JP2002138098A - ペプチド化合物及びそれを含有する医薬組成物 - Google Patents

ペプチド化合物及びそれを含有する医薬組成物

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JP2002138098A
JP2002138098A JP2000331448A JP2000331448A JP2002138098A JP 2002138098 A JP2002138098 A JP 2002138098A JP 2000331448 A JP2000331448 A JP 2000331448A JP 2000331448 A JP2000331448 A JP 2000331448A JP 2002138098 A JP2002138098 A JP 2002138098A
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oxytocin
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Seiji Kamiya
誠治 神谷
Daisuke Wakatsuki
大輔 若月
Tokuo Ono
徳雄 大野
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Mitsubishi Pharma Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オキシトシン受容体に対し強力、且つ選択的
な拮抗作用を有する化合物、及びこれを有効成分とする
切迫早産予防用または治療用の医薬組成物を提供するこ
と。 【解決手段】 化学式(I)で表されるペプチド化合物
またはその薬理学的に許容される塩、並びにそれを有効
成分とする切迫早産の予防用または治療用の医薬組成
物。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ペプチド化合物に
関する。詳しくは選択的なオキシトシン受容体拮抗作用
を有するペプチド化合物またはその薬理学的に許容され
る塩、及びこれを有効成分とする医薬組成物に関する。
なお、本発明で提供されるペプチド化合物は、切迫早産
の予防または治療に特に有用である。
【0002】
【従来の技術】切迫早産は出生前での羅患および死亡の
主な原因であるが、現存の早産防止する方法は成功して
いるとは言えず、また顕著な副作用をもたらすことがあ
る。
【0003】この切迫早産の一つ大きな原因として、オ
キシトシンによる子宮収縮作用が考えられている。この
オキシトシンの作用は細胞膜上のオキシトシン受容体を
介していると考えられるため、オキシトシンとその受容
体の結合に拮抗する物質は、切迫早産の予防または治療
薬として有用である。
【0004】またオキシトシン受容体拮抗剤は、オキシ
トシンと構造が類似する抗利尿ホルモンであるバゾプレ
シンの受容体とも拮抗することが多い。このためオキシ
トシン受容体を選択的に拮抗することは血圧降下等の副
作用の少ない切迫早産の予防または治療薬として必須の
条件である。
【0005】従来オキシトシン受容体拮抗剤がいくつか
報告されている。実例を示せば、Endocrinology、81、1
267(1967)をはじめ、Endocrinology、106、81(1980)や
J.Med.Chem.、26、1607(1983)、またEndocrinology、8
8、173(1981)さらにObstet.andGynecol.Scand.、64、49
9(1985)にオキシトシン拮抗剤の報告がある。しかしな
がらこれらは活性及びオキシトシン受容体に対する選択
性の面で十分であるとは言い難い。
【0006】またPept.1994,Proc.Eur.Pept.Symp.,23rd
(1995)では、下記化学式で示されるオキシトシンアンタ
ゴニストが掲載されている。
【0007】
【化2】
【0008】さらに特表平10−507995号公報に
は、本発明化合物と同等のオキシトシン受容体拮抗活性
を有する下記化学式で示される化合物(III)が報告さ
れている。
【0009】
【化3】
