JP2002130848A - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

冷凍サイクル装置

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JP2002130848A
JP2002130848A JP2000324617A JP2000324617A JP2002130848A JP 2002130848 A JP2002130848 A JP 2002130848A JP 2000324617 A JP2000324617 A JP 2000324617A JP 2000324617 A JP2000324617 A JP 2000324617A JP 2002130848 A JP2002130848 A JP 2002130848A
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corrosion
pipe
refrigerant
refrigeration cycle
cycle apparatus
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JP2000324617A
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English (en)
Inventor
Mitsusada Hayakawa
満貞 早川
Shinobu Ogasawara
忍 小笠原
Nobuyoshi Harakawa
信義 原川
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 万一、配管腐食による冷媒漏洩が発生して
も、周辺が可燃性ガスの引火濃度にならないようにした
冷凍サイクル装置を提供する。 【解決手段】 可燃性の冷媒を使用した冷蔵庫1におい
て、可燃性の冷媒が流れる配管のうち、圧縮機冷却ファ
ン5、または、冷却ファン6の風路上にある配管及び/
又はその配管の接合部を、圧縮機冷却ファン5、また
は、冷却ファン6の風路上にない配管より薄肉の配管と
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可燃性を示す冷媒
を使用した冷凍サイクル装置に係り、特に、万一、冷媒
が流れる配管部に腐食貫通孔が生じ、冷媒漏洩が発生し
ても、周辺が冷媒の可燃性ガスの引火の濃度にならない
ようにした冷凍サイクル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】冷凍サイクル装置の冷媒は従来、クロロ
フルオロカーボン(以下CFCと称す)又はハイドロク
ロロフルオロカーボン(以下HCFCと称す)等が使用
されてきたが、オゾン層保護の目的からオゾン層破壊の
要因となる塩素を含まない、ハイドロフルオロカーボン
(以下HFCと称す)に代替されつつある。冷蔵庫用で
はジクロロジフルオロメタン(R12)からテトラフル
オロエタン(R134a)へ代替が完了し、より低温向
けではR502(R22/R115)からクロロジフル
オロメタン(R22)へ、さらにR404a(R125
/R143a/R134a)に代替が進められている。
また、空調用ではR22からR407c(R32/R1
25/R134a)やR410a(R32/R125)
へ代替が進められている。これらHFC系冷媒は、従来
のCFCやHCFC系冷媒と同等の熱物性であること、
毒性が無いこと、可燃性でないこと等により選択、実用
化されてきたものである。
【0003】しかし、これらHFC系冷媒は、地球温暖
化への影響が大きく、またR407cやR410a等の
HFC混合冷媒は非共沸で取扱いが煩雑な上、R22よ
りサイクル性能が劣ることなどが挙げられている。一
方、大型の冷凍機等では従来よりアンモニア(R71
7)等の可燃性冷媒が使用されている。そこで冷蔵庫、
