JP2002130270A - 直動軸受機構 - Google Patents

直動軸受機構

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JP2002130270A
JP2002130270A JP2000327029A JP2000327029A JP2002130270A JP 2002130270 A JP2002130270 A JP 2002130270A JP 2000327029 A JP2000327029 A JP 2000327029A JP 2000327029 A JP2000327029 A JP 2000327029A JP 2002130270 A JP2002130270 A JP 2002130270A
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cylindrical main
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Masanori Mochizuki
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 筒状主体(1)と、これに対して軸方向に移動
自在に挿入される軸(2)と、前記軸(2)と前記筒状主体
(1)との間に介在されてこれらに転がり接触する複数の
転動体とからなる直動軸受機構において、保持器の構造
を簡素化できるようにし、筒状主体(1)と軸(2)との間に
生じる回転力に対する強度を高め得ると共に、直動精度
を高められるようにすること。 【解決手段】 前記転動体は球体(3)とし、これら球体
(3)は、前記筒状主体(1)と軸(2)との境界を周方向に偶
数個に分割した位置に配置されると共に、前記筒状主体
(1)の内周面に形成した縦溝(11)と、この縦溝に対向さ
せて前記軸の外周面に形成した縦溝(21)との間に予圧状
態に介在され、前記球体(3)の前記予圧の方向は周方向
に対して傾斜すると共に、この傾斜の方向は、周方向に
隣合う球体相互において対称に設定されていること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は直動軸受機構、特
に、直動方向の転がり軸受を内臓させた直動軸受機構に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の直動軸受機構としては、プレス
機械に用いられるガイドポストとガイドブッシュとの間
にボールを介在させた構成のものが、特開平3-81036号
に開示されている。こものでは、前記ボールが前記ガイ
ドポストの表面とガイドブッシュの内周面に形成された
軸線方向の縦溝間に介在されているだけであるから、前
記ボールは転がり軸受機能を発揮して、ガイドポストと
ガイドブッシュの間の摺動抵抗が緩和されるものの、こ
のボールには周方向の移動余裕があることから、ガイド
ポストとガイドブッシュの間に相対回転方向の外力(以
下、トルクという)が生じる使用状態では、前記回転に
対する強度が不十分であり、直動精度が得られないばか
りかその精度が安定しない。
【0003】このような問題を解消するものとして、特
許第2782160号には、前記ボールに代えて所謂クロスロ
ーラを採用した直動軸受機構が提案されている。このも
のでは、ローラの回転軸線が周方向に対して45度傾斜し
た姿勢にてガイドポストとガイドブッシュに設けた縦溝
間に予圧状態に介装され、しかも、軸方向に連続するロ
ーラ相互の回転軸線は、軸線に直角な断面において90度
の位相角を持たせた、所謂クロスローラ方式となってい
る。
【0004】したがって、この直動軸受機構ではガイド
ポストとガイドブッシュとの間にトルクが作用したとし
ても前記トルクはこれらローラを介して縦溝の構成壁面
によって受け止められるからトルクに対する強度が十分
であり直動制度が長期にわたって安定する。ところが、
このものの場合、前記ローラを収容する縦溝は前記ロー
ラが転がり接触する必要があることから十分な深さのも
のとする必要がありポストの強度が低下すると共にこの
ローラは特殊な形状のローラであり、縦溝に沿って連続
するローラを転動自在に保持する場合の保持器の構造も
複雑になる。また、周方向に配置されたローラを一体と
して保持するためのこの保持器の構造は一層複雑なもの
となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このことは、ガイドブ
ッシュと、ガイドポストとの組み合わせに限られるもの
ではなく、筒状の部材と軸部との直線移動部の転がり軸
受機構における問題でもある。本発明は、「筒状主体
(1)と、これに対して軸方向に移動自在に挿入される軸
(2)と、前記軸(2)と前記筒状主体(1)との間に介在され
てこれらに転がり接触する複数の転動体とからなる直動
軸受機構」において、転動体を汎用性のある球体とする
ことにより保持器の構造を簡素化できるようにし、さら
に、前記球体を採用した場合でも前記筒状主体(1)と前
記軸(2)との間に生じる回転力に対する強度を高め得る
と共に、直動精度を高められるようにすることをその課
題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】*1項 前述した課題を解決するために講じた本発明の解決手段
は『前記転動体は球体(3)とし、これら球体(3)は、前記
筒状主体(1)と軸(2)との境界を周方向に偶数個に分割し
た位置に配置されると共に、前記筒状主体(1)の内周面
に形成した縦溝(11)と、この縦溝に対向させて前記軸の
外周面に形成した縦溝(21)との間に予圧状態に介在さ
れ、前記球体(3)の前記予圧の方向は周方向に対して傾
斜すると共に、この傾斜の方向は、周方向に隣合う球体
相互において対称に設定されている』ことである。
【0007】上記解決手段はつぎのように作用する。前
記球体(3)は縦溝(11)と縦溝(21)の間に予圧状態に介在
されており、その予圧方向は周方向に対して傾斜するか
ら、この予圧方向に沿った回転力は、前記球体(3)を介
して縦溝(11)と縦溝(21)における前記予圧のための加圧
部位相互によって受け止められる。またこの予圧方向
は、周方向に隣合う球体相互において半径線に対して対
称であるから、何れの回転方向のトルクに対しても受け
止められることとなる。
【0008】叉、各球体(3)に作用する予圧の方向に対
して直角の方向の弾性変形の自由度が十分であるから、
前記予圧及び筒状主体(1)と軸(2)との間に作用するトル
クにより各球体(3)が過度に圧縮変形される事による不
都合が防止できる。尚、以上において、一部の縦列の球
体(3)が半径方向のみに予圧される構成が付加的に採用
されているものであってもよい。
【0009】*2項 上記発明において『前記球体(3)は筒状主体(1)と軸(2)
との間に自由状態に介在された筒状の保持器保持器(4)
により自転自在に且内外に貫通状態に保持され、前記保
持器(4)による球体(3)の保持位置が周方向に並ぶ位置で
あって縦溝に沿う方向に並ぶ位置に設定されている』も
のでは、各球体(3)の配置が前記保持器(4)によって正確
に位置決めされるから、全体の球体(3)に作用する予圧
力の方向のアンバランスが生じない。
【0010】*3項 前記1,2項において『筒状主体(1)または軸(2)の一方
において周方向に隣り合う一対の縦溝相互は凸条を挟ん
で並設され、筒状主体(1)又は軸(2)の他方の縦溝は、周
方向に連続して配置される2つの球体(3)を収容できる
大きさであって前記凸条を含む態様に形成されており、
前記他方の縦溝断面の外側の側面部と前記凸条に対して
周方向に続く側面部との間に前記球体(3)が予圧状態に
介在されている』ものでは凸条を挟んで隣接する球体
(3)の予圧の方向が対称に設定されるので、予圧の方向
が周方向に近づけられるから、トルクに対する対抗強度
を隣接する球体(3)の距離が離れたものに比べて高める
事ができる。尚、前記凸条は筒状主体(1)の内周面また
は軸(2)の外周面の何れかのみに形成されるものでも、
交互に形成されるものであってもよい。
【0011】*4項 以上において、『周方向に隣り合う前記縦溝(11)相互の
間には軸線方向に延びる平面部(12)が設けられると共
に、軸(2)の表面にはこの平面部(12)と対向する平面部
(23)が形成されており、これらの平面部間にはこれら平
面部に対して転がり接触するローラ(30)が前記保持器
(4)に保持された態様で介在され、前記ローラ(30)が介
在された個所は周方向に置いて3以上に亘って等間隔で
配置されている』ものでは、平面部(12)と平面部(23)間
にローラ(30)が介在された転がり軸受機構部自体によっ
てもトルクを負担できるから、トルクに対する強度が向
上すると共に、直動動作が繰り返される場合の転がり接
