JP2002126043A - 凍結乾燥物の製造法 - Google Patents

凍結乾燥物の製造法

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JP2002126043A
JP2002126043A JP2001215157A JP2001215157A JP2002126043A JP 2002126043 A JP2002126043 A JP 2002126043A JP 2001215157 A JP2001215157 A JP 2001215157A JP 2001215157 A JP2001215157 A JP 2001215157A JP 2002126043 A JP2002126043 A JP 2002126043A
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Muneo Nonomura
宗夫 野々村
Kei Mukai
圭 向井
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アイスライニング゛法によるトレー凍結乾燥
を実施する時の、凍結乾燥ケーキの崩れ、飛散を防止
し、かつ氷結水分の昇華に要する時間を短縮する。 【解決手段】 内面の一部または全部が氷層で被覆され
た凍結乾燥用容器中で被乾燥物含有水性液の凍結層を形
成し、被乾燥物を凍結乾燥する凍結乾燥物の製造法であ
って、氷層が部分的に被乾燥物含有水性液の凍結層表面
に露出するように凍結層を形成させること、または氷結
水分の昇華初期に凍結乾燥用容器の温度を0℃以上に
し、昇華途中から0℃以下に下げる温度制御を行うこと
を特徴とする凍結乾燥物の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、凍結乾燥物の製造
法、さらに詳しくは、乾燥すべき物質を含有する水溶液
や懸濁液、特に、マイクロカプセル(マイクロスフェ
ア)などの徐放性製剤用の無菌濾過に供した医薬活性成
分を含有する水溶液や、それを用いて製造した徐放性製
剤を含有する懸濁液を、氷層で被覆した凍結乾燥容器中
で凍結乾燥するに際し、凍結乾燥に要する時間の短縮を
可能にする凍結乾燥物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】マイクイロカプセル末(以下、MC末と
略記する場合がある)は、水中乾燥法などによりマイク
イロカプセルを製造した後、MCを分離・濃縮・回収
後、懸濁液として得られるMC懸濁液を凍結乾燥法によ
り脱水乾燥して製造する。この時、必要により、マンニ
トールなどを上記の懸濁液に添加・溶解する。通常、こ
の凍結乾燥は、トレーのような凍結乾燥用容器にMC懸
濁液を分注して行われる。しかし、従来は、凍結乾燥終
了後、MC末を人手により無菌的にスクレーパーを使用
してトレーからはく離・回収する必要があるため、回収
に比較的時間が必要であり、環境に暴露させる時間が長
くなり無菌保証の観点から常に微生物などの混入の危険
性があることや、MCが水分コントロールの必要な製剤
であるため、環境暴露時間が長いことは、理化学的な安
定性の観点からも危険性がある等の様々な欠点があっ
た。本出願人は、トレーに予め氷層を形成させておき、
その上にMC懸濁液の凍結層を形成して凍結乾燥するこ
とにより、これらの欠点が解消できることを見出し、既
に特許出願した(特開平11−279054号)。この
方法(以下、アイスライニング法またはアイスライニン
グ乾燥凍結法という)によれば、MC末の回収が非常に
効率よく行えるが、MC懸濁液の凍結層と氷層の二層構
造のため、急激に温度を上げて氷結水分の昇華を行う
と、凍結乾燥ケーキの崩れ、飛散が起こるため、減圧
下、トレーの温度を0℃以下にしてトレー内の氷結水分
の昇華を完了させる必要があり、氷結水分の昇華に長時
間を要する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、固形徐放性製
剤の凍結乾燥ケーキを、崩れ、飛散なく高収率に回収す
ることができ、かつ氷結水分の昇華時間を短縮するアイ
スライニング法の開発が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討した結果、氷層とMC懸濁
液の凍結層表面を繋ぐ通気口をMC懸濁液凍結層中に設
けることにより、氷結水分の昇華中の凍結乾燥用容器温
度を0℃以上にしても、凍結乾燥ケーキの崩れ、飛散を
防止し、より高収量で一定品質のMC末を回収できるこ
とを見出した。また、氷結水分の昇華中の凍結乾燥用容
器温度を0℃以上にすることにより、氷結水分の昇華に
要する時間が短縮できることも見出した。さらに、氷結
水分昇華初期の昇華面が徐放性製剤懸濁液凍結層内にあ
る間は、凍結乾燥用容器温度を0℃以上にして給熱速度
を高め、昇華面が氷層と徐放性製剤懸濁液凍結層の界面
付近になったところで、凍結乾燥用容器温度を0℃以下
に下げることにより、凍結乾燥ケーキの崩れ、飛散を防
止し、かつ氷結水分の昇華に要する時間が短縮できるこ
とを見いだした。さらにまた、この方法が、MCや徐放
性製剤懸濁液に限らず、各種の懸濁液や、MC末製造に
使用する、無菌濾過に供した医薬活性成分(主薬)の水
溶液をはじめ、各種の被乾燥物を含有する水溶液にも好
適に適用できることを見いだした。本発明者らは、この
知見に基づいてさらに研究を重ねた結果、本発明を完成
するに至った。すなわち、本発明は、
【0005】(1)内面の一部または全部が氷層で被覆
された凍結乾燥用容器中で被乾燥物含有水性液の凍結層
を形成し、被乾燥物を凍結乾燥する凍結乾燥物の製造法
であって、氷層が部分的に被乾燥物含有水性液の凍結層
表面に露出するように凍結層を形成させることを特徴と
する凍結乾燥物の製造法(以下、この製造法を本発明の
第1の態様と称する場合がある)、(2)氷層上に、凍
結層を不連続に形成して氷層を露出させる上記(1)記
載の製造法、(3)凍結層に、氷層と凍結層表面を繋ぐ
開口が生ずるように凍結層を形成させ、氷層を露出させ
る上記(1)記載の製造法、(4)凍結乾燥用容器の内
部底面に中空突起物を設け、突起物周囲の氷層が露出す
るように凍結層に開口を形成させる上記(3)記載の製
造法、(5)氷層を部分的に凍結層表面に突出させ、氷
層を露出させる上記(1)記載の製造法、(6)凍結乾
燥用容器の内部底面に突起物を設け、氷層を部分的に凍
結層表面に突出するように形成させる上記(5)記載の
製造法、(7)内面の一部または全部が氷層で被覆され
た凍結乾燥用容器中で被乾燥物含有水性液の凍結層を形
成し、被乾燥物を凍結乾燥する凍結乾燥物の製造法であ
って、氷結水分の昇華初期に凍結乾燥用容器の温度を0
℃以上にし、昇華途中から0℃以下に下げる温度制御を
行うことを特徴とする凍結乾燥物の製造法(以下この製
造法を本発明の第2の態様と称する場合がある)、
(8)昇華面が氷層と被乾燥物含有水性液凍結層の界面
付近に達したところで0℃以下に温度を下げる温度制御
を行う上記(7)記載の製造法、(9)氷結水分昇華初
期温度を5〜40℃とし、この温度を5〜10時間保持
した後、0℃以下に下げる温度制御を行う上記(7)記
載の製造法、(10)撥水性基材で内面の一部または全
部が被覆され、かつその内面の一部または全部が氷層で
被覆された凍結乾燥用容器を使用する上記(1)または
(7)記載の製造法、(11)内面が底面のみである上
記(1)または(7)記載の製造法、(12)凍結乾燥
用容器がトレーである上記(1)または(7)記載の製
造法、(13)氷層の厚さが約0.01mm〜約30m
mである上記(1)または(7)記載の製造法、(1
4)被乾燥物含有水性液が、水溶液である上記(1)〜
(13)いずれか1項記載の製造法、(15)水溶液が
医薬活性成分含有水溶液である上記(14)記載の製造
法、(16)被乾燥物含有水性液が、懸濁液である上記
(1)〜(13)いずれか1項記載の製造法、(17)
懸濁液が、徐放性製剤懸濁液である上記(16)記載の
製造法、(18)徐放性製剤がマイクロスフェアである
上記(17)記載の製造法、(19)医薬活性成分の固
形無菌濾過物を製造する上記(1)または(7)記載の
製造法、(20)徐放性製剤を製造する上記(1)また
は(7)記載の製造法などを提供する。
【0006】また、本発明は、(21)氷層の厚さが容
器の深さの約1/1000〜約4/5である上記(1)
または(7)記載の製造法、(22)凍結層の厚さが容
器の深さの1/1000〜約4/5である上記(1)ま
たは(7)記載の製造法、(23)容器の大きさが横約
5mm〜約7,000mm、縦約5mm〜約7,000
mm、深さ約1mm〜100mmであり、氷層が約0.
01mm〜約30mmである上記(1)または(7)記
載の製造法、(24)徐放性製剤が生理活性ペプチドを
含有する徐放性製剤である上記(17)記載の製造法、
(25)徐放性製剤が生理活性ペプチドおよび生体内分
解性ポリマーを含有する徐放性製剤である上記(17)
記載の製造法、(26)生理活性ぺプチドがLH−RH
アゴニストまたはLH−RHアンタゴニストである上記
(24)または(25)記載の製造法、(27)生理活
性ぺプチドが5-oxo-Pro−His−Trp−Ser−Tyr−
DLeu−Leu−Arg−Pro−NH-CH(リュープロレ
リン)またはその塩である上記(24)または(25)
記載の製造法、(28)生理活性ぺプチドが5-oxo-Pr
o−His−Trp−Ser−Tyr−DLeu−Leu−Arg−Pr
o−NH-CH(リュープロレリン)の酢酸塩である上記
(24)または(25)記載の製造法、(29)生体内
分解性ポリマーがα−ヒドロキシカルボン酸重合体であ
る上記(25)記載の製造法、(30)α−ヒドロキシ
カルボン酸重合体が乳酸−グリコール酸重合体である上
記(29)記載の製造法、(31)乳酸とグリコール酸
との組成比が約100/0〜約40/60(モル%)であ
る上記(30)記載の製造法、(32)重合体の重量平
均分子量が約3,000〜約100,000である上記
(30)記載の製造法、(33)生体内分解性ポリマー
がポリ乳酸である上記(25)記載の製造法、および
(34)ポリ乳酸の重量平均分子量が約10,000〜
約60,000である上記(33)記載の製造法も提供
する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、凍結乾燥すべき物質、
すなわち、被乾燥物を含有する水溶液ないしは懸濁液
(分散液、可溶化液も包含する)の状態の被乾燥物含有
水性液に対して適用され、とりわけ、徐放性製剤の製造
に用いる、無菌濾過に供した医薬活性成分(主薬)の水
溶液や、それを用いて水中乾燥法等で製造したMCの懸
濁液に好適に適用される。以下、徐放性製剤の製造を例
として本発明を説明するが、本発明はこれに限定される
ものではなく、この例に準じて他の水溶液や懸濁液の凍
結乾燥を行うことができる。対象とする徐放性製剤とし
ては、例えば、マイクロスフェアなどが挙げられる。本
明細書においては、マイクロスフェアには、マイクロカ
プセル、マイクロパーティクルなども包含する。具体的
には、特開昭60−100516号公報、特開昭62−
201816号公報、特開平02−124814号公
報、特開平04−321622号公報、特開平05−1
12468号公報、特開平05−194200号公報、
特開平06−293636号公報、特開平06−145
046号公報、特開平06−192068号公報、特開
平08−169818号公報、特開平09−13252
4号公報、特開平09−221417号公報、特開平0
9−221418号公報などに記載されているマイクロ
スフェアまたはマイクロカプセルなどが用いられる。
【0008】上記の徐放性製剤に含まれる医薬活性成分
としては、生理活性ペプチドが好ましく、例えば、分子
量が約300〜約40,000、好ましくは分子量約4
00〜約30,000、さらに好ましくは分子量が約5
00〜約20,000の生理活性ペプチドなどが用いら
れる。このような生理活性ペプチドとしては、例えば、
pKa4.0以上の弱酸(例、炭酸、重炭酸、ホウ酸、
炭素数が1〜3の低級アルカンモノカルボン酸等)と塩
を形成しうる塩基性基を有していることが好ましい。ま
た、塩基性基以外に遊離の、あるいは塩を形成した酸性
基を有するものであってよい。該生理活性ペプチドの活
性として代表的なものとしては、ホルモン作用が挙げら
れる。また、該生理活性ペプチドは天然物、合成物、半
合成物、遺伝子工学の産物のいずれでもよいし、さらに
これらの類縁体および/または誘導体でもよい。これら
の生理活性ペプチドの作用機作は、作動性あるいは拮抗
性のいずれでもよい。該生理活性ペプチドとしては、黄
体形成ホルモン放出ホルモン(LH−RHまたはゴナド
トロピン放出ホルモン、Gn−RHと称されることもあ
る。)、インスリン、ソマトスタチン、ソマトスタチン
誘導体(例、サンドスタチン;USP4,087,390, 4,093,57
4, 4,100,117および4,253,998)、成長ホルモン(G
H;特開平7−101877号、特開平10−2654
04号)、成長ホルモン放出ホルモン(GH−RH)、
プロラクチン、エリスロポイエチン(EPO)、副腎皮
質ホルモン(ACTH)、ACTH誘導体(例、エビラ
チド)、メラノサイト刺激ホルモン(MSH)、甲状腺
ホルモン放出ホルモン((pyr)Glu-His-ProNH2;TR
H),その塩および誘導体(特開昭50−121273
号公報、特開昭52−116465号公報)、甲状腺刺
激ホルモン(TSH)、黄体形成ホルモン(LH)、卵
胞刺激ホルモン(FSH)、バソプレシン、バソプレシ
ン誘導体(例、デスモプレシン)、オキシトシン、カル
