JP2001070471A - リン化金属化合物製剤残渣の除害方法および除害システム - Google Patents

リン化金属化合物製剤残渣の除害方法および除害システム

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JP2001070471A
JP2001070471A JP2000201977A JP2000201977A JP2001070471A JP 2001070471 A JP2001070471 A JP 2001070471A JP 2000201977 A JP2000201977 A JP 2000201977A JP 2000201977 A JP2000201977 A JP 2000201977A JP 2001070471 A JP2001070471 A JP 2001070471A
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metal phosphide
phosphide
phosphide compound
metal
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JP2000201977A
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Teruyuki Tsutsumi
輝之 堤
Yoshinori Kameda
佳典 亀田
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Teijin Ltd
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Teijin Chemicals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 リン化金属化合物製剤の残渣に残存するリン
化金属化合物を、安全で確実に除害する方法および除害
システムの提供。 【解決手段】 リン化アルミニウム、リン化マグネシウ
ム、リン化亜鉛およびリン化カルシウムよりなる群から
選ばれた少なくとも1種のリン化金属化合物の製剤から
リン化水素を放出したリン化金属化合物製剤残渣を除害
する方法において、(1)(i)リン化金属化合物を1
〜4重量%含有するリン化金属化合物製剤残渣を加熱炉
内の酸素濃度が10容量%未満のガス雰囲気下、100
〜1000℃で加熱処理するか、または(ii)リン化
金属化合物を含有するリン化金属化合物製剤残渣に、水
分を発生しうる化合物を添加し、これを加熱炉内の酸素
濃度が10容量%未満のガス雰囲気下、100〜100
0℃で加熱処理し、(2)該加熱処理の際発生する有害
成分をリン化金属化合物製剤残渣から分離する除害方法
および手段よりなる除害システム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、害虫駆除等に使用
してリン化水素を放出した後のリン化金属化合物製剤残
渣の除害方法および除害システムに関する。更に詳しく
はリン化金属化合物製剤の残渣に残存するリン化金属化
合物を、酸素濃度の低いガスの雰囲気下、特定温度範囲
で加熱処理し、発生する有害成分を分離するリン化金属
化合物製剤残渣の安全で確実な除害方法および特定の手
段よりなる除害システムに関する。
【0002】
【従来の技術】害虫駆除等に使用するリン化金属化合物
製剤、例えばリン化アルミニウム製剤は、通常害虫の付
着した植物などを貯蔵した密閉容器の中に、空気中の水
分と接触反応がしやすくなるように置いて、3日間から
10日間リン化水素を放出させて害虫駆除等に使用され
ている。市販のリン化アルミニウム製剤は、通常パラフ
ィンでコーティングが図られ、空気中の水分との接触反
応を遅延化し、更にカルバミン酸アンモニウムを加え
て、リン化アルミニウムの水分との反応熱による温度上
昇を防ぐなどの安全対策が図られている。このため、水
分と反応してリン化水素を放出したリン化アルミニウム
製剤の残渣は無害な水酸化アルミニウムに変化するが、
リン化アルミニウムの一部はパラフィンが含まれた水酸
化アルミニウムの微粉末に覆われ水分との接触ができな
くなり、ほとんどの場合残渣中には未反応のリン化アル
ミニウムが約1〜8重量%残存する。また、冬場温度が
低く水分が少ないとき、あるいは貯蔵している穀物や飼
料などの種類により水分が少なくなるとき水分との接触
反応が悪くなったり、反応熱が不足して未反応のリン化
アルミニウムがより多く残存することがある。
【0003】リン化アルミニウムはそれ自体猛毒である
ばかりでなく水分と反応してリン化水素を生成する。こ
のリン化水素も極めて毒性が強く、しかもある一定濃度
以上になると自然発火もしくは爆発(1.8容量%)す
る極めて危険なガスである。従って、リン化アルミニウ
ムを残存する残渣はそのまま廃棄することは出来ない。
