JP2002129456A - クッション部材及びその製造方法 - Google Patents

クッション部材及びその製造方法

Info

Publication number
JP2002129456A
JP2002129456A JP2000322522A JP2000322522A JP2002129456A JP 2002129456 A JP2002129456 A JP 2002129456A JP 2000322522 A JP2000322522 A JP 2000322522A JP 2000322522 A JP2000322522 A JP 2000322522A JP 2002129456 A JP2002129456 A JP 2002129456A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cushion member
carbon fiber
fiber web
binder resin
fibers
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000322522A
Other languages
English (en)
Inventor
Kimio Kitano
公男 北野
Takuo Ishihara
卓夫 石原
Akira Nakamura
彰 中村
Shigeru Tomita
茂 冨田
Kazuo Masuda
一男 桝田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kurabo Industries Ltd
Kurashiki Spinning Co Ltd
Osaka Gas Co Ltd
Osaka Gas Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Kurabo Industries Ltd
Kurashiki Spinning Co Ltd
Osaka Gas Co Ltd
Osaka Gas Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kurabo Industries Ltd, Kurashiki Spinning Co Ltd, Osaka Gas Co Ltd, Osaka Gas Chemicals Co Ltd filed Critical Kurabo Industries Ltd
Priority to JP2000322522A priority Critical patent/JP2002129456A/ja
Publication of JP2002129456A publication Critical patent/JP2002129456A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた難燃性を示すとともに、長期間に亘り
へたりの少ないクッション部材を提供する。 【解決手段】 炭素繊維がバインダー樹脂で接合した炭
素繊維ウェブ1aの積層体で構成され、厚み方向に対し
て直交する横方向に前記炭素繊維ウェブ1aが積層され
ており、横方向に圧縮されている成形ブロック1で構成
されたクッション部材を製造する。前記成形ブロック
と、少なくともこの成形ブロックと接触又は近接して配
設された繊維ウェブとで構成したクッション部材を、少
なくとも荷重が作用する座面の部位に炭素繊維ウェブの
積層方向を横方向に向けて配設し、椅子を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、航空機、鉄道車
両、自動車等の乗り物の椅子や、ベッド等に用いられる
クッション部材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、椅子や布団、ベッド等のクッ
ション部材としては、様々な部材が使用されている。椅
子のクッション部材としては、例えば、ポリウレタン発
泡体や、密度の異なるウレタン発泡体を複数個組み合わ
せた部材、ポリエステル発泡体等が繁用されている。ま
た、布団には綿や羽毛等が繁用され、ベッドには布団綿
や化学繊維(例えば、ポリエステル繊維、ポリウレタン
繊維等)と機械バネとを組み合わせた部材などが繁用さ
れている。
【0003】しかし、これらのクッション部材では、長
時間の使用で繰り返し荷重がかかるとへたりが生じ、比
較的早い段階で、クッション性が低下する。また、これ
らのクッション部材の殆どは可燃性であり、燃焼した場
合には、有毒ガスを発生する。
【0004】一方、炭素繊維で構成されたクッション部
材は、難燃性であると共に、200万回の繰り返し圧縮
に対しても数%のへたりが生じるにすぎず、長期の安定
性も優れ、例えば、特開平9−294649号公報に
は、炭素繊維及びバインダー樹脂で形成された三次元網
目構造体で構成された椅子のクッション部材が開示され
ている。しかし、炭素繊維で構成されたクッション部材
