JP2002138890A - 湿度センサの故障判定装置 - Google Patents

湿度センサの故障判定装置

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JP2002138890A
JP2002138890A JP2000338377A JP2000338377A JP2002138890A JP 2002138890 A JP2002138890 A JP 2002138890A JP 2000338377 A JP2000338377 A JP 2000338377A JP 2000338377 A JP2000338377 A JP 2000338377A JP 2002138890 A JP2002138890 A JP 2002138890A
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修介 赤崎
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剛志 芳賀
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    • F01NGAS-FLOW SILENCERS OR EXHAUST APPARATUS FOR MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; GAS-FLOW SILENCERS OR EXHAUST APPARATUS FOR INTERNAL COMBUSTION ENGINES
    • F01N2560/00Exhaust systems with means for detecting or measuring exhaust gas components or characteristics
    • F01N2560/02Exhaust systems with means for detecting or measuring exhaust gas components or characteristics the means being an exhaust gas sensor
    • F01N2560/028Exhaust systems with means for detecting or measuring exhaust gas components or characteristics the means being an exhaust gas sensor for measuring or detecting humidity or water

Abstract

(57)【要約】 【課題】 内燃機関から排出された排気ガスの湿度を検
出する湿度センサの故障を、簡単な構成で適切に判定す
ることができる湿度センサの故障判定装置を提供する。 【解決手段】内燃機関1から排出された排気ガスの湿度
を検出する湿度センサの故障判定装置であって、内燃機
関1の運転状態を検出する運転状態検出手段25と、こ
の運転状態検出手段25の検出結果に応じて、内燃機関
1が湿度センサ22の故障判定を実行可能な運転状態に
あるか否かを判断する故障判定実行判断手段25と、こ
の故障判定実行判断手段25が、湿度センサ22の故障
判定を実行可能と判断したときに、湿度センサ22の検
出結果に基づいて、湿度センサ22が故障しているか否
かを判定する湿度センサ故障判定手段25と、を備えて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関から排出
された排気ガスの湿度を検出する湿度センサの故障判定
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ガソリンエンジンなどの排気系
においては、排気ガス中の有害物質(炭化水素、一酸化
炭素および窒素化合物)を浄化するために、排気管の途
中に三元触媒が設けられている。しかし、エンジンの冷
間始動直後(例えば始動時から約30〜40秒)などで
は、三元触媒が活性化しないことで、有害物質が十分に
浄化されず、特に未燃焼成分である炭化水素が外部へ排
出されてしまうことがある。このため、これを阻止する
ために、排気管に、三元触媒に加えて、炭化水素を吸着
する吸着材を設けたものがある。このような吸着材は、
三元触媒を設けた排気管のメイン排気通路の途中から分
岐したバイパス排気通路に設けられている。そして、排
気管の分岐部分に設けられた切替バルブが、三元触媒の
状態に応じて、排気ガスの排気通路を、メイン排気通路
とバイパス排気通路とに切り替える。これにより、エン
ジンの冷間始動直後の排気ガスは、炭化水素が吸着材に
吸着されることで浄化された後、外部に排出される。
【0003】上記吸着材は、表面に、例えばゼオライト
を有しており、排気ガスがバイパス通路を通過する際
に、炭化水素の分子がゼオライトの細孔に入り込むこと
で、炭化水素が吸着される。また、このような吸着材
は、排気ガスにより、所定温度以上(例えば100〜2
50℃)に加熱されると、一旦吸着した炭化水素を脱離
する。そして、脱離した炭化水素は、EGR管などを介
してエンジンに再循環されるようになっている。このよ
うに、吸着材では、炭化水素の吸着および脱離が繰り返
されるものの、吸着材の長期間の使用によって、脱離し
きれなかった炭化水素が吸着材に次第に残留したり、吸
着材の細孔が壊れたりすることがある。その結果、吸着
材が劣化、すなわち吸着材における炭化水素の吸着可能
量が次第に低下する。このような状態でエンジンの始動
を繰り返すと、吸着材に吸着されなかった炭化水素が外
部に排出されてしまう。このため、吸着材の劣化を解消
するために炭化水素を脱離させるためのエンジン制御
(吸着材を高温にするなど)を行ったり、吸着材の劣化
を運転者に知らせたりするなどのために、本出願人は、
吸着材の劣化を検出する劣化検出装置を、特願2000
−66443号において既に提案している。
【0004】この劣化検出装置では、バイパス排気通路
の吸着材の下流側に湿度センサが設けられており、吸着
材を通過した排気ガスの湿度を、湿度センサで検出し、
その検出結果に基づいて、吸着材の劣化が検出される。
これは、吸着材における炭化水素および水分の吸着能力
が互いに比例関係にあることを利用するものであり、上