空調機用の冷媒としてもより地球温暖化への影響が少な
く、又冷凍サイクル性能が低下しないハイドロカーボン
(以下HCと称す)、ジフルオロメタン(以下R32と
称す)等の可燃性冷媒が検討され始めている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】HC系冷媒及びR32
は可燃性を有することから、安全性及び信頼性の確保が
重要課題であるが、従来の冷蔵庫や空調機等の冷凍サイ
クル装置には、CFC、HCFC、HFC等の不燃性冷
媒を使用していたため、冷媒漏洩による引火を想定した
防止対策は全く施されていなかったのが現状である。
【0005】そこで、爆発防止対策として、特開平11
−248271号公報に開示されるような冷凍装置で
は、冷媒と相互溶解性の小さい冷凍機油を用いて冷媒封
入量を少なくし安全性の高い冷凍装置を提供可能として
いる。
【0006】可燃性冷媒の封入量を少なくする事によ
り、冷媒漏洩による引火の被害を最小限に食止めること
が可能であり、安全に対する信頼性は高くなると予想で
きる。しかし万一冷媒漏洩が発生した場合、漏洩箇所近
傍で局部的に引火濃度に達する可能性がある。
【0007】また特開平10−170133号公報に開
示されるような冷蔵庫では、電線路の接合部を樹脂材で
密閉する事により可燃性ガス雰囲気内でも安全に使用が
可能である耐圧防爆機構を持ち、さらに冷蔵庫本体内の
温度を検出してその検出温度が一定温度以上である状態
が一定時間継続したときにおいて警報を発する冷媒漏洩
検知機構を持つ事を特徴としている。
【0008】制御盤の電線路を樹脂材で密閉する事によ
り、庫内にある機器類を着火源として発生する引火を防
ぐことが可能である。また、警報装置により事前に危険
を察知でき引火を未然に防ぐことができる。しかし、防
爆機能、警報装置を持たせることでコスト高は避けられ
ない。
【0009】また特開平09−316439号公報に開
示されるような冷蔵庫では、無色無臭の可燃性冷媒に人
間の臭覚で感知可能な着臭剤を添加する事で、万一冷媒
が漏洩しても添加している着臭剤の臭気を人間の臭覚で
感知し直ちに冷媒漏洩を認識し得る特徴を持つ。また、
上記冷媒に周辺環境に存在する物質から分離して検知し
やすい物質を混合剤として混合する事で、冷媒が周辺環
境に存在する同様の炭化水素であったとしても、冷媒を
検知可能な冷媒センサーを具備する特徴を持つ。
【0010】人間の臭覚で感知可能な着臭剤を冷媒に添
加する事により、万一可燃性冷媒が漏洩しても安全性確
保上の適切な対応を迅速にとれる事が可能である。ま
た、センサーにより人間の五感より精度良く検知する事
で更に適切な対応が可能となり、二重の安全性を確保で
きる。しかし、無人運転が当然である冷凍機においては
必ずしも十分な対応は取れない。またセンサー設置によ
るコスト高も避けられない。
【0011】本発明は、上述のような課題を解決するた
めになされたもので、万一、配管腐食による冷媒漏洩が
発生しても、周辺が可燃性ガスの引火濃度にならないよ
うにした冷凍サイクル装置を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る冷凍サイク
ル装置は、可燃性の冷媒を使用した冷凍サイクル装置に
おいて、万一の腐食に備えて、前記可燃性の冷媒が流れ
る配管のうち、腐食貫通孔が周辺の配管より若干優先的
に生じるようにした配管及び/又はその配管の接合部を
ファンの風路上に配設したものである。
【0013】また、可燃性の冷媒は、ブタン、イソブタ
ン、プロパン、ジフルオロメタン、1.1ジフルオロエ
タン、メチルエーテルのいずれか1つ又は、2つ以上を
主成分とするものである。
【0014】また、腐食貫通孔が周辺の配管より若干優
先的に生じるようにした配管は、腐食貫通孔が優先的に
生じるようにファンの風路上にない配管より薄肉の配管
としたものである。
【0015】また、最も薄肉な配管及び/又はその配管