は、高密度でなければ、底付き感(クッションの下部に
ある物体の感触)が残り、クッション性とのバランスが
悪い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、優れた難燃性を示すとともに、長期間に亘りへたり
の少ないクッション部材及びその製造方法並びにそのク
ッション部材を含む椅子を提供することにある。
【0006】また、本発明の他の目的は、クッション性
に優れるとともに、底付き感の解消されたクッション部
材及びその製造方法並びにそのクッション部材を含む椅
子を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
技術の問題点に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、炭素繊維
ウェブを厚み方向に対して直交する横方向に圧縮して積
層した構造とすることにより、優れた難燃性を示すとと
もに、長期間に亘りへたりの少ないクッション部材が得
られることを見出した。
【0008】すなわち、本発明のクッション部材は、炭
素繊維がバインダー樹脂で接合した炭素繊維ウェブの積
層体で構成されたクッション部材であって、厚み方向に
対して直交する横方向に前記炭素繊維ウェブが積層され
ており、横方向に圧縮されている。前記クッション部材
は、炭素繊維がバインダー樹脂で接合した炭素繊維ウェ
ブの積層体で構成され、厚み方向に対して直交する横方
向に前記炭素繊維ウェブが積層されており、横方向に圧
縮されている成形ブロックで構成されていてもよい。本
発明のクッション部材は、前記構成を有するため、横方
向に比べて厚み方向の圧縮変形度が小さい。従って、本
発明のクッション部材は、密度が比較的低くても、クッ
ション性に優れるとともに、へたりが生じず、例えば、
10〜50kg/m3、好ましくは20〜40kg/m3
程度の密度でよい。本発明のクッション部材は、前記バ
インダー樹脂の割合が、炭素繊維100重量部に対して
1〜50重量部、好ましくは5〜30重量部程度であ
る。本発明のクッション部材は、前記成形ブロックと、
少なくともこの成形ブロックと接触又は近接して配設さ
れた繊維ウェブとで構成されていてもよい。
【0009】本発明には、炭素繊維にバインダー樹脂を
付着させた炭素繊維ウェブを積層し、積層方向に圧力を
作用させて成形するクッション部材の製造方法も含まれ
る。また、本発明には、少なくとも荷重が作用する座面
の部位に、炭素繊維ウェブの積層方向を横方向に向けて
前記クッション部材が配設されている椅子も含まれる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、必要に応じて添付図面を
参照しつつ本発明を詳細に説明する。
【0011】[クッション部材]図1は本発明のクッシ
ョン部材の一例を示す概略斜視図であり、図2は本発明
のクッション部材の他の例を示す概略斜視図であり、図
3は図2のクッション部材のA−A線概略断面図であ
る。
【0012】本発明のクッション部材は、炭素繊維がバ
インダー樹脂で接合し、かつ繊維がランダムに絡み合っ
た炭素繊維ウェブ(炭素繊維ウェブ層)1aの積層体で
構成されている。この積層体は、図1に示すように、厚
み方向(図1のZ方向)に対して直交する横方向(図1
のX方向)に前記炭素繊維ウェブ(炭素繊維ウェブ層)
が積層(配向)され、四方体ブロック状に成形(圧縮成
形)されている。換言すれば、炭素繊維ウェブ層1aの
積層面方向(図1のY方向)が、厚み方向(Z方向)に
略並列に位置している。
【0013】前記成形ブロック1(積層体)は、横方向
(X方向)に圧縮して成形されているため、横方向(X
方向)に比べて厚み方向(Z方向)の圧縮変形度(圧縮
歪み)が小さい。すなわち、厚み方向に垂直な面方向
(図1のXY面)[及び側面方向(図1のXZ面)]
は、厚み方向の面(図1のYZ面)よりも炭素繊維が密
な状態である。そして、YZ面方向に配列した炭素繊維
ウェブ層1aでは炭素繊維が不規則に絡み合い、かつX
Y面[及びXZ面]では炭素繊維ウェブがX方向に略層
状に配列している。
【0014】炭素繊維ウェブは、互いに繊維が不規則に
絡み合った状態であればよく、この状態には巻縮、曲線
状等も含まれる。また、カード機などのカーディング手
段でシート状ウェブを形成したものでもよい。
【0015】本発明のクッション部材は、前記配向又は
層構造を有するため、炭素繊維が低密度であっても、厚
み方向における強度が優れる。従って、本発明のクッシ
ョン部材は、従来の炭素繊維で構成されたクッション部
材に比べて、低密度であっても底付き感を解消できる。
すなわち、本発明のクッション部材は、クッション性に
優れるとともに、底付き感が解消される。
【0016】炭素繊維としては、例えば、ピッチ系炭素
繊維、ポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維、フ