記湿度センサで吸着材を通過した排気ガスの湿度を検出
することで、吸着材における炭化水素および水分の吸着
能力の低下、すなわち吸着材の劣化を検出することが可
能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記劣化検出装置で
は、吸着材の劣化を適正に検出することが可能であるも
のの、この劣化検出装置の湿度センサが故障してしまう
と、吸着材の劣化を適正に検出することができないこと
で、上述したエンジン制御や運転者への報知などを適切
に行えなくなるおそれがある。したがって、このような
点において、上記劣化検出装置には改善の余地がある。
【0006】本発明は、以上のような課題を解決するた
めになされたものであり、内燃機関から排出された排気
ガスの湿度を検出する湿度センサの故障を、簡単な構成
で適切に判定することができる湿度センサの故障判定装
置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本願の請求項1に係る発明は、内燃機関1から排出
された排気ガスの湿度を検出する湿度センサの故障判定
装置であって、内燃機関の運転状態を検出する運転状態
検出手段(実施形態における(以下、本項において同
じ)ECU25、図7のステップ131、133および
134)と、この運転状態検出手段の検出結果に応じ
て、内燃機関が湿度センサ22の故障判定を実行可能な
運転状態にあるか否かを判断する故障判定実行判断手段
(ECU25、図7のステップ131、133および1
34)と、この故障判定実行判断手段が、湿度センサの
故障判定を実行可能と判断したときに、湿度センサの検
出結果に基づいて、湿度センサが故障しているか否かを
判定する湿度センサ故障判定手段(ECU25、図10
のステップ151〜157)と、を備えていることを特
徴とする。
【0008】この構成によれば、故障判定実行判断手段
が、内燃機関の運転状態に基づいて、内燃機関が湿度セ
ンサの故障判定を実行可能な運転状態にあると判断した
ときに、湿度センサ故障判定手段が湿度センサの検出結
果に基づいて、この湿度センサの故障の有無を判定す
る。内燃機関の運転状態によっては、湿度センサの検出
値が所定の範囲内にあるべき所定の運転状態であるにも
かかわらず、その検出値が所定の範囲内にないときに
は、湿度センサが故障していると判定することが可能で
あり、これにより、湿度センサの故障を適切なタイミン
グで正しく判定することができる。また、湿度センサの
検出値を利用して湿度センサの故障判定を行うので、格
別の装置などを必要とすることなく、上記故障判定装置
を比較的簡単な構成で実現することができる。
【0009】請求項2に係る発明は、請求項1の湿度セ
ンサの故障判定装置において、排気ガスの排気通路は、
メイン排気通路13と、排気ガス中の炭化水素および水
分を吸着可能な吸着材(HC吸着材16)を途中に配置
したバイパス排気通路14とに切り替えられるように構
成され、湿度センサ22は、バイパス排気通路の吸着材
の下流側に配置されており、故障判定実行判断手段は、
排気通路がバイパス排気通路に切り替えられることで、
吸着材がバイパス排気通路に導かれた排気ガス中の炭化
水素を吸着中であるときに、湿度センサの故障判定を実
行可能と判断することを特徴とする。
【0010】この構成によれば、湿度センサを、バイパ
ス排気通路の吸着材の下流側に設けるので、吸着中であ
る吸着材を通過した排気ガス、すなわち吸着材によって
炭化水素および水分が吸着された後の排気ガス(吸着後
排気ガス)の湿度を検出することが可能となる。そし
て、バイパス排気通路に導かれた排気ガス中の炭化水素
を、吸着材が吸着中であるときに、湿度センサの故障判
定を実行可能と判断する。吸着材における炭化水素およ
び水分の吸着能力は、互いに比例関係にあるので、吸着
後排気ガスの湿度は、吸着材における炭化水素の実際の
吸着状態に対して高い相関性を有する。これにより、吸
着材が炭化水素を吸着中である場合、例えば、炭化水素
の吸着の完了に近づいたときに、湿度センサの検出値が
所定の範囲内にあるべきであるので、そのときの湿度セ
ンサの検出値に基づいて、湿度センサの故障判定を行う
ことができる。以上のように、湿度センサの故障判定に
適した内燃機関の運転状態として、吸着材が炭化水素を
吸着中であるときを選択することによって、湿度センサ
の故障判定を適切に行うことができる。
【0011】請求項3に係る発明は、請求項2の湿度セ
ンサの故障判定装置において、排気通路がメイン排気通
路に切り替わることにより、吸着材から炭化水素が脱離
されるように構成されており、吸着材からの炭化水素の
脱離状態を検出する脱離状態検出手段(ECU25、図
12のステップ161〜163)を、更に備え、故障判
定実行判断手段は、吸着材からの炭化水素の脱離が内燃
機関の前回の運転終了時に、脱離状態検出手段により検
出された脱離状態に応じて、湿度センサの故障判定を実
行可能か否かを判断することを特徴とする。
【0012】この構成によれば、内燃機関の前回の運転
終了時に、脱離状態検出手段により検出された吸着材か
らの炭化水素の脱離状態に応じて、湿度センサの故障判
定を実行可能か否かを判断するので、湿度センサの検出
値に影響を与える吸着材の脱離状態を考慮した適切な故
障判定を実行することが可能となる。すなわち、例え
ば、吸着材における炭化水素の脱離が前回の運転時に完
了していないと、湿度センサの検出値の推移が変わって
くることで、故障判定を適切に行うタイミングがずれて
くるので、そのような場合には、故障判定を行わず、前
回の運転時に炭化水素の脱離が完了している時にのみ故
障判定を行うことによって、誤判定を回避することがで
きる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1は、本発
明の実施形態を適用した内燃機関を示している。同図に
示すように、この内燃機関(以下「エンジン」という)
1の排気系2は、エンジン1から排出された排気ガス
を、浄化しながら外部(大気中)に排出するとともに、
その一部をエンジン1に再循環(EGR)させるように
構成されており、排気マニホルド3を介してエンジン1
に接続された排気管4を有している。
【0014】この排気管4の途中には、排気ガスを浄化
するための排気ガス浄化触媒として、2つの三元触媒
