JP2002124366A - セラミック面状発熱体とその製造方法 - Google Patents

セラミック面状発熱体とその製造方法

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JP2002124366A JP2000312431A JP2000312431A JP2002124366A JP 2002124366 A JP2002124366 A JP 2002124366A JP 2000312431 A JP2000312431 A JP 2000312431A JP 2000312431 A JP2000312431 A JP 2000312431A JP 2002124366 A JP2002124366 A JP 2002124366A
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武弘 檀
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純郎 京野
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浩 不動寺
Mikihiko Kobayashi
幹彦 小林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで高い安全性を有することに加え
て、形状の軽薄短小化が可能で、可撓性および携便性に
優れたセラミック面状発熱体と、それを簡便に製造でき
る方法を提供する。 【解決手段】 温度特性機能を有する複数のセラミック
粒子が面状の電極間に配置されて通電されることで発熱
するセラミック発熱体であって、電極および電極間に配
置された複数のセラミック粒子は、予め電極と接触する
位置に電極端子を備えた袋状シートに入れられて真空パ
ックされることで袋状シートにより固定されて成形され
たセラミック面状発熱体とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、セラミッ
ク面状発熱体とその製造方法に関するものである。さら
に詳しくは、この出願の発明は、形状の自由度があって
軽薄短小化が可能で、可撓性および携便性に優れたセラ
ミック面状発熱体と、それを簡便に製造することができ
る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来より、自己制御型セラミ
ックヒーターは、ファンヒーター,ヘアドライヤー,蚊
取り器,鏡の曇止め装置等の家電分野や、打ち込みコン
クリート,水道管の凍結防止機器等の産業分野等で使用
されおり、その温度制御機能によって制御電子回路が不
要となるため、低コスト、高い安全性等という多くの長
所を持っている。
【0003】しかしながら、このような自己制御型セラ
ミックヒーターは焼結により成形されているため、その
形状はブロック状等の重厚長大な形状に限定されてしま
い、目的に応じた形状のものを得ることはできなかっ
た。最近では、住宅の床暖房用ヒーターや電気回路結露
防止ヒーター等として薄型の面状ヒーターの利用が拡大
しているが、自己制御型セラミックヒーターは薄型に成
形することができないため、利用分野の拡大は望めない
という状況であった。
【0004】一方で、面状ヒーターとしては、従来よ
り、導電性物質練り込み型ヒーターが広く用いられてい
る。この導電性物質練り込み型ヒーターは非常に薄型で
温度特性に優れたものであるが、制御電子回路が必要で
あったり、長期間の使用で導電性物質が移動して凝集
し、性能が劣化してしまうという欠点があった。
【0005】そこで、この出願の発明は、以上の通りの
事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の問題点を
解消し、低コストで高い安全性を有することに加えて、
形状の自由度および軽薄短小化が可能で、可撓性および
携便性に優れたセラミック面状発熱体と、それを簡便に
製造することができる方法を提供することを課題として
いる。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、この出願の発明
