JP2002141639A - セラミックス基板のメタライズ方法、セラミックス回路基板の製造方法及びセラミックス回路基板 - Google Patents

セラミックス基板のメタライズ方法、セラミックス回路基板の製造方法及びセラミックス回路基板

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JP2002141639A
JP2002141639A JP2000333702A JP2000333702A JP2002141639A JP 2002141639 A JP2002141639 A JP 2002141639A JP 2000333702 A JP2000333702 A JP 2000333702A JP 2000333702 A JP2000333702 A JP 2000333702A JP 2002141639 A JP2002141639 A JP 2002141639A
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plating
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Masato Kawahara
正人 川原
Hiroshi Yanagimoto
博 柳本
Satoshi Saito
諭 齋藤
Hiroaki Takahashi
広明 高橋
Masaya Koyama
雅也 小山
Tomoyuki Kawahara
智之 川原
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Mitsuboshi Belting Ltd
Panasonic Electric Works Co Ltd
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Mitsuboshi Belting Ltd
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セラミックス基板の表面を粗化する必要がな
く、膜厚制御が容易であり、しかも微粒子を触媒として
無電解めっきの析出性を向上することができる、セラミ
ックス基板のメタライズ方法を提供する。 【解決手段】 金属及び金属酸化物から選択され粒径が
1〜500nmである少なくとも一種の微粒子を含む微
粒子分散層を、セラミックス基板1表面に形成する。こ
の微粒子分散層を空気雰囲気下にて焼成してセラミック
ス基板1表面に金属酸化物微粒子2を焼き付ける。この
金属酸化物微粒子2を還元液に浸漬して金属微粒子4に
還元する。この金属微粒子4をめっき触媒核として無電
解めっき処理を施すことによりめっき層5を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子部品として利用
されるセラミックス基板のメタライズ方法、このセラミ
ックス基板のメタライズ方法を利用したセラミックス回
路基板の製造方法及びセラミックス回路基板に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子機器の回路基板を製造する方
法として、セラミックス基板をメタライズして表面に金
属層を形成し、この金属層に導体回路を形成することが
行われていた。
【0003】このようなセラミックス回路基板を製造す
るにあたって用いられるセラミックス基板としては、酸
化アルミニウム焼結体、窒化アルミニウム焼結体、炭化
ケイ素焼結体等のセラミックス又はガラスからなるもの
が挙げられる。また、このようなセラミックス基板に金
属層を密着性良く形成するために行われていた、従来の
メタライズ方法としては、次に示すような無電解めっき
法や物理蒸着法が挙げられる。
【0004】無電解めっき法は、まずセラミックス基板
の表面を化学的もしくは物理的な方法で粗化し、その後
SnCl2の濃塩酸溶液中で処理することにより表面の
感受性化を行い、次にPdCl2の濃塩酸溶液中で処理
し、セラミックス表面にPd(パラジウム)粒子からな
る無電解めっきの触媒核を形成する。そしてこれを金、
銀、銅、ニッケルなどの無電解めっき浴中に浸漬して無
電解めっき処理を施し、金属層を形成するものである。
【0005】しかし、このような無電解めっき法による
メタライズ方法は、パラジウム粒子と基板表面との接着
がそれほど強固なものとは言えないという問題に加え
て、基板表面を粗化していることから、製造されるセラ
ミックス回路基板の高周波特性が悪くなってしまうとい
う問題があった。また、表面を粗化することができない
セラミックス基板、例えば高純度アルミナ基板や窒化ア
ルミ基板に対して適用することが不可能であるという問
題もあった。
【0006】一方、物理蒸着法は、まずセラミックス基
板を真空中に配置し、例えばアルゴンスパッタリングな
どの方法により金属を気化し、基板上に金属を堆積させ
て金属層を形成するものである。ここで金、銀、銅、ニ
ッケルなどによって金属層を形成する場合は、金属層と
セラミックス層との間に十分な密着力が得られないた
め、比較的密着力の優れた中間層を形成した後、所望の
金属膜を形成するものである。
【0007】このような物理蒸着法は無電解めっき法で
は導体回路を形成できない高純度アルミナや窒化アルミ
基板などへも導体回路を形成することが可能であり、表
面を粗化することなく所望の金属膜を形成することがで
きるので高周波特性にも優れているという利点を有して
はいるが、通常はコスト的に無電解めっき法よりも不利
となる問題があった。
【0008】また、上記のようなメタライズ方法におけ
る問題点を解決して、平滑なセラミックス基板に強固な
密着力を持つ導体層を形成するためのセラミックス基板
のメタライズ方法として、特許2853551号等に開
示されているような技術が提案がされている。
【0009】特許2853551号に開示されているセ
ラミックス基板のメタライズ方法では、まず最初に、平
滑なセラミックス基板上に銅含有層を形成する。この銅
含有層は、有機金属レジネート、スパッタ、無電解めっ
き法により形成される。次いで、空気中で焼成して、還
元液に入れて銅膜に還元し、その後に無電解銅めっきに
て導体層を形成するものである。
【0010】しかし、この特許2853551号に開示
されている方法の場合、銅含有層の膜厚制御が困難であ
るという問題点に加えて、このような銅含有層では無電
解めっきの触媒としてのめっき析出能力が低いという問
題点があった。
【0011】また、セラミックス基板に銅含有層を形成
するにあたって、セラミックス基板と銅含有層とを積極
的に反応させて密着力を向上させるための方法として、
特開平7−254769号公報、特開平8−12530
7号公報、特開平8−175889号公報、特開平9−
64534号公報等に開示されているような技術が提案
されている。
【0012】これらの公報に開示されている技術では、
セラミックス基板と反応もしくは拡散させるために、バ
ナジウムやビスマスやマグネシウムを銅含有層に添加し
て、セラミックス基板と銅含有層との密着性を向上させ
ている。
【0013】しかし、これらの方法の場合であっても、
銅含有層の膜厚制御が困難であるという問題点に加え
て、このような銅含有層では無電解めっきの触媒として
のめっき析出能力が低いという問題点があった。更に、
フォトエッチングにより導体回路を形成した場合、導体
回路以外の部分にもバナジウム、ビスマス、マグネシウ
ムが残留して絶縁不良が発生するおそれがあり、また後
処理として無電解ニッケル−金めっきを施す際にブリッ
ジが発生するという問題点があった。ここで言うブリッ
ジとは、導体回路間にめっき層が析出し、回路が短絡し
てしまう現象のことである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
問題を解決するものであり、セラミックス基板の表面を
粗化する必要がなく、膜厚制御が容易であり、しかも微
粒子を触媒として無電解めっきの析出性を向上すること
ができる、セラミックス基板のメタライズ方法、このセ
ラミックス基板のメタライズ方法を利用することによ
り、セラミックス基板上に微細ラインの導体回路を形成
しても導体回路間の優れた絶縁性を維持することができ
るセラミックス回路基板の製造方法、およびこの製造方
法によって製造されるセラミックス回路基板を提供する