ェノール樹脂系炭素繊維、再生セルロース系炭素繊維
(例えばレーヨン系炭素繊維、ポリノジック系炭素繊維
等)、セルロース系炭素繊維、ポリビニルアルコール系
炭素繊維等が例示できる。これらの炭素繊維は、単独で
又は二種以上組合わせて使用できる。
【0017】炭素繊維の平均繊維径は、例えば、5〜3
0μm、好ましくは6〜25μm程度であり、平均繊維
径10〜20μm程度の炭素繊維を用いる場合が多い。
炭素繊維としては、通常、短繊維が用いられる。短繊維
の繊維長は、例えば、0.1〜200mm、好ましくは
1〜100mm、さらに好ましくは3〜50mm程度で
ある。
【0018】バインダー樹脂としては、熱可塑性樹脂
(例えば、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系
樹脂、ポリエステル系樹脂、熱可塑性ポリウレタン系樹
脂、ポリアミド系樹脂等)、熱硬化性樹脂等(例えば、
ポリウレタン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、フェ
ノール系樹脂等)の接着剤が使用できる。これらのバイ
ンダー樹脂のうち、熱硬化性樹脂の接着剤が好ましく使
用できる。
【0019】熱硬化性樹脂としては、ポリウレタン系樹
脂、アミノ系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹
脂、不飽和ポリエステル系樹脂、熱硬化性アクリル系樹
脂、ポリイミド系樹脂等が例示できる。これらの熱硬化
性樹脂のうち、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂
等、特に、ポリウレタン系樹脂が好ましい。ポリウレタ
ン系樹脂としては、溶液型、エマルジョン型、二液型、
湿気(水蒸気)硬化型ポリウレタン系樹脂等が使用でき
る。
【0020】これらのバインダー樹脂は、単独で又は二
種以上組み合わせて使用できる。バインダー樹脂の割合
は、炭素繊維100重量部に対して1〜50重量部(例
えば、2〜50重量部)、好ましくは2〜30重量部
(例えば、5〜30重量部)、さらに好ましくは5〜2
0重量部程度である。
【0021】クッション部材を構成する炭素繊維ウェブ
には、有機繊維(例えば、ポリオレフィン系繊維、ポリ
エステル系繊維、ナイロン系繊維、ポリビニルアルコー
ル系繊維、ビニロン繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、アク
リル系繊維、レーヨン繊維、アセテート繊維、ポリウレ
タン繊維等の合成繊維や天然繊維等)、無機繊維(例え
ば、ガラス繊維、アルミノケイ酸繊維、酸化アルミニウ
ム繊維、炭化ケイ素繊維、ホウ素繊維、金属繊維等)が
含まれていてもよい。三次元的な絡み合い構造を形成す
るため、加熱により、炭素繊維に対して接着性を示す熱
接着性繊維であってもよい。これらの繊維のうち、難燃
性有機繊維、無機繊維が好ましい。これらの繊維は、単
独で又は二種以上組合わせて使用できる。
【0022】クッション部材の平均密度は、例えば、1
0〜50kg/m3、好ましくは20〜40kg/m3
度である。本発明のクッション部材は、特定の配向性を
有する構造であるため、密度が比較的低くても、クッシ
ョン性に優れるとともに、へたりが生じない。
【0023】本発明のクッション部材は、少なくとも前
記炭素繊維ウェブの積層体で構成されていればよく、図
2及び図3に示されるように、1つの前記成形ブロック
1と、この成形ブロック1と接触して配設された炭素繊
維ウェブ2とで構成してもよい。成形ブロック1は、炭
素繊維ウェブ層1aの積層方向を縦方向(座面に対して
直交する方向)に向けて配設されている。炭素繊維ウェ
ブ2は、成形ブロック1全体を覆うように配設され、成
形されている。炭素繊維ウェブ2は、成形ブロック1と
は逆に厚み方向に積層されている炭素繊維ウェブ積層体
であってもよく、成形ブロック1の周囲にランダムに配
設してもよい。このクッション部材3は、航空機の椅子
に用いられるクッション部材として好適な形態である。
このクッション部材は、後述するように、型枠内に樹脂
含浸炭素繊維ウェブ2を敷設した後、成形ブロック1を
配設し、樹脂含浸炭素繊維ウェブ2で全体を覆い、加熱
加圧成形することにより得ることができる。なお、この
椅子用クッション部材3は、椅子の座面に配置される。
【0024】繊維ウェブの配設方法としては、1つの成
形ブロック全体を覆う方法の他、複数の成形ブロックを
覆う方法、複数の成形ブロック間に充填する方法、成形
ブロックの周囲に配設する方法等が例示でき、これらの
方法を組み合わせた方法も挙げられる。繊維ウェブの種
類は、炭素繊維の他、前記有機繊維、無機繊維等で構成
されている繊維ウェブ等でもよい。繊維ウェブは、前記
成形ブロックとは逆に厚み方向に積層して配設してもよ
い。
【0025】[クッション部材の製造方法]図4は、図
1のクッション部材の製造方法を説明するための概略図
