JP2002135076A - 弾性表面波デバイスおよびその製造方法 - Google Patents

弾性表面波デバイスおよびその製造方法

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JP2002135076A
JP2002135076A JP2000328723A JP2000328723A JP2002135076A JP 2002135076 A JP2002135076 A JP 2002135076A JP 2000328723 A JP2000328723 A JP 2000328723A JP 2000328723 A JP2000328723 A JP 2000328723A JP 2002135076 A JP2002135076 A JP 2002135076A
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acoustic wave
surface acoustic
wave device
adhesive
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JP2000328723A
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Keiji Onishi
慶治 大西
Hiroteru Satou
浩輝 佐藤
Katsunori Moritoki
克典 守時
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着剤の厚さが均一であり、その周波数温度
係数がばらつかない積層化された弾性表面波デバイスを
提供する。 【解決手段】 弾性表面波デバイスは、櫛形電極103
が形成された第1の基板101と、該第1の基板102
に接着剤104により接着された第2の基板102とを
備えている。第1の基板101と第2の基板102とを
接着する接着剤104には粒状介在物105が含まれ、
これにより接着剤104の厚さが均一化され、弾性表面
波デバイスに周波数温度係数のばらつきが生じないよう
になっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動体通信機器等
に使用される弾性表面波デバイスおよびその製造方法に
関するものであって、とくに積層基板を用いた弾性表面
波デバイスおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】移動体通信機器の発展にともない、該機
器を構成するキーデバイスの1つである弾性表面波デバ
イスの高性能化が求められている。しかしながら、近年
の移動体通信システムにみられるように、送信帯域と受
信帯域とが近接している場合は、使用温度範囲にわたっ
て急峻なカットオフ特性を実現することが困難となって
いる。これは、従来の弾性表面波デバイスに用いられる
圧電基板の特性に起因する。すなわち、従来の圧電基板
は、システムの要求帯域幅を実現するのに十分な結合係
数を有しているものの、一般に周波数温度係数が大きい
からである。
【0003】そこで、1997年に開催されたIEEE
超音波学シンポジウムの会報の第227〜230頁(Pr
oc. 1997 IEEE Ultrasonics Symposium、pp.227
‐230)や、特願平11−155347号の明細書にも
開示されているように、既存の圧電基板と、該圧電基板
とは熱膨張係数の異なる補助基板とを張り合わせること
により、結合係数が大きくかつ温度安定性に優れた特性
をもたせるようにした弾性表面波デバイスが提案されて
いる。
【0004】以下、特願平11−155347号の明細
書に開示されている弾性表面波デバイスに基づいて、従
来の弾性表面波デバイスの特徴および問題点を説明す
る。図7は、従来の弾性表面波デバイスの概略構成を示
す断面図である。図7において、201は第1の基板で
あり、202は第2の基板であり、203は櫛形電極で
あり、204は接着剤である。第1の基板201の材料
としては、例えば、36°YカットX伝搬のタンタル酸
リチウム単結晶が用いられ、第2の基板202の材料と
しては、第1の基板201の弾性表面波伝搬方向の熱膨
張係数よりも小さい熱膨張係数を有するガラス基板が用
いられる。
【0005】ここで、第1の基板201の厚さは、第2
の基板202の厚さに比べて十分に小さく(薄く)、か
つ弾性表面波の波長に比べて十分大きく(厚く)なるよ
うに設定される。例えば、1GHz帯で動作する弾性表
面波デバイスでは、弾性表面波の波長が4μm程度とな
るので、第1の基板201の厚さは30μm程度に設定
され、第2の基板202の厚さは320μm程度に設定
される。第1の基板201と第2の基板202とは、接
着剤204により接合されている。
【0006】このような構造を備えた弾性表面波デバイ
スにおいては、その周囲の温度が変化すると、第1の基
板201と第2の基板202との間の熱膨張係数差によ
り、第1の基板201に応力が発生する。その結果、第
1の基板201を構成する圧電基板の非線形性により弾
性表面波伝搬速度が変化し、周波数温度係数が変化す
る。したがって、常温近傍で応力が発生しないように基
板同士を接着積層することにより、既存の圧電基板の特
性を維持しつつ、その周波数温度係数を制御することが
できるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の弾性表面波デバイスでは、接着剤(接着層)の厚さ
を均一に保つことが困難であり、かつ接着剤(接着層)
での応力緩和量を一定にすることが困難である。このた
め、圧電基板表面に作用する熱応力に依存する弾性表面
波デバイスの周波数温度係数がばらつくといった問題が
ある。
【0008】また、積層基板の薄板化工程において、接
着剤(接着層)の厚さのばらつきが圧電基板の厚さのば
らつきに反映されるので、弾性表面波デバイスの周波数
温度係数がばらつくといった問題がある。本発明は、前
記従来の問題を解決するためになされたものであって、
接着剤(接着層)の厚さが均一であり、安定した周波数
温度係数を有する弾性表面波デバイスを提供することを
目的ないしは解決すべき課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めになされた本発明にかかる弾性表面波デバイスは、櫛
形電極が形成された第1の基板と、該第1の基板に接着
剤(接着層)により接着された第2の基板とを備えた弾
性表面波デバイスにおいて、第1の基板と第2の基板と
を接着する接着剤(接着層)に粒状介在物が含まれてい
ることを特徴とするものである。また、前記弾性表面波
デバイスは、粒状介在物が導電性材料または磁性材料を
含んでいることを特徴としている。なお、前記弾性表面
波デバイスにおいては、第1の基板の両主面(広がり
面)に鏡面加工が施されていてもよい。
【0010】前記弾性表面波デバイスを製造するため
の、本発明にかかる弾性表面波デバイスの製造方法は、
櫛形電極が形成された第1の基板と、該第1の基板に接
着剤(接着層)により接着された第2の基板とを備えて
いる弾性表面波デバイスの製造方法において、高周波誘
導加熱により前記接着剤(接着層)を硬化させる工程を
備えていることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
1〜図6を用いて詳細に説明する。 1.実施の形態1 (実施の形態1の基本形)図1は、本発明の実施の形態
1にかかる弾性表面波デバイスの概略構成を示す断面図
である。図1において、101は第1の基板であり、1
02は第2の基板であり、103は櫛形電極であり、1
04は接着剤(接着層)であり、105は粒状介在物で
ある。この実施の形態1では、第1の基板101の材料
として、36°YカットX伝搬のタンタル酸リチウムが
用いられている。また、第2の基板102の材料とし
て、第1の基板101の弾性表面波伝搬方向の熱膨張係
数よりも小さい熱膨張係数を有する石英ガラスが用いら
れている。
【0012】以下、本発明の実施の形態1にかかる弾性
表面波デバイスの構造を、その製造プロセスと関連させ
ながら詳細に説明する。まず、その両主面が弾性表面波
の波長に比べて大きい面粗さを有する第1の基板101
を準備する。この実施の形態1では、例えば、平均粒径
が10μm程度の砥粒が用いられる。ここで、両主面を
同様に粗化することにより、第1の基板101の平行度
を向上させることができる。さらに、全体の基板厚さを
勘案して、厚さ320μmの第2の基板102を準備す
る。第2の基板102は、その両主面に鏡面加工が施さ
れているものが用いられる。
【0013】該製造プロセスにおける出発材料である第
1の基板101の反りは、基板面内における第1の基板
101の厚さのばらつきを招くので、この実施の形態1
のように、基板両面を同等に粗化した基板を使用するの
が好ましい。これは、第2の基板102についても同様
であり、両面研磨が施された反りのない基板を使用する
のが好ましい。第1の基板101および第2の基板10
2を洗浄した後、第1の基板101に、粒状介在物10
5を分散させた接着剤104をスピンコートする。この
実施の形態1においては、粒状介在物105として、第
1の基板101の面粗さと同程度の平均粒径(10μ
m)をもつシリカ球が用いられる。また、接着剤104
としては、エポキシ系の紫外線硬化樹脂が用いられる。
【0014】次に、接着剤104が塗布された第1の基
板101と第2の基板102とを重ね合わせ、紫外線を
第2の基板102側から照射して、接着剤104を硬化
させる。その際、第1の基板101側から加重を印加す
る。接着剤104内には粒径の均一な粒状介在物105
が分散しており、接着剤104(接着層)の厚さは粒状
介在物105の大きさによって規定されるので、接着剤
104(接着層)の厚さが均一な積層基板を得ることが
できる。
【0015】弾性表面波デバイスの周波数温度係数は、
弾性表面波が伝搬する第1の基板101の表面の熱応力
によって変化する。実施の形態1のような構造では、接
着剤104の弾性率が、第1の基板101または第2の
基板102のそれに比べて小さいので、接着剤104
(接着層)の厚さが第1の基板101の表面に発生する
熱応力を大きく左右する。その結果、接着剤104(接
着層)の厚さのばらつきが、弾性表面波デバイスの周波
数温度係数のばらつきを招きやすい。しかしながら、実
施の形態1では、接着剤104(接着層)の厚さを均一
にすることができるので、周波数温度係数が安定した弾
性表面波デバイスを得ることができる。
【0016】また、接着剤104中に、該接着剤104
に比べて弾性率の大きい粒状介在物105を分散させる
ことにより、接着剤104の見かけ上の弾性率を高める
ことができ、弾性表面波デバイスの周波数温度係数をよ
り改善することができる。以上の工程までは、直径7.