【0010】しかしながら、本発明で提供されうるペプ
チド化合物(I)は、その構造中に塩基性アミノ酸のA
rg残基を有しておらず、前述の化合物(II)および化
合物(III)とは大きく構造を異にする。この構造上の
違いがオキシトシンおよびバゾプレシン受容体との親和
性に大きく寄与しており、本発明化合物はオキシトシン
受容体に対し選択的に拮抗する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、オキ
シトシン受容体に対し強力、且つ選択的な拮抗作用を有
する化合物(I)、及びこれを有効成分とする切迫早産
予防用または治療用の医薬組成物を提供することにあ
る。
【0012】
【問題を解決するための手段】本発明者らは上述の目的
を達成するため鋭意研究を重ねた結果、特定のペプチド
化合物またはその薬理学的に許容される塩を見出し、本
発明を完成するに至った。
【0013】すなわち、本発明の第1によれば、下記化
学式(I)で表されるペプチド化合物またはその薬理学
的に許容される塩が提供される。
【0014】
【化4】
【0015】また本発明の第2によれば、化合物(I)
またはその薬理学的に許容される塩を有効成分とするオ
キシトシン受容体拮抗剤が提供される。
【0016】また本発明の第3によれば、化合物(I)
またはその薬理学的に許容される塩を有効成分とする切
迫早産の予防用または治療用の医薬組成物が提供され
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に化合物(I)の製造方法に
ついて、いくつかの略語を使用しつつ説明するが、略語
の内容は以下の通りである。 (光学異性体)本明細書で使用するアミノ酸等において
光学異性体が存在する場合は、D体を使用する場合のみ
「D−」を付して示し、特に明示しない場合はL体を示
す。 (アミノ酸残基)Asn:アスパラギン、Ile:イソ
ロイシン、Gln:グルタミン、Pro:プロリン、T
rp:トリプトファン、Pen:ペニシラミン (保護基)Boc:t−ブトキシカルボニル、MBz
l:4−メトキシベンジル、Mts:メシチレンスルフ
ォニル (脱水縮合カップリング試薬)HOBt:1−ヒドロキ
シベンゾトリアゾール、DCC:ジシクロヘキシルカル
ボジイミド (溶媒)DIEA:ジイソプロピルエチルアミン、DC
M:ジクロロメタン、TFA:トリフルオロ酢酸、DM
F:N,N−ジメチルホルムアミド (その他)EM:エチルメルカプタン、PAM:フェニ
ルアセトアミドメチル、TPA(MBzl):下記構造
の化合物
【0018】
【化5】
【0019】化合物(I)は、一般的なペプチド合成法
である固相法あるいは液相法にて合成できる。固相法ま
たは液相法の選択に一般則等はなく、目的としたペプチ
ドの物性や必要量等で合成法を選択することになる。
【0020】固相法による化合物(I)の合成は、後記
実施例に示すように、PAM樹脂上に保護アミノ酸を活
性エステル法またはTBTU(2−(1H−ベンゾトリ
アゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチル
ウロニウム テトラフルオロボレート)法を繰り返して
導入したペプチド鎖を構築できる。液体フッ化水素処理
によりD−Trp残基側鎖のCHO(ホルミル)基以外
の全保護基と樹脂からペプチドを解離させた後、CHO
基を酢酸アンモニウム緩衝液(pH9.47)で除去
し、さらにフェリシアン化カリウムで環化させることが
できる。こうして得られる粗ペプチドを,逆相HPLC
を用いて分取精製し、本発明化合物を得ることができ
る。
【0021】本発明において、化合物(I)の「薬理学
的に許容される塩」とは、慣用の無毒性の塩すなわち酸
付加塩及び各種塩基との塩を挙げることができる。より
具体的には、塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸塩、酢酸、ク
エン酸、フマル酸、酒石酸等の有機酸塩、メタンスルホ
ン酸、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸塩及びア
ラニン、ロイシン、グルタミン酸等のアミノ酸塩並びに