であり、図5は図2のクッション部材の製造方法を説明
するための概略図である。
【0026】成形ブロック1は、例えば、図4に示され
るように、バインダー樹脂を含浸した炭素繊維ウェブ4
を、一定の型枠(図示せず)内に複数枚積み重ね、所定
の密度となるように、積層方向に圧力を作用させる。そ
して、この積層体を水蒸気などの加熱手段により、バイ
ンダー樹脂を熱硬化して炭素繊維ウェブを接合し、積層
体5を得る。さらに、積層体5の厚み方向に所定の形状
及びサイズで切断することにより、成形ブロック1を得
ることができる。
【0027】積層は、カーディング機から炭素繊維ウェ
ブを折り畳みながら、連続的に積層してもよく、複数の
炭素繊維ウェブを積み重ねてもよい。
【0028】炭素繊維ウェブの積層枚数は、成形ブロッ
クの大きさによって異なるが、通常、10〜500枚、
好ましくは20〜100枚程度である。
【0029】積層した炭素繊維ウェブに作用させる圧力
は、所望する密度に応じて選択できる。通常、0〜10
00Pa、好ましくは100〜500Pa程度である。
【0030】椅子用クッション部材3は、例えば、図5
に示されるように、金型の受け型6に、バインダー樹脂
(ポリウレタン系接着剤)が付着した炭素繊維ウェブ4
を配設し(図5(a))、成形ブロック1を、クッション部
材3の厚み方向に対して直交する横方向に炭素繊維ウェ
ブ層が配向するように配設する(図5(b))。さらに、こ
の成形ブロック1の上及び側面にもバインダー樹脂が付
着した炭素繊維ウェブ4を配設して、成形ブロック1を
炭素繊維ウェブ4で覆い(図5(c))、その上から、金型
の上型7を被せる(図5(d))。そして、この金型を熱処
理炉で加熱し、バインダー樹脂を熱硬化させて、椅子用
クッション部材3を得る。
【0031】成形ブロックの配設方法は、座面に対して
交差(特に直交)する方向に炭素繊維ウェブ層を向けて
配設すればよい。すなわち、厚み方向に対して直交する
縦方向に炭素繊維ウェブ層が積層するように配設する限
り、特に限定されず、1つの成形ブロックに限らず、複
数の成形ブロックを配設してもよい。例えば、図6や図
7に示されるように、互いに隣接して水平及び/又は垂
直方向に複数の成形ブロック11,21を配設してもよ
い。これらの複数の成形ブロックにおいて、炭素繊維ウ
ェブ層の向きは、互いに交差又は直交してもよい。尚、
図7で示される2段に積層した成形ブロックは、ずれに
対して強い。
【0032】図6や図7に示されるように、成形ブロッ
クは、直方体状、長方体状等の四方体状に制限されず、
多角形の方体状や円柱形状等の形状に切断してもよい。
また、積層体を切断する工程を経ることなく、成形工程
のみで型枠の形状にしてもよい。複数のブロック間、上
下等の周囲には、炭素繊維ウェブを接触又は近接して配
設してもよい。さらに、成形ブロックの段数も、特に制
限されず、厚み方向に2段以上(例えば、2〜5段)に
積層して配設してもよい。
【0033】炭素繊維ウェブへのバインダー樹脂の付与
方法は、バインダー樹脂溶液に含浸する方法に限らず、
バインダー樹脂溶液をスプレーする方法、バインダー樹
脂を直接塗布又は散布する方法等が挙げられる。
【0034】バインダー樹脂溶液の濃度は、溶媒100
重量部に対して、バインダー樹脂0.1〜30重量部、
好ましくは1〜20重量部、さらに好ましくは1〜10
重量部程度である。
【0035】溶媒としては、用いるバインダー樹脂の種
類によって異なるが、慣用の溶媒を用いることができ、
例えば、水、アルコール類(例えば、エタノール、イソ
プロパノール等)、ハロゲン化炭化水素類(例えば、塩
化メチレンなど)、ケトン類(例えば、アセトン、メチ
ルエチルケトン等)、エステル類(酢酸エチルなど)、
エーテル類(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロ
フラン等)、セロソルブ類(例えば、メチルセロソル
ブ、エチルセロソルブ等)、芳香族炭化水素類(トルエ
ンなど)、脂肪族炭化水素類(ヘキサンなど)、脂環族
炭化水素類(シクロヘキサンなど)等が例示できる。
【0036】バインダー樹脂を熱硬化させるための温度
は、バインダー樹脂の種類によって異なるが、通常、5
0〜150℃、好ましくは70〜120℃程度あり、硬
化時間は、通常、0.1〜24時間、好ましくは0.1
〜12時間程度である。
【0037】[椅子]本発明の椅子は、少なくとも荷重
が作用する座面の部位に、炭素繊維ウェブの積層方向を
縦方向に向けて(すなわち、座面に対して炭素繊維ウェ
ブ層が交差又は直交する方向に向けて)前記クッション
部材が配設されている。前記クッション部材は、難燃性
及び耐久性にも優れ、様々な分野、例えば、航空機、船
舶、鉄道車両、自動車の乗り物用椅子、一般家庭、公
園、オフィス等の椅子や、ベッド等のクッションとして
用いることができる。また、前記クッション部材は、ク
ッション性と底付き感を解消したクッション部材である
ため、これらの用途の中でも、難燃性などの安全性とと