5、5を有する触媒装置6および炭化水素を吸着するた
めの炭化水素吸着触媒装置7が設けられている。触媒装
置6の2つの三元触媒5、5は、排気管4に沿って互い
に隣接して配置されており、これらが所定温度(例えば
300℃)以上となることで活性化することにより、触
媒装置6を通過する排気ガス中の有害物質(炭化水素、
一酸化炭素および窒素化合物)を、酸化・還元作用によ
って浄化する。
【0015】一方、炭化水素吸着触媒装置7は、排気管
4の触媒装置6の下流側に配置されており、三元触媒
5、5が活性化していない状態でのエンジン1の始動期
間(例えば、始動時から約30〜40秒間)に、排気ガ
ス中の炭化水素を吸着し、これによって、外部に排出さ
れる排気ガス中の炭化水素を大幅に低減するためのもの
である。図1および図2に示すように、炭化水素吸着触
媒装置7は、排気通路切替装置8を介して、触媒装置6
の下流端部に連結されており、ほぼ円筒状の外殻を構成
するケース11と、このケース11の内部に配置された
バイパス排気管12と、このバイパス排気管12の途中
に充填され、バイパス排気管12に流入した排気ガス中
の炭化水素を吸着するための円柱状のHC吸着材16
(吸着材)とを備えている。
【0016】図2に示すように、ケース11は、その上
流端部が上下に二股になっており、上側の開口部11a
が、排気管4の排気通路に連通するとともに、ケース1
1内における上記バイパス排気管12の外側の断面環状
のスペース(メイン排気通路13)と連通する一方、下
側の開口部11bが、バイパス排気管12の内部のスペ
ース(バイパス排気通路14)と連通している。
【0017】バイパス排気管12は、その上流端部がケ
ース11の下側の開口部11bの内面に、下流端部がケ
ース11の下流端部の内面に、それぞれ気密状態で接続
されている。また、バイパス排気管12の下流端寄りの
位置には、長孔状の複数(例えば5個)の連通孔12a
が、互いに周方向に等間隔で形成されており、これらの
連通孔12aを介して、ケース11内のメイン排気通路
13およびバイパス排気通路14の下流端部同士が連通
している。
【0018】HC吸着材16は、表面にゼオライトを担
持した金属製のハニカムコア(図示せず)で構成されて
おり、バイパス排気通路14に流入した排気ガスがHC
吸着材16の内部を通過する際に、その排気ガス中の炭
化水素および水分がゼオライトに吸着する。ゼオライト
は、高耐熱性を有しており、低温状態(例えば100℃
未満)のときに炭化水素を吸着し、所定温度以上(例え
ば100〜250℃)の状態のときに、一旦吸着した炭
化水素を脱離する。そして、脱離した炭化水素は、排気
通路切替装置8の後述する分岐管部18b、およびエン
ジン1の吸気管1aに両端部がそれぞれ接続されたEG
R管17を介して、エンジン1に再循環され、エンジン
1で燃焼される。なお、上記ゼオライトは炭化水素およ
び水分を吸着可能であれば良く、その種類は特に限定さ
れるものではないが、本実施形態では、USY(Y
型)、Ga−MFIおよびフェリエライトを混合したも
のを使用した。
【0019】排気通路切替装置8は、上記構成の炭化水
素吸着触媒装置7を触媒装置6に連結するとともに、触
媒装置6を通過した排気ガスの排気通路を、三元触媒5
の活性状態に応じて、上記メイン排気通路13とバイパ
ス排気通路14とに、選択的に切り替えるためのもので
ある。この排気通路切替装置8は、ほぼ円筒状の連結管
18と、この連結管18内に設けられ、排気通路を切り
替えるための切替バルブ15とを有している。連結管1
8は、触媒装置6の下流端部と炭化水素吸着触媒装置7
のメイン排気通路13とを気密状態で連通させるメイン
管部18aと、このメイン管部18aの上流部から分岐
し、触媒装置6の下流端部と炭化水素吸着触媒装置7の
バイパス排気通路14とを気密状態で連通させる分岐管
部18bとで構成されている。
【0020】一方、切替バルブ15は、円板状のバルブ
本体15aと、このバルブ本体15aを一端部に支持す
る所定形状のアーム15cとを有している。後述するE
CU25によって制御される切替バルブ駆動装置19
(図1参照)により、アーム15cが他端部を中心に所
定角度、回動駆動されることに伴い、バルブ本体15a
も回動し、メイン管部18aおよび分岐管部18bのい
ずれか一方を開放し、他方を閉鎖する。したがって、バ
ルブ本体15aが、図2に示すように、メイン管部18
aを開放しかつ分岐管部18bを閉鎖しているときに
は、触媒装置6を通過した排気ガスがメイン管部18a
を通って、ケース11内のメイン排気通路13に流れ
る。逆に、バルブ本体15aがメイン管部18aを閉鎖
しかつ分岐管部18bを開放しているときには(図2の
2点鎖線参照)、触媒装置6を通過した排気ガスが分岐
管部18bを通って、バイパス排気通路14に流れる。
なお、アーム15cの他端部には、図示しないねじりコ
イルばねが設けられており、このねじりコイルばねによ
って、バルブ本体15aは、常時は、図2に示すよう
に、メイン管部18aを開放しかつ分岐管部18bを閉
鎖している。
【0021】このように構成された排気通路切替装置8
では、通常、エンジン1の始動直後、分岐管部18bを
閉鎖しているバルブ本体15aが回動駆動されることに
よって、分岐管部18bを開放しかつメイン管部18a
を閉鎖する。これにより、触媒装置6を通過した排気ガ
スは、分岐管部18bを介して、バイパス排気通路14
に導かれて流れ、炭化水素および水分がHC吸着材16
に吸着され、HC吸着材16を通過した排気ガスが、更
に下流へと流れて外部に排出される。そして、後述する
ように、HC吸着材16における炭化水素の吸着が完了
したと判別されると、メイン管部18aを閉鎖していた
バルブ本体15aが再度回動駆動されることによって、
メイン管部18aを開放しかつ分岐管部18bを閉鎖す
る。これにより、触媒装置6を通過した排気ガスは、メ
イン管部18aを介して、ケース11内のメイン排気通
路13に導かれて流れ、バイパス排気管12の下流端部
の連通孔12aを介して、バイパス排気管12内に流入
し、更に下流へと流れて外部に排出される。
【0022】炭化水素吸着触媒装置7のケース11に
は、バイパス排気通路14におけるHC吸着材16の下
流側の湿度(以下、単に「下流側湿度」という)Dを検