6mm(3インチ)の基板を用いている。次に、第1の
基板101の主面上に、通常のフォトリソグラフィ手法
を用いて、弾性表面波を励振させるための櫛形電極10
3を複数個同時に形成する。この後、個々に分割するこ
とにより、弾性表面波デバイスを得る。
【0017】このように、基板積層後に櫛形電極103
を形成するので、フォトリソグラフィ工程において基板
の反りを最小限にするために、常温硬化型の接着剤を用
いるのが好ましい。したがって、この実施の形態1で
は、接着剤104としてエポキシ系の紫外線硬化樹脂が
用いられるが、常温近傍で硬化接着できるものであれば
その他のものでもよい。例えば、紫外線硬化と熱硬化と
の併用接着剤であっても、常温において基板の反りが発
生しなければよい。また、この実施の形態1では、粒状
介在物105としてシリカ球が用いられているが、アル
ミナなど他の材料からなる粒状介在物であっても、その
粒径が均一であれば同様の効果を得ることができる。
【0018】(実施の形態1の変形例1)図2は、図1
に示す実施の形態1(基本形)にかかる弾性表面波デバ
イスとは粒状介在物の構成が異なる、実施の形態1の変
形例1にかかる弾性表面波デバイスの概略構成を示す断
面図である。図2に示すように、この変形例1では、粒
状介在物105の材料として、導電性を備えた材料が用
いられている。なお、図2において、101は第1の基
板であり、102は第2の基板であり、103は櫛形電
極であり、104は接着剤(接着層)である。
【0019】このような導電性を有する粒状介在物10
5としては、金属球や、プラスチック球に金属メッキを
施したものなどを使用することができる。この変形例1
にかかる弾性表面波デバイスによっても、実施の形態1
の基本形の場合と同様の効果を得ることができる。ま
た、導電性を備えた粒状介在物105を用いているの
で、嫌気性の接着剤を用いることができる。この場合、
常温で強固な接着を得ることができる。
【0020】(実施の形態1の変形例2)図3は、図1
に示す実施の形態1(基本形)にかかる弾性表面波デバ
イスとは粒状介在物の構成が異なる、実施の形態1の変
形例2にかかる弾性表面波デバイスの概略構成を示す断
面図である。図3に示すように、この変形例2では、粒
状介在物105の材料として、ニッケルなどの磁性材料
が用いられている。この変形例2では、高周波誘導加熱
により、粒状介在物105のみを短時間で加熱すること
が可能であり、例えば熱硬化型の接着剤104を用いた
場合であっても、積層基板の硬化後の反りを最小限に抑
えることができる。
【0021】(実施の形態1の変形例3)図4は、図1
に示す実施の形態1(基本形)にかかる弾性表面波デバ
イスとは第2の基板の構成が異なる、実施の形態1の変
形例3にかかる弾性表面波デバイスの概略構成を示す断
面図である。図4に示すように、この変形例3では、第
2の基板102は、その接着面が粗化された構造を有し
ている。この変形例3においても、粒状介在物105を
接着剤104内に分散させることにより、均一な接着剤
104(接着層)を有する弾性表面波デバイスを得るこ
とができる。なお、図示していないが、第2の基板10
2の両面を粗化してもよい。
【0022】(実施の形態1の変形例4)図5は、図1
に示す実施の形態1(基本形)にかかる弾性表面波デバ
イスとは粒状介在物の構成が異なる、実施の形態1の変
形例4にかかる弾性表面波デバイスの概略構成を示す断
面図である。図1に示す実施の形態1(基本形)では、
第1の基板101の平均の面粗さと同程度の粒径をもつ
粒状介在物105が用いられている。なお、平均の面粗
さよりも大きい粒径をもつ粒状介在物を用いても、同様
の効果を得ることができる。
【0023】一方、図5に示すように、この変形例4で
は、平均面粗さよりも、粒径が小さい粒状介在物105
が用いられている。この変形例4では、接着剤104内
に分散する粒状介在物105の量を増加させることによ
り、実施の形態1の基本形の場合と同様の効果を得るこ
とができる。
【0024】ところで、変形例1〜4も含めて本発明の
実施の形態1においては、第1の基板101の材料とし
て、36°YカットX伝搬のタンタル酸リチウムが用い
られている。しかしながら、他のカット角または他の圧
電基板を用いても同様の効果を得ることができる。ま
た、第2の基板102の材料として石英基板(石英ガラ
ス)が用いられているが、第2の基板102の材料はこ
れに限定されるものではなく、第1の基板101の材質
に応じて選ぶことができるものである。
【0025】以上のように、櫛形電極103が形成され
た第1の基板101と、第1の基板101に接着剤10