ことを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
セラミックス基板のメタライズ方法は、金属及び金属酸
化物から選択され粒径が1〜500nmである少なくと
も一種の微粒子を含む微粒子分散層を、セラミックス基
板表面に形成し、この微粒子分散層を空気雰囲気下にて
焼成してセラミックス基板表面に金属酸化物微粒子を焼
き付け、この金属酸化物微粒子を還元液に浸漬して金属
微粒子に還元し、この金属微粒子をめっき触媒核として
無電解めっき処理を施すことによりめっき層を形成する
ことを特徴とするものである。
【0016】これにより、セラミックス基板に反応接着
した金属微粒子をめっき触媒核として使用し、無電解め
っき処理によってこの上にめっき膜を形成して、メタラ
イズを行うことができ、セラッミクス基板の表面を粗化
する必要もなく、しかもセラミックス基板上に微細ライ
ンを形成することができる。
【0017】また請求項2の発明は、請求項1におい
て、微粒子分散層を構成する微粒子として銅又は酸化銅
から選択される少なくとも一種のものを用い、この微粒
子を溶剤に分散させて調製される微粒子分散液をセラミ
ックス基板の表面に塗布、乾燥することにより微粒子分
散層を形成し、めっき層を形成するための無電解めっき
処理として無電解銅めっき処理を施すことを特徴とする
ものである。
【0018】また請求項3の発明は、請求項1におい
て、微粒子分散層を構成する微粒子として銅又は酸化銅
から選択される少なくとも一種のものを用い、この微粒
子を高分子又はオリゴマーのマトリックス中に分散させ
た微粒子分散層を形成し、めっき層を形成するための無
電解めっき処理として無電解銅めっき処理を行うことを
特徴とするものである。
【0019】また請求項4の発明は、請求項1におい
て、微粒子分散層を構成する微粒子として銅又は酸化銅
から選択される少なくとも一種のものを用い、この微粒
子を溶剤に分散させて調製される微粒子分散液をセラミ
ックス基板の表面に塗布、乾燥することにより微粒子分
散層を形成し、めっき層を形成するための無電解めっき
処理として無電解ニッケルめっき処理を行うことを特徴
とするものである。
【0020】また請求項5の発明は、請求項1におい
て、微粒子分散層を構成する微粒子として銅又は酸化銅
から選択される少なくとも一種のものを用い、この微粒
子を高分子又はオリゴマーのマトリックス中に分散させ
た微粒子分散層を形成し、めっき層を形成するための無
電解めっき処理として無電解ニッケルめっき処理を行う
ことを特徴とするものである。
【0021】また請求項6の発明は、請求項1におい
て、微粒子分散層を構成する微粒子としてニッケル又は
酸化ニッケルから選択される少なくとも一種のものを用
い、この微粒子を溶剤に分散させて調製される微粒子分
散液をセラミックス基板の表面に塗布、乾燥することに
より微粒子分散層を形成し、めっき層を形成するための
無電解めっき処理として無電解ニッケルめっき処理を行
うことを特徴とするものである。
【0022】また請求項7の発明は、請求項1におい
て、微粒子分散層を構成するための微粒子としてニッケ
ル又は酸化ニッケルから選択される少なくとも一種のも
のを用い、この微粒子を高分子又はオリゴマーのマトリ
ックス中に分散させた微粒子分散層を形成し、めっき層
を形成するための無電解めっき処理として無電解ニッケ
ルめっき処理を施すことを特徴とするものである。
【0023】本発明の請求項8に係るセラミックス回路
基板の製造方法は、請求項1乃至7のいずれかに記載の
セラミックス基板のメタライズ方法にてめっき層が形成
されたセラミックス基板にエッチング処理を施すことに
より導体回路を形成することを特徴とするものである。
【0024】これにより、エッチング処理が施された部
分には金属が残留せず、導体回路間の絶縁性に優れ、後
加工において無電解ニッケル−金めっきを施す際にもブ
リッジが発生することがない微細ラインの導体回路を形
成することができるものである。
【0025】本発明の請求項9に係るセラミックス回路
基板の製造方法は、請求項1乃至7のいずれかに記載の
セラミックス基板のメタライズ方法にてセラミックス基
板にめっき層を形成するにあたって、微粒子分散層を導
体回路の導体パターンと同一形状に形成することによ
り、無電解めっき処理後に得られるめっき層を導体回路
として形成することを特徴とするものである。
【0026】これにより、導体回路間の絶縁性に優れ、
後加工において無電解ニッケル−金めっきを施す際にも
ブリッジが発生することがない微細ラインの導体回路を
形成することができるものである。
【0027】本発明の請求項10に係るセラミックス回
路基板は、請求項8又は9に記載のセラミックス回路基
板の製造方法にて製造されて成ることを特徴とするもの
である。
【0028】これにより、導体回路間の絶縁性に優れ、
後加工において無電解ニッケル−金めっきを施す際にも
ブリッジが発生することがない微細ラインの導体回路が
形成されたセラミックス回路基板を得ることができるも
のである。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0030】本発明では、まずセラミックス基板に微粒
子分散層を形成する。
【0031】セラミックス基板としては、酸化アルミニ
ウム焼結体、窒化アルミニウム焼結体、チタン酸バリウ
ム焼結体等からなるものを用いることができる。
【0032】また微粒子分散層を形成するための微粒子
としては、金属または金属酸化物から選ばれる少なくと
も一種のものを用いるものであり、銅又は酸化銅の微粒
子を用いることができるほか、ニッケル又は酸化ニッケ
ルの微粒子を用いることができる。
【0033】またこの金属又は金属酸化物の微粒子とし
ては、粒径が1〜500nmの範囲にあるものを用い
る。このような極微小の粒径を有する微粒子はそれより
も大きい粒径のものと比べて極めて高い反応性を有して
おり、これを用いることによって前記のようなセラミッ
クス基板表面を粗化したり感受性化することなく、セラ
ミックス基板表面に銅やニッケル等の微粒子からなるめ
っきのための触媒核を形成することができ、しかも、セ
ラミックス基板と触媒核との間の接着力は強固なものと
なる。ここでこの微粒子の粒径が500nmよりも大き
くなると、セラミックス基板との反応性が乏しくなって
密着力が得られなくなり、しかも比表面積が小さくなる
ことから無電解めっきの触媒核としての能力が充分に得
られなくなる。また、粒径が1nmより小さい金属微粒
子を作るのは事実上困難であるため、この金属又は金属
酸化物の粒径の下限は実質的には1nmとなる。
【0034】このような1〜500nmという微小粒径
を有する金属又は金属酸化物の微粒子は、従来から知ら
れている適宜の方法にて作製することができる。例えば
特開平3―34211号公報に開示されているガス中蒸
発法と呼ばれる方法では、ヘリウム等の不活性ガスを導
入したチャンバ内で金属を蒸発させ、不活性ガスとの衝
突により冷却され凝縮した生成直後の粒子が孤立状態に
ある段階でα−テレピオール、トルエンなどの有機溶剤
の蒸気を導入して粒子表面の被覆を行うことによって銅
もしくは酸化銅の微粒子が得られる。このような方法に
て得られる微粒子を市販しているメーカーとしては、真
空冶金(株)製等が知られている。
【0035】金属又は金属酸化物の他の作製法としては
一般に良く知られている還元法、アトマイズ法等を挙げ
ることができ、市販しているメーカーとしては日本アト
マイズ加工、福田金属泊粉、同和鉱業、三井金属工業等
を挙げることができる。
【0036】微粒子分散層は、上記のような金属又は金
属酸化物の微粒子を溶剤に分散させて微粒子分散液を調
製し、この微粒子分散液をセラミックス基板の表面に塗
布した後乾燥して溶剤を揮散させることにより形成する
ことができる。
【0037】溶剤としては特に限定しないが、微粒子の
分散性や経時安定性を有し、かつセラミックス基板との
充分な濡れ性を有するものを用いることが好ましく、例
えばα−テレピネオール、メタノール、エタノール、
水、カルビトール、メタクレゾール等を用いることが好
ましい。また、セラミックス基板との濡れ性を向上する
ために溶剤に界面活性剤を添加しても良い。
【0038】微粒子分散液中における金属又は金属酸化
物の微粒子の分散量は用途に応じて適当に調整すること
ができるものであるが、通常は微粒子を均一に塗布で
き、かつ焼成によって連続膜が生成されるように、0.
