JP2002134328A - コイル - Google Patents

コイル

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JP2002134328A
JP2002134328A JP2000320325A JP2000320325A JP2002134328A JP 2002134328 A JP2002134328 A JP 2002134328A JP 2000320325 A JP2000320325 A JP 2000320325A JP 2000320325 A JP2000320325 A JP 2000320325A JP 2002134328 A JP2002134328 A JP 2002134328A
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magnetic
core
magnetic core
coil
plates
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JP2000320325A
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Osamu Kazama
修 風間
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Nippon Koden Corp
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Nippon Koden Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 径が小さくて済み、漏れ磁束が少なく、高調
波抑制ができる(例えば、EMI規格(IEC1000
−3−2)を満たす)コイルを提供する。 【解決手段】 磁性板を積層したE型の第1のコア(磁
心)11と、異なる材質の磁性板を各磁性板の間に絶縁
物を挟んで積層してなるI型の第2のコア(磁心)12
とにより構成されている。第1の磁心と前記第2の磁心
とを近接させて閉磁路を構成するように、配置されてい
る。巻線(図示せず)はE型の第1のコア11の任意の
位置に線材を巻回すことで設けることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高調波対策用のコ
イルに関する。
【0002】
【従来の技術】商用電源ラインに発生する高調波を抑制
する有効な対策、例えば、IEC(International Elec
torotechnical Commission:国際電気標準会議)規格の
IEC1000−3−2を満たすための対策として、交
流電源ラインにコイルを挿入する方法が取られている。
このような目的に用いられる従来のコイルのコア組を示
す模式的な斜視図を図6に示す。図6に示すように、従
来のコイルのコア組は、磁性板を積層したE型のコア
(磁心)51と、E型コアと平行方向に磁性板を積層し
たI型のコア(磁心)52と、により構成されている。
巻線(図示せず)はE型のコア51の任意の位置に線材
を巻回すことで設けることができる。また、E型のコア
51との間には力率を上げるためにギャップ53が設け
られている。
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来のコイルは、コアの磁気飽和特性と、インダ
クタンスの相互関係上、電流値を変えた場合の電流変化
量に対するインダクタンスの変化量が少ないため、イン
ダクタンスを高くしたい場合は、コイルの径が大きくな
ってしまうという問題点がある。また、ギャップを設け
ているため、これによる漏れ磁束が多いという問題点も
生じる。
【0003】本発明は、上記従来の問題点や事情に鑑み
てなされたものであって、コイルの径が小さくて済み、
漏れ磁束が少なく、高調波抑制ができる(例えば、EM
I規格(IEC1000−3−2)を満たす)コイルを
提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載のコイルは、巻線を施して磁束を発生
