、常に第2の設定情報記憶手段
に第1の設定情報記憶手段の記憶内容と同じ内容の設定
情報が記憶される。従って、例えば第1の構成部におい
て、第1の設定情報記憶手段に記憶された設定情報を用
いて映像特殊効果装置の設定復旧を行った場合に、設定
復旧に使用した設定情報を第2の構成部へ転送する動作
が不要とされる。これにより、設定復旧を行う際におけ
る第1の構成部と第2の構成部との間の通信量を減らす
ことが可能とされる。また、第2の構成部において、第
2の制御手段が、例えば、復旧された設定状態に関する
設定情報を第2の設定情報記憶手段から取得し、その取
得した設定状態に関する情報を表示手段に表示させるこ
とで、設定復旧を行った際の設定情報の表示が高速化さ
れる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0017】図1は、本発明の一実施の形態に係る映像
特殊効果システムの全体構成を示している。本実施の形
態に係る映像特殊効果システム1は、システム全体の制
御を行う主制御部102と、この主制御部102に接続
された、映像特殊効果部101、動作情報生成部10
3、主設定記憶部104、および複数の操作部10A,
10B,10Cとを備えている。操作部10A,10
B,10Cは、ローカルエリアネットワーク(LAN)
などの通信ネットワーク119によって、それぞれ主制
御部102に接続されている。本システム1は、また、
通信ネットワーク119と第3の操作部10Cとを着脱
可能に接続するための着脱部113を備えている。な
お、以下では、特に必要のない限り、複数の操作部10
A,10B,10Cを総称して、単に操作部10と記
す。
【0018】この映像特殊効果システム1は、映像特殊
効果部101および主制御部102から離れた場所であ
っても通信ネットワーク119の敷設可能な場所であれ
ば、通信ネットワーク119を介して操作部10からシ
ステムの操作が可能となっている。また、この映像特殊
効果システム1は、複数の操作部を別々の場所に配置す
ることにより、複数の場所からの操作が可能となってい
る。
【0019】映像特殊効果部101は、複数の入力映像
信号117の入力を受け付けると共に、入力された入力
映像信号117に対して必要に応じて映像特殊効果を施
し、単一の出力映像信号118を出力するようになって
いる。映像特殊効果部101から出力された出力映像信
号118は、例えば、放送に供される最終的なオンライ
ン映像用の信号として、外部から直ちに利用可能とされ
ている。映像特殊効果部101は、また、後述するキー
信号の入力を受け付けると共に、入力映像信号117に
対してキー信号に基づく映像特殊効果を施すことが可能
となっている。映像特殊効果部101は、例えば、複数
の入力映像信号117の中から1つを選択して、出力映
像信号118として出力するようなスイッチング機能
や、複数の入力映像信号117の中から選択された所定
数(例えば2つ)の映像信号を合成して単一の出力映像
信号118として出力する機能を有している。
【0020】図2は、映像特殊効果部101に入出力さ
れる信号の概略を説明するためのものである。映像特殊
効果部101には、例えば7つの入力映像信号117
(S1〜S7)が入力される。映像特殊効果部101に
は、また、例えば5つのキー信号212(K1〜K5)
が入力可能になっている。キー信号212は、例えば、
入力映像信号117によって表される映像の上に、入力
映像信号117によって表される映像以外の他の映像を
重ねて出力する場合に入力される。より具体的には、キ
ー信号212は、入力映像信号117によって表される
第1の映像領域内で、種々の形状の領域を指定して、そ
の領域内に、あらかじめ用意された第2の映像を合成し
て表示するような特殊効果を行う場合に入力される。キ
ー信号212は、例えば、領域指定の役割を持たせた信
号と、表示する映像(第2の映像)を表す映像信号との
2つの信号によって構成される。しかしながら、キー信
号の詳細な構成部分は、本発明を説明する上であまり関
係がないので、本実施の形態では、キー信号が単純に、
入力映像信号117に「重ねる信号」であるものとして
説明する。
【0021】図3は、映像特殊効果部101の内部構造
の一例を示している。映像特殊効果部101は、複数の
内部バス215,216,218と、2つのバス21
5,216に接続された合成効果部214と、合成効果
部214およびバス218に接続されたキー処理部21
7とを有している。
【0022】バス215,216は、それぞれ7つの入
力映像信号S1〜S7の中から1つを選択し、合成効果
部214に出力するようになっている。合成効果部21
4は、バス215,216からの2つの映像信号の入力
を受け付けると共に、入力された映像信号に対して必要
に応じて映像特殊効果を施し、1つの映像信号を出力す
るようになっている。合成効果部214は、特に映像特
殊効果を施さない場合には、単純にバス215またはバ
ス216によって選択された1つの映像信号を、入力さ
れた信号状態のままキー処理部217に出力するように
なっている。合成効果部214は、映像特殊効果とし
て、ワイプなどを用いた切り替え動作を行う場合には、
バス215によって選択された入力映像信号からバス2
16によって選択された入力映像信号へと(またはバス
216によって選択された入力映像信号からバス215
によって選択された入力映像信号へと)、指定に応じた
手法で切り替え動作を行うようになっている。合成効果
部214は、また、バス215によって選択された入力
映像信号とバス216によって選択された入力映像信号
とを合成するような映像特殊効果(例えば後述の図24
(A)で示すような効果)を施すことが可能になってい
る。
【0023】バス218は、5つのキー信号K1〜K5
の中から1つの信号を選択して、キー処理部217に出
力するようになっている。キー処理部217は、合成効
果部214から出力された1つの映像信号とバス218
から出力された1つのキー信号との入力を受け付けると
共に、必要に応じて映像信号にキー処理を施して、1つ
の出力映像信号118を出力するようになっている。
【0024】なお、映像特殊効果部101の構成は、図
示したものに限定されず、例えば、合成効果部214に
3つ以上のバスを接続し、3つ以上の入力映像信号を合
成可能な構成にしても構わない。
【0025】再び図1に戻ってシステム各部の構成につ
いて説明すると、主制御部102は、マイクロコンピュ
ータを含んで構成されている。主制御部102は、通信
ネットワーク119を介して、操作部10からの各種の
コマンドを受信し、そのコマンドに応じた制御動作を行
う機能を有している。例えば、主制御部102は、操作
部10から映像特殊効果部101に対する指示を促すコ
マンドを受信すると、その指示に従って映像特殊効果部
101を制御し、操作者が所望とする映像を出力させる
ような制御を行う。主制御部102は、また、例えば、
操作部10から、映像特殊効果部101の設定状態の情
報を主設定記憶部104に記憶するよう指示するコマン
ドを受信すると、その指示に従って映像特殊効果部10
1の設定状態の情報を設定情報として主設定記憶部10
4に記憶するような制御を行うようになっている。主制
御部102は、また、例えば、操作部10から、主設定
記憶部104に記憶した設定情報を用いた復旧処理を指
示するコマンドを受信すると、主設定記憶部104に記
憶された設定情報の中から、コマンドで指示された設定
情報を読み出し、その情報に従って、映像特殊効果部1
01の設定を変更するような制御を行うようになってい
る。
【0026】主制御部102は、また、制御結果を示す
情報や操作部10において必要とされる各種の情報(例
えば動作情報生成部103から得た情報)などを、通信
ネットワーク119を介して操作部10に送信するよう
になっている。例えば、主制御部102は、映像特殊効
果部101の設定復旧処理を行ったときに、設定状態が
復旧されたことを第2の操作部10Bなどに通知するよ
うになっている。なお、図示しないが、映像特殊効果部
101には、出力映像信号118による映像をモニタす
るためのモニタ装置(表示装置)を接続可能になってい
る。
【0027】動作情報生成部103は、出力映像信号1
18に含まれている入力映像信号117の識別子を映像
特殊効果部101から取得し、主制御部102に供給す
るようになっている。入力映像信号117の識別子は、
例えば各映像信号ごとに割り振られた固有の番号によっ
て表される。動作情報生成部103は、また、映像特殊
効果部101で実行中の映像特殊効果の種類を示す情報
や映像特殊効果部101の動作状態を表す数値情報(動
作状態数値)などの動作情報を主制御部102に供給す
るようになっている。ここで、動作状態数値には、後述
するように、映像特殊効果部101において処理される
映像特殊効果に関する各種パラメタ値が含まれる。主制
御部102に供給された識別子や動作情報は、主制御部
102によって、第1の操作部10Aに転送される。
【0028】主設定記憶部104は、主制御部102の
制御に従って、後述の図25に示すような映像特殊効果
部101の設定状態に関する情報(設定情報)を記憶す
るようになっている。主設定記憶部104は、物理的に
はメモリの領域を確保したものである。より具体的に
は、主設定記憶部104は、主制御部102を構成する
マイクロコンピュータに接続され、そのマイクロコンピ
ュータからアクセス可能に構成されたメモリ中の領域と
して実現される。
【0029】操作部10(10A,10B,10C)の
基本構成は、操作制御部105(105a,105b,
105c)と、表示部106(106a,106b,1
06c)と、入力部107(107a,107b,10
7c)とを有したものとなっている。操作部10A,1
0B,10Cは、これらの基本的な構成要素以外にも、
後述するように、個々の操作部で異なる構成要素・機能
を有している。ただし、すべての操作部が同一の機能お
よび構成を有しているものであっても良い。例えば、図
示した個々の操作部10A,10B,10Cが有するす
べての機能を、1つの操作部が有している構成であって
も良い。
【0030】通信ネットワーク119は、各操作部の操
作制御部105a,105b,105cのそれぞれと、
主制御部102とを接続している。通信ネットワーク1
19には、第3の操作部10Cを着脱可能に接続するた
めの着脱部113Bが設けられている。着脱部113B
は、第3の操作部10Cに設けられた着脱部113Aと
対をなしている。通信ネットワーク119は、既知の技
術により構築されるものであり、具体的には例えばイー
サネット(登録商標)(Ethernet(登録商
標))やそれに関連する技術の使用により構築される。
【0031】表示部106は、陰極線管(CRT;Cath
ode Ray Tube)や液晶表示装置などによって構成される
ものであり、操作に必要な情報などをグラフィカルに表
示可能となっている。入力部107は、システムのユー
ザ(操作者)によって直接操作されるものであり、コン
ピュータ用の汎用キーボードや、各種の操作スイッチを
配置した操作ユニットなどにより構成されている。
【0032】操作制御部105は、マイクロコンピュー
タを含んで構成され、操作部内の各構成要素を制御する
ようになっている。操作制御部105は、また、通信ネ
ットワーク119を介して、主制御部102との間で各
種のコマンドや各種の情報の送受信を行うようになって
いる。操作制御部105は、操作者による入力部107
からの操作入力に従って動作するようになっている。例
えば、操作制御部105は、操作者の操作に従って、映
像特殊効果部101に対する指示を示すコマンドを、通
信ネットワーク119を介して、主制御部102に送信
するような動作を行う。
【0033】第1の操作部10Aは、表示要素格納部1
08と、リンク情報保持部109,111と、効果表現
格納部110とを有している。これらの構成要素は、物
理的にはメモリの領域を確保したものである。より具体
的には、これらの構成要素は、操作制御部105aを構
成するマイクロコンピュータに接続され、そのマイクロ
コンピュータからアクセス可能に構成されたメモリ中の
領域として実現される。
【0034】表示要素格納部108は、入力映像信号1
17に関連する表示要素のデータを格納している。表示
要素格納部108に格納される表示要素のデータは、操
作者が映像特殊効果部101に対して入力映像信号11
7を選択させる際の判断に役立つものであることが望ま
しい。例えば、入力映像信号117に関するソース(取
材源)、撮影位置、撮影者、撮影に使用している機器、
あるいは録画を再生している機器、あらかじめ加工され
た映像であれば加工の説明などを表すデータが表示要素
のデータとして用意される。表示要素格納部108は、
このような情報を、文字データまたは画像データの形式
で格納している。リンク情報保持部109は、入力映像
信号117の識別子と表示要素格納部108に格納され
た表示要素データとの対応関係を示すリンク情報を保持
するようになっている。
【0035】効果表現格納部110は、映像特殊効果部
101の動作状態の情報(動作情報)を後述の図11に
示す表示例のように数値的またはグラフィカルに表示す
るための効果表現用の表示データを複数格納している。
効果表現格納部110は、表示データとして、例えば、
文字列や静止画像などの静止画的表現を行うためのデー
タや、動画的な表現を行うためのデータを、映像特殊効
果の種類ごとに格納している。リンク情報保持部111
は、映像特殊効果部101が行う映像特殊効果の種類と
効果表現格納部110に格納された表示データとの対応
関係を示すリンク情報を保持するようになっている。
【0036】第1の操作部10Aは、あらかじめ各入力
映像信号に関連する情報を表示要素データとして表示要
素格納部108に格納しておき、入力映像信号117の
識別子と対応付けをすることで、動作中に選択されてい
る入力映像信号117に関連する情報を、例えば後述す
る図5の表示例のように表示部106aに表示する機能
を有している。第1の操作部10Aは、また、効果表現
格納部110に格納された表示データを用いて、主制御
部102から得た映像特殊効果部101の動作状態に関
する情報を、例えば後述する図11の表示例のように数
値的またはグラフィカルに表示する機能を有している。
これらの第1の操作部10Aに特有の機能は、主として
操作制御部105aの制御動作によって実現される。
【0037】第2の操作部10Bは、操作部設定記憶部
112bを有している。操作部設定記憶部112bは、
物理的にはメモリの領域を確保したものである。より具
体的には、操作制御部105bを構成するマイクロコン
ピュータに接続され、そのマイクロコンピュータからア
クセス可能に構成されたメモリ中の領域として実現され
る。この操作部設定記憶部112bは、操作制御部10
5bの制御に従って、主設定記憶部104と同様に、後
述の図25に示すような映像特殊効果部101の設定状
態に関する情報(設定情報)を記憶するようになってい
る。
【0038】第2の操作部10Bは、主制御部102か
ら映像特殊効果部101の設定復旧処理が行われたこと
を示す通知を受けたときに、復旧された設定状態に関す
る設定情報を、操作部設定記憶部112bから取得し、
その取得した設定状態に関する情報を表示部106bに
表示する機能を有している。この第2の操作部10Bに
特有の機能は、主として操作制御部105bの制御動作
によって実現される。
【0039】第3の操作部10Cは、操作部設定記憶部
112cと、構成記憶部114と、作成設定記憶部11
5とを有している。操作部設定記憶部112c、構成記
憶部114および作成設定記憶部115は、物理的には
メモリの領域を確保したものである。より具体的には、
これらの構成要素は、操作制御部105cを構成するマ
イクロコンピュータに接続され、そのマイクロコンピュ
ータからアクセス可能に構成されたメモリ中の領域とし
て実現される。
【0040】第3の操作部10Cは、また、一端が操作
制御部105cに接続された着脱部113Aを有してい
る。着脱部113Aの他端は、通信ネットワーク119
に設けられた着脱部113Bに対して着脱可能となって
おり、これにより、操作制御部105cを必要に応じて
通信ネットワーク119に接続することが可能となって
いる。なお、本システムにおいては、着脱部113Aが
着脱部113Bに接続されたことを、操作制御部105
cや主制御部102などで検出可能な構成にすることが
望ましい。
【0041】操作部設定記憶部112cは、第2の操作
部10Bの操作部設定記憶部112bと同様に、映像特
殊効果部101の設定状態に関する情報(設定情報)を
記憶するようになっている。操作部設定記憶部112c
の記憶内容は、最終的には(通信ネットワーク119に
接続された後には)、主設定記憶部104の記憶内容と
同一に保たれるようになっている。作成設定記憶部11
5は、第3の操作部10Cで作成した設定情報を、最低
限、主設定記憶部104に転送するまでの間記憶するよ
うになっている。
【0042】構成記憶部114は、映像特殊効果部10
1の構成および機能の情報を記憶するようになってい
る。本システムは、用途や設置場所などの様々な条件に
より、映像特殊効果部101の構成および機能を個別に
作り上げて設置することが可能である。また、本システ
ムを移動して設置、使用する構成にした場合には、シス
テムの設置のたびに映像特殊効果部101の構成を変化
させることが可能である。構成記憶部114は、このよ
うな状況に対応すべく、映像特殊効果部101の種々の
構成情報を記憶するようになっている。
【0043】第3の操作部10Cは、操作部設定記憶部
112cを有していることにより、ネットワーク接続さ
れているときには、第2の操作部10Bと同様の機能
(設定復旧処理を行う機能など)を実現可能となってい
る。また、第3の操作部10Cは、通信ネットワーク1
19に接続されていない状態(システムに組み込まれて
いない状態)でも、単独で使用することが可能となって
いる。例えば、第3の操作部10Cは、時間や場所に制
約されず、通信ネットワーク119に接続されていない
状態であっても、操作部設定記憶部112c、構成記憶
部114および作成設定記憶部115に記憶された情報
を適宜参照して、単独で設定情報の作成を行う機能を有
している。この機能により、第3の操作部10Cにおい
ては、通信ネットワーク119に接続する前に設定情報
をあらかじめ作成しておくことができる。これにより、
第3の操作部10Cにおいては、システムに接続した
後、一から設定情報を作成する操作をしなくても、あら
かじめ作成した設定情報を主制御部102に転送するだ
けでその設定情報を使用した設定復旧処理などを行うこ
とができるようになっている。これらの第3の操作部1
0Cに特有の機能は、主として操作制御部105cの制
御動作によって実現される。
【0044】なお、本実施の形態においては、主とし
て、主制御部102、動作情報生成部103、主設定記
憶部104、通信ネットワーク119および第2の操作
部10Bが、本発明の制御システムを構成している。ま
た、本実施の形態において、主として主制御部102お
よび主設定記憶部104が、本発明における「第1の構
成部」の一具体例に対応し、第2の操作部10Bが、本
発明における「第2の構成部」の一具体例に対応する。
また、本実施の形態において、主制御部102が、本発
明における「第1の制御手段」の一具体例に対応し、主
設定記憶部104が、本発明における「第1の設定情報
記憶手段」の一具体例に対応する。また、本実施の形態
において、第2の操作部10Bにおける入力部107b
が、本発明における「入力手段」の一具体例に対応し、
第2の操作部10Bにおける表示部106bが、本発明
における「表示手段」の一具体例に対応する。また、本
実施の形態において、第2の操作部10Bにおける操作
制御部105bが、本発明における「第2の制御手段」
の一具体例に対応し、第2の操作部10Bにおける操作
部設定記憶部112bが、本発明における「第2の設定
情報記憶手段」の一具体例に対応する。
【0045】次に、上記のような構成の映像特殊効果シ
ステム1の動作について説明する。
【0046】まず、図1を参照して本システム1の全体
的な動作について説明する。本システム1において、基
