JP2002126690A - リン化金属化合物製剤残渣の除害方法および除害システム - Google Patents

リン化金属化合物製剤残渣の除害方法および除害システム

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JP2002126690A
JP2002126690A JP2000325279A JP2000325279A JP2002126690A JP 2002126690 A JP2002126690 A JP 2002126690A JP 2000325279 A JP2000325279 A JP 2000325279A JP 2000325279 A JP2000325279 A JP 2000325279A JP 2002126690 A JP2002126690 A JP 2002126690A
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residue
phosphide compound
gas
metal
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JP2000325279A
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English (en)
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Akira Arita
彰 有田
Teruyuki Tsutsumi
輝之 堤
Yoshinori Kameda
佳典 亀田
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Chemicals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 リン化金属化合物製剤の残渣に残存するリン
化金属化合物の除害方法および除害システムを提供す
る。 【解決手段】 (1)(i)リン化金属化合物を1〜4
重量%含有するリン化金属化合物製剤残渣を加熱炉内の
酸素濃度が10容量%未満のガス雰囲気下、100〜1
000℃で加熱処理するか、または(ii)リン化金属
化合物を含有するリン化金属化合物製剤残渣に、水分を
発生しうる化合物を添加し、これを加熱炉内の酸素濃度
が10容量%未満のガス雰囲気下、100〜1000℃
で加熱処理し、(2)該加熱処理の際発生する有害成分
およびバインダーに由来する成分をリン化金属化合物製
剤残渣から分離する、ことを特徴とするリン化金属化合
物製剤残渣の除害方法および特定の手段よりなる除害シ
ステム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、害虫駆除等に使用
してリン化水素を放出した後のリン化金属化合物製剤残
渣の除害方法および除害システムに関する。更に詳しく
はリン化金属化合物製剤の残渣に残存するリン化金属化
合物を、酸素濃度の低いガスの雰囲気下、特定温度範囲
で加熱処理し、発生する有害成分およびバインダーに由
来する成分を分離するリン化金属化合物製剤残渣の安全
で確実な除害方法および特定の手段よりなる除害システ
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】害虫駆除等に使用するリン化金属化合物
製剤、例えばリン化アルミニウム製剤は、通常害虫の付
着した植物などを貯蔵した密閉容器の中に、空気中の水
分と接触反応がしやすくなるように置いて、3日間から
10日間リン化水素を放出させて害虫駆除等に使用され
ている。市販のリン化アルミニウム製剤は、通常バイン
ダーとして使用されるパラフィンでコーティングが図ら
れ、空気中の水分との接触反応を遅延化し、更にカルバ
ミン酸アンモニウムを加えて、リン化アルミニウムの水
分との反応熱による温度上昇を防ぐなどの安全対策が図
られている。このため、水分と反応してリン化水素を放
出したリン化アルミニウム製剤の残渣は無害な水酸化ア
ルミニウムに変化するが、リン化アルミニウムの一部は
パラフィンが含まれた水酸化アルミニウムの微粉末に覆
われ水分との接触ができなくなり、ほとんどの場合残渣
中には未反応のリン化アルミニウムが約1〜8重量%残
存する。また、冬場温度が低く水分が少ないとき、ある
いは貯蔵している穀物や飼料などの種類により水分が少
なくなるとき水分との接触反応が悪くなったり、反応熱
が不足して未反応のリン化アルミニウムがより多く残存
することがある。
【0003】リン化アルミニウムはそれ自体猛毒である
ばかりでなく水分と反応してリン化水素を生成する。こ
のリン化水素も極めて毒性が強く、しかもある一定濃度
以上になると自然発火もしくは爆発(1.8容量%)す
る極めて危険なガスである。従って、リン化アルミニウ
ムを残存する残渣はそのまま廃棄することは出来ない。
【0004】従来からリン化金属化合物製剤例えばリン
化アルミニウム製剤からリン化水素を放出した残渣の処
理にはいくつかの方法が公知となっている。例えば、リ
ン化水素を放出した残渣を通気性の良い紙袋に少量ずつ
