JP2002026684A - 弾性表面波素子 - Google Patents

弾性表面波素子

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JP2002026684A
JP2002026684A JP2000201874A JP2000201874A JP2002026684A JP 2002026684 A JP2002026684 A JP 2002026684A JP 2000201874 A JP2000201874 A JP 2000201874A JP 2000201874 A JP2000201874 A JP 2000201874A JP 2002026684 A JP2002026684 A JP 2002026684A
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temperature
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Hiroteru Satou
浩輝 佐藤
Keiji Onishi
慶治 大西
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 伝搬基板と補助基板とを直接接合によって積
層化しているため、熱処理の際の温度によっては、積層
化した基板に作用する熱応力によって積層化した基板に
不具合が生じることがあり、基板の組み合わせにおいて
制限を受ける。 【解決手段】 圧電基板からなる伝搬基板11と、前記
伝搬基板に接着層14を介して積層された補助基板12
と、前記伝搬基板11の接着面と反対側の面上に形成さ
れた弾性表面波を励振する櫛形電極13とを備え、前記
接着剤14の硬化物のガラス転移点をTgとしたとき前
記Tgが−30℃以上にすることで、圧電基板の電気機
械結合係数等の諸特性を変化させることなく、良好な温
度特性を有し、また温度特性の設計自由度の高い弾性表
面波素子を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動体通信機器等
に使用される弾性表面波素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、衛星通信や携帯電話をはじめとす
る移動体通信技術の発達にともなって、移動体通信機器
の高性能化が進んでいる。これらの機器には必ず高周波
フィルタや共振子といったデバイスが必要であり、これ
らのデバイスに対しても高性能化が求められている。従
来から、これらのデバイスとしては弾性表面波素子が広
く用いられている。
【0003】弾性表面波素子の特性は、主に弾性表面波
が伝搬する圧電基板によって決まるが、圧電基板の特性
として重要なのは、電気機械結合係数と温度依存性であ
る。電気機械結合係数は、弾性表面波素子によって構成
されるフィルタの通過周波数帯域幅や、共振子の尖鋭度
(Q値)に関わる量であり、温度依存性は、温度変化に
対してのフィルタの中心周波数の変動量や、共振子の共
振周波数の変動量に関わるものである。また、電気機械
結合係数や温度依存性は圧電基板の材料および基板方位
に固有である。
【0004】弾性表面波素子を形成する圧電基板に要求
される特性は、たとえば高周波帯域においては通過帯域
を広く確保するため、電気機械結合係数が大きいこと、
また、周波数変動を抑制するため、温度依存性が小さい
ことである。しかしながら、既存の圧電基板について
は、電気機械結合係数が大きいものは、温度依存性も大
きい。このために、フィルタ等のデバイスを設計の面か
らは、電気機械結合係数が大きく、温度依存性が小さい
圧電基板が望まれていた。この既存の圧電基板としての
一例を図7に示す。図7において、31は伝搬基板で、
33は櫛型電極である。
【0005】この課題を解決する方法のひとつとして、
既存の圧電基板と他の基板材料とを組み合わせる方法が
提案されている。
【0006】その方法のひとつとして、特開平6−32
6553号公報に開示されている温度特性改善方法があ
る。この方法は、基板表面を清浄化、親水化処理して、
重ね合わせ熱処理することによって原子レベルで直接接
合して、熱膨張係数の異なる基板を積層化した基板を用
いるものであり、基板単独の場合と比較して積層化した
基板の実質的な熱膨張係数は変化し、その結果弾性表面
波素子の温度依存性を変化させるものである。
【0007】以下に、特開平6−326553号公報に
示される温度特性改善方法に基づく、従来の弾性表面波
