JP2002131099A - フルイディックメーター - Google Patents

フルイディックメーター

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JP2002131099A
JP2002131099A JP2000320472A JP2000320472A JP2002131099A JP 2002131099 A JP2002131099 A JP 2002131099A JP 2000320472 A JP2000320472 A JP 2000320472A JP 2000320472 A JP2000320472 A JP 2000320472A JP 2002131099 A JP2002131099 A JP 2002131099A
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valve
fluid
fluidic
meter
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JP2000320472A
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English (en)
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Makoto Okabayashi
誠 岡林
Shuichi Okada
修一 岡田
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Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダブルフルイディック型の流量計において計
測下限以下の流量を計測可能とする。 【解決手段】 小型フルイディックメーター9の上流側
に設けられる遮断弁12を閉、開操作するようにして、
所定の遮断時間、メーターを全閉状態とすると共に、こ
の状態において、メーター下流側で流体流出がある場合
にメーター上流側と下流側との間に発生する圧力差を利
用して、流体がメーター内を流れるようにして、流量を
計測する。この場合に、発生する流体圧力損失を所定以
下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フルイディック素
子をその流量検出の主要部に備えたフルイディックメー
ターに関する。
【0002】
【従来の技術】このようなフルイディックメーターは、
各家庭で消費される都市ガスの使用量を計測するために
実用化の徒にあるものであり、現在、大流量側に大流量
計測領域を有する大型フルイディック素子と、この大型
フルイディック素子より小流量側に小流量計測領域を有
する小型フルイディック素子とを併設した構成で、ダブ
ルフルイディックメーターと呼ばれる構成のものが実用
化されようとしている。
【0003】このダブルフルイディックメーターにあっ
ては、例えば、6号メータの場合、その全計測流量領域
は、16〜6000リットル/hとされており、その連
続計測下限流量は16リットル/hである。
【0004】さて、このような比較的大きな流量範囲に
対して、所謂、3リットル検知と呼ばれる微小流量を計
測することが、ガスメーターでは要求される。この微小
流量検知は、ガスメーターの設置位置に対して、その下
流側にあるガス配管に小さな漏れがあるかどうかを検出
するためのものである。
【0005】この機能がないメータにおいては、2年に
一回行われるガス安全点検時に、ガスメータ以降のガス
配管の漏れ検査を行う法的義務が生じる。安全点検の作
業効率を高めるためには、前記機能(3リットル検知)
を備えておく必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような計測下限流量を有する流量計にあっては、実際
上、このような微小流量域を検出するための充分な技術
は得られていない。
【0007】そこで、本発明の目的は、下限計測流量よ
り小さい微小流量を検出する技術を得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明による、大流量計測領域に対する大型フルイデ
ィック素子と、前記大流量計測領域より小流量側の小流
量計測領域に対する小型フルイディック素子とを備え、
前記両フルイディック素子からの出力に基づいて流量計
測を行うダブルフルイディックメーターの特徴構成は、
前記両素子への流体の流入を遮断する弁を備えると共
に、前記両素子への流体の流入を遮断した遮断状態を所
定の遮断時間維持した後、前記弁より上流側にある流体
の前記小型フルイディック素子のみへの流入を許容して
前記小型フルイディック素子に発生する流体振動を検出
し、検出情報から流量を求める微小流量検出手段を備
え、前記遮断状態を維持した場合に、メーター下流側の
流体流出によりメーター上流側と下流側との間で発生す
る可能性がある圧力差が、メーターに許容される最大圧
力損失より小さくなるように、前記遮断時間が設定され
ていることにある。
【0009】このダブルフルイディックメーターには、
流量計を全閉状態とすることが可能な弁を備え、この弁
に対する制御を微小流量検出手段が行う。
【0010】この手段による弁の閉開制御は、両フルイ
ディック素子への流体の流入を阻止する全閉状態で所定
の遮断時間の閉弁操作を行った後、小型フルイディック
素子のみに弁より上流側の流体が流れ込むようにするも
のである。
【0011】このようにする場合、例えば、メーターよ
り下流側の流路に、流体流出等があると、下流側の圧力
が低下する。ここで、小型フルイディック素子への流体
の流入を許容する状態とすると、圧力差が発生している
ことにより、小型フルイディック素子に流体振動が発生
する。
【0012】例えば、メーターより上流側の流体圧力が
103000Paで、メーターを挟んで400Paの圧
力差が発生している場合は、流入許容時に、3回程度の
流体振動(後に示す例にあっては、この振動は3パルス
として検出できる)を発生させることができる。
【0013】この動作は、弁より下流側の流体が漏れ等
により下流側配管系より流出する場合があることを利用
するものである。即ち、微小流量検出手段は、上記のよ
うな弁の閉開操作を行うと共に、開操作後に小型フルイ