シトニン、グルカゴン、ガストリン、セクレチン、パン
クレオザイミン、コレシストキニン、アンジオテンシ
ン、ヒト胎盤ラクトーゲン、ヒト絨毛性ゴナドトロピン
(HCG)、エンケファリン、エンケファリン誘導体
(例、USP4,277,394、EP-31567)、エンドルフィン、キ
ョウトルフィン、インターフェロン(例、インターフェ
ロン−α,β,γ)、インターロイキン(例、インター
ロイキン1〜12各種)、タフトシン、サイモポイエチ
ン、サイモシン、サイモチムリン、胸腺液性因子(TH
F)、血中胸腺因子(FTS)およびその誘導体(USP
4,229,438)、腫瘍壊死因子(TNF)、コロニー誘導
因子(例、CSF,GCSF,GMCSF,MCSF)、
モチリン、デイノルフィン、ボンベシン、ニューロテン
シン、セルレイン、ブラジキニン、心房性ナトリウム排
泄増加因子、神経成長因子(NGF)、細胞増殖因子
(例、EGF,TGF−β,PDGF,酸性FGF,塩
基性FGF)、神経栄養因子(例、NT−3,NT−
4,CNTF,GDNF,BDNF)、エンドセリン拮
抗作用を有するペプチド類およびその類縁体(誘導体)
(EP-436189,EP-457195,EP-496452,特開平3−94
692号公報,特開平3−130299号公報)、イン
スリンンレセプター,インスリン様成長因子(IGF)
−1レセプター,IGF−2レセプター,トランスフェ
リンレセプター,エピダーマル成長因子,ローデンンシ
ティリポプロテイン(LDL)レセプター,マクロファ
ージスカベンジャーレセプター,GLUT−4トランス
ポーター,成長ホルモンレセプター,レプチンレセプタ
ーの内在化を阻害する活性を有するMHC−I(major
histocompatibility class I antigen complex)のα1
ドメイン由来のペプチド(プロシーディングス・オブ・
ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンスズ・オ
ブ・ユーエスエー(Proceedings of the National Acad
emy of Sciences of the UnitedState of America)、
第91巻、9086-9090頁(1994年);同第94巻、11692
-11697頁(1997年))およびその類縁体(誘導体)、さ
らにはこれらのフラグメントまたはフラグメントの誘導
体などが挙げられる。
【0009】生理活性ペプチドが塩である場合、薬理学
的に享受しうる塩などが挙げられる。例えば、該生理活
性ペプチドが分子内にアミノ基等の塩基性基を有する場
合、該塩基性基と無機酸(例、塩酸、硫酸、硝酸、ホウ
酸等)、有機酸(例、炭酸、重炭酸、コハク酸、酢酸、
プロピオン酸、トリフルオロ酢酸等)等との塩などが挙
げられる。また、生理活性ペプチドが分子内にカルボキ
シル基等の酸性基を有する場合、無機塩基(例、ナトリ
ウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネ
シウム等のアルカリ土類金属など)や有機塩基(例、ト
リエチルアミン等の有機アミン類、アルギニン等の塩基
性アミノ酸類等)等との塩など挙げられる。また、生理
活性ペプチドは金属錯体化合物(例、銅錯体、亜鉛錯体
等)を形成していてもよい。用いられる生理活性ペプチ
ドの好ましい具体例としては、例えば、前立腺癌、前立
腺肥大症、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮線維腫、思春期
早発症、乳癌等のLH−RHあるいはこれにより誘導さ
れるホルモンに依存性の疾患および避妊に対して有効な
LH−RH類縁体およびその塩、成長ホルモンおよびこ
れにより誘導されるホルモン依存性の疾患や消化性潰瘍
等の消化器系の疾患等に対して有効なソマトスタチン誘
導体およびその塩などが挙げられる。上記LH−RH類
縁体またはその塩の具体例は、例えば、トリートメント
ウイズ GnRH アナログス:コントラバーシス
アンド パースペクティブ(Treatment with GnRH anal
ogs: Controversies and perspectives)[パルテノン
パブリッシング グループ(株)(The Parthenon Publ
ishing Group Ltd.) 発行 1996年]、特表平3−50
3165号公報、特開平3−101695号、同7−9
7334号および同8−259460号公報などに記載
されているペプチド類が挙げられる。
【0010】LH−RH拮抗作用を有する生理活性ペプ
チド(LH−RHアンタゴニスト)の具体例としては、
例えば、一般式〔Ia〕 X−D2Nal−D4ClPhe−D3Pal−Ser−A−B−Leu−C−Pro−
DAlaNH 〔式中、XはN(4H−furoyl)GlyまたはNAc
を、AはNMeTyr、Tyr、Aph(Atz)、NMeAph
(Atz)から選ばれる残基を、BはDLys(Nic)、D
Cit、DLys(AzaglyNic)、DLys(AzaglyFur)、Dh
Arg(Et)、DAph(Atz)、DhCi から選ばれる
残基を、CはLys(Nisp)、Arg、hArg(Et )を
それぞれ示す〕で表される生理活性ペプチドまたはその
塩が挙げられる。LH−RH拮抗作用を有する生理活性
ペプチド(LH−RHアンタゴニスト)としてより具体
的には、NAcD2Nal-D4ClPhe-D3Pal-Ser-NMeTyr-DLys(Ni
c)-Leu-Lys(Nisp)-Pro-DAlaNH2、N(4H2-furoyl)Gly-D2N
al-D4ClPhe-D3Pal-Ser-NMeTyr-DLys(Nic)-Leu-Lys(Nis
p)-Pro-DAlaNH2、セトロレリクス、ガニレリクス、アン
タレリクス、デチレリクス、アザリン、アンタイド、ラ
モレリクスおよびアバレリクスなどが挙げられる。これ
らのペプチドは、上記文献あるいは公報記載の方法ある
いはこれに準じる方法で製造することができる。LH−
RH作動作用を有する生理活性ペプチド(LH−RHア
ゴニスト)の具体例としては、例えば、一般式〔Ib〕 5-oxo-Pro−His−Trp−Ser−Tyr−Y−Leu−Arg−Pro−Z 〔式中、YはDLeu、DAla、DTrp、DSer(tB
u)、D2Nal、DHis(ImBzl)から選ばれる残基
を、ZはNH-CまたはGly-NHをそれぞれ示
す〕で表される生理活性ペプチドまたはその塩が挙げら
れる。なかでも、YがDLeuで、ZがNH-C
あるペプチドまたはその塩が好適である。これらのペプ
チドは、上記文献あるいは公報記載の方法あるいはこれ
に準じる方法で製造することができる。
【0011】また、ソマトスタチン誘導体またはその塩
の具体例としては、例えば、プロシーディングス オブ
ナショナル アカデミー オブ サイエンス(Proc.
Natl. Acad. Sci.)USA, 93巻, 12513-12518 頁(1996
年)あるいは該文献中に引用された文献中などに記載さ
れている。さらにソマトスタチン類縁体のうちの腫瘍に
選択的に有効なソマトスタチン誘導体の具体例を挙げれ
ば、例えば、
【化1】 など米国特許5,480,870号公報あるいはEP 0
505680号公報記載の生理活性ペプチドおよびその
塩が挙げられる。また、サンドスタチン(USP4087390,
4093574, 4100117, 4253998)なども好適である。上記
の生理活性ペプチドの中でも、5-oxo-Pro−His−Trp−
Ser−Tyr−DLeu−Leu−Arg−Pro−NH-CH(リュープ
レリン)またはその塩(特に、酢酸塩)が好適である。
上記の徐放性製剤に含まれる薬物として、非ペプチド性
の薬物などが用いられてもよく、該薬物として具体的に
は、例えば、特許第2946298号、特開平3−23
2880号、特開平4−364179号に記載の化合物
などが挙げられる。
【0012】本明細書中で使用される略号としては、 略号 名称 N(4H−furoyl)Gly :N−テトラヒドロフロイルグリシン残基 NAc :N−アセチル基 D2Nal :D−3−(2−ナフチル)アラニン残基 D4ClPhe :D−3−(4−クロロフェニル)アラニン残基 D3Pal :D−3−(3−ピリジル)アラニン残基 NMeTyr :N−メチルチロシン残基 Aph(Atz) :N−〔5'−(3'−アミノ−1'H−1',2',4 '−トリアゾリル)〕フェニルアラニン残基 NMeAph(Atz) :N−メチル−〔5'−(3'−アミノ−1'H−1' ,2',4'−トリアゾリル)〕フェニルアラニン 残基 DLys(Nic) :D−(ε−N−ニコチノイル)リシン残基 DCit :D−シトルリン残基 DLys(AzaglyNic) :D−(アザグリシルニコチノイル)リシン残基 DLys(AzaglyFur) :D−(アザグリシルフラニル)リシン残基 DhArg(Et) :D−(N,N'−ジエチル)ホモアルギニン残基 DAph(Atz) :D−N−〔5'−(3'−アミノ−1'H−1',2' ,4'−トリアゾリル)〕フェニルアラニン残基 DhCi :D−ホモシトルリン残基 Lys(Nisp) :(ε−N−イソプロピル)リシン残基 hArg(Et) :(N,N'−ジエチル)ホモアルギニン残基 DSer(tBu) :D−(O-t-ブチル)セリン残基 DHis(ImBzl) :D−(π−ベンジル)ヒスチジン残基 その他アミノ酸に関し、略号で表示する場合、IUPA
C−IUBコミッション・オブ・バイオケミカル・ノー
メンクレーチュアー(Commission on Biochemical Nome
nclature)(ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・バイオ
ケミストリー(European Journal of Biochemistry)第
138巻、9〜37頁(1984年))による略号ある
いは該当分野における慣用略号に基づくものとし、ま
た、アミノ酸に関して光学異性体がありうる場合は、特
に明示しなければL体を示すものとする。
【0013】上記の徐放性製剤に用いられる徐放性基剤
としては、生体内分解性ポリマーなどが好ましく、その
具体例としては、例えば、α−ヒドロキシカルボン酸類
(例、グリコール酸、乳酸、ヒドロキシ酪酸等)、ヒド
ロキシジカルボン酸類(例、リンゴ酸)、ヒドロキシト
リカルボン酸(例、クエン酸)等の1種以上から合成さ
れ、遊離のカルボキシル基を有する重合体、共重合体、
あるいはこれらの混合物、ポリ−α−シアノアクリル酸
エステル、ポリアミノ酸(例、ポリ−γ−ベンジル−L
−グルタミン酸等)、無水マレイン酸系共重合体(例、
スチレン−マレイン酸共重合体等)等が挙げられる。ポ
リマーにおける重合の形式は、ランダム、ブロック、グ
ラフトのいずれでもよい。また、上記α−ヒドロキシカ
ルボン酸類、ヒドロキシジカルボン酸類、ヒドロキシト
リカルボン酸類が分子内に光学活性中心を有する場合、
D−体、L−体およびDL−体のいずれも用いることが
できる。これらの中でも乳酸−グリコール酸重合体、ポ
リ−α−シアノアクリル酸エステルが好ましい。さらに
好ましくは、乳酸−グリコール酸重合体である。
【0014】生体内分解性ポリマーは、好ましくは
(A)グリコール酸と一般式
【化2】 (式中、Rは炭素数2から8のアルキル基を表す)で示
されるヒドロキシカルボン酸との共重合体および(B)
ポリ乳酸を混合した生体内分解性ポリマーまたは乳酸と
グリコール酸との共重合体である。
【0015】一般式〔II〕中、Rで示される炭素数2か
ら8の直鎖もしくは分枝状のアルキル基としては、例え
ば、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペ
ンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、1−エチルプ
ロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブ
チル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチ
ル、2−エチルブチルなどが挙げられる。好ましくは、
炭素数2から5の直鎖もしくは分枝状のアルキル基が用
いられる。具体例としては、例えば、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、イソブチルなどが挙げられ
る。特に好ましくは、Rはエチルである。一般式〔II〕
で示されるヒドロキシカルボン酸としては、例えば、2
−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ吉草酸、2−ヒドロ
キシ−3−メチル酪酸、2−ヒドロキシカプロン酸、2
−ヒドロキシイソカプロン酸、2−ヒドロキシカプリン
酸などが挙げられる。このうち特に、2−ヒドロキシ酪
酸、2−ヒドロキシ吉草酸、2−ヒドロキシ−3−メチ
ル酪酸、2−ヒドロキシカプロン酸が好ましい。一般式
〔II〕で示されるヒドロキシカルボン酸は、特に好まし
くは2-ヒドロキシ酪酸である。これらのヒドロキシカ
ルボン酸はD−体、L−体およびD,L−体の何れでも
よいが、D−体/L−体(モル%)が約75/25〜約
25/75の範囲のものが好ましい。さらに好ましく
は、D−体/L−体(モル%)が約60/40〜約40
/60の範囲のヒドロキシカルボン酸である。特に好ま
しくは、D−体/L−体(モル%)が約55/45〜約
45/55の範囲のヒドロキシカルボン酸である。
【0016】グリコール酸と一般式〔II〕で示されるヒ
ドロキシカルボン酸との共重合体(以下、グリコール酸
