JP2002128778A - 新規な環状ホルマール - Google Patents

新規な環状ホルマール

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JP2002128778A
JP2002128778A JP2000316521A JP2000316521A JP2002128778A JP 2002128778 A JP2002128778 A JP 2002128778A JP 2000316521 A JP2000316521 A JP 2000316521A JP 2000316521 A JP2000316521 A JP 2000316521A JP 2002128778 A JP2002128778 A JP 2002128778A
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JP
Japan
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trioxane
dioxolane
pentaoxacycloundecane
compound
reaction
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Pending
Application number
JP2000316521A
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English (en)
Inventor
Noritaka Tanimura
徳孝 谷村
Yusuke Yamazaki
有亮 山崎
Junzo Masamoto
順三 正本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
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Publication date
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  • Heterocyclic Compounds That Contain Two Or More Ring Oxygen Atoms (AREA)
  • Polyethers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 開環重合させることにより有用なプラスチッ
ク材料となりうる新規な環状ホルマールを提供する。 【解決手段】 下記の構造式で示される新規な環状ホル
マール化合物である1,3,5,7,9−ペンタオキサ
シクロウンデカン。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な環状ホルマー
ルに関する。本発明で得られる環状ホルマールは高分子
材料としての樹脂や繊維等の原料のモノマーとして用い
ることができる。特に、本発明の環状ホルマールは3フ
ッ化硼素等のルイス酸を触媒として開環重合させること
により、有用なプラスチック材料となり得る。
【0002】
【従来の技術】これまで、トリオキサンとエチレンオキ
シドとの直接反応物として、本出願人による以下の化合
物が知られている。すなわち、トリオキサン1モルに対
して1モルのエチレンオキシドが反応して生成した1,
3,5,7−テトラオキサシクロノナン(特公平1−4
9713号公報)が知られている。また、トリオキサン
1モルに対して2モルのエチレンオキシドが反応して生
成した、1,3,5,7,10−ペンタオキサシクロド
デカン(特公平1−49714号公報)も知られてい
る。また、3モルのエチレンオキシドが直接トリオキサ
ンと反応して生成した、1,3,5,7,10,13−
ヘキサオキサシクロペンタデカン(特開平11−322
741号公報)が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これまでの研究では1
モルのトリオキサンに対して直接反応する1モル、2モ
ル、3モルのエチレンオキシドの化合物は知られてい
た。しかしながら、トリオキサンに対して付加し環状化
合物を生成する例はエチレンオキシドに限定されてい
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明者らは鋭意検討した結果、新規な環状化合物の
存在を確認すると共に、それを合成、単離することに成
功し、また、その化学構造を同定することに成功した。
すなわち本発明は、従来その存在が知られていなかった
1モルのトリオキサンと1モルの1,3−ジオキソラン
とが直接反応して生成する新規な環状ホルマール化合物
である1,3,5,7,9−ペンタオキサシクロウンデ
カンに関するものである。本発明の1,3,5,7,9
−ペンタオキサシクロウンデカンはそれ自身良好な開環
重合の単量体となり、それの単独重合物はプラスチック
等に使用することが出来る。また、それ自身はトリオキ
サンと共重合させてポリアセタール樹脂の共重合用のコ
モノマーとしても使用するこが可能である。
【0005】本発明による1,3,5,7,9−ペンタ
オキサシクロウンデカンは、トリオキサンと1,3−ジ
オキソランとの両者を共重合させ得る触媒の存在下で反
応させ、該反応物中の1,3−ジオキソランが消費され
る以前であり、かつ反応物が透明な液状の状態で反応を
停止させることにより得ることが可能である。本発明で
使用し得る触媒としては、3フッ化硼素ジブチルエーテ
ル、3フッ化硼素ジエチルエーテル、3フッ化硼素、4
塩化スズ等のルイス酸、トリフロロメタンスルホン酸、
トリフロロメタンスルホン酸無水物等のルイス酸が挙げ
られる。特に好ましい触媒は3フッ化硼素ジブチルエー
テル、3フッ化硼素ジエチルエーテル等の3フッ化硼素
錯体である。
【0006】反応は通常はトリオキサンと1,3−ジオ
キソランとのバルク共重合の形式を取るが、場合により