ディック内に発生する流体振動を検出することにより、
この流体振動に関係する情報から、素子を通過する流量
を検出することができる。この流量は、所謂、「漏れ検
知」で計測対象となる流量に相当する。
【0014】さて、このような操作を行う場合におい
て、メーターより下流側で、予定しない過大な流体の消
費、漏れ出し等があると、メーター下流側の流体圧力が
低下しすぎる場合が発生する。この状況は、下流側にあ
るガス機器への供給圧力が確保できないこととなるか
ら、フルイディックメーターの主な用途であるガスメー
ターとしての用途としては好ましくない。従って、遮断
状態を維持する時間を、最大圧損が所定の範囲内に収ま
る時間としておくことで、好ましくない状況が発生する
のを避けることができる。
【0015】さて、請求項2に記載されている様に、所
定の流量計測領域の流量を計測するためのフルイディッ
ク素子を備えたフルイディックメーターであって、前記
フルイディック素子への流体の流入を遮断する弁を備
え、弁閉操作により前記フルイディック素子への流体の
流入を遮断する遮断状態を所定の遮断時間維持した後、
弁開操作により、弁より上流側にある流体の前記フルイ
ディック素子への流入を許容し、前記フルイディック素
子に発生する流体振動を検出して、検出情報から流量を
求める微小流量検出手段を備え、前記遮断状態を維持し
た場合に、メーター下流側の流体流出によりメーターを
挟んで発生する可能性がある圧力差が、メーターに許容
される最大圧力損失より小さく、且つ、前記最大圧力損
失を生じる状態における流量が前記所定の流量計測領域
の下限流量となる時間を最小遮断時間として、前記微小
流量検出手段における遮断時間が設定されていることが
好ましい。
【0016】即ち、この例にあってもメーターの全閉状
態を実現する弁を備えると共に、弁を開いて、フルイデ
ィック素子に流体が流れる状態を得られる構造とする。
さらに、微小流量検出手段を備えて、前記と同様に弁を
閉状態から開状態に操作するようにすると共に、この開
操作に伴って発生する流体振動を検出する。この構成に
あっては、上記した時間を最小遮断時間とする。
【0017】通常、メーターより下流側の状態は予め判
明していないため、許容される最大圧損(圧力差)が、
どの程度の遮断時間で発生するかは、その流出流量との
関係で決まる。そこで、流出流量の最大値は、本願が対
象とする計測領域の計測下限流量とする。
【0018】この場合、許容できる圧力損失状態で、最
大流量が流れると仮定した場合の遮断時間を、予め求め
ておいて最小遮断時間(本願における最小遮断時間の意
味は、微小流量計測において最初に試すべき遮断時間と
いった意味である)とすることで、この時間を第一指標
として遮断を行うと、弁の閉開操作において過大な流量
が流れず、過大な圧力損失が発生しない遮断操作を実行
できる。即ち、上記した条件を満たす最小遮断時間より
弁閉開操作を始めると、安全側からの、微小流量計測が
可能となる。
【0019】即ち、この構成を採用する場合に、請求項
3に記載されているように、前記微小流量検出手段にお
いて、前記最小遮断時間より長く、前記最小遮断時間に
近い第一遮断時間での第一回弁閉操作を行った後、弁開
操作した場合にフルイディック素子内を流れる流量が、
前記第一遮断時間に対応して予め求められた流量より小
さい場合に、遮断時間を延長して第二回弁閉操作、対応
する第二回弁開操作を行って流量検出を行うことが好ま
しい。
【0020】前記最小遮断時間は、メーターに許容され
る圧力損失を発生する状態で、メーターの計測下限流量
(約16リットル/h)が流れるとした場合の遮断時間
であり、この時間に近く、この時間より長い時間(具体
的には最小遮断時間より0.05秒程度まで長い時間)
を第一遮断時間として設定しておくと、下流側で計測下
限流量に近い流出があった場合にあっても、対応できる
こととなる。
【0021】ちなみに、これ以上の流量に関しては、素
子の連続計測可能領域内となるため、実際上、計測の必
要はない。しかしながら、下流側の流出状況は、下限流
量以下であることのみが判明している状況であるため、
その流量が、前記第一遮断時間に対応した流量より小さ
い場合は、結果的に、フルイディック側での流体振動が
弱く、検出できるパルス数が少なくなり、下流側の状況
が想定する流出流量より低いことが判明する。
【0022】従って、この場合は、次に、さらに長い遮
断時間を採用する。このようにすることで、さらに少な
い流出流量(メーター側においては通過流量)に対応す
ることができる。
【0023】さて、請求項2に記載したフルイディック
メーターにおいて、請求項4に記載されているように、
フルイディック素子からの振動出力に関して、所定周期
の出力があった場合に単位パルスを発生するパルス発生
手段を備えると共に、遮断状態解除後に発生する流体振
動により発生されるパルス数の上限が上限パルス数とし
て設定されており、一回の弁閉操作と後続する弁開操作
に伴う流体振動の検出を単位操作として、前記単位操作
を繰り返すに、各単位操作での流体振動検出に対応して
発生するパルス数が、前記上限パルス数となっているか
どうかに従って、前記単位操作をさらに実行するかどう
かの判断を行って、流量検出をおこなう構成を採用する
ことが好ましい。
【0024】フルイディック素子からの出力は、流体振
動を圧力振動信号、この信号を電気振動信号に変換した
ものとして得られるが、このような振動出力が、パルス
発生手段により、例えば、1周期に1パルスとするよう
に変換されて取り出される。
【0025】計測領域内における計測にあっては、流量
は、一定の計測時間内に出力されるパルス数に、単位パ
ルス数を発生させるだけの流量である単位流量を積算し
て得るものとされる。しかしながら、本願の場合は、計
測対象の流量が微小であるため、一時的に流れが発生す
るだけとなる。従って、この一時的に発生する流れによ
り得られるパルス数を基準に、所定の流量が流れている
かどうかを判断できる。
【0026】ここで、上記上限パルス数に関しては、所
定の圧力損失を発生する場合、最小限の検出すべき流量
(本願の場合にあっては、法定の感度流量が一応の目安
となる)が流れた場合に発生するパルス数とできる。こ
のようにしておくと、本願の場合、流量が微小であるた
めに、所定の遮断時間の操作を行った場合、この上限パ