する端面を有し、複数の磁性板を積層して成る第1の磁
心と、複数の磁性板を積層してなる第2の磁心とを有
し、前記第1の磁心の前記端面と前記第2の磁心とを近
接させて閉磁路を構成して成るコイルにおいて、前記第
1の磁心の積層方向と、前記第2の磁心の積層方向が直
交しており、かつ、前記第2の磁心を構成する複数の磁
性板のうち、前記第1の磁心に近接する磁性板は、他の
磁性板よりも透磁率が比較的高い材質で構成されている
ことにより、第2の磁心を通る磁束が多いときと、少な
いときで、磁束の通る経路を変えることができ、電流が
多くなるに従ってインダクタンスが低くなる特性(スイ
ング特性)が実現できる。また、第1の磁心と第2の磁
心との間にギャップを持たない突き合わせの構成をとる
ことができ、漏れ磁束がきわめて少なくできる。
【0005】請求項2記載のコイルは、巻線を施して磁
束を発生する端面を有する第1の磁心と、複数の磁性板
を積層してなる第2の磁心とを有し、前記第1の磁心の
前記端面と前記第2の磁心とを近接させて閉磁路を構成
してなるコイルにおいて、前記第1の磁心の前記端面よ
り発生する磁束の方向と、前記第2の磁心の積層方向が
同方向であり、かつ、前記第2の磁心を構成する複数の
磁性板のうち、前記第1の磁心に近接する磁性板は、他
の磁性板よりも透磁率が比較的高い材質で構成されてい
ることにより、第1の磁心が一体型の磁心であるときで
も、第2の磁心を通る磁束が多いときと、少ないとき
で、磁束の通る経路を変えることができ、電流が多くな
るに従ってインダクタンスが低くなる特性(スイング特
性)が実現できる。また、第1の磁心と第2の磁心との
間にギャップを持たない突き合わせの構成をとることが
でき、漏れ磁束がきわめて少なくできる。
【0006】請求項3に記載のコイルは、前記第1の磁
心はE型またはU型とし、前記第2の磁心はI型とする
ことにより、第1の磁心と第2の磁心とを近接させて閉
磁路を構成することが容易に実現することができる。
【0007】請求項4に記載のコイルは、前記第2の磁
心を構成する複数の磁性板のうち、前記第1の磁心に近
接する磁性板はパーマロイで構成され、他の磁性板は珪
素鋼板で構成されていることにより、比較的透磁率の高
いパーマロイの磁性板は、最初に磁束を通すものの少な
い電流量で早く磁束飽和密度に達してしまい、隣接する
珪素鋼板に磁束の流れが移る際に、インダクタンス値が
低くなる。
【0008】請求項5に記載のコイルは、前記第1の磁
心に巻線が巻回されていることにより、第1の磁心に磁
束を発生させ、前記請求項1〜4のいずれかに記載のコ
イルを動作させることが可能となる。
【0009】請求項6に記載のコイルは、巻線を施して
磁束を発生する端面を有する第1の磁心と、複数の磁性
板を積層してなる第2の磁心と、前記第1の磁心により
前記第2の磁心内に発生する磁束と同じ向きに磁束が発
生するように巻線を施して磁束を発生する端面を有する
第3の磁心とを有し、前記第1の磁心と前記第3の磁心
との間に前記第2の磁心を配置して閉磁路を構成して成
ることにより、第2の磁心を通る磁束が多いときと、少
ないときで、磁束の通る経路を変えることができ、さら
に、第1の磁心で発生した磁束と、第3の磁心で発生し
た磁束をうち消し合うことなく、より大きなスイング特
性を得ることができる。
【0010】請求項7に記載のコイルは、前記第1の磁
心および前記第3の磁心は複数の磁性板を積層して成
り、前記第1の磁心および前記第3の磁心の積層方向
は、第2の磁心の積層方向と直交するように構成して成
ることにより、第1の磁心と第2の磁心との間にギャッ
プを持たない突き合わせの構成をとることができ、漏れ
磁束がきわめて少なくできる。
【0011】請求項8に記載のコイルは、前記第2の磁
心を構成する複数の磁性板のうち、前記第1の磁心およ
び前記第3の磁心に近接する磁性板は、他の磁性板より
も透磁率が比較的高い材質で構成されていることによ
り、磁束が少ないとき、磁束が第1および第3の磁心側
の磁性板を通るためこのコイルのインダクタンスが高く
なり、磁束が多いとき、第1および第3の磁心側の磁性
