JP2002139109A - 歯付ベルト駆動装置 - Google Patents

歯付ベルト駆動装置

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JP2002139109A
JP2002139109A JP2000332279A JP2000332279A JP2002139109A JP 2002139109 A JP2002139109 A JP 2002139109A JP 2000332279 A JP2000332279 A JP 2000332279A JP 2000332279 A JP2000332279 A JP 2000332279A JP 2002139109 A JP2002139109 A JP 2002139109A
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belt
toothed
pulley
toothed belt
tooth
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JP2000332279A
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Masayuki Kawaguchi
正行 川口
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Mitsuboshi Belting Ltd
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Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベルトピッチラインに沿って延び、ピッチラ
インを形成する少なくとも心線で補強された樹脂からな
る歯付ベルトと歯付プーリのかみ合い時の干渉を少なく
し、歯付ベルトの歯飛びを少なくすることができる歯付
ベルト駆動装置を提供する。 【解決手段】 前記歯付ベルト3の歯部5の高さHを歯
付プーリのプーリ溝部の深さと同じにし、さらに歯付ベ
ルトPLD:歯付プーリの設計上のPLDを0.8:1
から1.09:1とし、歯付ベルト3のピッチが5mm
である場合、前記歯付プーリの外径が55mmより小さ
い場合は、心線17として素線径が0.05mm〜0.
10mmのものを使用し、前記歯付プーリの外径が55
mm以上の場合は、心線17として素線径が0.11m
m〜0.15mmのものを使用した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯付ベルト及びそ
れを歯付プーリと組み合せてなる歯付ベルト駆動装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】歯付ベルトは、滑りのない確実伝動が可
能であり、他の確実伝動が可能である歯車とチェーンと
の駆動装置に比べ、給油が不要となり、低騒音などの利
点がある為、近年その需要は増大の一途を辿っている。
例えば、歯付ベルト及びそれを歯付プーリと組み合せて
なる歯付ベルト駆動装置は、自動車エンジンのOHC駆
動用や一般産業用として使用されている。
【0003】歯付ベルトはベルト長手方向に沿ってベル
ト歯部とベルト溝部を交互に設けて形成されるものであ
り、また歯付プーリは外周にプーリ歯部とプーリ溝部を
交互に設けて形成されるものであり、プーリ溝部にベル
ト歯部を係合させて歯付プーリに歯付ベルトを懸架する
ことによって、歯付プーリと歯付ベルトを同期駆動する
ことができるようにしたものである。
【0004】このような歯付ベルトと歯付プーリにあっ
て、ベルト歯部やプーリ溝部は断面台形状のものが多か
ったが、ベルト歯部やプーリ溝部がこのような断面台形