【0004】従来からリン化金属化合物製剤例えばリン
化アルミニウム製剤からリン化水素を放出した残渣の処
理にはいくつかの方法が公知となっている。例えば、リ
ン化水素を放出した残渣を通気性の良い紙袋に少量ずつ
入れ、空気中の水分と残存リン化アルミニウムを徐々に
接触反応させて処理する方法や界面活性剤を含む水ある
いは温水中に回収した残渣を少量づつ加えてよくかきま
ぜ、残存リン化アルミニウムと水を接触反応させて処理
する方法が行われている。しかしながら、これらの方法
はリン化アルミニウム製剤残渣がリン化水素を放出して
水酸化アルミニウムになる過程において、リン化アルミ
ニウムがパラフィンを含んだ微粒子の水酸化アルミニウ
ムに包含され、未反応のリン化アルミニウムは水分との
接触反応が阻害され反応が非常に緩慢となり、約0.7
〜3重量%の未反応のリン化アルミニウムが残存すると
いった問題がある。これらの方法で処理した残渣を産業
廃棄物として処理すると、廃棄場所が悪条件の場合、リ
ン化アルミニウムを包含している水酸化アルミニウムが
溶解し、未処理の残存リン化アルミニウムが水と接触反
応して急激にリン化水素を放出し、自然発火を起して火
災などを引き起こす欠点がある。
【0005】また、特開平9−24115号公報では、
リン化金属化合物残渣に徐々に水分を加えて反応させる
ことによりリン化水素を発生させ、この発生したリン化
水素を650℃以上で燃焼させ五酸化二リンを生成さ
せ、五酸化二リンを1000℃以上に加熱して昇華させ
る等の方法により、リン化水素を無害化するリン化金属
化合物残渣の無害化方法が示されている。しかしなが
ら、かかる方法により無害化処理されたリン化金属化合
物残渣には、上記と同様に約0.7〜3重量%の未反応
のリン化金属化合物が残存するといった問題がある。
【0006】その他の方法として微粉末で残存するリン
化金属化合物製剤残渣を焼却炉の中に少量づつ投入し、
リン化金属化合物を分解してリンの酸化物とする焼却処
理法が知られている。この方法は、例えばリン化アルミ
ニウム製剤残渣の場合、リン化アルミニウムが1300
℃以上の高温にならないと分解してリンの酸化物となら
ないため高温焼却が必要で、エネルギーコスト面で不利
であり、また、焼却温度が残渣の残存リン化アルミニウ
ムの分解温度にならず、リン化アルミニウム残渣が分解
しなかった場合、焼却炉に未分解リン化アルミニウムが
溜まり、かかる未分解のリン化アルミニウムが水と反応
して急激にリン化水素を発生して焼却炉が爆発を起す危
険がある。従って、少量ずつ慎重に投入しなければなら
ず少量の処理は可能であるが、大量の処理には向いてい
ないので実用性に乏しい欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、害虫
駆除等に使用したリン化金属化合物製剤の残渣を発火の
心配なく短時間に安全且つ確実に処理し、しかも処理時
に発生する有害成分を分離し、さらに無害化する方法を
提供することにある。本発明者は、この目的を達成せん
として鋭意研究を重ねた結果、特定のリン化金属化合物
製剤からリン化水素を放出した残渣を、酸素濃度の低い
ガス雰囲気下、特定温度範囲で加熱処理し、さらに発生
する有害成分を残渣から分離するリン化金属化合物製剤
残渣の除害方法を見出し、本発明に到達した。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明によれ
ば、リン化アルミニウム、リン化マグネシウム、リン化
亜鉛およびリン化カルシウムよりなる群から選ばれた少
なくとも1種のリン化金属化合物の製剤からリン化水素
を放出したリン化金属化合物製剤残渣を除害する方法に
おいて、(1)(i)リン化金属化合物を1〜4重量%
含有するリン化金属化合物製剤残渣を加熱炉内の酸素濃
度が10容量%未満のガス雰囲気下、100〜1000
℃で加熱処理するか、または(ii)リン化金属化合物
を含有するリン化金属化合物製剤残渣に、水分を発生し
うる化合物を添加し、これを加熱炉内の酸素濃度が10
容量%未満のガス雰囲気下、100〜1000℃で加熱
処理し、(2)該加熱処理の際発生する有害成分をリン
化金属化合物製剤残渣から分離する、ことを特徴とする
リン化金属化合物製剤残渣の除害方法が提供される。
【0009】本発明のリン化金属化合物製剤からリン化
水素を放出したリン化金属化合物製剤残渣はリン化アル
ミニウム、リン化マグネシウム、リン化亜鉛及びリン化
カルシウムよりなる群から選ばれた少なくとも1種のリ
ン化金属化合物製剤の残渣であり、なかでもリン化アル
ミニウム製剤の残渣が好ましく用いられる。
【0010】本発明のリン化金属化合物製剤残渣の加熱
処理において、加熱炉内の酸素濃度は10容量%未満で
あり、好ましくは0.1〜10容量%、より好ましくは
0.1〜6容量%のガス雰囲気下で行われる。加熱炉内
のガスの酸素濃度を10容量%未満とするには、不活性
ガスで加熱炉内のガスを置換し、不活性ガス濃度を90