出する下流側湿度センサ22Aが取り付けられており、
その検出信号はECU25に出力される。ECU25に
はまた、吸気温TAを検出する吸気温センサ27が接続
されている。ECU25(運転状態検出手段、故障判定
実行判断手段、湿度センサ故障判定手段、脱離状態検出
手段)は、これらのセンサ22A、27の検出結果など
に基づいて、切替バルブ15を含め、エンジン1および
排気系2の各種の制御を行う。
【0023】下流側湿度センサ22Aは、先端のセンサ
素子22aがバイパス排気管12の連通孔12aの1つ
を介して、バイパス排気通路14に臨むように、ケース
11の下流端部に取り付けられており、上述したよう
に、下流側湿度Dを検出し、その検出信号をECU25
に送る。この検出信号は、ECU25において、後述す
るHC吸着材16による炭化水素の吸着条件が成立して
いるときには、相対湿度の検出信号として扱われる一
方、その吸着条件が成立していないときには、絶対湿度
の検出信号として扱われる。また、下流側湿度センサ2
2Aには、センサ素子22aを加熱するためのヒータ2
8が設けられている。このヒータ28は、ECU25に
よって制御されるようになっており、後述する所定条件
が成立したときに、所定時間作動し、下流側湿度センサ
22Aのセンサ素子22aを加熱する。なお、下流側湿
度センサ22Aの詳細については、本出願人が既に提案
した特願2000−23085号において説明している
ので、ここでは省略する。
【0024】また、上記下流側湿度センサ22Aに加え
て、図1および図2に二点鎖線で示すように、HC吸着
材16の上流側にも、下流側湿度センサ22Aと同じ湿
度センサである上流側センサ22Bが設けられる場合も
ある。この上流側湿度センサ22Bは、バイパス排気通
路14におけるHC吸着材16の上流側の湿度(以下、
単に「上流側湿度」という)DFを検出する。なお、以
下の説明では、下流側湿度センサ22Aおよび上流側湿
度センサ22Bを特に区別しない場合には、それらのセ
ンサをまとめて、単に「湿度センサ22」という。
【0025】また、エンジン1には、クランク角センサ
32が設けられており、エンジン1の図示しないクラン
クシャフトの回転に伴い、所定のクランク角ごとに、パ
ルス信号であるCRK信号およびTDC信号をECU2
5に出力する。TDC信号は、例えばクランクシャフト
が180度回転するごとに、1パルスがECU25に出
力される。
【0026】ECU25は、I/Oインターフェース、
CPU、RAMおよびROMなどからなるマイクロコン
ピュータで構成されている。上述した湿度センサ22お
よび吸気温センサ27などの各種センサからの検出信号
はそれぞれ、I/OインターフェースでA/D変換や整
形がなされた後、CPUに入力される。CPUは、各種
センサからの検出信号に応じ、ROMに記憶された制御
プログラムなどに従って、エンジン1の運転状態を検出
するとともに、検出した運転状態に応じ、各種の制御を
行う。なお、ECU25は、例えば湿度センサ22が故
障していると判定したときには、警告ランプ26に制御
信号を出力し、これにより、警告ランプ26が点灯する
ことで、湿度センサ22の故障を運転者に報知する。
【0027】次に、図3〜図13を参照しながら、EC
U25で実行される制御処理について、具体的に説明す
る。図3は、湿度検出の実行決定処理を示している。本
処理は、エンジン1を始動させるために、イグニッショ
ンスイッチをオンにしたときに、直ちに開始される。本
処理ではまず、ステップ101(「S101」と図示す
る。以下同じ)において、湿度センサ22を加熱するヒ
ータ28が作動中か否かを判別する。この判別結果がY
es、すなわちヒータ28が作動中であるときには、そ
のまま本プログラムを終了する。一方、ステップ101
の判別結果がNo、すなわちヒータ28が作動していな
いときには、続くステップ102に進み、エンジン1が
始動前か否か、具体的にはクランキングの開始前か否か
を判別する。この判別結果がYes、すなわちエンジン
1が始動前であるときには、続くステップ103に進
み、吸気温センサ27で検出した吸気温TAが、所定の
判定値TA_HT_JDG(例えば50℃)よりも低い
か否かを判別する。
【0028】ステップ103の判別結果がYes、すな
わち吸気温TAが判定値TA_HT_JDGよりも小さ
いときには、ヒータ28を所定時間(例えば10秒)作
動させ(ステップ104)、本プログラムを終了する。
このようなヒータ28の制御を行うのは、次のような理
由からである。すなわち、エンジン1の始動時に雰囲気
温度が低いときには、湿度センサ22のセンサ素子22
aに結露が生じやすく、その状態で湿度検出を実行する
と、実際の値を精度良く検出することができないので、
ヒータ28を作動させることによって、結露による水滴
をセンサ素子22aから除去するためである。一方、こ
のステップ103の判別結果がNo、すなわち吸気温T
Aが判定値TA_HT_JDG以上であるときには、セ
ンサ素子22aに結露が生じるおそれがないとして、後
述するステップ106の湿度検出処理を実行して、本プ
ログラムを終了する。
【0029】一方、上記ステップ102の判別結果がN
o、すなわちエンジン1が始動後であるときには、続く
ステップ105に進み、エンジン1のアイドリングが所
定時間(例えば10秒)以上継続したか否かを判別す
る。アイドリングが所定時間以上継続することで、湿度
センサ22のセンサ素子22aに結露が生じることがあ
るため、ステップ105の判別結果がYesのときに
は、上記と同様に、水滴をセンサ素子22aから除去す
べく、ヒータ28を所定時間作動させ(ステップ10
4)、本プログラムを終了する。上記ステップ105の
判別結果がNo、すなわちアイドリングの継続が所定時
間未満であるときには、ステップ106に進む。
【0030】図4は、このステップ106で実行され
る、湿度センサ22の検出結果に基づく湿度検出処理を
示している。この処理ではまず、ステップ111におい
て、下流側湿度センサ22Aによって検出された検出値
Dを、下流側湿度の今回値Hum_R(n)としてセッ
トする。
【0031】次いで、ステップ112において、エンジ
ン1が始動前か否かを判別する。この判別結果がYe
s、すなわちエンジン1が始動前であるときには、続く
ステップ113において、上流側推定湿度の今回値Hu