アルカリ金属塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩
等)、アルカリ土類金属塩(例えばマグネシウム塩、カ
ルシウム塩等)等の無機塩基塩及びトリエチルアミン
塩、ピリジン塩、ピコリン塩、エタノールアミン塩、ト
リエタノールアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、
N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩等の有機アミ
ン塩が挙げられる。
【0022】化合物(I)は、水和物若しくは溶媒和物
または結晶多形の物質として単離されることがあるが、
これらもまた本発明に包含される。
【0023】化合物(I)は、オキシトシン受容体に対
し拮抗作用が強力なので、切迫早産予防または治療薬と
して使用することができる。
【0024】化合物(I)の投与形態としては、注射
剤、点鼻剤、点眼剤、パップ剤、軟膏剤、クリーム剤も
しくは坐剤等による非経口投与または錠剤、カプセル
剤、顆粒剤、散剤、吸入剤若しくはシロップ剤等による
経口投与を挙げることができる。これらの製剤を調製す
るに当たっては、医薬として許容される担体を用いて、
常法により製造することができる。
【0025】化合物(I)の薬剤としての投与量は、症
状の程度、患者の全身状態、年齢、体重、投与経路や剤
形等を考慮して適宜決定されるものであるが、有効成分
である化合物(I)の量に換算して、非経口投与の場合
は、通常一日当たり2μg〜20mg/kgであり、好
ましくは20μg〜2mg/kgである。また、通常一
回当たり1μg〜10mg/kgであり、好ましくは1
0μg〜1mg/kgである。また、経口投与の場合
は、通常一日当たり10μg〜100mg/kgであ
り、好ましくは100μg〜10mg/kgである。ま
た、通常一回当たり5μg〜50mg/kgであり、好
ましくは50μg〜5mg/kgである。
【0026】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではな
い。
【0027】本発明化合物は、ペプチド合成機(ABI 430
A型)を用い、Bocアミノ酸を用いる固相法により樹脂
上にペプチド鎖を構築した。その際の逆相HPLC分析
条件は以下に示した。
【0028】カラム:TSK gel ODS−120
T(4.6×250mm,東ソー社製) 溶出液:0.1% TFAaq./CH3CN70/30→
50/50(v/v,30min.) 検出波長:214mm、流速:1.0ml/min. また合成に用いた担体樹脂、保護アミノ酸、試薬を以下
に示す。
【0029】Boc−Pro−OCH2−PAM樹脂
(Boc−Pro:0.64mmol/g,0.5mm
ol),Boc−L−Pen(MBzl)−OH,Bo
c−Asn−OH,Boc−Gln−OH,Boc−I
le−OH,Boc−D−Trp(CHO)−OH,T
PA(MBzl) さらに縮合反応には活性エステル法またはTBTU法を
用いた。それぞれの方法については以下に記す。
【0030】(HOBtを用いる活性エステル法)導入
する保護アミノ酸、HOBtおよびDCCはいずれも2
mmol用い、縮合反応時間は120分間に設定した。
【0031】(TBTU法)導入する保護アミノ酸、H
OBtおよびTBTUはいずれも2mmo1用い、DI
EAは4mmo1用い、縮合反応時間は120分間に設
定した。さらに各アミノ酸導入時の反応の完結度はカイ
ザーテスト((Pen(MBzl)残基導入時はイサチ
ンテスト)で確認した。
【0032】[1]固相合成 (1)Boc−Pro−OCH2−PAM樹脂(0.5
mmol)を合成機の反応槽に添加し、DCM10ml
で3回洗浄後、DCM中で一夜放置、樹脂を充分に膨潤
させた。濾過後、上記樹脂に50%TFA/DCM溶液
10m1を添加し、約2分間攪拌した。濾過後さらに5
0%TFA/DCM溶液10m1を加え30分間攪拌処
理し、脱Boc反応を行った。反応終了後TFA溶液を
濾過し、DCM各10m1で3回洗浄、濾過した。
【0033】(2)10%DIEA/DMF溶液各10