本的な動作の指示は、操作部10から行われる。操作部
10は、通信ネットワーク119に接続されている環境
で、システムの動作指示を行う。操作部10において、
操作制御部105は、入力部107や表示部106など
を制御し、操作者の(入力部107からの)操作入力に
従って動作する。操作制御部105は、操作者によって
指示された内容が、例えば映像特殊効果部101に対す
る指示である場合には、その指示内容を示すコマンド
を、通信ネットワーク119を介して主制御部102に
送信する。主制御部102は、操作制御部105からの
コマンドを受信すると、そのコマンドに従って映像特殊
効果部101を制御し、操作者が所望とする出力映像信
号118が得られるようにする。主制御部102は、必
要に応じて制御結果などの情報を通信ネットワーク11
9を介して操作制御部105に送信する。主制御部10
2は、また、必要に応じて、個々の操作部に特有の機能
を実行するために必要とされる情報、例えば映像特殊効
果部101の動作状態数値や設定状態などの情報を、通
信ネットワーク119を介して、その情報を必要として
いる操作制御部105に送信する。個々の操作部は、主
制御部102から送信された情報に基づいて、それぞれ
に特有の機能を実行する。
【0047】次に、個々の操作部に特有の機能を用いた
動作について説明する。
【0048】[第1の操作部10Aに関する動作]ま
ず、第1の操作部10Aにおいて、表示要素格納部10
8に格納された表示要素データを用いて入力映像信号1
17に関連する情報を表示する機能について説明する。
【0049】図4(A)〜図4(C)は、表示要素格納
部108における表示要素データの格納方法の例を示し
ている。図4(A)は、表示要素データとして固定長の
文字列を格納している例である。この例では、表示要素
格納部108は、1つの格納領域に、例えば最大8個の
文字で構成される固定長の文字列を格納している。例え
ば、0番の格納領域には“Black”という文字列が格納
され、1番の格納領域には“Aux”、2番の格納領域に
は“Video1”という文字列が格納されている。各格納領
域に格納された表示要素データは、格納領域の配列を示
すオフセット量を指定することにより参照できる。従っ
てこの場合、リンク情報保持部109は、図示は省略す
るが、各識別子(番号)に対応するオフセット量の情報
をリンク情報として保持していれば良い。例えば、入力
映像信号117の識別子が「0」から始まる番号で表さ
れているとすれば、リンク情報保持部109は、例えば
入力映像信号の1番と表示要素格納部108の格納領域
のオフセット量“1”とを関連付けた情報を保持してい
れば良い。これにより、1番の入力映像信号と“Aux”
の文字列とが関連付けされる。
【0050】図4(B)は、表示要素格納部108に、
可変長の文字列を表示要素データとして格納している例
である。表示要素格納部108は、各文字列を“null”
文字(値0)で区切って格納している。表示要素格納部
108に格納された各文字列は、例えば各文字列の先頭
のアドレスを指定することにより特定することができ
る。この場合、リンク情報保持部109は、識別子に対
応する文字列へのポインタの情報をリンク情報として保
持していれば良い。図4(B)の例では、リンク情報保
持部109の0番のアドレス(入力映像信号の0番を示
す)が、ポインタによって“Black”の文字列の先頭ア
ドレスにリンク(関連付け)され、1番のアドレス(入
力映像信号の1番を示す)が、ポインタによって“Au
x”の文字列の先頭アドレスにリンクされている。な
お、図4(B)では、リンク情報保持部109のメモリ
アドレスの配列順(ポインタの順番)と、そのリンク先
の表示要素格納部108における表示要素データの順番
とを一致させている。しかしながら、ここではポインタ
による参照方式を用いているので、ポインタのリンク先
(表示要素格納部108)における表示要素データの順
番とポインタ自身の順番とが異なっていても良い。
【0051】図4(C)は、表示要素格納部108に、
イメージデータ(例えばビットマップ画像)を表示要素
として格納している例である。イメージデータのデータ
形式としては、具体的にはTIFF(Tagged Image File Fo
rmat)などのイメージ形式を使用することが可能であ
る。図では、イメージデータをイメージA,イメージ
B,...と記している。表示要素格納部108は、イ
メージデータと共に、それぞれのイメージデータのデー
タサイズの情報を保持することにより、データサイズの
異なる複数のイメージデータを連続的に格納している。
この場合、リンク情報保持部109は、図4(B)の例
と同様に、識別子に対応するイメージデータへのポイン
タの情報をリンク情報として保持していれば良い。
【0052】なお、図4(A)〜図4(C)では、表示
要素として、文字列とイメージデータのいずれか一方の
みを格納する例について説明したが、文字列とイメージ
データの両方を格納し、1つの入力映像信号に対して文
字列とイメージデータの両方を関連付けするようにして
も良い。この場合、表示要素格納部108において、文
字列とイメージデータの両方を連続した記憶領域に格納
しても良いし、または文字列とイメージデータとを別々
の記憶領域に格納しても良い。文字列とイメージデータ
とを別々の記憶領域に格納する場合には、例えば、文字
列用とイメージデータ用とで、別々のリンク情報保持部
を設けると良い。
【0053】図5(A)〜図5(C)は、表示要素格納
部108に格納された表示要素データの実際の表示例を
示している。図5(A)は、表示要素データとして文字
列32A(“Video1”)を表示した例である。図5
(A)は、図4(A),(B)に示した表示要素データ
を用いた表示例に対応する。図5(B)は、表示要素デ
ータとしてイメージデータを用いた表示例である。図5
(B)は、図4(C)に示した表示要素データを用いた
表示例に対応する。画像32Bは、映像特殊効果部10
1に入力されている入力映像信号117そのものを表示
したわけではなく、あくまで、入力映像信号117の番
号に関連付けされ、表示要素格納部108に格納された
イメージデータによる画像(通常は静止画像)である。
図5(B)に示した画像32Bは、撮影車両を模したも
のとなっているが、これは、現在、映像特殊効果部10
1で選択されている入力映像信号117が、例えば、撮
影車両から送信された映像であることを示している。
【0054】図5(C)は、表示要素データとして、文
字列とイメージデータとの両方を用いた表示例である。
図5(C)に示した文字列32Dの表示は、現在映像特
殊効果部101で選択されている入力映像信号117
が、例えば、“A山山頂”という「場所」において、
“山田太郎”という名のカメラマンの「カメラ」により
撮影された映像であることを示している。画像32C
は、撮影場所の山の映像を示している。なお、図5
(C)のように、表示要素データとして複数の文字列を
表示する場合には、表示要素格納部108に複数の文字
列を格納しておく必要がある。この場合、表示要素格納
部108に、例えば、「場所」の情報用の文字列を格納
する領域と「カメラ」の情報用の文字列を格納する領域
とを別々に設け、これらの領域に、“A山山頂”、“山
田太郎”という文字列をそれぞれ格納しておけば良い。
または、“場所:A山山頂¥nカメラ:山田太郎”のよ
うにして、1つの文字列によって複数の文字列を表し、
それを1つの格納領域に格納するようにしても良い。
【0055】なお、表示要素データを表示する際には、
図5(A)〜図5(C)において符号31を付して示し
たように、表示されているものが出力映像信号118に
含まれているデータであることを示すために、例えば
「送出信号」という文字列を表示することが望ましい。
【0056】図6は、第1の操作部10Aに特有の表示
(例えば図5(A)〜図5(C))を行うために必要と
される、表示要素格納部108に対する表示要素データ
の設定処理およびリンク情報保持部109に対するリン
ク情報の設定処理に関する処理動作を示している。第1
の操作部10Aにおいて入力映像信号117に関連する
情報を表示する機能を利用するためには、以下で説明す
るような表示要素データの作成とリンク情報の設定処理
をあらかじめ行っておく必要がある。操作制御部105
aは、文字列やイメージデータなどの表示要素データを
表示要素格納部108に格納する(ステップS14
1)。このとき、操作制御部105aは、あらかじめ用
意されたデータを外部から取り込み、それを表示要素デ
ータとして使用する。または、第1の操作部10Aにお
いて内部的に作成された表示要素データを使用しても良
い。表示要素データの作成や取り込みは、データ作成用
のソフトウェアやデータ取り込み用のフロッピー(登録
商標)ディスク装置などの既知の技術・方法を使用する
ことで実現可能である。
【0057】次に、操作制御部105aは、表示要素格
納部108に格納した表示要素データとその表示要素デ
ータに対してリンクさせたい入力映像信号の番号との対
応関係を示すリンク情報を作成し、そのリンク情報をリ
ンク情報保持部109に保持する(ステップS14
2)。このとき、表示要素データに対応させる入力映像
信号の番号の具体的な指示は、入力部107aを用いて
操作者により行われる。操作制御部105aは、すべて
の入力映像信号(の番号)に対する設定が終了していな
い場合(ステップS143;N)には、ステップS14
1に戻り、すべての入力映像信号に対する設定が終了す
るまで(ステップS143;Y)、上述の表示要素の設
定処理を繰り返す。以上の処理により、すべての入力映
像信号に関して、表示要素データの設定処理およびリン
ク情報の設定処理を行うことができる。
【0058】図7は、主制御部102による識別子の送
信処理の動作を説明するためのものである。主制御部1
02は、例えば、出力映像信号118に含まれる入力映
像信号117が変更されたとき、または本システムにお
いて映像データの入出力動作が開始されたときに、随
時、識別子の送信処理を行う。この場合、まず、主制御
部102は、出力映像信号118に含まれる入力映像信
号117の番号(識別子)の情報を動作情報生成部10
3から取得する(ステップS121)。次に、主制御部
102は、取得した番号の情報を通信ネットワークを介
して操作制御部105aに送信する(ステップS12
2)。なお、後述するように、例えば第1の操作部10
Aと同様の機能を持った操作部が複数ある場合には、主
制御部102は、すべての操作部の操作制御部に対し
て、取得した番号の情報を同様に送信する。以上の処理
により、操作制御部105aは、出力映像信号118に
含まれる入力映像信号117の番号の情報を随時取得す
ることができる。
【0059】図8は、表示部106aに表示要素を表示
させるときに行われる、操作制御部105aの処理動作
を示している。操作制御部105aは、映像信号特殊効
果部101において選択されている入力映像信号117
の番号(出力映像信号118に含まれている入力映像信
号117の番号(識別子))の情報を、主制御部102
から受信する(ステップS151)。次に、操作制御部
105aは、リンク情報保持部109が保持しているリ
ンク情報を参照して、受信した番号に対応する表示要素
のデータを特定する(ステップS152)。次に、操作
制御部105aは、特定した表示要素データを表示要素
格納部108から取得し、取得した表示要素データを、
図5(A)〜図5(C)に示したように表示部106a
に表示させる(ステップS153)。次に、操作制御部
105aは、主制御部102からのあらたな番号の受信
(ステップS151)に備え、受信待ち状態に入る(ス
テップS154)。以上の処理により、出力映像信号1
18に含まれている入力映像信号117が変更されたと
しても、それに伴い、表示部106aに表示させる表示
要素データも変更され、常に適切な表示要素データを表
示させることができる。
【0060】以上のようにして、常に、その時点で選択
されている(出力映像信号118に含まれる)入力映像
信号117に関連する表示要素を、操作者に対して理解
しやすい形態で表示することができる。操作者は、表示
部106aに表示された表示要素により、映像特殊効果
部101の動作状況を容易に把握することができる。こ
れにより、例えば、出力映像信号118を見ただけでは
出力映像信号118に含まれている信号源を判別しがた
い映像の場合であっても、信号源の特定を容易に行うこ
とができる。
【0061】なお、以上の動作説明では、説明の簡略化
を図るために、選択されている入力映像信号117が1
つであるものとして説明したが、例えば合成を伴う映像
特殊効果が行われることにより、出力映像信号118に
入力映像信号117が複数含まれている場合であって
も、各構成要素の基本的な動作は同じである。この場合
には、例えば、表示部106aに、図5(A)〜図5
(C)に示したような表示を行うための表示領域を複数
設けることで、複数の入力映像信号117の情報を一度
に表示することができる。この場合、動作情報生成部1
03からは、複数の番号(識別子)の情報が主制御部1
02に供給され、その情報が主制御部102から操作制
御部105aに送信される。操作制御部105aは、図
8で示した処理と同様に、リンク情報を参照して、受信
した複数の番号に対応する複数の表示要素のデータを特
定し、特定した複数の表示要素を表示部106aに表示
させる。
【0062】また、以上の動作説明では、選択されてい
る入力映像信号117に関する情報のみを表示する場合
について説明したが、操作者の入力に応じて、映像特殊
効果部101の動作に関わらず、任意の入力映像信号に
対応する表示要素を表示するような付加機能を設けるこ
とも可能である。これにより、例えば、すべての入力映
像信号に関する複数の表示要素を同時に並べて表示する
ことも可能となる。この場合、操作制御部105aは、
リンク情報保持部109に保持されているリンク情報に
基づいて、すべての入力映像信号に関する表示要素を表
示要素格納部108から取得し、取得したすべての表示
要素を表示部106aに表示させる。このような付加機
能により、操作者は、表示部106aに表示されたすべ
ての表示要素を見て、事前にすべての入力映像信号に関
する情報を得ることができ、映像特殊効果部101に選
択させる次の入力映像信号を決める際の参考にすること
ができる。この場合にも、入力映像信号を選択して切り
替えた後は、通常の機能により、選択された入力映像信
号に対応する表示要素が表示部106aに表示される。
これにより、操作者は、目的通りの入力映像信号が選択
されたことを容易に確認することができる。
【0063】さらに、GUI(Graphical User Interfa
ce)環境により、表示部106aの画面上に表示されて
いる複数の表示要素の中から、操作者がマウスなどによ
り任意のものを選択し、その選択情報を入力映像信号の
選択情報として主制御部102に送るような構成にする
ことも可能である。主制御部102は、GUI環境によ
り選択された入力映像信号の情報に基づいて、映像特殊
効果部101を制御し、映像特殊効果部101に入力映
像信号の切り替えを行わせる。これにより、操作者は、
入力映像信号の選択を容易に行うことができる。
【0064】なお、以上では、出力映像信号118が1
つのみであるとして説明したが、本発明は、2つ以上の
出力映像信号を出力するシステムに対しても適用可能で
ある。出力映像信号が複数ある場合には、表示部106
aの表示領域を複数に区切って出力映像信号の数に対応
した複数の表示領域を作り、各表示領域にそれぞれ異な
る出力映像信号の情報を表示するようにすれば良い。ま
たは、マルチウィンドウシステムを用いて表示部106
aに、出力映像信号の数に対応した複数のウィンドウ
(表示窓)を表示し、そのウィンドウ内にそれぞれ異な
る出力映像信号の情報を表示するようにすれば良い。ま
たは、表示部106a自体を出力映像信号の数に対応し
て複数設けて、各表示部に異なる出力映像信号の情報を
表示するようにしても良い。
【0065】<効果表現格納部110を用いた機能>次
に、第1の操作部10Aにおいて、効果表現格納部11
0に格納された表示データに基づいて、映像特殊効果部
101の動作情報を表示部106aに表示する機能につ
いて説明する。
【0066】図9は、効果表現格納部110における表
示データの格納状態とリンク情報保持部111における
データのリンク状態とを示している。効果表現格納部1
10は、映像特殊効果部101の動作情報を表示するた
めに利用される効果表現用の表示データ(データA,デ
ータB,データC,...)を、映像特殊効果の種類ご
とに、例えば連続的に記憶している。リンク情報保持部
111は、効果表現格納部110に格納された映像特殊
効果の種類に対応する各データへのポインタの情報を、
リンク情報として保持している。映像特殊効果の種類
は、映像特殊効果の種類ごとに固有の番号を割り振り、
その番号により種類を特定できるようにしている。図9
の例では、リンク情報保持部111の0番のアドレス
(0番の映像特殊効果の種類を示す)が、ポインタによ
って効果表現格納部110の“データA”の格納領域に
リンクされ、次に、1番のアドレス(1番の映像特殊効
果の種類を示す)が、ポインタによって“データB”の
格納領域に順次リンクされている。このようなデータ構
造により、操作制御部105aが、映像特殊効果の種類
を番号で指定すると、その番号に対応する効果表現格納
部110中の表示データが、リンク情報保持部111の
ポインタで特定され、取得できる。なお、図9では、リ
ンク情報保持部111のポインタの順番とそのリンク先
の効果表現格納部110における表示データの順番とを
一致させている。しかしながら、ここではポインタによ
る参照方式を用いているので、ポインタのリンク先(効
果表現格納部110)における表示データの順番とポイ
ンタ自身の順番とが異なっていても良い。
【0067】なお、映像特殊効果部101が実行可能な
映像特殊効果の種類は、映像特殊効果部101の性能に
より決定されるので、システム設置時には確定してい
る。従って、通常、映像特殊効果の種類が、システムの
動作中に変更されることはない。従って、効果表現格納
部110とリンク情報保持部111とに記憶する内容
は、例えばシステムの設置時に読み出し専用メモリに書
き込んで、あらかじめシステムに組み込んでしまえば良
い。
【0068】図10(A)〜図10(E)は、映像特殊
効果部101によって施される「ワイプ」と呼ばれる映
像特殊効果を模式的に示している。ワイプは、映像の切
り替え処理に用いられる特殊効果である。より具体的に
は、ワイプは、映像の切り替えを瞬間的に行わずに、指
定の時間をかけて画面上を直線などで2分するようにし
て、徐々に新しい映像に切り替えて表示していくような
特殊効果である。例えば図10(A)に示したように、
2つの映像V1,V2を用いて切り替えを行う場合につ
いて説明する。まず、第1の映像V1のみが表示されて
いるものとする(図10(B))。この状態から、画面
全体の表示領域を直線状の分割線91によって例えば斜
めに2分割し、この分割線91を画面左上から右下に向
かって徐々に移動させていく。このとき、分割すること
により画面左上方向にできた表示領域に第2の映像V2
を表示し、画面右下方向にできた表示領域に第1の映像
V1を表示する。これにより、分割線91の移動に伴
い、画面左上から右下に向かって徐々に第1の映像V1
から第2の映像V2へと映像の切り替えが行われる効果
が得られる(図10(C),(D))。最終的には、第
2の映像V2のみが表示される(図10(E))。
【0069】第1の操作部10Aは、このようなワイプ
による特殊効果を行う場合において、ワイプに関する動
作状態数値を得ることで、映像特殊効果部101の動作
の状態を把握できる。ワイプに関連する動作状態数値と
しては、例えば、映像の切り替え時間全体に対する切り
替え動作の経過時間や、切り替え時間全体に対する切り
替え動作の経過時間の比率をパーセント表記で表したも
のなどが考えられる。また、2つの映像が画面上で占め
る割合の比(長さの比あるいは面積比。一般に、画面構
成比または映像比などと呼ばれる。)に関する情報など
も、動作状態数値となり得る。第1の操作部10Aは、
このような動作状態数値に基づく情報を、効果表現格納