m_F_hat(n)を、ステップ111でセットした
下流側湿度Hum_R(n)にセットする。エンジン1
の始動前では、エンジン1からの排気ガスがバイパス排
気通路14に未だ流入していないので、下流側湿度Hu
m_R(n)をそのまま、上流側推定湿度Hum_F_
hat(n)とする。また、ステップ113では、上流
側推定湿度の前回値Hum_F_hat(n−1)を、
その今回値Hum_F_hat(n)にセットする。
【0032】その後、ステップ114において、上流側
湿度センサ22Bが設けられているか否かを判別する。
図1および図2に二点鎖線で示すように、HC吸着材1
6の上流側に、上流側湿度センサ22Bが設けられてい
る場合には、それにより検出された検出値DFを、上流
側湿度の今回値Hum_F(n)としてセットし(ステ
ップ115)、本プログラムを終了する。一方、上流側
湿度センサ22Bが設けられていない場合には(ステッ
プ114:No)、ステップ117に進み、上記ステッ
プ113でセットした、あるいは後述するステップ11
6で算出した上流側推定湿度Hum_F_hat(n)
を、上流側湿度Hum_F(n)としてセットし、本プ
ログラムを終了する。
【0033】上記ステップ112の判別結果がNo、す
なわちエンジン1が始動した後には、ステップ116に
進み、相対湿度の最大値である最大湿度Hum_MAX
および上流側推定湿度の前回値Hum_F_hat(n
−1)を用い、下記の式(1)から上流側推定湿度の今
回値Hum_F_hat(n)を算出する(ステップ1
16)。 Hum_F_hat(n)=ALF×Hum_MAX+(1−ALF)×Hum_F_hat(n−1) …(1) この式(1)におけるALFは、実験によって得られる
重み係数であり、0<ALF<1.0の範囲の値をと
る。また、ステップ116においては、上記算出ととも
に、上流側推定湿度の前回値Hum_F_hat(n−
1)を、今回の本処理実行時の上流側推定湿度Hum_
F_hat(n)にセットし、上記ステップ114に進
む。
【0034】以上のように、この湿度検出処理では、上
流側湿度センサ22Bが有る場合には、上流側湿度の今
回値Hum_F(n)として、その上流側湿度センサ2
2Bの検出値DFを用い、逆に、上流側湿度センサ22
Bが無い場合には、下流側湿度センサ22Aの検出値D
に基づいて、ステップ113または116において推定
した上流側推定湿度Hum_F_hat(n)を用い
る。
【0035】また、上記両湿度センサ22A、22B
が、応答性の低いものである場合には、検出値D、DF
に応答遅れが生じるので、これを補償するために、図5
に示す湿度センサ22の応答遅れ補償処理が実行され
る。同図に示すように、この補償処理では、今回の検出
値D、DFおよび前回の検出値D_old、DF_ol
dを用い、下記の式(2)および(3)からそれぞれ、
上流側湿度Hum_F(n)および下流側湿度Hum_
R(n)を算出する(ステップ121)。 Hum_F(n)=1/ALF1(DF−(1−ALF1)×DF_old) …(2) Hum_R(n)=1/ALF2(D−(1−ALF2)×D_old) …(3) ここで、ALF1およびALF2は、湿度センサ22の
仕様ごとに実験によって求められ、応答遅れを補償する
ための補正係数であり、0<ALF1<1.0、0<A
LF2<1.0の範囲の値をとる。例えば、上記式
(2)は、 Hum_F(n)=1/ALF1(DF−DF_old)+DF_old と書き換えられることからわかるように、補正係数AL
F1、ALF2が大きいほど、補償の度合いが小さくな
り、それらの値が1に近づくにつれて、上流側湿度Hu
m_F(n)および下流側湿度Hum_R(n)はそれ
ぞれ、今回値DF、Dに限りなく近づく。一方、補正係
数ALF1、ALF2が小さいほど、補償の度合いがよ
り大きくなる。
【0036】次いで、ステップ122において、次回の
補償処理時に前回値として用いるために、今回値DFお
よびDをそれぞれ、前回値DF_oldおよびD_ol
dとしてセットし、本プログラムを終了する。なお、上
記両湿度センサ22A、22Bがいずれも応答性の高い
ものである場合には、それぞれの検出値D、DFがその
まま、下流側湿度Hum_R(n)および上流側湿度H
um_F(n)としてそれぞれ用いられ、上記補償処理
は実行されない。
【0037】図6(a)、(b)および(c)はそれぞ
れ、HC吸着材16の上流側湿度について得られた実際
の湿度(真値)、上流側湿度センサ22Bの検出値D
F、および検出値DFを補償処理した後の上流側湿度H
um_F(n)の各推移の一例を示している。同図
(a)に示すように、例えば、エンジン1を始動させる
ことで、排気ガスの湿度が始動直後に上昇し、その後は
ほぼ一定の値になるように推移する場合、応答性の低い
湿度センサによって、その湿度を検出すると、検出値D
Fは同図(b)に示すように、真値よりも遅れた状態で
推移する。これに対し、上流側湿度Hum_F(n)
は、前述した式(2)で算出されることから、真値とほ
ぼ同じタイミングで推移する湿度が得られ、それによ
り、上流側湿度センサ22Bの応答遅れを補償すること
ができる。
【0038】なお、上流側湿度センサ22Bが無い場合
には、例えば、図5のステップ121で算出した補償後
の下流側湿度Hum_R(n)を、図4のステップ11
3、116で用いることにより、応答遅れを補償した適
正な上流側湿度Hum_F(n)を得ることができる。
【0039】図7は、HC吸着材16における炭化水素
の吸着状態および脱離状態の推定処理、ならびに湿度セ
ンサ22の故障判定処理の一連の実行手順のメインフロ
ーを示している。この処理は、例えば、クランク角セン
サ32からのTDC信号がECU25に入力されるのに
同期して実行される。本処理ではまず、HC吸着材16
による炭化水素の吸着条件が成立しているか否かを判別
する(ステップ131)。具体的には、切替バルブ15
のバルブ本体15aが、図2に二点鎖線で示すように、
メイン排気通路13を閉鎖しかつバイパス排気通路14
を開放している状態、すなわちエンジン1からの排気ガ
スをバイパス排気通路14に導く状態になっているか否
かを判別する。
【0040】ステップ131の判別結果がYes、すな
わち上記吸着条件が成立しているときには、ステップ1