状であると、ベルト歯部がプーリ溝部とかみ合うときや
かみ合いが外れるときに、ベルト歯部の前方と後方の側
面とプーリ溝部の前方と後方の表面が干渉し合い、ベル
ト歯部が剪断力を受けて破損するおそれがあり、ベルト
寿命が著しく短くなる。
【0005】そこで、例えば特公昭57−51589号
公報にみられるように、ベルト歯部の前方と後方の表面
を円弧状に形成した歯付プーリを組み合わせ、ベルト歯
部の高さをプーリ溝部の深さより大きく形成してベルト
歯部をプーリ溝部に圧縮係合させるようにしたベルト伝
動装置が提供されている。このようにベルト歯部やプー
リ溝部を円弧タイプに形成することによって、ベルト歯
部とプーリ溝部の干渉を小さくし、ベルト歯部の破損を
防ぐことができるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この従来技術では、ベ
ルト歯部がプーリ溝部に圧縮係合しているが、歯付ベル
トが樹脂製である場合、ベルト歯部の硬度が高くなり、
その為ベルトがプーリに係合した場合ベルト歯部が圧縮
せず、歯付ベルトが弾性エラストマー製の場合と比べて
歯付ベルトのピッチラインディファレンスが大きくな
り、歯付ベルトのかみ合いが短くなりかみ合い干渉から
歯飛び現象を起こしていた。
【0007】上記従来の歯付ベルト駆動装置の歯飛び現
象を図示すると、図15の(a)〜(b)に示すように
なり、駆動側プーリのかみ合い始めにおいて、ベルト歯
部55とプーリ溝部63とのかみ合いが短くなり、図1
5(b)に示すように駆動プーリ59の回転によって歯
付ベルト53のベルト歯部55がせり上がり、図15
(c)においては完全にベルト歯部55がプーリ歯部6
1上に乗り上がってしまい、歯飛び現象を起こしてい
る。この現象を起こすと,歯付ベルト53に無理な張力
が掛かってベルトが切断したり、あるいは繰返し歯飛び
をおこすことによって、ベルト歯部55に繰返しの屈曲
疲労が重なりベルト歯が欠けるという故障となるのであ
る。
【0008】本発明は、上記問題を鑑みてなされたもの
であって、その目的とするところは、歯付ベルトと歯付
プーリのかみ合い時の干渉を少なくし、歯付ベルトの歯
飛びを少なくすることができる歯付ベルト駆動装置を提
供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決する為の手段】係る目的を達成するため、
本発明では請求項1は、ベルトピッチラインに沿って延
び、ピッチラインを形成する少なくとも1つの高弾性率
補強部材で補強された樹脂からなり、ピッチPだけ均等
に隔たりかつPよりも小さい想像上の歯厚Wを持つ一連
の同形の歯を有する歯付ベルトであって、各歯がほぼ同
じ前、後表面を有しこれら前後表面の全部又はその大部
分を断面において半径Wの円弧で形成しており、上記円
弧の中心はピッチラインとピッチラインに向かって延び
る歯の輪郭線の想像上の延長線との交点に配置されてな
り、各歯のこれらの円弧がその中心をピッチライン上に
距離Wだけ離しておいている歯付ベルトと、該歯付ベル
トを少なくとも一対の歯付プーリに巻き掛けて往復運動
又は一方向運動を行う駆動装置である。
【0010】請求項1に記載の発明によると、前記歯付
ベルト駆動装置において、直線状で測定して前記歯付プ
ーリのプーリ溝部の深さをベルト歯部の高さと同等とな
るように構成したことから、歯付ベルトと歯付プーリと
のかみ合いがよくなり、かみ合い干渉が発生して歯飛び
現象が起こることはなくなった。
【0011】請求項2に記載の発明は、前記歯付ベルト
のピッチラインディファレンス(以下ちPLDと記す)
と歯付プーリの設計PLDとの比を0.8:1から1.
09:1の間とした請求項1に記載の歯付ベルト駆動装
置にある。
【0012】請求項2に記載の発明によると、前記歯付
ベルトのPLDと歯付プーリの設計PLDとの比を0.