の接合部を有するのは熱交換器である。
【0016】また、ファンの風路上にない配管及び/又
はその配管の接合部に、表面処理、塗装等の防食処理を
施すものである。
【0017】また、可燃性の冷媒を使用した冷凍サイク
ル装置において、前記冷媒が流れる配管及び/又は、そ
の配管の接合部は、万一、腐食が生じても、ピンホール
腐食形態となるような配管素材及び/又は、その配管の
接合材を使用するものである。
【0018】また、配管素材が銅、純アルミ系材料、表
面処理鋼管、ステンレスである。
【0019】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は冷凍サイク
ル装置である冷蔵庫の冷媒回路図である。図において、
3は蒸発器、4は圧縮機、8はキャピラリーチューブ、
9は差圧弁、10は機械室凝縮器である。そして、圧縮
機4、ドライヤー(図示せず)等及びそれらを接合する
配管等が庫外、蒸発器3、キャピラリーチューブ8等及
びそれらを接合する配管等が庫内に構成されている。冷
媒漏洩のほとんどがこれら配管や接合部の腐食によって
起こる。
【0020】冷媒漏洩防止対策として、配管接合部の削
減、配管の厚肉化、配管等への表面処理や塗装といった
防食処理が挙げられる。しかし、全配管接合部を無くす
ことは技術的に困難であり、また、厚肉化、防食処理を
全配管に施すことはコスト高の原因となる。いずれにし
ても、漏洩発生を完全に抑えることは困難である。
【0021】そこで、万一、冷媒漏洩が発生しても周辺
を引火濃度に達しないようにして、冷媒ガスによる引火
を防止するようにしたものが本実施の形態である。
【0022】図2は本発明の実施の形態1を示す冷凍サ
イクル装置である冷蔵庫の正面図、図3は図2の側面図
である。図2、3において、冷蔵庫1は、外箱と内箱の
間に断熱樹脂2を挿入してなる断熱筐体と、圧縮機4、
熱交換器である凝縮器7、蒸発器3及び機械室凝縮器1
0をそれぞれ配管で接合してなる冷媒回路とで構成され
ている。5は圧縮機冷却ファン、6は冷却ファン、であ
る。そして、周辺の配管のうち薄肉な配管及び配管接合
部を圧縮機冷却ファン5及び蒸発器用冷却ファン6の風
路上に設置している。特に、蒸発器3、凝縮器7及び機
械室凝縮器10等の熱交換器の配管肉厚を最も薄い0.
25mm〜0.3mm程度として、圧縮機冷却ファン
5、冷却ファン6の風路上にない他の配管をこれよりも
厚肉なものとした。また、風路上にない周辺の配管部分
は、表面処理、塗装等の防食処理を施した。
【0023】なお、配管の肉厚については、冷凍機など
の使用配管の肉厚は、例えば銅配管の場合、寿命年数を
10年程度に考え、腐り代を0.2mm程度とするのが
一般的であり、これに加えて耐圧、振動等に対する強度
分と材料のバラツキ分の肉厚を考慮して0.25mm〜
0.3mmと定めた。
【0024】また、使用する可燃性の冷媒は、ブタン、
イソブタン(R600a)、プロパン、ジフルオロメタ
ン(R32)、1.1ジフルオロエタン、メチルエーテ
ルのいずれか1つ又は、2つ以上を主成分とするのが望
ましい。
【0025】この構成における冷凍サイクルは、図1に
示すように、冷媒は、圧縮機4で高温高圧の過熱蒸気と
なり吐出配管から断熱材内に這わせた配管へと送り出さ
れ凝縮工程が行われる。凝縮器7内で過熱蒸気から常温
高圧の飽和蒸気、飽和液、過冷却液の順で状態を変化さ
せ、キャピラリーチューブ8を経て低温低圧の飽和液と
なり、蒸発器3内で低温低圧の飽和蒸気、過熱蒸気と状
態を変化させ、吸入管で圧縮機4に戻る工程を繰返し行
う。
【0026】そして、使用中の環境により、配管に腐食
が生じた場合、腐食環境によって様々ではあるが、一般
に配管に使用される金属材料の常温における腐食形態
は、主に全面腐食と局部腐食に大別される。また、冷蔵
庫が使用されるような常温域ではいずれの腐食も電池反
応により説明される。すなわち、素材と環境によりその
