JP2003206243A - 徐放性組成物およびその製造法 - Google Patents

徐放性組成物およびその製造法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】ゼラチンを含有しなくても生理活性物質を高含
量で含有し、かつその初期過剰放出を抑制して約1ヶ月
にわたる安定な放出速度を実現できる徐放性組成物の提
供。 【解決手段】重量平均分子量と数平均分子量の比が約1.
90以下である乳酸-グリコール酸重合体またはその塩
と、生理活性物質とを含有する徐放性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生理活性物質の徐
放性製剤およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】特開昭60−100516号公報には、
重量平均分子量が約5000〜200000、乳酸約1
00〜50重量%及びグリコール酸約0〜50重量%か
らなる乳酸−グリコール酸の共重合物からなる平均直径
2〜200μmのマトリックス中に分散された水溶性薬
物を含む粒子からなり、水中乾燥法により製造される水
溶性薬物の徐放性マイクロカプセルが開示されている。
特開昭62−201816号公報には、W/O/W型乳
化物をつくる際のW/O型乳化物の粘度を約150〜1
0000cpに調整することを特徴とする徐放性マイク
ロカプセル及びその製法が開示されている。特開昭62
−54760号公報には、水可溶のオキシカルボン酸の
含有量が1塩基酸換算して0.01モル/100g未満
であり、重量平均分子量が約2000〜50000の共
重合物または重合物である生体内分解型ポリオキシカル
ボン酸エステル、および該ポリマーを有する注射用徐放
性マイクロカプセルが開示されている。特開昭61−2
8521号公報には、重量平均分子量が約5000〜3
0000、触媒を含まず、分散度(ゲル浸透クロマトグ
ラフィー法による)が約1.5〜2であり、乳酸約50
〜95重量%及びグリコール酸約50〜5重量%からな
る乳酸−グリコール酸共重合体、および該重合体を基剤
として含む医薬が開示されている。特開平6−1920
68号公報には、マイクロカプセルをポリマーのガラス
転移温度以上でマイクロカプセルの各粒子が互いに付着
しない程度の温度に加熱することを特徴とする徐放性マ
イクロカプセルの製造方法が開示されている。特開平4
−218528号公報には、分子量1,000以下の低
分子重合物を含有する生体内分解性脂肪族ポリエステル
を有機溶媒に溶解し、これに水を加え高分子物質を析出
させて、分子量1,000以下の低分子重合物を除去す
ることを特徴とする生体内分解型脂肪族ポリエステルの
精製法が開示されており、有機溶媒100に対して水を
50〜150(容量比)加えることが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ゼラチンを
含有しないで生理活性物質を高含量で含有し、かつその
初期過剰放出を抑制して約1ヶ月にわたる安定な放出速
度を実現できる徐放性製剤を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本研究者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究の結果、基剤であるPLGAの
重量平均分子量と数平均分子量の比を約1.90以下とする
こと、または重量平均分子量約11,600〜約14,000の乳酸
−グリコール酸重合体またはその塩を使用することで、
予想外にもゼラチンを含有しなくても生理活性物質を高
含量で含有し、かつその初期過剰放出を抑制して約1ヶ
月にわたる安定な放出速度を実現できる徐放性製剤を見
出し、さらに研究を重ねた結果、本発明を完成するに至
った。
【0005】すなわち、本発明は、(1)重量平均分子
量と数平均分子量の比が約1.90以下である乳酸−グリコ
ール酸重合体またはその塩と、生理活性物質とを含有す
る徐放性組成物、(2)生理活性物質が生理活性ペプチ
ドである前記(1)記載の徐放性組成物、(3)生理活
性物質がLH-RH誘導体である前記(2)記載の徐放性組
成物、(4)乳酸−グリコール酸重合体の重量平均分子
量が約3,000〜約100,000である前記(1)記載の徐放性
組成物、(5)乳酸−グリコール酸重合体の重量平均分
子量が約8,000〜約15,000である前記(4)記載の徐放
性組成物、(6)乳酸−グリコール酸重合体の分子量約
3,000以下の低分子量画分の割合が約9%以下である前記
(1)記載の徐放性組成物、(7)乳酸−グリコール酸
重合体の分子量約3,000以下の低分子量画分の割合が約3
%〜約9%である前記(6)記載の徐放性組成物、
(8)乳酸とグリコール酸の組成モル比が100/0〜40/60
である前記(1)記載の徐放性組成物、(9)乳酸とグ
リコール酸の組成モル比が70/30〜80/20である前記
(1)記載の徐放性組成物、(10)LH-RH誘導体が式5
-oxo-Pro-His-Trp-Ser-Tyr-Y-Leu-Arg-Pro-Z [式中、Y
はDLeu、DAla、DTrp、DSer(tBu)、D2NalまたはDHis(ImB
zl)を示し、ZはNH-C2H5またはGly-NH2を示す、]で表さ
れるペプチドまたはその塩である前記(3)記載の徐放
性組成物、(11)LH-RH誘導体が式5-oxo-Pro-His-Trp
-Ser-Tyr-DLeu-Leu-Arg-Pro-NH-C2H5で表されるペプチ
ドまたはその酢酸塩である前記(3)記載の徐放性組成
物、(12)徐放性組成物中、LH-RH誘導体またはその
塩が約5%(w/w)〜約24%(w/w)含有される前記(3)
記載の徐放性組成物、(13)生理活性物質またはその
塩が微水溶性または水溶性である前記(1)記載の徐放
性組成物、(14)注射用である前記(1)記載の徐放
性組成物、(15)少なくとも約2週間以上にわたって
生理活性物質またはその塩を放出する前記(1)記載の
徐放性組成物、(16)薬物保持物質を含有しない前記
(1)記載の徐放性組成物、(17)ゼラチンを含有し
ない前記(1)記載の徐放性組成物、(18)生理活性
物質またはその塩と重量平均分子量と数平均分子量の比
が約1.90以下である乳酸−グリコール酸重合体またはそ
の塩を含む混合液から溶媒を除去することを特徴とする
前記(1)記載の徐放性組成物の製造法、(19)重量
平均分子量と数平均分子量の比が約1.90以下である乳酸
−グリコール酸重合体またはその塩を含有する有機溶媒
溶液に生理活性物質またはその塩を混合、分散し、次い
で有機溶媒を除去することを特徴とする前記(18)記
載の製造法、(20)生理活性物質またはその塩を生理
活性物質またはその塩を含有する水溶液として用いる前
記(19)記載の製造法、(21)前記(1)記載の徐
放性組成物を含有してなる医薬、(22)前記(3)記
載の徐放性組成物を含有してなる前立腺癌、前立腺肥大
症、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮線維腫、思春期早発
症、月経困難症もしくは乳癌の予防、治療剤または避妊
剤、(23)前記(3)記載の徐放性組成物を含有して
なる閉経前乳癌術後再発予防剤、(24)哺乳動物に対
して、前記(3)記載の徐放性組成物の有効量を投与す
ることを特徴とする前立腺癌、前立腺肥大症、子宮内膜
症、子宮筋腫、子宮線維腫、思春期早発症、月経困難症
もしくは乳癌の予防、治療方法または避妊方法、(2
5)哺乳動物に対して、前記(3)記載の徐放性組成物
の有効量を投与することを特徴とする閉経前乳癌術後再
発予防方法、(26)重量平均分子量約5,000〜約15,00
0の乳酸−グリコール酸重合体を含む有機溶媒100に
対して水を約5〜50(容量比)未満の割合で加えるこ
とを特徴とする重量平均分子量約8,000〜約15,000で、
重量平均分子量と数平均分子量の比が約1.90以下である
乳酸−グリコール酸重合体またはその塩の製造法、(2
7)有機溶媒が親水性である前記(26)記載の重合体
の製造法、(28)親水性の有機溶媒がアセトンである
前記(27)記載の重合体の製造法、(29)有機溶媒
100に対する水の割合が約10〜約45(容量比)で
ある前記(26)記載の重合体の製造法、(30)有機
溶媒100に対する水の割合が約40(容量比)である
前記(26)記載の重合体の製造法、(31)重量平均
分子量約8,000〜約15,000で、重量平均分子量と数平均
分子量の比が約1.90以下である乳酸−グリコール酸重合
体またはその塩、(32)前記(31)記載の乳酸−グ
リコール酸重合体またはその塩のゼラチンを含有しない
徐放性組成物の製造のための使用、(33)重量平均分
子量約11,600〜約14,000の乳酸−グリコール酸重合体ま