入れ、空気中の水分と残存リン化アルミニウムを徐々に
接触反応させて処理する方法や界面活性剤を含む水ある
いは温水中に回収した残渣を少量づつ加えてよくかきま
ぜ、残存リン化アルミニウムと水を接触反応させて処理
する方法が行われている。しかしながら、これらの方法
はリン化アルミニウム製剤残渣がリン化水素を放出して
水酸化アルミニウムになる過程において、リン化アルミ
ニウムがパラフィンを含んだ微粒子の水酸化アルミニウ
ムに包含され、未反応のリン化アルミニウムは水分との
接触反応が阻害され反応が非常に緩慢となり、約0.7
〜3重量%の未反応のリン化アルミニウムが残存すると
いった問題がある。これらの方法で処理した残渣を産業
廃棄物として処理すると、廃棄場所が悪条件の場合、リ
ン化アルミニウムを包含している水酸化アルミニウムが
溶解し、未処理の残存リン化アルミニウムが水と接触反
応して急激にリン化水素を放出し、自然発火を起して火
災などを引き起こす欠点がある。
【0005】また、特開平9−24115号公報では、
リン化金属化合物残渣に徐々に水分を加えて反応させる
ことによりリン化水素を発生させ、この発生したリン化
水素を650℃以上で燃焼させ五酸化二リンを生成さ
せ、五酸化二リンを1000℃以上に加熱して昇華させ
る等の方法により、リン化水素を無害化するリン化金属
化合物残渣の無害化方法が示されている。しかしなが
ら、かかる方法により無害化処理されたリン化金属化合
物残渣には、上記と同様に約0.7〜3重量%の未反応
のリン化金属化合物が残存するといった問題がある。
【0006】その他の方法として微粉末で残存するリン
化金属化合物製剤残渣を焼却炉の中に少量づつ投入し、
リン化金属化合物を分解してリンの酸化物とする焼却処
理法が知られている。この方法は、例えばリン化アルミ
ニウム製剤残渣の場合、リン化アルミニウムが1300
℃以上の高温にならないと分解してリンの酸化物となら
ないため高温焼却が必要で、エネルギーコスト面で不利
であり、また、焼却温度が残渣の残存リン化アルミニウ
ムの分解温度にならず、リン化アルミニウム残渣が分解
しなかった場合、焼却炉に未分解リン化アルミニウムが
溜まり、かかる未分解のリン化アルミニウムが水と反応
して急激にリン化水素を発生して焼却炉が爆発を起す危
険がある。従って、少量ずつ慎重に投入しなければなら
ず少量の処理は可能であるが、大量の処理には向いてい
ないので実用性に乏しい欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、害虫
駆除等に使用したリン化金属化合物製剤の残渣を発火の
心配なく短時間に安全且つ確実に処理し、しかも処理時
に発生する有害成分およびバインダーに由来する成分を
分離し、さらに無害化する方法を提供することにある。
本発明者は、この目的を達成せんとして鋭意研究を重ね
た結果、特定のリン化金属化合物製剤からリン化水素を
放出した残渣を、酸素濃度の低いガス雰囲気下、特定温
度範囲で加熱処理し、さらに発生する有害成分およびバ
インダーに由来する成分を残渣から分離するリン化金属
化合物製剤残渣の除害方法を見出し、本発明に到達し
た。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明によれ
ば、リン化アルミニウム、リン化マグネシウム、リン化
亜鉛およびリン化カルシウムよりなる群から選ばれた少
なくとも1種のリン化金属化合物の製剤からリン化水素
を放出したリン化金属化合物製剤残渣を除害する方法に
おいて、(1)(i)リン化金属化合物を1〜4重量%
含有するリン化金属化合物製剤残渣を加熱炉内の酸素濃
度が10容量%未満のガス雰囲気下、100〜1000
℃で加熱処理するか、または(ii)リン化金属化合物
を含有するリン化金属化合物製剤残渣に、水分を発生し
うる化合物を添加し、これを加熱炉内の酸素濃度が10
容量%未満のガス雰囲気下、100〜1000℃で加熱
処理し、(2)該加熱処理の際発生する有害成分および
バインダーに由来する成分をリン化金属化合物製剤残渣
から分離する、ことを特徴とするリン化金属化合物製剤
残渣の除害方法が提供される。
【0009】本発明のリン化金属化合物製剤からリン化
水素を放出したリン化金属化合物製剤残渣はリン化アル
ミニウム、リン化マグネシウム、リン化亜鉛及びリン化
カルシウムよりなる群から選ばれた少なくとも1種のリ
ン化金属化合物製剤の残渣であり、なかでもリン化アル
ミニウム製剤の残渣が好ましく用いられる。
【0010】本発明のリン化金属化合物製剤残渣の加熱
処理において、加熱炉内の酸素濃度は10容量%未満で
あり、好ましくは0.1〜10容量%、より好ましくは
0.1〜6容量%のガス雰囲気下で行われる。加熱炉内
のガスの酸素濃度を10容量%未満とするには、不活性
ガスで加熱炉内のガスを置換し、不活性ガス濃度を90
容量%以上、好ましくは94〜99.9容量%とする方
法が用いられる。不活性ガスとしては、窒素、炭酸ガ
ス、ヘリウムおよびアルゴン等が挙げられ、なかでも窒
素、炭酸ガスが好ましい。加熱炉内の酸素濃度を10容
量%未満とすることにより、加熱処理時に発生するリン
化水素の発火爆発が防止される。
【0011】本発明において、リン化金属化合物製剤残