は、上記の課題を解決するものとして、以下の通りの発
明を提供する。
【0007】すなわち、まず第1には、この出願の発明
は、温度特性機能を有する複数のセラミック粒子が面状
の電極間に配置されて通電されることで発熱するセラミ
ック発熱体であって、電極および電極間に配置された複
数のセラミック粒子は、予め電極と接触する位置に電極
端子を備えた袋状シートに入れられて真空パックされる
ことで袋状シートにより固定されて成形されていること
を特徴とするセラミック面状発熱体を提供する。
【0008】そして第2には、この出願の発明は、上記
第1の発明について、セラミック粒子が、半導体化Ba
TiO3であることを特徴とするセラミック面状発熱体
を、第3には、セラミック粒子の表面が、帯電処理によ
って金属あるいは合金からなる子粒子に非連続に分散付
着されていることを特徴とするセラミック面状発熱体
を、第4には、セラミック粒子が半導体化BaTiO3
であり、子粒子が半導体化BaTiO3とオーミック接
合し高変形特性を有する金属あるいは合金であることを
特徴とするセラミック面状発熱体を提供する。
【0009】さらに第5には、この出願の発明は、上記
いずれかの発明について、袋状シートが、ガス透過率の
低いラミネート樹脂からなることを特徴とするセラミッ
ク面状発熱体を、第6には、袋状シートが、金属を蒸着
したラミネート樹脂からなることを特徴とするセラミッ
ク面状発熱体を、第7には、真空パックは、不活性ガス
雰囲気下で行われることを特徴とするセラミック面状発
熱体を提供する。
【0010】また、第8には、この出願の発明は、上記
第1ないし第7のいずれかの発明のセラミック面状発熱
体の製造方法であって、温度特性機能を有するセラミッ
ク粒子を面状の電極間に配置し、その電極および電極間
に配置されたセラミック粒子を、電極と接触する位置に
電極端子を備えた袋状シートに入れて真空パックするこ
とで固定し、成形することを特徴とするセラミック面状
発熱体の製造方法を提供する。
【0011】加えて、第9には、この出願の発明は、上
記第8の発明において、面状の電極間へのセラミック粒
子の配置は、一方の電極の周囲に絶縁性の枠を設けてな
る器の中にセラミック粒子を充填し、他方の電極で蓋を
することで行うことを特徴とするセラミック面状発熱体
の製造方法を、第10には、真空パックを不活性ガス雰
囲気下で行うことを特徴とするセラミック面状発熱体の
製造方法をも提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】この出願の発明は、上記の通りの
特徴を持つものであるが、以下にその実施の形態につい
て説明する。
【0013】まず、この出願の第1の発明が提供するセ
ラミック面状発熱体は、温度特性機能を有する複数のセ
ラミック粒子が面状の電極間に配置されて通電されるこ
とで発熱するセラミック発熱体であって、電極および電
極間に配置された複数のセラミック粒子は、予め電極と
接触する位置に電極端子を備えた袋状シートに入れられ
て真空パックされることで袋状シートにより固定されて
成形されている。
【0014】温度特性機能を有するセラミック粒子は、
通電により発熱するセラミック発熱体を実現するものと
して、温度の上昇とともに抵抗が増加する正の抵抗温度
係数を有するものが使用できる。セラミック粒子の粒径
については、たとえば、20μm程度のものから数mm
程度のものなど、任意の大きさのものを使用することが
できる。
【0015】面状の電極は、各種の金属や合金等からな
り、たとえば、板状であったり、さらに薄い箔であって
もよい。その形状は、セラミック面状発熱体の形状に合
わせた所望のものとすることができる。また、面状電極
の表面に凹凸や溝を設けたり、箔等の表面形状が可変の
面状電極を用いることなどで、セラミック粒子との接触
面積を増大させたり、セラミック粒子の配置を容易にす
ることもできる。
【0016】上記の複数のセラミック粒子は、面状電極
間に配置されている。セラミック粒子の配置状態も任意
であるが、たとえばより薄く通電効率のよい面状発熱体
