JP2002137790A - 水難者の救助具および救助方法 - Google Patents

水難者の救助具および救助方法

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JP2002137790A JP2000336154A JP2000336154A JP2002137790A JP 2002137790 A JP2002137790 A JP 2002137790A JP 2000336154 A JP2000336154 A JP 2000336154A JP 2000336154 A JP2000336154 A JP 2000336154A JP 2002137790 A JP2002137790 A JP 2002137790A
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Atsushi Suga
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Kokusai Kako KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 海上あるいは河川における水難事故におい
て、自力で移動が困難な水難者の救助を可能とするこ
と。 【解決手段】 発射体、該発射体に索を介して接続され
ている膨張可能な浮き袋、そして該浮き袋に接続された
二本の救命索を含む水難者の救助具を水難者の救助に利
用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水難事故における
水難者を救助するため救助具、およびそれを用いた水難
者の救助方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】海上あるいは河川における水難事故にお
いて、水上を漂流している水難者あるいは河川の増水に
伴い中州に取り残された水難者等を救助する場合、救助
船が水難者に接近して救命具を投与するか、あるいはヘ
リコプターにより空から救命具を投与して水難者を引き
上げるのが一般的である。水難事故が発生する状況で
は、天候状態が悪い場合が多い。そのため、救助船ある
いはヘリコプターが水難者に接近出来ない場合が多い。
また、救命具を水難者に人力で投与する方法では、飛距
離が短く、投与する方向が正確でない問題があった。従
って、人力により救命具を投与すると、場合によっては
数回の投与が必要であり、緊急かつ確実に水難者を救助
するには好ましい方法とは言えない。また、船舶には海
上での事故に備えて、救命索発射装置が常備されてい
る。救命索発射装置は、救命索の一旦が固定された発射
体を発射する救命装置である。救命索発射装置を用いる
ことにより、救命索を正確にかつ遠距離まで到達させる
ことができる。
【0003】このような救命索発射装置は、事故や故障
などで動けなくなった船舶と救助船を、救命索を用いて
固定するために用いられる。従って、発射体や救命索は
頑丈に設計され重いために、水中に沈んでしまう。従っ
て、人命救助に限って使用する場合には不便な点が多
い。また、救命索とともに浮き袋を水難者に(発射によ
り)投与する救助具も用いられ、より安全な水難者の救
助が可能となった。この救助具には救命索に浮き袋が設
けられているために、救命索が水中深くには沈まない。
従って水難者が、水難者の付近に投与された浮き袋ある
いは救命索に近づいて掴まり、その後に、救助者が陸上
あるいは船舶から救命索を引き寄せることで、水難者の
救助ができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、水難事故にお
いては、水難者が衰弱していたり、怪我をしている場合
もある。この様な場合、投与された救命具(救命索ある
いは浮き袋)まで水難者が泳いで近寄ることができず、
従来の救助具を用いても救助は困難である。また、衰弱
あるいは怪我の程度によっては、水難者は救命索あるい
は浮き袋を掴むこともできない場合もある。特に冬季に
発生した水難事故においては、水難者の体力の消耗が激
しく、体が凍えてしまい、水難者が充分に救命索を掴め
ないこともある。本発明の目的は、救命索あるいは浮き
袋に自力で近寄ることのできない、衰弱したあるいは怪
我をした水難者を救助することのできる救助具を提供す
ることにある。また本発明の目的は、衰弱あるいは怪我
により救命索あるいは浮き袋に掴まることさえできない
水難者も救助可能な救助具を提供することにある。また
本発明の目的は、これらの水難者を救助する有効な救助