もに、疲労感を緩和するための座り心地を要求される用
途(航空機、船舶、鉄道車両、自動車等の乗り物の椅
子、特に、航空機の椅子に用いられるクッション)に有
用である。
【0038】
【発明の効果】本発明では、優れた難燃性を示すととも
に、長期間に亘りへたりの少ないクッション部材が得ら
れる。また、クッション性に優れるとともに、底付き感
の解消されたクッション部材が得られる。従って、この
クッション部材は、航空機、鉄道車両、自動車等の乗り
物の椅子や、ベッド等に用いられるクッションとして有
用である。
【0039】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を詳
細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。なお、本実施例において、クッション部
材の性能は、以下に示す方法で測定した。
【0040】(圧縮硬さ)JIS K 6401に準じ
て測定した。数値が高いほど硬い。
【0041】(圧縮応力比)帝人法に準じて、縦450
mm×横450mm×厚み50mm又は100mmの試
験体に、加圧板(JIS E 7104)で一定の速度
で荷重を掛け、元の厚みの75%まで圧縮し、直ちに同
じ速度で荷重を減らし、元の厚さまで戻す。この時の応
力−ひずみ線図から、65%圧縮した時の応力と、25
%圧縮した時の応力との比で圧縮応力比を表す。数値が
低いほど、椅子のクッション部材として用いた際に、沈
み込みが急で揺れが大きく、安定性に劣る。
【0042】(圧縮回復率)前記圧縮応力比の試験にお
いて、75%圧縮するための仕事量と、その圧縮から回
復するための仕事量との比で表す。この数値が高いほど
弾力性に優れる。
【0043】実施例1 炭素繊維ウェブ(ドナーカーボマット・S210、
(株)ドナック製)を、バインダー樹脂溶液に含浸し
た。炭素繊維ウェブに付着したバインダー樹脂を滴下さ
せ、軽く絞って、炭素繊維ウェブ100重量部に対し
て、バインダー樹脂を10重量部程度付着させた。この
バインダー樹脂溶液が付着した炭素繊維ウェブを、一定
の型枠に、一定の密度になるように加圧して積層した。
これを水蒸気下、80℃で2時間加熱して塩化メチレン
を蒸発させ、硬化させ、厚み500mmのクッション部
材(密度35kg/m3)を得た。
【0044】なお、バインダー樹脂溶液としては、ポリ
ウレタン樹脂(一液・水蒸気硬化型、イソシアネート基
含有量6〜7重量%、25℃での粘度5000cps、
セメダイン(株)製)3重量部を塩化メチレン100重
量部に溶解した溶液を用いた。
【0045】実施例2 実施例1と同様の方法で、図4に示すように、クッショ
ン部材を製造し(積層方向の厚み500mm)、縦30
mm×横300mmに切断して(横方向は切断せず)、
四方体状ブロック成形体を得た。次に、図5に示すよう
に、この1つのブロック成形体と、実施例1と同様のバ
インダー樹脂溶液が付着した炭素繊維ウェブとを用い
て、椅子用クッション部材(密度37kg/m3)を製
造した。なお、金型は、80℃の熱処理炉で2時間加熱
した。
【0046】実施例3 積層方向の厚みを50mmとする以外は実施例1と同様
の方法で、クッション部材を製造し、縦30mm×横3
00mmに切断して、四方体状ブロック成形体(積層方
向の厚み50mm)を得た。次に、図6に示すように、
複数のブロック成形体を縦方向に配設する以外は実施例
2と同様にして、椅子用クッション部材(密度37kg
/m3)を製造した。このクッション部材の性能を評価
した結果を表1に示す。また、このクッション部材の荷
重(応力)とひずみとの関係を示すグラフを図8に示
す。
【0047】実施例4 クッション部材を縦50mm×横300mmに切断し
て、四方体状ブロック成形体(積層方向の厚み50m
m)を得る以外は実施例3と同様にして、椅子用クッシ
ョン部材(密度37kg/m3)を製造した。このクッ
ション部材の性能を評価した結果を表1に示す。また、
このクッション部材の荷重(応力)とひずみとの関係を
示すグラフを図8に示す。
【0048】比較例1 四方体状ブロック成形体の代わりに、バインダー樹脂溶
液が付着した炭素繊維ウェブを厚み方向に積層して用い
る以外は実施例2と同様にして、椅子用クッション部材
を製造した。このクッション部材の性能を評価した結果
を表1に示す。このクッション部材の荷重(応力)とひ
ずみとの関係を示すグラフを図8に示す。
【0049】
【表1】 表1の結果より、実施例のクッション部材は、圧縮硬
さ、圧縮応力比及び圧縮回復率の全てについて良好な結
果を示す。これに対して、比較例1のクッション部材
は、圧縮硬さが充分でない。また、図8の結果より、実
施例のクッション部材は、ひずみが少なく、比較例1の
クッション部材に比べて、底付き感が解消されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のクッション部材の一例を示す
