JP2002124188A - 画像表示装置の製造方法 - Google Patents

画像表示装置の製造方法

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JP2002124188A
JP2002124188A JP2000312553A JP2000312553A JP2002124188A JP 2002124188 A JP2002124188 A JP 2002124188A JP 2000312553 A JP2000312553 A JP 2000312553A JP 2000312553 A JP2000312553 A JP 2000312553A JP 2002124188 A JP2002124188 A JP 2002124188A
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electrode
gas
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Koichi Iida
耕一 飯田
Morikazu Konishi
守一 小西
Kazuto Kimura
和人 木村
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Original Assignee
Sony Corp
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  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノッキング工程時における構成部品の破損を
抑制しつつ、優れた歩留りを有する画像表示装置の製造
方法を提供する。 【解決手段】 フロントパネル10とバックパネル20
とを合体させてFED本体を組み立てたのち、内部空間
40に放電用ガスGH を導入する。この放電用ガスGH
としては、キセノンガス(Xe)などの低イオン化エネ
ルギーガスを用いる。動作電圧VD よりも小さな値の放
電電圧VH をアノード電極12〜カソード電極22間に
印加し、内部空間40に比較的小さいエネルギーを有す
る浄化放電Hを発生させ、この浄化放電Hのエネルギー
を利用してバリやゴミなどの放電トリガーを焼き飛ば
す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動作電圧の印加に
応じて発光体が発光することにより画像を表示する画像
表示装置の製造方法に係り、特に、放電のエネルギーを
利用してバリやゴミなどを焼き飛ばす工程を含む画像表
示装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ブラウン管(Cathode Ray Tube;
CRT)の他、液晶表示装置(LiquidCristal Displa
y;LCD)、有機エレクトロルミネセント(Electrolu
minescent;EL)表示装置、プラズマ表示装置(Plasm
a Display Panel ;PDP)または電界放出型表示装置
(Field Emission Display;FED)などの画像表示装
置の開発が盛んに行われている。これらの画像表示装置
は、それぞれが画像表示装置としての優れた利点を有し
ており、今後、使用用途等に応じて選択的に利用される
ことが想定される。
【0003】上記した一連の画像表示装置のうち、特
に、それらの輝度特性に着目するならば、CRTやFE
Dなどが他のLCD等よりも性能的に優れている。CR
TおよびFEDは、主に、電子の衝突により発光する発
光体と、この発光体に対して電子を放出するための電子
放出体とを備え、発光体の発光現象を利用して画像を表
示するものである。上記の「電子放出体」は、例えば、
CRTでは電子銃に相当し、FEDでは冷陰極(エミッ
タ)に相当する。電子銃やエミッタから放出された電子
は、真空雰囲気を有する内部空間を通過して発光体まで
到達する。CRTやFEDなどは、発光体の発光現象を
利用した自発光型の画像表示装置であるため、自ら発光
する機能を有せず、バックライトなどの外部光源を利用
するLCDなどの他の画像表示装置よりも優れた輝度特
性を確保することが可能となる。
【0004】CRTやFEDなどの画像表示装置の製造
工程では、画像表示装置本体を組み立て、内部空間を真
空雰囲気としたたのち、製品使用時において電子銃、エ