001〜10質量%の範囲に調整することが好ましい。
【0039】このような微粒子分散液をセラミックス基
板の表面に塗布するにあたっては、塗膜の厚さが10〜
1000nmとなるようにすることが好ましい。塗布方
法はスピンコート法、ディップ法、スクリーン印刷法、
刷毛塗り、スプレーなど様々な方法を採ることができ、
セラミックス基板の一面又は両面に、全面もしくは、適
宜のパターン形状に塗布することができる。
【0040】微粒子分散液の塗膜の乾燥は、オーブンな
どを用いて行うことができる。乾燥温度は適宜設定され
るが、溶剤を充分に揮散させるためには80℃以上とす
ることが好ましく、また微粒子の焼結が進みすぎないよ
うに500℃以下の温度で行うことが好ましい。
【0041】また、微粒子分散層を、高分子又はオリゴ
マーのマトリックスと、このマトリックス中に分散され
た微粒子にて構成することもできる。この場合、高分子
やオリゴマーが金属や金属酸化物の微粒子の周囲に付着
して微粒子の凝集を防ぐことができ、後述する微粒子分
散層の焼成過程における微粒子の粒成長を抑制して、微
粒子の微細な粒径を保持することができる。
【0042】マトリックスを構成する高分子又はオリゴ
マーとしては、分子の末端もしくは側鎖にシアノ基(−
CN)、アミノ基(−NH3)、そしてチオール基(−
SH)から選ばれた少なくとも1種の官能基を有し、ポ
リエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリ
ビニルアルコール、ナイロン11等の骨格からなるもの
を用いることが好ましい。特に末端ジアミンポリエチレ
ンオキサイドは、金属又は金属酸化物の微粒子の分散性
が良好であるため、好適に用いることができる。またこ
の高分子又はオリゴマーとしては、融点もしくは軟化点
が40〜100℃のものを用いることが好ましく、また
特に制限するものではないが数平均分子量が500〜5
000のものを用いることが好ましい。
【0043】微粒子を高分子又はオリゴマーのマトリッ
クス中に分散させた微粒子分散層を形成するにあたって
は、まず上記のような高分子又はオリゴマーを薄膜状に
成形し、その表面に真空蒸着法等によって粒径1〜50
0nmの金属又は金属酸化物の微粒子を形成する。この
蒸着した金属又は金属酸化物は微粒子になって薄膜表面
に密集するが、一部の微粒子は薄膜中へ侵入して分散を
始めている。必要に応じて続いて加熱することにより、
微粒子の薄膜中への侵入を促進して、薄膜中に微粒子を
ほぼ均一に分散させる。
【0044】このようにして得られる、金属又は金属酸
化物の微粒子が付着又は分散した高分子又はオリゴマー
の薄膜を、溶剤中に分散させて、高分子又はオリゴマー
と金属又は金属酸化物の微粒子とが分散した微粒子分散
液を調製する。次いで、この微粒子分散液をセラミック
ス基板の表面に塗布して塗膜を形成し、この塗膜を乾燥
して溶剤を揮散させることにより、高分子又はオリゴマ
ーのマトリックスと、このマトリックス中に分散された
微粒子とからなる微粒子分散層を形成することができ
る。
【0045】溶剤としては特に限定されず、前記におけ
る溶剤中に微粒子を分散させた微粒子分散液の場合と同
様のものを用いることができる。
【0046】微粒子分散液中における金属又は金属酸化
物の微粒子や高分子又はオリゴマーの分散量は用途に応
じて適宜に調整することができるものであるが、金属又
は金属酸化物の微粒子の分散量については通常は微粒子
を均一に塗布でき、かつ焼成によって連続膜が生成され
るように、0.01〜80質量%の範囲に調整すること
が好ましい。
【0047】このような微粒子分散液をセラミックス基
板の表面に塗布する。この塗膜の厚さは10〜1000
nmとなるようにすることが好ましい。塗布方法はスピ
ンコート法、ディップ法、スクリーン印刷法、刷毛塗
り、スプレーなど様々な方法を採ることができ、セラミ
ックス基板の一面又は両面に、全面もしくは、適宜のパ
ターン形状に塗布することができる。
【0048】微粒子分散液の塗膜の乾燥は、オーブンな
どを用いて行うことができる。乾燥温度は適宜設定され
るが、溶剤を充分に揮散させるためには80℃以上とす
ることが好ましく、また微粒子の焼結が進みすぎないよ
うに500℃以下の温度で行うことが好ましい。
【0049】また、高分子又はオリゴマーのマトリック
スと、このマトリックス中に分散された微粒子にて構成
される微粒子分散層は、次のようにして形成することも
できる。
【0050】まず、高分子又はオリゴマーを上記のよう
な溶剤に溶解することによって得られたペースト状物を
セラミックス基板上に塗布して薄膜を形成する。塗布方
法はスピンコート法、ディップ法、スクリーン印刷法、
刷毛塗り、スプレーなど様々な方法を採ることができ、
セラミックス基板の一面又は両面に、全面もしくは、適
宜のパターン形状に塗布することができる。
【0051】続いて、この薄膜の上に真空蒸着法等によ
り、金属又は金属酸化物を形成する。この蒸着した金属
又は金属酸化物は微粒子になって薄膜表面に密集する
が、一部の微粒子は薄膜中へ侵入して分散を始めてい
る。続いて加熱することにより、微粒子の薄膜中への侵
入を促進して、薄膜中に微粒子をほぼ均一に分散させ、
この薄膜を微粒子分散層として形成するものである。
【0052】以上のようにしてセラミックス基板の表面
に微粒子分散層を形成した後、この微粒子分散層を空気
中で焼成する。この焼成はベルト炉などを用いて、好ま
しくは焼成温度400〜1100℃、焼成時間10〜6
0分間の条件で行う。このとき微粒子分散層を微粒子と
高分子又はオリゴマーとにて構成している場合は高分子
又はオリゴマーが揮散して、微粒子がセラミックス基板
上にほぼ均一に分散される。また微粒子として金属の微
粒子を用いている場合は、空気で酸化され金属酸化物微
粒子となる。従って、微粒子分散層を形成するための微
粒子として、金属と金属酸化物のいずれを用いている場
合であっても、焼成後はセラミックス基板上に金属酸化
物微粒子が分散し、かつ固着された状態となる。
【0053】更に、この焼成過程においては、金属酸化
物微粒子2はセラミックス基板1に焼き付けられて接合
される。このとき図1(a)に示すように、金属酸化物
微粒子2とセラミックス基板1との界面において、金属
酸化物微粒子2とセラミックス基板1を構成するセラミ
ックスとが反応して、固溶体又は金属間化合物からなる
反応生成物3が生成し、この反応生成物3によって金属
酸化物微粒子2がセラミックス基板1に対して接合され
るものである。例えば微粒子分散層を形成するための微
粒子として銅又は酸化銅からなるものを用い、セラミッ
クス基板1としてアルミナ焼結体からなるものを用いる
と、焼成後はセラミックス基板1上に酸化銅からなる金
属酸化物微粒子2が分散した状態となり、更に、金属酸
化物微粒子2とセラミックスとの界面に反応生成物3と
してCuAl24もしくはCuAlO2が生成して、こ
の反応生成物3によって金属酸化物微粒子2がセラミッ
クス基板1に接合される。
【0054】次いで、セラミックス基板1を還元液に浸
漬することにより、セラミックス基板1に接合されてい
る金属酸化物微粒子2を還元して、金属微粒子4とす
る。還元液としては特に限定するものではなく、金属酸
化物を金属に還元することができる適宜のものを用いる
ことができ、例えば、水素化ホウ素塩水溶液、次亜リン
酸水溶液等を用いることができる。
【0055】このようにすると、図1(b)に示すよう
に、セラミックス基板1の表面には、微粒子分散層が形
成されていた領域に、反応生成物3によってセラミック
ス基板1に接合された多数の金属微粒子4が、セラミッ
クス基板1にほぼ均一に分散かつ固着された状態で形成
される。
【0056】そして、このセラミックス基板1を無電解
金属めっき液に浸漬すると、セラミックス基板1の表面
の金属微粒子4がめっき触媒核として作用し、図1
(c)に示すように金属微粒子4が分散・結合されてい
る領域においてめっき層5が選択的に形成される。この
とき、金属微粒子4はほぼ均一に分散していることか
ら、金属微粒子4が分散・結合されている領域において
はめっき層5の析出にばらつきが生じにくくなり、膜厚
が均一なめっき層5を形成することができる。しかも上
記のように金属微粒子4はセラミックス基板1上に接合
されているため、セラミックス基板1に粗化処理が施さ
れていなくても金属微粒子4による反応接着によって、