板は磁束飽和し、第1および第3の磁心から遠い磁性板
へと磁束が移行するため、第1および第3の磁心側にあ
る磁性板はギャップと等価となり、コイルのインダクタ
ンスが低くなる。このため、より前記のスイング特性を
得やすくなる。
【0012】請求項9に記載のコイルは、前記第2の磁
心を構成する複数の磁性板のうち、前記第1の磁心およ
び第3の磁心に近接する磁性板はパーマロイで構成さ
れ、他の磁性板は珪素鋼板で構成されていることによ
り、比較的透磁率の高いパーマロイの磁性板は、最初に
磁束を通すものの少ない電流量で早く磁束飽和密度に達
してしまい、隣接する珪素鋼板に磁束の流れが移る際
に、インダクタンス値が低くなる。
【0013】請求項10に記載のコイルは、請求項6〜
9のいずれかに記載のコイルにおいて、前記第1の磁心
および第3の磁心はE型またはU型とし、前記第2の磁
心はI型であることにより、第1の磁心および第3の磁
心と第2の磁心とを近接させて閉磁路を構成することが
容易に実現することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る高周波コイル
の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明
する。
【0015】(第1の実施の形態)図1は、第1の実施
の形態に係るコイルのコア組を示す模式的な斜視図であ
る。図1に示すように、本実施の形態のコイルは、複数
の表面が絶縁処理された磁性板を積層したE型の第1の
コア(磁心)11と、複数の表面が絶縁処理された磁性
板を積層してなるI型の第2のコア(磁心)12とによ
り構成されている。第1の磁心と前記第2の磁心とを近
接させて閉磁路を構成するように、配置されている。巻
線(図示せず)はE型の第1のコア11の任意の位置に
線材を巻回すことで設けることができる。
【0016】磁性板の材質としては、周波数、直流重
畳、磁束密度など使用条件に合わせて、パーマロイ、フ
ェライト、珪素鋼板、アモルファス等の磁性材を用いる
ことができる。さらに、I型の第2のコア(磁心)12
の磁性板の積層方向を、E型の第1のコア(磁心)11
の積層方向に直交する方向とすることで第1のコア(磁
心)11の端部から磁束が発生する方向と第2のコア
(磁心)12の積層方向を同じ方向とする。そして、第
2のコア(磁心)12を構成する磁性板のうち、最も第
1のコア(磁心)11に近い磁性板を比較的透磁率の高
い、例えば、パーマロイとして、他の第2のコア(磁
心)12を構成する磁性板を比較的透磁率の低い、例え
ば、珪素鋼板とすることで、本発明の効果を発揮でき、
第1の磁心と第2の磁心12との間にギャップを持たな
い突き合わせの構成をとることができ、漏れ磁束がきわ
めて少なくできる。
【0017】次に、第2のコア(磁心)の磁性板の積層
構造とその効果について説明する。図2は第2のコア
(磁心)の断面を通る磁束について説明するための断面
の一部を示す図である。図2にその一部断面を示すよう
に、第2のコア(磁心)12は、比較的透磁率の高いパ
ーマロイで構成した磁性板14aと、珪素鋼板で構成し
た磁性板14b〜14eが、第1のコア(磁心)11に
近接する側から順に、各磁性板間に絶縁物(図示せず)
を挟んで第1の磁心に直交する方向に積層されている。
このように、磁性板14a〜14eが積層された第2の
コア(磁心)は、磁束13が少ない(巻線を流れる電流
が少ない)とき、磁束13が磁性板14a側のコアを通
る(実線部分を通る)ためこのコイルのインダクタンス
が高くなる。
【0018】また、磁束13が多い(巻線を流れる電流
が多い)ときは、磁性板14a側のコアは磁束飽和し、
14e側のコアへと磁束13が移行する。このため、磁
性板14a側のコアはギャップと等価となり、コイルの
インダクタンスが低くなる。よって、コイルの巻線を流
れる電流が少ない場合はインダクタンスが高く、電流が
多くなるに従ってインダクタンスが低くなる特性(スイ
ング特性)となる。なお、一般に透磁率の高い磁性材は
飽和磁束密度が低いため、比較的透磁率の高いパーマロ