mlで2回中和処理して残存するTFAを除去、アミノ
基を遊離させた。さらにDMF各10m1で6回洗浄、
濾過を繰り返し、残存するDIEAを除去した。
【0034】(3)次に、ここまでの操作と並行してB
oc−Pen(MBzl)−OHを活性化させた。すな
わち、Boc−Pen(MBzl)−OH(431m
g,2mmol)およびHOBt(306mg,2mm
ol)をDMF 4mlに溶解させ、別の反応槽に加え
てさらに0.5M DCC/DCM溶液4mlを添加し
窒素気流下、約40分間攪拌させて活性エステルに導い
た。
【0035】(4)得られた活性化溶液を先の樹脂の入
っている反応槽に添加、攪拌して縮合反応を開始した。
反応時間は120分間とし、縮合反応終了後、DMF各
10m1で3回、さらにDCM各10mlで6回洗浄、
濾過した。洗浄濾過後、樹脂の一部をカイザーテストに
供した。1個のアミノ酸の導入につき、カイザーテスト
(Pen(MBzl)導入時にはイサチンテスト)が陰
性になるまで縮合反応を操り返した。2回目以降の縮合
反応(リカップリング)では上記の(1)を除くステッ
プを繰り返し実施するのであるが、活性エステル法の場
合は上記(2)で10%DIEA/DMF溶液の洗浄を
1回だけとし、TBTU法では上記(2)の操作は実施
しなかった。
【0036】本合成で導入した保護アミノ酸および試薬
等の使用量は以下のとおりである。
【0037】
【表1】
【0038】アミノ酸をすべて導入後、得られた保護ペ
プチド樹脂は、DCM適量で充分洗浄後、減圧乾燥し
(収量:1270mg)全量をHF処理に供した。
【0039】[2]液体HF処理 樹脂からのペプチドの解離とTrp(CHO)残基のC
HO基を除く全保護基の除去を液体HF処理により行っ
た。 液体HF処理:[1]で得られた保護ペプチド樹脂12
70mgとテフロン被膜マグネットをHF反応容器に添
加し、アニソール1.3mlおよびEM1.3mlを加
えて室温減圧下で30分間放置した。反応容器を冷媒で
冷却し、再蒸留HF13mlを添加、−20℃で120
分間攪拌した。HFを減圧下留去し(アスピレーターで
1時間、真空ポンプで2時間)、残渣にジエチルエーテ
ル30mlを加えてサラサラになるまで攪拌した。吸引
濾過後、ジエチルエーテル各30mlで3回洗浄して減
圧乾燥した。
【0040】[3]抽出および脱CHO処理 [2]で得られたペプチド−樹脂混合物を充分に脱気し
冷却した1M酢酸30mlに添加、攪拌してペプチド成
分を溶解させた。吸引濾過後、濾液を素早く1500m
lの純水中に投じた。グラスフィルター上の濾取物をさ
らに冷1M酢酸各30mlで3回洗浄し、先の純水中に
素早く添加した。この希釈水溶液に、28%アンモ二ア
水13mlを滴下して、pH9.47とした。24.5
℃で約24時間攪拌して脱CHO反応を行った。
【0041】[4]環化反応 [3]で脱CHO反応終了確認後、反応液にK3[Fe
(CN)6]250mg/75mlH2Oを滴下して2
4.5℃で1時間攪拌した。原料消失確認後、BIO−
RAD社製強陰イオン交換樹脂「AG1−X2樹脂 C
I型ドライメッシュ200−400」15gを添加して
さらに1時間攪拌した。反応液が黄色から無色に変化し
たことを確認し、1M酢酸75mlを添加してpH6.
3とした。樹脂を吸引濾過で除去し純水各50mlで3
回洗浄した。
【0042】[5]脱塩 [4]で得られた濾液および洗液を逆相ODSカラムに
添加して、0.1%TFAaq.で洗浄して脱塩した。さ
らに0.1%TFAaq./CH3CN(50/50)で溶
出させて溶離してくる画分を分取した。CH3CNを減
圧留去後、凍結乾燥して粗製ペプチド124mgを得
た。
【0043】[6]逆相HPLCによる精製 [5]で得た粗製ペプチド10mgを0.1%TFAa
q.300μLに溶解させ、逆相カラムに添加し、下記の
条件で溶出させて化合物(I)を含む画分を分取した。
以下にHPLCの条件を記す。
【0044】カラム:TSK gel ODS−120
T(21.5×300mm,東ソー社製) 溶出液:0.1% TFAaq./CH3CN=65/35
(v/v) 検出波長:214mm、流速:8.0ml/min.
