JP2002131730A - 液晶表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 画線部と非画線部のコントラストが高いポリ
マーネットワーク型の高分子分散型液晶を用いた液晶表
示装置及びその利用を提供する。 【解決手段】 液晶表示装置は、片面に薄膜の透明導電
膜パターンを備える前面ガラス及び片面に透明導電膜パ
ターン及びフォトクロミックス層からなる下地層を備え
る背面ガラスを備える。両ガラス間にはポリマーネット
ワーク型の高分子分散型液晶層が挟持せしめられてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はポリマーネットワー
ク型の高分子分散型液晶を用いた液晶表示装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来より、高分子材料とネマチック液晶
を複合体化した高分子・液晶複合体であって高分子に対
する液晶の混合割合を大きくして網目状の高分子中に液
晶が挟まれている構造のポリマーネットワーク型の高分
子分散型液晶（ＰＮＬＣ：Polymer Network Crystal)を
用いた液晶表示装置が知られている。この液晶表示装置
の液晶層は、電界を加えないとき、散乱状態を示し、電
界を加えると、透明状態に切り替わる。その場合の電圧
と光透過特性は、印加電圧が小さい場合には光散乱効果
が強く透過率は小さく、閾値電圧以上で透過率は高くな
って飽和する。このように電圧を加えることで白濁・光
散乱状態と透明な状態の切り替えを行うことができる。

【０００３】またポリマーネットワーク型の高分子分散
型液晶を用いた液晶表示装置においては画線部と非画線
部のコントラストを付けるために黒ベースが背面に配置
された。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、非画線
部の液晶白濁・光散乱部分を通して背面の黒地が透けて
見えるため、画線部の液晶透明部分を通して見える黒地
とのコントラストが低くなり、十分にコントラストを高
めることはできない。液晶層の厚みを増すことにより電
圧を加えないときの液晶層の不透明性を高めることがで
きるが厚みを増すにつれて印加電圧は高くなり、低電圧
駆動のＩＣカードや腕時計に適用することはできなくな
る。

【０００５】本発明の目的は画線部と非画線部のコント
ラストが高いポリマーネットワーク型の高分子分散型液
晶を用いた液晶表示装置及びその利用を提供することで
ある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、上記
の液晶表示装置に関する目的を達成するもので、「片面
に薄膜の透明導電膜パターンを備える前面ガラス及び片
面に透明導電膜パターン及び下地層を備える背面ガラス
を対向させ、間にポリマーネットワーク型の高分子分散
型液晶層を挟持させてなる液晶表示装置であって、前記
下地層はフォトクロミックス層からなることを特徴とす
る液晶表示装置。」を要旨とする。

【０００７】本発明の液晶装置においては、電極間に電
圧を加えたとき液晶が透明になり、この透明になった液
晶層に外光の強い光（可視部に含まれる電磁スペクトル
及び約０．４乃至１．０μm の近可視部付近の波長域の
放射）が入射すると光は液晶層を通過してフォトクロミ
ックス層からなる下地層にあたり、下地層は前記短波長
の光の照射を受けてフォトクロミニズム効果により着色
せしめられる。これによって画線部は鮮明に見える。こ
れに対して電圧のかからない非画線部においては光は散
乱せしめられ下地層に至るまで通過しがたいのでフォト
クロミニズム効果は得られない。その結果高いコントラ
ストが得られる。

【０００８】請求項２の発明は、上記の液晶表示装置の
利用に関する目的を達成するもので、「請求項１に記載
の液晶表示装置の表示機能付き値札としての利用。」を
要旨とする。

【０００９】ポリマーネットワーク型の高分子分散液晶
は低電圧駆動が可能であるので、本発明の液晶表示装置
は表示機能付きの値札として利用することができる。

【００１０】本発明の表示機能付きの値札は次のように
用いることができる。販売する商品を仕入れたとき商品
名、仕入れ月日、仕入れ先、仕入れ価格、販売価格等の
情報を商品管理番号を付してパソコンに入力すると共に
パソコンから商品管理番号によって商品情報を引き出し
表示機能付き値札に入力することにより容易に値札を作
成することができる。また販売価格の変更も容易に行う
ことができる。

【００１１】

【発明の実施の形態】次に図面を参照して本発明につき
詳細に説明する。図１は、本発明の反射型液晶表示装置
の略断面図である。この液晶表示装置は、互いに対向し
配置された、片面に薄膜の透明導電膜パターン１ａを備
える前面ガラス２ａ及び片面に透明導電膜パターン１ｂ
及びフォトクロミックス層からなる下地層３を備える背
面ガラス２ｂを備える。両ガラス２ａ、２ｂはスペーサ
４を介して対向せしめられ、両ガラス２ａ、２ｂ間には
ポリマーネットワーク型の高分子分散型液晶層５が挟持
されている。尚６，６’は端末を示す。