たはその塩とLH-RH誘導体またはその塩を含み、ゼラチ
ンを含まないマイクロスフィア、(34)LH-RH誘導体
またはその塩が式5-oxo-Pro-His-Trp-Ser-Tyr-Y-Leu-Ar
g-Pro-Z [式中、YはDLeu、DAla、DTrp、DSer(tBu)、D2
NalまたはDHis(ImBzl)を示し、ZはNH-C2H5またはGly-NH
2を示す、]で表されるペプチドまたはその塩である前記
(33)記載のマイクロスフィア、(35)LH-RH誘導
体またはその塩が式5-oxo-Pro-His-Trp-Ser-Tyr-DLeu-L
eu-Arg-Pro-NH-C2H5で表されるペプチドまたはその酢酸
塩である前記(33)記載のマイクロスフィア、(3
6)LH-RH誘導体またはその塩が約5%(w/w)〜約24%
(w/w)含有される前記(33)記載のマイクロスフィ
ア、(37)マイクロカプセルである前記(33)記載
のマイクロスフィア、(38)少なくとも約2週間以上
にわたってLH-RH誘導体またはその塩を放出する前記
(33)記載のマイクロスフィア、(39)前記(3
3)記載のマイクロスフィアを含有してなる前立腺癌、
前立腺肥大症、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮線維腫、思
春期早発症、月経困難症もしくは乳癌の予防、治療剤ま
たは避妊剤、(40)前記(33)記載のマイクロスフ
ィアを含有してなる閉経前乳癌術後再発予防剤、(4
1)哺乳動物に対して、前記(33)記載のマイクロス
フィアの有効量を投与することを特徴とする前立腺癌、
前立腺肥大症、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮線維腫、思
春期早発症、月経困難症もしくは乳癌の予防、治療方法
または避妊方法、および(42)哺乳動物に対して、前
記(33)記載のマイクロスフィアの有効量を投与する
ことを特徴とする閉経前乳癌術後再発予防方法を提供す
る。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる生理活性物質
は、薬理学的に有用なものであれば特に限定を受けない
が、非ペプチド化合物でもペプチド化合物でもよい。非
ペプチド化合物としては、アゴニスト、アンタゴニス
ト、酵素阻害作用を有する化合物などがあげられる。ま
た、ペプチド化合物としては、例えば、生理活性ペプチ
ドが好ましく、分子量約300〜約40,000、好ま
しくは約400〜約30,000、さらに好ましくは約
500〜約20,000の生理活性ペプチドなどが好適
である 該生理活性ペプチドとしては、例えば、黄体形成ホルモ
ン放出ホルモン(LH−RH)、インスリン、ソマトス
タチン、成長ホルモン、成長ホルモン放出ホルモン(G
H−RH)、プロラクチン、エリスロポイエチン、副腎
皮質ホルモン、メラノサイト刺激ホルモン、甲状腺ホル
モン放出ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、黄体形成ホル
モン、卵胞刺激ホルモン、バソプレシン、オキシトシ
ン、カルシトニン、ガストリン、セクレチン、パンクレ
オザイミン、コレシストキニン、アンジオテンシン、ヒ
ト胎盤ラクトーゲン、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、エン
ケファリン、エンドルフィン、キョウトルフィン、タフ
トシン、サイモポイエチン、サイモシン、サイモチムリ
ン、胸腺液性因子、血中胸腺因子、腫瘍壊死因子、コロ
ニー誘導因子、モチリン、デイノルフィン、ボンベシ
ン、ニューロテンシン、セルレイン、ブラジキニン、心
房性ナトリウム排泄増加因子、神経成長因子、細胞増殖
因子、神経栄養因子、エンドセリン拮抗作用を有するペ
プチド類などおよびその誘導体、さらにはこれらのフラ
グメントまたはフラグメントの誘導体などが挙げられ
る。本発明で用いられる生理活性物質はそれ自身であっ
ても、薬理学的に許容される塩であってもよい。このよ
うな塩としては、該生理活性物質がアミノ基等の塩基性
基を有する場合、無機酸(無機の遊離酸とも称する)
(例、炭酸、重炭酸、塩酸、硫酸、硝酸、ホウ酸等)、
有機酸(有機の遊離酸とも称する)(例、コハク酸、酢
酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸等)などとの塩が
挙げられる。生理活性物質がカルボキシル基等の酸性基
を有する場合、無機塩基(無機の遊離塩基とも称する)
(例、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシ
ウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属など)や有機
塩基(有機の遊離塩基とも称する)(例、トリエチルア
ミン等の有機アミン類、アルギニン等の塩基性アミノ酸
類等)などとの塩が挙げられる。また、生理活性ペプチ
ドは金属錯体化合物(例、銅錯体、亜鉛錯体等)を形成
していてもよい。
【0007】該生理活性ペプチドの好ましい例として
は、LH−RH誘導体であって、ホルモン依存性疾患、
特に性ホルモン依存性癌(例、前立腺癌、子宮癌、乳
癌、下垂体腫瘍など)、前立腺肥大症、子宮内膜症、子
宮筋腫、思春期早発症、月経困難症、無月経症、月経前
症候群、多房性卵巣症候群等の性ホルモン依存性の疾患
および避妊(もしくは、その休薬後のリバウンド効果を
利用した場合には、不妊症)、閉経前乳癌術後再発の予
防に有効なLH−RH誘導体またはその塩が挙げられ
る。さらに性ホルモン非依存性であるがLH−RH感受
性である良性または悪性腫瘍などに有効なLH−RH誘
導体またはその塩も挙げられる。LH−RH誘導体また
はその塩の具体例としては、例えば、トリートメントウ
イズ GnRH アナログ:コントラバーシス アンド
パースペクテイブ(Treatment with GnRH analogs: C
ontroversies and perspectives)[パルテノン バブ
リッシング グループ(株)(The Parthenon Publishin
g Group Ltd.)発行1996年]、特表平3−503165
号公報、特開平3−101695号、同7−97334
号および同8−259460号公報などに記載されてい
るペプチド類が挙げられる。
【0008】LH−RH誘導体としては、LH−RHア
ゴニストまたはLH−RHアンタゴニストが挙げられる
が、LH−RHアンタゴニストとしては、例えば、一般
式〔I〕 X-D2Nal-D4ClPhe-D3Pal-Ser-A-B-Leu-C-Pro-DAlaNH2 〔式中、XはN(4H2-furoyl)GlyまたはNAcを、AはNMeTy
r、Tyr、Aph(Atz)、NMeAph(Atz)から選ばれる残基を、
BはDLys(Nic)、DCit、DLys(AzaglyNic)、DLys(AzaglyF
ur)、DhArg(Et2)、DAph(Atz)およびDhCi から選ばれる
残基を、CはLys(Nisp)、ArgまたはhArg(Et2)をそれぞ
れ示す〕で表わされる生理活性ペプチドまたはその塩な
どが用いられる。LH−RHアゴニストとしては、例え
ば、一般式〔II〕 5-oxo-Pro-His-Trp-Ser-Tyr-Y-Leu-Arg-Pro-Z 〔式中、YはDLeu、DAla、DTrp、DSer(tBu)、D2Nalおよ
びDHis(ImBzl)から選ばれる残基を、ZはNH-C2H5または
Gly-NH2をそれぞれ示す〕で表わされる生理活性ペプチ
ドまたはその塩などが用いられる。特に、YがDLeuで、
ZがNH-C2H5であるペプチド(即ち、5-oxo-Pro-His-Trp
-Ser-Tyr-DLeu-Leu-Arg-Pro-NH-C2H5で表されるペプチ
ドA;リュープロレリン)またはその塩(例えば、酢酸
塩)が好適である。これらのペプチドは、前記文献ある
いは公報記載の方法あるいはこれに準じる方法で製造す
ることができる。
【0009】本明細書中で使用される略号の意味は次の
とおりである。 略号 名称 N(4H2-furoyl)Gly: N-テトラヒドロフロイルグリシン残基 NAc : N-アセチル基 D2Nal : D-3-(2-ナフチル)アラニン残基 D4ClPhe : D-3-(4-クロロ)フェニルアラニン残基 D3Pal : D-3-(3-ピリジル)アラニン残基 NMeTyr : N-メチルチロシン残基 Aph(Atz) : N-[5'-(3'-アミノ-1'H-1',2',4'-トリアゾリル)]フェニ ルアラニン残基 NMeAph(Atz) : N-メチル-[5'-(3'-アミノ-1'H-1',2',4'-トリアゾリル)] フェニルアラニン残基 DLys(Nic) : D-(e-N-ニコチノイル)リシン残基 Dcit : D-シトルリン残基 DLys(AzaglyNic) : D-(アザグリシルニコチノイル)リシン残基 DLys(AzaglyFur) : D-(アザグリシルフラニル)リシン残基 DhArg(Et2) : D-(N,N'-ジエチル)ホモアルギニン残基 DAph(Atz) : D-N-[5'-(3'-アミノ-1'H-1',2',4'-トリアゾリル)] フェニルアラニン残基 DhCi : D-ホモシトルリン残基 Lys(Nisp) : (e-N-イソプロピル)リシン残基 hArg(Et2) : (N,N'-ジエチル)ホモアルギニン残基 その他アミノ酸に関し、略号で表示する場合、IUPAC-IU