共重合体と略称する)において、共重合の形式は、ラン
ダム,ブロック,グラフトの何れでもよい。好ましく
は、ランダム共重合体である。 一般式〔II〕で示されるヒドロキシカルボン酸は、1種
または2種以上適宜の割合で用いてもよい。上記(A)
のグリコール酸共重合体におけるグリコール酸と一般式
〔II〕で示されるヒドロキシカルボン酸との組成比は、
グリコール酸が約10〜約75モル%、残りがヒドロキ
シカルボン酸である場合が好ましい。さらに好ましく
は、グリコール酸が約20〜約75モル%、残りがヒド
ロキシカルボン酸である場合である。特に好ましくは、
グリコール酸が約40〜約70モル%、残りがヒドロキ
シカルボン酸である場合である。これらグリコール酸共
重合体は、重量平均分子量が約2,000から約100,
000のものが用いられる。好ましくは、重量平均分子
量が約3,000から約80,000の共重合体である。
さらに好ましくは、重量平均分子量が約5,000から
約50,000の共重合体である。また、これらのグリ
コール酸共重合体の分散度(重量平均分子量/数平均分
子量)は約1.2から約4.0が好ましい。特に好ましく
は、分散度が約1.5から約3.5の共重合体である。上
記(A)のグリコール酸共重合体は、公知の製造法、例
えば、特開昭61−28521号公報に記載の方法に従
って合成できる。
【0017】ポリ乳酸としては、L−体、D−体および
これらの混合物の何れでもよいが、D−体/L−体(モ
ル%)が約75/25〜約20/80の範囲のものが好
ましい。さらに好ましくは、D−体/L−体(モル%)
が約60/40〜約25/75の範囲のポリ乳酸であ
る。特に好ましくは、D−体/L−体(モル%)が約5
5/45〜約25/75の範囲のポリ乳酸である。該ポ
リ乳酸は、重量平均分子量が約1,500から約100,
000の範囲のものが好ましい。さらに好ましくは、重
量平均分子量が約2,000から約80,000の範囲の
ポリ乳酸である。特に好ましくは、重量平均分子量が約
3,000から約50,000の範囲あるいは約10,0
00〜60,000(さらに好ましくは、約15,00
0〜約50,000)の範囲のポリ乳酸である。また、
ポリ乳酸の分散度は約1.2から約4.0が好ましい。特
に好ましくは、分散度が約1.5から約3.5の場合であ
る。ポリ乳酸の合成法については、乳酸の二量体である
ラクタイドを開環重合する方法と乳酸を脱水重縮合する
方法が知られている。
【0018】上記製剤基剤におけるグリコール酸共重合
体(A)とポリ乳酸(B)は、例えば(A)/(B)で
表わされる混合比(重量%)が約10/90〜約90/
10の範囲で使用される。好ましくは、混合比(重量
%)が約20/80〜約80/20の範囲である。さら
に好ましくは、約30/70〜約70/30の範囲であ
る。(A)、(B)のうち何れかの成分が多すぎると、
(A)もしくは(B)成分を単独で使用した場合とほと
んど同じ薬物放出パターンを有する製剤しか得られず、
混合基剤による放出後期の直線的な放出パターンが期待
できない。グリコール酸共重合体およびポリ乳酸の分解
・消失速度は分子量あるいは組成によって大きく変化す
るが、一般的にはグリコール酸共重合体の分解・消失速
度の方が速いため、混合するポリ乳酸の分子量を大きく
する、あるいは(A)/(B)で表わされる混合比を小
さくすることによって放出期間を長くすることができ
る。逆に、混合するポリ乳酸の分子量を小さくする、あ
るいは(A)/(B)で表わされる混合比を大きくする
ことによって放出期間を短くすることもできる。さら
に、一般式〔II〕で示されるヒドロキシカルボン酸の種
類や割合を変化させることにより、放出期間を調節する
こともできる。
【0019】生体内分解性ポリマーとしてポリ乳酸また
は乳酸−グリコール酸共重合体(以下、単に乳酸−グリ
コール酸重合体と称す。)を用いる場合、その乳酸/グ
リコール酸組成比(モル%)は100/0〜40/60
が好ましく、100/0〜45/55がさらに好まし
く、とりわけ100/0〜50/50が好ましい。上記
の乳酸−グリコール酸重合体の重量平均分子量は3,0
00〜100,000が好ましく、さらに5,000〜8
0,000が特に好ましい。また、乳酸−グリコール酸
重合体の分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は約
1.2〜約4.0が好ましく、さらに約1.5〜約3.5が
特に好ましい。乳酸−グリコール酸重合体の分解・消失
速度は組成あるいは分子量によって大きく変化するが、
一般的にはグリコール酸分率が低いほど分解・消失が遅
いため、グリコール酸分率を低くするかあるいは分子量
を大きくすることによって放出期間を長くすることがで
きる。逆に、グリコール酸分率を高くするかあるいは分
子量を小さくすることによって放出期間を短くすること
もできる。長期間(例えば、1〜6カ月、好ましくは1
〜4カ月)型徐放性製剤(固形)とするには、上記の組
成比および重量平均分子量の範囲の乳酸−グリコール酸
重合体が好ましい。上記の組成比および重量平均分子量
の範囲の乳酸−グリコール酸重合体よりも分解が早い乳
酸−グリコール酸重合体を選択すると初期バーストの抑
制が困難であり、逆に上記の組成比および重量平均分子
量の範囲の乳酸−グリコール酸重合体よりも分解が遅い
乳酸−グリコール酸重合体を選択すると有効量の薬物が
放出されない期間を生じやすい。
【0020】本明細書における重量平均分子量、数平均
分子量および分散度とは、重量平均分子量が120,0
00、52,000、22,000、9,200、5,05
0、2,950、1,050、580、162の9種類の
ポリスチレンを基準物質としてゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換
算の分子量および算出した分散度をいう。測定は、GP
CカラムKF804L×2(昭和電工製)、RIモニタ
ーL−3300(日立製作所製)を使用、移動相として
クロロホルムを用いる。また、生体内分解性ポリマーを
アセトン−メタノール混合溶媒に溶解し、フェノールフ
タレインを指示薬としてこの溶液をアルコール性水酸化
カリウム溶液でカルボキシル基を滴定して末端基定量に
よる数平均分子量を算出する。以下これを末端基定量に
よる数平均分子量と表記する。末端基定量による数平均
分子量が絶対値であるのに対してGPC測定による数平
均分子量は分析あるいは解析条件(例えば、移動相の種
類、カラムの種類、基準物質、スライス幅の選択、ベー
スラインの選択等)によって変動する相対値であるた
め、一義的な数値化は困難であるが、例えば乳酸とグリ
コール酸から無触媒脱水重縮合法で合成され、末端に遊
離のカルボキシル基を有する重合体では、GPC測定に
よる数平均分子量と末端基定量による数平均分子量とが
ほぼ一致する。この乳酸−グリコール酸重合体の場合に
ほぼ一致するとは、末端基定量による数平均分子量がG
PC測定による数平均分子量の約0.5〜約2倍の範囲
内であることをいい、好ましくは約0.7〜約1.5倍の
範囲内であることをいう。
【0021】乳酸−グリコール酸重合体は、乳酸とグリ
コール酸からの無触媒脱水重縮合(特開昭61−285
21号)あるいはラクタイドとグリコライド等の環状体
からの触媒を用いた開環重合(Encyclopedic Handbook
of Biomaterials and Bioengineering PartA:Material
s, Volume 2, Marcel Dekker, Inc. 1995年)で製造で
きる。開環重合で合成される重合体はカルボキシル基を
有しない重合体であるが、該重合体を化学的に処理して
末端を遊離のカルボキシル基にした重合体(ジャーナル
オブ コントロールド リリーズ(J. Controlled Re
lease),41巻、249−257頁、1996年)を
用いることもできる。上記の末端に遊離のカルボキシル
基を有する乳酸−グリコール酸重合体は公知の製造法
(例えば無触媒脱水重縮合法、特開昭61−28521
号公報参照)で問題なく製造でき、さらには末端に特定
されない遊離のカルボキシル基を有する重合体は公知の
製造法(例えば、WO94/15587号公報参照)で
製造できる。また、開環重合後の化学的処理によって末
端を遊離のカルボキシル基にした乳酸−グリコール酸重
合体は、例えばベーリンガー エンゲルハイム(Boehri
ngerIngelheim KG)から市販されているものを用いても
よい。
【0022】被乾燥物含有水性液である無菌濾過に供し
た医薬成分の水溶液は、例えば、上記した医薬成分を、
例えば、注射用水(例、蒸留法や超濾過法などにより製
造される水など)、UF水、RO水、イオン交換水のよ
うな溶媒に溶解し、自体公知の方法で無菌濾過して調製
できる。該水溶液は、用いる医薬活性成分によって異な
るが、通常、約0.1〜約1000mg/ml、好まし
くは約1〜約500mg/mlの濃度で調製する。ま
た、徐放性製剤の懸濁液は、上記した徐放性製剤を下記
の溶媒に添加して調製する。通常、MCの場合、約1m
g〜約3000mg/ml、好ましくは約5mg〜約1
000mg/mlの濃度で調製する。 該懸濁液として
は更に凝集防止剤、例えば、水溶性糖類〔例、マンニト
ール,ラクトース,ブドウ糖,デンプン類(例、コーン
スターチ等)〕、アミノ糖(例、グリシン,アラニン
等)、タンパク質(例、ゼラチン,フィブリン,コラー
ゲン等)、無機塩(例、塩化ナトリウム,臭化ナトリウ
ム,炭酸カリウム等)などを添加したものであっていて
もよい。凝集防止剤としては、特に、D−マンニトール
などのマンニトールが好適である。懸濁液に用いられる
溶媒としては、例えば、注射用水(例、蒸留法や超濾過
法などにより製造される水など)、UF水、RO水、イ
オン交換水、揮発性溶媒(例、エタノール、アセトンな
ど)、ポリエチレンングリコール、植物油、鉱物油、ま
たはそれらの混合溶媒などが挙げられ、特に、注射用水
などが好適である。また、懸濁安定化剤として、界面活
性剤、増粘剤、pH調整剤などを添加することができ
る。界面活性剤としては、例えば、ポリソルベート類
(例、ポリソルベート80、ポリソルベート20、ポリ
ソルベート20等)、プルロニック類(例、プルロニッ
クF68(一般名ポリオキシエチレンン〔160〕ポリ
オキシプロピレン〔30〕グリコール)等)、ポリオキ
シエチレン硬化ヒマシ油類(例、ポリオキシエチレン硬
化ヒマシ油50、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60
等)などが用いられる。増粘剤としては、例えば、カル
ボキシメチルセルロース類、(例、CMC−K、CMC
−Na等)、ポリビニルピロリドン(PVP)などが用
いられる。pH調整剤としては、例えば、塩酸、水酸化
ナトリウム、酢酸、乳酸、水酸化アンモニウム、炭酸ナ
トリウム、炭酸水素ナトリウムなどが用いられる。
【0023】本発明の製造法に用いられる凍結乾燥用容
器は、通常、MC等の徐放性製剤の凍結乾燥に用いられ
る容器であれば何れのものであってもよく、例えば、凍
結乾燥用トレーなどが用いられる。また、該容器として
は、金属(好ましくは、ステンンレス(SUS316,
304等))製、ガラス製、陶器製のものが用いられ
る。さらに本発明の製造法に用いられる凍結乾燥用容器
としては、平板状のものも包含される。該凍結乾燥容器
の大きさは、凍結乾燥の規模に応じて、適宜選択するこ
とができる。具体的には、例えば、横が約5mm〜約
10,000mm、縦が約5mm〜約10,000m
m、深さが約0.1mm〜約500mmのもの、好まし
くは、横が約5mm〜約7,000mm、縦が約5m
m〜約7,000mm、深さが約1mm〜約100mm
のもの、より好ましくは、横が約5mm〜約500m
m、縦が約5mm〜約300mm、深さが約5mm〜約
100mmのものが用いられる。横、縦および深さの比
率は特に限定されないが、通常、深さ1に対して横約1
〜約20、縦約1〜約10、好ましくは、深さ1に対し
て横約1〜約10、縦約1〜約6である。容器の容量
は、例えば、約10ml〜約100,000ml、好ま
しくは、約100ml〜約5,000ml、特に好まし
くは約3,000mlである。該凍結乾燥用容器は、凍
結乾燥時の吸引のために、容器の一部に空洞が施されて
いるが、通常は天板を有しない凍結乾燥用容器が用いら
れる。該凍結乾燥用容器は、撥水性基材で被覆されてい
てもよく、撥水性基材としては、例えば、フッ化エチレ
ン樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化エチレン
樹脂、二フッ化エチレン樹脂)、フッ化ビニリデン樹
脂、六フッ化プロピレン・四フッ化エチレン共重合体樹
脂、変性フッ素樹脂、四フッ化エチレンとパーフロロア
ルコキシエチレンの共重合体樹脂、四フッ化エチレンと
エチレンの共重合体樹脂などが挙げられ、なかでも、フ
ッ化エチレン樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂、三フッ
化エチレン樹脂、二フッ化エチレン樹脂)が好ましく、
テフロン(商品名)が好適である。凍結乾燥用容器を撥
水性基材で被覆(コート)する方法としては、自体公知
あるいはそれに準じる方法が用いられるが、具体的に
は、メッキ法、蒸着法などが用いられる。本発明の製造
法で得られる凍結乾燥物としては、無菌濾過した医薬活
性成分の乾燥粉末、本発明で用いられる徐放性製剤懸濁
液を凍結乾燥法に付して得られる徐放性製剤粉末であれ
ばいかなるものであってもよく、粉末状の(例えば、M
C末など)の他、自体公知の方法に準じて種々の形状に
成型された(例えば、ペレット状、ニードル状など)凍