素子について説明する。
【0008】図6は直接接合による積層基板を用いた従
来の弾性表面波素子の模式的断面図である。図6におい
て、31は圧電基板である伝搬基板、32は低熱膨張係
数材料を用いた補助基板、33は櫛形電極である。伝搬
基板31と補助基板32とは、基板表面を清浄化、親水
化処理して、重ね合わせ熱処理して直接接合され積層さ
れている。伝搬基板31としてはタンタル酸リチウムや
ニオブ酸リチウムが用いられる。伝搬基板31の厚みは
通常、使用波長の5倍以上である。伝搬基板31と補助
基板32の熱膨張係数が異なることから積層化した基板
の実質的な熱膨張係数は変化し、弾性表面波素子の温度
依存性も変化する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の弾性表面波素子は、以下のような課題を有してい
る。
【0010】従来の弾性表面波の温度特性は、弾性波が
伝搬する方向における、伝搬基板の熱膨張係数と補助基
板の熱膨張係数および、伝搬基板の絶対厚みで決定す
る。たとえば、温度依存性を小さくするには、伝搬基板
の熱膨張係数と補助基板の熱膨張係数の差を大きくとる
か、または、伝搬基板の絶対厚みを薄くすればよい。
【0011】しかし、従来の弾性表面波素子は、伝搬基
板と補助基板とを直接接合によって積層化しているた
め、接合を強化するための高温の熱処理が必要である
が、伝搬基板の熱膨張係数と補助基板の熱膨張係数の差
が大きい場合、熱処理の際の温度によっては、積層化し
た基板に作用する熱応力によって積層化した基板に不具
合が生じることがある。伝搬基板と補助基板との厚み
比、および伝搬基板の絶対厚みにもよるが、300℃以
上の温度で熱処理を行うと、場合によっては基板破砕を
生じることがある。そのため、従来の弾性弾性表面波
は、基板の組み合わせにおいて制限を受ける。
【0012】本発明は、このような従来の弾性表面波素
子において、温度特性制御の自由度に制限があるという
課題を考慮し、良好な温度特性を有する弾性表面波素子
を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる弾性表面
波素子は、圧電基板からなる伝搬基板と、前記伝搬基板
に接着層を介して積層された補助基板と、前記伝搬基板
の接着面と反対側の面上に形成された弾性表面波を励振
する櫛形電極とを備え、前記接着剤の硬化物のガラス転
移点をTgとしたとき前記Tgが−30℃以上であるこ
とを特徴とする。この構成によれば、圧電基板の電気機
械結合係数等の諸特性を変化させることなく、良好な温
度特性を有し、また温度特性の設計自由度の高い弾性表
面波素子を得ることができる。
【0014】また、伝搬基板の厚さが弾性表面波の使用
波長の1波長以上の厚みを有することによって、音速や
電気機械結合係数等の伝搬特性を良好にできる。これ
は、弾性表面波が伝搬基板の表面から使用波長の1波長
以内の深さにエネルギーの大半が集中する変位分布から
であり、本願発明の構成にすることによって、エネルギ
ーの集中分布を避けることができるからである。
【0015】また、弾性波伝搬方向における前記伝搬基
板の熱膨張係数が前記補助基板の熱膨張係数より大きい
ことにより、弾性表面波素子の遅延時間温度係数(TC
D)を減少させることができ、弾性表面波素子の温度特
性を補償を行うことができる。
【0016】また、接着層の厚みが10μm以下である
ことにより、さらなる特性の改善が図れる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0018】図1は本発明の実施の形態における弾性表
面波素子の断面図である。また図2は、図1に示してあ
る(a)−(a)’部での断面図である。図1、図2に
示す弾性表面波素子は、圧電基板である伝搬基板11、
補助基板12、櫛形電極13、接着層14で構成されて
いる。本実施の形態の弾性表面波素子においては、伝搬
基板11と補助基板12とが接着層14を介して接合さ
れ、積層化されている。櫛形電極13は、伝搬基板11
の補助基板12との接着面と反対側の面上に形成されて
いる。なお、図1、図2には、櫛形電極を用いた弾性表
面波素子の基本構成を示しているが、フィルタや共振子
に用いる場合には、櫛形電極13の数や構成を必要に応
じて変更する。
【0019】次に、本実施の形態の弾性表面波素子の動
作を説明する。櫛形電極13に交番電界を印加すること
によって、弾性表面波が励振され、伝搬基板11表面に
沿って弾性表面波が伝搬する。この弾性表面波は櫛形電