4により接着された第2の基板102とを備えた弾性表
面波デバイスにおいては、第1の基板101と第2の基
板102とを接着する接着剤104に粒状介在物105
を備えることにより、接着剤104(接着層)の厚さを
均一にすることができ、安定した周波数温度係数を有す
る弾性表面波デバイスを得ることができる。また、接着
剤104に比べて弾性率の大きい粒状介在物105を備
えることにより、接着剤104(接着層)の見かけ上の
弾性率を高めることができ、弾性表面波デバイスの周波
数温度係数をさらに改善することができる。
【0026】また、粒状介在物105を導電性材料とす
ることにより、接着剤104として嫌気性の接着剤を用
いることが可能となり、常温で強固な接着を得ることが
できる。また、粒状介在物105を磁性材料とすること
により、高周波誘導加熱による短時間熱硬化が可能とな
り、熱硬化型の接着剤104を用いた場合であっても、
接着後の積層基板の反りを最小限に抑えることができ
る。
【0027】2.実施の形態2 図6は、本発明の実施の形態2にかかる弾性表面波デバ
イスの概略構成を示す断面図である。図6において、1
01は第1の基板であり、102は第2の基板であり、
103は櫛形電極であり、104は接着剤(接着層)で
あり、105は粒状介在物である。実施の形態2におい
ても、第1の基板101の材料として、36°Yカット
X伝搬のタンタル酸リチウムが用いられている。また、
第2の基板102の材料として、第1の基板101の弾
性表面波伝搬方向の熱膨張係数よりも小さい熱膨張係数
を有する石英ガラスが用いられている。
【0028】実施の形態2にかかる弾性表面波デバイス
の製造プロセスは、基本的には実施の形態1と同様であ
るが、第1の基板101の接着面は鏡面とされている
(鏡面加工が施される)。また、粒状介在物105とし
ては、シリカ球からなるものが用いられる。第1の基板
101で励振された弾性表面波は、基板深さ方向にも伝
搬する。深さ方向に伝搬した弾性表面波は、接着面で反
射してスプリアスの発現などといった特性劣化を招くこ
とがある。しかしながら、第1の基板101に接するよ
うに接着剤104に粒状介在物105を分散させること
により、第1の基板101を粗化した場合と同様の効果
を得ることができる。
【0029】該製造プロセスの出発材料である第1の基
板101の反りは、基板面内での第1の基板101の厚
さのばらつきを招くため、この実施の形態2のように、
両面鏡面基板を使用するのが好ましい。また、粒状介在
物105として、第1の基板101と音響インピーダン
スが大きく異なる導電性介在物や磁性介在物を使用する
場合は、弾性表面波の散乱効果が大きくなり、第1の基
板101の厚さが薄くなった場合においても、スプリア
スを抑制する効果が大きい。
【0030】ここで、粒状介在物105として磁性材料
を用いることにより、高周波誘導加熱による熱硬化型接
着剤を利用することができるのは、実施の形態1の場合
と同様である。また、実施の形態2においては、第1の
基板101として、36°YカットX伝搬のタンタル酸
リチウムが用いられるが、他のカット角または他の圧電
基板を用いても同様の効果を得ることができる。また、
第2の基板102の材料として石英基板(石英ガラス)
が用いられているが、第2の基板102の材料はこれに
限定されるものではなく、第1の基板101の材質に応
じて選ぶことができるものである。
【0031】以上のように、櫛形電極103が形成され
た第1の基板101と、第1の基板101に接着剤10
4により接着された第2の基板102とを備えた弾性表
面波デバイスにおいて、第1の基板101と第2の基板
102とを接着する接着剤104に粒状介在物105を
備えることより、接着剤104(接着層)の厚さを均一
にすることができ、安定した周波数温度係数を有する弾
性表面波デバイスを得ることができる。また、接着剤1
04に比べて弾性率の大きい粒状介在物105を備える
ことにより、接着剤104(接着層)の見かけ上の弾性
率を高めることができ、弾性表面波デバイスの周波数温
度係数をより改善することができる。
【0032】ここで、粒状介在物105を導電性材料と
することにより、接着剤104として嫌気性の接着剤を
用いることが可能となり、常温で強固な接着を得ること
ができる。また、粒状介在物105を磁性材料とするこ
とにより、高周波誘導加熱による短時間熱硬化が可能と
なり、熱硬化型の接着剤104を用いる場合であって
も、接着後の積層基板の反りを最小限に抑えることがで
きる。
【0033】ここで、第1の基板101の接着面は鏡面
であるが、粒状介在物105を第1の基板101に接す
るように分散させることにより、接着面を粗化した場合