腐食速度が決定されることになり、同一素材で同一腐食
環境下であれば、その素材の肉厚が配管の貫通寿命を決
定する。
【0027】例えば、腐食生成物や表面の保護皮膜を絶
えず溶解してしまうような過酷な腐食環境下では一様に
腐食が進行する全面腐食が生じ、一定の腐食速度で腐食
が進行する。図4に全面腐食形態における時間と腐食深
さの関係を示す。
【0028】それに対し、孔食等のピンホール形態であ
る局部腐食では腐食生成物や表面の保護皮膜により不均
一に腐食が進行する。これは局部電池作用によるもの
で、孔食等は局部電池の面積変化により時間の1/3剰
に比例した腐食速度となる。図5にピンホール腐食形態
における時間と腐食深さの関係を示す。
【0029】以上のように、全面腐食か局部腐食にかか
わらず、同一素材で同一環境下の腐食であれば、貫通寿
命は肉厚に依存するため、より薄肉の部分が先に貫通す
る。従って、圧縮機冷却ファン5及び蒸発器用冷却ファ
ン6の風路上に設置した、薄肉な配管及び配管接合部が
腐食貫通しやすく、最も薄くした蒸発器3、凝縮器7及
び機械室凝縮器10等の熱交換器の配管が、最初に腐食
貫通孔が生じる。しかし、万一、冷媒が漏洩しても、風
路上にあるため冷媒が強制拡散されるため、配管の周辺
は引火濃度にならず、冷媒ガスによる引火を防止する。
【0030】そして、風路上に設置した配管を薄肉化す
ることで風路上にない周辺の配管からの冷媒漏洩を防
ぐ。さらに、風路上にない周辺の配管部分は、表面処
理、塗装等の防食処理が施されているので冷媒漏洩は効
果的に防止される。このように、ファン風路上に設置し
た配管を風路上にない周辺の配管より薄肉化すること
は、腐食により万一冷媒が漏洩したとしても、風路上に
優先的に漏洩させ、強制拡散させる。
【0031】次に、本発明の冷蔵庫1により、冷媒漏洩
発生時の漏れ近傍のガス濃度を冷媒の漏洩速度を変え測
定した結果を図6、7により説明する。図6はファンO
N時、図7はファンOFF時のガス拡散結果を示す図で
あり、縦軸にガス濃度比(ここでR600aの引火下限
濃度1.8%をL.E.L100%とする。)、横軸に
時間を示している。冷媒はHC冷媒であるR600aを
使用した場合を対象に行なった。濃度分布測定にはガス
センサーを用い、冷蔵庫1を中心に数十箇所設置した。
【0032】ファンON時の濃度は、図6に示すよう
に、ガス漏洩開始直後は一時的に高い値を示し、漏洩速
度が15g/minとした場合は、L.E.L50%を
越え、漏洩速度が10g/minとした場合は、L.
E.L50%となり、時間の経過に伴い、ファンの強制
拡散効効果によりいずれも低い値となった。ここで、
L.E.L50%以下を引火の可能性のない安全漏洩速
度と定義した場合、ファンONの条件であれば安全漏洩
速度はおよそ10g/min程度である。どんなに著し
い腐食環境下においても、冷媒の充填量が限られている
ため、急な配管折損等でない限り、この漏洩速度10g
/minを上回ることはないと考えられる。つまり、漏
洩速度に関係なく漏洩箇所がファンの風路上であれば、
配管がどんな素材であれ、冷媒漏洩による引火は発生し
ないと言える。
【0033】ファンOFF時の濃度は、図7に示すよう
に、漏洩速度が1.0g/min、0.8g/min、
0.5g/minのいずれも、強制拡散が無いため濃度
の急激な低下は見られないものの、時間がある程度経過
すれば自然拡散する傾向が見られた。ファンON時と同
様にL.E.L50%以下を引火の可能性のない安全漏
洩速度と定義した場合、ある程度マージンを考慮して安
全漏洩速度はおよそ0.5g/min程度と考えられ
る。
【0034】以上のように、万一、配管腐食による冷媒
漏洩が発生しても、ファン風路上に設置した配管を風路
上にない周辺の配管より薄肉の配管としたので、腐食に
より万一冷媒が漏洩したとしても、風路上に優先的に漏
洩させて強制拡散させ、風路上にない周辺の配管からの
冷媒漏洩を防ぐので、周辺が可燃性ガスの引火濃度にな