を得るには、セラミック粒子を電極間に密に単層配置さ
せることが好ましい。もちろん、セラミック粒子を電極
間に複数層配置させてもよいし、面状電極を多層構造と
してその間にセラミック粒子を配置させる等してもよ
い。
【0017】このような構成のセラミック粒子と電極
は、袋状シートに入れ真空パックすることで、焼結する
ことなく、袋状シートにより固定されて成形されてい
る。
【0018】真空パックという手法は既に様々な分野で
使用されている方法であるが、真空パック内の吸引圧力
をセラミック面状発熱体の成形、すなわち、セラミック
粒子間およびセラミック粒子と電極間の固定化に利用す
ること、およびこれをセラミック面状発熱体に適用する
ことは、今までには考えられなかった全く新しい試みで
ある。また、真空パックは、簡便な装置で極めて容易
に、しかも比較的短時間で実施できるという長所を持っ
ており、さらにはレトルト食品等の例で明らかなよう
に、長期間その真空密封効果が維持されることも既に証
明済みである。
【0019】以上のような真空パック手法を利用してセ
ラミック粒子を固定して成形することで、従来のセラミ
ック焼結体ヒーターの長所に加え、厚さ等の形状に大き
な制限のないセラミック面状発熱体を実現することがで
きる。たとえば、長方形や丸形をはじめ任意の形状の発
熱体や、その厚さを薄くした面状、さらにはシート状の
発熱体をも実現することができる。またこの出願の発明
においては、電極およびセラミック粒子を袋状シートで
固定して成形しているため、ある程度の変形が可能な可
撓性を備えたセラミック面状発熱体が実現される。
【0020】これによって、セラミック発熱体に形状の
自由度が備わり、軽薄短小化が可能となり、様々な用途
に用いることができる携便性に優れたセラミック面状発
熱体が実現される。また、このセラミック面状発熱体
は、発熱材料そのものがセラミックであるため、導電性
物質練り込み型ヒーター等のように劣化することはほと
んどなく、高い安全性を有してもいる。
【0021】この出願の第2の発明が提供するセラミッ
ク面状発熱体は、上記第1の発明について、セラミック
粒子が、半導体化BaTiO3であることを特徴として
いる。
【0022】温度特性機能を有するセラミック粒子とし
ては、一般には、正または負の抵抗温度係数を有するも
のがあり、さらには、温度によって電気抵抗が急増した
り、あるいは逆に急減したりする非線型温度特性を有す
るものがある。この出願の発明においては、正の温度抵
抗を有するもの、特に、ある温度以上で抵抗が著しく高
くなるという非線形で正の抵抗温度係数を有するものを
用いることが好ましい。このような特性を持ち合わせた
セラミック材料としては、例えば、SrTiO 3、Ba
TiO3等のチタン酸塩の半導体材料を例示することが
でき、なかでも半導体化BaTiO3を用いることが望
ましい。この半導体化BaTiO3をセラミック面状発
熱体の発熱材料に用いると、発熱体の温度がある温度以
上になった場合に急激に抵抗が増加するため必然的に電
流値が低下し、それ以上の発熱を抑えることができる。
【0023】これによって、自己制御型の温度コントロ
ール機能を有するために制御電子回路が不要で、低コス
トなセラミック面状発熱体が実現される。
【0024】この出願の第3の発明が提供するセラミッ
ク面状発熱体は、上記第1または第2の発明について、
セラミック粒子の表面が、帯電処理によって金属あるい
は合金からなる子粒子に非連続に分散付着されているこ
とを特徴としている。
【0025】セラミック粒子は、集合体の場合は室温付
近で既に接触電気抵抗が高くなり、温度により電気抵抗
が急増したり、あるいは逆に急減したりする非線型温度
特性をうまく活かせない場合がある。セラミック粒子集
合体の室温付近における高い電気抵抗は、セラミック粒
子間に作用する接触抵抗によるものである。そこで、こ
の出願の発明者らが過去に提案(特許第2694895
号)した方法等により、セラミック粒子の表面に帯電処
理を施すことで金属あるいは合金からなる子粒子を非連
続で分散付着させて、セラミック粒子間およびセラミッ
ク粒子と電極との間の接触抵抗を減少させることができ