8:1から1.09:1の間とすることによって、かみ
合いがより改良されると共に、かみ合いの精度も高まり
歯付ベルトの歯飛び現象がより起こり難くなる。
【0013】請求項3に記載の発明は、前記歯付ベルト
のピッチPが5mmであり、前記歯付プーリの外径が5
5mmより小さい場合は前記心線として素線径が0.0
5mm〜0.10mmのものを使用し、前記歯付プーリ
の外径が55mm以上の場合は、心線として素線径が
0.11mm〜0.15mmのものを使用した請求項1
又は2に記載の歯付ベルト駆動装置にある。
【0014】請求項3に記載の発明によると、前記歯付
ベルトのピッチPが5mmであり、前記歯付プーリの外
径が55mmより小さい場合は前記心線として素線径が
0.05mm〜0.10mmのものを使用し、前記歯付
プーリの外径が55mm以上の場合は、心線として素線
径が0.11mm〜0.15mmのものを使用した請求
項1又は2に記載の歯付ベルト駆動装置とすることか
ら、歯付ベルトと歯付プーリとのかみ合いがより良くな
り、歯飛び現象は確実に起こらなくなる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の一実施形態例を説明する。図2は、本発明に係る歯付
ベルト駆動装置に使用する歯付ベルトを示す一部の正面
図である。歯付ベルト3は補強部材がベルト長手方向に
沿って埋入される環状のベルト背部16と、ベルト背部
16の内周側の表面にベルト長手方向に交互に多数配置
して形成されるベルト歯部5と、ベルト溝部7とから形
成してある。ベルト背部16及びベルト歯部5は樹脂に
よって形成されるものであり、樹脂としては熱硬化性樹
脂や熱可塑性樹脂を用いることができ、このような樹脂
としては、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、スチ
レン系樹脂、オレフィン系樹脂、又は塩化ビニール樹脂
から選ばれた少なくとも一種の樹脂を使用する。
【0016】上記樹脂としては、液状原料に硬化剤を加
え、注型を行いベルトを成形できる材料や、加熱によっ
て溶融し、押出機と接続して成形できる材料が選定でき
る。
【0017】さらに、前記熱可塑性樹脂の材料の一部
を、少なくとも一度溶融した後冷却固化した熱可塑樹脂
を使用しても良い。このとき、前記熱可塑樹脂が未使用
のものと少なくとも一度溶融したものとを混合した熱可
塑性樹脂のペレットを用いると良い。
【0018】また補強部材としては心線17を用いるこ
とができるものであり、このような心線17としてはポ
リエステル繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等のコード
をRFL液で処理したものやスチール心線を用いる。
【0019】そして、前記心線の素線径として、歯のピ
ッチが5mmのベルトに限っては、前記歯付プーリの外
径が55mmより小さい場合は素線径が0.05mm〜
0.10mmのものを使用し、前記歯付プーリの外径が
55mm以上の場合は、素線径が0.11mm〜0.1
5mmのものを使用する。
【0020】このようにプーリ外径に応じて心線の素線
径を変更することにより、プーリ外径が小さい場合は素
線径の細い心線を使用することになり、歯付ベルトがし
なやかになり、歯付ベルトが歯付プーリにかみ合ったと
きに発生する多角形効果が緩和される。一方、プーリ外
径が大きいときに素線径の太い心線を使用することによ
り、心線の伸びが小さくなり、歯飛び現象が起きにくく
なる。
【0021】さらに、背部16の表面や、ベルト歯部5
からベルト溝部7にかけての表面には、補強布を積層す
るようにしても良い。このような補強布としては、綿、
ポリエステル繊維、ナイロン繊維等を平織、綾織、朱子
織等に製織した帆布を用いることができるものであり、
織成したままの無処理でも良いが、染色処理したものに
更にRFL液で処理したものが好ましい。
【0022】ここで、RFL処理(レゾルシン−ホルマ
リン−ラテックス液)とは、レゾルシンとホルマリンと
の初期縮合物をラテックスに混合したものであり、ここ
で使用するラテックスとしてはスチレン、ブタジエン、
ビニルピリジン三元共重合体、クロロプレンゴム、水素
化ニトリルゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン、エ
ポクロルヒドリンなどのラテックスである。
【0023】上記の歯付ベルト3にあって、心線17で
形成される補強部材8の中心線がピッチ線15となるも
のであり、同一形状に形成されるベルト歯部5はピッチ
Pだけ離隔している。そして各ベルト歯部5は、ベルト
走行方向における前方側面及び後方側面を、ベルト長手
方向に切断した断面形状が半径Wの円弧となるように形
成してある。この前方側面の円弧の中心O21とO22は両
方ともピッチ線15上に位置しているものであり、この
中心O21とO22は距離Wだけ離れている。ここで、円弧
の半径Wは、ベルト歯部5のベルト長手方向での歯厚寸
法に設定するのが好ましい。
【0024】図3(a)(b)は歯付プーリ4の実施の
形態の一例を示すものであって、円板体の外周に、プー
リ歯部11とプーリ溝部13を周方向に交互に多数配置
して形成されるものであり、同一形状に形成されるプー
リ歯部11はピッチPだけ離隔している。また同一形状
に形成されるプーリ溝部13は、プーリ回転方向におけ
る前方側面及び後方側面を、プーリ面方向と平行に切断
した断面形状が、ピッチ円19上に中心O61,O62を有
する円弧となるように形成してある。このピッチ円19
は、プーリ歯部11の先端を通るプーリ外径円20の中
心Oと中心が同じ円であり、ピッチ円19の半径r
1は、プーリ外径円20の半径r2と歯付ベルト3におけ
るベルト溝部7の底部からピッチ線15までの距離dと
の和に設定されるものである。ここで、プーリ溝部13
の前方側面及び後方側面の円弧の中心O 61,O62は距離
Wだけ離れてピッチ円19上に設定されるようにするの
が好ましい。
【0025】上記のように形成される歯付ベルト3と歯
付プーリ9とを組合せて、歯付プーリ9に歯付ベルト3
を懸架することによって、歯付ベルト駆動装置が形成さ
れるものであり、ベルト歯部5の高さHをプーリ溝部1
3の深さDと同じにして、ベルト歯部5の歯先8とプー
リ溝部13の底部6に接触し、また、プーリ歯部11の
歯先12が歯付ベルト3のベルト溝部7の底部18に接
触する。
【0026】このことより、ベルトの歯先もベルトの歯
底も歯付プーリと接触し、かみ合いも良好となるのであ
る。
【0027】また、前記歯付ベルト3のピッチラインデ
ィファレンスdと歯付プーリ9の設計ピッチラインディ
ファレンスd´との比を0.8:1から1.09:1の
間としている。上記のようにピッチラインディファレン
スの比を限定することによってより一層かみ合いが良く
なり、歯飛び現象が減少する。
【0028】上記のような実施の形態をとることによ
り、図1に示されるように(a)から(b)へとベルト
歯が進行するにつれてスムースなかみ合いとなる。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0030】(実施例1)ベルトの歯部及び背部を形成
する樹脂に熱可塑性ウレタンとしてタケダバーディッシ
ュ製エラストランEP690−11AV、グリーンTG
171を使用し、心線としてはスチール心線及びアラミ
ド心線を使用した。前記スチール心線としては、素線径
として0.15mm及び0.10mmのものを使用し
た。また、アラミド心線としては、心線の仕様は表1に
示す。そして、スチールバンドの圧力を0.1MPaに
設定し、ベルトサイズ250S5M360を製作した。
そして端部同士を熱溶着によりジョイントしエンドレス
ベルトを得た。そして、ベルトの寸法および、プーリに
かみ合わせたときのかみ合い歯数を測定した。かみ合い
歯数は30歯プーリの規格内で最大外径のプーリを使用
し、無張力でかみ合い歯数を測定した。その測定値を表
2に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】表2から実施例1は従来例と比較して歯付
プーリとのかみ合いが改良されていることがよくわか
る。
【0034】次に、実施例1と従来例とで既知の有限要
素法を用いて歯付ベルトと歯付プーリとがかみ合うとき
の応力の掛かり方を示した図が図4である。図では、黒
くなればなるほど応力が掛かっていることを示してお
り、図4では、従来例は非常に大きな圧縮力をベルトが