ミッタおよび発光体等の破損を誘発する不要な放電が発
生することを抑制するためにノッキング処理を行ってい
る。ノッキング工程では、例えば、電子銃またはエミッ
タ〜発光体間に所定の電圧を印加することにより内部空
間に強制的に放電を発生させ、製品使用時における不要
な放電の発生要因となるバリやゴミなどの放電トリガー
を放電のエネルギーを利用して焼き飛ばしている。この
ノッキング処理により、電子銃やエミッタなどの表面が
清浄化される。以下では、特に、製品使用時における意
図しない不要な放電と区別するため、CRTやFEDな
どの製造工程において意図的に行われる電子銃やエミッ
タ等の清浄化等を目的とした放電を「浄化放電」と呼称
することとする。なお、ノッキング工程では、例えば、
浄化放電を発生させたのち、必要に応じて電子銃等を加
熱し、電子銃等を活性化および安定化させる場合もあ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
CRTやFEDの製造に係るノッキング工程では、以下
のような問題があった。すなわち、ノッキング工程にお
いて、放電トリガーの残存を防止すべく、製品動作時の
電圧(動作電圧)以上の値の電圧を印加している。この
ような場合には、内部空間に過剰なエネルギーの浄化放
電が発生することにより、この浄化放電の影響により電
子銃やエミッタなどの構成部品が破損し、CRTやFE
Dの製造歩留りが低下してしまう。このような問題は、
特に、CRTやFEDの輝度特性等を向上させるために
大きな動作電圧が設定され、これに応じてノッキング工
程において大きな値の電圧印加を要する場合に顕著とな
る。
【0006】なお、上記の問題は、CRTやFEDの製
造に係るノッキング工程においてのみ生じるものではな
く、PDPなどの製造に係るノッキング工程においても
同様に生じるものである。
【0007】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、ノッキング工程時における構成
部品の破損を抑制しつつ、優れた歩留りを有する画像表
示装置の製造方法を提供することにある。
【0008】本発明は、また、バリ等の放電トリガーの
除去に加え、電子放出源となる電極表面のコンディショ
ニングも可能である画像表示装置の製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による画像表示装
置の製造方法は、所定の大きさの動作電圧を印加すると
共に発光体を発光させることにより画像表示を行う画像
表示装置の製造方法であって、任意の2つの電極間に動
作電圧よりも小さな値の放電電圧を印加することによ
り、画像表示時において発生する放電のエネルギーより
も小さなエネルギーの放電を発生させる放電工程を含む
ようにしたものである。
【0010】本発明による画像表示装置の製造方法で
は、任意の2つの電極間に動作電圧よりも小さな値の放
電電圧が印加されることにより、画像表示時において発
生する放電のエネルギーよりも小さなエネルギーの放電
が発生する。そして、このとき発生した放電のエネルギ
ーにより、発光体などの構成部品を破損させることなく
不要なバリやゴミなどの放電トリガーが除去されると共
に、電極の表面がコンディショニング(清浄化)され
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。
【0012】[第1の実施の形態]まず、図1〜図9を
参照して、本発明の第1の実施の形態に係る画像表示装
置の製造方法について説明する。なお、以下では、例え
ば、FEDの製造方法について説明する。
【0013】図1は、本実施の形態のFEDの製造方法
により製造されるFEDの概略構成を表すものである。
FEDは、主に、真空雰囲気を保つことが可能な内部空
間40を介して、フロントパネル(表示パネル)10と
バックパネル20とが対向するように構成されている。
フロントパネル10およびバックパネル20の周辺は、
側壁30により囲まれている。ここで、フロントパネル
10が本発明における「第1の部材」の一具体例に対応
し、バックパネル20が本発明における「第2の部材」
の一具体例に対応する。
【0014】フロントパネル10は、例えば、ガラスな
どよりなる透明基板11と、この透明基板11における
バックパネル20との対向面側に配設されたアノード電
極12と、ブラックマトリックス13と、発光体14と
を備えている。発光体14は、ブラックマトリックス1