極13で再び電気信号に変換される。以上によって、弾
性表面波素子として機能する。
【0020】次に、本実施の形態の弾性表面波素子の温
度特性補償方法について説明する。
【0021】まず、温度依存性について説明する。弾性
表面波素子の遅延時間温度係数(TCD)は、伝搬基板
11の弾性波伝搬方向の熱膨張係数から弾性表面波速度
の温度係数(TCV)を差し引いたもので近似的に表さ
れる。また、TCVは主に伝搬基板11の弾性定数の温
度係数と、伝搬基板11の密度の温度係数に依存し、ニ
オブ酸リチウムやタンタル酸リチウムなどの電気機械結
合係数の大きい基板は、TCVは負値である。
【0022】本実施の形態においては、補助基板12が
伝搬基板11より厚く、また弾性表面波の伝搬方向の熱
膨張係数の大きな伝搬基板11と、弾性表面波の伝搬方
向の熱膨張係数の小さな補助基板12を接合しているた
め、正の温度変化に対して伝搬基板11の表面近傍では
圧縮応力が作用し、伝搬基板11単体の場合よりも伝搬
基板11の伸びが抑制される。同時に応力によって弾性
定数および弾性定数温度係数の変化も生じる。前記弾性
定数変化はTCVの減少に寄与し、伝搬基板11単体の
場合よりもTCVは減少する。最終的には、弾性表面波
伝搬方向の熱膨張係数が小さくなることとあわせ、前記
弾性表面波素子のTCDは減少する。以上によって、本
実施の形態の弾性表面波素子の温度特性補償が行われ
る。
【0023】続いて、本実施の形態の弾性表面波素子の
温度特性について図面を用いて説明する。
【0024】図3は本実施の形態の弾性表面波素子の周
波数温度変動を模式的に表すものであり、図7に示す本
実施の形態と同一の伝搬基板11の単体を用いた弾性表
面波素子の周波数温度特性を破線で、本実施の形態の弾
性表面波素子の周波数温度特性を実線で示している。
【0025】ここで、周波数温度特性とは温度特性を表
す指標量のひとつである。周波数温度特性を考える温度
範囲は、弾性表面波素子で構成するフィルタや共振子の
使用温度範囲である−30℃から80℃とする。また、
ここでは、接着層14の硬化温度が室温であり、接着層
14のガラス転移温度(Tg)が室温より高い場合につ
いて説明する。
【0026】本実施の形態の弾性表面波素子は、接着層
14のガラス転移温度(Tg)をしきい値としてその温
度特性が変化する。これは、Tgより低温の温度範囲に
おいては、補助基板12からの応力が樹脂層14を介し
て伝搬基板11に伝達することによって温度特性変動が
抑制される、すなわち温度特性が改善されるためであ
る。
【0027】一方、Tgを超える温度範囲においては、
本実施の形態の弾性表面波素子における接着層14の硬
化物がガラス転移することによって、伝搬基板11と補
助基板12との間ですべりが生じて、補助基板12から
の応力が伝搬基板11に作用しない。したがって伝搬基
板11は、補助基板12がない場合と同様な伸縮をする
ため、温度特性は従来の弾性表面波素子のTCFに近づ
き、さらに温度が高くなると温度特性は同等になる。
【0028】図4は本実施の形態において、基板組み合
わせは同一で、Tgが異なる基板を用いた弾性表面波素
子の周波数温度特性を表したものである。ここで、Tg
としてTg(1)[℃]、Tg(2)[℃]を選び、T
g(1)<Tg(2)である。
【0029】図4において、接着層14のTgがTg
(1)である弾性表面波素子の周波数温度特性を実線
で、接着層14のTgがTg(2)である弾性表面波素
子の周波数温度特性を破線で示している。本実施の形態
では、接着層14のTgを高くすることによって、接着
層14がガラス転移しない温度範囲を広げることができ
るため、周波数変動量を抑制することができる。
【0030】このようにTgを弾性表面波素子の使用温
度範囲に設定することによって、弾性表面波素子の温度
特性を変化させることができる。
【0031】また、Tgが機器使用温度の下限よりも高
くなければ、温度特性の改善が得られないため、Tgは
−30℃よりも高いことが必要である。
【0032】次に、本実施の形態の弾性表面波素子の製
造プロセスについて説明する。本実施の形態の弾性表面
波素子の製造プロセスで重要なのは積層基板形成であ
る。この積層基板形成方法について説明する。
【0033】積層基板形成は、伝搬基板11と補助基板
12とを貼り付けるプロセスと、伝搬基板11を薄板化
するプロセスからなる。まず、基板の貼り付けについて
説明する。
【0034】伝搬基板11、および補助基板12の接着