渣は上記のように加熱炉内の酸素濃度が10容量%未満
のガス雰囲気下に加熱処理され、その方法として、
(i)リン化金属化合物を1〜4重量%含有するリン化
金属化合物製剤残渣を100〜1000℃で加熱処理す
る方法、または(ii)リン化金属化合物を含有するリ
ン化金属化合物製剤残渣に、水分を発生しうる化合物を
添加し、これを100〜1000℃で加熱処理する方法
が使用される。
【0012】リン化金属化合物製剤残渣には約1〜8重
量%のリン化金属化合物が残存している。かかるリン化
金属化合物製剤残渣中に残存するリン化金属化合物量が
1〜4重量%程度と低濃度の場合、上記(i)の方法に
よりこのリン化金属化合物製剤残渣をそのまま加熱処理
する方法が好ましく採用される。残存するリン化金属化
合物量が低濃度の場合、残渣中に存在する水酸化金属化
合物が加熱分解されて発生する水分とリン化金属化合物
とが十分に反応し、残渣の処理を確実に行うことができ
る。
【0013】また、かかるリン化金属化合物製剤残渣中
に残存するリン化金属化合物量が4〜8重量%程度と高
濃度の場合、まず、リン化金属化合物製剤残渣と水と
を混練し、リン化水素ガスを発生させ、これを分離除去
し、リン化金属化合物製剤残渣中のリン化金属化合物の
割合を1〜4重量%程度にまで低濃度とした後に、
(i)の方法と同様に加熱処理する方法や、上記(i
i)の方法により、リン化金属化合物製剤残渣に水分を
発生しうる化合物を添加し、これを加熱処理する方法が
採用される。残存するリン化金属化合物量が4〜8重量
%程度と高濃度のリン化金属化合物製剤残渣をそのまま
加熱処理すると、残渣中に存在する水酸化金属化合物が
加熱分解されて発生する水分量が不足し、リン化金属化
合物との反応が十分に進まず、加熱処理後の残渣中にリ
ン化金属化合物が1〜3重量%程度残存する場合があ
る。
【0014】また、上記加熱処理に供するリン化金属化
合物製剤残渣中の水分または水分を発生しうる化合物の
含有量は、水分量として残渣中の20〜65重量%であ
ることが好ましく、25〜45重量%であることがより
好ましい。かかる範囲では発生する水分量が適度であ
り、残存するリン化金属化合物と水との反応が進み、確
実に短時間でリン化金属化合物製剤残渣の処理が行え
る。さらに、リン化金属化合物製剤残渣中の水分または
水分を発生しうる化合物の含有量は、水分量として、加
熱処理に供するリン化金属化合物製剤の残渣中に残存す
るリン化金属化合物量に対して1〜20倍量が好まし
く、2〜15倍量がより好ましく、3〜12倍量がさら
に好ましく、5〜12倍量が特に好ましい範囲である。
【0015】上記水分を発生しうる化合物とは、含水物
や加熱分解されて水分を発生するものなどである。含水
物としては、亜硫酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸
ナトリウム、塩化カルシウム、リン酸ナトリウムなどの
結晶水を含む塩、バーミュキライト、ロックウールなど
の園芸用保水物、あるいはシリカゲル、活性炭、アルミ
ナ、モレキュラシーブなどの含水吸収剤等の含水無機物
が挙げられ、加熱分解されて水分を発生するものは、水
酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、
水酸化カルシウムなどの水酸化金属化合物などが挙げら
れ、なかでも亜硫酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸
ナトリウム、塩化カルシウム、リン酸ナトリウムなどの
結晶水を含む塩および水酸化アルミニウム、水酸化マグ
ネシウム、水酸化亜鉛、水酸化カルシウムなどの水酸化
金属化合物などの加熱分解されて水分を発生するものが
好ましい。
【0016】本発明において、リン化金属化合物製剤残
渣は、加熱炉内で加熱処理される。かかる加熱処理にお
ける加熱温度は100〜1000℃であり、好ましくは
150〜1000℃であり、より好ましくは150〜8
00℃である。また、かかる温度範囲での加熱時間は好
ましくは15分〜8時間であり、より好ましくは30分
〜6時間である。加熱温度が100℃未満では水分を発
生する化合物が水分を発生せず、残渣に残存するリン化
金属化合物の処理が不十分となることがある。また、上
記温度範囲は、リン化金属化合物を包含するバインダー
のパラフィンが除去され(150℃程度)、且つリン化
金属化合物製剤残渣中の水酸化金属化合物が酸化金属化
合物に分解し水分を発生し(例えば水酸化アルミニウム
は、150℃程度および500〜600℃程度で分解し
水分を発生する)、残存するリン化金属化合物と水分と
の接触反応が容易となり、短時間に確実に処理すること
ができ好適な温度範囲である。また、加熱時間が15分
以上になると残渣に対する熱伝導が十分な時間となり残
渣の処理が確実に行うことができる。さらに、加熱温度
まで昇温する際の昇温速度は、毎分0.2℃〜67℃が
好ましく、毎分5℃〜27℃がより好ましい。かかる昇
温速度を採用することにより、加熱処理時間が長時間に
ならず、水分を発生しうる化合物が揮散性のものについ
ても水分が減少し難く、加熱処理効果が十分で、また、