めっき層5とセラミックス基板1との間に高い密着性が
付与される。
【0057】このようにしてセラミックス基板1に対し
て無電解めっき処理を施すことにより形成されるめっき
層5の金属は、用途や、使用する微粒子の種類等に応じ
て適宜選択することができるが、例えば微粒子分散層を
構成する微粒子として銅又は銅酸化物を用いている場合
は無電解めっき処理として無電解銅めっき処理や無電解
ニッケルめっき処理等を施すことができる。また微粒子
分散層を構成する微粒子としてニッケル又は酸化ニッケ
ルを用いている場合は無電解めっき処理として無電解銅
めっき処理や無電解ニッケルめっき処理を施すことがで
きる。
【0058】上記のようにしてメタライズされたセラミ
ックス基板1に導体回路7を形成することにより、セラ
ミックス回路基板8を作製することができる。セラミッ
クス基板1に導体回路7を形成するにあたっては、次に
示すような、いわゆるフォトエッチング法を適用するこ
とができる。
【0059】まず、上記のメタライズ方法においてセラ
ミックス基板1の一面又は両面の全面に亘ってめっき層
5を形成しておき、このセラミックス基板1のめっき層
5の全面をレジスト膜で被覆する。レジスト膜は紫外線
硬化性樹脂からなるドライフィルムやレジストインク等
により形成することができる。次いで、透明部分が所望
の導体回路7のネガパターン状に形成された製造用フィ
ルム(ネガフィムル)をレジスト膜の上方に配置し、紫
外線露光ランプを照射して露光することによりレジスト
膜の露光部分を硬化させる。
【0060】露光後、ネガフィルムを取り除き、アルカ
リ性溶液等にて処理するなどしてレジスト膜の非露光部
分を現像して除去する。このときセラミックス基板1に
は図2(a)に示すように、硬化したレジスト膜6が、
所望の導体回路7の導体パターンと同一形状に残存す
る。
【0061】次に、エッチング液を用いてセラミックス
基板1の表面を処理することにより、図2(b)に示す
ように、レジスト膜6にて被覆されていないめっき層5
を除去すると共にこのめっき層5の内側の金属微粒子4
も除去し、残存するめっき層5によって所望の導体パタ
ーンを有する導体回路7を形成する。このとき微粒子分
散層を形成するための微粒子として銅又は酸化銅、ある
いはニッケル又は酸化ニッケルを用い、めっき層5とし
て無電解銅めっき層5又は無電解ニッケルめっき層5を
形成すると、めっき層5とその内側の金属微粒子4がエ
ッチングにて除去される銅又はニッケルにて構成される
こととなり、エッチング処理によってめっき層5と金属
微粒子4を確実に除去し、導体回路7間における金属の
残存を確実に防止することができる。尚、反応生成物3
はエッチングにて除去されずにセラミックス基板1に残
存する。
【0062】ここで、エッチング液としてはエッチング
処理にて除去されるめっき層5を構成する金属に応じて
適宜のものを用いることができ、例えばめっき層5とし
て無電解銅めっき層5を形成している場合は、例えば塩
化第二鉄、塩化第二銅水溶液などのような銅のエッチン
グ液を用いることができる。
【0063】続いて、図2(c)に示すように、回路パ
ターン上に被覆しているレジスト膜6を例えばジクロロ
メタン等の溶剤を用いて除去する。
【0064】このようにすると、セラミックス基板1上
に所望の導体パターンを有する導体回路7が形成された
セラミックス回路基板8が形成される。このようにして
セラミックス回路基板8を形成すると、セラミックス基
板1上における導体回路7間ではめっき層5及び金属微
粒子4がエッチングにより除去されているため、導体回
路7間に金属が残存するようなことがなく、従って、導
体回路7を回路の幅(ライン幅)や回路間の間隔(スペ
ース幅)が小さい微細パターンとして形成しても、導体
回路7間の絶縁不良やブリッジの発生は起こらないもの
である。
【0065】このセラミックス回路基板には必要に応じ
て、後工程として、導体回路に無電解ニッケル−金めっ
き(めっき層の金属がニッケルの場合は金めっき)を施
すことができる。このような金めっきや無電解ニッケル
−金めっき処理を施す場合であっても、セラミックス基
板1上における導体回路7間ではめっき触媒核となる金
属微粒子4がエッチングにより除去されているため、導
体回路7間にめっき層が形成されるようなことがなく、
導体回路7を微細パターンとして形成しても、導体回路
7間の絶縁不良やブリッジの発生は起こらないものであ
る。
【0066】また、セラミックス基板上に導体回路を形
成するにあたっては、上記のメタライズ工程において、
セラミックス基板の表面に微粒子分散層を、所望の導体
回路の導体パターン形状に形成して、非導電パターン部
分には微粒子分散層を形成しないようにしても良い。こ
の場合は、めっき触媒核となる金属微粒子がセラミック
ス基板の表面に導体パターン形状に形成され、無電解め
っき処理においてこの金属微粒子が分散・結合されてい
る領域に選択的にめっき層が形成されることとなって、
無電解めっき処理後のセラミックス基板にめっき層から
なる導体回路が形成されるものである。このため、上記
のようなエッチング処理を施すことなくセラミックス基
板に導体回路を形成してセラミックス回路基板を得るこ
とができるものである。
【0067】このようにしてセラミックス回路基板を形
成する場合であっても、セラミックス基板上における導
体回路間では元々めっき触媒核となる金属微粒子が形成
されておらず、めっき層が形成されることがないもので
あり、従って、導体回路を回路の幅(ライン幅)や回路
間の間隔(スペース幅)が小さい微細パターンとして形
成しても、導体回路間の絶縁不良やブリッジの発生は起
こらないものである。
【0068】また、このように形成されるセラミックス
回路基板においても、必要に応じて、後工程として、導
体回路に金めっきや無電解ニッケル−金めっきを施すこ
とができるが、このような金めっきや無電解ニッケル−
金めっき処理を施す場合であっても、導体回路間にめっ
き層が形成されるようなことがなく、導体回路を微細パ
ターンとして形成しても、導体回路間の絶縁不良やブリ
ッジの発生は起こらないものである。
【0069】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳述する。
【0070】(実施例1)ガス中蒸発法と呼ばれる方法
によって製造された粒径が5nmの銅微粒子を用い、こ
の銅微粒子を0.5質量%の濃度でエタノール中に分散
させて微粒子分散液を調製した。
【0071】また、セラミックス基板として96%アル
ミナ焼結体からなるセラミックス基板を用いた。
【0072】上記の微粒子分散液をスピンコート法にて
回転数1000rpmの条件でセラミックス基板表面に
塗布した後、セラミックス基板をオーブン中で150℃
で20分間乾燥させることにより溶剤を揮散させ、微粒
子分散層を形成した。
【0073】続いてセラミックス基板を空気雰囲気中で
ベルト炉にて最高温度900℃、最高温度での処理時間
10分間の条件で加熱することにより微粒子分散層を焼
成した後、このセラミックス基板に対して、水素化ホウ
素酸塩水溶液(2g/リットル)にて、処理温度80
℃、処理時間が5分間の条件で還元処理を行った。
【0074】続いて、無電解銅めっき液を浴槽に入れて
浴温を60℃に調節し、この中に上記のセラミックス基
板を浸漬して膜厚10μmのめっき層をセラミックス基
板に形成した。
【0075】上記セラミックス基板の表面のめっき層全
面をレジストインク(東京応化工業製;「感光樹脂 P
O−2」)にて被覆してレジスト膜を形成した後、この
レジスト膜の上方にネガフィルムを配置し、紫外線露光
ランプを照射して露光することにより硬化させ、非露光
部分を現像して除去した。更に塩化第二鉄水溶液を用い
てエッチング処理を施して、非導電パターンのめっき層
を除去し、残存するめっき層にて導体回路を形成した。
次いで、ジクロロメタンにて処理することにより導体回
路上のレジスト膜を除去することにより、ライン幅/ス
ペース幅=30μm/30μmの微細パターンを有する
導体回路を有するセラミックス回路基板を形成した。
【0076】このセラミックス回路基板の導体回路の表
面に市販の粘着テープを貼りつけて剥がし、導体回路を
構成するめっき層の状態を観察するテープ剥離試験を行
った。この結果、めっき層の剥離は観察されず、めっき
層とセラミックス基板との良好な密着性が確認された。
【0077】また、後加工として導体回路に無電解ニッ