触部の耐久性が向上する。したがって、球体(3)による
転がり接触部が部分的に損傷した場合でも、このローラ
(30)による転がり接触部が直動動作の円滑性を担保でき
る。又、半径方向の外力に対する強度をローラ(30)が負
担する。
【0012】*5項 1,2,3、又は4項の直動軸受機構において、『前記
軸(2)は筒軸でありこの筒軸にはネジ軸がネジ対偶状態
に貫通され、前記筒状主体(1)が固定され前記ネジ軸が
回転駆動される構成で有る』ものでは、ネジ対偶部によ
るトルクが、直動軸受機構において確実に受け止められ
るので、ネジ対偶部のネジ軸の回転による筒状主体(1)
の軸線方向移動の精度が高いものとなる。
【0013】*6項 上記1項のものと同様の課題を解決する技術的手段とし
て、『筒状主体(1)と、これに対して軸方向に移動自在
に挿入される軸(2)と、前記軸(2)と前記筒状主体(1)と
の間に介在されてこれらに転がり接触する複数の転動体
とからなる直動軸受機構において、前記転動体は球体
(3)とし、これら球体(3)は、前記筒状主体(1)と軸(2)と
の境界を周方向に複数個に分割した位置に配置されると
共に、前記筒状主体(1)の内周面に形成した縦溝(11)
と、この縦溝に対向させて前記軸の外周面に形成した縦
溝(21)との間に予圧状態に介在され、前記球体(3)の前
記予圧の方向は周方向に対して傾斜する2方向に設定す
ると共に、前記2方向は、半径線に対して対称に設定さ
れている』ものであっても良い。この場合には、縦溝(1
1)縦溝(21)間に介在される1列の球体(3)群の各球体(3)
には対称な予圧荷重が作用するから、1項の発明と同様
の作用が得られる。
【0014】*その他 前項の発明において、上記2項と同様の構成を採用する
もの、及び、上記4項と同様の構成を採用するものでは
同項のものと同様の作用を発揮する。以上において、保
持器(4)を用いるものでは、『前記保持器(4)の球体(3)
の保持部であって、筒状主体(1)と軸(2)との相対移動に
よって露出状態となる前記保持部には、縦溝(11)(21)の
少なくとも一方に嵌り込むように膨くれた膨出部が形成
されると共にこの膨出部に内外貫通状態に形成された貫
通孔に前記球体(3)が保持されており、前記露出側の前
記貫通孔が球体(3)の直径よりも小さく設定されてい
る』とすることにより、前記保持器(4)が前記露出状態
となっても球体(3)が保持器(4)から脱落する事がない。
換言すれば、前記貫通孔の直径の小径部分を球体(3)の
直径よりも大幅に小さくできるから、前記脱落防止効果
が確実である。またこのことにより保持器全体の肉厚を
薄くしボールを保持する箇所のみ厚くする事ができる。
【0015】
【発明の効果】本発明は、上記構成であるから次の特有
の効果を有する。何れの方向のトルクも前記球体(3)を
予圧する縦溝(11)と縦溝(21)の加圧部位相互によって受
け止められるから、直動機構に作用する回転力に対する
強度が向上する。また、各球体(3)に作用する予圧及び
前記回転力にる作用力によって各球体(3)が過度に圧縮
変形される事による不都合が防止できるので、長期使用
によって球体(3)が損傷しにくい。2項のものでは、上
記に効果に加えて全体の球体(3)に作用する予圧力の方
向のアンバランスが生じないから、トルクが作用した場
合でも直動軸受部の直動精度が十分である。
【0016】3項のものではトルクに対する強度をさら
に高める事ができる。4項のものでは直動動作が繰り返
される場合の転がり接触部の耐久性が球体(3)のみによ
る場合に比べて向上する。半径方向の外力に対してはロ
ーラ(30)が負担するから、この方向に対する強度が向上
する。5項の送りネジ機構の場合において、以上の効果
に加えてネジ軸の回転による筒状主体(1)の軸線方向移
動の精度が向上する。6項のもは、1項のものと同様な
効果がある。以上において、保持器(4)が露出するもの
の場合、球体(3)の保持部の貫通孔を膨出部に形成する
ものでは、球体(3)の脱落防止が確実である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施例の形態
を、図示例と共に説明する。 [1番目の発明]図1〜図5に示す実施の形態は、軸(2)と
筒状主体(1)に対して球体(3)が転がり接触する構成と
し、前記軸(2)をボールネジとしたものであり、筒状の
軸(2)とネジ軸(5)との間に多数のボール(50)が介在され
ている。 (直動軸受部の構成)この例では筒状主体(1)の内周面