る。
【0026】この場合、金属あるいは合金からなる子粒
子として、使用するセラミック粒子とオーミック接合す
る材料を用いることで接触抵抗をより激減させることが
できる。そこで、この出願の第4の発明においては、セ
ラミック粒子として半導体化BaTiO3を、子粒子と
して半導体化BaTiO3とオーミック接合し高変形特
性を有する金属あるいは合金を用いるようにしている。
半導体化BaTiO3とオーミック接合する金属あるい
は合金としては、例えば、インジウム(In)やPb−
Sn−Y合金等が例示される。このような粒子による機
能を粒子の成形体に適用する試みも、今までに知られて
いなかった新しい試みである。
【0027】このように子粒子が分散されたセラミック
粒子を用いることで、セラミック粒子間およびセラミッ
ク粒子と電極との間の接触抵抗を減少させることがで
き、セラミック粒子を電極間に複数層配置させることな
ども可能となる。
【0028】これによって、セラミック粒子間およびセ
ラミック粒子と電極との間の接触抵抗が減少され、より
非線型温度特性の強いセラミック面状発熱体が実現され
る。
【0029】この出願の第5の発明が提供するセラミッ
ク面状発熱体は、上記いずれかの発明について、袋状シ
ートが、ガス透過率の低いラミネート樹脂からなること
を特徴としている。この出願の発明のセラミック面状発
熱体に用いる袋状シートとしては、発熱体の発熱温度で
の劣化のないもの、ある程度の強度のあるもの、熱収縮
率の高いものを使用することができるが、さらには、ガ
ス透過率の低いラミネート樹脂からなるものであること
が好ましい。
【0030】空気等のガス透過率の低いラミネート樹脂
としては、たとえば、熱融着性ポリエチレン、サラン樹
脂、ナイロン等の耐熱性樹脂等を例示することができ
る。このようなガス透過率の低いラミネート樹脂製の袋
状シートを用いてセラミック面状発熱体を成形すること
で、成形後の袋状シート内の真空密封状態を保つことが
でき、セラミック面状発熱体の成形形状を長期間にわた
って維持することができる。
【0031】この出願の第6の発明が提供するセラミッ
ク面状発熱体は、上記いずれかの発明について、袋状シ
ートが、金属を蒸着したラミネート樹脂からなることを
特徴としている。金属を蒸着したラミネート樹脂からな
るシートとしては、たとえば一般に知られている、アル
ミニウム,シリカ,アルミナあるいはシリカとアルミナ
の両方を蒸着した袋状シート等の各種のものを使用する
ことができる。このような金属を蒸着したラミネート樹
脂製の袋状シートを用いてセラミック面状発熱体を成形
することで、ガス透過率をより低減させることができ、
さらには、耐熱収縮性,遮光性,防湿性等の特性をも備
えることができる。そして、たとえば、セラミック粒子
を金属あるいは合金の子粒子で覆う場合等には、子粒子
の劣化を防ぐこともできる。
【0032】この出願の第7の発明が提供するセラミッ
ク面状発熱体は、上記いずれかの発明について、真空パ
ックが、不活性ガス雰囲気下で行われるようにしてい
る。空気中には窒素や酸素、水分をはじめとし、二酸化
硫黄や異物質等が含まれている。袋状シートの真空パッ
クを空気中で実施したセラミック面状発熱体の袋状シー
ト内には、ごくわずかながら、酸素、水分あるいは反応
性物質等が残留する可能性があり、その場合、長期経過
後には袋状シート内部の電極やセラミック粒子を覆う金
属あるいは合金の子粒子等を劣化させることが考えられ
る。そのため、たとえば、窒素やアルゴン等の不活性ガ
スの雰囲気下で袋状シートを真空パックすることで、袋
状シート内の酸素、水分あるいは反応性物質等の残留を
防ぎ、電極やセラミック粒子を覆う金属あるいは合金の
子粒子等の劣化を抑制することができる。これによっ
て、長期耐久性をも兼ね備えたセラミック面状発熱体を
得ることができる。
【0033】この出願の第8の発明が提供するセラミッ
ク面状発熱体の製造方法は、上記第1ないし第7のいず
れかの発明のセラミック面状発熱体ための製造方法であ
って、温度特性機能を有するセラミック粒子を面状の電
極間に配置し、その電極および電極間に配置されたセラ
