JP2002130054A - 試験のデータ表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来では、被試験体を試験して性能評価を行
う場合、試験中の被試験体の画像とプリントアウトされ
たデータとを照らし合わせていたため、性能評価の作業
が煩わしいという問題点があった。 【解決手段】 被試験体であるロケットモータＲを撮像
してその画像信号を出力する撮像手段１と、ロケットモ
ータＲに関わる電気的信号をリアルタイムでグラフ化し
てその画像信号を出力する信号処理手段２と、撮像手段
１および信号処理手段２からの両画像信号を入力して同
一画面に合成表示する画像合成手段３を備えた試験のデ
ータ表示装置とし、試験中のロケットモータＲの状態と
データとの関係を確認しやすくし、性能評価等を容易に
行えるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、ロケット
モータの性能を評価するための燃焼試験においてデータ
を表示するのに用いる試験のデータ表示装置に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来のロケットモータの燃焼試験では、
ロケットモータをテストスタンド内に設置すると共に、
ロケットモータに推力測定用ロードセル等の各種測定機
器を取付け、燃焼試験中のロケットモータを撮像すると
共に、測定機器からデータを取得してそのデータをプリ
ントアウトし、撮像した画像およびプリントされたデー
タを用いて性能評価を行っていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記したよ
うな撮像した画像とプリントされたデータは、性能評価
をするうえでの判断基準としては何ら問題はないが、当
然のことながら試験終了後でなくては確認することがで
きず、また、画像とデータを照らし合わせつつ時間経過
に伴う各々の変化を確認しなければならないので、その
作業が煩わしいという問題点があり、このような問題点
を解決することが課題であった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
課題に着目して成されたもので、とくに、所定の制御に
より所定の出力を生じる被試験体の試験において、試験
中の被試験体の状態と試験中のデータをきわめて容易に
確認することができる試験のデータ表示装置を提供する
ことを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明に係わる試験のデ
ータ表示装置は、請求項１として、被試験体を撮像して
その画像信号を出力する撮像手段と、被試験体に関わる
電気的信号をリアルタイムでグラフ化してその画像信号
を出力する信号処理手段と、撮像手段および信号処理手
段からの両画像信号を入力して同一画面に合成表示する
画像合成手段を備えた構成とし、請求項２として、被試
験体が燃焼試験に供するロケットモータであって、信号
処理手段には、ロケットモータ側に入力される制御信号
およびロケットモータに取付けた測定機器から出力され
る測定信号を入力する構成としており、上記構成をもっ
て従来の課題を解決するための手段としている。

【０００６】

【発明の作用】本発明の請求項１に係わる試験のデータ
表示装置では、撮像手段により、試験中の被試験体を撮
像する一方、信号処理手段により、試験中における被試
験体への入力信号や被試験体からの出力信号といった電
気的信号をリアルタイムでグラフ化する。撮像手段とし
ては、アナログ式あるいはデジタル式のビデオカメラが
用いられ、必要に応じて可視光線カメラや赤外線カメラ
等が用いられる。また、信号処理手段では、例えば、入
力信号の増幅、入力信号のアナログ／デジタル変換、お
よび時間経過に伴う入力信号の変化のグラフ化が行わ
れ、入力信号のグラフ化には、解析ソフトを内蔵したコ
ンピュータが用いられる。そして、当該データ表示装置
は、撮像手段および信号処理手段からの各々の画像信号
を画像合成手段に入力し、画像合成手段では、試験中の
被試験体の画像と時間経過に伴ってグラフ化されるデー
タをモニタの同一画面に合成表示する。

【０００７】本発明の請求項２に係わる試験のデータ表
示装置では、被試験体がロケットモータである。ロケッ
トモータは、性能を評価するための燃焼試験に供され
る。また、信号処理手段には、ロケットモータ側に入力
される制御信号およびロケットモータに取付けた測定機
器から出力される測定信号が入力される。制御信号とし
ては、ロケットモータから噴射する燃焼ガスの絞り量を
制御するためのアクチュエータへの指令信号などがあ
る。また、測定信号としては、ロケットモータの推力を
測定するためのロードセルからの検出信号などがある。
そして、画像合成手段では、同一画面において、燃焼試
験中のロケットモータの画像と、時間経過に伴ってグラ
フ化されていく制御信号および測定信号とを合成表示す
る。

【０００８】

【発明の効果】本発明の請求項１に係わる試験のデータ
表示装置によれば、とくに、所定の制御により所定の出
力を生じる被試験体の試験において、試験中の被試験体
の状態と試験中の被試験体に関わるデータとを同一画面
中に合成表示することから、被試験体の状態とデータと
の関係が一目瞭然であり、試験中に双方の関係をリアル
タイムで確認することができると共に、当然のことなが
ら双方の関係を録画再生により何度も確認することがで
き、被試験体の性能評価や不具合が発生した際の解析と
いった作業をきわめて容易に且つ迅速に行うことができ
る。

【０００９】本発明の請求項２に係わる試験のデータ表
示装置によれば、ロケットモータの燃焼試験において、
請求項１と同様の効果を得ることができ、燃焼試験中の
ロケットモータの状態と、ロケットモータへの制御信号
やロケットモータからの測定信号の変化とを同一画面中
できわめて容易に確認することができる。

【００１０】

【実施例】以下、図面に基づいて、本発明に係わる試験
のデータ表示装置の一実施例を説明する。この実施例で
は、ロケットモータの性能を評価するための燃焼試験に
おけるデータ表示を例に挙げている。