方法を提供することにもある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者の鋭意研究の結
果、救命索を二本有する救助具により、水難者が救命索
あるいは浮き袋に近寄るのではなく、逆にそれらを水難
者に確実に近寄らせることにより、上記の問題を解決で
きることを見出した。
【0006】従って本発明は、発射体、該発射体に索を
介して接続されている膨張可能な浮き袋、そして該浮き
袋に接続された二本の救命索を含む水難者の救助具にあ
る。この救助具においては、発射体が内部に推進薬を有
するロケット弾であることが好ましい。あるいは、浮き
袋に、水との接触によって浮き袋内に気体を充填する器
具を備えていることが好ましい。あるいは、救命索の浮
き袋側とは反対側の端部が救命索容器に接続しているこ
とも好ましい。
【0007】また本発明は、海面、河川の水面、もしく
は湖沼の水面で漂流している水難者に対して、陸上もし
くは船舶から、本発明の救助具の発射体を、水難者の漂
流位置よりも遠方に、発射体と浮き袋とが着水するよう
に発射し、浮き袋を、着水直前もしくは着水直後に膨張
させることによって、該浮き袋と、二本の救命索とによ
り海面もしくは水面に三角形状の救命区画を形成する操
作、次いで救命索を陸上もしくは船舶に引き寄せること
によって、水難者を浮き袋もしくはその近傍の救命索に
つかまらせる操作、そしてさらに救命索を引き寄せる操
作を含む、水難者を陸上もしくは船舶に救助する方法に
もある。また本発明の水難者の救助方法においては、浮
き袋と二本以上の救命索とにより海面もしくは水面に三
角形状の救命区画を形成した後に、該救命索の陸上もし
くは船舶側の端部を互いに近接させて、三角形状の救命
区画の幅を狭める操作を行うこともできる。
【0008】更にまた本発明は、発射体、該発射体に索
を介して接続されている膨張可能な浮き袋、該浮き袋に
接続された二本以上の救命索、そして二本の救命索の
間、浮き袋側の端部に近接した位置に、両救命索の間に
渡された状態で備えられている網体を含む水難者の救助
具にもある。この救助具においては、発射体が内部に推
進薬を有するロケット弾であることが好ましい。あるい
は、浮き袋に、水との接触によって浮き袋内に気体を充
填する器具を備えていることが好ましい。あるいは、救
命索の浮き袋側とは反対側の端部が救命索容器に接続し
ていることも好ましい。
【0009】そして更にまた本発明は、海面、河川の水
面、もしくは湖沼の水面で漂流している水難者に対し
て、陸上もしくは船舶から、本発明の網体を有する救助
具の発射体を、水難者の漂流位置よりも遠方に、発射体
と浮き袋とが着水するように発射し、浮き袋を、着水直
前もしくは着水直後に膨張させることによって、該浮き
袋と、二本以上の救命索とにより海面もしくは水面に三
角形状の救命区画を形成し、網体を広げる操作、次いで
救命索を陸上もしくは船舶に引き寄せることによって、
水難者を浮き袋もしくは網体につかまらせる操作、そし
てさらに救命索を引き寄せる操作を含む、水難者を陸上
もしくは船舶に救助する方法にもある。
【0010】
【発明の実施の形態】まず、従来より救助具として用い
られている救命索発射装置について説明する。救命索発
射装置は、救命索の一旦が固定された発射体を発射する
救助具である。救命索発射装置は、基本的には、救命
索、救命索の一端が固定された発射体、および発射体を
目的の場所まで飛行させるための発射器から構成されて
いる。この発射体には推進薬が装填されている。一方、
発射器には、機械的または電気的な点火装置が設けられ
ている。発射器の発射筒に設置された発射体は、点火レ
バーなどの操作により点火装置を作動させることによ
り、発射体の推進薬が点火され、その燃焼による噴出ガ
スが発射体の後部に設けられたノズルから噴出すること
により、発射筒から発射されて飛行するものである。ま
た、水難者までの距離が比較的短い場合には、発射器と
して銃砲を用い、発射体として銃弾を用いることもでき
る。
【0011】[救助具の構成]以下に、本発明の救助具
について添付図面を参照しながら説明する。図1に、本
発明の救助具の構成を模式的に示す。本発明の救助具
は、発射器1、浮き袋容器2、そして2つの救命索容器
3、4からなる。発射器1の発射筒5には、発射体6が
収容されている。発射体6の後端部と、浮き袋容器2に
収容されている浮き袋7は、救命索8を介して接続され
ている。また、浮き袋7には二本の救命索9、10の各
々の一端が接続され、残りの大部分の救命索はそれぞれ
救命索容器3、4に収容されている。発射器1の点火装
