JP2002125595A - 冷凍カスタードクリームおよびその製造方法 - Google Patents
冷凍カスタードクリームおよびその製造方法Info
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Abstract
でかつ保存性も良好な冷凍カスタードクリームおよびそ
の製造方法を提供すること。 【解決手段】 冷凍カスタードクリームに、澱粉エステ
ルおよび澱粉エーテルからなる群から選ばれた1種また
は2種以上の化工澱粉およびグリシンを含有させる。
Description
感が良好な冷凍カスタードクリームおよびその製造方法
に関する。
店でポピュラーなクリームであるが、欠点として非常に
腐りやすく、長期の保管が難しい食品である。そのため
カスタードクリームを冷凍保管することが考えられる
が、カスタードクリームを冷凍すると、冷凍解凍時に分
離が見られ、そして風味や食感も低下してしまうという
欠点があった。そこで特開昭48−49959号公報に
は、グリシンとリン酸を特定量添加した製菓用クリーム
類の保存法が開示されている。この公報に記載の保存法
は、製菓用クリーム類の35℃での保存性を高めるもの
である。
る方法として100〜120℃で加熱殺菌し、無菌充填
する方法が採用されている。しかし、この方法では、高
温に加熱するため、卵黄を多く配合したカスタードクリ
ームでは、焦げや褐変が発生し、商品価値が失われてし
まう。そのため、卵黄の配合量を少なく抑えなければな
らず、風味の弱いカスタードクリームとなってしまうと
いう欠点があった。また香り成分が飛散しやすく、卵や
乳風味などのカスタードクリーム本来の風味が損なわれ
たものとなってしまう欠点があった。
は、冷凍耐性を有し、解凍後も風味や食感が良好でかつ
保存性も良好な冷凍カスタードクリームおよびその製造
方法を提供することにある。
した結果、特定の化工澱粉とグリシンとを併用すること
により、上記目的を達成する冷凍カスタードクリームが
得られることを知見した。本発明は、上記知見に基づい
てなされたもので、下記の冷凍カスタードクリームを提
供するものである。澱粉エステルおよび澱粉エーテルか
らなる群から選ばれた1種または2種以上の化工澱粉お
よびグリシンを含有することを特徴とする冷凍カスター
ドクリーム。
タードクリームの製造方法として、下記(1)および
(2)の冷凍カスタードクリームの製造方法を提供する
ものである。 (1)澱粉エステルおよび澱粉エーテルからなる群から
選ばれた1種または2種以上の化工澱粉およびグリシン
を、その他のカスタードクリーム原料と混合し、100
℃以下で加熱攪拌し、冷凍することを特徴とする冷凍カ
スタードクリームの製造方法。 (2)澱粉エステルおよび澱粉エーテルからなる群から
選ばれた1種または2種以上の化工澱粉を、その他のカ
スタードクリーム原料と混合し、100℃以下で加熱攪
拌し、これにグリシンを添加、混合し、冷凍することを
特徴とする冷凍カスタードクリームの製造方法。
リームおよびその製造方法について詳述する。本発明で
用いられる澱粉エステルおよび澱粉エーテルとは、コー
ンスターチ、ワキシーコーンスターチ、タピオカ、馬鈴
薯、小麦などの澱粉の水酸基をエステル化またはエーテ
ル化したものである。また、本発明では上記の澱粉エス
テルおよび澱粉エーテルにさらに架橋処理を施したもの
を使用することもできる。この澱粉エステルおよび澱粉
エーテルに架橋処理を施したしたものとは、澱粉エステ
ルおよび澱粉エーテルの水酸基の2ヶ所以上をリン酸、
メタリン酸、アジピン酸などで結合させたものである。
粉エステルおよび澱粉エーテルからなる群から選ばれた
1種または2種以上の化工澱粉であり、澱粉エステルに
架橋処理を施したものおよび澱粉エーテルに架橋処理を
施したものの中から選ばれた1種または2種以上の化工
澱粉を用いるのが好ましい。上記の澱粉エステルおよび
澱粉エーテルからなる群から選ばれた1種または2種以
上の化工澱粉を用いない場合は、冷凍耐性を付与するこ
とができない。
の3〜7重量%水溶液の粘度上昇開始温度が好ましくは
70℃以下、さらに好ましくは50〜70℃、最も好ま
しくは50〜60℃である化工澱粉を用いるのがよい。
上記の粘度上昇開始温度は、例えば Brabender社のアミ
ログラフやビスコグラフィーを用いて測定することがで
きる。
の含有量は、特に制限はないが、好ましくは0.1〜2
0重量%、さらに好ましくは0.5〜10重量%、最も
好ましくは1〜5重量%である。
澱粉類を併用することも可能であり、斯かる澱粉類とし
ては、例えば、コーンスターチ、ワキシーコーンスター
チ、小麦粉、米粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、甘薯澱