ケル−金めっきを形成したところ、導体回路にブリッジ
は発生しなかった。
【0078】(実施例2)ガス中蒸発法と呼ばれる方法
によって製造された粒径が400nmの銅微粒子を用
い、この銅微粒子を0.5質量%の濃度でエタノール中
に分散させて微粒子分散液を調製した。
【0079】また、セラミックス基板として96%アル
ミナ焼結体からなるセラミックス基板を用いた。
【0080】そして、実施例1と同様の手順により、セ
ラミックス基板上にライン幅/スペース幅=30μm/
30μmの微細パターンを有する導体回路を形成してセ
ラミックス回路基板を得た。
【0081】このセラミックス回路基板に対して実施例
1と同様のテープ剥離試験を行ったところ、めっき層の
剥離は観察されず、めっき層とセラミックス基板との良
好な密着性が確認された。また、後加工として導体回路
に無電解ニッケル−金めっきを形成したところ、導体回
路にブリッジは発生しなかった。
【0082】(実施例3)末端ジアミンポリエチレンオ
キサイド(サイエンスポリマープロダクト社製;融点4
2.8℃、数平均分子量4000)を膜厚800nmの
薄膜に調整し、その表面に銅を真空蒸着することによっ
て粒径が1nmの銅の微粒子を形成した。ここで薄膜と
微粒子の総量に対する微粒子の割合が10質量%となる
ようにした。
【0083】この銅の微粒子が形成された薄膜を、銅の
微粒子の濃度が0.5質量%となるようにエタノールに
溶解して微粒子分散液を調製した。
【0084】得られた微粒子分散液を96%アルミナ焼
結体からなるセラミックス基板にスピンコート法によっ
て回転数2000rpmの条件で塗布した。
【0085】その後は、実施例1と同様の手順により、
セラミックス基板上にライン幅/スペース幅=30μm
/30μmの微細パターンを有する導体回路を形成して
セラミックス回路基板を得た。
【0086】このセラミックス回路基板に対して実施例
1と同様のテープ剥離試験を行ったところ、めっき層の
剥離は観察されず、めっき層とセラミックス基板との良
好な密着性が確認された。また、後加工として導体回路
に無電解ニッケル−金めっきを形成したところ、導体回
路にブリッジは発生しなかった。
【0087】(実施例4)末端ジアミンポリエチレンオ
キサイド(サイエンスポリマープロダクト社製;融点4
2.8℃、数平均分子量4000)を膜厚800nmの
薄膜に調整し、その表面に銅を真空蒸着することによっ
て粒径が5nmの銅の微粒子を形成した。ここで薄膜と
微粒子の総量に対する微粒子の割合が10質量%となる
ようにした。
【0088】この銅の微粒子が形成された薄膜を、銅の
微粒子の濃度が0.5質量%となるようにエタノールに
溶解して微粒子分散液を調製した。
【0089】得られた微粒子分散液を96%アルミナ焼
結体からなるセラミックス基板にスピンコート法によっ
て回転数2000rpmの条件で塗布した。
【0090】その後は、実施例1と同様の手順により、
セラミックス基板上にライン幅/スペース幅=30μm
/30μmの微細パターンを有する導体回路を形成して
セラミックス回路基板を得た。
【0091】このセラミックス回路基板に対して実施例
1と同様のテープ剥離試験を行ったところ、めっき層の
剥離は観察されず、めっき層とセラミックス基板との良
好な密着性が確認された。また、後加工として導体回路
に無電解ニッケル−金めっきを形成したところ、導体回
路にブリッジは発生しなかった。
【0092】(実施例5)実施例4と同様にして得られ
る微粒子分散液を、96%アルミナ焼結体からなるセラ
ミックス基板表面にスクリーン印刷法で、ライン幅/ス
ペース幅=100μm/100μmの導体回路の導体パ
ターン形状に塗布した。
【0093】このセラミックス基板をオーブン中で15
0℃で20分間乾燥させることにより溶剤を揮散させ、
微粒子分散層を形成した。
【0094】続いてセラミックス基板を空気雰囲気中で
ベルト炉にて最高温度900℃、最高温度での処理時間
10分間の条件で加熱することにより微粒子分散層を焼
成した後、このセラミックス基板に対して、水素化ホウ
素酸塩水溶液(2g/リットル)にて、処理温度80
℃、処理時間が5分間の条件で還元処理を行った。
【0095】続いて、無電解銅めっき液を浴槽に入れて
浴温を60℃に調節し、この中に上記のセラミックス基
板を浸漬して膜厚10μmのめっき層をセラミックス基
板に形成した。このときめっき層は導体パターン状に形
成され、このめっき層によってセラミックス基板上にラ
イン幅/スペース幅=100μm/100μmの微細パ
ターンを有する導体回路が形成されて、セラミックス回
路基板を得た。
【0096】このセラミックス回路基板に対して実施例
1と同様のテープ剥離試験を行ったところ、めっき層の
剥離は観察されず、めっき層とセラミックス基板との良
好な密着性が確認された。また、後加工として導体回路
に無電解ニッケル−金めっきを形成したところ、導体回
路にブリッジは発生しなかった。
【0097】(実施例6)実施例4と同様にして得られ
る微粒子分散液を、96%アルミナ焼結体からなるセラ
ミックス基板表面にスクリーン印刷法で、ライン幅/ス
ペース幅=100μm/100μmの導体回路の導体パ
ターン形状に塗布した。
【0098】このセラミックス基板をオーブン中で15
0℃で20分間乾燥させることにより溶剤を揮散させ、
微粒子分散層を形成した。
【0099】続いてセラミックス基板を空気雰囲気中で
ベルト炉にて最高温度900℃、最高温度での処理時間
10分間の条件で加熱することにより微粒子分散層を焼
成した後、このセラミックス基板に対して、水素化ホウ
素酸塩水溶液(2g/リットル)にて、処理温度80
℃、処理時間が5分間の条件で還元処理を行った。
【0100】続いて、無電解ニッケルめっき液を浴槽に
入れて浴温を60℃に調節し、この中に上記のセラミッ
クス基板を浸漬して膜厚10μmのめっき層をセラミッ
クス基板に形成した。このときめっき層は導体パターン
状に形成され、このめっき層によってセラミックス基板
上にライン幅/スペース幅=100μm/100μmの
微細パターンを有する導体回路が形成されて、セラミッ
クス回路基板を得た。
【0101】このセラミックス回路基板に対して実施例
1と同様のテープ剥離試験を行ったところ、めっき層の
剥離は観察されず、めっき層とセラミックス基板との良
好な密着性が確認された。また、後加工として導体回路
に金めっきを形成したところ、導体回路にブリッジは発
生しなかった。
【0102】(実施例7)末端ジアミンポリエチレンオ
キサイド(サイエンスポリマープロダクト社製;融点4
2.8℃、数平均分子量4000)を膜厚800nmの
薄膜に調整し、その表面にニッケルを真空蒸着すること
によって粒径が10nmのニッケルの微粒子を形成し
た。ここで薄膜と微粒子の総量に対する微粒子の割合が
10質量%となるようにした。
【0103】このニッケルの微粒子が形成された薄膜
を、ニッケルの微粒子の濃度が0.5質量%となるよう
にエタノールに溶解して微粒子分散液を調製した。
【0104】得られた微粒子分散液を96%アルミナ焼
結体からなるセラミックス基板に、スクリーン印刷法
で、ライン幅/スペース幅=100μm/100μmの
導体回路の導体パターン形状に塗布した。
【0105】このセラミックス基板をオーブン中で15
0℃で20分間乾燥させることにより溶剤を揮散させ、
微粒子分散層を形成した。
【0106】続いてセラミックス基板を空気雰囲気中で
ベルト炉にて最高温度900℃、最高温度での処理時間
10分間の条件で加熱することにより微粒子分散層を焼
成した後、このセラミックス基板に対して、水素化ホウ
素酸塩水溶液(2g/リットル)にて、処理温度80
℃、処理時間が5分間の条件で還元処理を行った。
【0107】続いて、無電解ニッケルめっき液を浴槽に
入れて浴温を60℃に調節し、この中に上記のセラミッ
クス基板を浸漬して膜厚10μmのめっき層をセラミッ
クス基板に形成した。このときめっき層は導体パターン
状に形成され、このめっき層によってセラミックス基板
上にライン幅/スペース幅=100μm/100μmの
微細パターンを有する導体回路が形成されて、セラミッ
クス回路基板を得た。
【0108】このセラミックス回路基板に対して実施例
1と同様のテープ剥離試験を行ったところ、めっき層の
剥離は観察されず、めっき層とセラミックス基板との良
好な密着性が確認された。また、後加工として導体回路