結乾燥物も含有する。
【0024】以下に、本発明の製造法を具体的に説明す
る。氷層を作製するための水としては、例えば、注射用
水(例、蒸留水など)、イオン交換水などが用いられ
る。氷層で被覆する部分は凍結乾燥用容器の内面の一部
または全部であるが、例えば、容器の内面のうち底面の
み、底面および側面の全部、底面の一部のみ、または底
面および側面の一部のみであってもよい。また、容器の
外面に氷層が形成されていてもよい。凍結乾燥用容器中
における氷層の厚さは、使用する容器の大きさ、被乾燥
物含有水性液の容量、凍結乾燥温度などに応じて、適宜
選択することができるが、例えば、通常、容器の深さの
約1/1000〜約4/5、好ましくは約1/500〜
約1/5、より好ましくは約1/100〜約1/10、
特に好ましくは約1/10であって、約0.01mm以
上が好適である。より具体的には、約0.01mm〜約
400mm、好ましくは約0.01mm〜約200m
m、より好ましくは約0.01mm〜約30mm、さら
に好ましくは約0.1mm〜約30mm、特に好ましく
は約0.1mm〜約10mm、最も好ましくは約1mm
である。氷層はトレーに水を注ぎ、通常約−80℃〜約
0℃、好ましくは約−50℃〜約0℃で作製する。
【0025】凍結乾燥用容器中に氷層を形成させた後、
被乾燥物含有水性溶液を容器中に分注させ、凍結させる
ことにより被乾燥物含有水性液の凍結層を形成させる。
被乾燥物含有水性液の容量は、使用する容器の大きさ、
凍結乾燥温度などに応じて、適宜選択することができる
が、通常、被乾燥物含有水性液の凍結層の厚さが、容器
の深さの約1/1000〜約4/5、好ましくは約1/
500〜約1/5、より好ましくは約1/100〜約1
/10、特に好ましくは約1/10である。また、容器
100mlに対して、被乾燥物含有水性液の容量を約
0.1ml〜約99.9ml、好ましくは約1ml〜約
90ml、さらに好ましくは約1ml〜約40mlとす
ることもできる。さらに、氷層が容器の底から約1mm
の場合、被乾燥物含有水性液の凍結層を約1〜10倍、
好ましくは約1〜5倍とすることもできる。例えば、容
器として、横が約5mm〜約7,000mm、縦が約5
mm〜約7,000mm、深さが約1mm〜100mm
のものを用いる場合、氷層の厚さは通常約0.01mm
〜約30mm、好ましくは約0.1mm〜約30mm、
より好ましくは約0.1mm〜10mm、特に好ましく
は約1mmの厚さとする。一方、被乾燥物含有水性液の
凍結層は、例えば、底面の氷層から約1mm〜約20m
m、好ましくは約2mm〜約10mm、好ましくは約4
mmとする。被乾燥物含有水性液の凍結層は、予め約−
10℃〜約20℃、好ましくは約0℃〜5℃に冷却して
おいた被乾燥物含有水性液を氷層の上に分注した後、通
常約−80℃〜約0℃、好ましくは約−50℃〜約0℃
で作製する。
【0026】本発明の第1の態様に従って、氷層が部分
的に被乾燥物含有水性液の凍結層表面に露出するように
凍結層を形成させる方法自体は特に限定するものではな
く、種々の方法を採用できる。例えば、氷層上に凍結層
を不連続に形成することにより、氷層を被乾燥物含有水
性液の凍結層表面に露出させることができる。これは、
例えば、氷層上に適宜の大きさ、形状のゴム栓等を適宜
の部位に適宜の個数配置し、被乾燥物含有水性液を分注
し、凍結させた後に凍結層から抜き取り、凍結層に開口
(通気口)を形成することにより行うことができる。ま
た、同様に氷層上にパイプ等を配置し、ついで被乾燥物
含有水性液を分注、凍結して通気口としてもよい。さら
に、図5および図6に示すように、凍結乾燥用容器の内
部底面に中空突起物等を設け、氷層と、被乾燥物含有水
性液凍結層を形成させて、凍結層に、突起物周囲の氷層
が露出した通気口を設けたり、氷層を被乾燥物含有水性
液の凍結層表面に突出するように形成させてもよい。通
気口や、氷層の突出の数や位置は特に限定するものでは
ないが、通常、容器の面積(凍結層表面の面積)に対す
る氷層の総露出面積が約0.01%以上、好ましくは約
0.2%以上、さらに好ましくは約0.5%以上となる
ようにする。このようにして、凍結乾燥容器中に氷層と
被乾燥物含有水性液の凍結層の2層を作製する。
【0027】第1の態様において、凍結乾燥は自体公知
の方法を用いて行うことができるが、好ましくは、例え
ば、被乾燥物含有水性液が溶液の場合、減圧下、凍結乾
燥用容器の温度(棚温)が0℃以上(好ましくは、0℃
〜60℃、より好ましくは、20℃〜50℃、さらに好
ましくは、40℃〜50℃)、被乾燥物含有水性液が懸
濁液の場合、減圧下、凍結乾燥用容器の温度(棚温)が
0℃以上(好ましくは、0℃〜60℃、より好ましく
は、20℃〜50℃、さらに好ましくは、35℃〜45
℃)で凍結乾燥容器内の氷結水分の昇華を完了させる。
具体的には、水溶液の場合、減圧下、棚温を0℃以上
(好ましくは、0℃〜60℃、より好ましくは、20℃
〜50℃、さらに好ましくは、40℃〜50℃)で、1
〜50時間(好ましくは1〜30時間、さらに好ましく
は5〜15時間)、懸濁液の場合、減圧下、棚温を0℃
以上(好ましくは、0℃〜60℃、より好ましくは、2
0℃〜50℃、さらに好ましくは、35℃〜45℃)
で、1〜50時間(好ましくは1〜30時間、さらに好
ましくは5〜15時間)保ち、凍結乾燥容器内の氷結水
分の昇華を完了させる。
【0028】本発明の第2の態様においては、氷層上に
被乾燥物含有水性液を分注して該水性液の凍結層を形成
させた後、凍結乾燥する。凍結乾燥は、自体公知の凍結
乾燥法が採用できるが、凍結乾燥に際して、氷結水分の
昇華初期に凍結乾燥用容器の温度を0℃以上にし、昇華
途中から0℃以下に下げる温度制御を行う。通常、昇華
面が氷層と被乾燥物含有水性液凍結層の界面付近に達し
たところで0℃以下に温度を下げることが好ましい。例
えば、減圧下、凍結乾燥用容器の温度(棚温)を、氷結
水分昇華初期に5〜40℃、好ましくは5〜30℃、さ
らに好ましくは10〜20℃とし、この温度を5〜10
時間、好ましくは5〜8時間、さらに好ましくは6〜8
時間保持した後、0℃以下に下げ、凍結乾燥容器内の氷
結水分の昇華を完了させる。
【0029】本明細書において、凍結乾燥用容器の温度
(棚温)とは被凍結乾燥物を保持する容器またはその容
器が接触している棚の温度のことを意味する。また、氷
結水分とは氷結した自由水のことを意味する。上記の本
発明の第1または第2の態様に従って凍結乾燥を行うこ
とにより、凍結乾燥ケーキの崩れが防止され、医薬
活性成分末やMC末の凍結乾燥容器外への飛散などが防
止され、さらに医薬活性成分末やMC末の高収量が確
保され、一定の品質の医薬活性成分末やMC末が製造
できる。
【0030】撥水性基材で被覆された凍結乾燥用容器を
使用し、上記と同様にして被乾燥物含有水性液を凍結乾
燥する場合、撥水性基材で被覆する部分は凍結乾燥用容
器の内面の一部または全部であるが、例えば、容器の内
面のうち底面のみ、底面および側面の全部、底面の一部
のみ、または底面および側面の一部のみであってもよ
い。また、容器の外面も撥水性基材で被覆されていても
よい。凍結乾燥用容器の内面のうち、少なくとも被乾燥
物含有水性液が接する部分全てが撥水性基材で被覆され
ていることが望ましい。
【0031】本発明の製造法は、次のような利点を有し
ている。 (1)医薬活性成分末やMC末がトレーに付着しないの
で、回収時にスクレーパーを使用して掻き取る必要がな
い。 (2)スクレーパーを使用して掻き取りを行う必要がな
いため、回収時に環境に暴露させる時間が短くなり、微
生物などの混入の危険性がない。また、MCは水分コン
トロールが必要な製剤であるため、環境暴露時間が短い
ことにより、理化学的な安定性の観点からも危険性が少
ない。 (3)スクレーパーを使用した掻き取り操作が不要なた
め、トレーとスクレーパーの擦れに起因する異物発生・
混入の危険性がない。 (4)医薬活性成分末やMC末とトレーとの付着が少な
いため、医薬活性成分末やMC末の回収率が高い。 (5)さらに、上記のより好ましい凍結乾燥方法を適用
することにより、より高収量で一定の品質のMC末を回
収することができることができる。 (6)氷結水分の昇華時に生じる凍乾ケーキの崩れ、飛
散が抑制され、給熱速度も高くできるため、昇華に要す
る時間が短縮できる。
【0032】本発明の製造法を用いて、被乾燥物含有水
性液を凍結乾燥した後、必要であれば、例えば、減圧
下、徐放性製剤同士が融着しない条件内で加温して徐放
性製剤中の水分および有機溶媒の除去を行ってもよい。
この場合、好ましくは毎分約10〜約20℃の昇温速度
の条件下で示差走査熱量計で求めた生体内分解性ポリマ
ーの中間点ガラス転移温度よりも若干高い温度で加温す
る。より好ましくは生体内分解性ポリマーの中間点ガラ
ス転移温度からこれより約30℃高い温度範囲内で加温
する。とりわけ、生体内分解性ポリマーとして乳酸−グ
リコール酸重合体を用いる場合には、その中間点ガラス
転移温度以上中間点ガラス転移温度より20℃高い温度
範囲、好ましくは、中間点ガラス転移温度以上中間点ガ
ラス転移温度より10℃高い温度範囲で加温する。加温
時間は徐放性製剤の量などによって異なるものの、一般
的には徐放性製剤自体が所定の温度に達した後、約12
時間〜約168時間が好ましく、さらに約48時間〜約
120時間が好ましい。特に、約48時間〜約96時間
が好ましい。加温方法は、徐放性製剤の集合が均一に加
温できる方法であれば特に限定されない。該加温乾燥方
法の好ましい具体例として、例えば、恒温槽、流動槽、
移動槽あるいはキルン中で加温乾燥する方法、マイクロ
波で加温乾燥する方法などが用いられる。このなかで恒
温槽中で加温乾燥する方法が好ましい。
【0033】上記のようにして得られる徐放性製剤の凍
結乾燥品は、そのままあるいはこれを原料物質として種
々の剤形に製剤化し、経口または非経口で投与すること
ができる。具体的には筋肉内、皮下、臓器などへの注射
剤または埋め込み剤、鼻腔、直腸、子宮などへの経粘膜
剤、経口剤〔例、カプセル剤(例、硬カプセル剤、軟カ
プセル剤等)、顆粒剤、散剤等の固形製剤、シロップ
剤、乳剤、懸濁剤等の液剤等〕などとして投与すること
ができる。例えば、徐放性製剤を注射剤とするには、こ
れらを分散剤(例、ツイーン(Tween)80、HCO−
60等の界面活性剤、ヒアルロン酸ナトリウム、カルボ
キシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等の多糖
類など)、保存剤(例、メチルパラベン、プロピルパラ
ベンなど)、等張化剤(例、塩化ナトリウム、マンニト
ール、ソルビトール、ブドウ糖、プロリンなど)等と共
に水性懸濁剤とするか、ゴマ油、コーン油などの植物油
と共に分散して油性懸濁剤として実際に使用できる徐放
性注射剤とする。徐放性製剤の粒子径は、懸濁注射剤と
して使用する場合にはその分散度、通針性を満足する範
囲であればよく、例えば、平均粒子径として約0.1〜
300μmの範囲が挙げられる。好ましくは、約1〜1
50μm の範囲の平均粒子径である。さらに好ましく
は、約2〜100μm の範囲の平均粒子径である。徐放
性製剤を無菌製剤にするには、製造全工程を無菌にする
方法、ガンマ線で滅菌する方法、防腐剤を添加する方法
等が挙げられるが、特に限定されない。
【0034】上記徐放性製剤は、低毒性であるので、ヒ
トまたは哺乳動物(例、サル、牛、豚、犬、ネコ、マウ
ス、ラット、ウサギ等)に対して安全に用いることがで
きる。徐放性製剤の活性成分としての投与量は、主薬で
ある生理活性ペプチドの種類と含量、剤形、生理活性ペ
プチド放出の持続時間、対象疾病、対象動物、投与方法
などによって種々異なるが、生理活性ペプチドの有効量
であればよい。主薬である生理活性ペプチドの1回当た
りの投与量としては、例えば、徐放性製剤が1ヶ月製剤
である場合、好ましくは、成人1人(体重50Kgとし
て)当たり約0.001mg〜100mg/kg体重の範囲か
ら適宜選ぶことができる。さらに好ましくは約0.00
5mg〜50mg/kg体重の範囲から、特に好ましくは約
0.01mg〜10mg/kg体重の範囲から適宜選ぶことが
できる。より具体的には、上記の一般式〔Ia〕で表わ
されるLH−RHアンタゴニストまたは一般式〔Ib〕
で表わされるLH−RHアゴニストを生理活性ペプチド
として用いる場合、例えば、前立腺癌,前立腺肥大症,
子宮内膜症,子宮筋腫,子宮線維腫,思春期早発症,乳
癌,膀胱癌,子宮頸部癌,慢性リンパ性白血病,慢性骨
髄性白血病,大腸癌,胃炎,ホジキン病,悪性黒色腫,
移転,多発性骨髄腫,非ホジキン性リンパ腫,非小細胞
肺癌,卵巣癌,消化性潰瘍,全身性真菌感染症,小細胞
肺癌,心弁膜症,乳腺症,多嚢胞性卵巣,不妊,慢性無
排卵症,婦人における適性排卵誘発,ざそう(アク
ネ),無月経(例、続発性無月経),卵巣および乳房の
嚢胞性疾患(多嚢胞性卵巣を含む),婦人科系の癌、卵
巣性高アンドロゲン血症および多毛症,胸腺幼若化を介
したT細胞産生によるAIDS,男性性犯罪者の治療の
ための男性避妊等のホルモン依存性疾患の治療・予防
剤、避妊,月経前症候群(PMS)の症状軽減のための
薬剤、体外受精(IVF)用剤などとして、特に、前立
腺癌,前立腺肥大症,子宮内膜症,子宮筋腫,子宮線維
腫,思春期早発症などの治療・予防剤や避妊薬として使
用することができる。該生理活性ペプチドの投与量は、
その剤形、所望の薬物放出持続時間、対象疾病、対象動
物などによって種々異なるが、薬物の有効量であればよ
い。薬物の1回当たりの投与量としては、例えば徐放性
製剤(固形)が1ヶ月製剤である場合、好ましくは、成
人1人当たり約0.001mg〜約10mg/kg体重の範囲
から適宜選ぶことができる。さらに好ましくは、約0.