急激な水分との接触反応も起こらず安全性に優れ好まし
い。
【0017】本発明において、除害処理されたリン化金
属化合物製剤残渣中に残存するリン化金属化合物量は、
0.5重量%以下が好ましく、0.2重量%以下がより
好ましく、0.1重量%以下がさらに好ましく、0.0
5重量%以下が特に好ましい。
【0018】また、リン化金属化合物製剤残渣を加熱処
理する際、加熱炉内に連続的又は間欠的に不活性ガスを
導入し、該不活性ガスと発生するリン化水素等の有害成
分およびバインダーに由来する成分とを同伴させて、リ
ン化金属化合物製剤残渣から分離して、この混合流体を
加熱炉のガス排出口から導管を通じて流通させ、次いで
混合流体中のバインダーに由来する成分を捕集し、且つ
有害成分を無害化処理する方法が好適に採用される。加
熱炉内に導入される不活性ガスの流速は、0.01〜1
00l/分が好ましく、0.5〜50l/分がより好ま
しい。かかる流速の範囲内にするとリン化金属化合物製
剤残渣から発生する有害成分およびバインダーに由来す
る成分が効率的に分離でき、これを加熱炉のガス排出口
から不活性ガスとの混合流体として排出することにより
加熱炉の安全が保たれ、加熱処理を促進することとな
る。加熱炉のガス排出口より排出した混合流体にはリン
化水素やリン酸、亜リン酸、メタリン酸、メタ亜リン酸
等リンの酸化物などの有害成分およびバインダーに由来
する成分が含まれている。
【0019】バインダーに由来する成分は、加熱炉のガ
ス排出口より煙成分やミスト成分として有害成分ととも
に排出される。リン化金属化合物製剤のバインダーとし
ては、パラフィンが好ましく用いられ、このパラフィン
はリン化金属化合物製剤中1〜10重量%程度使用され
る。バインダーに由来する成分としては、その大部分が
バインダー自体であり、その他その分解物や変性物等を
含む。かかるバインダーに由来する成分は、捕集処理す
ることが好ましい。その捕集方法としては、液体、好ま
しくは有害成分の一部を無害化処理する効果があること
から酸化剤および所望によりアルカリ性物質を含む水溶
液をスクラバー方式、リッピング方式、回転羽根方式、
好ましくはスクラバー方式により接触させる湿式法、冷
却による固化、活性炭による吸着、フィルターによる濾
過等の乾式法などが採用され、湿式法がより好適に使用
される。
【0020】また、加熱炉のガス排出口より排出された
有害成分は、無害化処理することが好ましい。その方法
としては、ブロワーを使って大量の空気で希釈して大気
中に排気する空気希釈法、酸化剤および所望によりアル
カリ性物質を含む水溶液をスクラバー方式、リッピング
方式、回転羽根方式、好ましくはスクラバー方式により
接触させる湿式法、活性炭、硅そう土あるいは活性炭等
にアルカリや酸化剤を含む物質を吸着固定したものに接
触させる乾式法などが採用される。有害成分を含むガス
をブロワーで吸込し、空気で希釈して、次いで湿式法又
は乾式法、好ましくは湿式法で処理する方法がより好ま
しく採用される。さらに、加熱炉のガス排出口より排出
したガスに含まれるリンの酸化物などの微粒子の物質は
フィルターで除去する処理方法も採用される。
【0021】本発明で処理されるリン化金属化合物製剤
残渣は、リン化金属化合物製剤からリン化水素を放出し
た残渣であり、例えば検疫の害虫駆除用にリン化水素を
放出したリン化金属化合物製剤残渣、タバコの害虫駆除
用にリン化水素を放出したリン化金属化合物製剤残渣、
衛生害虫駆除用にリン化水素を放出したリン化金属化合
物製剤残渣、有効期限が切れて廃棄するリン化金属化合
物製剤残渣等が挙げられる。
【0022】また、本発明によれば、 (a)リン化金属化合物製剤残渣の加熱手段 (b)不活性ガス供給手段 (c)バインダーに由来する成分の捕集手段 (d)有害成分の無害化処理手段および (e)該不活性ガス供給手段から供給された不活性ガス
が、該リン化金属化合物製剤残渣の加熱手段を通じて、
次いで該バインダーに由来する成分の捕集手段を介し
て、該有害成分の無害化処理手段へ導入されるように前
記(a)〜(d)が導管により接続されている流通手段
よりなる除害システムが提供される。
【0023】この除害システムにおいて、リン化金属化
合物製剤残渣の加熱手段は、リン化金属化合物製剤残渣
を加熱炉内で加熱する手段である。
【0024】かかるリン化金属化合物製剤残渣として
は、リン化アルミニウム、リン化マグネシウム、リン化
亜鉛およびリン化カルシウムよりなる群から選ばれた少
なくとも1種のリン化金属化合物の製剤からリン化水素
を放出した約1〜8重量%のリン化金属化合物が残存し
ているものが好ましく使用される。
【0025】このリン化金属化合物製剤残渣の加熱手段
は、リン化金属化合物製剤残渣の加熱温度を好ましくは
100〜1000℃、より好ましくは150〜1000
℃、さらに好ましくは150〜800℃に設定すること
が採用される。また、加熱炉内の酸素濃度を好ましくは
10容量%未満、より好ましくは6容量%未満に設定す
ることが採用される。
【0026】本発明の除害システムにおける不活性ガス
供給手段は、リン化金属化合物製剤残渣の加熱手段に導
入される不活性ガスの流速が、0.01〜100l/分