部110に格納された表示データを利用して理解しやす
い形態で表示する。これにより、操作者が容易に映像特
殊効果部101の動作を把握できる環境を提供する。
【0070】図11は、映像特殊効果として図10に示
したワイプによる切り替え処理が行われている場合に表
示部106aに表示される動作情報の表示例を示してい
る。この表示画面は、複数の表示領域60A,60B,
60Cを有している。この表示画面には、映像特殊効果
部101からの出力映像信号118に関する表示である
ことを示すために、「送出信号」という文字列66が表
示されている。表示領域60Aには、切り替え前の入力
映像信号の情報(例えば、撮影場所やカメラマンの情報
など)が、例えば文字列61により表示される。表示領
域60Cには、切り替え後の入力映像信号の情報が、例
えば文字列62により表示される。文字列61,62
は、操作制御部105aが、主制御部102から受信し
た入力映像信号の番号の情報に基づいて、リンク情報保
持部109のリンク情報を参照することにより特定し
た、表示要素格納部108内の文字列のデータである。
【0071】表示領域60Bには、切り替え動作に特有
の動作情報が表示される。表示領域60Bにおいて、画
像63は、特殊効果の種類(ここではワイプ)を示して
いる。画像63は、例えばビットマップ画像などのイメ
ージデータによる静止画像である。画像63に関するイ
メージデータは、あらかじめ効果表現格納部110に格
納されている。画像63は、操作制御部105aが、主
制御部102から受信した特殊効果の種類の情報に基づ
いて、リンク情報保持部111のリンク情報を参照する
ことにより特定される。表示領域60Bにおいて、符号
64,65で示した表示画像は、切り替え動作の進行状
況の情報、より具体的には、切り替え時間全体に対する
切り替え動作の経過時間の比率の情報を示している。表
示画像64は、経過時間の比率をパーセント表記による
数値で示した例である。表示画像65は、経過時間の比
率を、帯グラフ状の図形で示した例である。表示画像6
4,65は、操作制御部105aが、主制御部102か
ら受信した動作状態数値の情報に基づいて、リンク情報
保持部111のリンク情報を参照することにより特定さ
れたデータに基づいて表示される。表示画像64,65
の表示内容は、主制御部102から送信された動作状態
数値に基づいて、切り替え処理が終了するまで、随時更
新される。
【0072】図12は、切り替え処理が行われている場
合に表示部106aに表示される動作情報の他の表示例
を示している。この表示画面は、図11の表示画面と同
様に、複数の表示領域70A,70B,70Cを有して
いる。表示領域70Aは、図11の表示領域60Aに対
応する領域であり、切り替え前の入力映像信号の情報が
表示されている。図11では、入力映像信号の情報を文
字列61のみにより表示していたが、図12では、入力
映像信号の情報を、図5(C)の表示例と同様に、文字
列71と画像72とによって表示している。画像72
は、映像特殊効果部101に入力されている入力映像信
号そのものを表示したものではなく、あくまで、入力映
像信号の番号に関連付けされ、表示要素格納部108に
格納されたイメージデータによる画像である。表示領域
70Cは、図11の表示領域60Cに対応する領域であ
り、切り替え後の入力映像信号の情報が表示されてい
る。表示領域70Cには、表示領域70Aと同様に、入
力映像信号の情報が、文字列73と画像74とによって
表示されている。
【0073】表示領域70Bは、図11の表示領域60
Bに対応する領域であり、切り替え動作に特有の情報が
表示されている。表示領域70Bにおいて、画像75
は、特殊効果の種類を示している。画像75は、例えば
ビットマップ画像などのイメージデータによる静止画像
である。画像75から、特殊効果の種類が、画面の真ん
中から映像が徐々に切り替わっていくような処理である
ことが分かる。
【0074】表示領域70Bにおいて、符号76〜79
で示した表示画像は、切り替え動作の進行状況の情報を
示している。表示画像76は、切り替え中の2つの入力
映像信号の画面構成比の情報を、帯グラフ状の図形で示
した例である。ここで、第1の映像V1から第2の映像
V2へと画像を切り替えているものとすると、表示画像
76における左側の領域76Aは、第1の映像V1(切
り替えられていく入力映像信号)が占める画面の割合を
示し、右側の領域76Bは、第2の映像V2(切り替え
入力映像信号)が占める画面の割合を示している。領域
76A,76Bは、互いの領域を一目で区別できるよう
な表示にしておくことが望ましく、例えば表示色が異な
っている(図ではハッチングパターンを変えて区別して
いる)。表示画像76で示した画面構成比は、面積比で
はなく長さの比(切り替えの進行度合い)で表してい
る。表示画像77は、切り替え時間全体に対する切り替
え動作の経過時間の比率の情報を、帯グラフ状の図形に
よりパーセント表記した例である。表示画像78,79
は、経過時間の情報を、数値で表示した例である。表示
画像78が、切り替え動作開始からの経過時間(図では
5.0秒)を示し、表示画像79が、切り替えに要する
時間全体の情報(図では20.0秒)を示している。
【0075】ところで、表示領域70Bで表示される画
面構成比の値と経過時間比の値とは必ずしも一致しな
い。以下、図13(A),(B)を参照して、そのこと
について説明する。図13(A),(B)に示したグラ
フは、2つの入力映像(図では入力1,2)が占める割
合(画面構成比)の時間的な変化を示しており、横軸は
時間(経過時間(比))、縦軸は画面構成比となってい
る。図13(A)では、経過時間と画面構成比の関係は
直線的な比例関係にあり、時間的な変化の割合と画面構
成比の変化の割合(パーセント)は一致する。しかしな
がら、図13(B)に示した経過をたどる特殊効果の場
合、時間的な変化の割合と画面構成比の変化の割合は一
致しない。図13(B)では、画面構成比(画面全体に
対して入力映像2が占める割合)は、時間t1において
一度75%付近(図のR1)まで増加した後、時間t2
において25%付近(図のR2)まで減少し、その後、
100%に達して切り替えが完了している。すなわち、
図13(B)に示した切り替え動作は、出力映像を見る
と、2つの映像の境界線が画面上で行ったり来たりして
から切り替わるように見える。このような切り替え動作
は、切り替え動作を途中で変更し、他の切り替え動作を
行わせるようなものであるともいえる。このような切り
替え動作は、例えば、あらかじめ主制御部102に、そ
れぞれ異なる切り替え動作を示す複数の制御コマンドの
連続(配列)を記憶(プログラム)させておき、その記
憶に従って映像特殊効果部101を動作させることで実
現することができる。
【0076】図12の表示画像76〜79は、図13
(B)に示した25%付近の時間t1における切り替え
状態に対応している。すなわち、経過時間は切り替えに
要する時間全体の25%であるが、画面構成比は75%
となっている。このように経過時間と画面構成比との両
方を表示することにより、画面構成比と経過時間比とが
比例関係にない場合であっても、両者の関係を的確に知
ることができる。なお、従来では、このような切り替え
動作の情報を、出力映像信号118をモニタするモニタ
装置(図示せず)の画面(ビデオ・ピクチャ・モニタ)
を見て確認していた。しかしながら、例えば切り替え対
象となる映像の内容が、画面全体に渡って暗い映像であ
る場合などは、モニタを見ても切り替え動作の詳細がわ
かりにくい場合があった。本実施の形態では、図12の
ような表示を行うことにより、映像の内容に関わらず、
操作者に認識しやすい形式で情報を提供することができ
る。
【0077】なお、図12では、特殊効果の種類を静止
画像75によって表示するようにしたが、より好適に
は、アニメーション風の動画像表示を行い、画面構成比
の変化に連動した表示にすることが望ましい。これによ
り、操作者に対して動作状態をより認識しやすい形態で
表示できる。
【0078】図14(A)〜図14(E)は、動画像に
より切り替え動作の状態を表示した例を示しており、こ
れらは、時間的には、図14(A)から図14(E)へ
と順に表示される。図では、画面の真ん中から、徐々に
新しい映像に替わっていくような切り替え動作をアニメ
ーション風(動画的)に表現した例である。すなわち、
図に示したように、最初は、新しい映像が“現れる”位
置を十字状の画像81で示し(図14(A))、次に、
十字状の画像81で示した位置に、新しい映像を示す矩
形画像82を表示する(図14(B))。そして、矩形
画像82を徐々に大きく表示していき(図14(C),
(D))、最後に全画面が矩形画像82に置き替わる
(図14(E))。なお、図では、矩形画像82が、ハ
ッチングパターンによって塗りつぶされて表されている
が、実際には例えば単色に塗りつぶしたベタな映像で表
されている。
【0079】第1の操作部10Aでは、図14(A)〜
図14(E)で示した表示を、画面構成比の変化に合わ
せて、その表示状態を適宜変化させつつ連続的に表示す
ることにより、その時点の動作状態を的確に表現でき
る。すなわち、図で示した動画像を行うための映像が、
11枚の静止画像で構成されているとすれば、新しい映
像の画面構成比が0%のときに1枚目、100%のとき
に11枚目を表示する。また、中間段階の切り替え状態
では、その切り替え状態に近い表示となるように、例え
ば、画面構成比R%に対して、「[{R/(11-1)}を四捨
五入した値]枚目」を表示する。
【0080】また、上述のようにあらかじめ用意された
静止画像を連続表示して動画表示を行う方式ではなく、
ベクター情報にパラメタを与えた描画方式により、動画
表示を行う方法も考えられる。この場合には、画面構成
比を描画用のパラメタとして与えるように用意すれば良
い。すなわち、例えば、図14(A)に示したようにx
y軸をとり、xを0からt、yを0からuまで変化させ
ることにより任意の画面位置を表すものとし、パラメタ
として画面構成比Rを与えた次の式(1),(2)で規
定される領域を、矩形画像82として描画する。矩形画
像82の内部領域は、ハッチング(塗りつぶし)表示す
る。この場合、効果表現格納部110に、式(1),
(2)に関する情報をあらかじめ格納しておく。なお、
式(1),(2)において、「*」は乗算を、「/」は除
算を示す。画面構成比Rは面積比ではなく(例えばx軸
方向の)長さの比としている。
【0081】 (t/2)-(t/2)*(R/100) ≦ x ≦ (t/2)+(t/2)*(R/100) ……(1) (u/2)-(u/2)*(R/100) ≦ y ≦ (u/2)+(u/2)*(R/100) ……(2)
【0082】式(1),(2)を用いた描画を、画面構
成比Rの値が更新されるたびに(または一定時間間隔
で)繰り返すことにより、映像の切り替え状態に応じた
アニメーション風の表示を実現できる。なお、最初に表
示する図14(A)に示した画面における十字状の画像
81については、矩形画像82とは別に用意された、例
えばビットマップ形式のイメージデータによる表示を行
う。以上のようなベクター情報を利用した描画は、図1
4に示したものに限定されず、図14とは異なる画面構
成であっても実現可能である。
【0083】図15〜図17は、動作情報のさらに他の
表示例を示している。図15〜図17の表示画像は、い
ずれも例えば図12に示した表示画面における表示画像
75の表示位置に組み込まれるものである。図15
(A)〜図15(D)は、画面左上隅から映像の境界線
が自身と垂直な方向に進行するようにして映像の切り替
えが行われる映像特殊効果を表現した表示例である。時
間的には、図15(A)から図15(D)へと順に表示
される。最初に表示される左上隅の十字状の画像91
(図15(A))は、次の映像信号による映像が画面に
表示される位置を事前に示すものである。
【0084】図16(A)〜図16(D)は、映像の境
界線が画面の左下隅を中心として回転するようにして映
像の切り替えが行われる映像特殊効果を表現した表示例
である。時間的には、図16(A)から図16(D)へ
と順に表示される。最初に表示される左下隅の小さい円
状の画像92(図16(A))は、その位置が映像の回
転中心となることを事前に示すものであり、一方、左上
隅の十字状の画像91は、図15(A)の場合と同様
に、次の映像信号による映像が画面に表示される位置を
事前に示すものである。
【0085】図17(A)〜図17(D)は、画面中央
の水平線93を初期状態とする2本の境界線93A,9
3Bが回転するようにして、映像の切り替えが行われる
映像特殊効果を表現した表示例である。時間的には、図
17(A)から図17(D)へと順に表示される。最初
に表示される左端中央の小さい円状の画像92(図17
(A))は、その位置が映像の回転中心となることを事
前に示すものであり、一方、右端中央の十字状の画像9
1は、画面中央の水平線93と合わせて、図15(A)
の場合と同様に、次の映像信号による映像が画面に表示
される位置を事前に示すものである。
【0086】なお、以上では静止画像による映像特殊効
果の種類の表示(図12の表示画像75)と動画による
動作状態の表示(図14など)のどちらか一方のみを行
うものとして説明したが、より好適には、これらの静止
画像と動画像とを並べて同時に表示することが望まし
い。
【0087】図18(A)〜図18(D)は、動作情報
を静止画像と動画像とを同時に表示して表現した例であ
る。図に示した表示画像は、画面左上隅から矩形状に映
像の切り替えが行われる映像特殊効果を表現した表示例
であり、時間的には、図18(A)から図18(D)へ
と順に表示されるものである。図18(A)〜図18
(D)のそれぞれにおいて、上側の画像95は、静止画
表示であり、下側の画像96は、アニメーション風の動
画像表示となっている。静止画像95は、一表示で特殊
効果の概要を示したものであり、図示したように、矩形
画像に加えて、切り替え動作の進行方向を示す矢印95
Aを表示することで、進行中の特殊効果の種類を明確に
表現している。動画像96は、図14に示した動画と同
様に、画面構成比の変化に合わせて、その表示状態を適
宜変化させつつ連続的に表示することにより、その時点
の動作状況を、分かりやすく表現したものである。すな
わち、この動画像96は、最初に、新しい映像が“現れ
る”位置に十字状の画像96Aを表示し(図18
(A))、次に、切り替え動作の進行状況に合わせて、
十字状の画像96Aで示した位置に、矩形画像96Bを
徐々に大きくしながら表示していく(図18(B)〜図
18(D))ようなものである。このように静止画像と
動画像とを組み合わせた表示を行うことにより、操作者
は、映像特殊効果部101の切り替え動作をより認識し
やすくなる。なお、静止画像と動画像とを表示する位置
は、上下方向に限定されず、例えば左右方向に表示して
も良い。
【0088】図19(A)〜図19(D)は、図18に
示した表示例の変形例を示しており、時間的には、図1
9(A)から図19(D)へと順に表示されるものであ
る。図18の表示例では、静止画像と動画像とを上下の
領域に分けて表示していたが、図19では、図18に示
した静止画像95と動画像96とを重ね合わせたような
表示を行っている。図19において、画像97Aが図1
8の静止画像95に対応し、画像97Bが図18の動画
像96に対応している。画像97Aと画像97Bは、互
いを区別できるような表示となっていることが望まし
く、例えばそれぞれの表示色が異なっている(図ではハ
ッチングパターンを変えて区別している)。このように
図19の例では、例えば多色の表示を行うことにより、
2つの画像を重ね合わせても認識可能な表示とされてい
る。このような表示方式によれば、図18に示した表示
画像に比べて小さい表示画像でありながら、ほぼ同じ情
報量の動作情報を表現することができ、動作情報の表示
に要する画面領域を節約することができる。
【0089】以上では、切り替え動作を例に挙げて動作
状態数値の表示例について説明してきたが、第1の操作
部10Aに表示可能な動作状態数値としては、切り替え
動作のほかにも、種々のものがある。例えば、動作状態
数値として、映像のはめ込み処理を行っている場合にお
ける、そのはめ込み映像の位置と大きさの値などがあ
る。この映像のはめ込みによる特殊効果は、ピクチャ・
イン・ピクチャとも呼ばれる。このような特殊効果で
は、はめ込まれる映像の位置と大きさとを、時間と共に
変化させることもできる。このような特殊効果は、例え
ば、あらかじめ主制御部102に、複数の制御コマンド
の連続(配列)を記憶させておき、その記憶に従って映
像特殊効果部101を動作させることにより実現するこ
とができる。このような特殊効果の場合にも、切り替え
動作の場合と同様に、特殊効果の経過時間比、および、
はめ込まれる映像の位置や大きさの値などの動作状態を
示す種々の値を、文字列による数値表示あるいは帯グラ
フ状のグラフィカル表示で表現すことが可能である。こ
れにより、切り替え動作の場合と同様に、操作者に有益
な動作情報を提供することができる。
【0090】そのほかに表示可能な動作状態数値として
は、例えば映像信号の輝度信号部分を加工している場合
における、その加工内容を示す各種の数値がある。輝度
信の加工内容としては、例えば、輝度の上げ下げや階調
数の変更などがある。さらに他の動作状態数値として
は、輝度信号と同様に、映像信号の色信号部分の加工内
容を示す各種の数値がある。さらにその他にも、動作状
態数値としては、映像の縮小、拡大または回転などの特
殊効果を施した場合における、種々のパラメタ値などが
ある。本実施の形態における動作状態数値の表示は、特
に、数値が時間的に変化する映像特殊効果が行われてい
る場合に有益である。また、このような動作状態数値の
表示は、操作者の操作を助ける情報となる。例えば、本
システムの運用形態として、映像に施す特殊効果をあら
かじめ作成・用意した操作者と、特殊効果を実際に実行
させる際に、その動作状態を監視している操作者とが異
なる場合がある。このような場合には、従来の方法で
は、動作状態を監視している操作者は特殊効果の詳細を
あまり把握することができないが、本実施の形態による
動作状態の表示を行うことにより、操作者はその特殊効
果に関する情報不足を補うことができる。
【0091】また、以上では、映像特殊効果部101か
ら出力される最終の出力映像信号118に関する情報
を、システム内の第1の操作部10Aに表示した場合を
例に説明したが、出力映像信号118が、さらに別の処
理装置(システム)への入力信号となる場合もある。こ
のような場合にも、本実施の形態による情報表示を、別
の処理装置において行うことで、その別の処理装置を利
用する操作者への情報として利用することが可能であ
る。
【0092】次に、以上で説明したような動作状態をグ
ラフィカルに表示するための主制御部102と第1の操
作部10Aとにおける処理動作について説明する。図2
0は、主制御部102による動作状態数値の送信処理動
作の流れを示している。図20は、映像特殊効果部10
1において、ワイプなどの入力映像信号の切り替え処理
を伴う映像特殊効果が行われる場合の送信処理の例であ
る。主制御部102は、まず、動作情報生成部103か
ら、切り替え動作開始時に実行する特殊効果の種類の情
報と、切り替え後の入力映像信号(切り替えによりこれ
から新しく選択される入力映像信号)の番号の情報とを
取得し、それらの情報を操作制御部105aに送信する
(ステップS131)。このとき、主制御部102は、
必要に応じて、切り替えに要する時間などの情報も送信
する。なお、切り替え前の入力映像信号(現在選択され
ている入力映像信号)の番号の情報は、切り替え動作開
始よりも前に、既に操作制御部105aに送信されてい
る。
【0093】次に、主制御部102は、動作情報生成部
103から、切り替え動作に関する映像比率や切り替え
動作の進行時間(経過時間)などの動作状態数値の情報
と現時点で選択されている入力映像信号の番号の情報と
を取得し、それらの情報を操作制御部105aに送信す
る(ステップS132)。次に、主制御部102は、動
作情報生成部103から得た情報に基づいて、映像特殊
効果部101における切り替え処理が終了したか否かを
判断する(ステップS133)。切り替え処理が終了し