3の各凹部13Kに配設されている。カラー画像を表示
するFEDでは、レッド(R),グリーン(G),ブル
ー(B)の各色の発光を生じるように発光体14が構成
される。ブラックマトリックス13は、例えば、酸化コ
バルト等の金属酸化物により黒色に着色された鉛ガラス
などにより形成されている。
【0015】一方、バックパネル20は、ガラスなどよ
りなる透明基板21と、この透明基板21におけるフロ
ントパネル10との対向面側に配設されたカソード電極
22と、エミッタ23と、絶縁壁24と、ゲート電極2
5とを備えている。エミッタ23は、電子eを放出する
冷陰極として機能するものであり、例えば、いわゆるス
ピント(Spindt)型と呼ばれる複数の円錐状の構造を有
する電極単位の集合体である。一般に、エミッタ23か
ら電子eが放出される現象は、「電界放出(フィールド
エミッション;Field Emission)」と呼ばれている。絶
縁壁24は、各エミッタ13間を電気的に分離させるた
めのものであり、例えば二酸化珪素(SiO2 )などに
より形成されている。ゲート電極25は、主に、エミッ
タ23から放出される電子eを制御する機能を有するも
のであり、例えばクロムなどにより形成されている。
【0016】FEDでは、アノード電極12〜カソード
電極22間に電圧が印加されることにより、「電界放
出」現象によりエミッタ23の先端から電子eが内部空
間40に放出される。このとき放出された電子eは、内
部空間40に生じた電界により加速され、発光体14ま
で導かれる。そして、発光体14に対して電子eが衝突
することにより発光Eが生じ、画像が表示される。な
お、電子eに対する障壁としての機能を有するブラック
マトリックス13が存在することにより、発光体14の
表面近傍で反射した一部の電子eが発光対象以外の他の
発光体(例えば、隣りに配設された発光体14)に到達
する現象(すなわち、「混色」)が回避される。
【0017】図2は、図1に示したFEDの製造方法を
説明するための一連の製造工程を表すものであり、図3
〜図9は、図1に示したFEDの一連の製造工程のうち
の主要な工程を説明するためのものである。ここで、図
3〜図5は「FED本体の組み立て工程(S13)」を
説明するためのものであり、図6および図7は「ノッキ
ング工程(S14)」を説明するためのものであり、図
8および図9は「封止工程(S15)」を説明するため
のものである。なお、図3〜図9では、図面を簡略化す
るため、フロントパネル10については透明基板11お
よびアノード電極12のみを図示し、バックパネル20
については透明基板21およびカソード電極22のみを
図示している。
【0018】FEDの製造工程は、例えば、時系列に、
「フロントパネル10の形成工程(S11)」,「バッ
クパネル20の形成工程(S12)」,「FED本体の
組み立て工程(S13)」,「ノッキング工程(S1
4)」,「封止工程(S15)」,「検査工程(S1
6)」などを含んでいる。以下では、例えば、「FED
本体の組み立て工程(S13)」を大気中で行う場合に
ついて、各工程を順に説明する。
【0019】「フロントパネル10の形成工程(S1
1)」では、透明基板11にアノード電極12、ブラッ
クマトリックス13および発光体14等を順に装着し、
フロントパネル10を形成する。この工程には、発光体
14に対する焼成処理なども含まれる。フロントパネル
10を形成する際には、例えば、その一部に開口部10
Kを形成するようにする(図3参照)。なお、上記した
開口部(10K)は、後述する「バックパネル20の形
成工程(S12)」において、バックパネル20の一部
に形成するようにしてもよい。
【0020】「バックパネル20の形成工程(S1
2)」では、透明基板21にカソード電極22、エミッ
タ23等を順に装着し、バックパネル20を形成する。
この工程には、エミッタ23に対する焼成処理なども含
まれる。
【0021】「FED本体の組み立て工程(S13)」
では、まず、図3に示したように、フロントパネル10
におけるアノード電極12の一部およびバックパネル2
0におけるカソード電極22の一部に、例えばガラスフ
リットなどよりなる封着用ガラス剤50を塗布する。続
いて、図4に示したように、封着用ガラス剤50を介し
てフロントパネル10、バックパネル20および側壁3
0を合体させ、FED本体を組み立てる。これにより、
フロントパネル10とバックパネル20との間に内部空
間40が形成される。続いて、図5に示したように、封