容量%以上、好ましくは94〜99.9容量%とする方
法が用いられる。不活性ガスとしては、窒素、炭酸ガ
ス、ヘリウムおよびアルゴン等が挙げられ、なかでも窒
素、炭酸ガスが好ましい。加熱炉内の酸素濃度を10容
量%未満とすることにより、加熱処理時に発生するリン
化水素の発火爆発が防止される。
【0011】本発明において、リン化金属化合物製剤残
渣は上記のように加熱炉内の酸素濃度が10容量%未満
のガス雰囲気下に加熱処理され、その方法として、
(i)リン化金属化合物を1〜4重量%含有するリン化
金属化合物製剤残渣を100〜1000℃で加熱処理す
る方法、または(ii)リン化金属化合物を含有するリ
ン化金属化合物製剤残渣に、水分を発生しうる化合物を
添加し、これを100〜1000℃で加熱処理する方法
が使用される。
【0012】リン化金属化合物製剤残渣には約1〜8重
量%のリン化金属化合物が残存している。かかるリン化
金属化合物製剤残渣中に残存するリン化金属化合物量が
1〜4重量%程度と低濃度の場合、上記(i)の方法に
よりこのリン化金属化合物製剤残渣をそのまま加熱処理
する方法が好ましく採用される。残存するリン化金属化
合物量が低濃度の場合、残渣中に存在する水酸化金属化
合物が加熱分解されて発生する水分とリン化金属化合物
とが十分に反応し、残渣の処理を確実に行うことができ
る。
【0013】また、かかるリン化金属化合物製剤残渣中
に残存するリン化金属化合物量が4〜8重量%程度と高
濃度の場合、まず、リン化金属化合物製剤残渣と水と
を混練し、リン化水素ガスを発生させ、これを分離除去
し、リン化金属化合物製剤残渣中のリン化金属化合物の
割合を1〜4重量%程度にまで低濃度とした後に、
(i)の方法と同様に加熱処理する方法や、上記(i
i)の方法により、リン化金属化合物製剤残渣に水分を
発生しうる化合物を添加し、これを加熱処理する方法が
採用される。特に、上記の方法が、加熱処理後に残存
するリン化金属化合物量がより低減され、また、作業も
簡単で経済的であり、安定して加熱処理を行うことがで
き好ましい。残存するリン化金属化合物量が4〜8重量
%程度と高濃度のリン化金属化合物製剤残渣をそのまま
加熱処理すると、残渣中に存在する水酸化金属化合物が
加熱分解されて発生する水分量が不足し、リン化金属化
合物との反応が十分に進まず、加熱処理後の残渣中にリ
ン化金属化合物が1〜3重量%程度残存することとな
る。
【0014】また、上記加熱処理に供するリン化金属化
合物製剤残渣中の水分または水分を発生しうる化合物の
含有量は、水分量として残渣中の20〜65重量%であ
ることが好ましく、25〜45重量%であることがより
好ましい。かかる範囲では発生する水分量が適度であ
り、残存するリン化金属化合物と水との反応が進み、確
実に短時間でリン化金属化合物製剤残渣の処理が行え
る。さらに、リン化金属化合物製剤残渣中の水分または
水分を発生しうる化合物の含有量は、水分量として、加
熱処理に供するリン化金属化合物製剤の残渣中に残存す
るリン化金属化合物量に対して1〜20倍量が好まし
く、2〜15倍量がより好ましく、3〜12倍量がさら
に好ましく、5〜12倍量が特に好ましい範囲である。
【0015】上記水分を発生しうる化合物とは、含水物
や加熱分解されて水分を発生するものなどである。含水
物としては、亜硫酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸
ナトリウム、塩化カルシウム、リン酸ナトリウムなどの
結晶水を含む塩、バーミュキライト、ロックウールなど
の園芸用保水物、あるいはシリカゲル、活性炭、アルミ
ナ、モレキュラシーブなどの含水吸収剤等の含水無機物
が挙げられ、加熱分解されて水分を発生するものは、水
酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、
水酸化カルシウムなどの水酸化金属化合物などが挙げら
れ、なかでも亜硫酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸
ナトリウム、塩化カルシウム、リン酸ナトリウムなどの
結晶水を含む塩および水酸化アルミニウム、水酸化マグ
ネシウム、水酸化亜鉛、水酸化カルシウムなどの水酸化
金属化合物などの加熱分解されて水分を発生するものが
好ましい。
【0016】本発明において、リン化金属化合物製剤残
渣は、加熱炉内で加熱処理される。かかる加熱処理にお
ける加熱温度は100〜1000℃であり、好ましくは
150〜800℃である。また、かかる温度範囲での加
熱時間は好ましくは15分〜8時間であり、より好まし
くは30分〜6時間である。加熱温度が100℃未満で
は水分を発生する化合物が水分を発生せず、残渣に残存
するリン化金属化合物の処理が不十分となることがあ
る。また、上記温度範囲は、リン化金属化合物を包含す
るコーティング剤のパラフィンが除去され(150℃程
度)、且つリン化金属化合物製剤残渣中の水酸化金属化