イの磁性板14aは、最初に磁束を通すものの、少ない
電流量で早く飽和磁束密度に達してしまい、隣接する珪
素鋼板14bに磁束の流れが移る際に、インダクタンス
値が低くなることになる。
【0019】ここで、上記のようにI型の第2のコア
(磁心)12をパーマロイと珪素鋼板で構成し、E型の
第1のコア(磁心)11を珪素鋼板で構成した場合の特
性の一具体例を図5を用いて説明する。図5の(a)は
各電流値における、EI型(第1の実施の形態)、
EIE型(第2の実施の形態)、定格電圧(100
V)での最低限度値のインダクタンス値の表であり、
(b)はこれらの値をグラフにしたものである。この図
5の(b)において、横軸は第1のコア(磁心)11の
中心部に巻回されたコイルに流れる電流、縦軸はインダ
クタンス値を示す。この具体例においては、第1のコア
(磁心)11を、35mmタイプで積層厚み10mm、
第2のコア(磁心)12を、長さ35mm、幅10m
m、厚み0.35mmの磁性板を8枚重ねにより積層厚
み2.8mmとしたものである。図中▲で示した値(最
低限度値)は、EMI規格(IEC1000−3−2)
により要求される最低限の特性であり、定格電圧100
Vでの値である。また、図中◆で示したEI型のデータ
が第1の実施の形態により実現される特性である。本実
施の形態に係るコイルは、この図5の(b)に示される
ように、EMI規格(IEC1000−3−2)を十分
に満たしており、スイング特性を示していることがわか
る。なお、第1のコア(磁心)11は、E型コアに限ら
ず、U型コアなどであっても良く、本実施の形態に係る
コイルと同様の効果が得られる。また、磁性板は、表面
を絶縁処理する代わりに、絶縁物を挟んだ構造のもので
も良い。また、第1のコア(磁心)11は複数の磁性板
を積層したものではない一体型のコアでも良く、第1の
コア(磁心)11の端面より発生する磁束の方向と、第
2のコア(磁心)12の積層方向が同方向であれば良
い。
【0020】(第2の実施の形態)図3は、第2の実施
の形態に係るコイルの模式的な平面図である。図3に示
すように、本実施の形態のコイルは、珪素鋼板で構成さ
れ表面を絶縁処理された磁性板を積層したE型の第1の
コア(磁心)21と、表面が絶縁処理された磁性板を積
層してなるI型の第2のコア(磁心)22と、第1のコ
ア(磁心)21の構成と同様に積層されたE型の第3の
コア(磁心)23とから成る。I型の第2のコア(磁
心)22の積層方向は、E型の第1のコア(磁心)21
および第3のコア(磁心)23の積層方向と直交するよ
うに構成することで、第1のコア(磁心)21および第
3のコア(磁心)23の各々の端部から発生する磁束の
方向と、第2のコア(磁心)22の積層方向が同方向と
なるように構成され、かつ、第1のコア(磁心)21と
第3のコア(磁心)23のそれぞれの3箇所の端部との
間に第2のコア(磁心)22が配置されることにより閉
磁路が構成される。そして、第2のコア(磁心)22を
構成する磁性板内において、第1のコア(磁心)21か
らの磁束と第3のコア(磁心)23からの磁束とが同じ
向きになるように、第1のコア(磁心)21巻回部28
と第3のコア(磁心)23の巻回部29を構成する巻線
25が施される。この巻線25には、端子26、27よ
り電流が供給される。
【0021】磁性板の材質は、前述の第1の実施の形態
と同様、パーマロイ、フェライト、珪素鋼板、アモルフ
ァス等を積層するように構成する。さらに、前述の第1
の実施の形態と同様に、磁性板の積層方向を、第1およ
び第3の磁心21,23に直交する方向とすることで、
本発明の効果が効果的に発揮できる。
【0022】次に、第2のコア(磁心)の磁性板の積層
構造とその効果について説明する。図4は、第2の実施
の形態の第2の磁心の積層構成を示す説明図である。図
4に示すように、第1のコア(磁心)21の巻回部28
と、第3のコア(磁心)23の巻回部29とは、その巻
線25の巻き方を逆巻にするなどして、第1のコア(磁
心)21によって発生する磁束(図の実線の矢印)31
の方向と、第3のコア(磁心)23によって発生する磁
束(図の点線の矢印)32の方向が、第2のコア(磁