Bコミッション・オブ・バイオケミカル・ノーメンクレ
ーチュアー(Commission on Biochemical Nomenclature)
(ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・バイオケミスト
リー(European Journal of Biochemistry)第138巻、9
〜37頁(1984年))による略号または該当分野におけ
る慣用略号に基づくものとし、また、アミノ酸に関して
光学異性体がありうる場合は、特に明示しなければL体
を示すものとする。
【0010】本発明に用いられる乳酸−グリコール酸重
合体は、該乳酸−グリコール酸重合体の重量平均分子量
と該乳酸−グリコール酸重合体の数平均分子量の比が約
1.90以下である乳酸−グリコール酸重合体が好ましく用
いられる。乳酸−グリコール酸重合体は塩であってもよ
い。塩としては、例えば、無機塩基(例、ナトリウム、
カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム
等のアルカリ土類金属など)や有機塩基(例、トリエチ
ルアミン等の有機アミン類、アルギニン等の塩基性アミ
ノ酸類等)などとの塩、または遷移金属(例,亜鉛,
鉄,銅など)との塩および錯塩などが挙げられる。ま
た、該乳酸−グリコール酸重合体の組成モル比は約10
0/0〜約40/60が好ましく、約70/30〜約8
0/20がより好ましい。該「乳酸−グリコール酸重合
体」の最小繰り返し単位の一つである乳酸の光学異性体
比は、D−体/L−体(モル/モル%)が約75/25
〜約25/75の範囲のものが好ましい。このD−体/
L−体(モル/モル%)は、特に約60/40〜約30
/70の範囲のものが汎用される。該「乳酸−グリコー
ル酸重合体」の重量平均分子量は、通常、約3,000
〜約100,000、好ましくは約3,000〜約5
0,000、特に好ましくは約8,000〜約15,0
00のものが用いられる。該「乳酸−グリコール酸重合
体」の分子量約3,000以下の低分子量画分の割合は、約9
%以下のものが好ましく、さらに好ましくは約3%〜約9
%以下のものが用いられる。また、本発明の乳酸−グリ
コール酸重合体は、該乳酸−グリコール酸重合体の重量
平均分子量と該乳酸−グリコール酸重合体の数平均分子
量の比が約1.90以下であるが、好ましくは、約1.40〜約
1.90以下、さらに好ましくは約1.45〜約1.80のものなど
があげられる。
【0011】さらに、(1)重量平均分子量が約3,00
0〜約100,000であり、乳酸−グリコール酸重合
体の重量平均分子量と乳酸−グリコール酸重合体の数平
均分子量の比が約1.90以下である乳酸−グリコール酸重
合体、(2)重量平均分子量が約3,000〜約50,0
00であり、乳酸−グリコール酸重合体の重量平均分子
量と乳酸−グリコール酸重合体の数平均分子量の比が約
1.90以下である乳酸−グリコール酸重合体、(3)重量平
均分子量が約8,000〜約15,000であり、乳酸
−グリコール酸重合体の重量平均分子量と乳酸−グリコ
ール酸重合体の数平均分子量の比が約1.90以下である乳
酸−グリコール酸重合体、(4)乳酸−グリコール酸重合
体の分子量約3,000以下の低分子量画分の割合が約9%以
下である上記(1)〜(3)記載の徐放性組成物、(5)乳酸−
グリコール酸重合体の分子量約3,000以下の低分子量画
分の割合が約3%〜約9%である上記(1)〜(3)記載の徐放
性組成物、などが好ましい例としてあげられる。さらに
好ましい例としては、(6)重量平均分子量が約3,00
0〜約100,000であり、乳酸−グリコール酸重合
体の重量平均分子量と乳酸−グリコール酸重合体の数平
均分子量の比が約1.40〜約1.90である乳酸−グリコール
酸重合体、(7)重量平均分子量が約3,000〜約5
0,000であり、乳酸−グリコール酸重合体の重量平
均分子量と乳酸−グリコール酸重合体の数平均分子量の
比が約1.40〜約1.90である乳酸−グリコール酸重合体、
(8)重量平均分子量が約8,000〜約15,000で
あり、乳酸−グリコール酸重合体の重量平均分子量と乳
酸−グリコール酸重合体の数平均分子量の比が約1.40〜
約1.90である乳酸−グリコール酸重合体、(9)乳酸−グ
リコール酸重合体の分子量約3,000以下の低分子量画分
の割合が約9%以下である上記(6)〜(8)記載の徐放性組
成物、(10)乳酸−グリコール酸重合体の分子量約3,000
以下の低分子量画分の割合が約3%〜約9%である上記
(6)〜(8)記載の徐放性組成物、などがあげられる。最も
好ましい例としては、(11)重量平均分子量が約3,00
0〜約100,000であり、乳酸−グリコール酸重合
体の重量平均分子量と乳酸−グリコール酸重合体の数平
均分子量の比が約1.45〜約1.80である乳酸−グリコール
酸重合体、(12)重量平均分子量が約3,000〜約5
0,000であり、乳酸−グリコール酸重合体の重量平
均分子量と乳酸−グリコール酸重合体の数平均分子量の
比が約1.45〜約1.80である乳酸−グリコール酸重合体、
(13)重量平均分子量が約8,000〜約15,000で
あり、乳酸−グリコール酸重合体の重量平均分子量と乳
酸−グリコール酸重合体の数平均分子量の比が約1.45〜
約1.80である乳酸−グリコール酸重合体、(14)乳酸−グ
リコール酸重合体の分子量約3,000以下の低分子量画分
の割合が約9%以下である上記(11)〜(13)記載の徐放性
組成物、(15)乳酸−グリコール酸重合体の分子量約3,00
0以下の低分子量画分の割合が約3%〜約9%である上記
(11)〜(13)記載の徐放性組成物、などがあげられる。ま
た、重量平均分子量約11,600〜約14,000の乳酸−グリコ
ール酸重合体またはその塩を使用してもよい。
【0012】本明細書における重量平均分子量、数平均
分子量とは、(GPC1)重量平均分子量が397,0
00、189,000、98,900、37,200、
17,100、9,490、5,870、2,500、
1,050、495の10種類の単分散ポリスチレンを
基準物質としてゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー(GPC)で測定したポリスチレン換算の分子量をい
う。さらに、分子量約3,000以下の低分子量画分の割合
とは、上記GPC測定において得られた重量平均分子量分
布パターンのうち、分子量が約3,000以下の画分の割合
を指す。具体的には算出された重量平均分子量分布パタ
ーンの曲線下面積のうち、分子量が約3,000以下に相当
する部分の曲線下面積の割合を算出する。測定は、高速
GPC装置(東ソー製、HLC−8120GPC、検出
方式は示差屈折率による)、TSKguardcolumn Super H-L
(4.6mmi.d.x35mm)、TSKgel SuperH4000(6mmi.d.x150mm)
x2 、 TSKgel SuperH2000(6mmi.d.x150mm)(カラムは
すべて東ソー製)を直列に接続して使用し、移動相とし
てTHFを用いる。流速は0.6ml/minでおこなう。
【0013】乳酸−グリコール酸重合体と生理活性物質
との反応がイオン相互作用である場合、該生理活性物質
は乳酸−グリコール酸重合体の末端カルボン酸との相互
作用が主となる。低分子量画分が多く含有されている場
合、生理活性物質は反応性の高い低分子量の乳酸−グリ
コール酸重合体と相互作用しやすくなる。徐放性注射剤
において製造時のリークおよび初期放出にかかわる生理
活性物質は主にこの低分子量画分の乳酸−グリコール酸
重合体と相互作用したものである。生理活性物質の高含
量化および初期放出量抑制にはこの低分子量画分の乳酸
−グリコール酸重合体の割合を一定以下に削減し、重量
平均分子量と数平均分子量の比も一定以下にすることが
必要である。この故に、例えば、1カ月型徐放性製剤用
の乳酸−グリコール酸重合体とするには、乳酸−グリコ
ール酸重合体の場合、上記の重量平均分子量が約8,0
00〜約15,000で、かつ重量平均分子量と数平均
分子量の比が約1.90以下、好ましくは約1.40〜約1.