置を作動させることにより、発射体6の内部に装填され
た推進薬が燃焼し、その燃焼ガスがノズル26から噴出
することにより、発射体6は発射されて水難者の方向に
飛行する。同時に、発射体6の後端部に救命索8を介し
て接続された浮き袋7と、浮き袋に接続された二本の救
命索9、10も水難者に向かって飛行し、投与される。
また、膨張前の浮き袋を浮き袋容器2に収容して、飛行
させることで、その飛行方向を安定させることができ
る。後述するが、浮き袋は着水直前あるいは着水直後に
膨張させる。
【0012】[発射器]図2に、発射器1の部分断面図
を示す。発射器1は、発射体6が収容されている金属製
の発射筒5と、点火レバー11および点火装置12など
から構成されている。発射体6を飛行させる推進薬13
への伝火は、以下のように行われる。まず、固定孔14
を貫通する安全ピン(図示は略する)を引き抜くことに
より安全装置を外す。そして点火レバー11を引くと、
連動シャフト15および駆動カム16が作動して、バネ
17の先端に連結された撃針18は、撃針止め(図示は
略する)により固定されていたのがはずれ、点火装置1
2の銃用雷管19に撃突する。この衝撃により銃用雷管
19は爆発して発火し、次いで点火薬室に装填された点
火薬20が点火される。この点火薬20の燃焼により、
発射体6に装填された推進薬13は伝火される。そし
て、推進薬13の燃焼ガスがノズル26から噴出するこ
とにより、発射体6は発射筒5から発射され、水難者の
方向へと飛行する。
【0013】[発射体]次に、図2を用いて発射体につ
いて説明する。発射体5は、発射体本体21と、その側
面に設けられた一個のガイドフレーム22からなる。ガ
イドフレームは、発射体本体の軸方向に沿って側面の対
称な位置に設けられ、ガイドフレーム22の後端部には
さらにガイドフレームの付属品として、自在金具23、
ワイヤジョイント24、救命索8の一端がこの順で連結
されている。発射体本体21は、内部に装填された推進
薬13と、推進薬の燃焼により発生するガスを噴出する
ノズル26を備えたロケット弾である。また、発射体本
体21は、ガイドフレーム22が本体の側面に左右対称
に位置するようにして発射筒5に収納させる。
【0014】[浮き袋容器]次に、図1を用いて浮き袋
容器について説明する。浮き袋容器2は、円筒状の浮き
袋収容筒27からなり、その内部には浮き袋7が収容さ
れている。浮き袋の形状に特に限定はないが、浮き輪の
形状であることが好ましい。この浮き袋収容筒27は、
着水すると分割して、内部の浮き袋が露出する仕組みで
ある。この浮き袋収容筒27を分割させる仕組みは以下
の通りである。先ず、円筒状の浮き袋収容筒27を予
め、円筒の軸方向に二分しておく。次に、浮き袋7を浮
き袋収容筒27で囲み、その周囲を水溶性の梱包材28
(図において波線で示した)で包む。この水溶性の梱包
材28の材料に特に制限はなく、水に溶けやすい材料あ
るいは水に浸かることでその機械的強度が弱くなる材料
を用いればよい。梱包材28の材料の例としては、繊維
状の水溶性セルロース誘導体などを主成分とする水溶紙
や贋皮紙などを挙げることができる。これにより、浮き
袋収容筒27が投与されて水面に着水したときに、梱包
材が水に浸って溶けることで、浮き袋収容筒は分割す
る。また、浮き袋収容筒の一部を予めこれらの水溶紙を
用いて形成しても良い。
【0015】また、飛行中の空気抵抗を抑えるために、
浮き袋収容筒の飛行方向の先端に、円錐状のカウリング
29を設けても良い。カウリングの材質に特に制限はな
いが、重量を軽くするために、紙製もしくは発泡樹脂製
であることが好ましい。また、カウリングが紙製もしく
は発泡樹脂製であると、万が一、浮き袋収容筒が水難者
に衝突しても、その衝撃を和らげることができる。ま
た、発射器の底面に容器を付設し、その中に浮き袋容器
を収容して、発射器1と浮き袋容器2を一体としてもよ
い。
【0016】浮き袋7には、開栓具30を介して、浮き
袋を膨張させる気体が封入された圧縮気体容器31が備
えられている。この開栓具30が動作して、圧縮気体容
器31が開栓すると、内部に収容されている気体が瞬時
に浮き袋7へと移動し、浮き袋7は膨張する。この開栓
具30の動作方法に特に限定はないが、本発明において
は、水に着水すると動作する開栓具を用いた。この開栓
具の内部には、水溶性紙によりバネの先端に固定された
撃針が備えられており、水に浸かることでバネの固定が
外れて撃針が圧縮気体容器を開栓する。なお、浮き袋を
膨張する方法は、前記の例に限定されない。例えば、救
命索にそって信号線を併設し、電気信号により動作する