に保持されるように不活性ガスの供給が制御されている
ことが好ましく、より好ましくは0.5〜50l/分に
保持されるように不活性ガスの供給が制御されている手
段である。
【0027】本発明の除害システムにおけるバインダー
に由来する成分の捕集手段は、リン化金属化合物製剤残
渣の加熱手段より導入された混合流体中に含まれるバイ
ンダーに由来する成分を捕集する手段である。かかる捕
集手段としては、液体、好ましくは有害成分の一部を無
害化処理する効果があることから酸化剤および所望によ
りアルカリ性物質を含む水溶液をスクラバー方式、リッ
ピング方式、回転羽根方式、好ましくはスクラバー方式
により接触させる湿式法、冷却による固化、活性炭によ
る吸着、フィルターによる濾過等の乾式法などが採用さ
れ、湿式法がより好適に使用される。
【0028】本発明の除害システムにおける有害成分の
無害化処理手段は、バインダーに由来する成分の捕集手
段より導入された有害成分と不活性ガスとの混合ガス
を、処理して有害成分を無害化処理する手段である。
【0029】混合ガスからリン化水素やリン酸化物等の
有害成分を無害化処理する手段としては、ブロワーを使
って大量の空気で希釈して大気中に排気する空気希釈
法、酸化剤および所望によりアルカリ性物質を含む水溶
液をスクラバー方式、リッピング方式、回転羽根方式、
好ましくはスクラバー方式により接触させる湿式法、活
性炭、硅そう土あるいは活性炭等にアルカリや酸化剤を
含む物質を吸着固定したものに接触させる乾式法などが
採用される。
【0030】有害成分を含むガスをブロワーで吸込み、
空気で希釈して、これを次亜塩素酸ソーダ等の酸化剤を
含む水溶液に接触させる手段、特にスクラバー方式によ
り処理する手段が特に好ましく採用される。
【0031】本発明の除害システムには、加熱炉のガス
排出口より排出したガスに含まれるリンの酸化物などの
微粒子の物質を除去するフィルターを取り付けることが
できる。
【0032】また、有害成分の無害化処理手段より排出
される無害ガスは、さらに導管を通じて大気中に放出す
る手段が好ましく採用される。
【0033】ここで本発明の除害システムの一例を詳細
に図1に示す。
【0034】図中、bは不活性ガス供給手段であり、窒
素ガスボンベ12、バルブ13およびガス流量計25よ
りなる。
【0035】図中、aはリン化金属化合物製剤残渣の加
熱手段であり、加熱炉11中にリン化金属化合物製剤残
渣を載せたステンレス製バット8、9を入れ、リン化金
属化合物製剤残渣を加熱処理する。
【0036】また、加熱炉内のガスは、不活性ガス供給
手段より導管を通じて導入された窒素ガスにより置換さ
れ、酸素濃度が好ましくは10容量%未満に制御されて
いる。加熱炉内で発生した有害成分と不活性ガスの混合
ガスは加熱炉排出口17より排出される。
【0037】図中、cはバインダーに由来する成分の捕
集手段であり、加熱炉排出口17より排出された混合流
体は導管を通じて、除油装置(スクラバー方式)3に導
入され、除油塔7内で酸化剤を含む水溶液のシャワーと
接触させ、バインダーに由来する成分は冷却され、タン
ク4に捕集される(この際、有害成分の一部が無害化処
理される。)。そして、除油装置上部からは、有害成分
と不活性ガスとの混合ガスが排気される。
【0038】図中、dは有害成分の無害化処理手段であ
り、除油装置3より排出された混合ガスは導管を通じ
て、スクラバー1に導入され、ラッシヒリング充填塔8
において、酸化剤を含む水溶液と接触させて、有害成分
が混合ガスより分離され、無害化される。スクラバー1
より排出されたガスは、酸化剤により塩素を含むことが
あり、このガスはスクラバー19に導入され、アルカリ
性水溶液と接触させて塩素を除去し、このスクラバー1
9より排出された無害ガスは、導管23を通じて大気中
に排気される。
【0039】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。なお、評価は下記の方法により行った。 (1)リン化アルミニウム残渣中の残存リン化アルミニ
ウム含有量 リン化アルミニウム残渣をよく混ぜて所定量正確に秤量
し、100ml容量のヘッドスペース容器に移す。これ
に10%硫酸水溶液20mlを加えヘッドスペース容器
の蓋をして、80℃で20分間分解する。この間時々容
器を振とうする。分解終了後、常温まで冷却し、ヘッド
スペース容器のガスをガスタイトシリンジで所定量採取
し、TCD付きガスクロマトグラフィーでリン化水素ガ
ス濃度を測定し、次式の計算式により残存リン化アルミ
ニウム含有量を求める。
【0040】残存リン化アルミニウム含有量(重量%)
=Cg×(56/34)×100/S Cg=ヘッドスペース容器で作成した検量線より求めた
リン化水素ガス重量(mg) S=サンプル重量(mg) なお、リン化水素ガス濃度の測定条件は下記の通りであ
る。
【0041】ガスクロマトグラフィー;GC−14B
((株)島津製作所製) カラム;ガラスカラム 2.1m×0.6mm 充填剤;porapakQ 80/100メッシュ(ジ
ーエルサイエンス製) 温度;オーブン;60℃、注入口;120℃、TCD;