90、さらに好ましくは約1.45〜約1.80であり、重量平均
分子量3,000以下の低分子量画分の割合が約9%以
下、好ましくは約3%〜約9%である乳酸−グリコール酸
重合体が好ましい。
【0014】該「乳酸−グリコール酸重合体」は、例え
ば、乳酸とグリコール酸からの無触媒脱水重縮合(特開
昭61−28521号)あるいはラクチドとグリコリド
等の環状ジエステル化合物からの触媒を用いた開環重合
(Encyclopedic Handbook ofBiomaterials and Bioengi
neering Part A: Materials, Volume 2, Marcel Dekke
r, Inc. 1995年)で製造できる。乳酸とグリコール酸の
無色媒脱水重縮合により得られた乳酸−グリコール酸重
合体は、一般に低分子量画分を多く含有し、重量平均分
子量と数平均分子量の比は約2以上となる。本明細書に
使用する乳酸−グリコール酸重合体の重量平均分子量は
約5,000〜約15,000である。分子量約3,000以下の低分子
量画分の割合は重量平均分子量により異なるが、重量平
均分子量が約10,000の場合、分子量約3,000以下の低分
子量画分の割合は約10%以上である。得られた乳酸−グ
リコール酸重合体は、有機溶媒を用いて、精製すること
により目的のポリマーを得ることができる。
【0015】本発明で用いられる有機溶媒としては、親
水性または水易溶性有機溶媒が好ましく、例えばアセト
ン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホオキシドなどが挙げられ、とり
わけアセトンが好ましく使用される。本発明で用いられ
る水および有機溶媒の添加比率は、特に制限はないが、
水の量が多すぎる場合には低分子量画分の削減が不十分
となり、目的のポリマーを得ることが困難である。また
一方水の量が少なすぎる場合にはポリマーが析出しにく
くなるため、回収率が悪くなり、さらには目的の分子量
よりも高分子量のポリマーしか回収できなくなる。通常
有機溶媒100に対する水の量は用量比として約5〜5
0未満、好ましくは約10〜約45、さらに好ましくは
約24〜約40、特に好ましくは約40を用いる。例え
ば、乳酸−グリコール酸重合体10gを有機溶媒である
アセトン100mLに溶解し、適当な方法で攪拌しなが
ら精製水40mLを徐々に加えると目的のポリマーは析
出し、それを適当な方法にて乾燥することによって得る
ことができる。一回の溶解、析出工程で目的のポリマー
を得ることができなかった場合はこの操作を繰り返せば
よい。本発明徐放製剤において、基剤としては重量平均
分子量と数平均分子量の比が約1.90以下である乳酸−グ
リコール酸重合体またはその塩、または重量平均分子量
約11,600〜約14,000の乳酸−グリコール酸重合体または
その塩が好ましい。また、乳酸とグリコール酸の組成モ
ル比が100/0〜40/60であるものが好ましい。生理活性物
質としてはLH-RH誘導体が好ましく、特に好ましくはLH-
RH誘導体が式5-oxo-Pro-His-Trp-Ser-Tyr-DLeu-Leu-Arg
-Pro-NH-C2H5で表されるペプチドまたはその酢酸塩であ
る。LH-RH誘導体またはその塩の含有量としては約5%(w
/w)〜約24%(w/w)が好ましい。さらにゼラチンを含有
せずに少なくとも約2週間以上にわたって生理活性物質
またはその塩を放出するものが好ましい。
【0016】マイクロカプセルの製造方法前記のように
して得られた乳酸−グリコール酸重合体は、徐放性製剤
を製造するための基剤として用いることができる。本発
明の生理活性物質またはその塩、および乳酸−グリコー
ル酸重合体またはその塩を含有する徐放性組成物、例え
ば、マイクロカプセルの製造法を例示する。 (I)水中乾燥法 (i)O/W法 本方法においては、まず乳酸−グリコール酸重合体また
はその塩の有機溶媒溶液を作製する。本発明の徐放性製
剤の製造の際に使用する有機溶媒は、沸点が120℃以
下であることが好ましい。該有機溶媒としては、例え
ば、ハロゲン化炭化水素(例、ジクロロメタン、クロロ
ホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタン、四塩化炭
素等)、エーテル類(例、エチルエーテル、イソプロピ
ルエーテル等)、脂肪酸エステル(例、酢酸エチル、酢
酸ブチル等)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等)、アルコール類(例えば、エタノー
ル、メタノール等)、アセトニトリルなどが用いられ、
それらの混合溶媒なども用いられる。乳酸−グリコール
酸重合体またはその塩の有機溶媒としては、なかでもジ
クロロメタンが好ましい。乳酸−グリコール酸重合体の
有機溶媒溶液中の濃度は、乳酸−グリコール酸重合体の
分子量、有機溶媒の種類によって異なるが、例えば、ジ
クロロメタンを有機溶媒として用いた場合、一般的には
約0.5〜約70重量% 、より好ましくは約1〜約60
重量% 、特に好ましくは約2〜約50重量%から選ば
れる。このようにして得られた乳酸−グリコール酸重合
体の有機溶媒溶液中に、生理活性物質またはその塩を添
加し、溶解あるいは分散させる。次いで、得られた生理
活性物質またはその塩および乳酸−グリコール酸重合体
またはその塩から成る組成物を含む有機溶媒溶液を水相
中に加え、O(油相)/W(水相)エマルションを形成
させた後、油相中の溶媒を揮散ないしは水相中に拡散さ
せ、マイクロカプセルを調製する。この際の水相体積
は、一般的には油相体積の約1倍〜約10,000倍、
より好ましくは約5倍〜約50,000倍、特に好まし
くは約10倍〜約2,000倍から選ばれる。
【0017】上記の外水相中には乳化剤を加えてもよ
い。該乳化剤は、一般に安定なO/Wエマルションを形
成できるものであればいずれでもよい。具体的には、例
えば、アニオン性界面活性剤(オレイン酸ナトリウム、
ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムな
ど)、非イオン性界面活性剤(ポリオキシエチレンソル
ビタン脂肪酸エステル〔ツイーン(Tween)80、ツイーン
(Tween)60、アトラスパウダー社〕、ポリオキシエチレ
ンヒマシ油誘導体〔HCO−60、HCO−50、日光ケミカル
ズ〕など)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコ
ール、カルボキシメチルセルロース、レシチン、ゼラチ
ン、ヒアルロン酸などが用いられる。これらの中の1種
類か、いくつかを組み合わせて使用してもよい。使用の
際の濃度は、好ましくは約0.0001〜10重量%の
範囲で、さらに好ましくは約0.001〜約5重量%の
範囲で用いられる。
【0018】上記の外水相中には浸透圧調節剤を加えて
もよい。該浸透圧調節剤としては、水溶液とした場合に
浸透圧を示すものであればよい。該浸透圧調節剤として
は、例えば、多価アルコール類、一価アルコール類、単
糖類、二糖類、オリゴ糖およびアミノ酸類またはそれら
の誘導体などが挙げられる。上記の多価アルコール類と
しては、例えば、グリセリン等の三価アルコール類、ア
ラビトール,キシリトール,アドニトール等の五価アル
コール類、マンニトール,ソルビトール,ズルシトール
等の六価アルコール類などが用いられる。なかでも、六
価アルコール類が好ましく、特にマンニトールが好適で
ある。上記の一価アルコール類としては、例えば、メタ
ノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどが挙
げられ、このうちエタノールが好ましい。上記の単糖類
としては、例えば、アラビノース,キシロース,リボー
ス,2ーデオキシリボース等の五炭糖類、ブドウ糖,果
糖,ガラクトース,マンオース,ソルボース,ラムノー
ス,フコース等の六炭糖類が用いられ、このうち六炭糖