ていないと判断した場合(ステップS133;N)、主
制御部102は、一定時間の処理待ちを行い(ステップ
S134)、一定時間経過後、ステップS132の処理
に戻る。切り替え処理が終了したと判断した場合(ステ
ップS133;Y)、主制御部102は、切り替え処理
が終了したことを操作制御部105aへ通知して(ステ
ップS135)、動作状態数値の送信処理を終了する。
【0094】なお、ステップS134において一定時間
の処理待ちを行うのは、通常、主制御部102を構成す
るマイクロコンピュータの動作速度(サイクル速度)が
速く、単純に動作を繰り返すのみではその動作が早すぎ
るため、一定間隔をあけた動作を行うことが望ましいた
めである。処理待ち時間の計測は、例えば、主制御部1
02のマイクロコンピュータ内蔵のタイマを利用して行
う。
【0095】次に、図21の流れ図を参照して、図20
に示した主制御部102による送信処理動作に対応す
る、操作制御部105aの処理動作について説明する。
操作制御部105aは、主制御部102から送信(図2
0のステップS131)された、特殊効果の種類の情報
と、切り替えにより新しく選択される入力映像信号の番
号の情報とを受信する(ステップS161)。操作制御
部105aは、効果表現格納部110に格納された表示
データの中から、受信した情報に対応した表示データを
取得し、その表示データに基づいて、表示部106aに
切り替え動作の進行状況を示す表示(図11などに示し
た表示)を開始する(ステップS162)。その後、操
作制御部105aは、主制御部102から送信された現
時点における動作状態数値の情報を受信する。それと共
に、操作制御部105aは、効果表現格納部110から
動作状態数値に対応する表示データ得て、表示部106
aの表示に反映させ(ステップS163)、その表示内
容を動作状態数値に応じて随時更新する。次に、操作制
御部105aは、主制御部102から切り替え終了の通
知を受信した場合(ステップS164;Y)には、切り
替えに関する表示を終了する(ステップS165)。主
制御部102から切り替え終了の通知を受信していない
場合(ステップS164;N)には、操作制御部105
aは、ステップS163の処理に戻る。
【0096】図22は、図20と図21で示した処理に
関する主制御部102と操作制御部105aとの間の通
信シーケンスを示している。図22に示したように、切
り替え動作の開始前には、現在選択されている切り替え
前の入力映像信号の番号の情報が主制御部102から操
作制御部105aに送信される(ステップS171)。
切り替え動作開始時には、実行する特殊効果の種類の情
報と、切り替え後の入力映像信号の番号の情報とが主制
御部102から操作制御部105aに送信される(ステ
ップS172)。このステップS172の処理は、図2
0のステップS131および図21のステップS161
に対応する。切り替え動作の進行時には、映像比率や切
り替え動作の進行時間などの動作状態数値の情報と現時
点で選択されている入力映像信号の番号の情報とが、主
制御部102から操作制御部105aに、切り替え動作
の終了時まで一定間隔で繰り返し送信される(ステップ
S173,S174)。このステップS173,S17
4の処理は、図20のステップS132および図21の
ステップS163に対応する。切り替え動作の終了時に
は、切り替え動作が終了したことを示すコマンドが、主
制御部102から操作制御部105aに送信される(ス
テップS175)。このステップS175の処理は、図
20のステップS135および図21のステップS16
5に対応する。
【0097】[第1の操作部10Aの機能に関する変形
例]次に、上述した第1の操作部10Aの機能の変形例
について説明する。上記実施の形態においては、1つの
操作部10Aに表示要素格納部108とリンク情報保持
部109を設け、1つの操作部10Aにのみ情報表示を
行う例を示した。しかしながら本発明は、複数の操作部
において、情報表示を行うことも可能である。複数の操
作部(表示部)において情報表示を行うことにより、各
操作部を利用する操作者および関係者(入力映像信号の
作成作業をしている担当者など)が、その時点の出力映
像信号の状態を容易に把握することが可能となり、状態
に即した判断を行うことができ、作業をしやすくなる。
なお、以下の変形例の説明は、表示要素格納部108と
リンク情報保持部109とを利用した表示に関するもの
であるが、効果表現格納部110とリンク情報保持部1
11とを利用した動作状態の表示機能についても同様で
ある。
【0098】<変形例1>第1の変形例としては、複数
の操作部のそれぞれにおいて、第1の操作部10Aの操
作制御部105aと同様の動作を行う。各操作部には、
表示要素格納部108とリンク情報保持部109とを独
自に設ける。表示要素データの格納とそのリンク情報の
設定は、各操作部における操作制御部105が独自に行
う。各操作部で使用する表示要素データの内容とそのリ
ンク情報の設定は、同一内容にすることも異なる内容に
することも可能である。各操作部における操作制御部1
05は、各操作部に設けられた表示要素格納部108の
表示要素データとリンク情報保持部109のリンク情報
とを参照して、独自に表示要素データの表示を行う。本
変形例によれば、複数の操作部のそれぞれにおいて、出
力映像信号118に含まれる入力映像信号117の情報
の表示を行うことができる。
【0099】<変形例2>本変形例は、第1の変形例と
同様に、各操作部に、表示要素格納部108とリンク情
報保持部109とを独自に設けるようになっているが、
表示要素データの格納とそのリンク情報の設定方法が異
なっている。本変形例では、まず、1つの操作部におい
て、図6に示した動作を行って、表示要素データの格納
とそのリンク情報の設定を行う。その後、その操作部の
操作制御部から、他のすべての操作部の操作制御部に対
して、通信ネットワーク119を介して、リンク情報の
設定内容などを送信する。受信した他の操作部の操作制
御部は、受信内容を、各々の表示要素格納部108とリ
ンク情報保持部109に格納する。
【0100】本変形例によれば、1つの操作部において
表示要素データの格納とそのリンク情報の設定を行った
後、その設定内容を、他のすべての操作部に対して一度
に送信するようにしたので、すべての操作部における設
定内容を、容易に同じ状態に保つことができる。従っ
て、すべての操作部における表示内容を、容易に同じ状
態に保つことができる。
【0101】<変形例3>上記第1および第2の変形例
では、複数の操作部のそれぞれに、表示要素格納部10
8とリンク情報保持部109とを設けるようにした。本
変形例では、表示要素格納部108とリンク情報保持部
109とを、通信ネットワーク119上または通信ネッ
トワークを介してアクセス可能な1カ所にのみ配置し、
各操作部は、ネットワーク経由でその情報を参照する構
成となっている。すなわち、表示要素格納部108とリ
ンク情報保持部109とを一種の「サーバ」として設置
し、各操作部は「クライアント」としてサーバを利用す
る形態である。このようなサーバを設置する方法には、
いくつかの形態が考えられる。
【0102】(変形例3-1)まず、本変形例の第1の例
について説明する。本変形例は、1つの操作部内にのみ
表示要素格納部108とリンク情報保持部109とを設
け、その操作部に、サーバ(以下、サーバ操作部とい
う。)の機能を持たせたものである。表示要素格納部1
08における表示要素データの格納処理とリンク情報保
持部109におけるリンク情報の設定処理(図6)は、
サーバ操作部において行う。その他の操作部における操
作制御部は、主制御部102から入力映像信号の番号の
情報を受信すると、サーバ操作部にその番号による問い
合わせを行う。サーバ操作部は、他の操作部からの問い
合わせを受けると、問い合わせられた入力映像信号の番
号に対応する表示要素のデータを検索し、問い合わせ元
の操作部に返信する。サーバ操作部からの返信を受けた
操作部は、返信された表示要素のデータを表示部に表示
する。
【0103】(変形例3-2)次に、本変形例の第2の例
について説明する。本変形例は、表示要素格納部108
とリンク情報保持部109とを、操作部10の操作制御
部105ではなく主制御部102に接続して設けたもの
である。本変形例では、表示要素格納部108における
表示要素データの格納処理とリンク情報保持部109に
おけるリンク情報の設定処理を、操作部10(の操作制
御部105)からの指示に基づいて行う。主制御部10
2は、通信ネットワーク119を介して操作制御部10
5の指示を受け、表示要素格納部108とリンク情報保
持部109とにおける設定処理を行う。主制御部102
は、出力映像信号118に含まれる入力映像信号117
の番号の情報を動作情報生成部103から取得すると、
取得した番号の情報を操作制御部105に送信する。主
制御部102は、また、表示要素格納部108とリンク
情報保持部109とを参照して、動作情報生成部103
から取得した番号の情報に対応する表示要素データを取
得する。主制御部102は、取得した表示要素データ
を、通信ネットワーク119経由で、すべての操作制御
部105に送信する。この結果、すべての操作部で同じ
表示要素データを得て、表示内容を同一にすることがで
きる。
【0104】(変形例3-3)次に、本変形例の第3の例
について説明する。本変形例は、操作部10や主制御部
102とは独立して、別途、通信ネットワーク119上
にサーバ機器を配置し、そのサーバ機器内に表示要素格
納部108とリンク情報保持部109とを設けたもので
ある。表示要素格納部108における表示要素データの
格納処理とリンク情報保持部109におけるリンク情報
の設定処理は、通信ネットワーク経由で、操作部10
(の操作制御部105)からの指示に基づいて行う。各
操作部の操作制御部105は、主制御部102から入力
映像信号の番号の情報を受信すると、サーバ機器にその
番号による問い合わせを行う。サーバ機器は、操作部か
らの問い合わせを受けると、問い合わせられた番号に対
応する表示要素のデータを検索し、問い合わせ元の操作
部に返信する。サーバ機器からの返信を受けた操作部
は、返信された表示要素のデータを表示部に表示する。
【0105】なお、本変形例のさらなる変形例として、
表示要素格納部108のみをサーバ機器内に設け、リン
ク情報保持部109については各操作部に設けるような
構成も考えられる。サーバ機器は、複数設けても良い。
この変形例では、リンク情報保持部109におけるリン
ク情報の設定に、ネットワーク経由でサーバの資源を特
定できるような記述方式を使用することで、サーバ機器
内の表示要素データを各操作部から特定できるようにす
る。ここで、サーバの資源を特定するための記述方式と
しては、例えば、インターネットなどで利用されている
URL(Uniform Resource Locator)などがある。
【0106】以上説明したように、本変形例(変形例3-
1〜3-3)によれば、表示要素格納部108とリンク情報
保持部109とを一種のサーバとして設け、各操作部は
そのサーバを通信ネットワーク119を介して利用する
ようにしたので、各操作部で同一の情報を取得して、同
一の表示を行うことができる。
【0107】以上のように、ネットワーク上に表示要素
格納部108とリンク情報保持部109とをサーバとし
て配置した構成は多数考えられる。なお、上記した各変
形例とは異なる構成であっても、本発明は実施可能であ
る。
【0108】[第2の操作部10Bに関する動作]次
に、第2の操作部10Bに特有の機能を用いた動作につ
いて説明する。図23(A)〜図23(C)は、キー信
号212を用いて特殊効果が施された出力映像の例を示
している。図23(A)は、3番目の入力映像信号S3
によって表される、2人の人物が映った映像V3の下部
に、1番目のキー信号K1によって表される文字列を合
成して表示した例である。また、図23(B)は、5番
目の入力映像信号S5によって表される、2つの山が映
った映像V5の下部に、2番目のキー信号K2によって
表される文字列を合成して表示した例である。図23
(C)は、図23(A)と同じ種類の信号S1,K1を
用いて、同じ種類の特殊効果を施したものであるが、図
23(A)とは表示時刻が異なるために、3番目の映像
V3の表示内容が変化していることを示している。な
お、実際には、入力映像信号のみならず、キー信号も時
間経過によって変化する場合があるが、図23(C)で
は、キー信号が時間経過に関わらず同一の文字列を表す
場合の表示例を示している。
【0109】ここで、映像の表示を、図23(A)の状
態から図23(B)の状態を経て、図23(C)の状態
へと変化させる場合について考察する。この場合、図2
3(B)の状態から図23(C)の状態へと映像の表示
を変化させるためには、以前に実施した図23(A)の
表示を行うための映像特殊効果部101の設定を記憶し
ておき、その記憶した設定に基づく特殊効果を再度実行
させれば良い。このように、一度行った特殊効果を再度
実行させるような目的で、主設定記憶部104および操
作部設定記憶部112bにおいて、映像特殊効果部10
1の設定の記憶が行われる。
【0110】図24(A)〜図24(C)は、映像特殊
効果部101において、キー信号212を使用せずに特
殊効果を施した映像の表示例を示している。図24
(A)は、3番目の映像V3の右下の領域に、5番目の
映像V5を縮小してはめ込むような特殊効果を施した例
である。図24(B)は、べた塗りの平坦な単色画像V
C(図ではハッチングによって示す)の中に、5番目の
映像V5を、通常より一回り程度縮小してはめ込むよう
な特殊効果を施した例である。図24(C)は、3番目
の映像V3と5番目の映像V5とを、大きさを変えずに
重ねるような特殊効果を施した例である。複数の映像を
重ねるような特殊効果としては、単純に複数の映像信号
を加算してしまう方法や、画素ごとに輝度を判別して輝
度の高い方の映像を表示する方法などがある。またその
ほかにも、各映像信号の色成分からキー効果の信号(映
像が重なる部分を切り取るための信号)を発生させて処
理する方法などがある。主設定記憶部104および操作
部設定記憶部112bは、以上のような種々の映像特殊
効果を実行している映像特殊効果部101の任意の時点
における設定状態の情報を設定情報として記憶する役割
を持っている。
【0111】図25は、主設定記憶部104および操作
部設定記憶部112bに記憶される設定情報の一例を示
している。主設定記憶部104および操作部設定記憶部
112bは、図25で示したような設定状態に関するデ
ータ、すなわち設定情報を1つまたは複数配列したもの
を記憶する。映像特殊効果部101が、図3に示した構
成である場合、その設定状態の項目としては、例えば、
バス215(バスA)で選択している入力映像信号の番
号、バス216(バスB)で選択している入力映像信号
の番号、バス218(バスK)で選択しているキー信号
の番号、合成効果部214の動作の種類とそのパラメタ
値、キー処理部217の動作の種類とそのパラメタ値な
どがある。合成効果部214およびキー処理部217の
動作のパラメタ値は、動作の種類に応じて内容と数(項
目数)が変化する。また、映像特殊効果部101の機能
が増えれば、それに伴い設定状態の項目数も増える。
【0112】図25において、「バスAの選択信号」の
項目は、バス215(バスA)で選択している入力映像
信号117の番号を示している。この項目の設定値が例
えば「3」である場合、バスAが3番目の入力映像信号
S3を合成効果部214に送ることを示す。「バスBの
選択信号」の項目は、バス216(バスB)で選択して
いる入力映像信号117の番号を示している。この項目
の設定値が例えば「7」である場合、バスBが7番目の
入力映像信号S7を合成効果部214に送ることを示
す。「バスKの選択信号」の項目は、バス218(バス
K)で選択しているキー信号212の番号を示してい
る。この項目の設定値が例えば「2」である場合、バス
Kが2番目のキー信号K2をキー処理部217に送るこ
とを示す。
【0113】「切替動作」の項目は、合成効果部214
が行う切り替え動作の種類を番号で示している。この項
目における番号の意味は、あらかじめ定義されている。
この項目の設定値が例えば「0」ならば切り替え動作な
し、「1」ならばワイプを用いた切り替え動作、などと
あらかじめ定義されている。「効果の種類」の項目は、
合成効果部214で実行中の効果の種類を番号で示して
いる。この項目についても、あらかじめ番号の意味を定
義しておく。この項目の設定値が例えば「41」なら
ば、映像に対して画面全体に渡ってピンぼけ様のフィル
タをかける処理(各画素の値を周辺画素と相互に平均化
する処理)を行う、などとあらかじめ定義されている。
「遷移時間」の項目は、「効果の種類」の項目で示され
ている合成効果部214が行っている効果の継続時間を
示している。「遷移時間」の項目における時間の単位
は、あらかじめ定められている(例:ミリ秒)。図25
の例では、41番として定義されている効果が3000
ミリ秒継続していることが示されている。「キー処理」
の項目は、キー処理部217の動作の種類を番号で示し
ている。この項目における番号の意味も、あらかじめ定
義されている。この項目の設定値が例えば「1」なら
ば、通常のキー処理の実行、「0」ならばキー処理な
し、などとあらかじめ定義されている。
【0114】図26は、主設定記憶部104および操作
部設定記憶部112bに設定状態のデータ(設定情報)
を複数組記憶させた場合のデータ配列を示している。図
26において、符号D0を付した部分が、1組の設定状
態のデータを示している。設定状態のデータを複数組記
憶させる場合には、個々の設定状態を識別するためのイ
ンデックス数値を付与する。例えば、n組の設定状態の
データがある場合には、それぞれのデータに、0,1,
2,3,...,n−1のインデックス数値を与える。
【0115】図27は、主制御部102と第2の操作部
10B(の操作制御部105b)との間で行われる設定
情報の送受信に伴う通信処理の概要を示している。操作
制御部105bは、操作者の指示に従って、映像特殊効
果部101の制御を指示するコマンドを主制御部102
に送信する(ステップS231)。主制御部102は、
操作制御部105bからのコマンドを受信すると、その
コマンドに従って映像特殊効果部101を制御し、映像
特殊効果部101の各部の設定変更を行う。このような
通信処理は、操作者の指示に応じて順次繰り返される。
【0116】このような通信処理を行っている間に、操
作者が映像特殊効果部101の現在の設定状態を記憶し
たい(後で使用したい)と考えると、操作者は、入力部
107bを操作して操作制御部105bに対して設定状
態の記憶の指示を行う。操作制御部105bは、操作者
からの指示に従って、現在の設定状態の記憶を指示する
コマンドを主制御部102に送信する(ステップS23
2)。主制御部102は、操作制御部105bからのコ
マンドを受信すると、そのコマンドに従って、主設定記
憶部104に設定状態の情報を設定情報として記憶する
と共に、主設定記憶部104に記憶させた内容を、操作
制御部105bに転送する(ステップS233)。操作
制御部105bは、主制御部102から設定状態の情報
を示すデータを受信すると、そのデータを操作部設定記
憶部112bに記憶する。この結果、主設定記憶部10
4と操作部設定記憶部112bとの記憶内容を同一に保
つことができる。これにより、主制御部102と操作制
御部105bとで、設定状態に関しては同じ内容の情報
を適宜参照することができる。
【0117】図28は、図27に示した通信処理に関連
する操作制御部105bの動作を説明するためのもので
ある。操作制御部105bは、入力部107bの操作状
況を随時監視すると共に、操作者による入力部107b
からの操作入力を随時受け付け(ステップS241)、
その操作の指示内容の判断を行う(ステップS242,
S243)。操作の内容が映像特殊効果部101の制御
(設定)を指示するものであれば(ステップS242;
Y)、操作制御部105bは、操作者によって指示され
た制御内容を示す制御コマンドを主制御部102に送信
した後(ステップS247、図27のステップS23
1)、再びステップS241に戻って、操作者の操作入