には、図3に示すように、円周を8等分した位置に両端
開放部に達する縦溝(11)が平行に形成されている。この
縦溝(11)と略対向する位置の軸(2)の表面には軸線方向
に平行な縦溝(21)が形成されている。これら各縦溝の断
面形状及び寸法は球体(3)の直径との関係で予め適正の
値に決定されており、対向する縦溝(11)(21)間に球体
(3)を挿入すると球体(3)の中心が縦溝(11)縦溝(21)の中
心から周方向に偏って位置する構成である。また、隣接
する一対の縦溝(21)は、これらに対向する一対の縦溝(1
1)に対して僅かに内側に偏って位置するように形成され
ている。これにより、前記一対の縦溝間に介在される球
体(3)のうち、一方の縦溝(11)と縦溝(21)との間に介在
される球体(3)は、図3において、縦溝(11)における外
側の接点S1と縦溝(21)における外側の接点S2とにより挟
持された構成となる。これにより、この球体(3)に作用
する予圧力は前記接点S1と接点S2を結ぶ方向に作用する
ものとなり、周方向に対して斜めに傾斜するものとな
る。そして、周方向に隣接する前記一対の球体(3)に作
用する予圧力の方向(接点S1と接点S2を結ぶ方向であ
り、図中に実線で表示している。以下において同じ。)
が筒状主体(1)または軸(2)の断面の半径線に対して対称
なものとなる。
【0018】周方向に配列された8つのうちの、4組の
一対の球体(3)について夫々、予圧力の方向が半径線に
対して対称となるように設定されているから、全体の球
体(3)に作用する予圧力は周方向においては相殺された
ものとなる。上記のようにして縦溝(11)と縦溝(21)との
間に介在された球体(3)は筒状主体(1)と軸(2)との間隙
に自由状態に介在される筒状の保持器(4)に形成した貫
通孔(41)に保持されている。筒状主体(1)と軸(2)との間
において、縦溝(11)と縦溝(21)との対向部分の間隙はこ
れらの縦溝分の深さが付加されたものとなる。そこで、
この保持器(4)は、図2、4及び5に示すように前記縦
溝に嵌る部分の厚さは厚肉部(42)に、これらの間は薄肉
部(43)に設定されている。そして、前記厚肉部(42)に貫
通孔(41)が形成され、保持器(4)の内周面側又は外周面
側の端部(以下、内側端部または外側端部という)の開
放部の大きさが球体(3)の直径よりも小さく設定されて
いる。実際は、厚肉部(42)の基部の筒状主体(1)の周方
向における幅は球体(3)の直径よりも小さいから、ま
た、図4,5に示すように、厚肉部(42)の基部から頂部
にかけて前記幅は小さくなるから、前記基部における貫
通孔(41)の大きさは球体(3)の直径に略一致するとして
も前記頂部における前記貫通孔(41)に望む端部相互の間
隔を球体(3)の直径よりも小さくして球体(3)の脱出防止
をしている。この保持器(4)は弾性合成樹脂製としてあ
り、前記貫通孔(41)の内側端部及び外側端部は球体(3)
の周囲の一部において対向するものであるから、弾性的
に拡大可能である。したがって、前記球体(3)は貫通孔
(41)に対して前記内側端部又は外側端部から強制的に押
し込むことができる。
【0019】又、筒状主体(1)に対して軸(2)が軸線方向
に移動したとき、球体(3)の転がり移動に伴って前記保
持器(4)は筒状主体(1)と軸(2)の間から一方に内嵌又は
外嵌した状態で突出すること、つまり、保持器(4)が露
出状態になることがあるが、前記球体(3)の全ては、前
記貫通孔(41)内に収容されて脱出阻止状態に保持されて
いる。したがって、筒状主体(1)に対して軸(2)が直線移
動するときに保持器(4)が筒状主体(1)又は軸(2)の一方
の外部に移動した場合でも球体(3)が脱落することもな
い。前記実施例の厚肉部(42)を具備するものでは、この
脱落方向への球体(3)との引っ掛かり代を大きくできる
から、脱落防止が確実である。尚、前記露出状態での球
体(3)の脱落防止のためには、この露出部分のみが厚肉
部(42)であってもよく、又、縦溝(11)(21)の一方にのみ
膨出する厚肉部または湾曲断面部であってもよい。
【0020】(ボールネジの構成について)軸(2)とネ
ジ軸(5)との間のボールネジは、軸(2)の内周に形成した
ネジ溝(24)とネジ軸(5)の外周に形成したネジ溝(51)と
の間にボール(50)を転がり移動自在に介在させ、これら
ボール(50)をボール保持器(6)によって自転自在に且内