心)22内部で同じ向きになるように構成されているも
のである。これにより、磁束をうち消し合うことなく、
より大きなスイング特性を得ることができる。
【0023】本実施の形態において、第1,2,3のコ
ア(磁心)21,22,23の材質として、例えば、す
べて珪素鋼板を積層させ構成しても、本実施の形態と同
様の効果が得られるが、さらに、第2のコア(磁心)2
2の材質として、第1,3のコア(磁心)21,23の
端部に隣接する両側の磁性板を比較的透磁率の高い磁性
板、例えばパーマロイとし、他の内部の磁性板を比較的
透磁率の低い磁性板、例えば珪素鋼板とすることによ
り、さらにスイング特性の強い特性が得られる。前述の
図5に示した一具体例における、EIE型(第2の実
施の形態)のデータは、第1,3のコア(磁心)21,
23を、35mmタイプで積層厚み10mm、第2のコ
ア(磁心)22は、長さ35mm、幅10mm、厚み
0.35mmの磁性板を8枚重ねにより積層厚み2.8
mmとしたものである。そして、図5の(b)に■で示
したように、本実施の形態に係るコイルの特性は、第1
の実施の形態に係るコイルの特性よりも低い電流領域
(0.25A未満)では、より高いインダクタンス値を
示し、高い電流領域(0.25A以上)では、より低く
いインダクタンス値を示し、強いスイング特性を示して
いる。
【0024】本実施の形態においても、第1,第3のコ
ア(磁心)21,23の形状はE型でなくても良く、例
えば、U型等他の形状でも良い。また、磁性板は、表面
を絶縁処理する代わりに、絶縁物を挟んだ構造のもので
も良い。また、第1,第3のコア(磁心)21,23は
積層型ではない一体型のコアでも良い。
【0025】
【発明の効果】以上詳述したとおり請求項1に記載のコ
イルによれば、巻線を施して磁束を発生する端面を有
し、複数の磁性板を積層して成る第1の磁心と、複数の
磁性板を積層してなる第2の磁心とを有し、前記第1の
磁心の前記端面と前記第2の磁心とを近接させて閉磁路
を構成して成るコイルにおいて、前記第1の磁心の積層
方向と、前記第2の磁心の積層方向が直交しており、か
つ、前記第2の磁心を構成する複数の磁性板のうち、前
記第1の磁心に近接する磁性板は、他の磁性板よりも透
磁率が比較的高い材質で構成されていることにより、第
2の磁心を通る磁束が多いときと、少ないときで、磁束
の通る経路を変えることができ、電流が多くなるに従っ
てインダクタンスが低くなる特性(スイング特性)が実
現できる。また、第1の磁心と第2の磁心との間にギャ
ップを持たない突き合わせの構成をとることができ、漏
れ磁束がきわめて少なくできる。
【0026】請求項2に記載のコイルによれば、巻線を
施して磁束を発生する端面を有する第1の磁心と、複数
の磁性板を積層してなる第2の磁心とを有し、前記第1
の磁心の前記端面と前記第2の磁心とを近接させて閉磁
路を構成してなるコイルにおいて、前記第1の磁心の前
記端面より発生する磁束の方向と、前記第2の磁心の積
層方向が同方向であり、かつ、前記第2の磁心を構成す
る複数の磁性板のうち、前記第1の磁心に近接する磁性
板は、他の磁性板よりも透磁率が比較的高い材質で構成
されていることにより、第1の磁心が一体型の磁心であ
るときでも、第2の磁心を通る磁束が多いときと、少な
いときで、磁束の通る経路を変えることができ、電流が
多くなるに従ってインダクタンスが低くなる特性(スイ
ング特性)が実現できる。また、第1の磁心と第2の磁
心との間にギャップを持たない突き合わせの構成をとる
ことができ、漏れ磁束がきわめて少なくできる。
【0027】請求項3に記載のコイルによれば、前記第
1の磁心はE型またはU型とし、前記第2の磁心はI型
とすることにより、第1の磁心と第2の磁心とを近接さ
せて閉磁路を構成することが容易に実現することができ
る。
【0028】請求項4に記載のコイルによれば、前記第
2の磁心を構成する複数の磁性板のうち、前記第1の磁
心に近接する磁性板はパーマロイで構成され、他の磁性
板は珪素鋼板で構成されていることにより、比較的透磁
率の高いパーマロイの磁性板は、最初に磁束を通すもの