受けているのに対して、実施例では圧縮力をほとんど受
けていないことがわかる。
【0035】さらに、図5は前記有限要素法での解析を
したデータを基に各かみ合うっているベルト歯の位置毎
に加わる歯荷重を示したグラフである。実施例1では、
ほとんど歯荷重は均一で、最大でも300gf/mmし
かベルト歯に荷重が掛かっていないのに対して、従来例
では一定の位置でかなり大きな荷重が掛かっており、そ
の値は最大で1kgf/mmを超える程となっており、
ベルト歯1歯に掛かる荷重が大きいことから歯欠けや歯
飛び現象を起こす原因となっている。
【0036】次に、同じベルトサイズのベルトにて一対
の40歯のS5Mのプーリ間にベルトを懸架し、軸荷重
を変えて軸間距離の変化を調べた。軸荷重が300Nの
ときを基準値とした。その結果を図6に示す。
【0037】図6からわかるように、スチール心線を使
用するとアラミド心線を使用するよりも歯付ベルトが伸
びにくいことがわかる。さらに、同じスチール心線であ
れば実施例1の方が従来例と比べて伸びにくいこともわ
かる。
【0038】次に、歯付ベルトが歯飛びを起こすときの
トルクを測定した。(以下、ジャンピングトルクと記
す)この試験は一対のS5Mプーリに前記したベルトサ
イズのベルトを懸架し、軸荷重を変化させたときのジャ
ンピングトルクを測定したものである。このときの駆動
側プーリの回転数は1200rpmであった。このとき
の結果を図7の(a)から(c)に示す。
【0039】図7からは同じ心線であれば、ベルト歯部
の高さがプーリ溝部の深さと同じにした方が、ベルト歯
部の高さをプーリ溝部の深さよりも大きくした方がジャ
ンピングトルクが大きくなっていることがわかる。さら
に、図7からは最も厳しいかみ合いとなる26歯のプー
リ(外径40.42mm)に懸架した場合、実施例2が
最もジャンピングトルクが大きくなっていることがわか
る。つまり、歯付プーリの外径が55mmより小さくな
ると、同じ歯形であれば、素線径が0.10mmのもの
を使用した方が素線径が0.15mmのものを使用する
よりもジャンピングトルクが大きくなることがわかる。
また、図8及び図9に示すように、プーリ歯数36歯
(外径56.34mm)及び48歯(外径75.43m
m)のプーリの場合は、実施例1が最もジャンピングト
ルクが大きくなっていることがわかる。つまり、歯付プ
ーリの外径が55mm以上になると、同じ歯形であれ
ば、素線径が0.15mmのものを使用した方が素線径
が0.10mmのものを使用するよりもジャンピングト
ルクが大きくなることがわかる。
【0040】次に、多軸での正逆走行試験を行った。試
験レイアウトは図10に示す通りであった。加速度を
0.17Gとし、駆動側プーリの最大回転数を77rp
m、ベルトの移動距離を450mmとした。走行時間を
最大120時間とし、120時間走行後のベルト初張力
と比較した張力保持率を求めた。その結果を図9から図
12に示す。
【0041】図11から図14よりベルト張力低下は従
来例に比べ実施例1の方が小さくなっていることがわか
る。
【0042】
【発明の効果】以上のように本発明では、前記歯付ベル
ト駆動装置において、直線状で測定して前記歯付プーリ
のプーリ溝部の深さをベルト歯部の高さと同等となるよ
うに構成したことから、歯付ベルトと歯付プーリとのか
み合いが良くなり、かみ合い干渉が発生して歯飛び現象
が解消する効果がある。
【0043】請求項2に記載の発明では、前記歯付ベル
トのPLDと歯付プーリの設計PLDとの比を0.8:
1から1.09:1の間とすることによって、かみ合い
がより改良されると共に、かみ合いの精度も高まり歯付
ベルトの歯飛び現象がより起こり難くなるという効果が
有る。
【0044】請求項3に記載の発明では、請求項2の効
果に加えて、前記歯付ベルトのピッチPが5mmであ
り、前記歯付プーリの外径が55mmより小さい場合は
前記心線として素線径が0.05mm〜0.10mmの
ものを使用し、前記歯付プーリの外径が55mm以上の
場合は、心線として素線径が0.11mm〜0.15m
mのものを使用した歯付ベルト駆動装置とすることか
ら、歯付ベルトと歯付プーリとのかみ合いがより良くな
り、歯飛び現象が確実に起こらなくなるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の歯付ベルト駆動装置における歯付ベル
