JP2002130041A - 吸入空気量予測装置及び吸気圧予測装置 - Google Patents

吸入空気量予測装置及び吸気圧予測装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸入空気量の予測精度の向上が図れる吸入空
気量予測装置及び吸気管圧力の予測精度の向上が図れる
吸気圧予測装置を提供すること。 【解決手段】 内燃機関に吸入される吸入空気量を一定
の周期で繰り返し予測する吸入空気量予測装置であっ
て、前回の予測における吸入空気量に対応した吸気管空
気質量及び前回の予測における吸気弁閉弁時と今回の予
測における吸気弁閉弁時との差に基づいて今回の予測に
おける吸入空気量に対応した吸気管空気質量M(tp
1)を演算し(S14)、演算された吸気管空気質量M
(tp1)に基づいて今回の予測時間における吸入空気
量m(tp1)を演算する(S18)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関に吸入さ
れる空気量を予測する吸入空気量予測装置及び内燃機関
に接続される吸気管の吸気圧を予測する吸気圧予測装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関に吸入される空気量を予
測する吸入空気量予測装置として、特許第262373
2号公報に記載されるように、スロットル開度と機関回
転速度に基づいて機関燃焼室に吸入される吸入空気量の
現在の値を演算し、スロットル開度と機関回転速度に基
づいて現時点より所定時間先の予測時点の吸入空気量を
予測し、吸入空気量における現在の演算値と現実の測定
による現在の測定値の差及び予測値に基づいて予測時点
における吸入空気量を演算する吸入空気量予測装置が知
られている。
【0003】この吸入空気量予測装置は、スロットル弁
を迂回して吸入されるバイパス空気量を考慮して予測時
点での吸入空気量を演算することにより、バイパス空気
量が存在する場合でも予測時点の吸入空気量を正確に予
測しようとするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た装置にあっては、前述の公報の図11に示されるよう
に、予測吸気管圧力を演算する際、現時点から予測時点
(吸気弁閉弁時)までの時間を演算周期で除算して演算
回数を求め、その演算回数にて演算を繰り返している。
このとき、現時点から予測時点までの時間を演算周期で
余りなく除算できない場合、正確な予測吸気管圧力が演
算できず、吸入空気量の予測精度も低下することとな
る。
【0005】そこで本発明は、このような問題点を解決
するためになされたものであって、吸入空気量の予測精
度の向上が図れる吸入空気量予測装置及び吸気管圧力の
予測精度の向上が図れる吸気圧予測装置を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明に係る
吸入空気量予測装置は、内燃機関に吸入される吸入空気
量を一定の周期で繰り返し予測する吸入空気量予測装置
であって、前回の予測における吸入空気量に対応した物
理量及び前回の予測における吸気弁閉弁時と今回の予測
における吸気弁閉弁時との差に基づいて、今回の予測に
おける吸入空気量に対応した物理量を演算する第一演算
手段と、第一演算手段により演算された物理量に基づい
て、今回の予測時間における吸入空気量を演算する第二
演算手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】また本発明に係る吸入空気量予測装置は、
前述の物理量が内燃機関に接続される吸気管における空
気質量であることを特徴とする。
【0008】また本発明に係る吸気圧予測装置は、内燃
機関に接続される吸気管の吸気圧を一定の周期で繰り返
し予測する吸気圧予測装置であって、前回の予測におけ
る吸気圧に対応した物理量及び前回の予測における吸気
弁閉弁時と今回の予測における吸気弁閉弁時との差に基
づいて、今回の予測における吸気圧に対応した物理量を
演算する第一演算手段と、第一演算手段により演算され
た物理量に基づいて、今回の予測時間における吸気圧を
演算する第二演算手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】また本発明に係る吸気圧予測装置は、前述