に金めっきを形成したところ、導体回路にブリッジは発
生しなかった。
【0109】(実施例8)ガス中蒸発法と呼ばれる方法
によって製造された粒径が5nmの銅微粒子を用い、こ
の銅微粒子を0.5質量%の濃度でエタノール中に分散
させて微粒子分散液を調製した。
【0110】また、セラミックス基板として窒化アルミ
ニウム焼結体からなるセラミックス基板を用いた。
【0111】そして、実施例1と同様の手順により、セ
ラミックス基板上にライン幅/スペース幅=30μm/
30μmの微細パターンを有する導体回路を形成してセ
ラミックス回路基板を得た。
【0112】このセラミックス回路基板に対して実施例
1と同様のテープ剥離試験を行ったところ、めっき層の
剥離は観察されず、めっき層とセラミックス基板との良
好な密着性が確認された。また、後加工として導体回路
に無電解ニッケル−金めっきを形成したところ、導体回
路にブリッジは発生しなかった。
【0113】(実施例9)末端ジアミンポリエチレンオ
キサイド(サイエンスポリマープロダクト社製;融点4
2.8℃、数平均分子量4000)を膜厚800nmの
薄膜に調整し、その表面に銅を真空蒸着することによっ
て粒径が5nmの銅の微粒子を形成した。ここで薄膜と
微粒子の総量に対する微粒子の割合が10質量%となる
ようにした。
【0114】この銅の微粒子が形成された薄膜を、銅の
微粒子の濃度が0.5質量%となるようにエタノールに
溶解して微粒子分散液を調製した。
【0115】得られた微粒子分散液を窒化アルミニウム
焼結体からなるセラミックス基板にスピンコート法によ
って回転数2000rpmの条件で塗布した。
【0116】その後は、実施例1と同様の手順により、
セラミックス基板上にライン幅/スペース幅=30μm
/30μmの微細パターンを有する導体回路を形成して
セラミックス回路基板を得た。
【0117】このセラミックス回路基板に対して実施例
1と同様のテープ剥離試験を行ったところ、めっき層の
剥離は観察されず、めっき層とセラミックス基板との良
好な密着性が確認された。また、後加工として導体回路
に無電解ニッケル−金めっきを形成したところ、導体回
路にブリッジは発生しなかった。
【0118】(実施例10)ガス中蒸発法と呼ばれる方
法によって製造された粒径が5nmの銅微粒子を用い、
この銅微粒子を0.5質量%の濃度でエタノール中に分
散させて微粒子分散液を調製した。
【0119】また、セラミックス基板として99%アル
ミナ焼結体からなるセラミックス基板を用いた。
【0120】そして、実施例1と同様の手順により、セ
ラミックス基板上にライン幅/スペース幅=30μm/
30μmの微細パターンを有する導体回路を形成してセ
ラミックス回路基板を得た。
【0121】このセラミックス回路基板に対して実施例
1と同様のテープ剥離試験を行ったところ、めっき層の
剥離は観察されず、めっき層とセラミックス基板との良
好な密着性が確認された。また、後加工として導体回路
に無電解ニッケル−金めっきを形成したところ、導体回
路にブリッジは発生しなかった。
【0122】(実施例11)末端ジアミンポリエチレン
オキサイド(サイエンスポリマープロダクト社製;融点
42.8℃、数平均分子量4000)を膜厚800nm
の薄膜に調整し、その表面に銅を真空蒸着することによ
って粒径が5nmの銅の微粒子を形成した。ここで薄膜
と微粒子の総量に対する微粒子の割合が10質量%とな
るようにした。
【0123】この銅の微粒子が形成された薄膜を、銅の
微粒子の濃度が0.5質量%となるようにエタノールに
溶解して微粒子分散液を調製した。
【0124】得られた微粒子分散液を99%アルミナ焼
結体からなるセラミックス基板にスピンコート法によっ
て回転数2000rpmの条件で塗布した。
【0125】その後は、実施例1と同様の手順により、
セラミックス基板上にライン幅/スペース幅=30μm
/30μmの微細パターンを有する導体回路を形成して
セラミックス回路基板を得た。
【0126】このセラミックス回路基板に対して実施例
1と同様のテープ剥離試験を行ったところ、めっき層の
剥離は観察されず、めっき層とセラミックス基板との良
好な密着性が確認された。また、後加工として導体回路
に無電解ニッケル−金めっきを形成したところ、導体回
路にブリッジは発生しなかった。
【0127】(比較例1)従来から用いられている次の
ような手法により、セラミックス回路基板を作製した。
【0128】まず、96%アルミナ焼結体からなるセラ
ミックス基板をリン酸溶液に60秒間浸漬してセラミッ
クス基板表面を粗化し、SnCl2の濃塩酸溶液中に浸
漬してセラミックス基板表面の感受性化を行い、更にP
dCl2の濃塩酸溶液中に浸漬して触媒核を形成した。
【0129】続いて無電解銅めっき液を浴槽に入れて浴
温を65℃に調節し、この中に上記セラミックス基板を
浸漬して、膜厚10μmのめっき層を形成した。
【0130】上記セラミックス基板の表面全面をレジス
トインク(東京応化工業製;「感光樹脂 PO−2」)
にて被覆してレジスト膜を形成した後、このレジスト膜
の上方にネガフィルムを配置し、紫外線露光ランプを照
射して露光することにより硬化させ、非露光部分を現像
して除去した。更に塩化第二鉄水溶液を用いてエッチン
グ処理を施して、非導電パターンのめっき層を除去し
た。次いで、ジクロロメタンにて処理することにより導
体回路上のレジスト膜を除去することにより、ライン幅
/スペース幅=30μm/30μmの微細パターンを有
する導体回路を有するセラミックス回路基板を形成し
た。
【0131】このセラミックス回路基板に対して実施例
1と同様のテープ剥離試験を行ったところ、めっき層の
剥離は観察されず、めっき層とセラミックス基板との良
好な密着性が確認されたものの、めっき触媒核のエッチ
ングによる除去が不可能であり、導体パターン以外の部
分のめっき触媒核を除去できなかった。このため後加工
として導体回路に無電解ニッケル−金めっきを形成した
ところ、導体回路にブリッジが発生した。
【0132】(比較例2)従来から用いられている次の
ような手法により、セラミックス回路基板を作製した。
【0133】まず、窒化アルミニウム焼結体からなるセ
ラミックス基板をリン酸溶液に60秒間浸漬してセラミ
ックス基板表面を粗化し、SnCl2の濃塩酸溶液中に
浸漬してセラミックス基板表面の感受性化を行い、更に
PdCl2の濃塩酸溶液中に浸漬して触媒核を形成し
た。
【0134】続いて無電解銅めっき液を浴槽に入れて浴
温を60℃に調節し、この中に上記セラミックス基板を
浸漬して、膜厚10μmのめっき層を形成した。
【0135】そして、比較例1ど同様の手法により、ラ
イン幅/スペース幅=30μm/30μmの微細パター
ンを有する導体回路を有するセラミックス回路基板を形
成した。
【0136】このセラミックス回路基板に対して実施例
1と同様のテープ剥離試験を行ったところ、めっき層に
剥離が観察され、めっき層とセラミックス基板との密着
性が不充分であることが確認された。
【0137】(比較例3)従来から用いられている次の
ような手法により、セラミックス回路基板を作製した。
【0138】99%アルミナ焼結体からなるセラミック
ス基板をリン酸液に浸漬した。このときセラミックス基
板の表面を粗化することは、できなかった。次いで、S
nCl2の濃塩酸溶液中に浸漬してセラミックス基板表
面の感受性化を行い、更にPdCl2の濃塩酸溶液中に
浸漬して触媒核を形成した。
【0139】続いて無電解銅めっき液を浴槽に入れて浴
温を60℃に調節し、この中に上記セラミックス基板を
浸漬して、膜厚10μmのめっき層を形成した。
【0140】その後は、比較例1と同様の手法により、
ライン幅/スペース幅=30μm/30μmの微細パタ
ーンを有する導体回路を有するセラミックス回路基板を
形成した。
【0141】このセラミックス回路基板に対して実施例
1と同様のテープ剥離試験を行ったところ、めっき層に
剥離が観察され、めっき層とセラミックス基板との密着
性が不充分であることが確認された。
【0142】(比較例4)粒子径1,000nmの銅の
粒子を用い、この粒子を0.5質量%の濃度でエタノー
ル中に分散させて微粒子分散液を調製した。
【0143】また、セラミックス基板として96%アル
ミナ焼結体からなるセラミックス基板を用いた。
【0144】そして、実施例1と同様の手順により、セ
ラミックス基板上にライン幅/スペース幅=30μm/
30μmの微細パターンを有する導体回路を形成してセ