005mg〜約5mg/kg体重の範囲から適宜選ぶことがで
きる。1回当たりの徐放性製剤の投与量は成人1人当た
り好ましくは、約0.005mg〜50mg/kg体重の範囲
から適宜選ぶことができる。さらに好ましくは約0.0
1mg〜30mg/kg体重の範囲から適宜選ぶことができ
る。投与回数は、数週間に1回、1か月に1回、あるい
は数か月に1回等、主薬である生理活性ペプチドの種類
と含量、剤形、生理活性ペプチド放出の持続時間、対象
疾病、対象動物などによって適宜選ぶことができる。
【0035】
【実施例】以下に、参考例および実施例に基づいて本発
明をより詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定
されるものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範
囲で変化させてもよい。 参考例1 徐放性MC(1ヶ月製剤)懸濁液の調製 ゼラチン2.3g、酢酸リュープロレリン14.9g
を、蒸留水15.0gに加温しながら溶解した。この溶
液に、別途調製した乳酸・グリコール酸共重合体(以
下、PLGAと略記)〔乳酸/グリコール酸=75/2
5(モル%)、重量平均分子量:10500〕のジクロ
ロメタン溶液319g(内、PLGA 119g)を添
加し、ミニミキサーで2分間撹拌乳化(回転数:100
00rpm)した。これを、予め溶解しておいた0.1
%ポリビニールアルコール(PVA)水溶液25Lに加
えて再び乳化した。このW/O/Wエマルションを軽く
撹拌しながら約3時間ほど脱溶媒した。得られたMCを
75μmの篩を通して粗い粒子を除去した後、遠心分離
によって分離した。これを蒸留水で洗浄し、遊離の薬
物、PVAを除去した後、少量の蒸留水とともに90μ
mの篩で湿式篩過した。これに18.4gのD−マンニ
トールを加え溶解し、MCの懸濁液とした。スケールに
応じて、各原料の使用量を増減できる。
【0036】参考例2 徐放性MC(1ヶ月・ゼラチンフリー型製剤)懸濁液の
調製 酢酸リュープロレリン14.9gを、蒸留水15.0g
に加温しながら溶解した。この溶液に、別途調製した乳
酸・グリコール酸共重合体(以下、PLGAと略記)
〔乳酸/グリコール酸=75/25(モル%)、重量平
均分子量:10500〕のジクロロメタン溶液322g
(内、PLGA 122g)を添加し、ミニミキサーで
2分間撹拌乳化(回転数:10000rpm)した。こ
れを、予め溶解しておいた0.1%ポリビニルアルコー
ル(PVA)水溶液25Lに加えて再び乳化した。この
W/O/Wエマルションを軽く撹拌しながら約3時間ほ
ど脱溶媒した。得られたMCを75μmの篩を通して粗
い粒子を除去した後、遠心分離によって分離した。これ
を蒸留水で洗浄し、遊離の薬物、PVAを除去した後、
少量の蒸留水とともに90μmの篩で湿式篩過した。こ
れに18.4gのD−マンニトールを加え溶解し、MC
の懸濁液とした。スケールに応じて、各原料の使用量を
増減できる。
【0037】参考例3 徐放性MC(3ヶ月型製剤)懸濁液の調製 酢酸リュープロレリン10.8gを、蒸留水12.5g
に加温しながら溶解した。この溶液に、別途調製した乳
酸重合体(以下、PLAと略記)〔重量平均分子量:1
6000〕のジクロロメタン溶液256g(内、PLA
96g)を添加し、ミニミキサーで3分間撹拌乳化
(回転数:10000rpm)した。これを、予め溶解
しておいた0.1%ポリビニールアルコール(PVA)
水溶液25Lに加えて再び乳化した。このW/O/Wエ
マルションを軽く撹拌しながら約3時間ほど脱溶媒し
た。得られたMCを75μmの篩を通して粗い粒子を除
去した後、遠心分離によって分離した。これを蒸留水で
洗浄し、遊離の薬物、PVAを除去した後、少量の蒸留
水とともに90μmの篩で湿式篩過した。これに14.
4gのD−マンニトールを加え溶解し、MCの懸濁液と
した。スケールに応じて、各原料の使用量を増減でき
る。
【0038】参考例4 MC(プラセボ)懸濁液の調製 乳酸・グリコール酸共重合体〔乳酸/グリコール酸=7
5/25(モル%)、重量平均分子量:10500〕1
20gを、ジクロロメタン200gに溶解した。この溶
液を、予め溶解しておいた0.1%ポリビニールアルコ
ール(PVA)水溶液25Lに加えて乳化した。このO
/Wエマルションを軽く撹拌しながら約3時間ほど脱溶
媒した。得られたMCを75μmの篩を通して粗い粒子
を除去した後、遠心分離によって分離した。これを蒸留
水で洗浄し、PVAを除去した後、少量の蒸留水ととも
に90μmの篩で湿式篩過した。これに16gのD−マ
ンニトールを加え溶解し、MCの懸濁液とした。スケー
ルに応じて、各原料の使用量を増減できる。
【0039】参考例5 徐放性MC(6ヶ月型製剤)懸濁液の調製 酢酸リュープロレリン24gを、蒸留水23gに加温し
ながら溶解した。この溶液に、別途調製した乳酸重合体
〔重量平均分子量:17000〜30000〕、3−ヒ
ドロキシ 2−ナフトエ酸、エタノールのジクロロメタ
ン溶液268.8g(内、PLA 96.3g、3−ヒ
ドロキシ 2−ナフトエ酸 3.7g、エタノール 6.
8g)を添加し、ミニミキサーで撹拌乳化(回転数:1
0000rpm)した。これを、予め溶解しておいた
0.1%ポリビニールアルコール(PVA)水溶液25
Lに加えて再び乳化した。このW/O/Wエマルション
を軽く撹拌しながら約3時間ほど脱溶媒した。得られた
MCを75μmの篩を通して粗い粒子を除去した後、遠
心分離によって分離した。これを蒸留水で洗浄し、遊離
の薬物、PVAを除去した後、少量の蒸留水とともに9
0μmの篩で湿式篩過した。これに15.8gのD−マ
ンニトールを加え溶解し、MCの懸濁液とした。スケー
ルに応じて、各原料の使用量を増減できる。
【0040】〔第1の態様〕 実施例1A 凍結乾燥用トレー(縦270mm、横170mm、深さ
40mm、1側面に凍乾ケーキを滑り落とすための傾斜
付)に、蒸留水を用いて予め約2mm厚の氷層を約−4
0℃で形成させた。このときトレー内側壁にも氷層を形
成させた(アイスライニング)。氷層を形成してなる凍
結乾燥用トレー上に、図1に示すごとく、φ15(径1
5mm)のシリコンゴム栓6個を等間隔に配置し、そこ
に予め約3℃に冷却しておいた上記参照例4で得たMC
懸濁液200mLを添加した。MC懸濁液を約−40℃
で十分凍結させた後、シリコンゴム栓を取り除いて通気
口を形成させ(トレー面積に対する通気口の総面積比
2.6%)、以下に示す凍結乾燥機棚温度制御パターン
に従って凍結乾燥を行った。 −40℃から40℃まで4時間で昇温 40℃で10時間保持 40℃から51℃まで0.5時間で昇温 51℃で48時間保持 一方、これとは別に、通気口を設けないで、上記の凍結
乾燥機棚温度制御パターンに従って凍結乾燥を行った。
凍結乾燥後、通気口を設けたトレーでは、凍結乾燥品の
崩れ、飛散は認められず、かつ従来のアイスライニング
凍結乾燥法と比べ、氷結水分の昇華時間を約10時間短
縮した(従来法24.75時間、本法14.5時間)。
これにより、凍結乾燥に要する日数を5日(4泊5日)
から4日(3泊4日)に短縮できた。一方、通気口を設
けていないトレーでは、凍結乾燥品が崩れ、激しく飛散
した。
【0041】実施例2A 凍結乾燥用トレー(縦270mm、横170mm、深さ
40mm、1側面に凍乾ケーキを滑り落とすための傾斜
付)に、蒸留水を用いて予め約2mm厚の氷層を約−4
0℃で形成させた。このときトレー内側壁にも氷層を形
成させた(アイスライニング)。氷層を形成してなる凍
結乾燥用トレー上に、図2に示すごとく、φ15(径1
5mm)のシリコンゴム栓4個を等間隔に配置し、そこ
に予め約3℃に冷却しておいた上記参照例4で得たMC
懸濁液200mLを添加した。MC懸濁液を約−40℃
で十分凍結させた後、シリコンゴム栓を取り除き、通気
口を形成させ(トレー面積に対する通気口の総面積比
1.8%)、以下に示す凍結乾燥機棚温度制御パターン
に従って凍結乾燥を行った。 −40℃から40℃まで4時間で昇温 40℃で10時間保持 40℃から51℃まで0.5時間で昇温 51℃で48時間保持 凍結乾燥後、凍結乾燥品の崩れ、飛散は認められず、か
つ従来のアイスライニング凍結乾燥法と比べ、氷結水分
の昇華時間を約10時間短縮した(従来法24.75時
間、本法14.5時間)。これにより、凍結乾燥に要す
る日数を5日(4泊5日)から4日(3泊4日)に短縮
できた。
【0042】実施例3B 凍結乾燥用トレー(縦270mm、横170mm、深さ
40mm、1側面に凍乾ケーキを滑り落とすための傾斜
付)に、蒸留水を用いて予め約2mm厚の氷層を約−4
0℃で形成させた。このときトレー内側壁にも氷層を形
成させた(アイスライニング)。氷層を形成してなる凍
結乾燥用トレー上に、図3に示すごとくφ19(径19
mm)のパイプ1本を置き通気口とし(トレー面積に対
する通気口の総面積比0.7%)、そこに予め約3℃に
冷却しておいたMC末の懸濁液200mLを添加した。
MC懸濁液を約−40℃で十分凍結させ後、以下に示す
凍結乾燥機棚温度制御パターンに従って凍結乾燥を行っ
た。 −40℃から40℃まで4時間で昇温 40℃で10時間保持 40℃から51℃まで0.5時間で昇温 51℃で48時間保持 凍結乾燥後、凍結乾燥品の崩れ、飛散は認められず、か
つ従来のアイスライニング凍結乾燥法と比べ、氷結水分
の昇華時間を約10時間短縮した(従来法24.75時
間、本法14.5時間)。これにより、凍結乾燥に要す
る日数を5日(4泊5日)から4日(3泊4日)に短縮
できた。
【0043】実施例4A 徐放性MC(1ヶ月型製剤)懸濁液への適用 凍結乾燥用トレー(縦270mm、横170mm、深さ
40mm、1側面に凍乾ケーキを滑り落とすための傾斜
付)に、蒸留水を用いて予め約2mm厚の氷層を約−4
0℃で形成させた。このときトレー内側壁にも氷層を形
成させた(アイスライニング)。氷層を形成してなる凍
結乾燥用トレー上に、図4に示すごとく、φ19(径1
9mm)のパイプ2本を置き、通気口とし(トレー面積
に対する通気口の総面積比1.4%)、そこに予め約3
℃に冷却しておいた上記参照例1で得たMC懸濁液20
0mLを添加した。MC懸濁液を約−40℃で十分凍結
させた後、以下に示す凍結乾燥機棚温度制御パターンに
従って凍結乾燥を行った。 −40℃から40℃まで4時間で昇温 40℃で10時間保持 40℃から51℃まで0.5時間で昇温 51℃で48時間保持 凍結乾燥後、凍結乾燥品の崩れ、飛散は認められず、か
つ従来のアイスライニング凍結乾燥法と比べ、氷結水分
の昇華時間を約10時間短縮した(従来法24.75時
間、本法14.5時間)。これにより、凍結乾燥に要す
る日数を5日(4泊5日)から4日(3泊4日)に短縮
できた。
【0044】実施例5A 徐放性MC(3ヶ月型製剤)懸濁液への適用 凍結乾燥用トレー(縦270mm、横170mm、深さ
40mm、1側面に凍乾ケーキを滑り落とすための傾斜
付)に、蒸留水を用いて予め約2mm厚の氷層を約−4
0℃で形成させた。このときトレー内側壁にも氷層を形
成させた(アイスライニング)。氷層を形成してなる凍
結乾燥用トレー上に、図4に示すごとくφ19のパイプ
2本を置き通気口とし(トレー面積に対する通気口の総
面積比1.4%)、そこに予め約3℃に冷却しておいた
上記参照例3で得たMC懸濁液200mLを添加した。
MC懸濁液を約−40℃で十分凍結させた後、以下に示
す凍結乾燥機棚温度制御パターンに従って凍結乾燥を行
った。 −40℃から40℃まで4時間で昇温 40℃で10時間保持 40℃から51℃まで0.5時間で昇温 51℃で48時間保持 凍結乾燥後、凍結乾燥品の崩れ、飛散は認められず、か
つ従来のアイスライニング凍乾法と比べ、氷結水分の昇
華時間を約10時間短縮した(従来法24.75時間、
本法14.5時間)。これにより、凍結乾燥に要する日
数を5日(4泊5日)から4日(3泊4日)に短縮でき
た。
【0045】実施例6A 徐放性MC(6ヶ月型製剤)懸濁液への適用 凍結乾燥用トレー(縦270mm、横170mm、深さ
40mm、1側面に凍乾ケーキを滑り落とすための傾斜
付)に、蒸留水を用いて予め約2mm厚の氷層を約−4
0℃で形成させる。このときトレー内側壁にも氷層を形
成させる(アイスライニング)。氷層を形成してなる凍
結乾燥用トレー上に、図1に示すごとく、φ15のシリ
コンゴム栓6個を等間隔に配置し、そこに予め約3℃に
冷却しておいた上記参照例5で得たMC懸濁液200m
Lを添加する。MC懸濁液を約−40℃で十分凍結させ