力を受け付ける。また、操作の内容が映像特殊効果部1
01の制御を指示するものでも、映像特殊効果部101
の設定状態の記憶を指示するものでもない場合(ステッ
プS242,S243;N)には、操作制御部105b
は、操作内容に応じたその他の処理を行った後(ステッ
プS248)、再びステップS241に戻って、操作者
の操作入力を受け付ける。
【0118】一方、操作の内容が、映像特殊効果部10
1の設定状態の記憶を指示するものであれば(ステップ
S243;Y)、操作制御部105bは、映像特殊効果
部101の現在の設定状態を記憶するよう指示するコマ
ンドを、主制御部102に送信する(ステップS24
4、図27のステップS232)。その後、操作制御部
105bは、主設定記憶部104に記憶されたものと同
じ内容の設定状態のデータを、主制御部102から受信
する(ステップS245)。操作制御部105bは、受
信した設定状態のデータを操作部設定記憶部112bに
記憶した後(ステップS246)、再びステップS24
1に戻って、操作者の操作入力を受け付ける。
【0119】図29は、図28に対応する主制御部10
2の動作を説明するためのものである。主制御部102
は、操作制御部105bからのコマンドを随時受信し
(ステップS261)、そのコマンドの内容を判断する
(ステップS262,S263)。コマンドの内容が映
像特殊効果部101の制御(設定)を指示するものであ
れば(ステップS262;Y)、主制御部102は、映
像特殊効果部101の設定に関する制御を行った後(ス
テップS266)、再びステップS261に戻って、操
作制御部105bからのコマンドを受け付ける。また、
コマンドの内容が映像特殊効果部101の制御を指示す
るものでも、映像特殊効果部101の設定状態の記憶を
指示するものでもない場合(ステップS262,S26
3;N)には、主制御部102は、コマンドの内容に応
じたその他の処理を行った後(ステップS267)、再
びステップS261に戻って、操作制御部105bから
のコマンドを受け付ける。
【0120】一方、コマンドの内容が、映像特殊効果部
101の設定状態の記憶を指示するものであれば(ステ
ップS263;Y)、主制御部102は、現在の映像特
殊効果部101の設定状態の情報を、主設定記憶部10
4に記憶する(ステップS264)。それと共に、主制
御部102は、主設定記憶部104に記憶したものと同
じ内容の設定状態のデータを、操作制御部105bに送
信する(ステップS265)。その後、主制御部102
は、再びステップS261に戻って、操作制御部105
bからのコマンドを受け付ける。
【0121】ところで、以上では、1つの操作部10B
に設定状態の記憶を行う場合について説明したが、多く
の映像特殊効果システムでは、複数の操作部を備えてい
る。このようなシステムでも、複数の操作部のそれぞれ
に操作部設定記憶部112bを設けることで、第2の操
作部10Bと同様に設定状態の記憶を行うことができ
る。
【0122】以下、複数の操作部のそれぞれに操作部設
定記憶部112bを設けた場合の記憶動作について簡単
に説明する。この場合、複数の操作部のうち、操作者か
ら指示を受けた任意の操作部の操作制御部105が、1
つの操作部10Bにおいて設定状態の記憶を行う場合と
同様に、図28の処理を行う。操作者から指示を受けた
操作制御部105は、設定状態の記憶を指示するコマン
ドを主制御部102に送信する(図28のステップS2
44)。また、主制御部102は、1つの操作部10B
において設定状態の記憶を行う場合と同様に、図29の
処理を行う。ただし、主制御部102は、操作制御部1
05から設定状態の記憶を指示するコマンドを受ける
と、図29のステップS265に示した設定状態のデー
タの送信処理を、設定状態の記憶を指示した操作制御部
105のみならず、他のすべての操作部の操作制御部1
05に対して実行する。設定状態の記憶を指示した操作
制御部105は、設定状態のデータを主制御部102か
ら受信し、そのデータを自身の操作部設定記憶部112
bに記憶する(図28のステップS245,S24
6)。
【0123】一方、設定状態の記憶を指示していない他
の操作制御部105も、主制御部102からのデータを
受け付ける。図30は、他の操作制御部105の動作を
示したものである。他の操作制御部105は、設定状態
のデータを主制御部102から受信する(ステップS2
51)と、受信した設定状態のデータを、自身の操作部
設定記憶部112bに記憶して(ステップS252)、
設定状態のデータの記憶処理を終了する。その後、他の
処理の処理待ち状態となる。以上の処理は、すべての操
作部における操作制御部105が、常時、図28に示し
た操作者からの操作入力に基づく処理と図28に示した
主制御部102からの通信に基づく処理とを共に、並列
的に実行待ち状態(イベント待ち状態)として動作させ
ることにより実現可能である。
【0124】次に、以上のようにして記憶した設定情報
に基づく「復旧」動作について説明する。本システム
は、以下で説明する復旧処理を行って、操作部設定記憶
部112bに記憶した設定情報(実際には主設定記憶部
104に記憶した設定情報)を映像特殊効果部101に
反映させることで、映像特殊効果部101の動作を以前
の状態に戻すことが可能となっている。このような復旧
動作を行う機能は、“スナップショット”などと呼ばれ
ている。
【0125】図31は、操作制御部105bが行う設定
復旧処理の動作を示している。操作制御部105bは、
操作者によって入力部107bから「設定復旧」を指示
する操作入力が行われると(ステップS291)、その
指示を示す設定復旧コマンドを主制御部102に送信す
る(ステップS292)。次に、操作制御部105b
は、その設定復旧コマンドに対する主制御部102から
の応答を受信する(ステップS293)。主制御部10
2からの応答が復旧成功を示すものであれば(ステップ
S294;Y)、操作制御部105bは、操作部設定記
憶部112bの記憶内容を参照して、表示部106bの
表示を更新(ステップS295)し、復旧された設定内
容を示す表示を行う(図33参照)。一方、主制御部1
02からの応答が復旧の失敗を示すものであれば(ステ
ップS294;N)、操作制御部105bは、表示部1
06bに設定復旧に失敗した旨の表示を行う(ステップ
S296)。
【0126】図32は、主制御部102が行う設定復旧
処理の動作を示している。主制御部102は、操作制御
部105bからの設定復旧コマンドを受信すると(ステ
ップS301)、主設定記憶部104の記憶内容を参照
して、設定復旧に必要とされる設定情報を取得し、その
情報に基づいて映像特殊効果部101の設定復旧処理を
行う(ステップS302)。映像特殊効果部101に対
する復旧処理が正常に完了したならば(ステップS30
3;Y)、主制御部102は、設定復旧が成功したこと
を示す信号を、操作制御部105bに対する応答信号と
して、操作制御部105bに送信する(ステップS30
4)。このとき、操作部設定記憶部112bを有する複
数の操作部が存在する場合には、すべての操作部の操作
制御部に対して設定復旧が成功したことを示す信号を送
信する。一方、例えば設定復旧に必要とされる設定情報
が主設定記憶部104にない場合や、主設定記憶部10
4に記憶されている設定情報では映像特殊効果部101
を正常に設定できない場合には、主制御部102は、こ
の設定復旧処理は失敗であると判断する(ステップS3
03;N)。この場合、主制御部102は、設定復旧が
失敗したことを示す信号を、操作制御部105bに対す
る応答信号として、操作制御部105bに送信する(ス
テップS305)。このとき、操作部設定記憶部112
bを有する複数の操作部が存在する場合には、設定復旧
を要請した操作制御部にのみ設定復旧の失敗を通知すれ
ば良い。
【0127】図33は、設定復旧処理を行った場合に、
第2の操作部10Bの表示部106bに表示される表示
画面の例を示している。図33は、映像特殊効果部10
1が例えば図3に示した構成である場合の、その設定状
態のデータの表示例を示している。この表示画面は、操
作部設定記憶部112bに記憶されている、例えば図2
5に示した設定状態のデータに基づいて表示される。
【0128】この表示画面には、設定状態の情報を項目
別に表示する表示領域35が設けられている。図33に
おいて、表示領域35に表示されている「バスA」の項
目は、バス215(バスA)で選択する入力映像信号1
17の番号の設定を示している。図では、「バスA」の
項目に「3」が表示されており、バスAが3番目の入力
映像信号S3を合成効果部214に送る設定であること
を示している。「バスB」の項目は、バス216(バス
B)で選択する入力映像信号117の番号の設定を示し
ている。図では、「バスB」の項目に「7」が表示され
ており、バスBが7番目の入力映像信号S7を合成効果
部214に送る設定であることを示している。「切替」
の項目は、合成効果部214が行う切り替え動作の種類
の設定を示している。図では、「切替」の項目に「0」
が表示されており、合成効果部214が切り替え動作を
実行しない設定であることを示している。「効果」の項
目は、合成効果部214で実行する効果の種類の設定を
示している。効果の種類は、あらかじめ番号で定義され
ており、図では、「15」番で定義された効果を行う設
定であることを示している。
【0129】「キー」の項目は、キー処理部217の動
作に関する設定を示している。図33では、「キー」の
項目は、2つあり、1つはバス218(バスK)で選択
するキー信号の番号の設定を示し、もう1つはキー処理
を実行するか否かの設定を示している。図では、バスK
で「2」番目のキー信号を選択し、キー処理を実行(O
N)する設定となっている。「ボーダー」の項目は、キ
ー処理部217におけるボーダー処理の種類の設定を示
している。ボーダー処理の種類は、あらかじめ番号で定
義されており、図では、「1」番で定義された処理を行
う設定であることを示している。なお、ボーダー処理と
は、キー効果(映像の合成をする場合に用いられる効果
の1つ)の部分に境界線を付ける処理のことである。こ
の表示画面には、また、「直前の操作」(設定復旧を行
うことを指示する操作やその他の個別の制御操作)が成
功したか否かを表示する表示領域36が設けられてい
る。図では、「直前の操作」の項目に、例えば復旧処理
が成功したことを示す「成功」の文字表示がなされてい
る。なお、例えば復旧処理が失敗したときには、「直前
の操作」の項目部分に、例えば「失敗」の文字表示がな
される。
【0130】なお、図33では、設定状態の情報を文字
で表示した例を示したが、例えば図12に示した動作情
報の表示例と同様に、設定状態の情報をより分かりやす
くグラフィカルに表現して表示しても良い。
【0131】次に、複数の設定状態のデータを扱う場合
(図26参照)の動作について説明する。まず、設定状
態のデータを記憶させるときの動作について説明する。
この場合、操作者は、設定状態の記憶を指示するとき
に、設定状態のデータに付与するインデックス数値を入
力する。操作制御部105bは、図28のステップS2
44の送信処理を行うときに、設定状態の記憶を指示す
るコマンドに、操作者により指示されたインデックス数
値を付加して、主制御部102に送信する。主制御部1
02は、操作制御部105bからのコマンドを受信する
と、そのコマンドに付加されたインデックス数値に対応
する、主設定記憶部104のアドレス位置に、設定状態
のデータを記憶する(図29のステップS264)。ま
た、主制御部102は、操作制御部105bに設定状態
のデータを送信するとき(ステップS265)に、設定
状態のデータにインデックス数値を付加して送信する。
操作制御部105bは、主制御部102から設定状態の
データを受信する(ステップS245または図30のス
テップS251)と、設定状態のデータに付加されたイ
ンデックス数値に対応する、操作部設定記憶部112b
のアドレス位置に、設定状態のデータを記憶する(ステ
ップS246またはステップS252)。このような動
作が複数回繰り返されることにより、主設定記憶部10
4および操作部設定記憶部112bに、複数の設定状態
のデータが記憶される。
【0132】次に、複数の設定状態のデータを扱う場合
における設定復旧の動作について説明する。この場合、
操作者は、設定復旧の指示を行うときに、インデックス
数値を入力して、復旧させたい設定状態のデータを指定
する。操作制御部105bは、図31のステップS29
2の送信処理を行うときに、設定復旧コマンドに、操作
者により指定されたインデックス数値を付加して、主制
御部102に送信する。主制御部102は、操作制御部
105bからの設定復旧コマンドを受信する(図32の
ステップS301)と、主設定記憶部104の記憶内容
を参照して、コマンドに付加されたインデックス数値に
対応する設定状態のデータを取得し、そのデータに基づ
いて映像特殊効果部101の設定復旧処理を行う(ステ
ップS302)。映像特殊効果部101に対する復旧処
理が正常に完了したならば、主制御部102は、設定復
旧が成功したことを示す信号を送信する(ステップS3
04)。このとき、主制御部102は、送信信号にイン
デックス数値を付加して送信する。操作制御部105b
は、主制御部102から復旧成功の通知を受信すると、
操作部設定記憶部112bの記憶内容を参照して、通知
信号に付加されたインデックス数値に対応する設定状態
のデータを取得し、それに基づいて、表示部106bの
表示を更新(ステップS295)し、復旧された設定内
容を示す表示を行う。
【0133】なお、複数の設定状態のデータを扱う構成
にした場合には、第2の操作部10Bに、操作部設定記
憶部112bが記憶している設定情報の一覧を表示する
機能を付加することが望ましい。複数の設定状態が存在
する場合には、設定復旧の指示を行う際に、複数の設定
状態の中から設定復旧の対象となるものを1つ指定する
必要がある。このとき、どのような設定情報が操作部設
定記憶部112bに記憶されているかを、表示部106
bに一覧表示させることができれば、操作者はその一覧
を参照して復旧対象となるものを簡単に指定することが
でき、操作性が向上する。一覧表示の方法としては、例
えば単にテキストによる表示でも良いし、グラフィカル
表現を用いた表示でも良い。このとき、設定状態の数が
多数あったり各設定状態の項目内容が多数あって、すべ
ての情報を一度に表示できない場合には、画面のスクロ
ール機能により全体を表示するようにしたり、または例
えばデータを適当にグループ分けして階層的なデータ表
示を行うようにすれば良い。さらに、一覧表示にGUI
機能を持たせ、画面上でマウスなどによる操作を行うこ
とにより復旧対象となるデータを選択できるようにして
も良い。これにより、インデックス値を直接入力する場
合よりも、所望とする設定状態の指定を容易に行うこと
ができる。
【0134】ところで、操作部設定記憶部112bに設
定情報を記憶する処理では、主制御部102から操作制
御部105bに記憶内容を送信する処理が伴うため、記
憶動作の完了までに多少の処理時間を要するおそれがあ
る。しかしながら、これはシステムの動作上ではあまり
問題とはならない。一方、設定復旧を行う際には、操作
部設定記憶部112bに設定情報が記憶してあること
で、従来に比べて設定復旧を行う際の通信データ量が大
幅に減ることになり、第2の操作部10Bにおいて設定
状態の表示の更新を高速に行うことができる。従来で
は、通信ネットワーク119を介して主設定記憶部10
4から直接設定状態のデータを取得する必要があるた
め、設定復旧を行う際の通信データ量が多く、本実施の
形態のように操作部設定記憶部112bを設ける場合よ
りも表示の更新が遅くなる。設定復旧処理を行う際に
は、出力映像の変化が伴うので、その変化に追随して表
示の更新を高速に行うことが望ましい。本実施の形態に
よれば、設定状態の表示の高速化が図られているので、
設定復旧処理の際に、操作者に的確な情報提供を行うこ
とができる。
【0135】なお、以上の説明では、主設定記憶部10
4に設定情報の記憶を行ったときに、随時、その記憶内
容を第2の操作部10Bに送信し、操作部設定記憶部1
12bに記憶するようにしていた。しかしながら、例え
ば、第2の操作部10Bが、システムの稼働後、暫くし
てから電源投入され起動された場合には、操作部設定記
憶部112bにはなにも記憶されていないか、または記
憶している内容が主設定記憶部104の記憶内容と異な
っているおそれがある。また、例えば、第2の操作部1
0Bが第3の操作部10Cと同様に通信ネットワーク1
19に対して切り離し可能に構成されている場合に、そ
の第2の操作部10Bをシステムの稼働後暫くしてか
ら、通信ネットワーク119に接続したときにも、この
ような問題が起こり得る。特に、システムに複数の操作
部が設けられている場合に、既にシステムに接続済みの
操作部からの操作により設定状態の記憶処理が何度か行
われていると、後から接続または電源投入がなされた操
作部における操作部設定記憶部112bの記憶内容が、
主設定記憶部104の記憶内容と大きく異なる事態が生
ずる。このように主設定記憶部104と操作部設定記憶
部112bとで、その記憶内容の整合性が保たれていな
い場合には、第2の操作部10Bから設定復旧の操作を
正常に行うことができない。
【0136】そこで、好ましくは、第2の操作部10B
がシステムの稼働後に通信ネットワーク119にあらた
に接続された場合、またはあらたに電源投入された場合
にも、主設定記憶部104と操作部設定記憶部112b
との記憶内容が同一に保たれるような機能が付加されて
いることが望ましい。具体的には、例えば、第2の操作
部10B側から主制御部102に、主設定記憶部104
の記憶内容の転送要求を行い、その転送要求に応じて主
制御部102が主設定記憶部104の記憶内容を第2の
操作部10Bに転送するような機能を付加すれば良い。
第2の操作部10Bからの転送要求は、操作者の操作入
力に応じて行うようにすれば良い。または、通信ネット
ワーク119に接続されたことを操作制御部105bが
検出し、その検出に応じて操作制御部105bが自動的
に転送要求を行うようにしても良い。この場合、システ
ムには、第2の操作部10Bが通信ネットワーク119
に接続されたことを検出するための接続検出機構を設け
る。接続検出機構は、例えば既知のネットワークインタ
フェースと、ネットワーク接続を試みるプログラムとを
組み合わせることで実現できる。
【0137】次に、図34,図35を参照して、第2の
操作部10B側から転送要求を行って主設定記憶部10
4の記憶内容を取得するまでの動作の流れをより具体的
に説明する。図34は、操作制御部105bの動作手順
を示し、図35は、主制御部102の動作手順を示して
いる。操作制御部105bは、操作者の操作入力または
接続検出機構の接続検出に応じて、主設定記憶部104
の記憶内容の転送を要求するコマンドを、主制御部10
2に送信する(図34のステップS271)。主制御部
102は、操作制御部105bからの転送要求コマンド
を受信すると(図35のステップS281)、主設定記
憶部104の全記憶内容を操作制御部105bに転送す
る(ステップS282)。このとき、操作部設定記憶部
112bが複数の操作部に設けられている場合には、主
制御部102は、転送要求のあった操作部の操作制御部
105bにのみ、主設定記憶部104の記憶データを送
信する。操作制御部105bは、主制御部102から、
主設定記憶部104の記憶データを受信する(ステップ
S272)と、受信したすべてのデータを操作部設定記
憶部112bに記憶する(ステップS273)。これに
より、操作部設定記憶部112bの記憶内容が、主設定
記憶部104の記憶内容と同一になる。
【0138】以上の動作により、システムが稼働してい
るときに途中から第2の操作部10Bが接続または電源
投入がなされた場合であっても、操作部設定記憶部11
2bの記憶内容を、主設定記憶部104と同一にするこ
とができる。これにより、最初から接続稼働していた操
作部と同じように設定復旧処理を行うができる。例え
ば、第2の操作部10Bを運搬移動するため、一時的に
システムから切り離し、別の場所で再度、第2の操作部
10Bをネットワークに接続して使用するような場合に
も、最初から接続して稼働している場合と同様に設定復