着用ガラス剤50を介して、枝管52を備えたガラスチ
ップ管51とバックパネル20とを接続させ、開口部1
0Kを通じて内部空間40とガラスチップ管51の管内
とを導通させる。続いて、後工程において内部空間40
に放電用ガスGH や置換用ガスG T を供給するための複
数のボンベと枝管52とを接続する。続いて、例えば4
30°C程度の温度で全体を焼成し、封着用ガラス剤5
0を安定化させる。
【0022】「ノッキング工程(S14)」では、ま
ず、図6に示したように、ガラスチップ管51に対して
真空ポンプ60を接続する。続いて、真空ポンプ60を
駆動させ、内部空間40を満たしていたガス(例えば空
気等)を排気したのち、枝管52を通じて内部空間40
に放電用ガスGH を導入する。この放電用ガスGH の詳
細については後述する。なお、上記の排気処理は、フロ
ントパネル10およびバックパネル20等を加熱しなが
ら行うようにしてもよい。続いて、図7に示したよう
に、例えば、アノード電極12およびカソード電極22
のそれぞれと電圧印加回路61とを配線62を介して接
続する。この電圧印加回路61としては、例えば、パル
ス制御による駆動方式のものを用いるようにし、パルス
信号の周波数、デューティー比および波形等に応じて印
加電圧が制御されるようにする。続いて、電圧印加回路
61を駆動させてアノード電極12〜カソード電極22
間に所定の大きさの電圧(放電電圧VH )を印加し、内
部空間40に浄化放電Hを発生させる。この浄化放電H
により、発光体14やエミッタ23などの表面に付着し
ていたバリやゴミなどの放電トリガーが焼き飛ばされる
と共に、エミッタ23等の表面がコンディショニング
(清浄化)される。このときの放電時間や放電回数等は
自由に設定可能である。
【0023】ここで、放電用ガスGH および放電電圧V
H の詳細について説明する。
【0024】放電用ガスGH は、「ノッキング工程(S
14)」において浄化放電Hを発生させるために内部空
間40に満たされる放電用媒体である。この放電用ガス
Hとしては、後述する「封止工程(S15)」におい
て内部空間40に導入される置換用ガスGT のイオン化
エネルギーよりも小さいイオン化エネルギーのガス、例
えば、キセノンガス(Xe)、ヘリウムネオンガス(H
eNe)または各種のぺニングガスなどの不活性ガスを
用いるようにする。この「ぺニングガス」とは、ぺニン
グイオン化を生じるような複数のガスの混合物であり、
例えば、ネオンガス(Ne)に対して0.1%〜1.0
%程度のアルゴンガス(Ar)を混合させたものなどで
ある。内部空間40に放電用ガスGH を導入する際に
は、例えば、その圧力(放電圧力PH )が約103 Pa
以上となるようにする。
【0025】浄化放電Hを発生させる際には、アノード
電極12〜カソード電極22間に動作電圧VD よりも小
さい値の放電電圧VH (VH <VD )を印加するように
する。具体的には、例えば、動作電圧VD が約7kVで
ある場合には、放電電圧VHを300Vとする。
【0026】引き続き、FEDの製造工程について説明
する。「封止工程(S15)」では、まず、図8に示し
たように、真空ポンプ60を駆動させ、内部空間40を
満たしていた放電用ガスGH やノッキング処理時に発生
した反応ガスなどを排気したのち、例えば、ラドン(R
n)などの不活性ガスよりなる置換用ガスGT を枝管5
2を通じて内部空間40に導入する。続いて、真空ポン
プ60を再び駆動させ、内部空間40の圧力状態が所定
の圧力状態(例えば、10-3Pa〜10-2Pa)となる
まで減圧し、内部空間40を真空雰囲気とする。続い
て、図9に示したように、フロントパネル10からガラ
スチップ間51等を取り外すと共に、フロントパネル1
0の開口部10Kを封着用ガラス剤50により熱封着す
る。
【0027】「検査工程(S16)」では、FEDの諸
特性(例えば、動作特性,輝度特性等)に関する一連の
検査を行い、それらが合格基準を満たすものであるかど
うかを確認する。
【0028】本実施の形態のFEDの製造方法では、
「ノッキング工程(S14)」において、動作電圧VD
よりも小さい値の放電電圧VH をアノード電極12〜カ
ソード電極22間に印加することにより浄化放電Hを発
生させているので、この浄化放電Hのエネルギーは、ノ
ッキング工程において動作電圧VD 以上の値の電圧を印
加していた従来の場合に生じる浄化放電のエネルギーよ