120℃ キャリアーガス;ヘリウム 50ml/分 インテグレーター;C−R6A((株)島津製作所製)
【0042】(2)酸素濃度 電気炉排出口に取り付けたサンプリング口16(A)よ
り窒素ガス導入開始から加熱終了まで経時的にガスタイ
トシリンジで1mlサンプリングし、TCD付きガスク
ロマトグラフィーで酸素濃度を測定する。酸素濃度はあ
らかじめ作製していた検量線より求める。なお、酸素濃
度の測定条件は下記の通りである。
【0043】ガスクロマトグラフィー;GC−14B
((株)島津製作所製) カラム;ガラスカラム 2.1m×0.6mm 充填剤;モレキュラシーブ5A 60/80メッシュ
(ジーエルサイエンス製) 温度;オーブン60℃、注入口100℃、TCD120
℃ キャリアーガス;ヘリウム 50ml/分 インテグレーター;C−R6A((株)島津製作所製)
【0044】(3)リン化水素ガス濃度 サンプリング口16(A)およびサンプリング口24
(B)およびサンプリング口26(C)より加熱開始か
ら加熱終了まで経時的に20mlガラスシリンジでサン
プリングし、その内からガスタイトシリンジで1ml分
取して、TCD付きガスクロマトグラヒィーでリン化水
素ガス濃度を測定する。リン化水素濃度はあらかじめ作
製していた検量線より求める。なお、リン化水素ガス濃
度の測定条件は下記の通りである。
【0045】ガスクロマトグラフィー;GC−14B
((株)島津製作所製) カラム;ガラスカラム 2.1m×0.6mm 充填剤;PorapakQ 80/100メッシュ(ジ
ーエルサイエンス製) 濃度;オーブン60℃、注入口120℃、TCD120
℃ キャリアーガス;ヘリウム 50ml/分 インテグレーター;C−R6A((株)島津製作所製)
【0046】(4)塩素ガス濃度 サンプリング口24(B)およびサンプリング口26
(C)より加熱開始から加熱終了まで経時的にガス採取
器にガス検知管をセットした装置で100mlサンプリ
ングし、検知管の変色によって濃度を測定する。測定条
件は下記の通りである。
【0047】ガス採取器:光明理化学(株)製AP−1 塩素ガス用検知管:光明理化学(株)製109SA、10
9SB
【0048】[実施例1]図1に示した装置を用い、以
下の方法で処理を行った。まず除油装置3(除油塔7:
200mmφ×H950mm、散水ノズル2mmφ1本
付き;帝三耐蝕(株)製)のタンク4(W500mm×
L500mm×H400mm)に有効塩素約12%の次
亜塩素酸ソーダ水溶液(岡山化成(株)製)7kg、水
74LおよびpH調整として20%硫酸0.4Lを加
え、有効塩素約1%の次亜塩素酸ソーダ水溶液80Lを
調合した。
【0049】また、スクラバー1(W400mm×L4
00mm×H1500mm、ラシヒリング入り、散水ノ
ズル付き;帝三耐蝕(株)製)のタンク2(W600m
m×L700mm×H450mm)に有効塩素約12%
の次亜塩素酸ソーダ水溶液(岡山化成(株)製)7k
g、水74LおよびpH調整として20%硫酸0.4L
を加え、有効塩素約1%の次亜塩素酸ソーダ水溶液80
Lを調合した。
【0050】次に、除油装置3の次亜塩素酸ソーダ水溶
液の循環ポンプ5を運転してローターメーター6で流量
が6L/分になるように調整し、除油塔7に次亜塩素酸
ソーダ水溶液を流して循環させた。
【0051】次にタバコの害虫駆除に使用したリン化ア
ルミニウム製剤(帝人化成(株)製エピヒューム)の残
渣を回収した(残渣中のリン化アルミニウム量は3.2
1重量%、水酸化アルミニウム量は80重量%であり水
分量として27.7重量%、パラフィン3重量%であ
る)。次にSUS製バット2台8,9に回収残渣を各々
5kg入れ、熱効率を上げるために鉄製パイプ10をバ
ット8,9内部に均等になるように20個並べた。次い
でこのバットを電気炉11に2段となるように入れ加熱
処理した。
【0052】その手順は窒素ボンベのバルブ12を開と
し、流量調整バルブ13で流量計25の指示が10L/
分の流量で流れるように調節し、電気炉内に取り付けた
窒素ガス噴出ノズル1カ所14より電気炉内11に導入
した。そして窒素導入管15及び電気炉11の空気を窒
素ガスで置換して酸素濃度を所定の方法で測定し、酸素
濃度を2.0vol%以下となるまで窒素ガスを流し続
けた。酸素濃度が2.0vol%以下になったら電気炉
11の温度を1時間で850℃に昇温し、その後850
℃を2時間保持し残渣を加熱処理した。この間窒素ガス
は窒素ボンベバルブ12と窒素ガス噴出ノズル14の窒
素導入管15を通して導入し続けた。発生する有害成分
およびパラフィンは窒素ガスとともに残渣より分離し、
電気炉排出口17より排出される有害成分およびパラフ
ィンを含む流体は除油装置3に導入された。
【0053】除油装置3に導入された混合流体中の有害
成分は散水ノズルより散水された次亜塩素酸ソーダ水溶
液との接触により一部無害化され、パラフィンは次亜塩
素酸ソーダ水溶液との接触および除油装置内移動による
冷却によって、除油装置下タンク4内に捕集された。
【0054】次いで、除害されなかった有害成分を含む
ガスについては陣笠付き吸込ダクト18より吸い込ま
れ、同時に空気で急速に希釈され、スクラバー1に導入
された。スクラバー1に導入された有害成分は、循環し