【００１１】図１に示す試験のデータ表示装置は、被試
験体であるロケットモータＲを撮像してその画像信号を
出力する撮像手段１と、ロケットモータＲに関わる電気
的信号をリアルタイムでグラフ化してその画像信号を出
力する信号処理手段２と、撮像手段１および信号処理手
段２からの両画像信号を入力して同一画面に合成表示す
る画像合成手段３を備えている。

【００１２】ロケットモータＲは、固体推進薬を装填し
た燃焼器Ｃと、その尾部に設けたロケットノズルＮを主
な構成としており、尾部に、モータを駆動源として燃焼
ガスの絞り量を変化させる推力調整装置Ｔを備えてい
る。このロケットモータＲは、燃焼試験用のテストスタ
ンドＳにおいて、頭部側および尾部側をフレームＦ，Ｆ
により保持すると共に、頭部側に配置した推力受けＢと
頭部との間に推力測定用の測定機器であるロードセルＬ
が介装してある。

【００１３】撮像手段１は、アナログ式のビデオカメラ
であって、可視光線入力と赤外線入力の切換え機能を有
しており、当該撮像手段１を燃焼ガスから充分に保護す
る手段を介して、テストスタンドＳにおけるロケットモ
ータＲを撮像するように設けてある。

【００１４】信号処理手段２は、ロケットモータＲに関
わる電気的信号として、推力調整装置Ｔのモータに対す
る制御信号（電圧）とロードセルＬによる測定信号を入
力して、これらをグラフ化するものであって、両信号を
増幅するＤＣアンプ４、増幅した信号をアナログ／デジ
タル変換するＡ／Ｄボード５、信号をグラフ化する解析
ソフトを内蔵したコンピュータ６、コンピュータに対し
て燃焼試験のタイトルを入力するタイトラー７、コンピ
ュータ６からの出力をデジタル／アナログ変換する信号
処理器８を備えている。

【００１５】画像合成手段３は、撮像手段１から出力さ
れる画像信号と、信号処理手段２の信号処理器８から出
力される画像信号とを入力して合成するダブルビデオデ
ッキ９と、ダブルビデオデッキ９に接続したモニタ１０
を備えている。この実施例では、撮像手段１および信号
処理手段２の双方から出力される画像信号がアナログ信
号であるため、アナログ式のダブルビデオデッキ９を用
いている。

【００１６】上記構成を備えた試験のデータ表示装置
は、ロケットモータＲの燃焼試験において、撮像手段１
によりロケットモータＲを撮像する一方、信号処理手段
２により推力調整装置Ｔに入力される制御信号およびロ
ードセルＬからの測定信号をリアルタイムでグラフ化
し、画像合成手段３の１つのモニタにおいて、ロケット
モータＲの画像Ｐ１、時間経過に伴う制御信号の変化を
グラフ化した画像Ｐ２、時間経過に伴う測定信号の変化
をグラフ化した画像Ｐ３、試験のタイトルを示す画像Ｐ
４、経過時間を表す画像Ｐ５を全て合成表示する。この
際、信号処理手段２では、各信号をリアルタイムでグラ
フ化しているので、これらを表す画像Ｐ２，Ｐ３では、
グラフとして完成されたものが表示されるのではなく、
時間経過とともにグラフが作成されていく要領で表示さ
れる。

【００１７】このように、この実施例の試験のデータ表
示装置では、ロケットモータＲの燃焼試験において、燃
焼試験中のロケットモータＲの状態と、ロケットモータ
Ｒへの制御信号やロケットモータＲからの測定信号の変
化とがモニタ１０の同一画面中でリアルタイムに合成表
示されるので、双方の関係が一目瞭然であり、画像合成
手段３により画像を録画再生することができるので、ロ
ケットモータＲの性能評価や不具合が発生した際の解析
等の作業がきわめて容易になる。また、画像合成手段３
は、プリンタに接続し、録画した画面を自由に選択して
プリントアウトできるようにすることも可能である。

【００１８】なお、本発明に係わる試験のデータ表示装
置は、詳細な構成が上記実施例のみに限定されることは
なく、例えば、撮像手段１および信号処理手段２からデ
ジタル式の画像信号を出力するようにし、これに対応し
てデジタル式の画像合成手段３を採用するようにしても
良い。また、被試験体としては、ロケットモータＲのほ
か、所定の制御により所定の出力を発生する宇宙機等の
機器であっても良い。さらに、信号処理手段２では、例
えば、入力した電気的信号を数値化し、これを画像信号
として出力することも可能であるが、数値の変化が著し
い場合、モニタ１０に数値を連続的に表示しても認識が
困難になるため、線グラフや棒グラフ等のグラフにして
モニタ１０に表示するのが望ましく、これにより連続的
な変化を明確に認識することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係わる試験の表示装置の一実施例を示
す概略説明図である。

【符号の説明】

１ 撮像手段 ２ 信号処理手段 ３ 画像合成手段 Ｒ ロケットモータ（被試験体）

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被試験体を撮像してその画像信号を出力
   する撮像手段と、被試験体に関わる電気的信号をリアル
   タイムでグラフ化してその画像信号を出力する信号処理
   手段と、撮像手段および信号処理手段からの両画像信号
   を入力して同一画面に合成表示する画像合成手段を備え
   たことを特徴とする試験のデータ表示装置。
2. 【請求項２】 被試験体が燃焼試験に供するロケットモ
   ータであって、信号処理手段には、ロケットモータ側に
   入力される制御信号およびロケットモータに取付けた測
   定機器から出力される測定信号を入力することを特徴と
   する請求項１に記載の試験のデータ表示装置。