粉、デキストリン、架橋澱粉、α−澱粉、湿熱処理澱粉
などがあげられ、これらの中から選ばれた1種または2
種以上を用いることができる。
は、上記化工澱粉と共にグリシンを併用することが必須
である。グリシンの冷凍カスタードクリーム中の含有量
は、特に制限はないが、好ましくは0.1〜10重量
%、さらに好ましくは0.5〜5重量%、最も好ましく
は1〜3重量%である。
の化工澱粉とグリシン以外のその他のカスタードクリー
ム原料として、卵、乳蛋白質、糖類などを使用する。卵
としては、鶏卵由来の全卵、卵黄、加糖全卵、加糖卵
黄、乾燥全卵、乾燥卵黄などがあげられ、これらの中か
ら選ばれた1種または2種以上を用いることができる。
本発明の冷凍カスタードクリーム中の卵の含有量は、好
ましくは0.5〜50重量%、さらに好ましくは5〜3
0重量%、最も好ましくは10〜20重量%である。
る牛乳、濃縮乳、純生クリーム、ホイップ用クリーム
(コンパウンドクリーム)、コーヒー用クリーム、純植
ホイップクリーム、加糖ホイップクリーム、脱脂粉乳、
全脂粉乳、生クリームパウダー、調整粉乳、ホエーパウ
ダー、練乳などがあげられ、これらの中から選ばれた1
種または2種以上を用いることができる。本発明の冷凍
カスタードクリーム中の乳蛋白質の含有量は、好ましく
は0.5〜80重量%、さらに好ましくは1〜50重量
%、最も好ましくは3〜30重量%である。
糖、粉糖、ブドウ糖、果糖、蔗糖、麦芽糖、乳糖、酵素
糖化水飴、還元澱粉糖化物、異性化液糖、蔗糖結合水
飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、還元乳糖、
ソルビトール、トレハロース、キシロース、キシリトー
ル、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フ
ラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳
果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノ
ースオリゴ糖、ステビア、アスパルテーム、はちみつな
どがあげられ、これらの中から選ばれた1種または2種
以上を用いることができる。本発明の冷凍カスタードク
リーム中の糖類の含有量は、好ましくは5〜50重量
%、さらに好ましくは8〜40重量%、最も好ましくは
10〜35重量%である。
は、コーヒー、紅茶、チョコレート、ナッツ、くり、果
汁、果実、チーズなどの呈味成分を加えても良い。ま
た、しらこやポリリジンなどのような天然保存料を使用
してもよいが、ソルビン酸カリウムなどの合成保存料は
使用しないのが好ましい。
好ましい製造方法について説明する。1つめの方法とし
ては、澱粉エステルおよび澱粉エーテルからなる群から
選ばれた1種または2種以上の化工澱粉およびグリシン
を、その他のカスタードクリーム原料と混合し、100
℃以下で加熱攪拌し、冷凍することにより、冷凍カスタ
ードクリームを得る方法があげられる。2つめの方法と
しては、澱粉エステルおよび澱粉エーテルからなる群か
ら選ばれた1種または2種以上の化工澱粉を、その他の
カスタードクリーム原料と混合し、100℃以下で加熱
攪拌し、これにグリシンを添加、混合し、冷凍すること
により、冷凍カスタードクリームを得る方法があげられ
る。
の温度は100℃以下、好ましくは80〜90℃とする
必要がある。また、上記のいずれの方法においても、冷
凍するときの温度は、好ましくは−18℃以下、さらに
好ましくは−30℃以下とするのがよい。
間の冷凍保存が可能であり、食する場合は、自然解凍、
冷蔵解凍、電子レンジにより解凍して食することができ
る。
が、本発明はこれら実施例によって限定されるものでは
ない。尚、特に記述がない限り、実施例中の%は重量に
よるものである。
クリーム配合)に従って原料を均一に混合して加熱攪拌
し、品温が80℃まで上昇してクリーム状になったとこ
ろで加熱を終了した。その後、カスタードクリームを袋
に詰めて冷凍した。なお、冷凍カスタードクリームに使
用しているエーテル化架橋澱粉の5%水溶液の粘度上昇
開始温度は58℃であった。得られた冷凍カスタードク
リームは、解凍後の風味および食感が良好で、かつ冷蔵
庫に1週間保管しても腐敗などが見られなかった。
クリーム配合)に従ってグリシン以外の原料を均一に混
合して加熱攪拌し、品温が80℃まで上昇してクリーム
状になったところで加熱を終了した。これにグリシンを
加え、均一に混合した。その後、カスタードクリームを
袋に詰めて冷凍した。なお、冷凍カスタードクリームに
使用しているエーテル化架橋澱粉、澱粉エステルの5%
水溶液の粘度上昇開始温度はそれぞれ58℃、53℃で