りも小さくなる。これにより、従来の場合よりも小さい
エネルギーの浄化放電Hを利用して放電トリガーが除去
されるため、ノッキング処理時におけるエミッタ23等
の破損を回避し、FEDの製造歩留りを向上させること
ができる。なお、「ノッキング工程(S14)」におい
て内部空間40に導入された放電用ガスGH は、「封止
工程(S15)」において排気され、比較的大きいイオ
ン化エネルギーの置換用ガスGT に置換されることとな
るため、「封止工程(S15)」以降の工程において放
電用ガスGH に起因して放電現象が発生することはな
い。
【0029】さらに、上記した浄化放電Hにより、エミ
ッタ23の表面に付着していた汚れ(バリ、ゴミ、吸着
ガス等)が除去され、エミッタ23の表面がコンディシ
ョニングされるため、以下のような理由により、製造工
程を簡略化しつつ、優れた画像表示特性を有するFED
を製造することができる。すなわち、例えば、エミッタ
23の表面が汚れていると、エミッタ23の電子放出特
性が劣化し、FEDの画像表示特性が劣化する場合があ
る。このような場合には、例えば、エミッタ23のエー
ジング工程を行い、長い時間をかけてエミッタ23の表
面を浄化する必要がある。これに対して、本実施の形態
では、「ノッキング工程(S14)」時において、放電
トリガーの除去と同時にエミッタ23表面のコンディシ
ョニングが行われるため、上記したエージング工程を別
途行うことなく、優れたエミッタ23の電子放出特性を
確保することが可能となる。
【0030】特に、本実施の形態では、放電現象に関す
る「パッシェンの法則」に基づき、浄化放電Hのエネル
ギーをより小さくすることができる。ここで、図10
は、一般に「パッシェン曲線」と呼ばれるものであり、
放電圧力PH 等の因子と放電開始電圧VS との関係を表
すものである。図中の「横軸」は、アノード電極12〜
カソード電極22間の距離D(mm)と放電用ガスGH
の圧力(放電圧力PH ;Pa)との積D・PH を示して
おり、一方、「縦軸」は、「横軸」に示した各D・PH
値に対応する放電開始電圧VS (V)を示している。な
お、図10では、放電用ガスGH の一例として、ネオン
ガスに0.1%程度のアルゴンガスを混合させたぺニン
グガスAおよびネオンガスに1.0%程度のアルゴンガ
スを混合させたぺニングガスBについて示している。こ
の「パッシェン曲線」から判るように、AおよびBのい
ずれのぺニングガスの場合においても、曲線中に極小点
Sが存在している。この極小点Sに対応する放電開始電
圧VS を放電電圧VH としてノッキング処理時に印加す
るようにすることで、放電電圧VH を最小化し、発生す
る浄化放電Hのエネルギーを最小化することができる。
もちろん、上記のような放電電圧VH の最小化は、必ず
しも放電用ガスGH としてぺニングガスを用いた場合に
限らず、キセノンガスやヘリウムネオンガスなどを用い
た場合にも適用可能である。
【0031】また、本実施の形態では、比較的小さいイ
オン化エネルギーの放電用ガスGHを内部空間40に満
たした状態において浄化放電Hを発生させるようにした
ので、比較的小さいエネルギーの浄化放電Hを容易に発
生させることができる。
【0032】なお、本実施の形態では、放電電圧VH
印加のみにより浄化放電Hを発生させる場合について説
明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例え
ば、内部空間40に放電用ガスGH を導入した状態にお
いて放電電圧VH を印加したのち、放電用ガスGH に対
してレーザや紫外線などの光エネルギーを照射すること
により浄化放電Hを誘発させるようにしてもよい。この
ような場合には、特に、放電電圧VH の値を上記実施の
形態の場合よりもさらに小さくすることが可能となり、
より小さいエネルギーの浄化放電Hを発生させることが
できる。
【0033】また、本実施の形態では、「ノッキング工
程(S14)」(図7参照)において、予期しない過剰
な電流が流れ、これに応じて過剰なエネルギーの放電が
発生することを防止するための保護回路として、アノー
ド電極12,カソード電極22〜電圧印加回路61間に
抵抗、ヒューズまたは過電圧遮断回路などを設けるよう
にしてもよい。
【0034】[第2の実施の形態]次に、本発明の第2
の実施の形態に係る画像表示装置の製造方法について説
明する。
【0035】本実施の形態に係るFEDの製造方法は、
FED本体の組み立て工程を大気中で行っていた上記第