の物理量が吸気管における空気質量であることを特徴と
する。
【0010】これらの発明によれば、前回の予測におけ
る吸入空気量又は吸気圧に対応した物理量及び前回の予
測における吸気弁閉弁時と今回の予測における吸気弁閉
弁時との差に基づいて今回の予測における吸入空気量又
は吸気圧に対応した物理量が演算され、その物理量に基
づいて予測時における吸入空気量又は吸気圧が演算され
る。このため、繰り返し行われる予測演算の演算周期に
関係なく、吸気弁閉弁時における正確な吸入空気量又は
吸気圧が可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明にお
いて同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を
省略する。
【0012】図1に本実施形態に係る吸入空気量予測装
置の説明図を示す。
【0013】本図に示すように、吸入空気量予測装置
は、内燃機関であるエンジン2の気筒内に吸入される吸
入空気量を予測する装置である。吸入空気量予測の対象
となるエンジン2は、可変動弁機構を備えたものであ
る。例えば、エンジン2は、可変動弁機構として、吸気
弁3及び排気弁4の開閉タイミングを変化させる可変バ
ルブタイミング機構5を備えている。可変バルブタイミ
ング機構5は、ECU6と電気的に接続されており、E
CU6から出力される制御信号に基づいて作動し、カム
ポジションセンサなどの検出センサ7を介してECU6
にバルブタイミングに関する検出信号を出力する。
【0014】エンジン2には、クランクポジションセン
サ12が設けられている。クランクポジションセンサ1
2は、エンジン回転数を検出するセンサであり、ECU
6と接続され、ECU6に対し検出信号を出力する。
【0015】エンジン2には、燃焼室8に燃料を噴射す
るインジェクタ9が設けられている。インジェクタ9
は、燃料を燃焼室8へ供給する燃料噴射手段であり、エ
ンジン2が備えるシリンダ10ごとに設置されている。
燃焼室8は、シリンダ10内に配設されたピストン11
の上方に形成されている。燃焼室8の上部には、吸気弁
3及び排気弁4が配設されている。
【0016】吸気弁3の上流側には、インテークマニホ
ルド20が接続されている。インテークマニホルド20
の上流側には、サージタンク21が接続されている。イ
ンテークマニホルド20及びサージタンク21は、エン
ジン2に接続される吸気管を構成するものである。更
に、サージタンク21の上流側の吸気通路には、エアク
リーナ22が設置されている。
【0017】サージタンク21の上流位置には、スロッ
トルバルブ23が設けられている。スロットルバルブ2
3は、ECU6の制御信号に基づいて作動する。スロッ
トルバルブ23のスロットル開度は、スロットルポジシ
ョンセンサ24により検出され、ECU6に入力され
る。
【0018】エアクリーナ22の下流位置には、エアフ
ローメータ25が設けられている。エアフローメータ2
5は、吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段であ
る。エアフローメータ25の検出信号は、ECU6に入
力される。
【0019】ECU6は、吸入空気量予測装置10の装
置全体の制御を行うものであり、CPU、ROM、RA
Mを含むコンピュータを主体として構成されている。R
OMには、吸入空気量予測ルーチンを含む各種制御ルー
チンが記憶されている。
【0020】次に、本実施形態に係る吸入空気量予測装
置の動作について説明する。
【0021】図2は、吸入空気量予測装置の動作を示す
フローチャートである。
【0022】本図のステップS10(以下、単に「S1
0」と示す。他のステップについても同様とする。)に
て、スロットル開度TA、エンジン回転数NE、バルブ
タイミングVTの読み込みが行われる。
【0023】スロットル開度TAの読み込みは、スロッ
トルポジションセンサ24の出力信号に基づいて行われ
る。エンジン回転数NEの読み込みは、クランクポジシ
ョンセンサ12の出力信号に基づいて行われる。バルブ
タイミングVTの読み込みは、検出センサ7の出力信号
に基づいて行われる。
【0024】そして、S12に移行し、前回の予測時間
tp0から今回の予測時間tp1までの時間Δtが算出