合物が酸化金属化合物に分解し水分を発生し(例えば水
酸化アルミニウムは、150℃程度および500〜60
0℃程度で分解し水分を発生する)、残存するリン化金
属化合物と水分との接触反応が容易となり、短時間に確
実に処理することができ好適な温度範囲である。また、
加熱時間が15分以上になると残渣に対する熱伝導が十
分な時間となり残渣の処理が確実に行うことができる。
さらに、加熱温度まで昇温する際の昇温速度は、毎分
0.2℃〜67℃が好ましく、毎分5℃〜27℃がより
好ましい。かかる昇温速度を採用することにより、加熱
処理時間が長時間にならず、水分を発生しうる化合物が
揮散性のものについても水分が減少し難く、加熱処理効
果が十分で、また、急激な水分との接触反応も起こらず
安全性に優れ好ましい。
【0017】本発明において、除害処理されたリン化金
属化合物製剤残渣中に残存するリン化金属化合物量は、
0.5重量%以下が好ましく、0.2重量%以下がより
好ましく、0.1重量%以下がさらに好ましく、0.0
5重量%以下が特に好ましい。
【0018】また、リン化金属化合物製剤残渣を加熱処
理する際、加熱炉内に連続的又は間欠的に不活性ガスを
導入し、該不活性ガスと発生するリン化水素等の有害物
質とを同伴させて、この混合ガスを加熱炉のガス排出口
から導管を通じて流通させ、次いで混合ガス中の有害物
質を無害化処理する方法が好適に採用される。加熱炉内
に導入される不活性ガスの流速は、0.01〜100l
/分が好ましく、0.5〜50l/分がより好ましい。
かかる流速の範囲内にするとリン化金属化合物製剤残渣
から発生する有害成分が効率的に分離でき、これを加熱
炉のガス排出口から不活性ガスとの混合ガスとして排出
することにより加熱炉の安全が保たれ、加熱処理を促進
することとなる。加熱炉のガス排出口より排出した混合
ガスにはリン化水素やリン酸、亜リン酸、メタリン酸、
メタ亜リン酸等リンの酸化物などの有害成分が含まれて
おり、かかる有害成分を含む混合ガスは処理され無害化
される。
【0019】その方法としては、ブロワーを使って大量
の空気で希釈して大気中に排気する空気希釈法、酸化剤
および所望によりアルカリ性物質を含む水溶液をスクラ
バー方式、リッピング方式、回転羽根方式、好ましくは
スクラバー方式により接触させる湿式法、活性炭、硅そ
う土あるいは活性炭等にアルカリや酸化剤を含む物質を
吸着固定したものに接触させる乾式法などが採用され
る。有害成分を含むガスをブロワーで吸込し、空気で希
釈して、次いで湿式法又は乾式法、好ましくは湿式法で
処理する方法がより好ましく採用される。さらに、加熱
炉のガス排出口より排出したガスに含まれるリンの酸化
物などの微粒子の物質はフィルターで除去する処理方法
も採用される。
【0020】本発明で処理されるリン化金属化合物製剤
残渣は、リン化金属化合物製剤からリン化水素を放出し
た残渣であり、例えば検疫の害虫駆除用にリン化水素を
放出したリン化金属化合物製剤残渣、タバコの害虫駆除
用にリン化水素を放出したリン化金属化合物製剤残渣、
衛生害虫駆除用にリン化水素を放出したリン化金属化合
物製剤残渣、有効期限が切れて廃棄するリン化金属化合
物製剤残渣等が挙げられる。
【0021】また、本発明によれば、 (a)リン化金属化合物製剤残渣の加熱手段 (b)不活性ガス供給手段 (c)有害成分の分離手段および (d)該不活性ガス供給手段から供給された不活性ガス
が、該リン化金属化合物製剤残渣の加熱手段を通じて、
次いで該有害成分の分離手段へ導入されるように前記
(a)〜(c)が導管により接続されている流通手段よ
りなる除害システムが提供される。
【0022】この除害システムにおいて、リン化金属化
合物製剤残渣の加熱手段は、リン化金属化合物製剤残渣
を加熱炉内で加熱する手段である。
【0023】かかるリン化金属化合物製剤残渣として
は、リン化アルミニウム、リン化マグネシウム、リン化
亜鉛およびリン化カルシウムよりなる群から選ばれた少
なくとも1種のリン化金属化合物の製剤からリン化水素
を放出した約1〜8重量%のリン化金属化合物が残存し
ているものが好ましく使用される。
【0024】このリン化金属化合物製剤残渣の加熱手段
は、リン化金属化合物製剤残渣の加熱温度を好ましくは
100〜1000℃、より好ましくは150〜800℃
に設定することが採用される。また、加熱炉内の酸素濃
度を好ましくは10容量%未満、より好ましくは6容量
%未満に設定することが採用される。
【0025】本発明の除害システムにおける不活性ガス
供給手段は、リン化金属化合物製剤残渣の加熱手段に導
入される不活性ガスの流速が、0.01〜100l/分
に保持されるように不活性ガスの供給が制御されている
ことが好ましく、より好ましくは0.5〜50l/分に
保持されるように不活性ガスの供給が制御されている手
段である。
【0026】本発明の除害システムにおける有害成分の
分離手段は、リン化金属化合物製剤残渣の加熱手段より