1の実施の形態の場合とは異なり、FED本体の組み立
て工程等を真空雰囲気中で行うようにしたものである。
【0036】図11は、FEDの製造方法を説明するた
めの一連の製造工程を表すものである。FEDの製造工
程は、例えば、時系列に、「フロントパネル10の形成
工程(S21)」,「バックパネル20の形成工程(S
22)」,「ノッキング工程(S23)」,「FED本
体の組み立て工程(S24)」,「検査工程(S2
5)」などを含んでいる。図12〜図14は、図11に
示したFEDの一連の製造工程のうちの主要なFEDの
製造工程を説明するためのものである。ここで、図12
および図13は「ノッキング工程(S23)」を説明す
るためのものであり、図14は「FED本体の組み立て
工程(S24)」を説明するためのものである。なお、
「フロントパネル10の形成工程(S21)」,「バッ
クパネル20の形成工程(S22)」,「検査工程(S
25)」の内容は、上記第1の実施の形態の場合と同様
である。図12〜図14において、上記第1の実施の形
態における構成要素と同一の構成要素については同一の
符号を付し、それらの要素に関する詳細な説明は適宜省
略する。
【0037】「ノッキング工程(S23)」では、例え
ば、図12に示したような構造を有する放電装置70を
用いるようにする。以下では、まず、この放電装置70
の概略構造について説明する。放電装置70は、密閉可
能な処理室71の内部に、例えば、フロントパネル10
を装着させるための可動バー72と、バックパネル20
を装着させるための可動バー73と、フロントパネル1
0に対する浄化放電Hを発生させるためのダミー電極8
1と、バックパネル20に対する浄化放電Hを発生させ
るためのダミー電極84とを備えている。処理室71の
下面には、真空ポンプに接続され、処理室71内の排気
や減圧等を行うための排気口74と、ボンベ等に接続さ
れ、処理室71の内部に放電用ガスGH や置換用ガスG
T を導入するための導入口75とが設けられている。処
理室71の内部には、電圧印加回路と接続され、任意の
電極間に電圧を印加するための配線76,77が導入さ
れている。ここで、ダミー電極81が本発明における
「第1の補助電極」の一具体例に対応し、ダミー電極8
4が本発明における「第2の補助電極」の一具体例に対
応する。
【0038】可動バー72は、処理室71の側面を貫通
して配設されており、その端部と接続された駆動装置の
作用により図中のX軸方向およびY軸方向に移動可能に
なっている。可動バー73は、可動バー72と同様の構
造および動作機構を有するものであり、例えば、可動バ
ー72の配設領域と対向する側の領域に配設されてい
る。ダミー電極81は、フロントパネル10に対する電
極として機能する対向電極82と、この対向電極82を
支持するための支持体83とを含んで構成されている。
対向電極82は、例えば、1枚の板状の構造を有するも
のであり、ITO(Indium Tin Oxide;インジウム・錫
酸化物)などの透明材料よりなるものである。なお、対
向電極82の構成材料は必ずしもITOに限られるもの
ではなく、例えば、クロム(Cr)やニッケル(Ni)
などの非透明な金属材料などを用いるようにしてもよ
い。ダミー電極84は、ダミー電極81と同様の構造を
有するものであり、対向電極85と支持体86とを含ん
で構成されている。ダミー電極81は、例えば、可動バ
ー72に対応するように処理室71の内部に固定されて
おり、ダミー電極84は、例えば、可動バー73に対応
するように処理室71の内部に固定されている。
【0039】ノッキング処理を行う際には、まず、図1
2に示したように、フロントパネル10のアノード電極
12の一部およびバックパネル20のカソード電極22
の一部に封着用ガラス剤50を塗布したのち、例えば、
アノード電極12の一部に塗布された装着用ガラス剤5
0に対して側壁30を取り付ける。続いて、可動バー7
1の上面にフロントパネル10を装着させると共に、可
動バー72の下面にパックパネル20を装着させる。続
いて、フロントパネル10のアノード電極12とダミー
電極81の対向電極82とが距離L1を隔てて対向する
ように可動バー72を移動させると共に、バックパネル
20のカソード電極22とダミー電極85とが距離L2
を隔てて対向するように可動バー73を移動させる。距
離L1,L2は、任意に変更することが可能である。こ
のとき、例えば、フロントパネル10およびダミー電極