【0045】上記操作を繰り返し、分取した画分を集め
てCH3CNを減圧留去後、凍結乾燥して目的とする精
製ペプチド(N−[(4−メルカプトチアン−4−イ
ル)アセチル]−D−トリプトフィリル−L−イソロイ
シル−L−グルタミニル−L−アスパラギニル−3−メ
ルカプト−L−バリル−L−プロリン(S,S)−ジス
ルフィド)47.5mg(収率:59.4%)を得た。
【0046】 FABMS:960.3(C43619103) アミノ酸組成分析:Asp(1)0.94、Gln
(1)1.00、Pro(1)0.99、Ile(1)
0.96、Pen(1)0.30、Trp(1)0.8
3. TLC分析(使用担体:96−GF−245):Rf値
0.72(n−BuOH:AcOH:H2O=3:1:
1)、Rf値0.78(n−BuOH:AcOH:H2
O:Pyridine=4:1:1:1)
【0047】(試験例) 1.発情ラット子宮筋を用いたオキシトシン誘発子宮収
縮反応に対する作用[オキシトシン(OT)受容体に対
する作用] SD雌性ラットにエストラジオール1mg/kgを皮下
投与した。24時間後に子宮角を摘出し、小切片を作製
し、直ちにマグヌス装置に懸垂した。オーガンバスに1
0mlの栄養液(Munsick soln.)を満たし、37℃で9
5% O2−5% CO2の混合ガスを持続通気した。標
本には1gの懸垂負荷をかけ、1−2時間放置した後、
10-9M OTをオーガンバス内に投与した。OTによ
る安定した収縮波形を観察した後、本発明化合物あるい
は対照化合物をそれぞれ終濃度10-10〜10-6Mを累
積投与した。薬物投与後、5分間収縮波形を観察し、5
分間の振幅と頻度を測定した。本発明化合物(I)と化
合物(III)の結果を表2に示す。本発明化合物(I)
はオキシトシン誘発子宮収縮反応を用量依存的に抑制
し、IC50値は2.50×10-8Mであった。一方化合
物(III)のIC50値は3.08×10-8Mであった。
【0048】2.ラット摘出大動脈を用いたバゾプレシ
ン刺激による血管収縮反応に対する作用[バゾプレシン
V1a(V1a)受容体に対する作用] ラット腹大動脈を摘出した後、リング標本を作製し、直
ちにマグヌス装置に懸垂した。オーガンバスに10ml
の栄養液(Munsick soln.)を満たし、37℃で95%
2−5% CO2の混合ガスを持続通気した。標本には
0.5gの懸垂負荷をかけ、10-8Mのアルギニンバゾ
プレシン(AVP)をオーガンバス内に投与し、血管収
縮反応を観察した。本発明化合物(I)および化合物
(III)をそれぞれ終濃度10-9〜10-5Mを累積投与
した。AVPによる血管収縮反応に対して、各薬物によ
る弛緩反応を測定した。結果を表2に示す。本発明化合
物(I)はAVP刺激による血管収縮反応を10-5Mで
約30%阻害した。一方化合物(III)はAVP刺激に
よる血管収縮反応を用量依存的に抑制し、IC50値は
3.08×10-7Mであった。
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】以上のように本発明化合物は従来の化合
物と比較し、バゾプレシン受容体よりオキシトシン受容
体に対し極めて選択的な拮抗作用を有しているため、循
環器への作用がより弱い切迫早産治療薬を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大野 徳雄 東京都中央区日本橋本町二丁目2番6号 三菱東京製薬株式会社内 Fターム(参考) 4C084 AA02 AA07 BA01 BA08 BA17 BA32 MA01 NA14 ZA812 ZC422 4H045 AA10 AA30 BA14 EA26 FA40 FA44 FA58 GA25 HA02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学式(I)で表されるペプチド化合物
    またはその薬理学的に許容される塩。 【化1】
  2. 【請求項2】 請求項1記載の化合物またはその薬理学
    的に許容される塩を有効成分とするオキシトシン受容体
    拮抗剤。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の化合物またはその薬理学
    的に許容される塩を有効成分とする切迫早産の予防用ま
    たは治療用の医薬組成物。
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