外貫通状態に保持した構成である。そして、前記筒状主
体(1)が機器のフレームなどに固定され、前記フレーム
に固定したサーボモータなどの回転駆動器Mの出力軸J
が軸継手Cにより前記ネジ軸(5)に連結される。
【0021】これにより、前記出力軸Jが往復回転され
ると、これに応じてネジ軸(5)が回転することから、固
定されている筒状主体(1)に対して軸(2)が直線的に往復
移動され、その出力端部(25)が前記回転に応じて進退す
る。この出力軸Jの回転に応じて軸(2)にはトルクが作
用するが、このトルクに対して軸(2)は筒状主体(1)との
間の球体(3)の予圧力の作用点、つまり、前記接点S1と
接点S2により受け止められるから、前記トルクによって
筒状主体(1)と軸(2)との嵌合部にガタツキやずれが生じ
ない。前記トルクに対する強度が高い。前記ボールネジ
のボール(50)は、ネジ溝(24)とネジ溝(51)との間に予圧
状態に介在されている。したがって、ネジ軸(5)の往復
回転により軸(2)が往復移動される際にバックラッシュ
が生じる事もなく、ボールネジ部の伝動精度は高い。
【0022】(直動軸受部の他の例)球体(3)の配置態
様については上記実施の形態以外に、次ぎのような配置
が採用可能である。図6に示す例では周方向において隣
接している一対の球体(3)は筒状主体(1)の内周の隣接す
る縦溝(11)の間が凸条(13)となり、軸(2)の表面には、
この凸条(13)及びこれの両側の縦溝(11)を含む範囲に対
向するように縦溝(21)が形成されている。このもので
は、前記凸条(13)の断面の両側に接点S2が設けられ、前
記縦溝(21)の断面の両側面に接点S1が設けられることと
なる。尚、この例では縦溝(11)は前記凸条(13)の斜面に
続いて形成された断面部であり、図6に示すように隣の
縦溝(11)とは連続一体化されて広幅の縦溝(110)となっ
てもよい。また、図7に示すように、一対の縦溝(11)の
間にローラ(30)による直動軸受部を設けてもよい。
【0023】この例では隣接する一対の前記縦溝(11)は
3組設けられて、筒状主体(1)の内周面のこれらの間に
は平面部(12)が形成されている。そして、軸(2)の表面
には前記平面部(12)に対向するように平面部(23)が設け
られ、これらの間にローラ(30)が介在されている。そし
て、このローラ(30)と前記球体(3)とを全体として1つ
の保持器(4)によって自転自在に保持させている。この
例の保持器(4)には、球体(3)を内外貫通状態に保持する
貫通孔(41)に加えて前記ローラ(30)を内外貫通状態に保
持するローラ孔(44)が形成されている。このローラ孔(4
4)に保持されたローラ(30)は前記平面部(12)と平面部(2
3)に転がり接触する。尚、この部分でのガタツキを防止
するために、このローラ孔(44)も、ローラ(30)が筒状主
体(1)の外側に移動したときにこのローラ(30)を脱落防
止状態に保持するために、前記ローラ孔(44)の外側端部
の幅をローラ(30)の直径よりも小さくしてある。この例
では、筒状主体(1)の内周面に凸条(13)を形成したが、
軸(2)の外周面に凸条を挟んで球体(3)が配置されるよう
にしてもよい。
【0024】[2番目の発明について]図8に示す実施の
形態は球体(3)が縦溝(11)と縦溝(21)の断面の両側の側
壁から予圧力が作用するようにしたものであり、2番目
の発明の実施態様である。この例では、縦溝(11)及び縦
溝(21)の断面形状はV字状にしてあり、このV字状断面
の傾斜面に球体(3)との接点S1、S2が生じるようにして
いる。保持器(4)を採用する点を含めて直動軸受部のそ
の他の構成は図1〜図5に示す実施例の形態と同様であ
る。尚、ボールネジの構成については省略している。前
記V字状断面の傾斜面は断面円弧状の傾斜面であっても
良い。
【0025】このものでは、筒状主体(1)と軸(2)との間
にトルクが作用すると、これらの間に介在させた前記球
体(3)群の各球体(3)には前記予圧の方向に一致する態様
で加圧力が作用するから、前記接点S1、S2によって前
記トルクが受け止められ、1番目の発明と同様の作用、
効果が得られる。この場合において、前記保持器(4)は
上記実施の形態1と同様に縦溝(11)と縦溝(21)の間の部
分は厚肉部(42)に設定されているが、この部分に形成さ
れた貫通孔(41)は図4,5に示すものと同様にしてあ
る。図9に示すように、球体(3)の配置部の中間点で3