旧処理を行うができる。
【0139】なお、図34,図35に示した動作では、
操作制御部105bからデータの転送要求があった場合
にのみ主制御部102からデータ転送を行うようにした
が、主制御部102が、第2の操作部10Bの接続状態
や稼働状態を監視し、その結果に応じて自動的に第2の
操作部10Bにデータ転送を行うようにしても良い。こ
の場合、システムに、主制御部102側でネットワーク
にあらたに第2の操作部10Bが接続されたことを検出
できるようなネットワーク媒体やプロトコルを使用す
る。主制御部102は、第2の操作部10Bが接続され
たことを検出すると、操作制御部105bから図34の
ステップS271の転送要求があったと解釈し、図35
の動作を行う。または、あらたにネットワークに接続さ
れたノードがどういう種類のものか不明の場合に、主制
御部102側からその接続機器に問い合わせを行い、そ
の問い合わせに対する応答に応じて、データ転送を行う
ような手順にしても良い。
【0140】[第3の操作部10Cに関する動作]次
に、第3の操作部10Cに特有の機能を用いた動作につ
いて説明する。第3の操作部10Cが有する機能は、第
2の操作部10Bが有する機能を発展させたものであ
り、(ネットワーク接続されているときには)第2の操
作部10Bと同様の機能を持っている。すなわち、第3
の操作部10Cは、第2の操作部10Bと同様に、設定
情報を用いた設定復旧処理を行う機能を有している。以
下、第2の操作部10Bと同様の機能については説明を
省略し、第3の操作部10Cに特徴的な機能についての
み説明する。
【0141】一般に、映像特殊効果を行うための装置と
その制御システムは、多数のユニットから構成されてい
る。また、その設置場所は、放送局の建物内や移動中継
車など種々の場所がある。従来では、システムの設定作
業は、そのシステムが設置されている場所において行わ
なければならない。一方で、近年の映像特殊効果技術は
複雑化しており、その設定作業は手間のかかるものとな
っている。このため,時間のかかる設定情報の作成を、
システムの設置場所から離れた場所であらかじめ行い、
その設定情報を利用してシステムを制御したいという要
求がある。しかしながら、従来では、システムの各ユニ
ット間の接続を断ってしまえば設定作業ができないた
め、このような要求に応えられていないという問題があ
る。本システムでは、第3の操作部10Cを利用するこ
とにより、システムからの接続が断たれた状況であって
も、映像特殊効果の設定情報の作成作業を行うことが可
能である。これにより、本システムでは、利用性および
操作性の優れた環境を提供できる。
【0142】まず第3の操作部10Cが有する機能に基
づく動作の概要を説明する。第3の操作部10C(の操
作制御部105c)は、着脱部113で通信ネットワー
ク119から切り離された状態で、操作者による設定情
報の作成操作に応じて、操作部設定記憶部112cに映
像特殊効果部101の設定状態のデータを書き込む動作
を行う。その後、着脱部113において通信ネットワー
ク119に接続されたならば、操作制御部105cは、
操作部設定記憶部112cに書き込んだ内容を主設定記
憶部104に転送し、作成した設定情報をシステムで使
用可能とする。第3の操作部10Cの機能を用いること
により、システムの設置場所や時間に制約されず、いつ
でもどこでも第3の操作部10Cのみで設定情報の作成
ができる。操作者は、第3の操作部10C側で設定情報
をあらかじめ作成しておけば、第3の操作部10Cをシ
ステムに接続した後、設定情報をあらたに作成する操作
をする必要はない。
【0143】図36は、第3の操作部10Cが通信ネッ
トワーク119から切り離された状態で、操作部設定記
憶部112cに映像特殊効果部101の設定状態のデー
タを書き込む際の操作制御部105cの処理手順を示し
ている。操作制御部105cは、操作者から設定情報作
成の指示を示す(入力部107cからの)操作入力を受
けて(ステップS331)、設定情報の作成動作を開始
し、まず、表示部106cに、図37に示したような設
定情報作成用の画面を表示する(ステップS332)。
操作者によって、設定情報作成用の画面を用いた各種設
定値の入力が行われると、操作制御部105cは、各設
定項目の入力値を、操作制御部105c内のメモリまた
は操作制御部105cに接続された外部メモリなどに確
保された、一時的な記憶領域に記憶する(ステップS3
33)。
【0144】次に、操作制御部105cは、操作者から
設定値の入力終了の指示を示す操作入力を受ける(ステ
ップS334)。このとき、操作者によって、入力終了
の指示が行われると共に、その設定内容を実際に操作部
設定記憶部112cに記憶するか否かの指示が行われ
る。操作者からの指示が記憶の指示(例えば図37の操
作ボタン442が操作されたとき)である場合(ステッ
プS335;Y)には、操作制御部105cは、入力さ
れた設定内容を、図示しないメモリ中の一時的な記憶領
域から操作部設定記憶部112cの記憶領域へコピー
(複写)する(ステップS336)。一方、操作者から
の指示が記憶を中止(入力した値を破棄)する指示(例
えば図37の操作ボタン443が操作されたとき)であ
る場合(ステップS335;N)には、操作制御部10
5cは、操作部設定記憶部112cへのコピーを行わな
い。その後、操作制御部105cは、表示部106cの
画面表示を設定情報作成用の画面から、設定情報作成前
の通常の画面状態に戻し(ステップS337)、設定状
態のデータの書き込み処理を終了する。
【0145】図37は、第3の操作部10Cの表示部1
06cに表示される、設定情報の作成用画面の一例を示
している。図に示した作成用画面は、映像特殊効果部1
01が例えば図3に示した構成であることを想定したも
のである。この表示画面は、GUI機能を有しており、
マウスなどにより操作される複数の操作ボタン442,
443と、各種の設定数値を入力するための入力領域が
設けられた複数の数値入力部とを有している。
【0146】数値入力部441は、システムが、図26
に示したように複数の設定状態のデータを記憶可能とな
っている場合における、その設定状態のデータに付与す
るインデックス数値を入力するためのものである。数値
入力部444は、合成効果部214に実行させる効果の
継続時間を示す数値を入力するためのものである。数値
入力部445は、バス215(バスA)に選択させる入
力映像信号117の番号を入力するためのものである。
数値入力部446は、バス216(バスB)に選択させ
る入力映像信号117の番号を入力するためのものであ
る。数値入力部447は、合成効果部214に行わせる
切り替え動作の種類を示す番号を入力するためのもので
ある。数値入力部448は、合成効果部214に実行さ
せる効果の種類を示す番号を入力するためのものであ
る。数値入力部449,450は、キー処理部217に
関する各種の設定数値を入力するためのものであり、例
えばバス218(バスK)に選択させるキー信号の番号
などが入力される。数値入力部451,452は、キー
処理部217におけるボーダー処理に関する各種の設定
数値を入力するためのものであり、例えばボーダー処理
の種類を示す番号が入力される。
【0147】操作ボタン442は、上述の各数値入力部
に入力された設定内容を、実際に操作部設定記憶部11
2cに記憶させる場合に操作される。操作ボタン443
は、数値入力部に入力された設定内容を、操作部設定記
憶部112cに記憶させずに設定処理の中止を行う場合
に操作される。
【0148】図38は、操作部設定記憶部112cに記
憶された設定状態のデータを主制御部102へ送信する
(主設定記憶部104に転送する)際の操作制御部10
5cの処理動作を示している。この処理は、操作制御部
105cを通信ネットワーク119に接続した後に行わ
れる。操作制御部105cは、操作者から操作部設定記
憶部112cの記憶内容の転送を指示する操作入力を受
ける(ステップS341)と、操作部設定記憶部112
cに記憶された設定状態のデータを主制御部102へ送
信する(ステップS342)。または、システムの構成
が、操作制御部105cと通信ネットワーク119との
接続状態を操作制御部105cにおいて検出できるよう
なものである場合には、操作制御部105cが、通信ネ
ットワーク119に接続されたことを検出したとき(ス
テップS341)に、設定状態のデータの送信処理を開
始するようにしても良い。通信ネットワーク119への
接続状態の検出は、例えば操作制御部105cと着脱部
113とが連携して行う。例えば、操作制御部105c
は、設定情報が作成された後に、常時(一定時間間隔
で)着脱部113Aを介した通信ネットワーク119へ
の接続を試み、その試みが成功したならば、接続検出が
行われたものとして、ステップS342の送信処理を開
始する。
【0149】図39は、図38に示した操作制御部10
5cによる送信処理に対応して行われる主制御部102
の受信処理を示している。主制御部102は、操作制御
部105cから設定状態のデータを受信する(ステップ
S351)と、受信した設定状態のデータを主設定記憶
部104に記憶する(ステップS352)。これによ
り、操作部設定記憶部112cの記憶内容と主設定記憶
部104の記憶内容とを同一にすることができる。
【0150】図40は、操作部設定記憶部112cを有
した操作部が複数ある場合に、図38に示した操作制御
部105cによる送信処理に対応して行われる主制御部
102の受信処理を示している。通信ネットワーク11
9に、操作部設定記憶部112cを有した操作部が複数
接続されている場合には、それぞれの操作部における操
作部設定記憶部112cの記憶内容をそろえる必要があ
る。そこで、主制御部102は、任意の操作部における
操作制御部105cから設定状態のデータを受信する
(ステップS361)と、受信した設定状態のデータを
主設定記憶部104に記憶する(ステップS362)と
共に、記憶したデータをすべての操作部の操作制御部に
送信する(ステップS363)。データを受信したそれ
ぞれの操作制御部は、自身に接続されたそれぞれの操作
部設定記憶部112cにそのデータを記憶する。これに
より、すべての操作部における操作部設定記憶部112
cの記憶内容と主設定記憶部104の記憶内容とを同一
にすることができる。なお、ステップS363の処理に
おいて、ステップS361における設定状態のデータの
送信元の操作制御部105cに対しては、データの送信
を行わないようにしても良い。
【0151】なお、操作部設定記憶部112cを有した
操作部が複数ある場合において、図38,図40に示す
処理を行う代わりに、設定情報の送信元の操作制御部1
05cが図51の流れ図に示す処理を行うようにしても
良い。操作制御部105cが図51に示した処理を行う
場合には、主制御部102は、図39に示す処理を行
う。図51に示した処理において、ステップS371,
S372の処理は、図38のステップS341,S34
2の処理と同様である。すなわち、操作制御部105c
は、図38に示した処理と同様に、操作者から操作部設
定記憶部112cの記憶内容の転送を指示する操作入力
を受けたり、通信ネットワーク119に接続されたこと
を検出したとき(ステップS371)に、操作部設定記
憶部112cの記憶内容を主制御部102へ送信する
(ステップS372)。その後、操作制御部105c
は、自身以外のすべての操作制御部にも、操作部設定記
憶部112cの記憶内容を送信する(ステップS37
3)。設定状態のデータを受信したそれぞれの操作制御
部は、自身に接続されたそれぞれの操作部設定記憶部1
12cに受信したデータを記憶する。これにより、すべ
ての操作部における操作部設定記憶部112cの記憶内
容と主設定記憶部104の記憶内容とを同一にすること
ができる。
【0152】<作成設定記憶部115を用いた機能>次
に、第3の操作部10Cにおける作成設定記憶部115
を用いた設定情報の作成処理について説明する。以上の
説明では、操作部設定記憶部112cに直接的に設定状
態のデータを記憶する例を示したが、第3の操作部10
Cでは、操作部設定記憶部112cに加えて作成設定記
憶部115を使用することも可能である。作成設定記憶
部115を使用する場合には、以下で説明するように、
主設定記憶部104の内容を操作部設定記憶部112c
の内容ですべて置き換える動作はしない。
【0153】まず、作成設定記憶部115のメモリ空間
上の位置付けについて説明する。図41は、操作制御部
105c側の操作部設定記憶部112cおよび作成設定
記憶部115に関するメモリ空間381を示している。
また、図42は、主制御部102側の主設定記憶部10
4に関するメモリ空間382を示している。操作部設定
記憶部112cは、図41に示したように、複数組の設
定状態の実データを記憶可能な設定記憶領域385を有
している。設定記憶領域385は、複数のデータ格納領
域を有しており、その個々の格納領域(図において矩形
状の領域385iで示す)のそれぞれに、1組の設定状
態のデータを格納している。個々の格納領域385iに
は、それぞれを識別するためのインデックス数値が付与
されている。主設定記憶部104のメモリ構造は、図4
2に示したように、操作部設定記憶部112cと全く同
じ構造となっている。すなわち、主設定記憶部104
は、複数組の設定状態の実データを記憶可能な設定記憶
領域386を有している。設定記憶領域386は、操作
部設定記憶部112cと同様に、複数のデータ格納領域
を有しており、その個々の格納領域(図において矩形状
の領域386iで示す)のそれぞれに、1組の設定状態
のデータを格納している。個々の格納領域386iに
は、それぞれを識別するためのインデックス数値が付与
されている。
【0154】一方、作成設定記憶部115は、図41に
示したように、1組以上の設定状態の実データを記憶可
能な設定記憶領域383と、設定記憶領域383の各デ
ータ格納領域に対応して設けられたリンク部384とを
有している。設定記憶領域383は、1つ以上のデータ
格納領域を有しており、操作部設定記憶部112cと同
様に、その個々の格納領域(図において矩形状の領域3
83iで示す)のそれぞれに、1組の設定状態のデータ
を格納している。個々の格納領域383iには、それぞ
れを識別するためのインデックス数値が付与されてい
る。リンク部384は、作成設定記憶部115における
設定記憶領域383の各データ格納領域と、操作部設定
記憶部112cにおける設定記憶領域385の各データ
格納領域との対応関係を示すリンク情報を保持してい
る。
【0155】図43は、リンク部384と操作部設定記
憶部112cの各データ格納領域とのリンク状態の一例
を示している。リンク部384は、例えばポインタ方式
によるリンク情報を保持している。この場合、リンク部
384のポインタは、操作部設定記憶部112cの設定
記憶領域385における各データ格納領域のいずれかの
先頭番地にリンクされる。または、リンク部384のポ
インタを、設定記憶領域385の各データ格納領域に付
与されたインデックス番号にリンクするようにしても良
い。
【0156】作成設定記憶部115は、第3の操作部1
0Cで作成した設定情報を、設定情報が主設定記憶部1
04に転送されるまでの間記憶する。設定情報の転送が
完了したならば、主設定記憶部104の中にその内容は
記憶され、操作部設定記憶部112cの(設定記憶領域
385の)内容は主設定記憶部104の(設定記憶領域
386の)内容と同じになる。従って、作成設定記憶部
115に作成した内容と同じものが操作部設定記憶部1
12cと主設定記憶部104の設定記憶領域385,3
86の双方に存在することになる。以上のようなメモリ
構造により、設定情報を単独で作成した操作部10Cに
おいて、作成した設定情報を容易に指定できる環境を提
供可能にする。また、主制御部102では、主設定記憶
部104に第3の操作部10Cで作成した設定情報を書
き込む際に、すべてを上書きするのではなく、あらたに
作成された設定情報を、主設定記憶部104の一部に上
書きするのみであり、その他のそれまでに記憶されてい
た設定情報を残す。これにより、結果として、古い設定
情報が使用可能であり、第3の操作部10Cで作成した
あらたな設定情報も容易に指定でき、操作性が向上す
る。
【0157】次に、作成設定記憶部115を用いた設定
情報の作成処理に伴う各部の動作について具体的に説明
する。既に説明したように、ネットワークに接続されて
いない状態で第3の操作部10Cのみで設定情報を作成
する場合には、操作制御部105cは図36のような処
理動作を行う。ただし、図36のステップS336で
は、一時的な記憶領域に記憶された設定情報のコピー先
は、操作部設定記憶部112cであったが、作成設定記
憶部115を使用する場合には、作成設定記憶部115
がコピー先となる。従って、この時点では操作部設定記
憶部112cの内容は変化しない。
【0158】図44は、作成設定記憶部115の記憶内
容を主制御部102へ送信する(主設定記憶部104に
転送する)際の操作制御部105cの処理動作を示して
いる。この処理は、操作制御部105cを通信ネットワ
ーク119に接続した後に行われる。操作制御部105
cは、操作者から作成設定記憶部115の記憶している
設定情報の転送を指示する操作入力を受ける(ステップ
S401)と、作成設定記憶部115の記憶内容を主制
御部102へ送信する(ステップS402)。または、
システムの構成が、操作制御部105cにおいて、通信
ネットワーク119との接続状態を検出できるようなも
のである場合には、操作制御部105cが、通信ネット
ワーク119に接続されたことを検出したとき(ステッ
プS401)に、設定情報の送信処理を開始するように
しても良い。
【0159】その後、操作制御部105cは、主制御部
102から主設定記憶部104が記憶しているすべての
設定情報のデータが送信されてくるので、それを操作部
設定記憶部112cに記憶する(ステップS403)。
さらに、操作制御部105cは、主制御部102から、
ステップS403で受信した主設定記憶部104の記憶
内容と先にステップS402で送信した作成設定記憶部
115の記憶内容との対応関係を示す情報を受信し、そ
の情報に基づいて、作成設定記憶部115のリンク部3
84のリンク設定を行う(ステップS404)。以上の
動作を完了すると、作成設定記憶部115の設定記憶領
域383における設定情報の記憶保持は不要となる。設
定記憶領域383に記憶した設定情報を参照するには、
対応するリンク部384を参照して、リンク部384の
ポインタが指し示す操作部設定記憶部112cの設定記
憶領域385中の設定情報を参照すれば良い。操作部設
定記憶部112cの設定記憶領域385の記憶内容と同
じものが、主設定記憶部104の設定記憶領域386に
もあるので、主制御部102に対してもリンク部384
の参照で、任意の設定情報を選択指示することができ
る。
【0160】図45は、図44に示した操作制御部10
5cによる送信処理に対応して行われる主制御部102
の設定情報の受信処理を示している。主制御部102
は、操作制御部105cから作成設定記憶部115が記
憶している設定情報のデータを受信する(ステップS4
11)と、受信した設定情報の数と主設定記憶部104
の空き領域(実質的に使用されていない格納領域の要
素)の数とを比較する(ステップS412)。そして、
主設定記憶部104の空き領域が不足している場合(ス
テップS413;Y)には、主制御部102は、必要と
なる数(受信した設定情報を記憶できる数)になるま
で、空き領域を作る(ステップS414)。例えば、主
制御部102は、主設定記憶部104が図42に示した
例のように、複数の設定情報の組を記憶可能な格納領域
が複数配列されている場合に、その格納領域の配列要素
から削除(内容破棄:上書き)可能なものをあらかじめ
用意されたLRU(least-recently-used)などの既知の方法
で選択し、その選択したものを削除する(すなわち上書
きすることを決定する)。一方、主設定記憶部104の
空き領域が不足していない場合(ステップS413;
N)には、ステップS414の処理を行うことなく、ス
テップS415の処理に進む。
【0161】次に、主制御部102は、受信した設定情
報を書き込む空き領域の位置(またはインデックス値)