予定面を通常の基板洗浄方法で清浄化する。次に、スピ
ンコータを用いて伝搬基板11の接着予定面に接着剤を
塗布し、接着層14を形成する。本実施の形態では接着
層14を形成する接着剤として、エポキシ系で粘度が2
00cpsのものを用いた。
【0035】また、本実施の形態においては、伝搬基板
11上に接着剤を塗布してから基板貼り付けを行ってい
るが、補助基板12上に接着剤を塗布して貼り付けても
よい。また、伝搬基板11と補助基板12の両方に接着
剤を塗布してから貼り付けてもよい。
【0036】接着剤の塗布後、接着層14に補助基板1
2を圧着し、接着層14を硬化させて、積層基板を得
る。本実施の形態では、接着剤として紫外線硬化性を用
いたので、得られた積層基板に紫外線波長が375nm
のランプを10分間当てることによって接着剤を硬化し
て、接着層14を形成した。このとき、接着層の厚みは
5μmであった。以上のプロセスは室温付近の温度で行
う。
【0037】また、本実施の形態においては、接着剤が
よくなじむように、伝搬基板11の接着予定面を研削処
理によってGC1000番の荒さにあらかじめ荒してお
いた。
【0038】また、基板表面は通常の洗浄方法に加え
て、カップリング剤を用いてメチル基終端すると、基板
表面と接着剤とのぬれ性が向上する。この方法に限らな
いが、基板表面と接着剤とのぬれ性を向上させておくこ
とで、接着剤を薄く塗布し、接着層14を薄くすること
ができる。
【0039】また、本実施の形態においては接着剤の塗
布をスピンコーターで行ったが、接着層14を薄くかつ
均一にできるものであれば塗布方法は問わない。
【0040】次に伝搬基板11の薄板化について説明す
る。まず得られた積層基板の伝搬基板11部分を研削工
程によって薄くする。研削前の伝搬基板11の厚みは2
00μmである。研削工程の後、メカノケミカルポリッ
シングによって、伝搬基板11表面を鏡面に仕上げ、最
終的に厚みを30μmまで加工する。
【0041】なお、本実施の形態においては、基板貼り
付けを行ってから伝搬基板11を薄く加工したが、予め
伝搬基板11を薄板化しておいてから基板貼り付けを行
ってもよい。
【0042】以上のプロセスによって積層基板が形成さ
れる。得られた積層基板の伝搬基板11上に、フォトリ
ソグラフィーによって櫛形電極13を形成する。以上の
プロセスを経て、本実施の形態における弾性表面波素子
は製造される。
【0043】以上の方法によって製造された弾性表面波
素子の温度依存性を確認するため、圧電基板単体を用い
た弾性表面波素子と、本実施の形態における弾性表面波
素子について、周波数温度変動を測定し、比較を行っ
た。周波数温度変動とは温度依存性を表す量のひとつで
あり、周波数変動量が小さいほど温度依存性が小さいこ
とを示す。
【0044】圧電基板単体を用いた弾性表面波素子の基
板として36°回転YカットX伝搬タンタル酸リチウム
を用いた。また、本実施の形態における弾性表面波素子
においては、伝搬基板11として厚さ30μmの36°
回転YカットX伝搬のタンタル酸リチウム基板を用い、
補助基板12として厚さ300μmの低熱膨張ガラス基
板を用いている。ここで36°回転YカットX伝搬のタ
ンタル酸リチウム基板の熱膨張係数は16ppm/℃、
ガラス基板の熱膨張係数は3ppm/℃である。
【0045】また、接着層14の厚みは5μmであり、
使用弾性表面波の波長は7μmである。弾性表面波は、
伝搬基板11表面から使用波長の1波長以内の深さにエ
ネルギーの大半が集中する変位分布を持つ。そのため伝
搬基板11厚みが1波長以上であれば、伝搬基板11裏
面に補助基板12を貼り付けても、音速や電気機械結合
係数といった弾性表面波の伝搬特性が変化することはな
い。
【0046】図5に−30℃から80℃の温度範囲にお
ける本実施の形態の弾性表面波素子の周波数温度変化の
測定結果を示す。圧電基板単体を用いた弾性表面波素子
の周波数変動量が4500ppmであるのに対し、本実
施の形態における弾性表面波素子は3500ppmと温
度依存性が改善されていることが確認された。また、室
温における周波数応答を比較したところ、素子の違いに
よる特性の差は見られなかった。
【0047】また、本実施の形態における弾性表面波素
子は、接着層の厚みによって温度特性を変化させること
ができる。弾性表面波素子の周波数温度変化について、
接着層の厚み依存性を測定したところ、接着層の厚みが
増すと温度特性改善量が徐々に小さくなり、接着層の厚
みが10μmを超えると、温度特性の改善が行われない
ことがわかった。本実施の形態においては接着層の厚み