81等とバックパネル20およびダミー電極84等とを
所定の距離を隔てて離すようにする。この「所定の距
離」とは、例えば、後工程においてフロントパネル10
とダミー電極81との間の領域に浄化放電Hを発生させ
た場合に、このときの浄化放電Hの影響がバックパネル
20等に及ばないような距離である。続いて、アノード
電極12および対向電極82のそれぞれに対して配線7
6を接続させると共に、カソード電極22および対向電
極85のそれぞれに対して配線77を接続させる。
【0040】続いて、図13に示したように、真空ポン
プを駆動させ、処理室71の内部を満たしていたガス
(例えば空気等)を排気口74を通じて排気したのち、
処理室71の内部に導入口75を通じて放電用ガスGH
を導入する。放電用ガスGH として用いるガス種および
その圧力(放電圧力PH )等は、例えば、上記第1の実
施の形態の場合と同様とする。なお、上記の排気処理
は、フロントパネル10およびバックパネル20等を加
熱しながら行うようにしてもよい。続いて、電圧印加回
路を駆動させ、アノード電極12〜対向電極82間に放
電電圧VH を印加して浄化放電Hを発生させると共に、
カソード電極22〜対向電極85間にも同様に放電電圧
H を印加して浄化放電Hを発生させる。
【0041】「FEDの組み立て工程(S24)」で
は、図14に示したように、まず、真空ポンプを駆動さ
せ、処理室71の内部を満たしていた放電用ガスGH
ノッキング処理時に発生した反応ガスなどを排気口74
を通じて排気したのち、例えば、ラドンなどの不活性ガ
スよりなる置換用ガスGT を導入口75を通じて処理室
71の内部に導入する。続いて、真空ポンプを再び駆動
させ、処理室71の内部の圧力状態が所定の圧力状態
(例えば、10-3〜10-2Pa)となるまで減圧し、処
理室71の内部を真空雰囲気とする。続いて、例えば、
可動バー72を線R1に沿って移動させると共に、可動
バー73を線R2に沿って移動させることにより、側壁
30を介して対向するようにフロントパネル10とバッ
クパネル20とを合体させ、FED本体を組み立てる。
これにより、封着用ガラス剤50を介して内部空間40
が熱封着される。最後に、処理室71の内部の圧力状態
を大気圧状態としたのち、処理室71の内部からFED
本体を取り出す。
【0042】本実施の形態では、フロントパネル10
(アノード電極12)に対する浄化放電Hとバックパネ
ル20(カソード電極22)に対する浄化放電Hとを別
個に発生させるようにしているので、浄化放電Hを発生
させるための各種条件(放電電圧VH ,電圧印加パター
ン等)をフロントパネル10およびバックパネル20の
それぞれについて個別に設定することができる。このた
め、フロントパネル10およびバックパネル20のそれ
ぞれに対する浄化放電Hのエネルギーをより適正化する
ことができる。
【0043】また、本実施の形態では、アノード電極1
2と対向電極82との間の距離L1(図12参照)を任
意に変更可能であるようにしたので、この距離L1を調
整することにより、浄化放電Hのエネルギーの大きさを
自由に調整することができる。このL1の変更に係る効
果は、カソード電極22と対向電極85との間の距離L
2(図12参照)を変更する場合においても同様に得ら
れる。
【0044】なお、本実施の形態では、「ノッキング工
程(S23)」(図13参照)において、フロントパネ
ル10に対する浄化放電Hとバックパネル20に対する
浄化放電Hとを別個に発生させたのち、「FEDの組み
立て工程(S24)」(図14参照)において、フロン
トパネル10の移動およびバックパネル20の移動を行
うようにしたが、必ずしもこれに限られるものではな
い。例えば、「ノッキング工程(S23)」において、
フロントパネル10に対する浄化放電Hとバックパネル
20に対する浄化放電Hとを別個に発生させたのち、フ
ロントパネル10の移動およびバックパネル20の移動
を行い、フロントパネル10とバックパネル20とを対
向させた状態においてさらに浄化放電Hを発生させるよ
うにしてもよい。このような場合には、放電トリガーの
除去およびバックパネル20に搭載されたエミッタ23
(図1参照)のコンディショニングをより確実に行うこ
とができる。
【0045】また、本実施の形態では、ダミー電極81
の対向電極82が1枚の板状の構造を有するものである
場合について説明したが、対向電極82の構造は、必ず
しもこれに限られるものではない。ここで、図15およ