の少ない電流量で早く磁束飽和密度に達してしまい、隣
接する珪素鋼板に磁束の流れが移る際に、インダクタン
ス値が低くなる。このように、磁束の通る経路を変える
ことにより、電流が多くなるに従ってインダクタンスが
低くなる特性(スイング特性)が実現できる。
【0029】請求項5に記載のコイルによれば、前記第
1の磁心に巻線が巻回されていることにより、第1の磁
心に磁束を発生させ、前記請求項1〜4のいずれかに記
載のコイルを動作させることが可能となる。
【0030】請求項6に記載のコイルによれば、巻線を
施して磁束を発生する端面を有する第1の磁心と、複数
の磁性板を積層してなる第2の磁心と、前記第1の磁心
により前記第2の磁心内に発生する磁束と同じ向きに磁
束が発生するように巻線を施して磁束を発生する端面を
有する第3の磁心とを有し、前記第1の磁心と前記第3
の磁心との間に前記第2の磁心を配置して閉磁路を構成
して成ることにより、第2の磁心を通る磁束が多いとき
と、少ないときで、磁束の通る経路を変えることがで
き、さらに、第1の磁心で発生した磁束と、第3の磁心
で発生した磁束をうち消し合うことなく、より大きなス
イング特性を得ることができる。
【0031】請求項7に記載のコイルによれば、前記第
1の磁心および前記第3の磁心は複数の磁性板を積層し
て成り、前記第1の磁心および前記第3の磁心の積層方
向は、第2の磁心の積層方向と直交するように構成して
成ることにより、第1の磁心と第2の磁心との間にギャ
ップを持たない突き合わせの構成をとることができ、漏
れ磁束がきわめて少なくできる。
【0032】請求項8に記載のコイルによれば、前記第
2の磁心を構成する複数の磁性板のうち、前記第1の磁
心および前記第3の磁心に近接する磁性板は、他の磁性
板よりも透磁率が比較的高い材質で構成されていること
により、磁束が少ないとき、磁束が第1および第3の磁
心側の磁性板を通るためこのコイルのインダクタンスが
高くなり、磁束が多いとき、第1および第3の磁心側の
磁性板は磁束飽和し、第1および第3の磁心から遠い磁
性板へと磁束が移行するため、第1および第3の磁心側
にある磁性板はギャップと等価となり、コイルのインダ
クタンスが低くなる。このため、より前記のスイング特
性を得やすくなる。
【0033】請求項9に記載のコイルによれば、前記第
2の磁心を構成する複数の磁性板のうち、前記第1の磁
心および第3の磁心に近接する磁性板はパーマロイで構
成され、他の磁性板は珪素鋼板で構成されていることに
より、比較的透磁率の高いパーマロイの磁性板は、最初
に磁束を通すものの少ない電流量で早く磁束飽和密度に
達してしまい、隣接する珪素鋼板に磁束の流れが移る際
に、インダクタンス値が低くなる。
【0034】請求項10に記載のコイルによれば、前記
第1の磁心および第3の磁心はE型またはU型とし、前
記第2の磁心はI型であることにより、第1の磁心およ
び第3の磁心と第2の磁心とを近接させて閉磁路を構成
することが容易に実現することができる。
【0035】よって本発明は、以上の特徴を有すること
で、コイルの径が小さくて済み、漏れ磁束が少なく、高
調波抑制ができる(例えば、EMI規格(IEC100
0−3−2)を満たす)コイルを提供できるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態のコア組を示す模式的な斜視
図である。
【図2】第1の実施の形態の第2のコア(磁心)の断面
を通る磁束について説明するための断面の一部を示す図
である。
【図3】第2の実施の形態を示す模式的な平面図であ
る。
【図4】第2の実施の形態の第2の磁心の積層構成を示
す説明図である。
【図5】本発明に係るコイルの特性を示す図であり、
(a)は各電流値における、EI型(第1の実施の形
態)、EIE型(第2の実施の形態)、定格電圧
(100V)での最低限度値のインダクタンス値の表で
あり、(b)はこれらの値をグラフにしたものである。
【図6】従来のコイルのコア組を示す模式的な斜視図で
ある。
【符号の説明】
11、12 コア(磁心) 13 磁束 14a〜14e 磁性板 21、22、23 コア(磁心) 25 巻線 26、27 端子 28、29 巻回部 31、32 磁束