される。図3に示すように、本フローチャートにおける
吸入空気量予測処理は、一定の演算時間tiをおいて繰
り返し行われている。前回の予測時間tp0とは、前回
の処理において予測された噴射開始から吸気弁閉弁時ま
での予測時間をいう。また、今回の予測時間tp1と
は、今回の処理において予測された噴射開始から吸気弁
閉弁時までの予測時間を意味する。
【0025】前回の予測時間tp0から今回の予測時刻
tp1までの時間Δtは、次の式(1)により算出され
る。
【0026】Δt=ti+tp1−tp0 ‥‥(1) そして、S14に移行し、今回の予測時における吸気管
内の空気質量M(tp1)の演算が行われる。空気質量
M(tp1)の演算は、次の式(2)に基づいて行われ
る。
【0027】 M(tp1)=M(tp0)+Δt・(min(tp0)−mout(tp 0))‥‥(2) ここで、M(tp0)は前回の処理で演算された吸気管
内の予測空気質量、m in(tp0)は前回の予測時にお
ける単位時間当たりに吸気管へ流入する空気量、mout
(tp0)は前回の予測時における単位時間当たりに吸
気管から流出する空気量である。
【0028】min(tp0)は、M(tp0)に基づい
て演算された吸気圧Pm(tp0)、前回の予測時にお
けるスロットル開度TA(tp0)に基づいて、演算さ
れたものが用いられる。また、mout(tp0)は、吸
気圧Pm(tp0)、前回の予測時におけるエンジン回
転数NE(tp0)、前回の予測時におけるバルブタイ
ミングVT(tp0)に基づき、演算されたものが用い
られる。
【0029】なお、時間tp0は、現実の時間t1に対
し、今回の予測時間tp1からΔtを減じた時間だけ先
の時間となり、現実の時間t1と必ずしも同時刻ではな
い。このため、エンジン回転数NE、バルブタイミング
VT、スロットル開度TAとしては、何れかの手法によ
り予測したものを用いるのが望ましい。
【0030】そして、S16に移行し、S14の演算で
得られた予測空気質量M(tp1)に基づいて、今回の
予想時、即ち吸気管閉弁時における吸気圧Pm(tp
1)の演算が行われる。この吸気圧Pm(tp1)の演
算は、気体の状態式などを用いて行われる。
【0031】そして、S18に移行し、S16の演算で
得られた吸気圧Pm(tp1)に基づいて単位時間当た
りにエンジン2に吸引される吸入空気量mout(tp
1)が演算される。吸入空気量mout(tp1)の演算
は、ECU6に予め設定されたマップや演算式などを用
いて行われる。
【0032】以上のように、本実施形態に係る吸入空気
量予測装置によれば、以下の効果を奏する。
【0033】エンジンへの単位時間当たりの吸入空気量
は吸気圧と密接に関係するため、吸入空気量予測におい
て吸気弁閉弁時の吸気圧を求めることが重要である。吸
気圧の算出は、空気質量等のバランス計算(積分)によ
って成立するので、できるだけ短周期で計算を繰り返す
ことが予測の精度の向上につながる。一方、燃料噴射の
時期は、例えば4気筒4サイクルエンジンであれば72
0度クランク角が動く間に燃料を4回噴射することか
ら、吸入空気量予測と異なる時間軸にて計算されること
となる。つまり、吸入空気量(吸気圧)予測は実時間を
基準として一定の周期で行われるのに対し、燃料噴射時
期はクランク角を基準として設定される。従って、両者
の同期をとることが非常に困難である。これに対し、本
実施形態に係る吸入空気量予測装置では、吸気圧を予測
するたびに吸入空気量を決定しておくことにより、どの
タイミングで燃料噴射が開始されてもよいように備えて
おくことができる。
【0034】図4に燃料噴射開始から吸気弁閉弁までの
過程を示す。本図に示すように、吸気弁閉弁までの時間
は、燃料噴射量、バルブの位相だけでなく、エンジン回
転数(クランク角)にも依存する。しかしながら、本実
施形態に係る吸入空気量予測装置では、ECU6にて、
常に今回の吸入空気量演算と次回の吸入空気量演算の間
に燃料噴射が開始されると想定して、閉弁時までの時間
を計算し、その時刻における吸気圧、吸入空気量を算出
しているため、クランク角などと同期をとる必要がな
い。
【0035】また、その際、予測演算時から吸気弁閉弁
時までの時間が吸入空気量演算周期に対し非常に長くな
っても、上述の式(2)により、今回の予測時における