類が好ましい。上記のオリゴ糖としては、例えば、マル
トトリオース,ラフィノース糖等の三糖類、スタキオー
ス等の四糖類などが用いられ、このうち三糖類が好まし
い。上記の単糖類、二糖類およびオリゴ糖の誘導体とし
ては、例えば、グルコサミン、ガラクトサミン、グルク
ロン酸、ガラクツロン酸などが用いられる。上記のアミ
ノ酸類としては、L−体のものであればいずれも用いる
ことができ、例えば、グリシン、ロイシン、アルギニン
などが挙げられる。このうちL−アルギニンが好まし
い。これらの浸透圧調節剤は単独で使用しても、混合し
て使用してもよい。これらの浸透圧調節剤は、外水相の
浸透圧が生理食塩水の浸透圧の約1/50〜約5倍、好
ましくは約1/25〜約3倍となる濃度で用いられる。
浸透圧調節剤としてマンニトールを用いた場合、0.5
%〜1.5%の濃度が好ましい。
【0019】有機溶媒を除去する方法としては、自体公
知の方法あるいはそれに準じる方法が用いられる。例え
ば、プロペラ型撹拌機またはマグネチックスターラーや
超音波発生装置などで撹拌しながら常圧もしくは徐々に
減圧にして有機溶媒を蒸発させる方法、ロータリーエヴ
ァポレーターなどを用いて真空度を調節しながら有機溶
媒を蒸発させる方法、透析膜を用いて徐々に有機溶媒を
除去する方法などが挙げられる。このようにして得られ
たマイクロカプセルは遠心分離または濾過して分取した
後、マイクロカプセルの表面に付着している遊離の生理
活性物質またはその塩、薬物保持物質、乳化剤などを蒸
留水で数回繰り返し洗浄し、再び蒸留水などに分散して
凍結乾燥する。なお、本発明のマイクロカプセルは、重
量平均分子量と数平均分子量の比が約1.90以下である乳
酸−グリコール酸重合体またはその塩、または重量平均
分子量約11,600〜約14,000の乳酸−グリコール酸重合体
またはその塩を基剤として用いているため、薬物を高含
量で含有することができるので、ゼラチンなどの薬物保
持物質や増粘剤を含んでいる必要はない。これらのポリ
マーは少なくとも約2週間以上にわたって薬物を放出す
る徐放製組成物の製造に好ましい。製造工程中、粒子同
士の凝集を防ぐために凝集防止剤を加えてもよい。該凝
集防止剤としては、例えば、マンニトール,ラクトー
ス,ブドウ糖,デンプン類(例、コーンスターチ等)な
どの水溶性多糖、グリシンなどのアミノ酸、フィブリ
ン,コラーゲンなどのタンパク質などが用いられる。な
かでも、マンニトールが好適である。
【0020】また、凍結乾燥後、必要であれば、減圧下
マイクロカプセル同士が融着しない条件内で加温してマ
イクロカプセル中の水分および有機溶媒の除去を行って
もよい。好ましくは、毎分10〜20℃の昇温速度の条
件下で示差走査熱量計で求めたマイクロカプセルの中間
点ガラス転移温度付近あるいは若干高い温度で加温す
る。より好ましくはマイクロカプセルの中間点ガラス転
移温度付近あるいはこれより約30℃高い温度範囲内で
加温する。好ましくはマイクロカプセルの中間点ガラス
転移温度付近から中間点ガラス転移温度より10℃高い
温度範囲,さらに好ましくは、中間点ガラス転移温度付
近から中間点ガラス転移温度より5℃高い温度範囲で加
温する。加温時間はマイクロカプセルの量などによって
異なるものの、一般的にはマイクロカプセル自体が所定
の温度に達した後、約12時間〜約168時間、好まし
くは約24時間〜約120時間、特に好ましくは約48
時間〜約96時間である。加温方法は、マイクロカプセ
ルの集合が均一に加温できる方法であれば特に限定され
ない。該加温乾燥方法としては、例えば、恒温槽、流動
槽、移動槽またはキルン中で加温乾燥する方法、マイク
ロ波で加温乾燥する方法などが用いられる。このなかで
恒温槽中で加温乾燥する方法が好ましい。
【0021】(ii)W/O/W法 まず、乳酸−グリコール酸重合体またはその塩の有機溶
媒溶液を作成し、そうして得られた有機溶媒溶液を油相
と称する。該作成法は、前記(I)(i)項に記載と同
様である。乳酸−グリコール酸重合体の有機溶媒溶液中
の濃度は、乳酸−グリコール酸重合体の分子量、有機溶
媒の種類によって異なるが、例えば、ジクロロメタンを
有機溶媒として用いた場合、一般的には約0.5〜約7
0重量%、より好ましくは約1〜約60重量% 、特に
好ましくは約2〜約50重量%から選ばれる。次に生理
活性物質またはその塩の溶液または分散液〔該溶媒とし
ては、水、水とアルコール類(例、メタノール、エタノ
ール等)などとの混液〕を作成する。生理活性物質また
はその塩の添加濃度は一般的には0.001mg/ml
〜10g/ml、より好ましくは0.1mg/ml〜5
g/mlで更に好ましくは10mg/ml〜3g/ml
である。生理活性物質の塩としては上記該生理活性物質
がアミノ基等の塩基性基を有する場合、無機酸(無機の
遊離酸とも称する)(例、炭酸、重炭酸、塩酸、硫酸、
硝酸、ホウ酸等)、有機酸(有機の遊離酸とも称する)
(例、コハク酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢
酸等)などとの塩が挙げられる。生理活性物質がカルボ
キシル基等の酸性基を有する場合、無機塩基(無機の遊
離塩基とも称する)(例、ナトリウム、カリウム等のア
ルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土
類金属など)や有機塩基(有機の遊離塩基とも称する)
(例、トリエチルアミン等の有機アミン類、アルギニン
等の塩基性アミノ酸類等)などとの塩が挙げられる。ま
た、生理活性ペプチドは金属錯体化合物(例、銅錯体、
亜鉛錯体等)を形成していてもよい。生理活性物質がL
HRH誘導体の場合、特に酢酸を添加することが好まし
い。溶解補助剤、安定化剤として公知のものを用いても
よい。生理活性物質や添加剤の溶解あるいは分散には活
性が失われない程度に加熱、振とう、撹拌などを行って
もよく、そうして得られた水溶液を内水相と称する。上
記により得られた内水相と油相とをホモジナイザーまた
は超音波等の公知の方法で乳化し、W/Oエマルション
を形成させる。混合する油相の体積は内水相の体積に対
し、約1〜約1000倍、好ましくは約2〜100倍、
より好ましくは約3〜10倍である。得られたW/Oエ
マルションの粘度範囲は一般的には約12〜25℃で、
約10〜10,000cpで、好ましくは約100〜
5,000cpである。特に好ましくは約500〜2,
000cpである。次いで、得られた生理活性物質また
はその塩および乳酸−グリコール酸重合体またはその塩
から成るW/Oエマルションを水相中に加え、W(内水
相)/O(油相)/ W(外水相)エマルションを形成さ
せた後、油相中の溶媒を揮散ないしは外水相中に拡散さ
せ、マイクロカプセルを調製する。この際の外水相体積
は一般的には油相体積の約1倍〜約10,000倍、よ
り好ましくは約5倍〜約50,000倍、特に好ましく
は約10倍〜約2,000倍から選ばれる。上記の外水
相中に加えてもよい乳化剤や浸透圧調節剤、およびその
後の調製法は前記(I)(i)項に記載と同様である。
【0022】(II)相分離法 本法によってマイクロカプセルを製造する場合には,前
記(I)の水中乾燥法に記載した生理活性物質またはそ
の塩および乳酸−グリコール酸重合体またはその塩から
成る組成物を含む有機溶媒溶液にコアセルベーション剤
を撹拌下徐々に加えてマイクロカプセルを析出,固化さ
せる。該コアセルベーション剤は油相体積の約0.01
〜1,000倍、好ましくは約0.05〜500倍、特
に好ましくは約0.1〜200倍から選ばれる。コアセ
ルベーション剤としては、有機溶媒と混和する高分子
系,鉱物油系または植物油系の化合物等で生理活性物質
またはその塩および乳酸−グリコール酸重合体またはそ
の塩の複合体を溶解しないものであれば特に限定はされ
ない。具体的には、例えば、シリコン油,ゴマ油,大豆
油,コーン油,綿実油,ココナッツ油,アマニ油,鉱物