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 巻線を施して磁束を発生する端面を有
    し、複数の磁性板を積層して成る第1の磁心と、 複数の磁性板を積層してなる第2の磁心とを有し、 前記第1の磁心の前記端面と前記第2の磁心とを近接さ
    せて閉磁路を構成して成るコイルにおいて、 前記第1の磁心の積層方向と、前記第2の磁心の積層方
    向が直交しており、かつ、前記第2の磁心を構成する複
    数の磁性板のうち、前記第1の磁心に近接する磁性板
    は、他の磁性板よりも透磁率が比較的高い材質で構成さ
    れていることを特徴とするコイル。
  2. 【請求項2】 巻線を施して磁束を発生する端面を有す
    る第1の磁心と、複数の磁性板を積層してなる第2の磁
    心とを有し、 前記第1の磁心の前記端面と前記第2の磁心とを近接さ
    せて閉磁路を構成してなるコイルにおいて、 前記第1の磁心の前記端面より発生する磁束の方向と、
    前記第2の磁心の積層方向が同方向であり、かつ、前記
    第2の磁心を構成する複数の磁性板のうち、前記第1の
    磁心に近接する磁性板は、他の磁性板よりも透磁率が比
    較的高い材質で構成されていることを特徴とするコイ
    ル。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のコイルにおい
    て、前記第1の磁心はE型またはU型とし、前記第2の
    磁心はI型とすることを特徴とするコイル。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のコイル
    において、 前記第2の磁心を構成する複数の磁性板のうち、前記第
    1の磁心に近接する磁性板はパーマロイで構成され、他
    の磁性板は珪素鋼板で構成されていることを特徴とする
    コイル。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のコイル
    において、前記第1の磁心に巻線が巻回されていること
    を特徴とするコイル。
  6. 【請求項6】 巻線を施して磁束を発生する端面を有す
    る第1の磁心と、 複数の磁性板を積層してなる第2の磁心と、 前記第1の磁心により前記第2の磁心内に発生する磁束
    と同じ向きに磁束が発生するように巻線を施して磁束を
    発生する端面を有する第3の磁心とを有し、前記第1の
    磁心と前記第3の磁心との間に前記第2の磁心を配置し
    て閉磁路を構成して成ることを特徴とするコイル。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のコイルにおいて、 前記第1の磁心および前記第3の磁心は複数の磁性板を
    積層して成り、 前記第1の磁心および前記第3の磁心の積層方向は、第
    2の磁心の積層方向と直交するように構成して成ること
    を特徴とするコイル。
  8. 【請求項8】 請求項6または7に記載のコイルにおい
    て、 前記第2の磁心を構成する複数の磁性板のうち、前記第
    1の磁心および前記第3の磁心に近接する磁性板は、他
    の磁性板よりも透磁率が比較的高い材質で構成されてい
    ることを特徴とするコイル。
  9. 【請求項9】 請求項6または7に記載のコイルにおい
    て、 前記第2の磁心を構成する複数の磁性板のうち、前記第
    1の磁心および第3の磁心に近接する磁性板はパーマロ
    イで構成され、他の磁性板は珪素鋼板で構成されている
    ことを特徴とするコイル。
  10. 【請求項10】 請求項6〜9のいずれかに記載のコイ
    ルにおいて、前記第1の磁心および第3の磁心はE型ま
    たはU型とし、前記第2の磁心はI型であることを特徴
    とするコイル。
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