点以上の範囲にわたって平面部(12)と平面部(23)との間
にローラ(30)を介在させてもよい。この場合も、図7の
場合と同様の効果がある。以上において、ローラ(30)を
用いるものでは半径方向の荷重に対する耐力が向上する
点で他の例よりも優れている。
【0026】図10に示す例は、周方向に並ぶ9個の球
体(3)のうち、円周を3等分した位置にある3つの球体
(3)については、縦溝(11)と縦溝(21)の断面の中間点の
接点S3、S4間にて半径方向に予圧されるようにしたも
のである。この3つの球体(3)については、図11に示
すように、筒状主体(1)と軸(2)との間に作用する半径方
向の外力に対して耐力を有するものとなり、前記9図に
比べて前記耐力は劣るものの、他の例よりも半径方向の
耐力が高い。
【0027】以上の実施の形態において、軸(2)とネジ
軸(5)との対偶部は他のネジ対偶部であっても良く、こ
の発明の直動軸受機構は送りネジ以外の他の直動装置に
も使用できる。軸(2)にネジ機構が内臓されない場合も
ある。また、図3の例において、接点S1,S2の位置の半
径差を少なくするには、これら接点の位置を球体(3)の
中心に近づければよく、この場合、筒状主体(1)の縦溝
(11)の接点S1側の一端に続く凸条と、軸(2)の縦溝(21)
の前記接点S2側の一端に続く凸条とを個別に設けても良
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】1番目の発明の実施の形態の断面図
【図2】要部の詳細断面図
【図3】X―X断面図
【図4】保持器(4)の要部の斜視図
【図5】保持器(4)の厚肉部(42)と球体(3)の関係の拡大
断面図
【図6】凸条(13)を有する場合の要部断面図
【図7】ローラ(30)を内臓する場合の要部断面図
【図8】2番目の発明の球体(3)と筒状主体(1)及び軸
(2)との関係の拡大断面図
【図9】2番目の発明のローラ(30)を用いる場合の要部
断面図
【図10】2番目の発明の他の例の要部拡大断面図
【図11】図10の場合における球体(3)の予圧方向の拡
大詳細断面図
【符号の説明】
(1):筒状主体、(11):縦溝、(12):平面部、(13):凸
条、(2):軸、(21):縦溝 、(23):平面部、(24):ネジ
溝、(25):出力端部、(3):球体、(30):ローラ、(4):
保持器、(41):貫通孔、(42):圧肉部、(43):薄肉部、
(44):ローラ孔、(5):ネジ軸、(50):ボール、(51):
ネジ溝、(110):縦溝、(6):ボール保持器、 J:出力
軸、M:回転駆動器、S1,S2:接点、C:軸継手 (尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16H 25/22 F16H 25/22 K L Fターム(参考) 3J012 AB04 BB03 CB10 EB14 FB10 HB04 3J101 AA02 AA13 AA24 AA32 AA44 AA54 AA64 AA72 AA77 BA34 BA50 BA55 EA31 FA04 GA60 3J104 AA13 AA19 AA23 AA25 AA37 AA63 AA69 AA75 AA76 AA79 BA11 BA13 BA41 CA13 DA03 DA12 DA13 EA03

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状主体(1)と、これに対して軸方向に
    移動自在に挿入される軸(2)と、前記軸(2)と前記筒状主
    体(1)との間に介在されてこれらに転がり接触する複数
    の転動体とからなる直動軸受機構において、 前記転動体は球体(3)とし、 これら球体(3)は、前記筒状主体(1)と軸(2)との境界を
    周方向に偶数個に分割した位置に配置されると共に、前
    記筒状主体(1)の内周面に形成した縦溝(11)と、この縦
    溝に対向させて前記軸の外周面に形成した縦溝(21)との
    間に予圧状態に介在され、前記球体(3)の前記予圧の方
    向は周方向に対して傾斜すると共に、この傾斜の方向
    は、周方向に隣合う球体相互において対称に設定されて
    いる、直動軸受機構。
  2. 【請求項2】 請求項1の直動軸受機構において、前記
    球体(3)は筒状主体(1)と軸(2)との間に自由状態に介在
    された筒状の保持器(4)により自転自在に且内外に貫通