ミック粒子を、電極と接触する位置に電極端子を備えた
袋状シートに入れて真空パックすることで固定し、成形
することを特徴としている。
【0034】温度特性機能を有するセラミック粒子は、
セラミック面状発熱体の発熱材料であり、セラミック粒
子単体であってもよいし、セラミック粒子の表面が金属
あるいは合金からなる子粒子に非連続に分散付着されて
いてもよい。このような複数のセラミック粒子を、たと
えば2枚の板状の電極の間に配置させる。この時、セラ
ミック粒子間の抵抗を低減させるためには、セラミック
粒子を隙間なく単層で配置させることが好ましい。セラ
ミック粒子が金属あるいは合金の子粒子で覆われている
場合には、接触抵抗の影響が少ないため、たとえば2〜
3層程度に配置してもよい。
【0035】面状電極間へのセラミック粒子の配置を簡
便なものとするために、この出願の第9の発明が提供す
るセラミック面状発熱体の製造方法は、一方の電極の周
囲に絶縁性の枠を設けてなる器の中にセラミック粒子を
充填し、他方の電極で蓋をすることで行うようにしてい
る。
【0036】電極の周囲に枠を設けることで面状の電極
が器となり、その中に複数のセラミック粒子を入れるこ
とで、扱いにくいセラミック粒子を容易に電極上にを配
置することができる。枠は、絶縁性であって、中に入れ
たセラミック粒子をこぼすことなく、粒子の移動を抑制
できるものであれば、その強度および材質等は特に制限
されない。さらには、枠に加えて電極の内部に絶縁性の
仕切等を備えることで、よりセラミック粒子の移動を制
限できる。これらの枠および仕切には、あらかじめセラ
ミック粒子および子粒子の直径よりも小さな孔を設けて
おくことで、後工程の真空パックを容易に行なうことが
できる。次いで上方より別の面状電極で蓋をすること
で、セラミック粒子を面状電極間に配置する。
【0037】上記のような構成の電極およびセラミック
粒子を、袋状シート内に入れ、袋状シートの内を10T
orr程度の真空に排気して、袋状シートを融着する。
このような真空パックにより、袋状シート内に収納され
た電極およびセラミック粒子は袋状シートにより圧着さ
れて固定される。
【0038】真空パックは、一般に用いられている真空
封入装置等を利用すると、極めて容易に短時間で行うこ
とができる。袋状シートには、シートの内と外に通じる
電極端子が電極と接触する位置にあらかじめ備えられて
おり、袋状シートの外から電極を通じてセラミック粒子
に通電できるようになっている。
【0039】これによって、所望の形状で可撓性を有し
携便性に優れたセラミック面状発熱体を、焼結すること
なく、簡便に製造することができる。
【0040】この出願の第10の発明が提供するセラミ
ック面状発熱体の製造方法は、上記第9の発明の方法に
おいて、真空パックを不活性ガス雰囲気下で行うように
している。窒素やアルゴンなどの不活性ガスの雰囲気下
で真空パックすることで、電極あるいはセラミック粒子
の周囲を覆う金属あるいは合金の子粒子の劣化を抑制す
ることができる。
【0041】この場合の不活性ガス雰囲気下での真空パ
ックは、雰囲気全体を不活性ガスで満たした状態として
もよいが、セラミック粒子および電極の雰囲気を不活性
ガスで満たすことでも同様の効果が得られる。具体的に
は、たとえば、セラミック粒子および電極を配置した袋
状シートに不活性ガスを充填し、外部から空気等が入ら
ないようにしながら排気し、真空パックすることでも実
現できる。
【0042】これによって、セラミック粒子の周囲を金
属あるいは合金の子粒子で覆った場合でも、長期にわた
って劣化することのないセラミック面状発熱体を製造す
ることができる。
【0043】以下、添付した図面に沿って実施例を示
し、この発明の実施の形態についてさらに詳しく説明す
る。
【0044】
【実施例】(実施例1)図1は、この出願の発明のセラ
ミック面状発熱体の製造において、面状の電極間にセラ
ミック粒子を配置させる様子を例示した概略図である。
電極としてのIn(インジウム)箔(2)の上面に、内
法25mm角,高さ0.5mの紙製の枠(1)と、その
枠(1)の真中を十字に区切る紙製の仕切(5)を接着
して、ごく薄い容器を作製した。なお、枠(1)と仕切