と同様に、スプリアスを抑制することができる。また、
第1の基板101の接着面を鏡面とすることにより、粗
面の場合に比べて平均の接着剤104(接着層)の厚さ
を薄くすることができるので、より周波数温度係数の小
さい弾性表面波デバイスを得ることができる。
【0034】
【発明の効果】前記のとおり、本発明にかかる弾性表面
波デバイスは、櫛形電極が形成された第1の基板と該第
1の基板に接着剤により接着された第2の基板とを備
え、第1の基板と第2の基板とを接着する接着剤に粒状
介在物が含まれている。ここで、粒状介在物は、導電性
材料または磁性材料からなる。また、前記弾性表面波デ
バイスの製造方法は、高周波誘導加熱により接着剤を硬
化させる工程を備えている。
【0035】このため、接着剤(接着層)の厚さを均一
にすることができ、安定した周波数温度係数を有する弾
性表面波デバイスを得ることができる。また、接着剤に
比べて弾性率の大きい粒状介在物を備えることにより、
接着剤(接着層)の見かけ上の弾性率を高めることがで
き、弾性表面波デバイスの周波数温度係数をより改善す
ることができる。
【0036】ここで、粒状介在物を導電性材料とするこ
とにより、接着剤として嫌気性の接着剤を用いることが
可能となり、常温で強固な接着を得ることができる。ま
た、粒状介在物を磁性材料とすることにより、高周波誘
導加熱による短時間熱硬化が可能となり、熱硬化型の接
着剤を用いた場合であっても、接着後の積層基板の反り
を最小限に抑えることができる。
【0037】また、第1の基板の接着面が鏡面である場
合でも、粒状介在物を第1の基板に接するように分散さ
せることにより、接着面を粗化した場合と同様に、スプ
リアスを抑制することができる。なお、第1の基板の接
着面を鏡面とすることにより、粗面の場合と比べて、平
均の(接着剤)の接着層の厚さを薄くすることができ
る。このため、より周波数温度係数の小さい弾性表面波
デバイスを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1にかかる弾性表面波デ
バイスの構成を示す断面図である。
【図2】 実施の形態1の変形例1にかかる弾性表面波
デバイスの構成を示す断面図である。
【図3】 実施の形態1の変形例2にかかる弾性表面波
デバイスの構成を示す断面図である。
【図4】 実施の形態1の変形例3にかかる弾性表面波
デバイスの構成を示す断面図である。
【図5】 実施の形態1の変形例4にかかる弾性表面波
デバイスの構成を示す断面図である。
【図6】 本発明の実施の形態2にかかる弾性表面波デ
バイスの構成を示す断面図である。
【図7】 従来の弾性表面波デバイスの構成を示す断面
図である。
【符号の説明】
101…第1の基板、102…第2の基板、103…櫛
形電極、104…接着剤、105…粒状介在物、201
…第1の基板、202…第2の基板、203…櫛形電
極、204…接着剤。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 守時 克典 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5J097 AA14 AA21 AA34 EE08 GG03 HA03 JJ03 KK09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 櫛形電極が形成された第1の基板と、該
    第1の基板に接着剤により接着された第2の基板とを備
    えている弾性表面波デバイスにおいて、 前記第1の基板と前記第2の基板とを接着する前記接着
    剤に粒状介在物が含まれていることを特徴とする弾性表
    面波デバイス。
  2. 【請求項2】 前記粒状介在物が導電性材料を含んでい
    ることを特徴とする請求項1に記載の弾性表面波デバイ
    ス。
  3. 【請求項3】 前記粒状介在物が磁性材料を含んでいる
    ことを特徴とする請求項1に記載の弾性表面波デバイ
    ス。
  4. 【請求項4】 前記第1の基板の両主面に鏡面加工が施
    されていることを特徴とする請求項1に記載の弾性表面
    波デバイス。
  5. 【請求項5】 櫛形電極が形成された第1の基板と、該
    第1の基板に接着剤により接着された第2の基板とを備
    えている弾性表面波デバイスの製造方法において、 高周波誘導加熱により前記接着剤を硬化させる工程を備
    えていることを特徴とする弾性表面波デバイスの製造方
    法。
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