油,n−ヘキサン,n−ヘプタンなどが用いられる。これ
らは2種類以上混合して使用してもよい。このようにし
て得られたマイクロカプセルを分取した後、ヘプタン等
で繰り返し洗浄して生理活性物質またはその塩および乳
酸−グリコール酸重合体またはその塩からなる組成物以
外のコアセルベーション剤等を除去し、減圧乾燥する。
もしくは、前記(I)(i)の水中乾燥法で記載と同様
の方法で洗浄を行った後に凍結乾燥、さらには加温乾燥
する。
【0023】(III)噴霧乾燥法 本法によってマイクロカプセルを製造する場合には,前
記(I)の水中乾燥法に記載した生理活性物質またはそ
の塩および乳酸−グリコール酸重合体またはその塩を含
有する有機溶媒溶液をノズルを用いてスプレードライヤ
ー(噴霧乾燥器)の乾燥室内に噴霧し、極めて短時間内
に微粒化液滴内の有機溶媒を揮発させ、マイクロカプセ
ルを調製する。該ノズルとしては、例えば、二流体ノズ
ル型,圧力ノズル型,回転ディスク型等がある。この
後、必要であれば、前記(I)の水中乾燥法で記載と同
様の方法で洗浄を行った後に凍結乾燥、さらには加温乾
燥してもよい。上述のマイクロカプセル以外の剤形とし
てマイクロカプセルの製造法(I)の水中乾燥法に記載
した生理活性物質またはその塩および乳酸−グリコール
酸重合体またはその塩を含む有機溶媒溶液を例えばロー
タリーエヴァポレーターなどを用いて真空度を調節しな
がら有機溶媒および水を蒸発させて乾固した後、ジェッ
トミルなどで粉砕して微粉末(マイクロパーティクルと
も称する)としてもよい。さらには、粉砕した微粉末を
マイクロカプセルの製造法(I)の水中乾燥法で記載と
同様の方法で洗浄を行った後に凍結乾燥、さらには加温
乾燥してもよい。ここで得られるマイクロカプセルまた
は微粉末は使用する乳酸−グリコール酸重合体の分解速
度に対応した薬物放出が達成できる。
【0024】本発明の徐放性組成物は、マイクロスフェ
ア、マイクロカプセル、微粉末(マイクロパーティク
ル)など何れの形態であってもよいが、マイクロカプセ
ルが好適である。本発明の徐放性組成物は、そのままま
たはこれらを原料物質として種々の剤形に製剤化し、筋
肉内、皮下、臓器などへの注射剤または埋め込み剤、鼻
腔、直腸、子宮などへの経粘膜剤、経口剤(例、カプセ
ル剤(例、硬カプセル剤、軟カプセル剤等)、顆粒剤、
散剤等の固形製剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤等の液剤
等)などとして投与することができる。例えば、本発明
の徐放性組成物を注射剤とするには、これらを分散剤
(例、ツイーン(Tween)80,HCO−60等の界面活性剤、
ヒアルロン酸ナトリウム,カルボキシメチルセルロー
ス,アルギン酸ナトリウム等の多糖類など)、保存剤
(例、メチルパラベン、プロピルパラベンなど)、等張
化剤(例、塩化ナトリウム,マンニトール,ソルビトー
ル,ブドウ糖,プロリンなど)等と共に水性懸濁剤とす
るか、ゴマ油、コーン油などの植物油と共に分散して油
性懸濁剤として実際に使用できる徐放性注射剤とするこ
とができる。本発明の徐放性組成物の粒子径は、懸濁注
射剤として使用する場合には、その分散度、通針性を満
足する範囲であればよく、例えば、平均粒子径として約
0.1〜300μm、好ましくは約0.5〜150μm
の範囲、さらに好ましくは約1から100μmの範囲で
ある。本発明の徐放性組成物を無菌製剤にするには、製
造全工程を無菌にする方法、ガンマ線で滅菌する方法、
防腐剤を添加する方法等が挙げられるが、特に限定され
ない。
【0025】本発明の徐放性組成物は、低毒性であるの
で、哺乳動物(例、ヒト、牛、豚、犬、ネコ、マウス、
ラット、ウサギ等)に対して安全な医薬などとして用い
ることができる。本発明の徐放性組成物の投与量は、主
薬である生理活性物質の種類と含量、剤形、生理活性物
質放出の持続時間、対象疾病、対象動物などによって種
々異なるが、生理活性物質の有効量であればよい。主薬
である生理活性物質の1回当たりの投与量としては、例
えば、徐放性製剤が6カ月製剤である場合、好ましく
は、成人1人当たり約0.01mg〜10mg/kg体
重の範囲,さらに好ましくは約0.05mg〜5mg/
kg体重の範囲から適宜選ぶことができる。1回当たり
の徐放性組成物の投与量は、成人1人当たり好ましく
は、約0.05mg〜50mg/kg体重の範囲、さら
に好ましくは約0.1mg〜30mg/kg体重の範囲
から適宜選ぶことができる。投与回数は、数週間に1
回、1か月に1回、または数か月(例、3ヵ月、4ヵ月、
6ヵ月など)に1回等、主薬である生理活性物質の種類
と含量、剤形、生理活性物質放出の持続時間、対象疾
病、対象動物などによって適宜選ぶことができる。本発
明の徐放性組成物は、含有する生理活性物質の種類に応
じて、種々の疾患などの予防・治療剤として用いること
ができるが、例えば、生理活性物質が、LH−RH誘導
体である場合には、ホルモン依存性疾患、特に性ホルモ
ン依存性癌(例、前立腺癌、子宮癌、乳癌、下垂体腫瘍
など)、前立腺肥大症、子宮内膜症、子宮筋腫、思春期
早発症、月経困難症、無月経症、月経前症候群、多房性
卵巣症候群等の性ホルモン依存性の疾患の予防・治療
剤、閉経前乳癌術後再発予防剤、アルツハイマー病や免
疫不全等の疾患の予防・治療剤、および避妊(もしく
は、その休薬後のリバウンド効果を利用した場合には、
不妊症の予防・治療)剤などとして用いることができ
る。さらに、性ホルモン非依存性であるがLH−RH感
受性である良性または悪性腫瘍などの予防・治療剤とし
ても用いることができる。したがって、哺乳動物に本願
治療・予防剤を有効量投与することにより、ホルモン依
存性疾患、特に性ホルモン依存性癌(例、前立腺癌、子
宮癌、乳癌、下垂体腫瘍など)、前立腺肥大症、子宮内
膜症、子宮筋腫、思春期早発症、月経困難症、無月経
症、月経前症候群、多房性卵巣症候群等の性ホルモン依
存性の疾患の予防・治療または避妊をすることができ、
さらに閉経前乳癌術後再発予防することができる。
【0026】
【実施例】以下に実施例、比較例および実験例をあげて
本発明をさらに具体的に説明するが、これらは本発明を
限定するものではない。 実施例A1 乳酸とグリコール酸の脱水重縮合により合成された重量
平均分子量9700、数平均分子量5030、の乳酸−グリコー
ル酸共重合体10gをアセトン100mLに溶解し、攪拌条
件下にて精製水40mLを滴下してポリマーを析出させ
る。水飴状の析出ポリマー以外の溶液をデカンとにより
除去し、得られたポリマーを真空乾燥する。乾燥後のポ
リマーの収量は8.37gで、重量平均分子量10500、数平
均分子量6700であった。
【0027】実施例A2 実施例A1で得られたポリマー4.87gをジクロロメタン
8.03gに溶解し油相とする。ペプチドAの酢酸塩0.597
gを精製水0.6mLに溶解した水相に上記油相を混合し
ポリトロンを用いて25000rpmで1次乳化し、W/Oエマルシ
ョンを得る。このW/Oエマルションを15℃の0.1%ポリビ
ニルアルコール水溶液1000mL中に添加してホモミキサ
ーを用いて7000rpmでW/O/Wエマルションとする。プロペ
ラ攪拌機にて3時間かけて脱溶媒することにより、マイ
クロカプセルを固化させ、200メッシュの篩を用いて通
過したマイクロカプセルを遠心操作により回収し、マン
ニトール0.48gを添加した後凍結乾燥する。凍結乾燥後
得られたマイクロカプセルの収量は3.92gで、ペプチド
Aの含量は10.18%であった。
【0028】比較例A1 実施例A1で用いた乳酸−グリコール酸共重合体を用い
て実施例A2と同様に操作して得られたマイクロカプセ
ルの収量は3.97g、ペプチドAの含量は9.50%であっ
た。
【0029】実験例A1 実施例A2および比較例A1で得られたマイクロカプセ
ルをペプチドAとして2.25mgとなる量を0.3mlの分散
媒(0.25mgのカルボキシメチルセルロース,0.