32に進み、HC吸着状態の推定処理を実行する。図8
は、HC吸着状態の推定処理のサブルーチンを示してお
り、本処理により、HC吸着材16における炭化水素の
吸着状態が推定される。本処理ではまず、図4の湿度検
出処理で算出した上流側湿度Hum_F(n)および下
流側湿度Hum_R(n)を用い、下記式(4)から両
湿度の差分累積値deltsumを算出する(ステップ
141)。 deltsum=deltsum+Hum_F(n)−Hum_R(n) …(4) エンジン1を始動させると、上流側湿度および下流側湿
度は、通常、図9に示すように推移する。すなわち、上
流側湿度は、下流側湿度よりも先に立ち上がり(時刻t
F)、時間の経過に従って値が次第に大きくなり、一定
値に収束するように推移する。一方、下流側湿度は、上
流側湿度がある程度大きくなってから、これに遅れて立
ち上がり(時刻tR)、その後は、値が大きくなるように
推移し、HC吸着材16における炭化水素の吸着が完了
したときに(時刻tS)、上流側湿度とほぼ同じ値に収束
する。したがって、本処理が繰り返し実行されることに
より、上記式(4)によって、差分累積値deltsu
m、すなわち図9に示す斜線部分の面積が算出され、こ
れが、HC吸着材16に吸着した水分吸着量に相当す
る。そして、この水分吸着量は、HC吸着材16に吸着
した炭化水素吸着量に比例し、これに対して高い相関性
を有している。
【0041】次いで、ステップ142に進み、上流側湿
度Hum_F(n)と下流側湿度Hum_R(n)との
差の絶対値が、所定の判定値D_H_JDG(例えば、
10%)よりも小さいか否かを判別する。この判別結果
がNoのときには、上流側湿度Hum_F(n)と下流
側湿度Hum_R(n)との偏差が大きいとして、HC
吸着材16における炭化水素の吸着が完了していないと
判定し(ステップ145)、本プログラムを終了する。
一方、ステップ142の判別結果がYes、すなわち上
流側湿度Hum_F(n)と下流側湿度Hum_R
(n)との偏差が小さいときには、ステップ143に進
む。
【0042】このステップ143では、上記ステップ1
41で算出した差分累積値deltsumが、所定の判
定値TRAP_JDG(例えば、2000%)よりも大
きいか否かを判別する。この判別結果がNoのときに
は、差分累積値deltsumが小さいとして、HC吸
着材16における炭化水素の吸着が完了していないと判
定し(ステップ145)、本プログラムを終了する。一
方、ステップ143の判別結果がYes、すなわち差分
累積値deltsumが判定値TRAP_JDGを上回
っているときには、HC吸着材16における炭化水素の
吸着が完了したと判定し(ステップ144)、本プログ
ラムを終了する。
【0043】以上のように、この推定処理では、上流側
湿度Hum_F(n)と下流側湿度Hum_R(n)と
の偏差が判定値D_H_JDGよりも小さく、かつ、差
分累積値deltsumが判定値TRAP_JDGより
も大きいときには、HC吸着材16における炭化水素の
吸着が完了したと判定する。上述したように、エンジン
1の始動時に、上記偏差は、HC吸着材16における炭
化水素の吸着の完了に向かうにつれて、次第に小さくな
るとともに、上記差分累積値deltsumは、HC吸
着材16における炭化水素の吸着量に対して高い相関性
を有している。したがって、上記のような処理により、
下流側湿度センサ22A、あるいはこれに加えて上流側
湿度センサ22Bの検出結果に基づいて、HC吸着材1
6における炭化水素の吸着状態、すなわちHC吸着材1
6における炭化水素の吸着の完了を適切に判定すること
ができる。
【0044】図7に戻り、上述したステップ132のH
C吸着状態の推定処理に続くステップ133では、エン
ジン1の始動後、所定時間(例えば、10秒)が経過し
たか否かを判別するとともに、前回のエンジン1の運転
時(運転終了時)に、HC吸着材16における炭化水素
の後述する脱離が完了していたか否かを判別する(ステ
ップ134)。これらの判別結果のいずれかがNoのと
きには、湿度センサ22の故障判定処理を実行すべき条
件が成立していないとして、本プログラムを終了する。
一方、ステップ133およびステップ134の判別結果
がいずれもYesであるときには、湿度センサ22の故
障判定処理を実行すべき条件が成立したとして、この故
障判定処理を行う(ステップ135)。
【0045】上記のように、湿度センサ22の故障判定
処理を実行するために、上記ステップ133および13
4の判別を行うのは、次の理由による。すなわち、まず
ステップ133において、エンジン1の始動後、所定時
間が経過したことを条件としているのは、エンジン1が
始動してからある程度の時間が経過することで、HC吸
着材16における炭化水素の吸着が完了に向かい、これ
によって、湿度センサ22の検出値がほぼ一定の値に安
定するので(図9、図11(b)参照)、この検出値の
安定時に、湿度センサ22の故障判定を実行すること
で、適切な判定が可能となるからである。一方、ステッ
プ134において、前回の運転時における炭化水素の脱
離完了を条件としているのは、HC吸着材16における
炭化水素の脱離が前回の運転時に完了していないと、湿
度センサ22の検出値の推移が変わってくることで、故
障判定を適切に行うタイミングがずれてくるので、その
ような場合には、故障判定を行わず、前回の運転時に炭
化水素の脱離が完了している時にのみ故障判定を行うこ
とによって、誤判定を回避するためである。
【0046】図10は、上記ステップ135で実行され
る故障判定処理のサブルーチンを示しており、本処理に
より、下流側湿度センサ22Aの故障の有無が判定され
る。本処理ではまず、ステップ151において、故障判
定完了フラグが「1」にセットされているか否かを判別
する。この故障判定完了フラグは、イグニッションスイ
ッチのオン時に「0」にリセットされるとともに、下流
側湿度センサ22Aの故障判定が完了したときに、後述
するステップ156で「1」にセットされるものであ
る。ステップ151の判別結果がYes、すなわち故障
判定完了フラグが「1」にセットされているときには、
そのまま本プログラムを終了する。このように、下流側
湿度センサ22Aの故障判定が既に完了しているときに
は、その後は故障判定が行われず、すなわちこの故障判
定は、エンジン1の始動時に1回のみ実行される。