(5)には、脱気のため微小の孔を数箇所設けた。この
容器内に、粒径700μmの半導体化BaTiO
3(3)を一層隙間なく充填し、上方よりもう一枚のI
n箔(4)を接着して蓋とし、BaTiO3充填体とし
た。BaTiO3充填体は、枠(1)および仕切(5)
によって半導体化BaTiO3(3)の移動を制限して
いるため、半導体化BaTiO3(3)の充填およびB
aTiO3充填体の移動は容易に行うことができた。
【0045】このBaTiO3充填体を、図2に示した
ように、あらかじめ電極端子としてのCu箔(7),
(8)を設けておいた真空パック用の樹脂製袋(6)
に、In箔(2),(4)とCu箔(7),(8)がそ
れぞれ接触するように入れ、業務用真空封入装置を用い
て10Torrの真空に吸引して融着シールで密閉し、
ごく薄いセラミック面状発熱体を完成させた。得られた
セラミック面状発熱体の断面を、図3に模式的に示し
た。
【0046】このセラミック面状発熱体のPTC特性を
調べ、その結果を図5に示した。図5より、このセラミ
ック面状発熱体の抵抗は温度の上昇と共に連続的に増加
して、約90℃付近で急激に値が高くなる非線型で正の
温度抵抗特性を示した。また100℃付近での抵抗はM
Ωオーダーにも達することが確認された。このことか
ら、この出願の発明のセラミック面状発熱体は、発熱し
て自己の温度がある温度以上の高温になると急激に抵抗
が増加するために必然的に電流値が低下して、その温度
以上への加熱が抑えられるという自己制御型の温度コン
トロール機能を有することが確認された。
【0047】また、このセラミック面状発熱体への印加
電圧を、一定時間毎に1〜100Vの範囲で段階的に変
化させたときの電流および温度を図6に示した。なお、
図中の数字は印加電圧(V)を示している。図6より、
この出願の発明のセラミック面状発熱体は、印加電圧の
上昇とともに温度上昇が鈍化すること、ならびに、印加
電圧および温度の上昇とともに電流が低下すること、す
なわち電気抵抗が増加することも確認された。
【0048】以上のことから、この出願の発明のセラミ
ック面状発熱体は、住宅用床暖房用ヒーターや電気回路
結露防止ヒーター等として利用できることが示された。 (実施例2)実施例1における半導体化BaTiO
3(3)の代わりに、帯電処理によって、粒径300〜
355μmのBaTiO3親粒子の周囲に粒径20μm
アンダーの金属In子粒子を非連続的に分散付着させた
複合粒子(9)を2〜3層密に充填し、その他は実施例
1と同様にセラミック面状発熱体を作製した。このよう
にして得られたセラミック面状発熱体の断面の模式図
を、図4に例示した。
【0049】このセラミック面状発熱体に通電したとき
のPTC特性を調べ、その結果を図7に示した。図7か
らも、このセラミック面状発熱体の抵抗は温度の上昇と
共に連続的に増加し、約90℃付近で急激に値が高くな
る、非線型で正の温度抵抗特性を有することが確認され
た。
【0050】もちろん、この発明は以上の例に限定され
るものではなく、細部については様々な態様が可能であ
ることは言うまでもない。
【0051】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明によ
って、低コストで高い安全性を有することに加えて、形
状の軽薄短小化が可能で、可撓性および携便性に優れた
セラミック面状発熱体と、それを簡便に製造できる方法
が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例において、電極間にセラミック粒子を配
置させる様子を例示した概略図である。
【図2】実施例において、樹脂製袋内にセラミック粒子
を充填した電極を入れる様子を例示した概略図である。
【図3】実施例において製造したセラミック面状発熱体
の断面を例示した模式図である。
【図4】実施例において製造したセラミック面状発熱体
の断面を例示した模式図である。
【図5】実施例において製造したセラミック面状発熱体
のPTC特性を示した図である。
【図6】実施例において製造したセラミック面状発熱体
の印加電圧に対する電流および温度の関係を示した図で