5mgのポリソルベート80,25mgのマンニトール
を溶解した蒸留水)に分散して7週齢雄性SDラットの
背部皮下に22G注射針で投与した。投与から所定時間
後にラットを屠殺して投与部位に残存するマイクロカプ
セルを取り出し、この中のペプチドAを定量してそれぞ
れの初期含量で除して求めた残存率を表1に示す。さら
に表中に実施例A2および比較例A1にて用いたポリマ
ーのMw/Mnを記載した。
【表1】 表1から明らかなように、アセトン処理によりMw/Mnを
1.90以下にした実施例A2で用いたポリマーを使ってマ
イクロカプセルを製造した場合、マイクロカプセルから
のペプチドAの放出は初期放出量を抑制し、4週間の長
期にわたる持続放出を確実なものとした。
【0030】実施例A3 重量平均分子量10600、数平均分子量6600の乳酸−グリ
コール酸共重合体185.7gをジクロロメタン300.1gに溶
解し約29.5℃に調節した。この有機溶媒溶液から330.2g
を量り取り、ペプチドAの酢酸塩15.62gを15.31gの蒸
留水に溶解して54.3℃に加温した水溶液と混合して1分
間撹拌して粗乳化した後ホモジナイザーを用い、10,000
rpm、2分間の条件にて乳化しW/Oエマルションを形
成した。次いでこのW/Oエマルションを17.8℃に冷却
後に、予め17.9℃に調節しておいた0.1% (w/w)ポリビニ
ルアルコール(EG-40、日本合成化学製)水溶液25リッ
トル中に1分16秒間で注入し、 HOMOMIC LINE FLOW(特
殊機化製)を用いて7,005rpmで攪拌しW/O/Wエマル
ションとした。このW/O/Wエマルションを3時間撹
拌してジクロロメタンを揮散ないしは外水相中に拡散さ
せ、油相を固化させた後、75μmの目開きの篩いを用い
て篩過し、次いで遠心機(H-600S, 国産遠心器製)を用
いて2,000rpmで連続的にマイクロカプセルを沈降させて
捕集した。捕集されたマイクロカプセルは少量の蒸留水
に再分散し、90μmの目開きの篩いを用いて篩過した後
マンニトール17.2gを添加して溶解した後凍結乾燥して
粉末として得られた。マイクロカプセルの回収率は76.4
6%、マイクロカプセル中のペプチドA含量は8.79%であ
った。
【0031】実験例A2 実施例A3に記載のマイクロカプセル約26mgを0.3mlの
分散媒(0.15 mgのカルボキシメチルセルロース,0.3mg
のポリソルベート80,15mgのマンニトールを溶解した蒸
留水)に分散して7週齢雄性SDラットの背部皮下に22G注
射針で投与した。投与から所定時間後にラットを屠殺し
て投与部位に残存するマイクロカプセルを取り出し、こ
の中のペプチドAを定量してそれぞれの初期含量で除し
て求めた残存率を表2に示す。
【表2】 表2から明らかなように、製造スケールを上げた場合で
も、実施例A3に記載のマイクロカプセルは生理活性物
質を高含量に含んでいるのにも関わらず、投与後一日お
ける生理活性物質の残存率は90%以上と飛躍的に高
い。従って、ポリマーのMw/Mn比が約1.6と低値で
ある場合、生理活性物質の初期の過剰放出を非常によく
抑止する効果を持つ。そして、このマイクロカプセルは
長期にわたって生理活性物質を一定速度で放出させるこ
とを実現している。
【0032】実施例B1 重量平均分子量12600、数平均分子量6400の乳酸−グリ
コール酸共重合体197.7gをジクロロメタン320.1gに溶
解し0.2μmフィルター(EMFLOW,DFA4201FRP)を用いて
加圧ろ過後約30.0℃に調節した。この有機溶媒溶液から
330.1gを量り取り、ペプチドAの酢酸塩15.68gを15.31
gの蒸留水に溶解して56.0℃に加温した水溶液と混合し
て1分間撹拌して粗乳化した後ミニミキサーを用い、1
0,000rpm、2分間の条件にて乳化しW/Oエマルション
を形成した。次いでこのW/Oエマルションを18.2℃に
冷却後に、予め18.4℃に調節しておいた0.1% (w/w)ポリ
ビニルアルコール(EG-40、日本合成化学製)水溶液25
リットル中に1分46秒間で注入し、 HOMOMIC LINE FLOW
(特殊機化製)を用いて7,007rpmで攪拌しW/O/Wエ
マルションとした。このW/O/Wエマルションを3時
間撹拌してジクロロメタンを揮散ないしは外水相中に拡
散させ、油相を固化させた後、75μmの目開きの篩いを
用いて篩過し、次いで遠心機(H-600S, 国産遠心器製)
を用いて2,000rpmで連続的にマイクロカプセルを沈降さ
せて捕集した。捕集されたマイクロカプセルは少量の蒸
留水に再分散し、90μmの目開きの篩いを用いて篩過し
た後マンニトール17.2gを添加して溶解した後凍結乾燥
して粉末として得られた。マイクロカプセルの回収率は
73.47%、マイクロカプセル中のペプチドA含量は8.43%
であった。
【0033】実験例B1 実施例B1に記載のマイクロカプセル約26.7mgを0.3ml
の分散媒(0.15 mgのカルボキシメチルセルロース,0.3
mgのポリソルベート80,15mgのマンニトールを溶解した
蒸留水)に分散して7週齢雄性SDラットの背部皮下に22G
注射針で投与した。投与から所定時間後にラットを屠殺
して投与部位に残存するマイクロカプセルを取り出し、
この中のペプチドAを定量してそれぞれの初期含量で除
して求めた残存率を表3に示す。
【表3】 表3から明らかなように、実施例B1に記載のマイクロ
カプセルはゼラチンを含有しなくても生理活性物質を高
含量に含むことができ、生理活性物質の初期放出を非常
によく抑止した。そして、このマイクロカプセルは生理
活性物質を長期にわたって一定速度で放出した。
【0034】実験例B2 実施例B1に記載のマイクロカプセル約44.6mgを1.0ml
の分散媒(0.15 mgのカルボキシメチルセルロース,0.3
mgのポリソルベート80,15mgのマンニトールを溶解した
蒸留水)に分散して7〜12kgのビーグル犬の背部皮下に2
3G注射針で投与した。投与から所定時間後に前肢静脈よ
り採血し、ペプチドAおよびテストステロン濃度を定量
した結果を表4に示す。
【表4】 表4から明らかなように、実施例B1に記載のマイクロ
カプセルは生理活性物質を長期にわたり放出し、血中濃
度を維持した。また血中に放出した生理活性物質の活性
は失われることなく薬効を持続した。
【0035】参考例C1 酢酸リュープロレリン(薬物含量97.4%、酢酸含量
6.0%)0.2gを酢酸濃度の異なる酢酸水溶液0.
2116gに溶解し、乳酸グリコール酸共重合体(重量
平均分子量10500)1.82gをジクロロメタン
3.15gで溶解した溶液を添加後、ボルテックスミキ
サーで約30秒間攪拌することによりW/Oエマルショ
ンを作製した。W/Oエマルションの様子を比較したと
ころ、酢酸量が薬物に対して約1.8倍モルの場合均一な
エマルション粒子が形成されているようであった。1.