【0047】ステップ151の判別結果がNo、すなわ
ち本処理において、下流側湿度センサ22Aの故障判定
が完了していないときには、エンジン1の全気筒の燃料
噴射時間toutを用いて、その積算値sgm_tou
tを下記式(5)から算出する(ステップ152)。 sgm_tout=sgm_tout+tout …(5) この式(5)は、エンジン1から排気系2に与えられた
始動時からの総熱量を推定するためのものである。
【0048】次いで、上記の算出した積算値sgm_t
outが、その所定の判定値SGM_JDGRよりも大
きいか否かを判別する(ステップ153)。この判別結
果がNoのときには、上記総熱量が小さいことで、下流
側湿度センサ22Aのセンサ素子22aの温度が十分に
上昇していないとして、下流側湿度センサ22Aの故障
判定は行わず、そのまま本プログラムを終了する。
【0049】一方、ステップ153の判別結果がYes
のときには、センサ素子22aの温度が十分に上昇した
として、ステップ154に進み、下流側湿度Hum_R
(n)が判定値H_R_JDG(例えば、90%)より
も小さいか否かを判別する。図11(a)に示すよう
に、エンジン1の始動時から時間が経過するにつれて、
上記積算値sgm_toutが増加し、判定値SGM_
JDGRを超えた時点(時刻tK)では、センサ素子2
2aの温度が十分に上昇しているとともに、HC吸着材
16における炭化水素の吸着が完了あるいは完了に近い
ことで、下流側湿度Hum_R(n)は、ほぼ一定の値
になっている。上記判定値H_R_JDGは、この一定
値よりも若干低い所定の値として設定されている。した
がって、ステップ154の判別結果がNo、すなわち下
流側湿度Hum_R(n)が判定値H_R_JDG以上
であるときには、下流側湿度センサ22Aが正常である
と判定する一方、判別結果がYes、すなわち下流側湿
度Hum_R(n)が判定値H_R_JDGよりも小さ
いときには、下流側湿度センサ22Aが故障していると
判定する。そして、故障判定完了フラグを「1」にセッ
トして(ステップ156)、本プログラムを終了する。
【0050】以上の処理により、下流側湿度センサ22
Aの故障判定を、その検出結果に基づいて、適切に行う
ことができる。なお、上流側湿度センサ22Bが有る場
合には、その故障判定処理は、上記の2つの判定値(S
GM_JDGR、H_R_JDG)の大きさを変えるだ
けで、下流側湿度センサ22Aの故障判定と同様に行う
ことができる。
【0051】図7に戻り、ステップ131の判別結果が
No、すなわち吸着条件が成立していないときには、ス
テップ136に進み、HC吸着材16による炭化水素の
脱離条件が成立しているか否かを判別する。具体的に
は、EGRが実行中であるか否かを判別する。このステ
ップ136の判別結果がYes、すなわち脱離条件が成
立しているときには、ステップ137に進み、HC脱離
状態の推定処理を実行する。図12は、HC脱離状態の
推定処理のサブルーチンを示しており、本処理により、
HC吸着材16からの炭化水素の脱離状態が推定され
る。本処理では、ステップ161において、下流側湿度
Hum_R(n)が所定の判定値REL_JDG(例え
ば15%)よりも小さいか否かを判別する。
【0052】図11(b)に示すように、HC吸着材1
6からの炭化水素の脱離が開始されると、その当初は、
HC吸着材16から炭化水素とともに水分が脱離される
ことにより、下流側湿度Hum_R(n)は、ほぼ一定
の値を保ち、その後、HC吸着材16に残存する水分量
が少なくなることに伴い、その脱離量が減少することに
よって、下流側湿度Hum_R(n)が低下する。した
がって、ステップ161の判別結果がYes、すなわち
下流側湿度Hum_R(n)が判定値REL_JDGよ
りも小さいときには、下流側湿度Hum_R(n)が小
さく、HC吸着材16からの炭化水素の脱離が完了した
と判定して(ステップ162)、本プログラムを終了す
る。一方、ステップ161の判別結果がNo、すなわち
下流側湿度Hum_R(n)が判定値REL_JDG以
上であるときには、炭化水素の脱離が完了していないと
判定して(ステップ163)、本プログラムを終了す
る。
【0053】以上の推定処理により、下流側湿度センサ
22Aの検出結果に基づいて、HC吸着材16からの炭
化水素の脱離の完了を適切に判定することができる。
【0054】図13は、切替バルブの制御処理のフロー
チャートを示しており、本処理によって、排気通路がメ
イン排気通路13とバイパス排気通路14とに、選択的
に切り替えられる。本処理では、ステップ171におい
て、HC吸着材16における炭化水素の吸着が完了して
いるか否かを判別する。この判別は、上述した図8のス
テップ144が実行されているか否かに基づいて行われ
る。ステップ171の判別結果がNoであるときには、
HC吸着材16における炭化水素の吸着が完了しておら
ず、吸着途中であるので、切替バルブ15を現在の状態
のまま保持する。すなわち、切替バルブ15のバルブ本
体15aで、メイン排気通路13を閉鎖しかつバイパス
排気通路を開放した状態に保持する(ステップ17
3)。
【0055】一方、ステップ171の判別結果がYes
であるときには、HC吸着材16における炭化水素の吸
着が完了しているので、切替バルブ15のバルブ本体1
5aで、メイン排気通路13を開放しかつバイパス排気
通路を閉鎖する(ステップ172)。なお、その後、E
GR管17を介してEGRが実行されることにより、H
C吸着材16からの炭化水素の脱離が行われる。
【0056】以上の処理により、切替バルブ15を、下
流側湿度センサ22Aの検出結果に基づいて、適正なタ
イミングで切替制御することができる。
【0057】以上詳述したように、本実施形態によれ
ば、HC吸着材16における炭化水素の実際の吸着状態
に対して高い相関性を有する下流側湿度Hum_R
(n)に基づいて、HC吸着材16における炭化水素の
吸着状態および、脱離状態を適切に推定することができ
る。そして、HC吸着材16における炭化水素の吸着状
態および脱離状態に応じて、湿度センサ22の故障判定
を、その検出結果に基づき、適切なタイミングで正しく
行うことができる。また、湿度センサ22の検出値を利
用して湿度センサ22の故障判定を行うので、格別の装
置などを必要とすることなく、湿度センサの故障判定装