    状態に保持され、前記保持器(4)による球体(3)の保持位
    置が周方向に並ぶ位置であって縦溝に沿う方向に並ぶ位
    置に設定されている直動軸受機構。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の直動軸受機構におい
    て、筒状主体(1)または軸(2)の一方において周方向に隣
    り合う一対の縦溝相互は凸条を挟んで並設され、筒状主
    体(1)又は軸(2)の他方の縦溝は、周方向に連続して配置
    される2つの球体(3)を収容できる大きさであって前記
    凸条を含む態様に形成されており、前記他方の縦溝断面
    の外側の側面部と前記凸条に対して周方向に続く側面部
    との間に前記球体(3)が予圧状態に介在されている直動
    軸受機構。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3の直動軸受機構にお
    いて、周方向に隣り合う前記縦溝(11)相互の間に軸線方
    向に延びる平面部(12)が設けられると共に、軸(2)の表
    面にはこの平面部(12)と対向する平面部(23)が形成され
    ており、これらの平面部間にはこれら平面部に対して転
    がり接触する ローラ(30)が前記保持器(4)に保持された
    態様で介在され、前記ローラ(30)が介在された個所は周
    方向に置いて3以上に亘って等間隔で配置されている直
    動軸受機構。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3、又は4の直動軸受機
    構において、前記軸(2)は筒軸でありこの筒軸にはネジ
    軸がネジ対偶状態に貫通され、前記筒状主体(1)が固定
    され前記ネジ軸が回転駆動される構成である直動軸受機
    構。
  6. 【請求項6】 筒状主体(1)と、これに対して軸方向に
    移動自在に挿入される軸(2)と、前記軸(2)と前記筒状主
    体(1)との間に介在されてこれらに転がり接触する複数
    の転動体とからなる直動軸受機構において、 前記転動体は球体(3)とし、 これら球体(3)は、前記筒状主体(1)と軸(2)との境界を
    周方向に複数個に分割した位置に配置されると共に、前
    記筒状主体(1)の内周面に形成した縦溝(11)と、この縦
    溝に対向させて前記軸の外周面に形成した縦溝(21)との
    間に予圧状態に介在され、前記球体(3)の前記予圧の方
    向は周方向に対して傾斜する2方向に設定すると共に、
    前記2方向は、半径線に対して対称に設定されている、
    直動軸受機構。
  7. 【請求項7】 請求項6の直動軸受機構において、前記
    球体(3)は筒状主体(1)と軸(2)との間に自由状態に介在
    された筒状の保持器(4)により自転自在に且内外に貫通
    状態に保持され、前記保持器(4)による球体(3)の保持位
    置が周方向に並ぶ位置であって縦溝に沿う方向に並ぶ位
    置に設定されている直動軸受機構。
  8. 【請求項8】 請求項6または7の直動軸受機構におい
    て、周方向に隣り合う前記縦溝(11)相互の間に軸線方向
    に延びる平面部(12)が設けられると共に、軸(2)の表面
    にはこの平面部(12)と対向する平面部(23)が形成されて
    おり、これらの平面部間にはこれら平面部に対して転が
    り接触するローラ(30)が前記保持器(4)に保持された態
    様で介在され、前記ローラ(30)が介在された個所は周方
    向に置いて3以上に亘って等間隔で配置されている直動
    軸受機構。
  9. 【請求項9】 請求項2、3、4、5、7、または、8
    に記載の直動軸受機構において、前記保持器(4)の球体
    (3)の保持部であって、筒状主体(1)と軸(2)との相対移
    動によって露出状態となる前記保持部には、縦溝(11)(2
    1)の少なくとも一方に嵌り込むように膨くれた膨出部が
    形成されると共にこの膨出部に内外貫通状態に形成され
    た貫通孔に前記球体(3)が保持されており、前記露出側
    の前記貫通孔が球体(3)の直径よりも小さく設定されて
    いる直動軸受機構。
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