を決め、その位置と設定情報との対応関係を示す書き込
み位置情報を、自身のメモリに一時記憶する(ステップ
S415)。そして、主制御部102は、決定した対応
関係に従って、主設定記憶部104の空き領域に受信し
た設定情報を記憶する(ステップS416)。次に、主
制御部102は、主設定記憶部104が記憶しているす
べての設定情報のデータを操作制御部105cへ送信す
る(ステップS417)。このとき、第3の操作部10
Cと同様の機能を持つ操作部が複数存在する場合には、
主制御部102は、すべての操作部の操作制御部に対し
て主設定記憶部104のデータを送信する。その後、主
制御部102は、ステップS415で一時記憶した、主
設定記憶部104の書き込み位置と設定情報との対応関
係を示す書き込み位置情報を、ステップS411におけ
る設定情報の送信元の操作制御部105cに返信する
(ステップS418)。操作制御部105cに送信され
た書き込み位置情報は、作成設定記憶部115のリンク
部384に書き込まれる。
【0162】ここで、ステップS414の空き領域を作
る処理についてより具体的に説明する。例えば、主設定
記憶部104におけるデータ格納領域の配列数が10個
(すなわち最大10組の設定情報を記憶できる状態)で
あったとして、このうち、空き領域が2番のインデック
ス値で表される領域のみであったとする。このとき、操
作制御部105cから3組の設定情報が送られてきた場
合、空き領域は2番のインデックス値の領域のみである
から、あと2つの領域が必要になる。この場合、例え
ば、主設定記憶部104の各格納領域に最新のアクセス
時刻を記録するようにして、最も長い間アクセスされて
いない(アクセス時刻が古い)要素から2つを削除(上
書き)可能な領域として選択できるようにする。このよ
うな方法により、例えばインデックス値にして5番と6
番で示される領域が選ばれたならば、受信した3組の設
定情報を主設定記憶部104における2番、5番、6番
のインデックス値で示される位置に書き込む。この場
合、主制御部102は、図45のステップS418で返
信する書き込み位置情報として、2,5,6というイン
デックス数値をその順番通りに返信する。操作制御部1
05cでは、インデックス数値を受信する(図44のス
テップS404に相当)と、受信した数値をリンク部3
84に順に書き込み、後から参照可能とする。または、
受信したインデックス数値に相当する操作部設定記憶部
112cにおけるデータ格納領域のアドレスを(ポイン
タ情報として)リンク部384に書き込むようにしても
良い。
【0163】図46は、第3の操作部10Cにおいて、
作成設定記憶部115のリンク部384を参照して設定
情報を選択する際の操作制御部105cの処理動作を示
すものである。操作者は、作成設定記憶部115におけ
るインデックス値による指定を行うことにより、作成設
定記憶部115内の設定情報と同じものを、主制御部1
02に対して指定する(設定復旧の指定をする)ことが
可能である。この場合、まず、操作制御部105cは、
操作者からインデックス値による設定情報の選択指示の
入力を受ける(ステップS421)。次に、操作制御部
105cは、作成設定記憶部115のリンク部384を
参照し、入力されたインデックス値に対応する操作部設
定記憶部112cのインデックス値を得て、指定対象の
設定情報の格納位置を特定する(ステップS422)。
なお、リンク部384のリンク情報がポインタ方式であ
る場合には、操作制御部105cは、そのポインタが指
し示す格納領域をインデックス値に換算する。主設定記
憶部104と操作部設定記憶部112cとにおける設定
情報の記憶内容は同じになっているので、操作制御部1
05cは、取得した操作部設定記憶部112cの格納位
置の情報(インデックス値)をそのまま主制御部102
に送ることで、主制御部102に対して設定情報の指定
を行うことができる(ステップS423)。
【0164】なお、リンク部384の内容は、その指示
する(操作部設定記憶部112c内の)設定情報の内容
が書き換えられるまで(実際に変更されるまで)有効で
ある。一方、操作部設定記憶部112cの内容が書き換
えられたならば、該当するリンク部384のリンク情報
は無効となるので、そのリンク情報を消去して無効であ
ることを示すようにする。操作制御部105cは、主制
御部102から主設定記憶部104の記憶内容が送られ
てくるときに、主設定記憶部104の記憶内容と比較す
ることで、操作部設定記憶部112cの内容が書き換え
られたか否かを確認する。
【0165】なお、図41では、作成設定記憶部115
において設定記憶領域383とリンク部384とを別々
に設けた場合について説明したが、他の方法として、設
定記憶領域383とリンク部384との機能を同一の記
憶領域で実現することも可能である。作成設定記憶部1
15において設定記憶領域383とリンク部384とが
同時に使用されることはないからである。すなわち、設
定記憶領域383に設定情報を作成しているときはリン
ク部384は不要であり、設定記憶領域383の内容を
送信した後、リンク部384に値がセットされ、設定記
憶領域383の内容は破棄できる。そのため、リンク部
384の領域を別に設けず、設定記憶領域383の各要
素(設定情報)の先頭領域に、設定情報と異なる識別値
(設定情報の先頭項目ではあり得ない値)を書き込み、
続く領域をリンク部384として使用すれば良い。この
方式ではメモリの消費量を少なくすることができる。
【0166】また、以上の説明では、リンク部384の
リンク情報を主制御部102で作成し、そのリンク情報
を操作制御部105cへ送信(図44のステップS40
4)してリンク部384に書き込むようにしていたが、
操作制御部105c側でリンク部384の内容を作成す
ることも可能である。この場合、主制御部102は、リ
ンク情報は送信せず、主設定記憶部104の記憶内容の
みを操作制御部105cに送信する。操作制御部105
cは、受信した内容を操作部設定記憶部112cに書き
込む。操作制御部105cは、次に、作成設定記憶部1
15の各データ配列(設定情報)のそれぞれについて、
同一の内容が操作部設定記憶部112cの中にないか、
一つ一つ照合して探す。見つかれば、その設定情報のイ
ンデックス値を(あるいはアドレスを)該当するリンク
部384にリンク情報として書き込む。以上の処理によ
りリンク部384の内容を正しい値にすることができ
る。
【0167】<構成記憶部114を用いた機能>次に、
第3の操作部10Cにおいて、構成記憶部114を用い
た動作について説明する。映像特殊効果部101は、用
途や設置場所などの様々な条件により、構成および機能
を個別に作り上げて設置することが可能である。また、
本システムを移動して設置、使用する構成にした場合に
は、システムの設置のたびに映像特殊効果部101の構
成を変化させることが可能である。第3の操作部10C
では、構成記憶部114に映像特殊効果部101の構成
情報を記憶し、その構成情報を適宜参照することで、上
述の様々な状況に対応した設定情報の作成処理を行うこ
とができる。
【0168】図47は、構成記憶部114に記憶される
構成情報の例を示す図である。図に示した例は、映像特
殊効果部101が例えば図3に示した構成であることを
想定したものである。構成記憶部114は、図47で示
したような各種項目のデータを映像特殊効果部101の
構成情報として記憶する。図において、「入力映像数」
の項目は、映像特殊効果部101において選択可能な入
力映像信号の数を示している。「入力キー数」の項目
は、映像特殊効果部101において選択可能なキー信号
の数を示している。「合成効果部数」の項目は、映像特
殊効果部101における合成効果部214(図3)の数
を示している。図3に示した構成では、合成効果部21
4は1つのみであるが、合成効果部214を複数設ける
構成にすることも可能である。合成効果部214を複数
設けることにより、映像特殊効果部101において、複
雑な特殊効果を行うことが可能となる。例えば、合成効
果部214が2つある場合、第1の合成効果部は図3の
構成と同様に、2つのバスからの入力映像信号を受け付
ける。第2の合成効果部は、第1の合成効果部の出力
と、第2の合成効果部に接続されたバスによって選択さ
れた入力映像信号の1つとが入力される構成となる。
【0169】「効果1対応」、「効果2対応」…,の項
目は、それぞれ特定の特殊効果を行う機能を映像特殊効
果部101が備えているか否かを示している。例えばこ
の項目の値が「1」ならば、映像特殊効果部101がそ
の特殊効果の機能を備えていることを示し、値が「0」
ならばその特殊効果の機能を備えていないことを示して
いる。
【0170】なお、構成情報の項目数や値は、映像特殊
効果部101の構成により種々変化する。本システムで
は、同一構造の操作部を様々な映像特殊効果部101に
対応させ、ネットワーク接続から切り離した状態でも、
特定の映像特殊効果部101(の構成)に合った設定情
報の作成を可能とするために、構成記憶部114を設け
ている。これにより、個々の映像特殊効果部101(の
構成)に対してそれぞれ専用の操作部を設ける必要がな
くなり、経済的である。また同一の操作部を別のシステ
ムに持ち込んで接続しても使用可能となるため、使い勝
手が向上する。
【0171】図48は、操作制御部105cがネットワ
ーク経由で映像特殊効果部101の構成情報を取得する
処理の流れを示している。図49は、図48の処理に対
応して行われる主制御部102による構成情報の返信処
理を示している。これらの処理は、操作制御部105c
が通信ネットワーク119に接された状態で行われる。
操作制御部105cは、操作者から映像特殊効果部10
1の構成情報の転送を指示する操作入力を受ける(図4
8のステップS461)と、構成情報を要求するコマン
ドを主制御部102に送信する(ステップS462)。
または、システムの構成が、操作制御部105cにおい
て、通信ネットワーク119との接続状態を検出できる
ようなものである場合には、操作制御部105cが、通
信ネットワーク119に接続されたことを検出したとき
(ステップS461)に、構成情報を要求するコマンド
の送信処理を開始するようにしても良い。一方、主制御
部102は、操作制御部105cから構成情報を要求す
るコマンドを受信する(図49のステップS471)
と、映像特殊効果部101からその構成情報を取得し
(ステップS472)、取得した構成情報を操作制御部
105cに返信する(ステップS473)。次に、操作
制御部105cは、主制御部102から返信された構成
情報を受信して構成記憶部114に記憶する(ステップ
S463)。このようにして、構成記憶部114にはあ
らかじめ(主制御部102経由で)、システムに接続さ
れている映像特殊効果部101の構成情報を記憶してお
く。
【0172】なお、操作制御部105cにおける構成情
報の取得をネットワーク経由ではなく、あらかじめ構成
情報が記録された情報記憶媒体(例えばフロッピーディ
スクなど)から取得するようにしても良い。この場合、
操作制御部105cに情報読取装置(例えばフロッピー
ディスクドライブなど)を接続し、操作制御部105c
が、情報読取装置を介して情報記憶媒体に記憶されてい
る構成情報を読みとり、構成記憶部114に記憶する。
この方法によれば、第3の操作部10Cがネットワーク
接続できない状況であったとしても、構成情報を取得す
ることができる。
【0173】次に、構成記憶部114を使用した設定情
報の作成処理について説明する。図50は、構成記憶部
114を使用した設定情報の作成処理を行う場合の操作
制御部105cの処理を示している。なお、構成記憶部
114を利用しない場合には、操作制御部105cは、
図36に示した処理を行う。この場合、操作制御部10
5cは、操作者から設定情報作成の指示を示す(入力部
107cからの)操作入力を受けて(ステップS43
1)、設定情報の作成動作を開始し、まず、構成記憶部
114の記憶内容を参照して、表示部106cに図37
に示したような設定情報作成用の画面を表示する(ステ
ップS432)。操作者によって、設定情報作成用の画
面を用いた各種設定値の入力が行われると、操作制御部
105cは、各設定項目の入力値を、操作制御部105
c内のメモリまたは操作制御部105cに接続された外
部メモリなどに確保された、一時的な記憶領域に記憶す
る(ステップS433)。
【0174】次に、操作制御部105cは、操作者から
設定値の入力終了の指示を示す操作入力を受ける(ステ
ップS434)。このとき、操作者によって、入力終了
の指示が行われると共に、その設定内容を実際に操作部
設定記憶部112cに記憶するか否かの指示が行われ
る。操作者からの指示が記憶の指示(例えば図37の操
作ボタン442が操作されたとき)である場合(ステッ
プS435;Y)には、操作制御部105cは、構成記
憶部114の記憶内容を参照して、構成情報に矛盾して
いるか否かをチェックする(ステップS436)。構成
情報に矛盾している場合(ステップS437;Y)に
は、操作制御部105cは、操作者に対して設定値の再
入力を促す表示を行い(ステップS4310)、ステッ
プS433の処理に戻る。一方、構成情報に矛盾してい
ない場合(ステップS437;N)には、操作制御部1
05cは、入力された設定内容を、図示しないメモリ中
の一時的な記憶領域から操作部設定記憶部112c(ま
たは作成設定記憶部115)の記憶領域へコピー(複
写)する(ステップS438)。その後、操作制御部1
05cは、表示部106cの画面表示を設定情報作成用
の画面から、設定情報作成前の通常の画面状態に戻し
(ステップS439)、処理を終了する。また、ステッ
プS435において、操作者からの指示が記憶を中止
(入力した値を破棄)する指示(例えば図37の操作ボ
タン443が操作されたとき)であった場合(N)にも
同様に、操作制御部105cは、表示部106cの画面
表示を通常の画面状態に戻し(ステップS439)、処
理を終了する。
【0175】構成記憶部114を使用した設定情報の作
成処理を行う場合における設定情報の作成画面は、前述
の図37に示したものと同様である。なお、例えば合成
効果部214が2つある場合には、第2の合成効果部に
関する設定数値を入力するための入力領域が追加され
る。例えば、第2の合成効果部に入力させる映像信号の
番号、切り替え動作の種類を示す番号、実行させる効果
の種類を示す番号、および効果の継続時間を示す数値な
どを入力するための領域が追加される。
【0176】図37に示した作成画面において、構成記
憶部114に記憶された構成情報に矛盾する値が入力さ
れた場合には、再入力を促す表示がなされる。例えば、
映像特殊効果部101が図3に示した構成である場合に
は、数値入力部445,446に入力されるバスA,B
で選択する入力映像信号の番号は、1から7までの値以
外は許容されない。数値入力部445,446に8以上
の値を入力すると(記憶させるために操作ボタン442
を操作すると)、構成情報に矛盾するので、再入力を促
す表示がなされる(図50のステップS4310)。な
お、作成画面の数値入力部を、初めから構成情報に矛盾
する値の入力ができないような構成にすることももちろ
ん可能である(例えば、構成情報に矛盾しない数値のみ
を表示し、その中から数値を選択させるような画面構成
にする)。この場合には、構成情報に矛盾する値が入力
されることはないので、再入力を促す表示を省略でき
る。
【0177】このように入力値を構成記憶部114の構
成情報と照合してチェックすることにより、誤った設定
情報の作成が防止される。これにより、誤った設定情報
を用いたことにより生ずる設定復旧処理の不具合を防止
できる。またこのチェック機能は、ネットワークに接続
している状態での設定値の入力に応用しても効果が得ら
れる。例えば、ネットワークに接続している状態におい
て設定情報の作成を行う場合にも、構成情報によるチェ
ックを行っても良い。
【0178】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、第1の操作部10Aにおいて、あらかじめ表示要素
格納部108に表示要素データを格納しておくと共に、
リンク情報保持部109に保持されたリンク情報を参照
して、主制御部102から取得した識別子に対応付けさ
れた表示要素データを特定し、その特定した表示要素デ
ータを用いて、出力映像信号118に含まれる入力映像
信号117に関する情報の表示を表示部106aに行う
ようにしたので、入力映像信号117の数が増えたとし
ても、入力映像信号117の数だけランプを設ける必要
のある従来のシステムと比べて、必要以上にシステム構
成を大型化する必要がない。また、表示要素データを用
いた表示を行うので、単にランプの点灯のみで情報表示
を行う場合に比べて、入力映像信号に関する情報を、文
字列や静止画などの種々の分かりやすい形態で表示する
ことが可能となる。これにより、入力映像信号117の
数が増えたとしても必要以上に構成を大型化することな
く、出力対象として選択されている入力映像信号117
に関する情報、すなわち信号源の情報および信号源に関
連する情報を、分かりやすく操作者に理解しやすい形態
で表示することができる。また、本実施の形態によれ
ば、複数の操作部において、入力映像信号117に関す
る情報の表示を行うことが可能であり、各操作部を利用
するすべての操作者および関係者(入力映像信号の作成
作業をしている担当者など)が、その時点の出力映像信
号の状態を容易に把握することが可能となり、作業性が
より向上する。
【0179】また、本実施の形態によれば、第1の操作
部10Aにおいて、あらかじめ効果表現格納部110
に、映像特殊効果部101の動作状態を数値的またはグ
ラフィカルに表示するための効果表現用の表示データを
複数格納しておくと共に、リンク情報保持部111に保
持されたリンク情報を参照して、現在実行中の映像特殊
効果の種類に対応付けされた表示データを特定し、その
特定した表示データを用いて、表示部106aに、主制
御部102から取得した現在の動作状態を表す動作状態
数値に基づいて、映像特殊効果部101の現在の動作状
態を数値的またはグラフィカルに表現して表示するよう
にしたので、例えば、現在実行中の映像特殊効果の経過
時間の情報などを、操作者に理解しやすい形態で提供で
きる。
【0180】また、本実施の形態によれば、主制御部1
02が主設定記憶部104に映像特殊効果部101の設
定情報を記憶するたびに、その記憶した設定情報を通信
ネットワーク119を介して第2の操作部10B側に送
信し、一方、第2の操作部10Bにおいては、その記憶
内容が主設定記憶部104の記憶内容と同一となるよう
に、送信されてきた設定情報を操作部設定記憶部112
bに記憶するようにしたので、操作部設定記憶部112
bの記憶内容を、常に主設定記憶部104の記憶内容と
同じに保つことができる。従って、例えば、主制御部1
02が主設定記憶部104に記憶された設定情報を用い
て映像特殊効果部101の設定復旧を行った場合に、設
定復旧に使用した設定情報を第2の操作部10B側へ転
送する必要がなくなる。これにより、設定復旧などを行
うときに主制御部102と第2の操作部10Bとの間で
設定情報の送受信を行う必要がなくなるので、設定復旧
などを行ったときの通信量を減らすことができる。これ
により、設定情報の送受信のために通信路を大容量・高
速化する必要がなくなり、低コストで経済的なシステム
構成にすることができる。
【0181】また、本実施の形態によれば、設定復旧が
行われた際に、第2の操作部10Bにおいて、復旧され
た設定状態に関する設定情報を操作部設定記憶部112
bから取得し、その取得した設定状態に関する情報を表
示部106bに表示させるようにしたので、設定復旧を
行った際の設定情報の表示を高速化することができる。
これにより、操作者に即時的で的確な情報提供を行うこ
とができる。
【0182】また、本実施の形態によれば、複数の操作
部のそれぞれに操作部設定記憶部112bを設けること
も可能であり、この場合において、主制御部102が主
設定記憶部104に映像特殊効果部101の設定情報を
記憶するたびに、その記憶した設定情報を通信ネットワ
ーク119を介して複数の操作部のそれぞれに送信し、
一方、それぞれの操作部おいては、その記憶内容が主設
定記憶部104の記憶内容と同一となるように、送信さ