ルス数を発生する場合には、この遮断時間で上限となる
流量が流れており、この値よりパルス数が少ない場合
は、さらに小さい流量しか流れていない状況が発生して
いると予想することができる。
【0027】従って、発生されるパルス数を上限パルス
数と比較しながら、遮断時間をさらに長くして、小流量
側の計測を行うかどうかを判断して、弁閉と弁開を繰り
返して、正確な計測値に到達できるようにすることがで
きる。
【0028】さて、本願の目的を達成するための、所定
の流量計測領域の流量を計測するためのフルイディック
素子を備えたフルイディックメーターの特徴構成は、請
求項5に記載されているように、前記フルイディック素
子への流体の流入を遮断する弁を備え、前記フルイディ
ック素子への流体の流入を弁閉操作により遮断する遮断
状態から、弁より上流側にある流体の前記フルイディッ
ク素子への流入を弁開操作により許容し、前記フルイデ
ィック素子に発生する流体振動を検出して、検出情報か
ら流量を求める微小流量検出手段を備え、複数の遮断時
間と、前記複数の遮断時間にそれぞれ対応して予め求め
られている流量との関係を規定する関係指標を備え、前
記弁閉操作と後続する弁開操作を行った場合に、前記フ
ルイディック素子で発生する流体振動の回数が所定の回
数となるように、前記弁閉操作、後続する弁開操作を繰
り返し、前記発生される流体振動が前記所定の回数とな
る遮断時間を求め、前記関係指標に従って、求められた
前記遮断時間に対して予め求められている流量を、前記
求める流量とすることもできる。
【0029】微小流量検出手段に関する弁の所定遮断時
間の閉操作、これに引き続く弁の開操作およびその状態
での流体振動の検出は、これまで説明したものと同一で
ある。
【0030】この例にあっては、前記流体振動の検出に
おいて、流体振動の回数を検出する。この回数は、先に
説明したパルス数と同質のものであり、この回数に関し
て、上記上限パルス数あるいはこの上限パルス数より1
パルス、パルス数の少ない流体振動回数を予め設定して
おき、例えば、遮断時間の短い側から弁閉開操作を繰り
返し、最終的な弁閉開操作時に、流体振動の回数が予め
設定された回数となるようにしておく。
【0031】そして、このようにして到達した最終的な
遮断時間に対応した流量を通過流量として出力するよう
にしておくと、所定の操作を繰り返しながら、下限流量
以下の微小流量を、的確に計測することができる。
【0032】さて、これまで説明してきた構成におい
て、請求項6に記載されているように、前記最大圧力損
失を400Paに設定してあることが好ましい。これ
は、弁閉から開操作した直後の瞬間的な流量が大になっ
て、流体振動が正確に行えなくなることを防ぐためであ
る。
【0033】さて、請求項4に記載のフルイディックメ
ーターにおいて、請求項7に記載されているように、小
型の前記フルイディック素子に備えられるノズルの断面
積をS、前記小型のフルイディック素子の計測下限流量
をq、前記小型のフルイディック素子のパルス定数をK
とするときS、q、Kの値が以下の範囲に設定され、 S= 2.5〜7(mm2)、 q= 10〜20(リットル/h)、 K= 0.68〜1.48(パルス/cm3)、 前記弁の遮断時間をT1(秒)、弁の開操作から次の閉
操作までの間隔時間をθ(秒)、弁1回の閉開操作に対
応して発生されるパルス数をPs、弁の閉開操作回数を
Nとし、弁1回の閉開操作当たりのガス使用量をΔGと
するに、 0.5≦T1≦5(秒)、500≦θ≦2000
(秒)、 Ps=3(パルス)、 ΔG={Ps×(θ+T1)/T1}/(K×1000)
(リットル)、 G=ΔGの積算値(リットル)、 として、流量積算値Gを求めることが好ましい。
【0034】現状で得られている小型フルイディック素
子は、S、q、Kが、上記範囲を満たすものとできる。
【0035】そして、漏れ検知の対象となる流量は法定
の感度流量である、約3リットル/hから16リットル
/hの範囲を微小流量計測範囲とし、その圧力損失を約
400Paとするため、別記するように、このような小
型フルイディック素子において発生される上限のパルス
数を3とすることができる。この場合、弁遮断時間は
0.5から5秒程度となり、閉操作及び次の開操作の時
間間隔は、500〜2000秒とすることが好ましいの
である。
【0036】この時間が500秒より小さいと、弁閉開
操作回数の増大につながり、電池消費量が大になりす
ぎ、電池の寿命を損なう場合がある。一方、2000秒
より大きいと、微小流量検知の時間が掛かりすぎる場合
が起こる。
【0037】即ち、この構成のフルイディックメーター
にあっては、後述するように、計測下限流量が16リッ
トル/hのフルイディック素子を備えたメーターにおい
て、この下限以下、法定の感度流量の計測をすることが
できる。
【0038】
【発明の実施の形態】本願のダブルフルイディックメー
ター1のハードウェアの構造を、先ず、図1に基づいて
説明する。
【0039】図1はメーター主要部の断面構造を示して
おり、メーター1は同図に示すような平断面を有する流
路がメーター厚み方向(図1の表裏方向)で、同一の形
状を有するように構成されている。但し、遮断弁2の弁
体3と、この弁体3に対する弁座4に設けられるガス流
量孔5は円孔とされている。
【0040】さて、ダブルフルイディックメーター1
は、メーター入り口側から、分配室6、小流量側に小流
量計測領域を有する小型フルイディック素子7、この小
型フルイディック素子7の排出側に設けられる貯気室
8、大流量側の大流量計測領域を有する大型フルイディ
ック素子9をそれぞれ備え、この大型フルイディック素
子9の排出側にメーター出口を備えている。
【0041】同図に示すように、前記分配室6には、前
記小型フルイディック素子7の入り口側に開口する第一
流通孔10と、前記分配室6から直接前記貯気室8に開
口する第二流通孔11が設けられると共に、各流通孔1
0、11に対して個別に第一遮断弁12及び第二遮断弁
13が設けられている。
【0042】それぞれのフルイディック素子7、9の入
り口側には、小型のものにあっては「わん型」の、大型
のものにあっては「縮流型(流れがノズル部を通過す
る)」の整流部14がそれぞれ設けられている。
【0043】この構造にあって、前記第一遮断弁12と
第二遮断弁13とをともに閉鎖することにより、全閉状
態を実現することができる。第一遮断弁12のみを開状