た後、シリコンゴム栓を取り除き、通気口を形成させ
(トレー面積に対する通気口の総面積比2.6%)、以
下に示す凍結乾燥機棚温度制御パターンに従って凍結乾
燥を行う。 −40℃から40℃まで4時間で昇温 40℃で10時間保持 40℃から51℃まで0.5時間で昇温 51℃で48時間保持 凍結乾燥後、通気口を設けたトレーでは、凍結乾燥品の
崩れ、飛散は認められず、かつ従来のアイスライニング
凍結乾燥法と比べ、氷結水分の昇華時間を短縮できる。
【0046】実施例7A 徐放性MC(1ヶ月製剤)懸濁液への適用 ゼラチン18.8g、酢酸リュープロレリン119.1
gを、蒸留水120.0gに加温しながら溶解する。こ
の溶液に、別途調製した乳酸・グリコール酸共重合体
〔乳酸/グリコール酸=75/25(モル%)、重量平
均分子量:10500〕のジクロロメタン溶液2556
g(内、PLGA 956g)を添加し、ミニミキサー
で撹拌乳化(回転数:5000〜6000rpm)す
る。これを、予め溶解しておいた0.1%ポリビニール
アルコール(PVA)水溶液200Lに加えて再び乳化
する。このW/O/Wエマルションを軽く撹拌しながら
約3時間ほど脱溶媒する。得られたMCを75μmの篩
を通して粗い粒子を除去した後、遠心分離によって分離
する。これを蒸留水で洗浄し、遊離の薬物、PVAを除
去した後、少量の蒸留水とともに90μmの篩で湿式篩
過する。これに174.2gのD−マンニトールを加え
溶解し、MCの懸濁液とする。凍結乾燥用トレー(縦2
70mm、横450mm、深さ45mm)に、蒸留水を
用いて予め約2mm厚の氷層を約−40℃で形成させ
る。このときトレー内側壁にも氷層を形成させる(アイ
スライニング)。氷層を形成してなる凍結乾燥用トレー
上に、図4に示すごとく、φ19のパイプ2本を置き通
気口とし(トレー面積に対する通気口の総面積比1.4
%)、そこに予め約3℃に冷却しておいた上記で得たM
C懸濁液500mL(トレー1枚当たり)を添加する。
MC懸濁液を約−40℃で十分凍結させた後、以下に示
す凍結乾燥機棚温度制御パターンに従って凍結乾燥を行
う。 −40℃から40℃まで4時間で昇温 40℃で10時間保持 40℃から51℃まで0.5時間で昇温 51℃で48時間保持 凍結乾燥後、凍結乾燥品の崩れ、飛散は認められず、か
つ従来のアイスライニング凍結乾燥法と比べ、氷結水分
の昇華時間を短縮できる。
【0047】実施例8A 徐放性MC(3ヶ月型製剤)懸濁液への適用 酢酸リュープロレリン86.7gを、蒸留水100gに
加温しながら溶解する。この溶液に、別途調製した乳酸
重合体〔重量平均分子量:16000〕のジクロロメタ
ン溶液2045g(内、PLA 765g)を添加し、
ミニミキサーで撹拌乳化(回転数:5000〜6000
rpm)する。これを、予め溶解しておいた0.1%ポ
リビニールアルコール(PVA)水溶液200Lに加え
て再び乳化する。このW/O/Wエマルションを軽く撹
拌しながら約3時間ほど脱溶媒する。得られたMCを7
5μmの篩を通して粗い粒子を除去した後、遠心分離に
よって分離する。これを蒸留水で洗浄し、遊離の薬物、
PVAを除去した後、少量の蒸留水とともに90μmの
篩で湿式篩過する。これに130gのD−マンニトール
を加え溶解し、MCの懸濁液とする。凍結乾燥用トレー
(縦270mm、横450mm、深さ45mm)に、蒸
留水を用いて予め約2mm厚の氷層を約−40℃で形成
させる。このときトレー内側壁にも氷層を形成させる
(アイスライニング)。氷層を形成してなる凍結乾燥用
トレー上に、図4に示すごとく、φ19のパイプ2本を
置き通気口とし(トレー面積に対する通気口の総面積比
1.4%)、そこに予め約3℃に冷却しておいた上記で
得たMC懸濁液500mL(トレー1枚当たり)を添加
する。MC懸濁液を約−40℃で十分凍結させた後、以
下に示す凍結乾燥機棚温度制御パターンに従って凍結乾
燥を行う。 −40℃から40℃まで4時間で昇温 40℃で10時間保持 40℃から51℃まで0.5時間で昇温 51℃で48時間保持 凍結乾燥後、凍結乾燥品の崩れ、飛散は認められず、か
つ従来のアイスライニング凍結乾燥法と比べ、氷結水分
の昇華時間を短縮できる。
【0048】実施例9A 徐放性MC(6ヶ月型製剤)懸濁液の調製 酢酸リュープロレリン192gを、蒸留水184gに加
温しながら溶解する。この溶液に、別で調製した乳酸重
合体〔重量平均分子量:17000〜30000〕、3
−ヒドロキシ 2−ナフトエ酸、エタノールのジクロロ
メタン溶液2150g(内、PLA 770.1g、
3−ヒドロキシ 2−ナフトエ酸 29.9g、エタノー
ル 54g)を添加し、ミニミキサーで撹拌乳化する。
これを、予め溶解しておいた0.1%ポリビニールアル
コール(PVA)水溶液25Lに加えて再び乳化する。
このW/O/Wエマルションを軽く撹拌しながら約3時
間ほど脱溶媒する。得られたMCを75μmの篩を通し
て粗い粒子を除去した後、遠心分離によって分離する。
これを蒸留水で洗浄し、遊離の薬物、PVAを除去した
後、少量の蒸留水とともに90μmの篩で湿式篩過す
る。これに126gのD−マンニトールを加え溶解し、
MCの懸濁液とする。凍結乾燥用トレー(縦270m
m、横450mm、深さ45mm)に、蒸留水を用いて
予め約2mm厚の氷層を約−40℃で形成させる。この
ときトレー内側壁にも氷層を形成させる(アイスライニ
ング)。氷層を形成してなる凍結乾燥用トレー上に、図
4に示すごとく、φ19のパイプ2本を置き通気口とし
(トレー面積に対する通気口の総面積比1.4%)、そ
こに予め約3℃に冷却しておいた上記で得たMC懸濁液
500mL(トレー1枚当たり)を添加する。MC懸濁
液を約−40℃で十分凍結させた後、以下に示す凍結乾
燥機棚温度制御パターンに従って凍結乾燥を行う。 −40℃から40℃まで4時間で昇温 40℃で10時間保持 40℃から51℃まで0.5時間で昇温 51℃で48時間保持 凍結乾燥後、凍結乾燥品の崩れ、飛散は認められず、か
つ従来のアイスライニング凍結乾燥法と比べ、氷結水分
の昇華時間を短縮できる。
【0049】実施例10A 表1に示す凍結乾燥用トレーの大きさと氷層の厚さとを
組み合わせても、トレー面積に対する通気口の総面積比
が0.1%以上であれば実施例4〜6と同様の結果が得
られる。
【0050】
【表1】
【0051】実施例11A 図5および図6に示す方法で通気口を開けても、実施例
4A〜6Aと同様の結果が得られる。すなわち、図5の
方法は、トレー底面1に、パイプ2を設けたトレーを用
いるものである。パイプ2は、径の大きい中空パイプ2
1内に、径の小さい脚部中空パイプ22が、例えば、フ
ランジ等で一体化した構造を有し、該脚部中空パイプ2
2は中空パイプ21の下端より下方へ突出し、例えば、
溶接留め等でトレー底面1と一体化している。このトレ
ーを用いてアイスライニング法を行うには、まず、表面
が中空パイプ21の下端以上のレベルとなるように氷層
3を形成し、ついで、表面が中空パイプ21の上端以下
のレベルとなるようにMC懸濁液の凍結層4を形成させ
る。中空パイプ21および脚部中空パイプ22の材質、
形状、大きさは所望の氷層の露出が得られるものであれ
ば、特に限定するものではない。また、図6の方法は、
トレー底面1に、突起部5を設けたトレーを用い、ま
ず、トレー底面1および突起部5の表面に沿って氷層3
を形成し、ついで、氷層の突出部6が露出するように、
MC懸濁液の凍結層を形成させるものである。トレーの
突起部5の材質、形状、大きさは所望の氷層の突出が得
られるものであれば、特に限定するものではなく、トレ
ーと一体成形してもよい。
【0052】実施例12A 以下に示す凍結乾燥機棚温度制御パターンでも、実施例
4A〜6Aと同様の結果が得られる。 −40℃から50℃まで4.5時間で昇温 50℃で58時間保持
【0053】実施例13A マンニトール液への適用 マンニトール33gを、蒸留水200mLに加温しなが
ら溶解した。凍結乾燥用トレー(縦270mm、横17
0mm、深さ40mm、1側面に乾燥ケーキを滑り落と
すため傾斜付)に、蒸留水を用いて予め約2mm厚の氷
層を約−40℃で形成させた。このときトレー内側壁に
も氷層を形成させた(アイスライニング)。氷層を形成
してなる凍結乾燥用トレー上にφ19のパイプ1ヶを置
き、そこに予め約3℃に冷却しておいたマンニトール水
溶液200mLを添加した。約−40℃で十分凍結させ
た後、以下に示す凍結乾燥機棚温度制御パターンに従っ
て、凍結乾燥を行った。 −40℃から51℃まで4時間で昇温 51℃で24時間保持 凍結乾燥後、凍結乾燥品の崩れ、飛散はほとんど認めら
れず、かつ従来の凍乾法と比べ、収率、作業性とも向上
した。
【0054】実施例14A マンニトール液への適用 マンニトール82.5gを、蒸留水500mLに加温し
ながら溶解した。凍結乾燥用トレー(縦270mm、横
450mm、深さ45mm)に、蒸留水を用いて予め約
2mm厚の氷層を約−40℃で形成させた。このときト
レー内側壁にも氷層を形成させた(アイスライニン
グ)。氷層を形成してなる凍結乾燥用トレー上にφ19
のパイプ2ヶを置き、そこに予め約3℃に冷却しておい
たマンニトール水溶液500mLを添加した。約−40
℃で十分凍結させた後、以下に示す凍結乾燥機棚温度制
御パターンに従って、凍結乾燥を行った。 −40℃から51℃まで4時間で昇温 51℃で24時間保持 凍結乾燥後、凍結乾燥品の崩れ、飛散はほとんど認めら
れず、かつ従来の凍乾法と比べ、収率、作業性とも向上
した。
【0055】実施例15A 徐放性MC(1ヶ月製剤)懸濁液への適用 凍結乾燥用トレー(底面 縦270mm、横450m
m、深さ32mm、側面に凍乾ケーキを滑り落とすため
の傾斜付)を凍結乾燥機に仕込み、十分冷却する。トレ
ー上に蒸留水を均一に噴霧する(アイスライニング装置
使用)ことにより、約2mm厚の氷層を形成させる。こ
のときトレー内側壁にも氷層を形成させる(アイスライ
ニング)。氷層を形成してなる凍結乾燥用トレー上に、
約φ20のパイプ2ヶを置き(図4参照)、そこに予め
約5℃に冷却しておいた上記参考例1で得たMC懸濁液
約500mL(トレー1枚当たり)を添加する。MC懸
濁液を−50℃〜−40℃で十分凍結させた後、以下に
示す凍乾機棚温度制御パターン(生産時の棚温度制御パ
ターン)に従って凍結乾燥を行う。 −40℃から40℃まで4時間で昇温 40℃で10時間保持 40℃から51℃まで0.5時間で昇温 51℃で48時間保持 凍結乾燥後、凍結乾燥品の崩れ、飛散は認められない。
パイプを取り除き、トレーを傾けることで、425μm
篩過装置に凍乾ケーキを挿入する。この際、トレー上に
はほとんどMC末の残留を認めない。かつ従来のアイス
ライニング凍乾法と比べ、氷結水分の昇華時間を短縮で
きる。
【0056】実施例16A 徐放性MC(3ヶ月型製剤)懸濁液への適用 凍結乾燥用トレー(底面 縦270mm、横450m
m、深さ32mm、側面に凍乾ケーキを滑り落とすため
の傾斜付)を凍結乾燥機に仕込み、十分冷却する。トレ
ー上に蒸留水を均一に噴霧する(アイスライニング装置
使用)ことにより、約2mm厚の氷層を形成させる。こ
のときトレー内側壁にも氷層を形成させる(アイスライ
ニング)。氷層を形成してなる凍結乾燥用トレー上に、
約φ20のパイプ2ヶを置き(図4参照)、そこに予め
約5℃に冷却しておいた上記参考例3で得たMC懸濁液
約500mL(トレー1枚当たり)を添加する。MC懸
濁液を−50℃〜−40℃で十分凍結させた後、以下に
示す凍乾機棚温度制御パターン(生産時の棚温度制御パ
ターン)に従って凍結乾燥を行う。 −40℃から40℃まで4時間で昇温 40℃で10時間保持 40℃から51℃まで0.5時間で昇温 51℃で48時間保持 凍結乾燥後、凍結乾燥品の崩れ、飛散は認められない。
パイプを取り除き、トレーを傾けることで、425μm
篩過装置に凍乾ケーキを挿入する。この際、トレー上に
はほとんどMC末の残留を認めない。かつ従来のアイス
ライニング凍乾法と比べ、氷結水分の昇華時間を短縮で
きる。
【0057】実施例17A 徐放性MC(6ヶ月型製剤)懸濁液の調製 凍結乾燥用トレー(底面 縦270mm、横450m
m、深さ32mm、側面に凍乾ケーキを滑り落とすため
の傾斜付)を凍結乾燥機に仕込み、十分冷却する。トレ
ー上に蒸留水を均一に噴霧する(アイスライニング装置
使用)ことにより、約2mm厚の氷層を形成させる。こ
のときトレー内側壁にも氷層を形成させる(アイスライ
ニング)。氷層を形成してなる凍結乾燥用トレー上に、