ある。
【図7】実施例において製造したセラミック面状発熱体
のPTC特性を示した図である。
【符号の説明】
1 枠 2、4 In箔 3 半導体化BaTiO3 5 仕切 6 真空パック用の樹脂製袋 7、8 Cu箔 9 複合粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 不動寺 浩 茨城県つくば市千現1丁目2番1号 科学 技術庁金属材料技術研究所内 (72)発明者 小林 幹彦 茨城県つくば市千現1丁目2番1号 科学 技術庁金属材料技術研究所内 (72)発明者 新谷 紀雄 茨城県つくば市千現1丁目2番1号 科学 技術庁金属材料技術研究所内 Fターム(参考) 3K034 AA04 AA07 BA08 BA13 BB08 BB13 BB19 BC09 BC17 BC24 CA02 CA33 GA04 HA07 HA08 HA09 HA10 JA01 JA09 3K092 PP20 QA05 QB05 QB21 QB32 QC02 QC05 QC26 QC43 RF02 RF14 RF26 RF27 TT28 TT40 VV04 VV33

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度特性機能を有する複数のセラミック
    粒子が面状の電極間に配置されて通電されることで発熱
    するセラミック発熱体であって、電極および電極間に配
    置された複数のセラミック粒子は、予め電極と接触する
    位置に電極端子を備えた袋状シートに入れられて真空パ
    ックされることで袋状シートにより固定されて成形され
    ていることを特徴とするセラミック面状発熱体。
  2. 【請求項2】 セラミック粒子が、半導体化BaTiO
    3であることを特徴とする請求項1記載のセラミック面
    状発熱体。
  3. 【請求項3】 セラミック粒子の表面が、帯電処理によ
    って金属あるいは合金からなる子粒子に非連続に分散付
    着されていることを特徴とする請求項1または2記載の
    セラミック面状発熱体。
  4. 【請求項4】 セラミック粒子が半導体化BaTiO3
    であり、子粒子が半導体化BaTiO3とオーミック接
    合し高変形特性を有する金属あるいは合金であることを
    特徴とする請求項3記載のセラミック面状発熱体。
  5. 【請求項5】 袋状シートが、ガス透過率の低いラミネ
    ート樹脂からなることを特徴とする請求項1ないし4の
    いずれかのセラミック面状発熱体。
  6. 【請求項6】 袋状シートが、金属を蒸着したラミネー
    ト樹脂からなることを特徴とする請求項5記載のセラミ
    ック面状発熱体。
  7. 【請求項7】 真空パックは、不活性ガス雰囲気下で行
    われることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかの
    セラミック面状発熱体。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかのセラミッ
    ク面状発熱体の製造方法であって、温度特性機能を有す
    るセラミック粒子を電極間に配置し、その電極および電
    極間に配置されたセラミック粒子を、電極と接触する位
    置に電極端子を備えた袋状シートに入れて真空パックす
    ることで袋状シートで固定して成形することを特徴とす
    るセラミック面状発熱体の製造方法。
  9. 【請求項9】 面状の電極間へのセラミック粒子の配置
    は、一方の電極の周囲に絶縁性の枠を設けてなる器の中
    にセラミック粒子を充填し、他方の電極で蓋をすること
    で行うことを特徴とする請求項8記載のセラミック面状
    発熱体の製造方法。
  10. 【請求項10】 真空パックを不活性ガス雰囲気下で行
    うことを特徴とする請求項8または9記載のセラミック
    面状発熱体の製造方法。
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