導入された有害成分と不活性ガスとの混合ガスを、処理
して有害成分を分離する手段である。
【0027】混合ガスからリン化水素やリン酸化物等の
有害成分を分離する手段としては、ブロワーを使って大
量の空気で希釈して大気中に排気する空気希釈法、酸化
剤および所望によりアルカリ性物質を含む水溶液をスク
ラバー方式、リッピング方式、回転羽根方式、好ましく
はスクラバー方式により接触させる湿式法、活性炭、硅
そう土あるいは活性炭等にアルカリや酸化剤を含む物質
を吸着固定したものに接触させる乾式法などが採用され
る。
【0028】有害成分を含むガスをブロワーで吸込み、
空気で希釈して、これを次亜塩素酸ソーダ等の酸化剤を
含む水溶液に接触させる手段、特にスクラバー方式によ
り処理する手段が特に好ましく採用される。
【0029】本発明の除害システムには、加熱炉のガス
排出口より排出したガスに含まれるリンの酸化物などの
微粒子の物質を除去するフィルターを取り付けることが
できる。
【0030】また、有害成分の分離手段より排出される
無害ガスは、さらに導管を通じて大気中に放出する手段
が好ましく採用される。ここで本発明の除害システムの
一例を詳細に図1に示す。
【0031】図中、bは不活性ガス供給手段であり、窒
素ガスボンベ7、バルブ18およびガス流量計27より
なる。
【0032】図中、aはリン化金属化合物製剤残渣の加
熱手段であり、加熱炉6中にリン化金属化合物製剤残渣
を載せたステンレス製バット9を入れ、リン化金属化合
物製剤残渣を加熱処理する。
【0033】また、加熱炉内のガスは、不活性ガス供給
手段より導管を通じて導入された窒素ガスにより置換さ
れ、酸素濃度が好ましくは10容量%未満に制御されて
いる。加熱炉内で発生した有害成分と不活性ガスの混合
ガスは加熱炉排出口22より排出される。
【0034】図中、cは有害成分の分離手段であり、加
熱炉排出口22より排出された混合ガスは導管を通じ
て、スクラバー1に導入され、ラッシヒリング充填塔8
において、酸化剤を含む水溶液と接触させて、有害成分
が混合ガスより分離される。スクラバーより排出された
無害ガスは、導管23を通じて大気中に排気される。
【0035】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。なお、評価は下記の方法により行った。 (1)リン化アルミニウム製剤残渣中の残存リン化アル
ミニウム含有量 リン化アルミニウム製剤残渣をよく混ぜて所定量正確に
秤量し、100ml容量のヘッドスペース容器に移す。
これに10%硫酸水溶液20mlを加えヘッドスペース
容器の蓋をして、80℃で20分間分解する。この間時
々容器を振とうする。分解終了後、常温まで冷却し、ヘ
ッドスペース容器のガスをガスタイトシリンジで所定量
採取し、TCD付きガスクロマトグラフィーでリン化水
素ガス濃度を測定し、次式の計算式により残存リン化ア
ルミニウム含有量を求める。 残存リン化アルミニウム含有量(重量%)=Cg×(5
8/34)×100/S Cg=ヘッドスペース容器で作成した検量線より求めた
リン化水素ガス重量(mg) S=サンプル重量(mg) なお、リン化水素ガス濃度の測定条件は下記の通りであ
る。 ガスクロマトグラフィー;GC−14B((株)島津製
作所製) カラム;ガラスカラム 2.1m×0.6mm(1.
D) 充填剤;PorapakQ 80/100メッシュ(ジ
ーエルサイエンス製) 温度;オーブン60℃、注入口120℃、TCD120
℃ キャリアーガス;ヘリウム 50ml/分 インテグレータ;C−R6A((株)島津製作所製)
【0036】(2)酸素濃度 電気炉排出口に取り付けたサンプリング口28(A)よ
り窒素ガス導入開始から加熱終了まで経時的にガスタイ
トシリンジで1mlサンプリングし、TCD付きガスク
ロマトグラフィーで酸素濃度を測定する。酸素濃度はあ
らかじめ作製していた検量線より求める。なお、酸素濃
度の測定条件は下記の通りである。 ガスクロマトグラフィー;GC−14B((株)島津製
作所製) カラム;ガラスカラム 2.1m×0.6mm(1.
D) 充填剤;モレキュラシーブ5A 60/80メッシュ
(ジーエルサイエンス製) 温度;オーブン60℃、注入口100℃、TCD120
℃ キャリアーガス;ヘリウム 50ml/分 インテグレータ;C−R6A((株)島津製作所製)
【0037】(3)リン化水素ガス濃度及びリンイオン
濃度 リン化水素ガス濃度(ppm) サンプリング口28(A)およびサンプリング口29
(B)より加熱開始から加熱終了まで経時的に20ml
ガラスシリンジでサンプリングし、その内からガスタイ
トシリンジで1ml分取して、TCD付きガスクロマト
グラフィーでリン化水素ガス濃度を測定する。リン化水
素濃度はあらかじめ作製していた検量線より求める。な
お、リン化水素ガス濃度の測定条件は下記の通りであ
る。 ガスクロマトグラフィー;GC−14B((株)島津製
作所製) カラム;ガラスカラム 2.1m×0.6mm(1.