約φ20のパイプ2ヶを置き(図4参照)、そこに予め
約5℃に冷却しておいた上記参考例5で得たMC懸濁液
約500mL(トレー1枚当たり)を添加する。MC懸
濁液を−50℃〜−40℃で十分凍結させた後、以下に
示す凍乾機棚温度制御パターン(生産時の棚温度制御パ
ターン)に従って凍結乾燥を行う。 −40℃から40℃まで4時間で昇温 40℃で10時間保持 40℃から51℃まで0.5時間で昇温 51℃で48時間保持 凍結乾燥後、凍結乾燥品の崩れ、飛散は認められない。
パイプを取り除き、トレーを傾けることで、425μm
篩過装置に凍乾ケーキを挿入する。この際、トレー上に
はほとんどMC末の残留を認めない。かつ従来のアイス
ライニング凍乾法と比べ、氷結水分の昇華時間を短縮で
きる。
【0058】実施例18A 徐放性MC(1ヶ月製剤・ゼラチンフリー)懸濁液への
適用 凍結乾燥用トレー(底面 縦270mm、横450m
m、深さ32mm、側面に凍乾ケーキを滑り落とすため
の傾斜付)を凍結乾燥機に仕込み、十分冷却する。トレ
ー上に蒸留水を均一に噴霧する(アイスライニング装置
使用)ことにより、約2mm厚の氷層を形成させる。こ
のときトレー内側壁にも氷層を形成させる(アイスライ
ニング)。氷層を形成してなる凍結乾燥用トレー上に、
約φ20のパイプ2ヶを置き(図4参照)、そこに予め
約5℃に冷却しておいた上記参考例2で得たMC懸濁液
約500mL(トレー1枚当たり)を添加する。MC懸
濁液を−50℃〜−40℃で十分凍結させた後、以下に
示す凍乾機棚温度制御パターン(生産時の棚温度制御パ
ターン)に従って凍結乾燥を行う。 −40℃から40℃まで4時間で昇温 40℃で10時間保持 40℃から51℃まで0.5時間で昇温 51℃で48時間保持 凍結乾燥後、凍結乾燥品の崩れ、飛散は認められない。
パイプを取り除き、トレーを傾けることで、425μm
篩過装置に凍乾ケーキを挿入する。この際、トレー上に
はほとんどMC末の残留を認めない。かつ従来のアイス
ライニング凍乾法と比べ、氷結水分の昇華時間を短縮で
きる。
【0059】〔第2の態様〕 実施例1B 徐放性MC(1ヶ月製剤)懸濁液への適用 凍結乾燥用トレー(縦270mm、横170mm、深さ
40mm、1側面に凍乾ケーキを滑り落とすための傾斜
付)に、蒸留水を用いて予め約2mm厚の氷層を約−4
0℃で形成させた。このときトレー内側壁にも氷層を形
成させた(アイスライニング)。予め約3℃に冷却して
おいた上記参照例1で得たMC懸濁液200mLを、氷
層を形成してなる凍結乾燥用トレー上に添加し、約−4
0℃で十分凍結させた後、以下に示す凍結乾燥機棚温度
制御パターンに従って、凍結乾燥を行った。 −40℃から15℃まで1時間で昇温 15℃で7時間保持 15℃から−2℃まで0.5時間で降温 −2℃で10時間保持 −2℃から51℃まで1時間で昇温 51℃で48時間保持 凍結乾燥後、凍結乾燥品の崩れ、飛散は認められず、か
つ従来のアイスライニング凍乾法と比べ、氷結水分の昇
華時間を約5時間短縮した(従来法24.75時間、本
法19.5時間)。これにより、凍結乾燥に要する日数
を5日(4泊5日)から4日(3泊4日)に短縮でき
た。
【0060】実施例2B 徐放性MC(1ヶ月・セ゛ラチンフリー型製剤)懸濁液への適用 凍結乾燥用トレー(縦270mm、横170mm、深さ
40mm、1側面に凍乾ケーキを滑り落とすための傾斜
付)に、蒸留水を用いて予め約2mm厚の氷層を約−4
0℃で形成させた。このときトレー内側壁にも氷層を形
成させた(アイスライニング)。予め約3℃に冷却して
おいた上記参照例2で得たMC懸濁液200mLを、氷
層を形成してなる凍結乾燥用トレー上に添加し、約−4
0℃で十分凍結させた後、以下に示す凍結乾燥機棚温度
制御パターンに従って、凍結乾燥を行った。 −40℃から15℃まで1時間で昇温 15℃で7時間保持 15℃から−2℃まで0.5時間で降温 −2℃で10時間保持 −2℃から51℃まで1時間で昇温 51℃で48時間保持 凍結乾燥後、凍結乾燥品の崩れ、飛散は認められず、か
つ従来のアイスライニング凍乾法と比べ、氷結水分の昇
華時間を約5時間短縮した(従来法24.75時間、本
法19.5時間)。これにより、凍乾に要する日数を5
日(4泊5日)から4日(3泊4日)に短縮できた。
【0061】実施例3B 徐放性MC(3ヶ月製剤)懸濁液への適用 凍結乾燥用トレー(縦270mm、横170mm、深さ
40mm、1側面に凍乾ケーキを滑り落とすための傾斜
付)に、蒸留水を用いて予め約2mm厚の氷層を約−4
0℃で形成させた。このときトレー内側壁にも氷層を形
成させた(アイスライニング)。予め約3℃に冷却して
おいた上記参照例3で得たMC懸濁液200mLを、氷
層を形成してなる凍結乾燥用トレー上に添加し、約−4
0℃で十分凍結させた後、以下に示す凍結乾燥機棚温度
制御パターンに従って、凍結乾燥を行った。 −40℃から15℃まで1時間で昇温 15℃で7時間保持 15℃から−2℃まで0.5時間で降温 −2℃で10時間保持 −2℃から51℃まで1時間で昇温 51℃で48時間保持 凍結乾燥後、凍結乾燥品の崩れ、飛散は認められず、か
つ従来のアイスライニング凍乾法と比べ、氷結水分の昇
華時間を約5時間短縮した(従来法24.75時間、本
法19.5時間)。これにより、凍乾に要する日数を5
日(4泊5日)から4日(3泊4日)に短縮できた。
【0062】実施例4B 徐放性MC(6ヶ月製剤)懸濁液への適用 凍結乾燥用トレー(縦270mm、横170mm、深さ
40mm、1側面に凍乾ケーキを滑り落とすための傾斜
付)に、蒸留水を用いて予め約2mm厚の氷層を約−4
0℃で形成させる。このときトレー内側壁にも氷層を形
成させる(アイスライニング)。予め約3℃に冷却して
おいた上記参照例5で得たMC懸濁液200mLを、氷
層を形成してなる凍結乾燥用トレー上に添加し、約−4
0℃で十分凍結させた後、以下に示す凍結乾燥機棚温度
制御パターンに従って、凍結乾燥を行う。 −40℃から15℃まで1時間で昇温 15℃で7時間保持 15℃から−2℃まで0.5時間で降温 −2℃で10時間保持 −2℃から51℃まで1時間で昇温 51℃で48時間保持 凍結乾燥後、凍結乾燥品の崩れ、飛散は認められず、か
つ従来のアイスライニング凍乾法と比べ、氷結水分の昇
華時間を短縮できる。
【0063】実施例5B 凍結乾燥機棚温度制御パターンは、氷結水分昇華初期温
度5℃以上40℃以下で、保持時間が5時間以上10時
間以下でも実施例1B〜4Bと同様の結果が得られる。
【0064】実施例6B 表2に示す凍結乾燥用トレーの大きさと氷層の厚さとを
組み合わせても、実施例1〜4と同様の結果が得られ
る。
【0065】
【表2】
【0066】実施例7B 徐放性MC(1ヶ月製剤)懸濁液への適用 ゼラチン18.8g、酢酸リュープロレリン119.1
gを、蒸留水120.0gに加温しながら溶解する。こ
の溶液に、別途調製した乳酸・グリコール酸共重合体
〔乳酸/グリコール酸=75/25(モル%)、重量平
均分子量:10500〕のジクロロメタン溶液2556
g(内、PLGA 956g)を添加し、ミニミキサー
で撹拌乳化(回転数:5000〜6000rpm)す
る。これを、予め溶解しておいた0.1%ポリビニール
アルコール(PVA)水溶液200Lに加えて再び乳化
する。このW/O/Wエマルションを軽く撹拌しながら
約3時間ほど脱溶媒する。得られたMCを75μmの篩
を通して粗い粒子を除去した後、遠心分離によって分離
する。これを蒸留水で洗浄し、遊離の薬物、PVAを除
去した後、少量の蒸留水とともに90μmの篩で湿式篩
過する。これに174.2gのD−マンニトールを加え
溶解し、MCの懸濁液とする。凍結乾燥用トレー(縦2
70mm、横450mm、深さ45mm)に、蒸留水を
用いて予め約2mm厚の氷層を約−40℃で形成させ
る。このときトレー内側壁にも氷層を形成させる(アイ
スライニング)。予め約3℃に冷却しておいた上記のM
C懸濁液約500mL(トレー1枚当たり)を、氷層を
形成してなる凍結乾燥用トレー上に添加し、約−40℃
で十分凍結させた後、以下に示す凍結乾燥機棚温度制御
パターンに従って、凍結乾燥を行う。 −40℃から15℃まで1時間で昇温 15℃で7時間保持 15℃から−2℃まで0.5時間で降温 −2℃で10時間保持 −2℃から51℃まで1時間で昇温 51℃で48時間保持 凍結乾燥後、凍結乾燥品の崩れ、飛散は認められず、か
つ従来のアイスライニング凍乾法と比べ、氷結水分の昇
華時間を短縮できる。
【0067】実施例8B 徐放性MC(3ヶ月型製剤)懸濁液への適用 酢酸リュープロレリン86.7gを、蒸留水100gに
加温しながら溶解する。この溶液に、別途調製した乳酸
重合体〔重量平均分子量:16000〕のジクロロメタ
ン溶液2045g(内、PLA 765g)を添加し、
ミニミキサーで撹拌乳化(回転数:5000〜6000
rpm)する。これを、予め溶解しておいた0.1%ポ
リビニールアルコール(PVA)水溶液200Lに加え
て再び乳化する。このW/O/Wエマルションを軽く撹
拌しながら約3時間ほど脱溶媒する。得られたMCを7
5μmの篩を通して粗い粒子を除去した後、遠心分離に
よって分離する。これを蒸留水で洗浄し、遊離の薬物、
PVAを除去した後、少量の蒸留水とともに90μmの
篩で湿式篩過する。これに130gのD−マンニトール
を加え溶解し、MCの懸濁液とする。凍結乾燥用トレー
(縦270mm、横450mm、深さ45mm)に、蒸
留水を用いて予め約2mm厚の氷層を約−40℃で形成
させる。このときトレー内側壁にも氷層を形成させる
(アイスライニング)。予め約3℃に冷却しておいた上
記で得たMC懸濁液約500mLを、氷層を形成してな
る凍結乾燥用トレー上に添加し、約−40℃で十分凍結
させた後、以下に示す凍結乾燥機棚温度制御パターンに
従って、凍結乾燥を行う。 −40℃から15℃まで1時間で昇温 15℃で7時間保持 15℃から−2℃まで0.5時間で降温 −2℃で10時間保持 −2℃から51℃まで1時間で昇温 51℃で48時間保持 凍結乾燥後、凍結乾燥品の崩れ、飛散は認められず、か
つ従来のアイスライニング凍乾法と比べ、氷結水分の昇
華時間短縮できる。
【0068】実施例9B 徐放性MC(6ヶ月型製剤)懸濁液の調製 酢酸リュープロレリン192gを、蒸留水184gに加
温しながら溶解する。この溶液に、別途調製した乳酸重
合体〔重量平均分子量:17000〜30000〕、3
−ヒドロキシ 2−ナフトエ酸、エタノールのジクロロ
メタン溶液2150g(内、PLA 770.1g、
3−ヒドロキシ 2−ナフトエ酸 29.9g、エタノー
ル 54g)を添加し、ミニミキサーで撹拌乳化する。
これを、予め溶解しておいた0.1%ポリビニールアル
コール(PVA)水溶液25Lに加えて再び乳化する。
このW/O/Wエマルションを軽く撹拌しながら約3時
間ほど脱溶媒する。得られたMCを75μmの篩を通し
て粗い粒子を除去した後、遠心分離によって分離する。
これを蒸留水で洗浄し、遊離の薬物、PVAを除去した
後、少量の蒸留水とともに90μmの篩で湿式篩過す
る。これに126gのD−マンニトールを加え溶解し、
MCの懸濁液とする。凍結乾燥用トレー(縦270m
m、横450mm、深さ45mm)に、蒸留水を用いて
予め約2mm厚の氷層を約−40℃で形成させる。この
ときトレー内側壁にも氷層を形成させる(アイスライニ
ング)。予め約3℃に冷却しておいた上記参照例5で得
たMC懸濁液200mLを、氷層を形成してなる凍結乾
燥用トレー上に添加し、約−40℃で十分凍結させた
後、以下に示す凍結乾燥機棚温度制御パターンに従っ
て、凍結乾燥を行う。 −40℃から15℃まで1時間で昇温 15℃で7時間保持 15℃から−2℃まで0.5時間で降温 −2℃で10時間保持 −2℃から51℃まで1時間で昇温 51℃で48時間保持 凍結乾燥後、凍結乾燥品の崩れ、飛散は認められず、か
つ従来のアイスライニング凍乾法と比べ、氷結水分の昇
華時間を短縮できる。
【0069】実施例10B マンニトール液への適用 マンニトール33gを、蒸留水200mLに加温しなが
ら溶解した。凍結乾燥用トレー(縦270mm、横17
0mm、深さ40mm、1側面に凍結乾燥ケーキを滑り
落とすための傾斜付)に、蒸留水を用いて予め約2mm
厚の氷層を約−40℃で形成させた。このときトレー内
側壁にも氷層を形成させた(アイスライニング)。予め
約3℃に冷却しておいたマンニトール水溶液200mL
を、氷層を形成してなる凍結乾燥用トレー上に添加し、
約−40℃で十分凍結させた後、以下に示す凍結乾燥機