れてきた設定情報を、それぞれの操作部設定記憶部11
2bに記憶するようにしたので、複数の操作部における
すべての操作部設定記憶部112bの記憶内容を、常に
主設定記憶部104の記憶内容と同じに保つことができ
る。これにより、設定復旧などを行うときにおける主制
御部102と複数の操作部との間の通信量を大幅に減ら
すことができる。従って、例えば、それぞれの操作部に
おいて、復旧された設定状態に関する設定情報をそれぞ
れの操作部設定記憶部112bから取得し、その取得し
た設定状態に関する情報をそれぞれ表示させることで、
複数の操作部のすべてにおいて、設定復旧を行った際の
設定情報の表示を高速化することができる。これによ
り、複数の操作部を使用するすべての操作者に対して、
設定復旧の際に的確で即時的な情報提供を行うことがで
きる。
【0183】さらに、本実施の形態によれば、第2の操
作部10B側から、主制御部102に対して、主設定記
憶部104に記憶されている設定情報の転送を要求する
コマンドを送信すると共に、主制御部102が、設定情
報の転送を要求するコマンドを受信したときに、主設定
記憶部104に記憶されている設定情報を通信ネットワ
ーク119を介して第2の操作部10B側に送信するよ
うにしたので、例えば、システム稼働後に途中から第2
の操作部10Bをシステムに組み込んだ場合であって
も、最初からシステムに組み込んだ場合と同様に、操作
部設定記憶部112bの記憶内容を、常に主設定記憶部
104の記憶内容と同じに保つことができる。
【0184】また、本実施の形態によれば、第3の操作
部10Cの機能により、システムからの接続が断たれた
状況であっても、映像特殊効果の設定情報の作成作業を
行うことが可能となる。これにより、システムの設置場
所に関係なく、第3の操作部10Cのみで設定情報の作
成が可能となり、時間や場所に制約されずに設定情報を
作成することができる。また、本実施の形態によれば、
操作制御部105cと通信ネットワーク119との接続
状態を操作制御部105cにおいて自動的に検出できる
ようにすることで、第3の操作部10Cで作成した設定
情報の転送を自動的に行うことが可能となり、操作者を
煩わせることなく、第3の操作部10Cで作成した設定
情報をシステムで使用可能にすることができる。
【0185】また、本実施の形態によれば、第3の操作
部10Cにおいて作成設定記憶部115を用いた機能を
使用することにより、主設定記憶部104に第3の操作
部10Cで作成した設定情報を書き込む際に、すべてを
上書きするのではなく、あらたに作成された設定情報を
主設定記憶部104の一部に上書きするだけで良くな
る。従って、主設定記憶部104においてそれまでに記
憶されていた設定情報を部分的に残すことができる。こ
れにより、結果として、主設定記憶部104に記憶され
ていた古い設定情報を引き続き使用可能であり、操作性
が向上する。
【0186】また、本実施の形態によれば、第3の操作
部10Cにおいて構成記憶部114を用いた機能を使用
することにより、映像特殊効果部101の構成が変化し
たとしても、ネットワーク接続から切り離した状態で、
それぞれの映像特殊効果部101の構成に合った設定情
報の作成が可能となる。これにより、個々の映像特殊効
果部101の構成に対してそれぞれ専用の操作部を設け
る必要がなくなり、経済的である。また同一の操作部を
別のシステムに持ち込んで接続しても使用可能となるた
め、使い勝手が向上する。
【0187】なお、本発明は、上記実施の形態に限定さ
れず種々の変形実施が可能である。例えば、上記実施の
形態では、入力映像信号の識別子として入力映像信号に
固有の番号を使用したが、識別子は番号に限定されず、
個々の入力映像信号を一意に特定可能なものであれば他
のもの(例えば文字列など)を使用しても良い。
【0188】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし4
のいずれか1項に記載の映像特殊効果装置の制御システ
ムによれば、第1の構成部において、第1の制御手段
が、入力手段からの指示に応じて、映像特殊効果装置の
設定情報を第1の設定情報記憶手段に記憶する制御を行
うと共に、第1の設定情報記憶手段に設定情報を記憶す
るたびに、その記憶した設定情報を伝送路を介して第2
の制御手段に送信する制御を行うようにし、一方、第2
の構成部においては、第2の制御手段が、その記憶内容
が第1の設定情報記憶手段の記憶内容と同一となるよう
に、第1の制御手段から送信されてきた設定情報を第2
の設定情報記憶手段に記憶する制御を行うようにしたの
で、第2の設定情報記憶手段の記憶内容を、常に第1の
設定情報記憶手段の記憶内容と同じに保つことができ
る。従って、例えば第1の構成部において、第1の設定
情報記憶手段に記憶された設定情報を用いて映像特殊効
果装置の設定復旧を行った場合に、設定復旧に使用した
設定情報を第2の構成部へ転送する必要がなくなる。こ
のように本発明によれば、設定復旧などを行うときに第
1の構成部と第2の構成部との間で設定情報の送受信を
行う必要がなくなるので、設定復旧などを行ったときの
通信量を減らすことができる。これにより、設定情報の
送受信のために通信路を大容量・高速化する必要がなく
なり、低コストで経済的なシステム構成にすることがで
きる。
【0189】特に、請求項2記載の映像特殊効果装置の
制御システムによれば、第2の構成部において、第2の
制御手段が、さらに、第1の制御手段から設定状態が復
旧されたことを示す通知を受けたときに、復旧された設
定状態に関する設定情報を第2の設定情報記憶手段から
取得し、その取得した設定状態に関する情報を表示手段
に表示させる制御を行うようにしたので、設定復旧を行
ったときにおける第2の構成部での設定情報の表示を高
速化することができる。これにより、操作者に対して、
設定復旧の際に的確で即時的な情報提供を行うことがで
きる。
【0190】また特に、請求項3記載の映像特殊効果装
置の制御システムによれば、第2の構成部を複数備えて
いる場合において、第1の制御手段が、複数の第2の構
成部における任意の入力手段からの指示に応じて、映像
特殊効果装置の設定情報を第1の設定情報記憶手段に記
憶する制御を行うと共に、第1の設定情報記憶手段に記
憶した設定情報を、伝送路を介して、複数の第2の構成
部におけるそれぞれの第2の制御手段に送信するように
し、一方、複数の第2の構成部におけるそれぞれの第2
の制御手段が、その記憶内容が第1の設定情報記憶手段
の記憶内容と同一となるように、第1の制御手段から送
信されてきた設定情報を、複数の第2の構成部における
それぞれの第2の設定情報記憶手段に記憶するようにし
たので、複数の第2の構成部におけるすべての第2の設
定情報記憶手段の記憶内容を、常に第1の設定情報記憶
手段の記憶内容と同じに保つことができる。これによ
り、設定復旧を行う際における第1の構成部と複数の第
2の構成部との間の通信量を大幅に減らすことができ
る。従って、例えば、それぞれの第2の制御手段が、復
旧された設定状態に関する設定情報をそれぞれの第2の
設定情報記憶手段から取得し、その取得した設定状態に
関する情報をそれぞれ表示させることで、複数の第2の
構成部のすべてにおいて、設定復旧を行った際の設定情
報の表示を高速化することができる。これにより、複数
の第2の構成部を使用するすべての操作者に対して、設
定復旧の際に的確で即時的な情報提供を行うことができ
る。
【0191】さらに、請求項4記載の映像特殊効果装置
の制御システムによれば、第2の制御手段が、第1の制
御手段に対して、第1の設定情報記憶手段に記憶されて
いる設定情報の転送を要求するコマンドを送信し、第1
の制御手段が、第2の制御手段から設定情報の転送を要
求するコマンドを受信したときに、第1の設定情報記憶
手段に記憶されている設定情報を伝送路を介して第2の
制御手段に送信するようにしたので、例えば、システム
稼働後に途中から第2の構成部をシステムに組み込んだ
場合であっても、最初からシステムに組み込んだ場合と
同様に、第2の設定情報記憶手段の記憶内容を、常に第
1の設定情報記憶手段の記憶内容と同じに保つことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る映像特殊効果シス
テムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】映像特殊効果部に入出力される信号の概略を説
明するための説明図である。
【図3】映像特殊効果部の内部構造の一例を示したブロ
ック図である。
【図4】第1の操作部の表示要素格納部における表示要
素データの格納状態の一例を示す説明図である。
【図5】第1の操作部の表示部に表示される表示要素デ
ータの表示例を示す説明図である。
【図6】表示要素およびリンク情報の設定処理の動作手
順を示す流れ図である。
【図7】出力映像信号に含まれる入力映像信号が変更さ
れたときなどに行われる主制御部の処理動作の手順を示
す流れ図である。
【図8】第1の操作部において、表示部に表示要素を表
示させるときに行われる操作制御部の処理動作の手順を
示す流れ図である。
【図9】第1の操作部の効果表現格納部における表示デ
ータの格納状態とリンク情報保持部におけるデータのリ
ンク状態の例を示す説明図である。
【図10】映像特殊効果部によって施される映像特殊効
果の一例を示す説明図である。
【図11】切り替え処理が行われている場合に第1の操
作部に表示される動作情報の表示例を示す説明図であ
る。
【図12】切り替え処理が行われている場合に表示され
る動作情報の他の表示例を示す説明図である。
【図13】画面構成比と経過時間比との違いについて示
す説明図である。
【図14】切り替え動作の状態を動画像によって表示し
た例を示す説明図である。
【図15】画面左上隅から境界線が自身と垂直な方向に
進行するようにして映像の切り替えが行われるような切
り替え動作の状態を、動画的に表現した例を示す説明図
である。
【図16】映像の境界線が画面の左下隅を中心として回
転するようにして映像の切り替えが行われるような切り
替え動作の状態を、動画的に表現した例を示す説明図で
ある。
【図17】2本の境界線が回転するようにして、映像の
切り替えが行われるような切り替え動作の状態を、動画
的に表現した例を示す説明図である。
【図18】映像特殊効果部の動作情報を、静止画像と動
画像とを同時に表示して表現した例を示す説明図であ
る。
【図19】図18に示した表示例の変形例を示す説明図
である。
【図20】主制御部による動作状態数値の送信処理動作
の手順を示す流れ図である。
【図21】図20に示した主制御部による送信処理動作
に対応する、操作制御部の処理動作の手順を示す流れ図
である。
【図22】図20と図21で示した処理に関する主制御
部と第1の操作部内の操作制御部との間の通信処理の関
係を示す通信シーケンス図である。
【図23】映像特殊効果部によって、キー信号を用いた
映像特殊効果が施された出力映像の例を示す説明図であ
る。
【図24】映像特殊効果部によって、キー信号を使用し
ない映像特殊効果が施された出力映像の例を示す説明図
である。
【図25】主設定記憶部および操作部設定記憶部に記憶
される設定情報の一例を示す説明図である。
【図26】主設定記憶部および操作部設定記憶部に複数
の設定状態のデータを記憶させる場合のデータ配列の一
例を示す説明図である。
【図27】主制御部と第2の操作部内の操作制御部との
間で行われる通信処理の概要を示す通信シーケンス図で
ある。
【図28】図27に示した通信処理に関連する操作制御
部の動作手順を示す流れ図である。
【図29】図28に示した操作制御部の動作に対応する
主制御の動作手順を示す流れ図である。
【図30】複数の操作部に第2の操作部と同様の操作部
設定記憶部を設けた場合において、設定状態の記憶を指
示していない操作制御部が設定状態のデータを受信した
ときの処理の手順を示す流れ図である。
【図31】第2の操作部の操作制御部による設定復旧処
理の動作手順を示す流れ図である。
【図32】主制御部における設定復旧処理の動作手順を
示す流れ図である。
【図33】第2の操作部において、設定復旧処理を行っ
た場合に表示される表示画面の一例を示す説明図であ
る。
【図34】第2の操作部側から主設定記憶部の記憶内容
の転送要求を行う場合における操作制御部の動作手順を
示す流れ図である。
【図35】図34に示した操作制御部の動作に対応する
主制御部の動作手順を示す流れ図である。
【図36】第3の操作部が通信ネットワークから切り離
された状態で、操作部設定記憶部に設定情報を書き込む
際の操作制御部の処理手順を示す流れ図である。
【図37】第3の操作部における設定情報の作成用の表
示画面の一例を示す説明図である。
【図38】第3の操作部における操作部設定記憶部の記
憶内容を主制御部へ送信するときに行われる操作制御部
の処理動作の手順を示す流れ図である。
【図39】図38に示した送信処理に対応して行われる
主制御部の受信処理の動作手順を示す流れ図である。
【図40】第3の操作部と同様の操作部設定記憶部を有
した操作部が複数ある場合に、図38に示した送信処理
に対応して行われる主制御部の受信処理の動作手順を示
す流れ図である。
【図41】第3の操作部における作成設定記憶部と操作
部設定記憶部とに関するメモリ構造の一例を示す説明図
である。
【図42】主設定記憶部のメモリ構造を示す説明図であ
る。
【図43】第3の操作部における作成設定記憶部のリン
ク部と操作部設定記憶部のデータ格納領域とのリンク状
態の一例を示す説明図である。
【図44】第3の操作部において、作成設定記憶部の記
憶内容を主制御部へ送信するときに行われる操作制御部
の処理動作の手順を示す流れ図である。
【図45】図44に示した送信処理に対応して行われる
主制御部の受信処理の動作手順を示す流れ図である。
【図46】第3の操作部において、作成設定記憶部のリ
ンク部を参照して設定情報を選択する際の操作制御部の
処理手順を示す流れ図である。
【図47】第3の操作部の構成記憶部に記憶される構成
情報の例を示す説明図である。
【図48】第3の操作部の操作制御部がネットワーク経
由で映像特殊効果部の構成情報を取得する処理動作の手
順を示す流れ図である。
【図49】図48の処理に対応して行われる主制御部に
よる構成情報の返信処理の手順を示す流れ図である。
【図50】第3の操作部において、構成記憶部を使用し
た設定情報の作成処理を行う場合の操作制御部による処
理手順を示す流れ図である。
【図51】第3の操作部と同様の操作部設定記憶部を有
した操作部が複数ある場合に、操作制御部によって行わ
れる操作部設定記憶部の記憶内容の送信処理を示す流れ
図である。
【図52】従来の映像特殊効果システムの構成例を示す
ブロック図である。
【図53】図52に示した映像特殊効果システムにおい
て、操作部から設定変更のコマンドを受信した場合の主
制御部の動作を示す流れ図である。
【図54】図52に示した映像特殊効果システムにおい
て、操作部から設定記憶のコマンドを受信した場合の主
制御部の動作を示す流れ図である。
【図55】図52に示した映像特殊効果システムにおい
て、操作部から設定復旧のコマンドを受信した場合の主
制御部の動作を示す流れ図である。
【符号の説明】
1…映像特殊効果システム、10A,10B,10C…
操作部、101…映像特殊効果部、102…主制御部、
103…動作情報生成部、104…主設定記憶部、10
5a,105b,105c…操作制御部、106a,1
06b,106c…表示部、107a,107b,10
7c…入力部、108…表示要素格納部、109,11
1…リンク情報保持部、110…効果表現格納部、11
2b,112c…操作部設定記憶部、113(113
A,113B)…着脱部、114…構成記憶部、115
…作成設定記憶部、117…入力映像信号、118…出
力映像信号、114…構成記憶部。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 映像特殊効果装置を制御する第1の制御
    手段と、前記映像特殊効果装置の設定状態に関する設定
    情報を記憶する第1の設定情報記憶手段とを有する第1
    の構成部と、 前記映像特殊効果装置の設定に関する指示を入力するた
    めの入力手段と、前記入力手段からの指示に応じた制御
    動作を行うと共に、前記入力手段からの指示を前記第1
    の制御手段に送信する処理を行う第2の制御手段と、前
    記映像特殊効果装置の設定情報を記憶する第2の設定情
    報記憶手段とを有した第2の構成部と、 前記第1の制御手段と前記第2の制御手段とを結ぶ伝送
    路とを備え、 前記第1の制御手段は、前記入力手段からの指示に応じ
    て、前記映像特殊効果装置の設定情報を前記第1の設定
    情報記憶手段に記憶する制御を行うと共に、前記第1の
    設定情報記憶手段に設定情報を記憶するたびに、その記
    憶した設定情報を前記伝送路を介して前記第2の制御手
    段に送信する制御を行うよう構成され、 前記第2の制御手段は、その記憶内容が前記第1の設定
    情報記憶手段の記憶内容と同一となるように、前記第1
    の制御手段から送信されてきた設定情報を前記第2の設
    定情報記憶手段に記憶する制御を行うよう構成されてい
    ることを特徴とする映像特殊効果装置の制御システム。
  2. 【請求項2】 前記第2の構成部は、さらに、表示手段
    を有し、 前記第1の制御手段は、さらに、前記入力手段からの指
    示に応じて、前記第1の設定情報記憶手段に記憶された
    設定情報を用いて、前記映像特殊効果装置の設定が指示
    された設定状態となるように復旧させると共に、設定状
    態が復旧されたことを前記第2の制御手段に通知するよ
    う構成され、 前記第2の制御手段は、さらに、前記第1の制御手段か
    ら設定状態が復旧されたことを示す通知を受けたとき
    に、復旧された設定状態に関する設定情報を前記第2の
    設定情報記憶手段から取得し、その取得した設定状態に
    関する情報を前記表示手段に表示させる制御を行うよう
    構成されていることを特徴とする請求項1記載の映像特
    殊効果装置の制御システム。
  3. 【請求項3】 前記第2の構成部を複数備え、 前記第1の制御手段は、前記複数の第2の構成部におけ
    る任意の入力手段からの指示に応じて、前記映像特殊効
    果装置の設定情報を前記第1の設定情報記憶手段に記憶
    する制御を行うと共に、前記第1の設定情報記憶手段に
    記憶した設定情報を、前記伝送路を介して、前記複数の
    第2の構成部におけるそれぞれの第2の制御手段に送信
    するよう構成され、 前記複数の第2の構成部におけるそれぞれの第2の制御
    手段は、その記憶内容が前記第1の設定情報記憶手段の
    記憶内容と同一となるように、前記第1の制御手段から
    送信されてきた設定情報を、前記複数の第2の構成部に
    おけるそれぞれの第2の設定情報記憶手段に記憶するよ
    う構成されているを特徴とする請求項1記載の映像特殊
    効果装置の制御システム。
  4. 【請求項4】 前記第2の制御手段は、前記第1の制御
    手段に対して、前記第1の設定情報記憶手段に記憶され
    ている設定情報の転送を要求するコマンドを送信するよ
    う構成され、 前記第1の制御手段は、前記第2の制御手段から設定情
    報の転送を要求するコマンドを受信したときに、前記第
    1の設定情報記憶手段に記憶されている設定情報を前記
    伝送路を介して前記第2の制御手段に送信するよう構成
    されていることを特徴とする請求項1記載の映像特殊効
    果装置の制御システム。
JP2000335798A 2000-11-02 2000-11-02 映像特殊効果装置の制御システム Pending JP2002142152A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012124608A (ja) * 2010-12-06 2012-06-28 Olympus Imaging Corp カメラ

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