置を、比較的簡単な構成で実現することができる。
【0058】なお、本発明は、説明した上記実施形態に
限定されることなく、種々の態様で実施することができ
る。例えば、実施形態では、排気ガス浄化触媒として、
三元触媒5を有する触媒装置6と、HC吸着材16を有
する炭化水素吸着触媒装置7を互いに別個に排気管4に
設けたが、本発明は、これらが単一の装置として構成さ
れた、いわゆるハイブリッド型の排気ガス浄化触媒にも
適用可能である。また、湿度センサ22を、空燃比セン
サと同じ筐体を用いて、これらを一体化することも可能
である。
【0059】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の湿度セン
サの故障判定装置は、内燃機関から排出された排気ガス
の湿度を検出する湿度センサの故障を、簡単な構成で適
切に判定することができるなどの効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を適用した内燃機関を示す構
成図である。
【図2】炭化水素吸着触媒装置を拡大して示す断面図で
ある。
【図3】湿度検出の実行決定処理を示すフローチャート
である。
【図4】湿度検出処理を示すフローチャートである。
【図5】湿度センサの応答遅れ補償処理を示すフローチ
ャートである。
【図6】湿度センサの応答遅れ補償処理を説明するため
のイメージ図であり、(a)は実際の湿度(真値)、
(b)は湿度センサの検出値、(c)はその検出値を補
償処理した後の上流側湿度の推移の一例を示す。
【図7】HC吸着材における炭化水素の吸着状態および
脱離状態の推定処理、ならびに湿度センサの故障判定処
理の実行手順を示すフローチャートである。
【図8】HC吸着状態の推定処理を示すフローチャート
である。
【図9】エンジン始動時からの上流側湿度および下流側
湿度の推移の一例を示すタイムチャートである。
【図10】湿度センサの故障判定処理を示すフローチャ
ートである。
【図11】エンジンの始動時からの各種データの推移の
一例を示す図であり、(a)は燃料噴射時間積算値、
(b)は下流側湿度、(c)はセンサ素子温度を示す。
【図12】HC脱離状態の推定処理を示すフローチャー
トである。
【図13】切替バルブの制御処理を示すフローチャート
である。
【符号の説明】
1 内燃機関 4 排気管 13 メイン排気通路 14 バイパス排気通路 15 切替バルブ 15a バルブ本体 16 HC吸着材(吸着材) 22 湿度センサ 22A 下流側湿度センサ 22B 上流側湿度センサ 25 ECU(運転状態検出手段、故障判定実行判断
手段、湿度センサ故障判定手段、脱離状態検出手段) D 下流側湿度の検出値 DF 上流側湿度の検出値 Hum_R(n) 下流側湿度 Hum_F(n) 上流側湿度
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01N 7/00 F01N 7/00 A 7/08 7/08 B (72)発明者 上野 将樹 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 赤崎 修介 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 芳賀 剛志 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 佐藤 忠 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3G004 BA00 BA06 DA00 DA01 DA25 EA00 FA04 FA07 3G084 CA03 DA27 EA05 EA07 EA11 EC04 FA00 FA02 FA33 FA38 3G091 AA11 AA17 AB03 AB10 BA26 BA31 EA00 EA15 EA17 GA06 GB01Z GB19Y HA08 HA19 HA35 HB03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関から排出された排気ガスの湿度
    を検出する湿度センサの故障判定装置であって、 前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段
    と、 この運転状態検出手段の検出結果に応じて、前記内燃機
    関が前記湿度センサの故障判定を実行可能な運転状態に
    あるか否かを判断する故障判定実行判断手段と、 この故障判定実行判断手段が、前記湿度センサの故障判
    定を実行可能と判断したときに、当該湿度センサの検出
    結果に基づいて、当該湿度センサが故障しているか否か
    を判定する湿度センサ故障判定手段と、 を備えていることを特徴とする湿度センサの故障判定装
    置。
  2. 【請求項2】 前記排気ガスの排気通路は、メイン排気
    通路と、排気ガス中の炭化水素および水分を吸着可能な
    吸着材を途中に配置したバイパス排気通路とに切り替え
    られるように構成され、 前記湿度センサは、前記バイパス排気通路の前記吸着材
    の下流側に配置されており、 前記故障判定実行判断手段は、前記排気通路が前記バイ
    パス排気通路に切り替えられることで、前記吸着材が当
    該バイパス排気通路に導かれた前記排気ガス中の炭化水
    素を吸着中であるときに、前記湿度センサの故障判定を
    実行可能と判断することを特徴とする請求項1に記載の
    湿度センサの故障判定装置。
  3. 【請求項3】 前記排気通路が前記メイン排気通路に切
    り替わることにより、前記吸着材から炭化水素が脱離さ
    れるように構成されており、 前記吸着材からの当該炭化水素の脱離状態を検出する脱
    離状態検出手段を、更に備え、 前記故障判定実行判断手段は、前記吸着材からの炭化水
    素の脱離が前記内燃機関の前回の運転終了時に、前記脱
    離状態検出手段により検出された脱離状態に応じて、前
    記湿度センサの故障判定を実行可能か否かを判断するこ
    とを特徴とする請求項2に記載の湿度センサの故障判定
    装置。
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