D) 充填剤;PorapakQ 80/100メッシュ(ジ
ーエルサイエンス製) 温度;オーブン60℃、注入口120℃、TCD120
℃ キャリアーガス;ヘリウム 50ml/分 インテグレータ;C−R6A((株)島津製作所製)
【0038】リンイオン濃度 上記リン化水素ガス濃度の測定用にサンプリングしたサ
ンプル10mlを5%苛性ソーダ50ml入りの2本連
結したミゼットインピジャーに吹き込んでリン分を吸収
させた後、これを300mlビーカーに洗い流し、次い
で煮沸する。この液を50mlメスフラスコに入れて
2.5%モリブデン酸アンモニウム2mlと2.5%塩
化第一スズ塩酸水溶液0.25ml加え純水で定容にす
る。この溶液を常温で分光光度計(日立U3200;日
立製作所製)で波長720nmの吸光度を測定し、リン
イオン濃度はあらかじめ作製していた検量線より求め
る。
【0039】[実施例1]図1に示した装置を用い、以
下の方法で処理を行った。まずスクラバー1(W300
mm×L300mm×H1000mm、ラッシヒリング
入り、散水ノズル付き;帝三耐蝕(株)製)のタンク2
(W500mm×L500mm×H500mm)に、有
効塩素約12%の次亜塩素酸ソーダ水溶液(岡山化成
(株)製)10kg、水30L及び触媒として硫酸鉄2
50gを加え、有効塩素約3%の次亜塩素酸ソーダ水溶
液40Lを調合した。次にスクラバー1の次亜塩素酸ソ
ーダ水溶液の循環系二方コック12を開き、次亜塩素酸
ソーダ水溶液の循環ポンプ3を運転して二方コック13
を徐々に開き、ローターメーター25で次亜塩素酸ソー
ダ水溶液の流量が1.2m3/hrになるように調節
し、スクラバー1のラッシヒリング充填塔8に次亜塩素
酸ソーダ水溶液を流して次亜塩素酸ソーダ水溶液を循環
させた。
【0040】次にタバコの害虫駆除に使用したリン化ア
ルミニウム製剤(帝人化成(株)製エピヒューム)の残
渣を回収した(残渣中のリン化アルミニウム量は6.6
7重量%、水酸化アルミニウム量は80重量%であっ
た)。次に、ミキサー5(NGM1.25;日工(株)
製)に回収残渣2kgを入れ、これに水150gを加
え、蓋をして吸込ダクト10を設置した。吸込ダクト1
0は蓋との隙間ができるように設置した。次に二方コッ
ク14及び15を開、二方コック17を閉としてブロワ
ー4を運転し、空気吸込調節バルブ16を徐々に開い
て、吸込ダクト10から吸込される空気量を流量計24
で1.8m3/分になるように調節した。このときのス
クラバー1のラッシヒリング充填塔8の空塔速度は0.
35m/sとなった。次にミキサー5を運転しミキサー
5から発生するリン化水素はミキサーとスクラバーをつ
なぐ導管を通ってスクラバー1で除害した。除害中はp
Hメーター26の指示がpH8〜9になるように10%
苛性ソーダ水溶液を加えて運転した。混練終了後、ミキ
サー5から残渣を取出した。この残渣中のリン化アルミ
ニウム量は3.46重量%、水分量(水と水酸化アルミ
ニウムの合計量)としては32.7重量%であった。
【0041】次いで、かかる残渣を4L容量のステンレ
ス製バット9(W190mm×L300mm×H75m
m)にすべて移して電気炉6(W200mm×L430
mm×H165mm;(株)山田電気製作所)で加熱処
理した。その手順はミキサー5の運転を止め、二方コッ
ク14を閉、二方コック17を開として陣笠付き吸込ダ
クト11より空気を吸込し、窒素ボンベ7のバルブ18
を開とし、流量調節バルブ19で流量計27の指示が1
0L/分の流量で流れるように調節し、電気炉内に取り
付けた窒素ガス噴出ノズル20の3ヶ所より電気炉6に
導入した。そして窒素導入管21及び電気炉6の空気を
窒素ガスで置換して、酸素濃度を所定の方法で測定し、
酸素濃度を2.5vol%以下となるまで窒素ガスを流
し続けた。酸素濃度が2.5vol%以下になったら電
気炉6の温度を1時間で600℃に昇温し、その後60
0℃を3時間保持し残渣を加熱処理した。この間窒素ガ
スは窒素ボンベバルブ18と窒素ガス噴出ノズル20の
窒素導入管21を通して導入しつづけた。発生する有害
成分は窒素ガスとともに残渣より分離し、電気炉排出口
22より排出される有害成分を含むガスは陣笠付き吸込
ダクト11より吸込まれ、同時に約1.8m3の空気で
急速に希釈され、スクラバー1に導入された。スクラバ
ー1に導入された有害成分はpH調節された触媒入り次
亜塩素酸ソーダ水溶液との接触により除害され、スクラ
バー1とブロワー4をつなぐ導管23を通り、更に空気
吸込調節バルブ16より吸込された空気3.2m3によ
り希釈され、大気に排気した。この際加熱開始から終了
まで経時的にサンプリング口28(A)とサンプリング
口29(B)よりサンプリングし所定の方法で有害成分
を分析した。リン化アルミニウム残渣の処理前と処理後
の残存リン化アルミニウムの結果を表1に示した。ま
た、電気炉内の酸素濃度、有害成分の除害前(サンプリ
ング口(A))と除害後(サンプリング口(B))の濃
度並びに目視による発火爆発の有無の経時変化の結果を
表2に示した。
【0042】[実施例2]図1に示した装置を用い、以
下の方法で処理を行った。まずスクラバー1(W300
mm×L300mm×H1000mm、ラッシヒリング