態とした場合にあっては、小型フルイディック素子7を
使用して小流量域の流量を計測することができる。さら
に、前記第一遮断弁12と第二遮断弁13との両方の弁
を開状態に維持する状態で、大型フルイディック素子9
による大流量域の計測を行うことができる。
【0044】ここで、両フルイディック素子7、9から
の出力は、各素子7、9に設けられている一対の圧力検
出端15から共通導出路を経て圧力センサー17へ導か
れて、素子内で発生している流体振動に従って圧力振動
出力が電気信号出力に変換されて取り込まれる構成が採
用されている。
【0045】このようにして取り込まれる振動信号は、
パルス発生手段21により、その単位周期毎に単位パル
スを発生して処理系内に取り込まれ、所定の計測時間内
で検出されるパルス数と、単位パルスに対応して、これ
を発生するだけの流量として求められている流量(単位
パルス流量)との積を求めることにより、計測時間内の
流量を求めることができる。これが、通常の流量計測領
域内の検出である。このような演算処理のために、流量
計にはマイコン18が備えられており、このマイコン内
で流量導出処理を行って、流量検出の用を果たすことが
できる。
【0046】本願のフルイディックメーターは、第一遮
断弁12もしくは第一、第二遮断弁12、13の両方を
常時開状態して流量計が連続計測できる流量域に対し
て、この領域の下限流量(計測下限の流量、16リット
ル/h)よりも小さい流量を計測する機能を有すること
を特徴とする。
【0047】以下の説明にあっては、この微小流量検出
機能を中心に説明する。微小流量検知にあっては、先に
説明した第一遮断弁12のみが閉開操作され、第二遮断
弁13は常時閉状態に維持される。即ち、小型フルイデ
ィック素子7からの出力が、微小流量計測に利用され
る。
【0048】前記マイコン18内には、微小流量検出手
段20が備えられ、この手段は、前記第一遮断弁12の
みを所定のシーケンスに従って開閉制御すると共に、こ
の開閉制御に伴って、前記圧力センサー17から得られ
る出力信号を処理し、計測対象の微小流量を精度よく検
出できるように構成されている。
【0049】この処理は、小型フルイディック素子7へ
の流体の流入を弁閉操作により遮断する遮断状態を所定
の遮断時間維持した後、弁より上流側にある流体の小型
フルイディック素子7への流入を弁開操作により許容し
て、このフルイディック素子7に発生する流体振動を検
出し、小型フルイディック素子を通過する流量を求める
処理であり、弁閉操作と後続する弁開操作が、一対とし
て(単位操作)繰り返される。
【0050】このような単位操作を繰り返すために、前
記微小流量検出手段20は、図2にテーブルとして示す
ような操作手順を順次実行するように構成されている。
この操作手順と共に、必要となる情報は、記憶手段に備
えられているテーブル22(図1参照)に記憶されてい
る。
【0051】このテーブル22の構成に関して説明する
と、最左欄が本願にいう遮断時間T 1 であり、右に進む
に従って、8欄に亘って、4回の操作( 後に示すように
かならずしも4回の操作が常時行われるわけではな
い)、及び、この操作に対応して検出されるパルス数が
一対として記載されていると共に、これらの操作4を終
了した場合の流量ΔQが記載されている。ここで流量Δ
Qは、テーブル左端の遮断時間だけ遮断した場合に対応
して予め求められている流量である。これが、本願の関
係指標である。
【0052】上記必要な情報は、各操作で得られたパル
ス数と次の操作がある場合の次の操作における遮断時間
1 との関係、及び最終操作における遮断時間T1 と流
量ΔQとの関係である。
【0053】このテーブルにあって、遮断時間が複数備
えられているのは、微小流量検出に当たって、検出の分
解能分だけの遮断時間を備えることとしているためであ
る。
【0054】さて、遮断時間T1 に対応する流量ΔQ
は、ΔQ=3.6×Ps/(K×T1)で計算されるよ
うになっている。ここで、Kはパルス定数(単位:パル
ス数/リットル)と呼ばれる定数であり、単位流量当た
りのパルス数である。このテーブルに示す操作手順につ
いて説明すると、その操作の手順は以下の通りである。
【0055】1 最初に遮断時間T1 の最上段に示され
ている遮断時間0.7秒(第一遮断時間の一例)で、最
初の遮断操作(操作)(第一回弁閉操作)を行う。こ
の操作の後、弁を開操作して、素子側からの出力に従っ
て、パルス数を数える。この場合、パルス数は、後に示
すように上限(上限パルス数)が3となるように、法定
の感度流量(3リットル/h)から設定されている。
【0056】2 この操作を行った後、検出されるパル
ス数Psに応じて、操作の右欄に記載されているパル
ス数が満たす遮断時間(第二遮断時間の一例)だけ、遮
断操作(第二回弁閉操作)を行う。これが操作であ
る。
【0057】例えば、操作を実行した場合、得られる
パルス数が0であった場合は、遮断時間3.3秒(Ps
=0と記載されているコラムの左端に記載の遮断時間)
の遮断操作を、パルス数が1であった場合は、遮断時間
1.45秒(Ps=1と記載されているコラムの左端に
記載の遮断時間)の遮断操作を、パルス数が2であった
場合は、遮断時間0.85秒(Ps=2と記載されてい
るコラムの左端に記載の遮断時間)の遮断操作を実行す
る。
【0058】また、操作で、パルス数が3であった場
合は、操作以降は行わず、矢印に従って、同表右端に
記載されている流量(ΔQ)の流量を出力する。
【0059】3 このような操作を行った場合は、先
の例にならって、その右側に示されるパルス数に従っ
て、操作を実行する。この操作は、例えば、操作
が0.85秒であった場合は、その操作で検出されるパ
ルス数が3の場合は、遮断時間0.77秒の遮断操作を
実行する。パルス数が2の場合は、遮断時間0.94秒
の遮断操作を実行する。この操作が操作となる。
【0060】4 更に、操作を実行する。操作で、
例えば、遮断時間0.77秒で、得られたパルス数が3
であれば、操作は遮断時間0.74秒で実行され、そ
の結果、3パルス得られれば、ΔQとして14.8(リ
ットル/h)の流量を出力する。2パルスであれば、Δ
Qは、14.3(リットル/h)の流量を出力する。
【0061】一方、前記操作(遮断時間0.77秒)
で結果が、2パルスのときは、操作の遮断時間は0.