【００１２】本発明の液晶装置においては、画線部にお
いては電極間に電圧を加えたとき液晶層５は透明にな
り、この透明になった液晶層５に外光の強い光（可視部
に含まれる電磁スペクトル及び約０．４乃至１．０μm
の近可視部付近の波長域の放射）が入射すると光は液晶
層５を通過して下地層３に至り、下地層３は前記短波長
の光の照射を受け、光７のあたった領域９はフォトクロ
ミニズム効果により着色せしめられ、着色光８が発せら
れる。これによって画線部は鮮明に見える。これに対し
て電圧のかからない非画線部においては光は散乱せしめ
られ下地層に至るまで通過しがたいのでフォトクロミニ
ズム効果は得られない。その結果高いコントラストが得
られる。

【００１３】高分子分散型液晶層５は、紫外線により架
橋反応して重合するアクリレートモノマー等の高分子樹
脂と正の誘電異方性を有するネマチック液晶を均一に混
合溶解させた混合溶液を両ガラス間に注入し、紫外線露
光により高分子樹脂のみ硬化し正の誘電異方性を有する
ネマチック液晶を相分離してなるものである。

【００１４】光硬化性樹脂に対する液晶の割合は、６０
乃至９０％の範囲がよい。また良好な光散乱状態を実現
するために３次元網目状構造の孔径は、光の波長程度で
均一な孔径分布がよく、平均孔径は、好ましくは０．５
μm 乃至３．５μm 、更に好ましくは０．８μm 乃至
１．８μm である。

【００１５】下地層３はフォトクロミックガラスからな
るものまたはフッ化カルシウムの結晶を含む層を適用す
ることができる。

【００１６】また、ポリマーネットワーク型の高分子分
散型液晶は低電圧駆動が可能であるので、本発明の液晶
表示装置は表示機能付き値札として利用することができ
る。

【００１７】本発明の表示機能付きの値札は次のように
用いることができる。販売する商品を仕入れたとき商品
名、仕入れ月日、仕入れ先、仕入れ価格、販売価格等の
情報を商品管理番号を付してパソコンに入力すると共に
パソコンから商品管理番号によって商品情報を引き出し
表示機能付き値札に入力することにより容易にその商品
管理番号の商品の値札を作成することができる。また販
売価格の変更も容易に行うことができる。

【００１８】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の液
晶表示装置は、片面に薄膜の透明導電膜パターンを備え
る前面ガラス及び片面に透明導電膜パターン及びフォト
クロミックスからなる下地層を備える背面ガラスを対向
させ、間にポリマーネットワーク型の高分子分散型液晶
層を挟持させてなるものであるので、電極間に電圧を加
えたとき液晶が透明になり、この透明になった液晶層に
外光の強い光（可視部に含まれる電磁スペクトル及び約
０．４乃至１．０μm の近可視部付近の波長域の放射）
が入射すると光は液晶層を通過してフォトクロミックス
層からなる下地層にあたり、下地層は短波長の光の照射
を受けてフォトクロミニズム効果により着色せしめられ
る。これによって画線部は鮮明に見える。これに対して
電圧のかからない非画線部においては光は散乱せしめら
れ光は下地層に至るまで通過しがたいのでフォトクロミ
ニズム効果は得られない。その結果高いコントラストが
得られる。

【００１９】また、ポリマーネットワーク型の高分子分
散型液晶は低電圧駆動が可能であるので、本発明の液晶
表示装置は表示機能付き値札として利用することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の液晶表示装置の略断面図である。

【符号の説明】

１ａ，１ｂ 透明導電膜パターン ２ａ，２ｂ 前面ガラス ３ フォトクロミックス層からなる下地層 ４ スペーサ ５ ポリマーネットワーク型の高分子分散型
液晶層 ７ 光 ８ 着色光

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 片面に薄膜の透明導電膜パターンを備え
   る前面ガラス及び片面に透明導電膜パターン及び下地層
   を備える背面ガラスを対向させ、間にポリマーネットワ
   ーク型の高分子分散型液晶層を挟持させてなる液晶表示
   装置であって、前記下地層はフォトクロミックス層から
   なることを特徴とする液晶表示装置。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の液晶表示装置の表示機
   能付き値札としての利用。