概略斜視図である。
【図2】図2は、本発明のクッション部材の他の例を示
す概略斜視図である。
【図3】図3は、図2のクッション部材のA−A線概略
断面図である。
【図4】図4は、図1のクッション部材の製造方法を説
明するための概略図である。
【図5】図5は、図2のクッション部材の製造方法を説
明するための概略図である。
【図6】図6は、クッション部材の製造方法において、
成形ブロックの他の配設例を示す概略図である。
【図7】図7は、クッション部材の製造方法において、
成形ブロックの更に他の配設例を示す概略図である。
【図8】図8は、実施例3,4及び比較例1のクッショ
ン部材における荷重(応力)とひずみの関係を示すグラ
フである。
【符号の説明】
1…成形ブロック 1a…炭素繊維ウェブ層 2…炭素繊維ウェブ 3…椅子用クッション部材 4…バインダー樹脂溶液が付着した炭素繊維ウェブ 5…積層体 6…金型の受け型 7…金型の下型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北野 公男 大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪 瓦斯株式会社内 (72)発明者 石原 卓夫 大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪 瓦斯株式会社内 (72)発明者 中村 彰 大阪市中央区備後町三丁目6番14号 大阪 ガスケミカル株式社内 (72)発明者 冨田 茂 大阪市中央区久太郎町2丁目4番31号 倉 敷紡績株式会社内 (72)発明者 桝田 一男 大阪市中央区久太郎町2丁目4番31号 倉 敷紡績株式会社内 Fターム(参考) 4L047 AA03 AB02 BA16 BC12 CA02 CB01 CB10 CC06

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素繊維がバインダー樹脂で接合した炭
    素繊維ウェブの積層体で構成されたクッション部材であ
    って、厚み方向に対して直交する横方向に前記炭素繊維
    ウェブが積層されており、横方向に圧縮されているクッ
    ション部材。
  2. 【請求項2】 炭素繊維がバインダー樹脂で接合した炭
    素繊維ウェブの積層体で構成され、厚み方向に対して直
    交する横方向に前記炭素繊維ウェブが積層されており、
    横方向に圧縮されている成形ブロックで構成されている
    請求項1記載のクッション部材。
  3. 【請求項3】 横方向に比べて厚み方向の圧縮変形度が
    小さい請求項1記載のクッション部材。
  4. 【請求項4】 密度が10〜50kg/m3である請求
    項1記載のクッション部材。
  5. 【請求項5】 バインダー樹脂の割合が、炭素繊維10
    0重量部に対して1〜50重量部である請求項1記載の
    クッション部材。
  6. 【請求項6】 炭素繊維が、炭素繊維100重量部に対
    して5〜30重量部のバインダー樹脂で接合したクッシ
    ョン部材であって、密度が20〜40kg/m3であ
    り、厚み方向に対して直交する横方向に前記炭素繊維ウ
    ェブが積層されており、かつ横方向に比べて厚み方向の
    圧縮変形度が小さい請求項1記載のクッション部材。
  7. 【請求項7】 請求項2記載の成形ブロックと、少なく
    ともこの成形ブロックと接触又は近接して配設された繊
    維ウェブとで構成されているクッション部材。
  8. 【請求項8】 炭素繊維にバインダー樹脂を付着させた
    炭素繊維ウェブを積層し、積層方向に圧力を作用させて
    成形するクッション部材の製造方法。
  9. 【請求項9】 少なくとも荷重が作用する座面の部位
    に、炭素繊維ウェブの積層方向を横方向に向けて請求項
    1記載のクッション部材が配設されている椅子。
JP2000322522A 2000-10-23 2000-10-23 クッション部材及びその製造方法 Pending JP2002129456A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000322522A JP2002129456A (ja) 2000-10-23 2000-10-23 クッション部材及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000322522A JP2002129456A (ja) 2000-10-23 2000-10-23 クッション部材及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002129456A true JP2002129456A (ja) 2002-05-09

Family

ID=18800391