バルブなどを浮き袋に設けて開栓具としてもよい。
【0017】[救命索容器]2つの救命索容器3、4
は、それぞれ救命索9、10が収容されている。救命索
容器3に収容されている救命索9の一端は、浮き袋容器
2に収容されている浮き袋7に接続されている。救命索
9の他の一端は、救命索容器3の内部に固定するか、あ
るいは、救命索容器の後尾から外に引き出される。同様
に、救命索容器4に収容されている救命索10の一端
は、浮き袋容器2に収容されている浮き袋7に接続され
ている。救命索10の他の一端は、救命索容器4の内部
に固定するか、あるいは、救命索容器の後尾から外に引
き出される。このように、本発明の救助具は、従来とは
異なり2本の救命索9、10を有することに特徴があ
る。また、2本の救命索が接続された浮き袋7には、さ
らに一端が発射体の後尾に接続された救命索8の残りの
端が接続されている。また、救命索容器3、4には持ち
運びを容易とするために取っ手を設けても良い。
【0018】救命索には、所望の位置に救命索同士の接
続具を設け、適当な位置で分割可能とすることもでき
る。例えば図1においては、接続具32が設けられてい
る。この接続具を設けることにより、救命索9の救命索
容器3への収容や、救助具の準備が容易となるために好
ましい。また、救助具を保管する際に、発射器と、浮き
袋容器、そして二つの救命索容器を分離して保管できる
と都合がよいので、それぞれの間に接続具を設けても
い。また、水難者から救命索が確認しやすいように、救
命索に蛍光塗料を塗布してもよい。また、救命索に電気
配線を併設して電球を設けることもできる。
【0019】また、2本の救命索9、10の間の、浮き
袋側の端部に近接した位置に、両救命索の間に、網体を
渡された状態でもうけることで、本発明の別の救助具と
することができる。網体の材質に特に制限はないが、天
然繊維あるいは化学繊維からなるネットを例として挙げ
ることができる。また、網体の救命索容器側には1つあ
るいはそれ以上の重りを設けることが好ましい。網体の
救命索間への配置の仕方は、後述の水難者の救助法の説
明において図示する。網体の有無で救助の方法や救助の
効果も異なる。以下、この網体を有する救助具を「網体
付き救助具」、網体を有しない救助具を「網体なし救助
具」と記載する。
【0020】[水難者の救助方法] (網体なし救助具を用いた水難者の救助方法)まず最初
に、網体なし救助具を用いた水難者の救助方法につい
て、添付の図面を用いて説明する。図3は、水難者を救
助する準備の手順を示す概念図である。まず陸地40に
居る救助者46は、発射器1を水難者45の方向に向け
て、陸地40に置く。そして、二つの救命索容器3、4
を発射器の両側に間隔を以て配置する。この時、救命索
容器の内部に収容された救命索の一端は、救命索容器よ
りそとに引き出し、陸地の適当な固定物41(杭、樹
木、柵なそ)に結びつけて固定することもできる。ま
た、救命索容器の内部に収容された救命索の一端は、救
命索容器内部に固定されていてもよい。そして、救助具
の発射体を、水難者の漂流位置よりも遠方に、発射体と
浮き袋とが着水するように発射し、浮き袋を、着水直前
もしくは着水直後に膨張させることによって、該浮き袋
と、二本の救命索とにより海面もしくは水面に三角形状
の救命区画を形成する。このときの状態を図4に示す。
二本の救命索9および10に挟まれた領域が救命区画で
ある。次いで救命索を陸上もしくは船舶に引き寄せるこ
とによって、救命索9および10は、それぞれ9’およ
び10’の位置に移動して、救命区画は小さくなる。こ
こで、水難者45は浮き袋もしくは救命索に掴まること
ができる。そしてさらに救命索を引き寄せることにより
水難者を陸地に救助することができる。
【0021】この救助方法を用いることにより、水難者
自身は自力で移動する必要はない。従って、衰弱した水
難者の体力の消耗を抑えることができる。また、怪我を
して移動が困難な水難者の救助もできる。また、二名の
救助者が、それぞれの救命索を同時に引き寄せれば、迅
速に救助ができるので好ましい。一名の救助者が一方の
救命索のみを引き寄せても救命区画は小さくなっていく
ので救助は可能である。また救命索容器を固定物に固定
せずに、二名の救助者が救命索を引き寄せながらお互い
の距離を縮めれば、さらに迅速に救助が行える。また、
救命索容器を固定物に固定せずに、一名の救助者が救命
索を投与後に二つの救命索容器を近づけ、二本の救命索
を同時に引き寄せることによっても迅速な救助が行え
る。
【0022】(網体付き救助具を用いた水難者の救助方