ラミックス回路基板を得た。
【0145】このセラミックス回路基板に対して実施例
1と同様のテープ剥離試験を行ったところ、めっき層に
剥離が観察され、めっき層とセラミックス基板との密着
性が不充分であることが確認された。
【0146】以上の結果を表1にまとめて示す。
【0147】
【表1】
【0148】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に係るセ
ラミックス基板のメタライズ方法は、金属及び金属酸化
物から選択され粒径が1〜500nmである少なくとも
一種の微粒子を含む微粒子分散層を、セラミックス基板
表面に形成し、この微粒子分散層を空気雰囲気下にて焼
成してセラミックス基板表面に金属酸化物微粒子を焼き
付け、この金属酸化物微粒子を還元液に浸漬して金属微
粒子に還元し、この金属微粒子をめっき触媒核として無
電解めっき処理を施すことによりめっき層を形成するた
め、微粒子分散層の焼成後にセラミックス基板の表面に
めっき触媒核となる金属微粒子がほぼ均一に分散された
状態で接合されることとなって、無電解めっき処理によ
るめっき層の析出性が高くなると共にめっき層の析出量
のばらつきの発生が抑制されて無電解めっき処理によっ
て形成されるめっき層の膜厚を容易に制御することがで
きる。しかもセラミックス基板に接合された金属微粒子
の反応接着によりめっき層とセラミックス基板との間に
高い密着性を維持することができるものであり、セラミ
ックス基板を粗化することなくセラミックス基板とめっ
き層との密着性を向上することができるものである。
【0149】また請求項2の発明は、請求項1の構成に
おいて、微粒子分散層を構成する微粒子として銅又は酸
化銅から選択される少なくとも一種のものを用い、この
微粒子を溶剤に分散させて調製される微粒子分散液をセ
ラミックス基板の表面に塗布、乾燥することにより微粒
子分散層を形成し、めっき層を形成するための無電解め
っき処理として無電解銅めっき処理を施すため、微粒子
分散層中に微粒子を容易に分散させることができ、微粒
子分散層を焼成して得られるめっき触媒核となる金属の
微粒子を、セラミックス基板上にほぼ均一に分散させて
形成することが容易となって、めっき層の膜厚の制御を
更に容易に行うことができるものである。
【0150】また請求項3の発明は、請求項1におい
て、微粒子分散層を構成する微粒子として銅又は酸化銅
から選択される少なくとも一種のものを用い、この微粒
子を高分子又はオリゴマーのマトリックス中に分散させ
た微粒子分散層を形成し、めっき層を形成するための無
電解めっき処理として無電解銅めっき処理を行うため、
微粒子分散層中に微粒子を容易に分散させることができ
て、微粒子分散層を焼成して得られるめっき触媒核とな
る金属の微粒子を、セラミックス基板上にほぼ均一に分
散させて形成することが容易となると共に、微粒子分散
層の焼成過程における微粒子の粒成長を抑制して、微粒
子の微細な粒径を保持することができ、めっき層の膜厚
の制御を更に容易に行うことができるものである。
【0151】また請求項4の発明は、請求項1におい
て、微粒子分散層を構成する微粒子として銅又は酸化銅
から選択される少なくとも一種のものを用い、この微粒
子を溶剤に分散させて調製される微粒子分散液をセラミ
ックス基板の表面に塗布、乾燥することにより微粒子分
散層を形成し、めっき層を形成するための無電解めっき
処理として無電解ニッケルめっき処理を行うため、微粒
子分散層中に微粒子を容易に分散させることができ、微
粒子分散層を焼成して得られるめっき触媒核となる金属
の微粒子を、セラミックス基板上にほぼ均一に分散させ
て形成することが容易となって、めっき層の膜厚の制御
を更に容易に行うことができるものである。
【0152】また請求項5の発明は、請求項1におい
て、微粒子分散層を構成する微粒子として銅又は酸化銅
から選択される少なくとも一種のものを用い、この微粒
子を高分子又はオリゴマーのマトリックス中に分散させ
た微粒子分散層を形成し、めっき層を形成するための無
電解めっき処理として無電解ニッケルめっき処理を行う
ため、微粒子分散層中に微粒子を容易に分散させること
ができて、微粒子分散層を焼成して得られるめっき触媒
核となる金属の微粒子を、セラミックス基板上にほぼ均
一に分散させて形成することが容易となると共に、微粒
子分散層の焼成過程における微粒子の粒成長を抑制し
て、微粒子の微細な粒径を保持することができ、めっき
層の膜厚の制御を更に容易に行うことができるものであ
る。
【0153】また請求項6の発明は、請求項1におい
て、微粒子分散層を構成する微粒子としてニッケル又は
酸化ニッケルから選択される少なくとも一種のものを用
い、この微粒子を溶剤に分散させて調製される微粒子分
散液をセラミックス基板の表面に塗布、乾燥することに
より微粒子分散層を形成し、めっき層を形成するための
無電解めっき処理として無電解ニッケルめっき処理を行
うため、微粒子分散層中に微粒子を容易に分散させるこ
とができ、微粒子分散層を焼成して得られるめっき触媒
核となる金属の微粒子を、セラミックス基板上にほぼ均
一に分散させて形成することが容易となって、めっき層
の膜厚の制御を更に容易に行うことができるものであ
る。
【0154】また請求項7の発明は、請求項1におい
て、微粒子分散層を構成するための微粒子としてニッケ
ル又は酸化ニッケルから選択される少なくとも一種のも
のを用い、この微粒子を高分子又はオリゴマーのマトリ
ックス中に分散させた微粒子分散層を形成し、めっき層
を形成するための無電解めっき処理として無電解ニッケ
ルめっき処理を施すため、微粒子分散層中に微粒子を容
易に分散させることができて、微粒子分散層を焼成して
得られるめっき触媒核となる金属の微粒子を、セラミッ
クス基板上にほぼ均一に分散させて形成することが容易
となると共に、微粒子分散層の焼成過程における微粒子
の粒成長を抑制して、微粒子の微細な粒径を保持するこ
とができ、めっき層の膜厚の制御を更に容易に行うこと
ができるものである。
【0155】また本発明の請求項8に係るセラミックス
回路基板の製造方法は、請求項1乃至7のいずれかに記
載のセラミックス基板のメタライズ方法にてめっき層が
形成されたセラミックス基板にエッチング処理を施すこ
とにより導体回路を形成するため、導体回路とセラミッ
クス基板との密着性が高く、またエッチング処理が施さ
れた部分においてはめっき層とその内層の金属微粒子と
を容易に除去することができて、この部分には金属が残
留しないようにすることができ、めっき層にて形成され
る導体回路間にめっき層が形成されたり金属微粒子が残
存したりするようなことがなく、従って、導体回路を微
細パターンとして形成した場合であっても導体回路間の
絶縁不良やブリッジの発生が起こらないようにすること
ができるものである。
【0156】更に、このセラミックス回路基板に後工程
として、導体回路に無電解ニッケル−金めっき等を施す
場合であっても、セラミックス基板上における導体回路
間では上記のようにめっき触媒核となる金属微粒子がエ
ッチングにより除去されており、導体回路間にめっき層
が形成されるようなことがなく、導体回路を微細パター
ンとして形成しても、導体回路間の絶縁不良やブリッジ
の発生が起こらないようにすることができるものである
また本発明の請求項9に係るセラミックス回路基板の製
造方法は、請求項1乃至7のいずれかに記載のセラミッ
クス基板のメタライズ方法にてセラミックス基板にめっ
き層を形成するにあたって、微粒子分散層を導体回路の
導体パターンと同一形状に形成することにより、無電解
めっき処理後に得られるめっき層を導体回路として形成
するため、導体回路とセラミックス基板との密着性が高
く、まためっき触媒核となる金属微粒子がセラミックス
基板の表面に導体パターン形状に形成され、無電解めっ
き処理においてこの金属微粒子が分散・接合されている
領域に選択的にめっき層が形成されることとなって、無
電解めっき処理後のセラミックス基板にめっき層からな
る導体回路を形成することができるものであり、このた
め、エッチング処理を施すことなくセラミックス基板に
導体回路を形成してセラミックス回路基板を得ることが
できるものである。
【0157】また、セラミックス基板上における導体回
路間では元々めっき触媒核となる金属微粒子が形成され
ず、めっき層が形成されることがないものであり、従っ
て、導体回路を微細パターンとして形成しても、導体回