入り、散水ノズル付き;帝三耐蝕(株)製)のタンク2
(W500mm×L500mm×H500mm)に有効
塩素約12%の次亜塩素酸ソーダ水溶液(岡山化成
(株)製)10kg、水30Lおよび触媒として硫酸鉄
250gを加え、有効塩素約3%の次亜塩素酸ソーダ水
溶液40Lを調合した。次にスクラバー1の次亜塩素酸
ソーダ水溶液の循環系二方コック12を開き、次亜塩素
酸ソーダ水溶液の循環ポンプ3を運転して二方コック1
3を徐々に開き、ローターメーター25で次亜塩素酸ソ
ーダ水溶液の流量が1.2m3/hrになるように調節
し、スクラバー1のラッシヒリング充填塔8に次亜塩素
酸ソーダ水溶液を流して、次亜塩素酸ソーダ水溶液を循
環させた。
【0043】次にタバコの害虫駆除に使用したリン化ア
ルミニウム製剤(帝人化成(株)製エピヒューム)の残
渣を回収した(残渣中のリン化アルミニウム量は6.6
8重量%、水酸化アルミニウム量は80重量%であっ
た)。次に、回収した残渣2kgをミキサー5(NGM
1.25;日工(株)製)に入れ、これに結晶水を含ん
だ亜硫酸ナトリウム(Na2SO3・7H2O)(和光純
薬(株)製)の粉末を620g(水分量として310
g)を加え混合した。このときリン化水素ガスは発生し
ないので蓋だけをした。混合終了後、混合した残渣(残
渣中のリン化アルミニウム量は5.10重量%、水分量
(亜硫酸ナトリウムと水酸化アルミニウムの合計量)と
しては33.0重量%)を4L容量のステンレス製バッ
ト9(W190mm×L300mm×H75mm)に全
て移した。次に、ミキサーの吸込ダクト10とスクラバ
ー1をつなぐ導管の二方コック14を閉、陣笠付き吸込
ダクト11とスクラバー1をつなぐ導管の二方コック1
7を開として、ブロワー4を運転し、空気吸込調節バル
ブ16を徐々に開いて、陣笠付き吸込ダクト11から吸
込される空気量を流量計24で1.8m3/分になるよ
うに調節した。このときのスクラバー1のラッシヒリン
グ充填塔8の空塔速度が0.35m/sとなった。
【0044】さらに、残渣の入っているステンレス製バ
ット9を電気炉6(W200mm×L430mm×H1
65mm;(株)山田電気製作所製)に入れ、窒素ボン
ベ7のバルブ18を開とし、流量調節バルブ19で流量
計27の指示が10L/分の流量で流れるように調節
し、電気炉内に取り付けた窒素ガス噴出ノズル20の3
ヶ所より電気炉6に導入した。そして窒素導入管21及
び電気炉6の空気を窒素ガスで置換して酸素濃度を所定
の方法で測定し、酸素濃度を2.5vol%以下となる
まで窒素ガスを流し続けた。酸素濃度が2.5vol%
以下になったら電気炉6の温度を1時間で600℃に昇
温し、その後600℃を3時間保持し残渣を加熱処理し
た。この間窒素ガスは窒素ボンベバルブ18と窒素ガス
噴出ノズル20の窒素導入管21を通して導入し続け
た。発生する有害成分は窒素ガスとともに残渣より分離
し、電気炉排出口22より排出される有害成分を含むガ
スは陣笠付き吸込ダクト11より吸込まれ、同時に約
1.8m3の空気で急速に希釈され、スクラバー1に導
入された。スクラバー1に導入された有害成分はpH調
節された触媒入り次亜塩素酸ソーダ水溶液との接触によ
り除害され、スクラバー1とブロワー4をつなぐ導管2
3を通り、更に空気吸込調節バルブ16より吸込された
空気3.2m3により希釈され、大気に排気した。この
際加熱開始から終了まで経時的にサンプリング口28
(A)とサンプリング口29(B)よりサンプリングし
所定の方法で有害成分を分析した。リン化アルミニウム
残渣の処理前と処理後の残存リン化アルミニウムの結果
を表3に示した。また、電気炉内の酸素濃度、有害成分
の除害前(サンプリング口(A))と除害後(サンプリ
ング口(B))の濃度並びに目視による発火爆発の有無
の経時変化の結果を表4に示した。
【0045】[実施例3]検疫の害虫駆除に使用したリ
ン化アルミニウム製剤(帝人化成(株)製エピヒュー
ム)を回収した残渣2kg(残渣中のリン化アルミニウ
ム量は3.52重量%、水酸化アルミニウム量は80重
量%であり水分量として27.7重量%)を4L容量の
ステンレス製バット9(W190mm×L300mm×
H75mm)に入れて、電気炉6(W200mm×L4
30mm×H165mm;(株)山田電気製作所)に設
置し、次いで電気炉6の温度を1.5時間で800℃に
昇温し、その後、800℃を1.5時間保持し、実施例
2と同様の手順で加熱処理した。リン化アルミニウム残
渣の処理前と処理後の残存リン化アルミニウムの結果を
表5に示した。また、電気炉内の酸素濃度、有害成分の
除害前(サンプリング口(A))と除害後(サンプリン
グ口(B))の濃度並びに目視による発火爆発の有無の
経時変化の結果を表6に示した。
【0046】[比較例1]検疫の害虫駆除に使用したリ
ン化アルミニウム製剤(帝人化成(株)製エピヒュー
ム)を回収した残渣2kg(残渣中のリン化アルミニウ
ム量は2.94重量%、水酸化アルミニウム量は80重
量%であり水分量として27.7重量%)を水500m
lの入った1000mlビーカーに添加した。このビー
カーをホットプレート上に置き、水温を95±1℃に保
持し、時々混合しながら温水で残渣を4時間処理した。