らないので、引火を防ぐことができる。また、風路上に
ない周辺の配管部分は、表面処理、塗装等の防食処理を
施したので、万一、配管腐食が生じても、風路上の配管
に優先的に腐食が生じ、風路上の冷媒漏洩を強制拡散さ
せることができる。
【0035】実施の形態2.実施の形態1では、万一、
冷蔵庫に冷媒漏洩が発生しても周辺を引火濃度にしない
方法として、ファンによる冷媒漏洩の強制拡散させた
が、本実施の形態は冷媒漏洩の速度を小さくして引火濃
度にしないようにしたものである。
【0036】使用配管が全面腐食及びその影響による折
損で貫通した場合、漏洩速度はある程度大きくなり、腐
食がピンホール形態であれば、貫通した場合の漏洩速度
はある程度小さくなることが推測される。そこで、冷蔵
庫の構成は実施の形態1と同じであるが、配管素材もし
くは接合ロウ材を腐食が優先的にピンホール形態で発生
するような配管素材もしくは接合ロウ材で構成した。
【0037】腐食がピンホール形態で発生する素材とし
ては、銅、純アルミ系材料、表面処理鋼管、ステンレス
等が挙げられる。これらの表面は不動体皮膜や自然酸化
皮膜等に覆われているため、その皮膜が部分的に溶解さ
れ、選択的に腐食が進行し、孔食等のピンホール形態と
なる。
【0038】次に、本実施の形態の冷蔵庫の腐食試験を
行い、その腐食形態と漏洩速度について評価した結果を
図8により説明する。図8はピンホール形態の腐食が生
じたときにおけるR6000aの水中リーク試験結果を
示す図である。
【0039】冷蔵庫の配管は銅配管とし、腐食は気相中
で行い、圧力センサーにより貫通孔の有無を確認した。
漏洩速度はR600aを使用し、水中置換法により測定
した。
【0040】銅配管は孔食及び蟻の巣状腐食等のピンホ
ール形態で腐食が進行し貫通に至った。孔食を優先的に
生じさせる今回の試験においては、腐食は初期段階で開
口型の腐食孔で進行する水素反応型形態であったが、あ
る程度時間が経過すると腐食形態が酸素還元反応型形態
へと変わり、生成された酸化物により閉塞型の腐食孔と
なる傾向を示した。
【0041】試験結果は図8に示すように、漏洩速度
は、冷蔵庫の作動圧力5Kg/cm2G想定で最大でも
0.06g/min程度あった。また酸化物による影響
で漏洩速度はある時間を境に減少傾向を示した。
【0042】実施の形態1の図7に示したファンOFF
時のガス拡散結果から、ファンON時と同様にL.E.
L50%以下を引火の可能性のない安全漏洩速度と定義
した場合、ある程度マージンを考慮して安全漏洩速度は
およそ0.5g/min程度とした。つまり、ファンO
FF時は0.5g/min以上の速度で冷媒が漏洩した
場合、引火の危険性が高くなる。前述したように、ピン
ホール形態で貫通した銅配管のR600aによる漏洩速
度は0.06g/minでありこの安全漏洩速度0.5
g/min以下である。また、冷蔵庫の冷媒充填量を仮
に100gとした場合、充填冷媒であるR600aは最
大漏洩速度に至る前にすべて漏れきる計算となる。
【0043】以上のように、R600aを使用した冷蔵
庫において腐食形態が優先的にピンホール形態になるよ
うな配管素材もしくは接合ロウ材で構成すれば、漏洩速
度が非常に小さいため漏洩発生箇所に関係なく引火の濃
度になることを防ぐことができる。
【0044】実施の形態3.実施の形態2では、配管素
材もしくは接合ロウ材を腐食が優先的にピンホール形態
で発生するような配管素材もしくは接合ロウ材で構成し
た冷蔵庫において、冷媒はR600aを使用した場合に
ついて示したが、本実施の形態は冷媒にR32を使用し
た冷凍サイクル装置である空調機である。
【0045】次に、本実施の形態の空調機の配管の腐食
試験を実施の形態2と同様に行い、その腐食形態と漏洩
速度について評価した結果を図9により説明する。図9
はピンホール形態の腐食が生じたときにおけるR32の
水中リーク試験結果を示す図である。
【0046】空調機の配管は銅配管とし、腐食は気相中