路間の絶縁不良やブリッジの発生は起こらないようにす
ることができるものである。
【0158】更に、このセラミックス回路基板に後工程
として、導体回路に無電解ニッケル−金めっき等を施す
場合であっても、セラミックス基板上における導体回路
間では上記のようにめっき触媒核となる金属微粒子が元
々形成されていないため、導体回路間にめっき層が形成
されるようなことがなく、導体回路を微細パターンとし
て形成しても、導体回路間の絶縁不良やブリッジの発生
が起こらないようにすることが出来るものである。
【0159】また本発明の請求項10に係るセラミック
ス回路基板は、請求項8又は9に記載のセラミックス回
路基板の製造方法にて製造されるため、導体回路とセラ
ミックス基板との密着性が高く、また導体回路を微細パ
ターンとして形成した場合であっても導体回路間の絶縁
不良やブリッジの発生が起こらないようにすることがで
きるものであり、また後工程として、導体回路に無電解
ニッケル−金めっき等を施す場合であっても、セラミッ
クス基板上における導体回路間ではめっき層が形成され
るようなことがなく、導体回路を微細パターンとして形
成しても、導体回路間の絶縁不良やブリッジの発生が起
こらないようにすることができるものである
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)はセラミックス基板に対するメ
タライズ処理の工程を示す断面である。
【図2】(a)〜(c)はメタライズ処理が施されたセ
ラミックス基板に導体回路を形成する工程を示す断面図
である。
【符号の説明】
1 セラミックス基板 2 金属酸化物微粒子 3 反応生成物 4 金属微粒子 5 めっき層 7 導体回路 8 セラミックス回路基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 3/06 H05K 3/06 A (72)発明者 柳本 博 兵庫県神戸市長田区浜添通4丁目1番21号 三ツ星ベルト株式会社内 (72)発明者 齋藤 諭 兵庫県神戸市長田区浜添通4丁目1番21号 三ツ星ベルト株式会社内 (72)発明者 高橋 広明 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 小山 雅也 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 川原 智之 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 4K022 AA04 AA42 BA08 BA14 CA02 CA06 CA15 CA19 CA22 CA24 DA01 5E339 AB06 AD01 AD03 BC01 BC02 BD03 BD08 BD11 BE13 CC01 CD01 CE11 CE12 CE16 CE19 CF15 DD04 5E343 AA02 AA23 BB06 BB24 BB44 BB71 CC71 CC74 DD33 DD34 ER02 ER04 ER07 GG01 GG11

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属及び金属酸化物から選択され粒径が
    1〜500nmである少なくとも一種の微粒子を含む微
    粒子分散層を、セラミックス基板表面に形成し、この微
    粒子分散層を空気雰囲気下にて焼成してセラミックス基
    板表面に金属酸化物微粒子を焼き付け、この金属酸化物
    微粒子を還元液に浸漬して金属微粒子に還元し、この金
    属微粒子をめっき触媒核として無電解めっき処理を施す
    ことによりめっき層を形成することを特徴とするセラミ
    ックス基板のメタライズ方法。
  2. 【請求項2】 微粒子分散層を構成する微粒子として銅
    又は酸化銅から選択される少なくとも一種のものを用
    い、この微粒子を溶剤に分散させて調製される微粒子分
    散液をセラミックス基板の表面に塗布、乾燥することに
    より微粒子分散層を形成し、めっき層を形成するための
    無電解めっき処理として無電解銅めっき処理を施すこと
    を特徴とする請求項1に記載のセラミックス基板のメタ
    ライズ方法。
  3. 【請求項3】 微粒子分散層を構成する微粒子として銅
    又は酸化銅から選択される少なくとも一種のものを用
    い、この微粒子を高分子又はオリゴマーのマトリックス
    中に分散させた微粒子分散層を形成し、めっき層を形成
    するための無電解めっき処理として無電解銅めっき処理
    を行うことを特徴とする請求項1記載のセラミックス基
    板のメタライズ方法。
  4. 【請求項4】 微粒子分散層を構成する微粒子として銅
    又は酸化銅から選択される少なくとも一種のものを用
    い、この微粒子を溶剤に分散させて調製される微粒子分
    散液をセラミックス基板の表面に塗布、乾燥することに
    より微粒子分散層を形成し、めっき層を形成するための
    無電解めっき処理として無電解ニッケルめっき処理を行
    うことを特徴とする請求項1に記載のセラミックス基板
    のメタライズ方法。
  5. 【請求項5】 微粒子分散層を構成する微粒子として銅
    又は酸化銅から選択される少なくとも一種のものを用
    い、この微粒子を高分子又はオリゴマーのマトリックス
    中に分散させた微粒子分散層を形成し、めっき層を形成
    するための無電解めっき処理として無電解ニッケルめっ
    き処理を行うことを特徴とする請求項1に記載のセラミ
    ックス基板のメタライズ方法。
  6. 【請求項6】 微粒子分散層を構成する微粒子としてニ
    ッケル又は酸化ニッケルから選択される少なくとも一種
    のものを用い、この微粒子を溶剤に分散させて調製され
    る微粒子分散液をセラミックス基板の表面に塗布、乾燥
    することにより微粒子分散層を形成し、めっき層を形成
    するための無電解めっき処理として無電解ニッケルめっ
    き処理を行うことを特徴とする請求項1に記載のセラミ
    ックス基板のメタライズ方法。
  7. 【請求項7】 微粒子分散層を構成するための微粒子と
    してニッケル又は酸化ニッケルから選択される少なくと
    も一種のものを用い、この微粒子を高分子又はオリゴマ
    ーのマトリックス中に分散させた微粒子分散層を形成
    し、めっき層を形成するための無電解めっき処理として
    無電解ニッケルめっき処理を施すことを特徴とする請求
    項1に記載のセラミックス基板のメタライズ方法。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれかに記載のセラ
    ミックス基板のメタライズ方法にてめっき層が形成され
    たセラミックス基板にエッチング処理を施すことにより
    導体回路を形成することを特徴とするセラミックス回路
    基板の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至7のいずれかに記載のセラ
    ミックス基板のメタライズ方法にてセラミックス基板に
    めっき層を形成するにあたって、微粒子分散層を導体回
    路の導体パターンと同一形状に形成することにより、無
    電解めっき処理後に得られるめっき層を導体回路として
    形成することを特徴とするセラミックス回路基板の製造
    方法。
  10. 【請求項10】 請求項8又は9に記載のセラミックス
    回路基板の製造方法にて製造されて成ることを特徴とす
    るセラミックス回路基板。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103253988A (zh) * 2012-02-16 2013-08-21 比亚迪股份有限公司 一种陶瓷表面选择性金属化方法
JP2013237881A (ja) * 2012-05-11 2013-11-28 Ishihara Chem Co Ltd 無電解銅メッキ方法
WO2014084077A1 (ja) * 2012-11-28 2014-06-05 ニッコー株式会社 銅メタライズ配線セラミック基板及びその製造方法

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