81秒とし、結果が3パルスであればΔQ=13.6
(リットル/h),2パルスであれば、ΔQ=12.9
(リットル/h)とするのである。12.9リットル/
hより小さい流量も、同様にして求められる。
【0062】5 このように弁閉開の一対の操作を単位
操作として、最大限4回の操作を繰り返して、最終回の
遮断時間として得られるパルス数に対応する流量ΔQ
を、求める流量として出力する。
【0063】ここで、パルス数3が最大とされ、さらに
最終的に少なくとも2パルスを発生する状態で流量を決
めることとされるが、この理由は、微小流量検知におけ
る最小に近い流量(本願の場合は3リットル/h)を所
定のパルス数(本願の場合は3または2)で検出しよう
とするためである。むろん、2または1パルス、3また
は2または1パルスとして求めることも可能である。
【0064】更に、同図において流量ΔQの最大値が1
5.7リットル/hとされているのは、小型フルイディ
ック素子の計測下限流量が16リットル/hであること
に起因している。即ち、これ(16リットル/h)以下
で、これに近い流量を選択している。
【0065】また、流量ΔQの最小値は2.11リット
ル/hとされているが、これは、本願の方法による微小
流量計測の分解能に従った流量計測で、3リットル/h
を検知するとき、安全サイド、即ち、3(リットル/
h)よりもさらに小さい流量まで識別可能とするためで
ある。また、少なくとも2パルスを発生させて行おうと
するのは、計測精度を損なわないためである。
【0066】以上示したように、本願にあっては、微小
流量検出手段20が、図2に示した操作手順で働くこと
により、小型フルイディック素子の計測下限流量より低
い流量を検出することができる。
【0067】以下、このような検出が可能であることを
理論的に説明する。 [理論的説明]
【0068】1.図3の模式図に示すように、メーター
に備えられる遮断弁の下流のメーターの内容積Vmと、
メーター下流のガス配管の内容積Vgとの合計をV(c
3)とする。
【0069】さて、メーター内圧をP0、大気圧力をP
tとし、時間T0=0(秒) から微少流量ΔQ(リット
ル/h)のガスが,メーター下流のガス配管から流れ出
したとする。この時、メーターは全閉状態に維持され
る。時間T1経過後、系外に流出した流量をΔV、系内
の圧力をP1とするとき、V、T0、T1、P0、P1、Δ
Vの間には以下の関係が成立する。
【0070】
【数1】P1/P0=1−ΔV/V ΔV=ΔQ×(1000/3600)×(T1−T0) ただし、以降の説明では、T0=0 として、(T1
0)=T1 とする。この場合 P1/P0=1−(ΔQ
/3.6)×T1/Vとなる。
【0071】さて、一般にV、ΔQとも小さいとき、計
測は困難になるから、その代表例について、以下、考察
する。
【0072】2.V等に関係する仮定 V(弁下流容積の合計:V=Vm+Vg)については、
以下のように仮定する。
【0073】(1)家庭の配管で最短と考えられる長さ
を1.0(m)とする。 (2)管径はメータ口金内径と同じ22(φmm)とす
る。 (3)メータの内容積Vmは約420(cm3)に作る
ものとする。 このとき、配管の内容積Vgは約380(cm3)とな
る。したがって、Vは以下の値となる。
【0074】
【数2】V=Vm+Vg=800(cm3
【0075】3.ΔQ、Vが最小の時の管内圧力P1
1 の関係 ΔQは法定の感度流量(ここまで検出する必要がある流
量)、すなわちΔQ=3(リットル/h)を代表に選
ぶ。さらに上記仮定よりV=800(cm3)、これら
の値を上記式に代入して下記式が得られる。
【0076】
【数3】P1/P0=1−(3/3.6)×T1/800 ∴ P1/P0=1−0.0010416×T1 さて、メータ内部の標準圧力(メータに供給されるメー
タより上流側の供給圧)は約2000(Pa;ゲージ
圧)であるから、大気圧Ptを約101325(Pa)
として、P0=103325(Pa)を利用して、P1
1 との関係として下記式が得られる。 P1/103325=1−0.0010416×T1
【0077】4.メータ上流側と下流側との間で許容さ
れる圧力差の上限値Pmaxの設定とT1の値の関係 メータより下流側の系内圧力が下がり過ぎないように圧
力差の上限値を、メーターに許容される最大圧力損失と
して、ΔPmax=400(Pa)と設定すれば、P1
=P0−ΔPmax=(103325−400)=10
2925(Pa)。この値を利用して、T1の値が求ま
る。
【0078】
【数4】前提条件、ΔQ=3(リットル/h) V=800(cm3) ΔPmax=400(Pa) T1=3.715(秒)
【0079】この3.715(秒)間のガス流出量ΔV
は、ΔQ=3(リットル/h)を代表に選んでいるから ΔV=ΔQ×(1000/3600)×T1 =3.096(cm3) しかるに、小素子のフルイディック発振の流量Q(リッ
トル/h)と発振周波数f(Hz)の関係を都合に合わ
せて、Q=300(リットル/h); f≒82(H
z)と任意に設定する事が出来るから、ここでは、パル
ス定数K(パルス/リットル)を以下のように設定する
事とする。
【0080】
【数5】 K=3600×f/Q=9840(パルス/リットル) ∴ K=0.984(パルス/cm3
【0081】一方、この動作1回につき、得られるパル
ス数をPsとすれば、Psは下式で表せる。