で行い、圧力センサーにより貫通孔の有無を確認した。
漏洩速度はR32を使用し、水中置換法により測定し
た。
【0047】試験結果は、図9に示すように、作動圧力
40kg/cm2G想定で、最大でも0.2g/min
程度であった。R600aと同様、R32の漏洩速度も
ある時間を境に減少傾向を示した。
【0048】また、空調機でR32の使用を考えた場
合、冷蔵庫でR600aを使用した場合と比較すると、
作動圧力が高くなること、充填量が多くなることが挙げ
られる。しかし、R600aの引火下限界濃度が1.8
%なのに対し、R32の引火下限界濃度が約13%と下
限値が高いことを考慮すると、少なくともR32の安全
漏洩速度の基準は冷蔵庫のR600aによるファンOF
F時の拡散試験から得られた安全漏洩速度0.5g/m
inよりも下回ることは考えられない。R600aの安
全漏洩速度0.5g/minで考えても、今回のR32
の漏洩速度は0.2g/min程度であり冷媒漏洩によ
る引火は起こり得ない。
【0049】以上のように、空調機にR32を使用した
場合、腐食形態が優先的にピンホール形態になるような
配管素材もしくは接合ロウ材で構成すれば、たとえ風路
に当たらない配管部分で冷媒漏洩が発生したとしても漏
洩速度が非常に小さいため、漏洩発生箇所に関係なく引
火濃度になることを防ぐことができる。
【0050】なお、本発明は実施の形態1及び2、3で
示したR600a使用の冷蔵庫やR32使用の空調機だ
けでなく、例えば、プロパン/イソブタン混合冷媒を使
用したショーケース等の冷凍機、また、ブタン、1.1
ジフルオロエタン、メチルエーテルのいずれか1つ又
は、2つ以上を主成分とした冷媒等も、R600aの引
火下限界濃度が1.8%なのに対し、プロパンは2.1
%、1.1ジフルオロエタン(R152a)は4.0
%、エチルエーテルは3.4%と高いことから、本発明
の要旨を脱しない限り種々変形して実施することができ
る。
【0051】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、本発明
に係る冷凍サイクル装置は、可燃性の冷媒を使用した冷
凍サイクル装置において、万一の腐食に備えて、前記可
燃性の冷媒が流れる配管のうち、腐食貫通孔が周辺の配
管より若干優先的に生じるようにした配管及び/又はそ
の配管の接合部をファンの風路上に配設したので、万
一、配管腐食による冷媒漏洩が発生しても周辺が可燃性
ガスの引火濃度にならないようにすることができる。
【0052】また、可燃性の冷媒は、ブタン、イソブタ
ン、プロパン、ジフルオロメタン、1.1ジフルオロエ
タン、メチルエーテルのいずれか1つ又は、2つ以上を
主成分としたので、可燃性冷媒を使用した冷蔵庫、空調
機等に使用できる。
【0053】また、腐食貫通孔が周辺の配管より若干優
先的に生じるようにした配管は、腐食貫通孔が優先的に
生じるようにファンの風路上にない配管より薄肉の配管
としたので、万一、配管腐食による冷媒漏洩が発生して
も周辺が可燃性ガスの引火濃度にならないようにするこ
とができる。
【0054】また、最も薄肉な配管及び/又はその配管
の接合部を有するのは熱交換器なので、万一、配管腐食
が生じ、冷媒漏洩が発生しても同一腐食環境下では、熱
交換器の漏洩冷媒を周辺の配管よりも優先的に強制拡散
することができる。
【0055】また、ファンの風路上にない配管及び/又
はその配管の接合部に、表面処理、塗装等の防食処理を
施したので、ファン風路上の配管より先に漏洩すること
を防ぐことができる。
【0056】また、可燃性の冷媒を使用した冷凍サイク
ル装置において、前記冷媒が流れる配管及び/又は、そ
の配管の接合部は、万一、腐食が生じても、ピンホール
腐食形態となるような配管素材及び/又は、その配管の
接合材を使用したので、万一、配管腐食による冷媒漏洩
が発生しても、優先的にピンホール状の腐食を生じさせ
冷媒漏洩速度を小さくすることができ、周辺が可燃性ガ