トと歯付プーリのかみ合いを示すものであり、(a)乃
至(c)はそれぞれ一部の正面図である。
【図2】歯付ベルトを示す一部の正面図である。
【図3】歯付プーリを示すものであり、(a)は正面
図、(b)は一部の拡大した正面図である。
【図4】実施例1と従来例の歯荷重分担を表したFEM
解析図であり、(a)は実施例1を示し、(b)は従来
例を示したものである。
【図5】実施例1と従来例の歯荷重分担を示したグラフ
である。
【図6】歯付ベルトのS−Sカーブを示したグラフであ
る。
【図7】歯付ベルトのジャンピングトルクを示した図で
あり、プーリ歯数26歯でのものである。
【図8】プーリ歯数36歯での歯付ベルトのジャンピン
グトルクを示した図である。
【図9】プーリ歯数48歯での歯付ベルトのジャンピン
グトルクを示した図である。
【図10】多軸での正逆走行試験のレイアウト図であ
る。
【図11】多軸走行試験機での走行時間とベルト張力保
持率との関係を示したグラフであり、荷重を549N架
けたときの結果である。
【図12】多軸走行試験機での走行時間とベルト張力保
持率との関係を示したグラフであり、荷重を745N架
けたときの結果である。
【図13】多軸走行試験機での走行時間とベルト張力保
持率との関係を示したグラフであり、荷重を843N架
けたときの結果である。
【図14】多軸走行試験機での走行時間とベルト張力保
持率との関係を示したグラフであり、荷重を941N架
けたときの結果である。
【図15】従来の歯付ベルト駆動装置における歯付ベル
トと歯付プーリのかみ合いを示すものであり、(a)乃
至(c)はそれぞれ一部の正面図である。
【符号の説明】 1 歯付ベルト駆動装置 3 歯付ベルト 5 ベルト歯部 6 プーリ溝部 7 ベルト溝部 8 ベルト歯先 9 歯付プーリ 11 プーリ歯部 12 プーリ歯先 13 プーリ溝部 15 ピッチ線 16 ベルト背部 17 心線 18 底部 19 ピッチ円 20 プーリ外径円 H ベルト歯部の高さ d ベルトPLD d´ プーリ設計PLD

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベルトピッチラインに沿って延び、ピッ
    チラインを形成する少なくとも心線で補強された樹脂か
    らなり、ピッチPだけ均等に隔たりかつPよりも小さい
    想像上の歯厚Wを持つ一連の同形の歯を有する歯付ベル
    トであって、各歯がほぼ同じ前、後表面を有し、これら
    前後表面の全部又はその大部分を断面において半径Wの
    円弧で形成しており、上記円弧の中心はピッチラインと
    ピッチラインに向かって延びる歯の輪郭線の想像上の延
    長線との交点に配置されてなり、各歯のこれらの円弧が
    その中心をピッチライン上に距離Wだけ離しておいてい
    る歯付ベルトと、該歯付ベルトを少なくとも一対の歯付
    プーリに巻き掛けて往復運動又は一方向運動を行う駆動
    装置において、直線状で測定して前記歯付プーリのプー
    リ溝部の深さをベルト歯部の高さと同等となるように構
    成せしめた歯付ベルト駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記歯付ベルトのピッチラインディファ
    レンスと歯付プーリの設計ピッチラインディファレンス
    との比を0.8:1から1.09:1の間とした請求項
    1に記載の歯付ベルト駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記歯付ベルトのピッチPが5mmであ
    り、前記歯付プーリの外径が55mmより小さい場合は
    前記心線として素線径が0.05mm〜0.10mmの
    ものを使用し、前記歯付プーリの外径が55mm以上の
    場合は、心線として素線径が0.11mm〜0.15m
    mのものを使用した請求項1又は2に記載の歯付ベル
    ト。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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