3、1.4倍モルでは薬物のゲル化が認められた。酢酸の添
加により良好にW/Oエマルションを得ることができ
る。
【0036】
【発明の効果】本発明の徐放性製剤は、基剤であるPLGA
の重量平均分子量と数平均分子量の比が約1.90以下であ
り、または重量平均分子量約11,600〜約14,000の乳酸−
グリコール酸重合体またはその塩を基剤として使用する
ことであり、ゼラチンを含有しなくても生理活性物質を
高含量で含有し、かつその初期過剰放出を抑制して約1
ヶ月にわたる安定な放出速度を実現できる。つまり本発
明製剤は、ゼラチンなどの薬物保持物質や増粘剤を使用
する必要がなく添加物を減らすことができ、製造工程・
コストを減じることができる、薬物保持物質や増粘剤を
使用することなく高濃度に薬物を含むことができる、少
なくとも約2週間以上にわたって薬物を放出する徐放製
組成物を製造することができる、ガラス転移温度が上昇
することにより安定性が高い製剤を製造することができ
るなどの有用な効果がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 15/08 A61P 35/00 15/18 A61K 37/02 35/00 37/43 (72)発明者 畑 善夫 北海道茅部郡鹿部町字本別531番161 Fターム(参考) 4C076 AA67 AA94 BB11 CC30 DD67 EE24 FF31 4C084 AA03 BA01 BA09 BA17 CA59 DB09 MA05 MA38 MA66 NA12 ZA81 ZA86 ZB26

Claims (42)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量平均分子量と数平均分子量の比が約
    1.90以下である乳酸−グリコール酸重合体またはその塩
    と、生理活性物質とを含有する徐放性組成物。
  2. 【請求項2】 生理活性物質が生理活性ペプチドである
    請求項1記載の徐放性組成物。
  3. 【請求項3】 生理活性物質がLH-RH誘導体である請求
    項2記載の徐放性組成物。
  4. 【請求項4】 乳酸−グリコール酸重合体の重量平均分
    子量が約3,000〜約100,000である請求項1記載の徐放性
    組成物。
  5. 【請求項5】 乳酸−グリコール酸重合体の重量平均分
    子量が約8,000〜約15,000である請求項4記載の徐放性
    組成物。
  6. 【請求項6】 乳酸−グリコール酸重合体の分子量約3,
    000以下の低分子量画分の割合が約9%以下である請求項
    1記載の徐放性組成物。
  7. 【請求項7】 乳酸−グリコール酸重合体の分子量約3,
    000以下の低分子量画分の割合が約3%〜約9%である請
    求項6記載の徐放性組成物。
  8. 【請求項8】 乳酸とグリコール酸の組成モル比が100/
    0〜40/60である請求項1記載の徐放性組成物。
  9. 【請求項9】 乳酸とグリコール酸の組成モル比が70/3
    0〜80/20である請求項1記載の徐放性組成物。
  10. 【請求項10】 LH-RH誘導体が式5-oxo-Pro-His-Trp-S
    er-Tyr-Y-Leu-Arg-Pro-Z [式中、YはDLeu、DAla、DTr
    p、DSer(tBu)、D2NalまたはDHis(ImBzl)を示し、ZはNH-
    C2H5またはGly-NH2を示す。]で表されるペプチドまたは
    その塩である請求項3記載の徐放性組成物。
  11. 【請求項11】 LH-RH誘導体が式5-oxo-Pro-His-Trp-S
    er-Tyr-DLeu-Leu-Arg-Pro-NH-C2H5で表されるペプチド
    またはその酢酸塩である請求項3記載の徐放性組成物。
  12. 【請求項12】 徐放性組成物中、LH-RH誘導体または
    その塩が約5%(w/w)〜約24%(w/w)含有される請求項
    3記載の徐放性組成物。
  13. 【請求項13】 生理活性物質またはその塩が微水溶性
    または水溶性である請求項1記載の徐放性組成物。
  14. 【請求項14】 注射用である請求項1記載の徐放性組
    成物。
  15. 【請求項15】 少なくとも約2週間以上にわたって生
    理活性物質またはその塩を放出する請求項1記載の徐放
    性組成物。
  16. 【請求項16】 薬物保持物質を含有しない請求項1記
    載の徐放性組成物。
  17. 【請求項17】 ゼラチンを含有しない請求項1記載の
    徐放性組成物。
  18. 【請求項18】 生理活性物質またはその塩と重量平均
    分子量と数平均分子量の比が約1.90以下である乳酸−グ
    リコール酸重合体またはその塩を含む混合液から溶媒を
    除去することを特徴とする請求項1記載の徐放性組成物
    の製造法。
  19. 【請求項19】 重量平均分子量と数平均分子量の比が
    約1.90以下である乳酸−グリコール酸重合体またはその
    塩を含有する有機溶媒溶液に生理活性物質またはその塩
    を混合、分散し、次いで有機溶媒を除去することを特徴
    とする請求項18記載の製造法。
  20. 【請求項20】 生理活性物質またはその塩を生理活性
    物質またはその塩を含有する水溶液として用いる請求項
    19記載の製造法。
  21. 【請求項21】 請求項1記載の徐放性組成物を含有し
    てなる医薬。
  22. 【請求項22】 請求項3記載の徐放性組成物を含有し
    てなる前立腺癌、前立腺肥大症、子宮内膜症、子宮筋
    腫、子宮線維腫、思春期早発症、月経困難症もしくは乳
    癌の予防、治療剤または避妊剤。
  23. 【請求項23】 請求項3記載の徐放性組成物を含有し
    てなる閉経前乳癌術後再発予防剤。
  24. 【請求項24】 哺乳動物に対して、請求項3記載の徐
    放性組成物の有効量を投与することを特徴とする前立腺
    癌、前立腺肥大症、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮線維
    腫、思春期早発症、月経困難症もしくは乳癌の予防、治
    療方法または避妊方法。
  25. 【請求項25】 哺乳動物に対して、請求項3記載の徐
    放性組成物の有効量を投与することを特徴とする閉経前
    乳癌術後再発予防方法。
  26. 【請求項26】 重量平均分子量約5,000〜約15,000の
    乳酸−グリコール酸重合体を含む有機溶媒100に対し
    て水を約5〜50(容量比)未満の割合で加えることを
    特徴とする重量平均分子量約8,000〜約15,000で、重量
    平均分子量と数平均分子量の比が約1.90以下である乳酸
    −グリコール酸重合体またはその塩の製造法。
  27. 【請求項27】 有機溶媒が親水性である請求項26記
    載の重合体の製造法。
  28. 【請求項28】 親水性の有機溶媒がアセトンである請
    求項27記載の重合体の製造法。
  29. 【請求項29】 有機溶媒100に対する水の割合が約
    10〜約45(容量比)である請求項26記載の重合体
    の製造法。
  30. 【請求項30】 有機溶媒100に対する水の割合が約
    40(容量比)である請求項26記載の重合体の製造
    法。
  31. 【請求項31】 重量平均分子量約8,000〜約15,000
    で、重量平均分子量と数平均分子量の比が約1.90以下で
    ある乳酸−グリコール酸重合体またはその塩。
  32. 【請求項32】 請求項31記載の乳酸−グリコール酸
    重合体またはその塩のゼラチンを含有しない徐放性組成
    物の製造のための使用。
  33. 【請求項33】 重量平均分子量約11,600〜約14,000の
    乳酸−グリコール酸重合体またはその塩とLH-RH誘導体
    またはその塩を含み、ゼラチンを含まないマイクロスフ
    ィア。
  34. 【請求項34】 LH-RH誘導体またはその塩が式5-oxo-P
    ro-His-Trp-Ser-Tyr-Y-Leu-Arg-Pro-Z [式中、YはDLe
    u、DAla、DTrp、DSer(tBu)、D2NalまたはDHis(ImBzl)を
    示し、ZはNH-C2H5またはGly-NH2を示す。]で表されるペ
    プチドまたはその塩である請求項33記載のマイクロス
    フィア。
  35. 【請求項35】 LH-RH誘導体またはその塩が式5-oxo-P
    ro-His-Trp-Ser-Tyr-DLeu-Leu-Arg-Pro-NH-C2H5で表さ
    れるペプチドまたはその酢酸塩である請求項33記載の
    マイクロスフィア。
  36. 【請求項36】 LH-RH誘導体またはその塩が約5%(w/
    w)〜約24%(w/w)含有される請求項33記載のマイク
    ロスフィア。
  37. 【請求項37】 マイクロカプセルである請求項33記
    載のマイクロスフィア。
  38. 【請求項38】 少なくとも約2週間以上にわたってLH
    -RH誘導体またはその塩を放出する請求項33記載のマ
    イクロスフィア。
  39. 【請求項39】 請求項33記載のマイクロスフィアを
    含有してなる前立腺癌、前立腺肥大症、子宮内膜症、子
    宮筋腫、子宮線維腫、思春期早発症、月経困難症もしく
    は乳癌の予防、治療剤または避妊剤。
  40. 【請求項40】 請求項33記載のマイクロスフィアを
    含有してなる閉経前乳癌術後再発予防剤。
  41. 【請求項41】 哺乳動物に対して、請求項33記載の
    マイクロスフィアの有効量を投与することを特徴とする
    前立腺癌、前立腺肥大症、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮
    線維腫、思春期早発症、月経困難症もしくは乳癌の予
    防、治療方法または避妊方法。
  42. 【請求項42】 哺乳動物に対して、請求項33記載の
    マイクロスフィアの有効量を投与することを特徴とする
    閉経前乳癌術後再発予防方法。
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