スの引火濃度にならないようにすることができる。
【0057】また、配管素材が銅、純アルミ系材料、表
面処理鋼管、ステンレスとしたので、万一、腐食が生じ
ても、ピンホール腐食形態となり、冷媒漏洩が発生して
も、優先的にピンホール状の腐食を生じさせ冷媒漏洩速
度を小さくすることができ、周辺が可燃性ガスの引火濃
度にならないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 冷蔵庫の冷媒回路図である。
【図2】 本発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の正面図
である。
【図3】 図2の側面図である。
【図4】 全面腐食形態における時間と腐食深さの関係
を示す図である。
【図5】 ピンホール腐食形態における時間と腐食深さ
の関係を示す図である。
【図6】 本発明の実施の形態1に係る冷蔵庫のファン
ON時のガス拡散試験結果を示す図である。
【図7】 本発明の実施の形態1に係る冷蔵庫のファン
OFF時のガス拡散試験結果を示す図である。
【図8】 本発明の実施の形態2に係る冷蔵庫にR60
0aを使用したときの水中リーク試験結果を示す図であ
る。
【図9】 本発明の実施の形態3に係る冷蔵庫にR32
を使用したときの水中リーク試験結果を示す図である。
【符号の説明】
1 冷蔵庫、3 蒸発器、4 圧縮機、5 圧縮機冷却
ファン、6 冷却ファン、7凝縮器、8キャピラリーチ
ューブ、10 機械室凝縮器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原川 信義 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 3L045 AA06 BA01 CA02 DA02 HA01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可燃性の冷媒を使用した冷凍サイクル装
    置において、 万一の腐食に備えて、前記可燃性の冷媒が流れる配管の
    うち、腐食貫通孔が周辺の配管より若干優先的に生じる
    ようにした配管及び/又はその配管の接合部をファンの
    風路上に配設したことを特徴とする冷凍サイクル装置。
  2. 【請求項2】 可燃性の冷媒は、ブタン、イソブタン、
    プロパン、ジフルオロメタン、1.1ジフルオロエタ
    ン、メチルエーテルのいずれか1つ又は、2つ以上を主
    成分とする請求項1記載の冷凍サイクル装置。
  3. 【請求項3】 腐食貫通孔が周辺の配管より若干優先的
    に生じるようにした配管は、腐食貫通孔が優先的に生じ
    るようにファンの風路上にない配管より薄肉の配管とし
    たことを特徴とする請求項1または請求項2記載の冷凍
    サイクル装置。
  4. 【請求項4】 最も薄肉な配管及び/又はその配管の接
    合部を有するのは熱交換器であることを特徴とする請求
    項3記載の冷凍サイクル装置。
  5. 【請求項5】 ファンの風路上にない配管及び/又はそ
    の配管の接合部に、表面処理、塗装等の防食処理を施す
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の冷凍
    サイクル装置。
  6. 【請求項6】 可燃性の冷媒を使用した冷凍サイクル装
    置において、前記冷媒が流れる配管及び/又は、その配
    管の接合部は、万一、腐食が生じても、ピンホール腐食
    形態となるような配管素材及び/又は、その配管の接合
    材を使用することを特徴とする冷凍サイクル装置。
  7. 【請求項7】 配管素材が銅、純アルミ系材料、表面処
    理鋼管、ステンレスであることを特徴とする請求項6記
    載の冷凍サイクル装置。
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