【0082】
【数6】Ps=ΔV×K この式からPsの値が以下のように算出される。 Ps=3.096×0.984≒3.05(パルス)
【0083】すなわち、約3.05(パルス)の発振が
得られる。得られた数値を整理して、以下に示す。
【0084】
【数7】 V=800(cm3) ΔV=3.096(cm3) T1=3.715(秒) Ps=3.05(パルス) ΔQ=3(リットル/h) ΔPmax=400(Pa) K=0.984(パルス/cm3
【0085】以上のように、全閉状態を3.72秒間、
維持した後、第一遮断弁のみを弁開操作する動作をすれ
ば、小型フルイディック素子に約3.1(cm3)のガ
スが供給されて、約3.05(パルス)の発振が得ら
れ、ガス配管内の圧力降下は400(Pa)以下に保た
れる。つまり、全弁遮断状態を一定の遮断時間維持した
後、第一遮断弁12を再開する操作により、計測下限流
量(小型フルイディック素子の発振下限流量16(リッ
トル/h))の素子でありながら、流量3(リットル/
h)あるいはそれ以下の流量まで検出することができ
る。
【0086】5.中間流量(3〜16リットル/h)に
おけるT1とΔQmaxの範囲 次に、ΔQ=3〜16(リットル/h)、V=800〜
10000(cm3)の一般的な場合に関して、圧力降
下ΔP≦400(Pa)の条件で、遮断時間T 1とΔQ
の許容最大値をΔQmaxとするとき、ΔQmaxとT
1の関係は、上述した式を利用して下記式で表される。
【0087】
【数8】P1/P0=1−(ΔQ/3.6)×T1/V ただし、ΔP=400(Pa) ; P0=103325(Pa) P1=102925(Pa) ∴ ΔQmax=0.01394×V/T1
【0088】Vをパラメータとして、ΔQmaxとT1
の関係を計算した結果を図4に示した。図4から、V=
800(cm3)ΔQ≒16(リットル/h)の時、T1
>0.7(秒) にすると、ΔPが大になって望ましくな
い事がわかる。
【0089】6.流量ΔQの求め方 前項までに、流量ΔQの検知が可能である事を述べた。
ここでは、微少流量を求める方法について述べる。小型
フルイディック素子のノズル断面積S、計測下限流量
q、第一、第二遮断弁を閉じている遮断時間をT1
し、弁の開操作で得られるパルス数をPsとする。S、
q、T1、Psの値が以下の場合について説明する。
【0090】
【数9】 S=5(mm2) T1=設定される(秒) q=16(リットル/h) Ps=計測される(パルス) K=0.98(パルス/cm3)ΔQ=演算流量(リットル/h)
【0091】弁を閉じていた遮断時間T1(秒)間に流
れた量は、弁を開いた後で小型フルイディック素子で得
られたパルス数Ps(パルス)をパルス定数K(パルス
/cm3)で換算処理、すなわち、PsをKで割ればよ
い。 (T1秒間に流れた量)=Ps/K(cm3) このT1(秒)間に流れた(cm3)単位の量を、1時間
に流れた(リットル)単位の量に直せば、ΔQ(リット
ル/h)が得られる。また式からも導かれる。整理して
下式を得る。
【0092】
【数10】ΔQ=(Ps/K)×(3600/T1)/
1000(リットル/h) ΔQ=3.6×Ps/(K×T1)(リットル/h)
【0093】7.弁閉止時間T1の制御 (1)Vが最小の時; Vmin=800(cm3) 前記5項、図4から、圧力降下ΔP=400(Pa)
で、Vが最小・Vmin=800(cm3)の条件の
時、ΔQmaxとT1の関係について述べた。次に、管
容量は、Vmin=800(cm3)とするが、ΔPが
一般的な場合のΔQ、T1の関係について考えてみる。
すなわち、流量ΔQで、T1秒間流したとき、得られる
パルス数をPs(パルス)とすれば、ΔQとT1の関係
は、下記のように表せる。
【0094】
【数11】ΔV=ΔQ×(1000/3600)×T1 Ps=ΔV×K ∴T1=3.6×Ps/(K×ΔQ) ここで、K=0.984(パルス/cm3)、Ps=3
(パルス)とすれば次のようになる。 T1=10.98/ΔQ
【0095】ちなみに、これらの式は、ΔPに制約条件
が入っていない。この場合、ΔQ=3(リットル/h)
とすれば、T1=3.66(秒)となる。よって、この
1の値から正確なΔPが、以下のように求められる。
【0096】
【数12】前提条件、T1=3.66(秒) V=800(cm3)、ΔQ=3(リットル/h)、 P0=103325(Pa) P1/P0=1−(ΔQ/3.6)×T1/V ∴ ΔP=P0−P1=(ΔQ/3.6)×P0×T1/V ∴ ΔP=28701×ΔQ×T1/V ∴ ΔP=28701×3×T1/800=107.6
3×T1=107.63×3.66=393.9(P
a) すなわち、ΔPは約394(Pa)になる。
【0097】T1=10.98/ΔQを用いて、T1とΔ
Qの関係を計算し、結果を図5に示した。パルス定数K
=0.984(パルス/cm3 )の条件で、3パルスを
得るための時間T1と流量ΔQの関係を示している。代
表的流量に対する時間は以下のようになる。
【0098】
【表1】
【0099】以上の検討結果として、以下のような重要
な結論が得られる。 (A) 管容量が最小の800(cm3)の時でも、図5
に示す範囲で時間を制御すれば、ΔPを約400(P
a)以下に保ち、かつ3(パルス)の発振を得る事が出
来る。
【0100】(B) 通常、流量は不明であるから、T1
=0.70(秒) から動作させる事とすることによっ