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000322522A Pending JP2002129456A (ja) 2000-10-23 2000-10-23 クッション部材及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002129456A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006223707A (ja) * 2005-02-21 2006-08-31 Kanebo Ltd 不織布構造体、シートクッション材及びそれからなる車両用シート
WO2006132520A1 (es) 2005-06-09 2006-12-14 Ricardo Grossman Goldscheider Manta ignifuga para la proteccion de personas; muebles e inmuebles al fuego
EP1867455A2 (en) 2006-06-16 2007-12-19 Inoac Corporation Cushion body and manufacturing method for a cushion body

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006223707A (ja) * 2005-02-21 2006-08-31 Kanebo Ltd 不織布構造体、シートクッション材及びそれからなる車両用シート
WO2006132520A1 (es) 2005-06-09 2006-12-14 Ricardo Grossman Goldscheider Manta ignifuga para la proteccion de personas; muebles e inmuebles al fuego
EP1867455A2 (en) 2006-06-16 2007-12-19 Inoac Corporation Cushion body and manufacturing method for a cushion body

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4049179B2 (ja) スピーカー振動板およびスピーカー構造体
US10611278B2 (en) Lattices for use in aircraft seat assemblies
US20070071957A1 (en) Structural composite material for acoustic damping
JP2007055162A (ja) 炭素繊維複合材料成形体
CN109023721B (zh) 一种密度梯度纤维垫的制备方法及纤维垫
US11993027B2 (en) Self-rising board molding
EP0622332A1 (en) Heat and flame resisting cushion material and seat for vehicle
CN106335258B (zh) 多层缓冲隔离垫及包括其的车辆
US20230398421A1 (en) Systems and methods for mobile molding and bonding
CN115003895A (zh) 建筑地板衬垫
KR101230405B1 (ko) 쿠션재용 섬유상기재, 그 제조방법 및 그를 이용한 자동차 내장용 쿠션재
JP2002129456A (ja) クッション部材及びその製造方法
JP6302057B2 (ja) 自動車内装用クッション部材
JP2002209680A (ja) クッション部材及びその製造方法
EP3941705B1 (en) Self rising board molding
US11780177B2 (en) Self rising board molding
US2649900A (en) Cushion and method of manufacturing the same
JP2003125902A (ja) クッション材及びその製造方法
JPH0759635A (ja) 繊維質クッション体
CN113039067A (zh) 复合泡沫制品
US20230398749A1 (en) Self rising board molding
JP2020181047A (ja) 吸音材及びその製造方法
KR100896214B1 (ko) 자동차 시트의 제조방법
JP2006225771A (ja) 繊維弾性体、クッション詰め物およびクッション
JP5624870B2 (ja) 発泡成形体および発泡成形体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Effective date: 20031225

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040407