法)次に、網体付きの救助具を用いた水難者の救助方法
について説明する。発射器を用いた発射の手順は、上記
の網体なしの救助具の場合と同様に行えば良いので説明
は省略する。発射体を発射後の状態を図5に示す。図5
に示したように、二本の救命索9、10の間の浮き袋7
に近い側に、網体42が渡された状態で備えられてい
る。このように網体42が水難者の上に着水すれば、水
難者は即座に網体に掴まることができ、さらに迅速な救
助が可能となる。また、複数の水難者が存在しても、同
時に網体に掴まることができ、迅速な救助が可能であ
る。本発明の網体付き救助具のさらに優れている特徴
は、水難者が怪我あるいは衰弱により、救命索に近寄れ
ないだけでなく、救命索に掴まることもできない水難者
も救助できることである。この救助具の発射体が水面に
投与された状態の配置を図6に示す。図6に示したよう
に、網体42の陸地側には重り43が備えられている。
この重り43により、網体42が投与された際には、そ
の救助者側が海44中に沈むように工夫されている。こ
の状態で、救命索9を引き寄せれば、救命索すら掴めな
い水難者45も、水難者の下方から網体42ですくい上
げるように網体の上にのせることができる。この状態で
救命索9を引き寄せれば、網体が水面を移動するタンカ
の役割をして、水難者を救助することができる。この網
体付き救助具も前記と同様に複数の救助者で救助を行え
ば、より迅速な救助が可能である。
【0023】なお、本発明の救助具および救助方法を説
明するために、便宜上、上記の具体的な救助具を例示し
て説明をしたが、本発明は上記の救助具や発射体の推進
方法のみに限定されるわけではない。本発明の救助具に
おける発射体の推進には、上記に記載の(発射体に装填
された)推進薬から発生する燃焼ガスを用いることがで
きるが、以下の方法を用いてもよい。例えば、最も簡便
な発射体の推進方法として、人力による発射体の投与
(推進)が挙げられる。水難者の漂流位置が陸地から近
い場合には、人力により発射体を投与することも有効で
ある。この場合、発射体に推進薬を充填する必要はない
し、発射体は単なる錘であっても構わない。また発射体
を浮き袋そのものとしてもよい。あるいは発射体内部に
浮き袋などを収容してもよい。このように人力で投与を
する救助具は、救助具に点火装置などを設ける必要が無
いために救助具の構造を簡単にすることができる。水難
者の漂流位置が陸地から近い場合には、人力による投与
によっても救命具の投与方向を比較的正確に設定でき
る。また、発射体を弾性体の反発力(バネなどを用い
る)や収縮力(ゴムなどを用いる)を利用して推進させ
ても構わない。この様な推進方法を採用した救助具は人
力の場合より投与方向が安定する。また、発射体の内部
に装填された推進薬の代わりに気体を圧縮して封入し、
推進の際に圧縮された気体を噴出させることにより発射
体を推進させてもよい。また、前記の様に、発射器とし
て銃砲を用い、発射体として銃弾を用いることもでき
る。
【0024】例示したこれらの推進方法は、救助具が常
備される場所により適宜選定すればよい。すなわち、河
川などに救助具を常備する場合は、発射体はロケット弾
である必要はなく、人力、圧縮空気、もしくは弾性体の
反発力などを利用して発射体を推進させる救助具を用い
れば充分である。海水浴場などでは水難者の漂流場所が
陸地より遠い場合が想定されるので、発射体をロケット
弾とした救助具を常備することが好ましい。上記各種の
推進方法を用いる救助具は、設計により発射体の飛距離
を容易に調整できるため、用途にあわせて予め発射体の
飛距離の調整をしておくことも好ましい。
【0025】
【発明の効果】本発明の救助具は、水難事故における水
難者の救助に非常に適している。すなわち、本発明の救
助具を用いることにより、これまでの救助具では迅速な
救助が困難であった、自力で救命具(浮き袋や救命索)
に近寄れない水難者も迅速に救助することができる。ま
た、衰弱あるいは怪我により救命具を掴むことができな
い水難者の救助はこれまで極めて困難であったが、本発
明の救助具を用いることで救助することができる。そし
て、本発明の救助具を用いた水難者の救助方法を用いる
ことにより、海上あるいは河川における水難者を迅速か
つ確実に救助することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の救助具の構成を模式的に示す
図である。
【図2】図2は、発射器の構成を示す部分断面図であ
る。
【図3】図3は、本発明の救助具を用いて水難者を救助
する場合の、救助具の準備の手順を示す図である。