シクロヘキサン等の溶媒を存在させてもよい。また、反
応温度もトリオキサンの融点以上の65〜100℃が採
用されるが、好ましくは65〜80℃である。触媒濃度
は、トリオキサンと1,3−ジオキソランの共重合反応
で工業的に実施している範囲で採用し得るが、それ以下
でもよい。特に望ましい方式としては、触媒濃度を通常
の条件、即ちトリオキサンと1,3−ジオキソランとの
共重合が起こり反応物が固化する範囲、よりも低くする
ことにより、1,3,5,7,9−ペンタオキサシクロ
ウンデカンを効果的に得ることが出来る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に実施例を用いて本発明をさ
らに詳しく説明するが、これら実施例は本発明の範囲を
何ら限定するものではない。
【実施例1】トリオキサン1モルに対して1,3−ジオ
キソラン5モル%を溶解し、良く撹拌しながら不活性ガ
ス雰囲気の反応器に入れて、65℃に保った。これにト
リオキサン1モルに対して1×10-5モルに相当する3
フッ化硼素ジブチルエーテルを50重量倍のシクロヘキ
サンに溶解させて反応触媒として添加した。60秒後で
は反応物はまだ透明であった。触媒に対して化学量論的
に5倍量の水酸化カリウムを溶解させたプロパノール溶
液中に反応物を抜き出し、反応を停止させた。
【0008】この反応液を分析したところ、反応で消費
された1,3−ジオキソランは最初に反応液に溶解させ
た1,3−ジオキソランの40%であることが分かっ
た。すなわち60%の量の1,3−ジオキソランが未反
応で残っていることが確認された。また、反応液のガス
クロマト分析の結果より、目的とする物質、すなわち
1,3,5,7,9−ペンタオキサシクロウンデカンは
反応したトリオキサンに対して25%の選択率で得られ
ていることが分かった。得られた反応停止液を蒸留し、
未反応のトリオキサン、1,3−ジオキソラン、プロパ
ノールなどの他の低沸点成分を蒸発させた。さらに、1
kPaの減圧下、180℃で分別蒸留した。さらに得ら
れた分別蒸留物からガスクロマト分取法により、精製さ
れた1,3,5,7,9−ペンタオキサシクロウンデカ
ンを分取した。このガスクロマト分取は以下の条件で行
った。
【0009】ガラス製の充填カラム(カラム径4.0m
m、カラム長2m、充填剤として液相Silicone
OV−17を10%含有した処理クロモソルブWを使用
し、気化室温度250℃、カラム温度150℃でガスク
ロ分取を行った。1度目の分取物を再度ガスクロ分取す
ることにより分離度を完全なものとした。この分取法に
より得られたものは無色透明の液体であった。図1にこ
の化合物の 1H−NMRチャート図を示す。プロトンの
強度比(Ha:Hb :Hc )が2:2:2であり、これ
は1,3,5,7,9−ペンタオキサシクロウンデカン
の構造式から考えられる比率と一致する。これはまさに
この化合物が1,3,5,7,9−ペンタオキサシクロ
ウンデカンであることを示している。
【0010】また、図2にこの化合物の13C−NMRチ
ャート図を示す。この化合物は相異なる炭素原子を3個
(Ca 、Cb 、Cc )有することを示しており、これは
まさにこの化合物が1,3,5,7,9−ペンタオキサ
シクロウンデカンであることを示している。さらに、こ
の化合物のEI(電子衝撃)マススペクトルを測定した
ところ、このマススペクトルは分子量164に相当する
ところに親ピークの強いシグナルを示した。これは1,
3,5,7,9−ペンタオキサシクロウンデカンの分子
量164と完全に一致する。さらに、この化合物の微量
元素分析を行ったところ、水素の含量が7.21%、炭
素の含量が43.8%であり、これも理論水素含量7.
32%、理論炭素含量43.9%と良い一致を示してい
る。以上、 1H−NMR、13C−NMR、EI(電子衝
撃)マススペクトル、元素分析のすべての結果より、単
離された化合物はまぎれもなく1,3,5,7,9−ペ
ンタオキサシクロウンデカンであることが確認された。
【0011】
【実施例2】実施例1の反応の停止を80秒とした他は
実施例1と同様の操作を行った。1,3−ジオキソラン
の反応率は50%であった。またガスクロマト法より検
出された1,3,5,7,9−ペンタオキサシクロウン
デカンから算出される、反応した1,3−ジオキソラン
の目的化合物への選択率は18%であった。
【実施例3】実施例1の反応の停止を100秒とした他
は実施例1と同様の操作を行った。1,3−ジオキソラ
ンの反応率は60%であった。またガスクロマト法より
検出された1,3,5,7,9−ペンタオキサシクロウ
ンデカンから算出される、反応した1,3−ジオキソラ
ンの目的化合物への選択率は15%であった。
【0012】
【発明の効果】本発明は新規化合物である1,3,5,
7,9−ペンタオキサシクロウンデカンを提供する。こ
の化合物はプラスチックの原料単量体として有用であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化合物の 1H−NMRチャート図であ
る。
【図2】本発明の化合物の13C−NMRチャート図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 正本 順三 福井県福井市日光2丁目22−28 ダイカン プラザ602 Fターム(参考) 4C022 NA02 4J005 AA06 BA00 BB04

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の構造式で表される環状ホルマール
    である1,3,5,7,9−ペンタオキサシクロウンデ
    カン。 【化1】
JP2000316521A 2000-10-17 2000-10-17 新規な環状ホルマール Pending JP2002128778A (ja)

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