あった。得られた冷凍カスタードクリームは、解凍後の
風味および食感が良好で、かつ冷蔵庫に1週間保管して
も腐敗などが見られなかった。
クリーム配合)に従って原料を均一に混合して加熱攪拌
し、品温が80℃まで上昇してクリーム状になったとこ
ろで加熱を終了した。その後、カスタードクリームを袋
に詰めて冷凍した。なお、冷凍カスタードクリームに使
用しているエーテル化架橋澱粉A、エーテル化架橋澱粉
Bの5%水溶液の粘度上昇開始温度はそれぞれ58℃、
66℃であった。得られた冷凍カスタードクリームは、
解凍後の風味および食感が良好で、かつ冷蔵庫に1週間
保管しても腐敗などが見られなかった。
クリーム配合)に従って原料を均一に混合して加熱攪拌
し、品温が80℃まで上昇してクリーム状になったとこ
ろで加熱を終了した。その後、カスタードクリームを袋
に詰めて冷凍した。なお、冷凍カスタードクリームに使
用している架橋澱粉は、架橋処理のみでエーテル化、エ
ステル化処理は施していないものである。得られた冷凍
カスタードクリームは、解凍すると分離が見られ、風味
および食感が不良であった。
後も風味や食感が良好でかつ保存性も良好な冷凍カスタ
ードクリームおよびその製造方法を提供することができ
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 澱粉エステルおよび澱粉エーテルからな
る群から選ばれた1種または2種以上の化工澱粉および
グリシンを含有することを特徴とする冷凍カスタードク
リーム。 - 【請求項2】 上記化工澱粉が、架橋処理を施した化工
澱粉である請求項1記載の冷凍カスタードクリーム。 - 【請求項3】 上記化工澱粉が、該化工澱粉の3〜7重
量%水溶液の粘度上昇開始温度が70℃以下のものであ
る請求項1または2記載の冷凍カスタードクリーム。 - 【請求項4】 澱粉エステルおよび澱粉エーテルからな
る群から選ばれた1種または2種以上の化工澱粉および
グリシンを、その他のカスタードクリーム原料と混合
し、100℃以下で加熱攪拌し、冷凍することを特徴と
する冷凍カスタードクリームの製造方法。 - 【請求項5】 澱粉エステルおよび澱粉エーテルからな
る群から選ばれた1種または2種以上の化工澱粉を、そ
の他のカスタードクリーム原料と混合し、100℃以下
で加熱攪拌し、これにグリシンを添加、混合し、冷凍す
ることを特徴とする冷凍カスタードクリームの製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000326382A JP2002125595A (ja) | 2000-10-26 | 2000-10-26 | 冷凍カスタードクリームおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000326382A JP2002125595A (ja) | 2000-10-26 | 2000-10-26 | 冷凍カスタードクリームおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002125595A true JP2002125595A (ja) | 2002-05-08 |
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ID=18803576
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JP2000326382A Pending JP2002125595A (ja) | 2000-10-26 | 2000-10-26 | 冷凍カスタードクリームおよびその製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002125595A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015518372A (ja) * | 2012-04-04 | 2015-07-02 | ネステク ソシエテ アノニム | 湿潤食品要素及び乾燥食品要素を収容した複数区画製品 |
-
2000
- 2000-10-26 JP JP2000326382A patent/JP2002125595A/ja active Pending
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JP2015518372A (ja) * | 2012-04-04 | 2015-07-02 | ネステク ソシエテ アノニム | 湿潤食品要素及び乾燥食品要素を収容した複数区画製品 |
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