ているpH調整された次亜塩素酸ソーダ水溶液との接触
により完全に除害された。
【0055】更にスクラバー1で発生した塩素を含むガ
スは、導管21を通じスクラバー19に導入された。ス
クラバー19に導入された塩素を含むガスは、循環して
いる苛性ソーダ水溶液との接触で中和処理され、スクラ
バー19とブロワーをつなぐ導管22を通り、更に空気
吸込口23から吸込された空気19m3により希釈さ
れ、大気に排気した。この際加熱開始から終了まで経時
的にサンプリング口(A)、(B)および(C)よりサ
ンプリングし所定の方法で有害成分を分析した。また、
加熱終了時に除油装置下タンク内4に捕集されたパラフ
ィン重量を測定した。リン化アルミニウム残渣の処理前
と処理後の残存リン化アルミニウムおよび捕集されたパ
ラフィン重量の結果を表1に示した。また、電気炉内1
1の酸素濃度、有害成分の除害前(サンプリング口A)
と除害後(サンプリング口B,C)の濃度並びに目視に
よる発火爆発の有無の経時変化の結果を表2に示した。
【0056】[実施例2]図1に示した装置を用い、以
下の方法で処理を行った。まず、実施例と同様に除油装
置3のタンク4に有効塩素約1%の次亜塩素酸ソーダ水
溶液80Lを調合した。また、スクラバー1のタンク2
に有効塩素約1%の次亜塩素酸ソーダ水溶液80Lを調
合した。次に除油装置3の次亜塩素酸ソーダ水溶液の循
環ポンプ5を運転してローターメーター6で流量が6L
/分になるように調整し、除油塔7に次亜塩素酸ソーダ
水溶液を流して循環させた。
【0057】次にタバコの害虫駆除に使用したリン化ア
ルミニウム製剤(帝人化成(株)製エピヒューム)の残
渣を回収した(残渣中のリン化アルミニウム量は6.5
0重量%、水酸化アルミニウム量は80重量%、パラフ
ィン3重量%である)。次に回収した残渣10kgに結
晶水を含んだ亜硫酸ナトリウム(Na2SO3・7H
2O、和光純薬(株)製)の粉末を3.1kg(水分量
として1.55kg)を加え混合した。混合終了後、残
渣(残渣中のリン化アルミニウム量は4.96重量%、
水分量(亜硫酸ナトリウムと水酸化アルミニウムの合計
量)としては33.0重量%)をSUS製バット2台
8,9に各々6.5kg入れ、熱効率を上げるために鉄
製パイプ10をバット8,9内部に均等になるように2
0個並べた。次いでこのバットを電気炉11に2段とな
るように入れ、実施例1と同様の方法で加熱処理した。
【0058】電気炉排出口17より排出される有害成分
およびパラフィンを含む流体は、実施例1と同様の方法
により除油装置3に導入し、次いで、除油装置3より排
出された混合ガスは、スクラバー1に導入し、さらに、
スクラバー1より排出されたガスは、スクラバー19に
導入し、そして、スクラバー19とブロワーをつなぐ導
管22を通り、更に空気吸込口23から吸込された空気
19m3により希釈され、大気に排気した。この際加熱
開始から終了まで経時的にサンプリング口(A)、
(B)および(C)よりサンプリングし所定の方法で有
害成分を分析した。また、加熱終了時に除油装置下タン
ク内4に捕集されたパラフィン重量を測定した。リン化
アルミニウム残渣の処理前と処理後の残存リン化アルミ
ニウムおよび捕集されたパラフィン重量の結果を表3に
示した。また、電気炉内11の酸素濃度、有害成分の除
害前(サンプリング口A)と除害後(サンプリング口
B,C)の濃度並びに目視による発火爆発の有無の経時
変化の結果を表4に示した。
【0059】[比較例1]検疫の害虫駆除に使用したリ
ン化アルミニウム製剤(帝人化成(株)製エピヒュー
ム)を回収した残渣2kg(残渣中のリン化アルミニウ
ム量は2.94重量%、水酸化アルミニウム量は80重
量%であり水分量として27.7重量%)を水500m
lの入った1000mlビーカーに添加した。このビー
カーをホットプレート上に置き、水温を95±1℃に保
持し、時々混合しながら温水で残渣を4時間処理した。
処理終了後、残渣と水とを濾別し、残渣の一部を取り出
し残存リン化アルミニウム量を測定した。その結果、残
渣中のリン化アルミニウム量は0.74重量%であっ
た。
【0060】
【発明の効果】本発明のリン化金属化合物製剤残渣の除
害方法は、リン化金属化合物製剤残渣を不活性ガスの雰
囲気下、特定温度範囲で加熱処理することにより、発火
爆発の心配がなく、安全かつ確実に短時間で除害処理で
きるという優れた効果を有する。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の除害方法に使用される装置の一態様を
詳細に示す図である。
【符号の説明】
1 スクラバー 2 スクラバータンク 3 除油装置 4 除油装置タンク 5 循環ポンプ 6 ローターメーター 7 除油塔 8 ステンレス製バット 9 ステンレス製バット 10 鉄製パイプ 11 電気炉 12 窒素ガスボンベのバルブ 13 流量調整バルブ 14 窒素ガス噴出ノズル 15 窒素導入管 16 サンプリング口(A) 17 電気炉排出口 18 陣笠付き吸い込みダクト 19 スクラバー 20 スクラバータンク 21 導管 22 導管 23 空気吸い込み口 24 サンプリング口(B) 25 流量計 26 サンプリング口(C)