吸気管内の空気質量M(tp1)を演算し、その演算結
果に基づいて吸気圧Pm(tp1)及び吸入空気量m
out(tp1)を演算し、前回の予測時間tp0を利用
して今回の予想時間tp1を決定することにより、簡易
な演算により正確な吸気圧及び吸入空気量の予測が可能
となる。
【0036】なお、本実施形態においては、吸入空気量
予測装置について説明したが、ECU6にて図2のS1
6の吸気圧演算までを行う吸気圧予測装置としてもよ
い。この場合であっても、演算された吸気圧に基づいて
吸入空気量を演算すれば、本実施形態に係る吸入空気量
予測装置と同様な作用効果が得られる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、前
回の予測における吸入空気量又は吸気圧に対応した物理
量及び前回の予測における吸気弁閉弁時と今回の予測に
おける吸気弁閉弁時との差に基づいて今回の予測におけ
る吸入空気量又は吸気圧に対応した物理量が演算され、
その物理量に基づいて予測時における吸入空気量又は吸
気圧が演算される。このため、繰り返し行われる予測演
算の演算周期に関係なく、吸気弁閉弁時における正確な
吸入空気量又は吸気圧が可能となり、吸入空気量又は吸
気圧の予測精度の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態に係る吸入空気量予測装
置の説明図である。
【図2】図1の吸入空気量予測装置の動作を示すフロー
チャートである。
【図3】図1の吸入空気量予測装置における予測処理の
説明図である。
【図4】燃料噴射開始から吸気弁閉弁までの過程を示し
た図である。
【符号の説明】
2…エンジン、3…吸気弁、4…排気弁、5…可変バル
ブタイミング機構、6…ECU。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関に吸入される吸入空気量を一定の
    周期で繰り返し予測する吸入空気量予測装置であって、 前回の予測における吸入空気量に対応した物理量及び前
    回の予測における吸気弁閉弁時と今回の予測における吸
    気弁閉弁時との差に基づいて、今回の予測における吸入
    空気量に対応した物理量を演算する第一演算手段と、 前記第一演算手段により演算された物理量に基づいて、
    今回の予測時間における吸入空気量を演算する第二演算
    手段と、を備えたことを特徴とする吸入空気量予測装
    置。
  2. 【請求項2】 前記物理量は、前記内燃機関に接続され
    る吸気管における空気質量であることを特徴とする請求
    項1に記載の吸入空気量予測装置。
  3. 【請求項3】内燃機関に接続される吸気管の吸気圧を一
    定の周期で繰り返し予測する吸気圧予測装置であって、 前回の予測における吸気圧に対応した物理量及び前回の
    予測における吸気弁閉弁時と今回の予測における吸気弁
    閉弁時との差に基づいて、今回の予測における吸気圧に
    対応した物理量を演算する第一演算手段と、 前記第一演算手段により演算された物理量に基づいて、
    今回の予測時間における吸気圧を演算する第二演算手段
    と、を備えたことを特徴とする吸気圧予測装置。
  4. 【請求項4】 前記物理量は、前記吸気管における空気
    質量であることを特徴とする請求項3に記載の吸気圧予
    測装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016044648A (ja) * 2014-08-26 2016-04-04 株式会社デンソー 電子制御装置
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Cited By (3)

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JP2016044648A (ja) * 2014-08-26 2016-04-04 株式会社デンソー 電子制御装置
CN108798922A (zh) * 2017-04-27 2018-11-13 比亚迪股份有限公司 发动机空气流量的采样方法、系统及汽车
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