処理終了後、残渣と水とを濾別し、残渣の一部を取り出
し残存リン化アルミニウム量を測定した。その結果、残
渣中のリン化アルミニウム量は0.74重量%であっ
た。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】
【表5】
【0052】
【表6】
【0053】
【発明の効果】本発明のリン化金属化合物製剤残渣の除
害方法は、リン化金属化合物製剤残渣を不活性ガスの雰
囲気下、特定温度範囲で加熱処理することにより、発火
爆発の心配がなく、安全かつ確実に短時間で除害処理で
きるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の除害方法に使用される装置の一態様を
詳細に示す図である。
【符号の説明】
1.スクラバー 2.スクラバータンク 3.循環ポンプ 4.ブロワー 5.ミキサー 6.電気炉 7.窒素ガスボンベ 8.スクラバーのラッシヒリング充填塔 9.ステンレス製バット 10.吸込ダクト 11.陣笠付き吸込ダクト 12.二方コック 13.二方コック 14.二方コック 15.二方コック 16.空気吹込調節バルブ 17.二方コック 18.窒素ガスボンベバルブ 19.流量調節バルブ 20.噴出ノズル 21.窒素導入管 22.電気炉排出口 23.導管 24.流量計 25.ローターメーター 26.pHメーター 27.流量計 28.サンプリング口(A) 29.サンプリング口(B)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リン化アルミニウム、リン化マグネシウ
    ム、リン化亜鉛およびリン化カルシウムよりなる群から
    選ばれた少なくとも1種のリン化金属化合物の製剤から
    リン化水素を放出したリン化金属化合物製剤残渣を除害
    する方法において、(1)(i)リン化金属化合物を1
    〜4重量%含有するリン化金属化合物製剤残渣を加熱炉
    内の酸素濃度が10容量%未満のガス雰囲気下、100
    〜1000℃で加熱処理するか、または(ii)リン化
    金属化合物を含有するリン化金属化合物製剤残渣に、水
    分を発生しうる化合物を添加し、これを加熱炉内の酸素
    濃度が10容量%未満のガス雰囲気下、100〜100
    0℃で加熱処理し、(2)該加熱処理の際発生する有害
    成分をリン化金属化合物製剤残渣から分離する、ことを
    特徴とするリン化金属化合物製剤残渣の除害方法。
  2. 【請求項2】 加熱処理に供するリン化金属化合物製剤
    残渣中の水分または水分を発生しうる化合物の割合が、
    水分として20〜65重量%である請求項1記載のリン
    化金属化合物製剤残渣の除害方法。
  3. 【請求項3】 加熱処理に供するリン化金属化合物製剤
    残渣中のリン化金属化合物の割合が、1〜8重量%であ
    る請求項1記載のリン化金属化合物製剤残渣の除害方
    法。
  4. 【請求項4】 加熱炉内のガスの90容量%以上が、窒
    素、炭素ガス、ヘリウムおよびアルゴンよりなる群から
    選ばれた少なくとも1種のガスである請求項1記載のリ
    ン化金属化合物製剤残渣の除害方法。
  5. 【請求項5】 リン化金属化合物製剤残渣から分離した
    有害成分を、空気希釈法、湿式法および乾式法よりなる
    群から選ばれた少なくとも1種の方法により無害化処理
    する請求項1記載のリン化金属化合物製剤残渣の除害方
    法。
  6. 【請求項6】 (a)リン化金属化合物製剤残渣の加熱
    手段 (b)不活性ガス供給手段 (c)有害成分の分離手段および (d)該不活性ガス供給手段から供給された不活性ガス
    が、該リン化金属化合物製剤残渣の加熱手段を通じて、
    次いで該有害成分の分離手段へ導入されるように前記
    (a)〜(c)が導管により接続されている流通手段よ
    りなる除害システム。
  7. 【請求項7】 リン化金属化合物製剤残渣の加熱手段
    は、100〜1000℃の温度でリン化金属化合物製剤
    残渣を加熱処理する手段である請求項6記載の除害シス
    テム。
  8. 【請求項8】 リン化金属化合物製剤残渣の加熱手段
    は、加熱炉内の酸素濃度が10容量%未満に制御されて
    いる請求項6記載の除害システム。
  9. 【請求項9】 不活性ガス供給手段は、リン化金属化合
    物製剤残渣の加熱手段に導入される不活性ガスの流速
    が、0.01〜100l/分に保持されるように不活性
    ガスの供給が制御されている請求項6記載の除害システ
    ム。
  10. 【請求項10】 有害成分の分離手段は、リン化金属化
    合物製剤残渣の加熱手段より導入された有害成分と不活
    性ガスとの混合ガスを、酸化剤を含む水溶液に接触させ
    る手段である請求項6記載の除害システム。
  11. 【請求項11】 有害成分の分離手段より排出される無
    害ガスを、さらに導管を通じて大気中に放出する請求項
    6記載の除害システム。
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