【図4】図4は、本発明の救助具を用いる水難者の救助
の手順を示す図である。
【図5】図5は、本発明の網体付き救助具を用いる水難
者の救助の手順を示す図である。
【図6】図6は、本発明の網体付き救助具を用いる水難
者の別な救助の手順を示す図である。
【符号の説明】
1 発射器 2 浮き袋容器 3、4 救命索容器 5 発射筒 6 発射体 7 浮き袋 8、9、10 救命索 11 点火レバー 12 点火装置 13 推進薬 14 固定孔 15 連動シャフト 16 駆動カム 17 バネ 18 撃針 19 銃用雷管 20 点火薬 21 発射体本体 22 ガイドフレーム 23 自在金具 24 ワイヤジョイント 25 ヘッド 26 ノズル 27 浮き袋収容筒 28 梱包材 29 カウリング 30 開栓具 31 圧縮気体容器 32 接続具 40 陸地 41 固定物 42 網体 43 重り 44 海 45 水難者 46 救助者

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発射体、該発射体に索を介して接続され
    ている膨張可能な浮き袋、そして該浮き袋に接続された
    二本の救命索を含む水難者の救助具。
  2. 【請求項2】 発射体が内部に推進薬を有するロケット
    弾であることを特徴とする請求項1に記載の救助具。
  3. 【請求項3】 浮き袋に、水との接触によって浮き袋内
    に気体を充填する器具を備えていることを特徴とする請
    求項1もしくは2に記載の救助具。
  4. 【請求項4】 救命索の浮き袋側とは反対側の端部が救
    命索容器に接続していることを特徴とする請求項1乃至
    3のうちのいずれかの項に記載の救助具。
  5. 【請求項5】 海面、河川の水面、もしくは湖沼の水面
    で漂流している水難者に対して、陸上もしくは船舶か
    ら、請求項1乃至4のうちのいずれかの項に記載の救助
    具の発射体を、水難者の漂流位置よりも遠方に、発射体
    と浮き袋とが着水するように発射し、浮き袋を、着水直
    前もしくは着水直後に膨張させることによって、該浮き
    袋と、二本の救命索とにより海面もしくは水面に三角形
    状の救命区画を形成する操作、次いで救命索を陸上もし
    くは船舶に引き寄せることによって、水難者を浮き袋も
    しくはその近傍の救命索につかまらせる操作、そしてさ
    らに救命索を引き寄せる操作を含む、水難者を陸上もし
    くは船舶に救助する方法。
  6. 【請求項6】 浮き袋と二本以上の救命索とにより海面
    もしくは水面に三角形状の救命区画を形成した後に、該
    救命索の陸上もしくは船舶側の端部を互いに近接させ
    て、三角形状の救命区画の幅を狭める操作を行うことを
    特徴とする請求項5に記載の救助方法。
  7. 【請求項7】 発射体、該発射体に索を介して接続され
    ている膨張可能な浮き袋、該浮き袋に接続された二本以
    上の救命索、そして二本の救命索の間、浮き袋側の端部
    に近接した位置に、両救命索の間に渡された状態で備え
    られている網体を含む水難者の救助具。
  8. 【請求項8】 発射体が内部に推進薬を有するロケット
    弾であることを特徴とする請求項7に記載の救助具。
  9. 【請求項9】 浮き袋に、水との接触によって浮き袋内
    に気体を充填する器具を備えていることを特徴とする請
    求項7もしくは8に記載の救助具。
  10. 【請求項10】 救命索の浮き袋側とは反対側の端部が
    救命索容器に接続していることを特徴とする請求項7乃
    至9のうちのいずれかの項に記載の救助具。
  11. 【請求項11】 海面、河川の水面、もしくは湖沼の水
    面で漂流している水難者に対して、陸上もしくは船舶か
    ら、請求項8乃至11のうちのいずれかの項に記載の救
    助具の発射体を、水難者の漂流位置よりも遠方に、発射
    体と浮き袋とが着水するように発射し、浮き袋を、着水
    直前もしくは着水直後に膨張させることによって、該浮
    き袋と、二本以上の救命索とにより海面もしくは水面に
    三角形状の救命区画を形成し、網体を広げる操作、次い
    で救命索を陸上もしくは船舶に引き寄せることによっ
    て、水難者を浮き袋もしくは網体につかまらせる操作、
    そしてさらに救命索を引き寄せる操作を含む、水難者を
    陸上もしくは船舶に救助する方法。
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