て、ΔQが素子の連続的な計測下限流量である、16
(リットル/h)に近いときでも、ΔPを400(P
a)以下に保てる。
【0101】(C) 次に、T1=0.70(秒)で弁を
動作させたとき、得られるパルス数Psの値で区分して
再動作させる。ただし、T1≦5.5とする。理由は、
1=5.5(秒)で、 T1=10.98/ΔQから、
ΔQ=2.0(リットル/h)となり、これ以下の計測
は不要のためである。以上の理由から、実施の形態で説
明したように図2に示す操作手順に従って、ΔQを特定
できる。
【0102】よって、上記の実施の形態で示した操作を
採ることにより、微小流量検知を行うことができる。
【0103】8.積算流量Gの求め方 前記6項で、微少流量ΔQの求め方について述べた。こ
こでは、微少流量ΔQを計測し、さらには積算する方法
について述べる。小型フルイディック素子のパルス定数
をK、図6の弁を閉じている時間をT1とし、弁の閉開
操作で得られるパルス数をPsとする。
【0104】一方、図6に示すように、弁の開操作から
次の閉操作までの間隔時間をθ(秒)とする。ガスの使
用量すなわち積算流量をG(リットル)とする。Gはパ
ルスの積算値(ΣPs)から求められる。すなわち、G
は、下式に示すように、パルスの積算値(ΣPs)をパ
ルス定数Kで割って求めることとなる。 G=(ΣPs)/K この方法は、(θ+T1)秒間毎に、T1秒間に流れたガ
スを計測・積算するシステムであるから、弁の動作N回
当りのGは、等しい流量が流れているとすると、上記式
と上記条件から、以下の式で表される。
【0105】
【数13】ΣPs=N×Ps×(θ+T1)/T1 ∴ G=ΣPs/K={N×Ps×(θ+T1)/T1
/K(cm3) ∴ G={N×Ps×(θ+T1)/T1}/(K×10
00)(リットル)
【0106】また、ΔQから次のように求める事もでき
る。即ち、ΔQは、1時間あたりの流量であるから、N
×(θ+T1)/3600(h)の間に流れる積算流量
G(リットル)は、
【0107】
【数14】G={ΔQ×N×(θ+T1)}/3600
(リットル) ちなみに、ΔQは既述の式から、下記式で与えられ、 ΔQ=3.6×Ps/(K×T1)(リットル/h) よって、 G=3.6×Ps×N×(θ+T1)/(K×T1×36
00) ∴ G={N×Ps×(θ+T1)/T1}/(K×10
00)(リットル ) となり、前記の式に帰着する。
【0108】ただし、ここで、積算を実行する場合に採
用しているθ及びT1は、有効な流量計測操作に対応す
るものを意味し、図2に示すテーブルにおいて操作の
みで流量を決定する場合(0.7秒の遮断時間で3パル
スを得られる場合)は、この操作のみに対応するθおよ
びT1が、そのまま流量積算に使用できる。一方、図2
に示すテーブルにおいて、操作、操作、操作、操
作を順次実行する場合(0.7秒以外の遮断時間で流
量を求める場合)は、θには3回目までに要する時間
(操作、操作、操作に要した時間)も含めるもの
とする。一方、T1としては最終回のT1(操作の
1)のみを採用するものとする。このようにしても、
前回までのT1の積算値は10秒に満たないため、大き
な誤差とならない。
【0109】また、流量が変化する場合にあっても、有
効な流量計測操作で、単位計測操作で計測できる流量を
ΔGとした場合、これまで説明してきたことから、
【0110】
【数15】ΔG={Ps×(θ+T1)/T1}/(K×
1000)(リットル)、 G=ΔGの積算値(リットル)、 として積算流量を求めることができる。
【0111】〔別実施の形態〕上記の実施の形態にあっ
ては、小型フルイディック素子の下限流量を特定して説
明したが、本願の手法は、パルス定数Kの適切な設定に
より、例えば計測下限流量が30リットル/hの素子に
あっても適応可能である。さらに、上記の別実施の形態
にあっては、テーブル中に遮断時間T1と流量ΔQとの
具体的な数値を備えるものとして説明したが、例えば、
素子の形状によって変化するKの値によって、テーブル
中の数値は変化するが、方法に変わるところはない。従
って、これらの関係は一般的な関係式として備えるよう
にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願に係わるダブルフルイディックメーターの
基本構成を示す図
【図2】微小流量検出手段の微小流量検知操作の説明表
【図3】ガスメーターを備えるガス供給系の模式図
【図4】遮断時間と流量の関係を示す図
【図5】3パルスを発生する場合の流量と遮断時間の関
係を示す図
【図6】弁の閉開操作を行った場合の圧力変化状況を示
す図
【符号の説明】
1 メーター 2 遮断弁 7 小型フルイディック素子 9 大型フルイディック素子 15 圧力検出端 18 マイコン 19 ガス配管 20 微小流量検出手段 21 パルス発生手段 22 テーブル

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大流量計測領域に対する大型フルイディ
    ック素子と、前記大流量計測領域より小流量側の小流量
    計測領域に対する小型フルイディック素子とを備え、前
    記両フルイディック素子からの出力に基づいて流量計測
    を行うダブルフルイディックメーターであって、 前記両素子への流体の流入を遮断する弁を備えると共
    に、 前記両素子への流体の流入を遮断した遮断状態を、所定