棚温度制御パターンに従って、凍結乾燥を行った。 −40℃から15℃まで1時間で昇温 15℃で10時間保持 −2℃で5時間保持 −2℃から51℃まで1時間で昇温 51℃で48時間保持 凍結乾燥後、凍結乾燥品の崩れ、飛散はほとんど認めら
れず、かつ従来の凍乾法と比べて収率、作業性とも向上
した。
【0070】実施例11B 徐放性MC(1ヶ月製剤)懸濁液への適用 凍結乾燥用トレー(底面 縦270mm、横450m
m、深さ32mm、側面に凍乾ケーキを滑り落とすため
の傾斜付)を凍結乾燥機乾燥に仕込み、十分冷却する。
トレー上に蒸留水を均一に噴霧する(アイスライニング
装置使用)ことにより、約2mm厚の氷層を形成させ
る。このときトレー内側壁にも氷層を形成させる(アイ
スライニング)。予め約5℃に冷却しておいた上記参考
例1で得たMC懸濁液約500mL(トレー1枚当た
り)を、氷層を形成してなる凍結乾燥用トレー上に添加
し、−50℃〜−40℃で十分凍結させた後、以下に示
す凍乾機棚温度制御パターンに従って、凍結乾燥を行
う。 −40℃から15℃まで1時間で昇温 15℃で7時間保持 15℃から−2℃まで0.5時間で降温 −2℃で10時間保持 −2℃から51℃まで1時間で昇温 51℃で48時間保持 凍結乾燥後、凍結乾燥品の崩れ、飛散は認められない。
トレーを傾けることで、425μm篩過装置に凍乾ケー
キを挿入する。この際、トレー上にはほとんどMC末の
残留を認めない。かつ従来のアイスライニング凍乾法と
比べ、氷結水分の昇華時間を短縮できる。
【0071】実施例12B 徐放性MC(3ヶ月型製剤)懸濁液への適用 凍結乾燥用トレー(底面 縦270mm、横450m
m、深さ32mm、側面に凍乾ケーキを滑り落とすため
の傾斜付)を凍結乾燥機乾燥に仕込み、十分冷却する。
トレー上に蒸留水を均一に噴霧する(アイスライニング
装置使用)ことにより、約2mm厚の氷層を形成させ
る。このときトレー内側壁にも氷層を形成させる(アイ
スライニング)。予め約5℃に冷却しておいた上記参考
例3で得たMC懸濁液約500mL(トレー1枚当た
り)を、氷層を形成してなる凍結乾燥用トレー上に添加
し、−50℃〜−40℃で十分凍結させた後、以下に示
す凍乾機棚温度制御パターンに従って、凍結乾燥を行
う。 −40℃から15℃まで1時間で昇温 15℃で7時間保持 15℃から−2℃まで0.5時間で降温 −2℃で10時間保持 −2℃から51℃まで1時間で昇温 51℃で48時間保持 凍結乾燥後、凍結乾燥品の崩れ、飛散は認められない。
トレーを傾けることで、425μm篩過装置に凍乾ケー
キを挿入する。この際、トレー上にはほとんどMC末の
残留を認めない。かつ従来のアイスライニング凍乾法と
比べ、氷結水分の昇華時間を短縮できる。
【0072】実施例13B 徐放性MC(6ヶ月型製剤)懸濁液への適用 凍結乾燥用トレー(底面 縦270mm、横450m
m、深さ32mm、側面に凍乾ケーキを滑り落とすため
の傾斜付)を凍結乾燥機乾燥に仕込み、十分冷却する。
トレー上に蒸留水を均一に噴霧する(アイスライニング
装置使用)ことにより、約2mm厚の氷層を形成させ
る。このときトレー内側壁にも氷層を形成させる(アイ
スライニング)。予め約5℃に冷却しておいた上記参考
例5で得たMC懸濁液約500mL(トレー1枚当た
り)を、氷層を形成してなる凍結乾燥用トレー上に添加
し、−50℃〜−40℃で十分凍結させた後、以下に示
す凍乾機棚温度制御パターンに従って、凍結乾燥を行
う。 −40℃から15℃まで1時間で昇温 15℃で7時間保持 15℃から−2℃まで0.5時間で降温 −2℃で10時間保持 −2℃から51℃まで1時間で昇温 51℃で48時間保持 凍結乾燥後、凍結乾燥品の崩れ、飛散は認められない。
トレーを傾けることで、425μm篩過装置に凍乾ケー
キを挿入する。この際、トレー上にはほとんどMC末の
残留を認めない。かつ従来のアイスライニング凍乾法と
比べ、氷結水分の昇華時間を短縮できる。
【0073】実施例14B 徐放性MC(1ヶ月製剤・ゼラチンフリー)懸濁液への
適用 凍結乾燥用トレー(底面 縦270mm、横450m
m、深さ32mm、側面に凍乾ケーキを滑り落とすため
の傾斜付)を凍結乾燥機乾燥に仕込み、十分冷却する。
トレー上に蒸留水を均一に噴霧する(アイスライニング
装置使用)ことにより、約2mm厚の氷層を形成させ
る。このときトレー内側壁にも氷層を形成させる(アイ
スライニング)。予め約5℃に冷却しておいた上記参考
例2で得たのMC懸濁液約500mL(トレー1枚当た
り)を、氷層を形成してなる凍結乾燥用トレー上に添加
し、−50℃〜−40℃で十分凍結させた後、以下に示
す凍乾機棚温度制御パターンに従って、凍結乾燥を行
う。 −40℃から15℃まで1時間で昇温 15℃で7時間保持 15℃から−2℃まで0.5時間で降温 −2℃で10時間保持 −2℃から51℃まで1時間で昇温 51℃で48時間保持 凍結乾燥後、凍結乾燥品の崩れ、飛散は認められない。
トレーを傾けることで、425μm篩過装置に凍乾ケー
キを挿入する。この際、トレー上にはほとんどMC末の
残留を認めない。かつ従来のアイスライニング凍乾法と
比べ、氷結水分の昇華時間を短縮できる。
【0074】
【発明の効果】以上記載したごとく、本発明によれば、
アイスライニング法によりトレー凍結乾燥を実施する
時、凍結乾燥ケーキの崩れ、飛散が抑制され、かつ給熱
速度も高くできるため、氷結水分の昇華に要する時間を
短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の態様における通気口の配置の具体例を
示すトレーの模式的平面図である。
【図2】 第1の態様における通気口の配置の他の具体
例を示すトレーの模式的平面図である。
【図3】 第1の態様における通気口の配置の他の具体
例を示すトレーの模式的平面図である。
【図4】 第1の態様における通気口の配置の他の具体
例を示すトレーの模式的平面図である。
【図5】 第1の態様における氷層を露出させるための
他の態様を示すトレー断面の概略図である。
【図6】 第1の態様における氷層を露出させるための
もう1つ別の態様を示すトレー断面の概略図である。
【符号の説明】
1:トレー底面 2:パイプ 21:中空パイプ 22:脚部中空パイプ 3:氷層 4:MC懸濁液凍結層 5:突起部 6:氷層の突出部
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/34 A61K 37/02

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内面の一部または全部が氷層で被覆され
    た凍結乾燥用容器中で被乾燥物含有水性液の凍結層を形
    成し、被乾燥物を凍結乾燥する凍結乾燥物の製造法であ
    って、氷層が部分的に被乾燥物含有水性液の凍結層表面
    に露出するように凍結層を形成させることを特徴とする
    凍結乾燥物の製造法。
  2. 【請求項2】 氷層上に、凍結層を不連続に形成して氷
    層を露出させる請求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】 凍結層に、氷層と凍結層表面を繋ぐ開口
    が生ずるように凍結層を形成させ、氷層を露出させる請
    求項1記載の製造法。
  4. 【請求項4】 凍結乾燥用容器の内部底面に中空突起物
    を設け、突起物周囲の氷層が露出するように凍結層に開
    口を形成させる請求項3記載の製造法。
  5. 【請求項5】 氷層を部分的に凍結層表面に突出させ、
    氷層を露出させる請求項1記載の製造法。
  6. 【請求項6】 凍結乾燥用容器の内部底面に突起物を設
    け、氷層を部分的に凍結層表面に突出するように形成さ
    せる請求項5記載の製造法。
  7. 【請求項7】 内面の一部または全部が氷層で被覆され
    た凍結乾燥用容器中で被乾燥物含有水性液の凍結層を形
    成し、被乾燥物を凍結乾燥する凍結乾燥物の製造法であ
    って、氷結水分の昇華初期に凍結乾燥用容器の温度を0
    ℃以上にし、昇華途中から0℃以下に下げる温度制御を
    行うことを特徴とする凍結乾燥物の製造法。
  8. 【請求項8】 昇華面が氷層と被乾燥物含有水性液凍結
    層の界面付近に達したところで0℃以下に温度を下げる
    温度制御を行う請求項7記載の製造法。
  9. 【請求項9】 氷結水分昇華初期温度を5〜40℃と
    し、この温度を5〜10時間保持した後、0℃以下に下
    げる温度制御を行う請求項7記載の製造法。
  10. 【請求項10】 撥水性基材で内面の一部または全部が
    被覆され、かつその内面の一部または全部が氷層で被覆
    された凍結乾燥用容器を使用する請求項1または7記載
    の製造法。
  11. 【請求項11】 内面が底面のみである請求項1または
    7記載の製造法。
  12. 【請求項12】 凍結乾燥用容器がトレーである請求項
    1または7記載の製造法。
  13. 【請求項13】 氷層の厚さが約0.01mm〜約30
    mmである請求項1または7記載の製造法。
  14. 【請求項14】 被乾燥物含有水性液が、水溶液である
    請求項1〜13いずれか1項記載の製造法。
  15. 【請求項15】 水溶液が医薬活性成分含有水溶液であ
    る請求項14記載の製造法。
  16. 【請求項16】 被乾燥物含有水性液が、懸濁液である
    請求項1〜13いずれか1項記載の製造法。
  17. 【請求項17】 懸濁液が、徐放性製剤懸濁液である請
    求項16記載の製造法。
  18. 【請求項18】 徐放性製剤がマイクロスフェアである
    請求項17記載の製造法。
  19. 【請求項19】 医薬活性成分の固形無菌濾過物を製造
    する請求項1または7記載の製造法。
  20. 【請求項20】 徐放性製剤を製造する請求項1または
    7記載の製造法。
  21. 【請求項21】 氷層の厚さが容器の深さの約1/10
    00〜約4/5である請求項1または7記載の製造法。
  22. 【請求項22】 凍結層の厚さが容器の深さの1/10
    00〜約4/5である請求項1または7記載の製造法。
  23. 【請求項23】 容器の大きさが横約5mm〜約7,0
    00mm、縦約5mm〜約7,000mm、深さ約1m
    m〜100mmであり、氷層が約0.01mm〜約30
    mmである請求項1または7記載の製造法。
  24. 【請求項24】 徐放性製剤が生理活性ペプチドを含有
    する徐放性製剤である請求項17記載の製造法。
  25. 【請求項25】 徐放性製剤が生理活性ペプチドおよび
    生体内分解性ポリマーを含有する徐放性製剤である請求
    項17記載の製造法。
  26. 【請求項26】 生理活性ぺプチドがLH−RHアゴニ
    ストまたはLH−RHアンタゴニストである請求項24
    または25記載の製造法。
  27. 【請求項27】 生理活性ぺプチドが5-oxo-Pro−Hi
    s−Trp−Ser−Tyr−DLeu−Leu−Arg−Pro−NH-
    CH(リュープロレリン)またはその塩である請求項
    24または25記載の製造法。
  28. 【請求項28】 生理活性ぺプチドが5-oxo-Pro−Hi
    s−Trp−Ser−Tyr−DLeu−Leu−Arg−Pro−NH-
    CH(リュープロレリン)の酢酸塩である請求項24
    または25記載の製造法。
  29. 【請求項29】 生体内分解性ポリマーがα−ヒドロキ
    シカルボン酸重合体である請求項25記載の製造法。
  30. 【請求項30】 α−ヒドロキシカルボン酸重合体が乳
    酸−グリコール酸重合体である請求項29記載の製造
    法。
  31. 【請求項31】 乳酸とグリコール酸との組成比が約1
    00/0〜約40/60(モル%)である請求項30記載
    の製造法。
  32. 【請求項32】 重合体の重量平均分子量が約3,00
    0〜約100,000である請求項30記載の製造法。
  33. 【請求項33】 生体内分解性ポリマーがポリ乳酸であ
    る請求項25記載の製造法。
  34. 【請求項34】 ポリ乳酸の重量平均分子量が約10,
    000〜約60,000である請求項33記載の製造
    法。
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