フロントページの続き (72)発明者 亀田 佳典 東京都千代田区内幸町1丁目2番2号 帝 人化成株式会社内 Fターム(参考) 2E191 BA01 BD00 BD11 4D002 AA27 AA40 AC10 BA02 CA07 CA13 DA02 DA12 DA37 EA02 4D004 AA16 AA50 AB05 CA22 CB01 CB32 CC01 CC11 DA02 DA03 DA06 DA10 DA12

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リン化アルミニウム、リン化マグネシウ
    ム、リン化亜鉛およびリン化カルシウムよりなる群から
    選ばれた少なくとも1種のリン化金属化合物の製剤から
    リン化水素を放出したリン化金属化合物製剤残渣を除害
    する方法において、(1)(i)リン化金属化合物を1
    〜4重量%含有するリン化金属化合物製剤残渣を加熱炉
    内の酸素濃度が10容量%未満のガス雰囲気下、100
    〜1000℃で加熱処理するか、または(ii)リン化
    金属化合物を含有するリン化金属化合物製剤残渣に、水
    分を発生しうる化合物を添加し、これを加熱炉内の酸素
    濃度が10容量%未満のガス雰囲気下、100〜100
    0℃で加熱処理し、(2)該加熱処理の際発生する有害
    成分およびバインダーに由来する成分をリン化金属化合
    物製剤残渣から分離する、ことを特徴とするリン化金属
    化合物製剤残渣の除害方法。
  2. 【請求項2】 加熱処理に供するリン化金属化合物製剤
    残渣中の水分または水分を発生しうる化合物の割合が、
    水分として20〜65重量%である請求項1記載のリン
    化金属化合物製剤残渣の除害方法。
  3. 【請求項3】 加熱処理に供するリン化金属化合物製剤
    残渣中のリン化金属化合物の割合が、1〜8重量%であ
    る請求項1記載のリン化金属化合物製剤残渣の除害方
    法。
  4. 【請求項4】 加熱炉内のガスの90容量%以上が、窒
    素、炭素ガス、ヘリウムおよびアルゴンよりなる群から
    選ばれた少なくとも1種のガスである請求項1記載のリ
    ン化金属化合物製剤残渣の除害方法。
  5. 【請求項5】 さらに、リン化金属化合物製剤残渣から
    分離したバインダーに由来する成分を捕集し、有害成分
    を無害化処理する請求項1記載のリン化金属化合物製剤
    残渣の除害方法。
  6. 【請求項6】 リン化金属化合物製剤残渣から分離した
    有害成分を、湿式法により無害化処理する請求項5記載
    のリン化金属化合物製剤残渣の除害方法。
  7. 【請求項7】 リン化金属化合物製剤残渣から分離した
    バインダーに由来する成分を、湿式法により捕集する請
    求項5記載のリン化金属化合物製剤残渣の除害方法。
  8. 【請求項8】 (a)リン化金属化合物製剤残渣の加熱
    手段 (b)不活性ガス供給手段 (c)バインダーに由来する成分の捕集手段 (d)有害成分の無害化処理手段および (e)該不活性ガス供給手段から供給された不活性ガス
    が、該リン化金属化合物製剤残渣の加熱手段を通じて、
    次いで該バインダーに由来する成分の捕集手段を介し
    て、該有害成分の無害化処理手段へ導入されるように前
    記(a)〜(d)が導管により接続されている流通手段
    よりなる除害システム。
  9. 【請求項9】 リン化金属化合物製剤残渣の加熱手段
    は、100〜1000℃の温度でリン化金属化合物製剤
    残渣を加熱処理する手段である請求項8記載の除害シス
    テム。
  10. 【請求項10】 リン化金属化合物製剤残渣の加熱手段
    は、加熱炉内の酸素濃度が10容量%未満に制御されて
    いる請求項8記載の除害システム。
  11. 【請求項11】 不活性ガス供給手段は、リン化金属化
    合物製剤残渣の加熱手段に導入される不活性ガスの流速
    が、0.01〜100l/分に保持されるように不活性
    ガスの供給が制御されている請求項8記載の除害システ
    ム。
  12. 【請求項12】 バインダーに由来する成分の捕集手段
    は、リン化金属化合物製剤残渣の加熱手段により導入さ
    れた混合流体を液体に接触させる手段である請求項8記
    載の除害システム。
  13. 【請求項13】 有害成分の無害化処理手段は、バイン
    ダーに由来する成分の捕集手段より導入された有害成分
    と不活性ガスとの混合ガスを、酸化剤を含む水溶液に接
    触させる手段である請求項8記載の除害システム。
  14. 【請求項14】 有害成分の無害化処理手段より排出さ
    れる無害ガスを、さらに導管を通じて大気中に放出する
    請求項8記載の除害システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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