が5μmであったが、さらに接着層を薄くすることによ
って、より効果的に伝搬基板に応力が作用し、温度特性
の改善効果を得ることができる。
【0048】以上のように本実施の形態の弾性表面波素
子は、電気機械結合係数等の諸特性を変化させず、良好
な温度特性を有し、また、温度依存性を抑制するもので
ある。
【0049】また、本実施の形態においては接着剤とし
て紫外線照射によって硬化する接着剤を用いたが、接着
剤はこれに限るものではない。たとえば、熱硬化性の接
着材であっても、室温付近の温度で硬化するものは、室
温において積層基板に応力が残留せず好ましい。室温に
おいて積層基板に応力が残留しなければ、室温において
積層基板には反りが生じないので、積層基板に対して、
現行のフォトリソグラフィーを用いることができる利点
がある。
【0050】また、本実施の形態は、基板接合に接着剤
を用いるので、基板接合において高温熱処理工程が不要
であるため、熱処理工程における熱応力による基板破砕
のおそれがない。
【0051】また、本実施の形態は、基板接合に接着剤
を用いることによって、基板接合において高温熱処理が
不要となるため、任意の熱膨張係数の基板を組み合わせ
ることが可能で、さまざまな温度特性の弾性表面波素子
を得ることができる。
【0052】また、本実施の形態においては、伝搬基板
11としてタンタル酸リチウム、基板方位として36°
回転YカットX伝搬を用いたが、これに限らず、ニオブ
酸リチウム、ホウ酸リチウム、ランガサイトなどの電気
機械結合係数の大きい基板材料および基板方位を用いて
もよい。本実施の形態で得られるさまざまな温度特性
は、圧電基板11と伝搬基板12の積層方法に起因する
ものであるため、伝搬基板11材料、および基板方位が
異なっても同様な効果が得られるのは言うまでもない。
【0053】
【発明の効果】以上説明したところから明らかなよう
に、本発明は、圧電基板の電気機械結合係数等の諸特性
を変化させることなく、良好な温度特性を有し、また温
度特性の設計自由度の高い弾性表面波素子を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における弾性表面波素子の
斜視図および模式的断面図
【図2】図1のa−a’部での断面図
【図3】本発明の実施の形態における弾性表面波素子の
周波数温度特性の模式的説明図
【図4】本発明の実施の形態における弾性表面波素子の
周波数温度特性の模式的説明図
【図5】本発明の実施の形態における弾性表面波素子の
周波数温度特性の測定結果を示す図
【図6】従来の弾性表面波素子の模式的断面図
【図7】単体の伝搬基板を用いた弾性表面波素子の模式
的断面図
【符号の説明】
11,31 伝搬基板 12,32 補助基板 13,33 櫛形電極 14 接着層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電基板からなる伝搬基板と、前記伝搬
    基板に接着層を介して積層された補助基板と、前記伝搬
    基板の接着面と反対側の面上に形成された弾性表面波を
    励振する櫛形電極とを備え、前記接着層のガラス転移点
    をTgとしたとき前記Tgが−30℃以上であることを
    特徴とする弾性表面波素子。
  2. 【請求項2】 補助基板の厚さが前記伝搬基板の厚さよ
    りも厚いことを特徴とする請求項1記載の弾性表面波素
    子。
  3. 【請求項3】 伝搬基板の厚さが弾性表面波の使用波長
    の1波長以上の厚みであることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の弾性表面波素子。
  4. 【請求項4】 Tgが室温以上であることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれかに記載の弾性表面波素子。
  5. 【請求項5】 弾性波伝搬方向における前記伝搬基板の
    熱膨張係数が前記補助基板の熱膨張係数より大きいこと
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の弾性表面
    波素子。
  6. 【請求項6】 接着層の厚みが10μm以下であること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の弾性表面
    波素子。
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