    の遮断時間維持した後、前記弁より上流側にある流体の
    前記小型フルイディック素子のみへの流入を許容して前
    記小型フルイディック素子に発生する流体振動を検出
    し、検出情報から流量を求める微小流量検出手段を備
    え、 前記遮断状態を維持した場合に、メーター下流側の流体
    流出によりメーター上流側と下流側との間で発生する可
    能性がある圧力差が、メーターに許容される最大圧力損
    失より小さくなるように、前記遮断時間が設定されてい
    るダブルフルイディックメーター。
  2. 【請求項2】 所定の流量計測領域の流量を計測するた
    めのフルイディック素子を備えたフルイディックメータ
    ーであって、 前記フルイディック素子への流体の流入を遮断する弁を
    備え、 弁閉操作により前記フルイディック素子への流体の流入
    を遮断する遮断状態を所定の遮断時間維持した後、弁開
    操作により、弁より上流側にある流体の前記フルイディ
    ック素子への流入を許容し、前記フルイディック素子に
    発生する流体振動を検出して、検出情報から流量を求め
    る微小流量検出手段を備え、 前記遮断状態を維持した場合に、メーター下流側の流体
    流出によりメーターを挟んで発生する可能性がある圧力
    差が、メーターに許容される最大圧力損失より小さく、
    且つ、前記最大圧力損失を生じる状態における流量が前
    記所定の流量計測領域の下限流量となる時間を最小遮断
    時間として、前記微小流量検出手段における遮断時間が
    設定されているフルイディックメーター。
  3. 【請求項3】 前記微小流量検出手段において、 前記最小遮断時間より長く、前記最小遮断時間に近い第
    一遮断時間での第一回弁閉操作を行った後、弁開操作し
    た場合にフルイディック素子内を流れる流量が、前記第
    一遮断時間に対応して予め求められた流量より小さい場
    合に、遮断時間を延長して第二回弁閉操作、対応する第
    二回弁開操作を行って流量検出を行う請求項2記載のフ
    ルイディックメーター。
  4. 【請求項4】 フルイディック素子からの振動出力に関
    して、所定周期の出力があった場合に単位パルスを発生
    するパルス発生手段を備えると共に、遮断状態解除後に
    発生する流体振動により発生されるパルス数の上限が上
    限パルス数として設定されており、 一回の弁閉操作と後続する弁開操作に伴う流体振動の検
    出を単位操作として、前記単位操作を繰り返すに、各単
    位操作での流体振動検出に対応して発生するパルス数
    が、前記上限パルス数となっているかどうかに従って、
    前記単位操作をさらに実行するかどうかの判断を行っ
    て、流量検出をおこなう請求項2記載のフルイディック
    メーター。
  5. 【請求項5】 所定の流量計測領域の流量を計測するた
    めのフルイディック素子を備えたフルイディックメータ
    ーであって、 前記フルイディック素子への流体の流入を遮断する弁を
    備え、 前記フルイディック素子への流体の流入を弁閉操作によ
    り遮断する遮断状態から、弁より上流側にある流体の前
    記フルイディック素子への流入を弁開操作により許容
    し、前記フルイディック素子に発生する流体振動を検出
    して、検出情報から流量を求める微小流量検出手段を備
    え、 複数の遮断時間と、前記複数の遮断時間にそれぞれ対応
    して予め求められている流量との関係を規定する関係指
    標を備え、 前記弁閉操作と後続する弁開操作を行った場合に、前記
    フルイディック素子で発生する流体振動の回数が所定の
    回数となるように、前記弁閉操作、後続する弁開操作を
    繰り返し、前記発生される流体振動が前記所定の回数と
    なる遮断時間を求め、前記関係指標に従って、求められ
    た前記遮断時間に対して予め求められている流量を、前
    記求める流量とするフルイディックメーター。
  6. 【請求項6】 前記最大圧力損失を400Paに設定し
    てある請求項1〜4のいずれか1項に記載のフルイディ
    ックメーター。
  7. 【請求項7】 小型の前記フルイディック素子に備えら
    れるノズルの断面積をS、前記小型のフルイディック素
    子の計測下限流量をq、前記小型のフルイディック素子
    のパルス定数をKとするとき、 S、q、Kの値が以下の範囲に設定され、 S= 2.5〜7(mm2)、 q= 10〜20(リットル/h)、 K= 0.68〜1.48(パルス/cm3)、 前記弁の遮断時間をT1(秒)、弁の開操作から次の閉
    操作までの閉開操作間隔時間をθ(秒)、弁1回の閉開
    操作に対応して発生されるパルス数をPs、弁1回の閉
    開操作当たりのガス使用量をΔGとするに、 0.5≦T1≦5(秒)、500≦θ≦2000
    (秒)、 Ps=3(パルス)、 ΔG={Ps×(θ+T1)/T1}/(K×1000)
    (リットル)、 G=ΔGの積算値(リットル)、 として、流量積算値Gを求める請求項4に記載のフルイ
    ディックメーター。
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