び図16は、ダミー電極81の構造に関する変形例を表
すものである。図15および図16において、(A)
は、ダミー電極81の平面構造を表すものであり、
(B)は、(A)に示したB−B線に沿った矢視断面構
造を表すものである。図15および図16において、上
記実施の形態における構成要素と同一の構成要素につい
ては同一の符号を付している。対向電極82は、例え
ば、図15に示したように、支持体83上に並列して配
設された短冊状の複数の電極パネル82Tにより構成さ
れるようにしてもよいし、図16に示したように、支持
体83上にマトリックス状に配設されたブロック上の複
数の電極パネル82Vにより構成されるようにしてもよ
い。上記のような構造を有する対向電極82を備えたダ
ミー電極81を用いて、任意の電極パネル(82Tまた
は82V)に対して選択的に放電電圧VH を印加するよ
うにすることにより、アノード電極12の任意の領域に
おいてのみ選択的に浄化放電Hを発生させることが可能
となる。
【0046】また、ダミー電極81としては、例えば、
図17に示したような構造を有するものを用いるように
してもよい。図17は、ダミー電極81の構造に関する
他の変形例を表すものであり、図16に対応するもので
ある。このダミー電極81では、複数の電極パネル82
Vの各電極パネル間に、例えばガラスやセラミックなど
よりなる絶縁壁84が配設されている。このような構造
を有するダミー電極81では、絶縁壁84の存在によ
り、任意の電極パネル82Vにおいて発生した浄化放電
Hの影響が他の電極パネル82Vに及ぶことを回避する
ことができる。なお、図15〜図17に示したダミー電
極81の構造に関する変形およびその効果は、ダミー電
極84に対しても適用可能である。
【0047】なお、本実施の形態のFEDの製造方法に
関する上記以外の作用、効果および変形等は、上記第1
の実施の形態の場合と同様である。
【0048】以上、実施の形態を挙げて本発明を説明し
たが、本発明は上記各実施の形態に限定されるものでは
なく、種々変形可能である。例えば、上記第1の実施の
形態では、FED本体の組み立てを行ったのち、ノッキ
ング処理を行うようにしたが、必ずしもこれに限られる
ものではなく、例えば、上記第2の実施の形態の場合の
ように、フロントパネル10に対するノッキング処理と
バックパネル20に対するノッキング処理とを別個に行
ったのち、FED本体の組み立てを行うようにしてもよ
い。
【0049】また、上記各実施の形態では、FEDの製
造工程におけるノッキング処理について説明したが、上
記のノッキング処理は必ずしもFEDの製造にのみ適用
されるものではなく、例えば、FED以外の他の画像表
示装置(例えば、CRTやPDP等)の製造に適用する
ことも可能である。以下では、FED以外の他の画像表
示装置を代表して、上記のノッキング処理をCRTの製
造に適用した場合について説明する。一般に、CRT
は、例えば、時系列に、「CRTの構成部材の形成工
程」、「CRT本体の組み立て工程」、「ノッキング工
程」,「封止工程」および「検査工程」などを含む一連
の製造工程を経て製造される。上記の「CRTの構成部
材」とは、例えば、CRT管(ガラスバルブ)、シャド
ウマスクおよび電子銃などであり、「CRTの組み立
て」とは、CRT管に対するシャドウマスクや電子銃な
どの装着である。ここで、図18および図19は、例え
ば、上記したノッキング処理をCRTの製造に適用した
場合の主要な製造工程を説明するためのものである。図
18は「ノッキング工程」、また図19は「封止工程」
をそれぞれ説明するためのものである。
【0050】「ノッキング工程」では、図18に示した
ように、まず、CRT管91をスタンド93に固定させ
たのち、例えば、電子銃92と電圧印加回路95との間
を配線96を介して接続させると共に、CRT管91の
内部に配設されているファンネル94と電圧印加回路9
5との間もまた配線96を介して接続させる。続いて、
例えば、電子銃92が装着されたCRT管91と真空ポ
ンプ97とを接続させ、CRT管91の内部を封着す
る。この真空ポンプ97は、CRT管91の内部の圧力
状態を減圧すると共に、その一部に設けられた枝管98
を通じてCRT管91の内部に放電用ガスGH や置換用
ガスGT などを導入可能になっている。続いて、真空ポ
ンプ97を駆動させ、CRT管91の内部を満たしてい
たガス(例えば空気等)を排気したのち、枝管98を通
じてCRT管91の内部に放電用ガスGH を導入する。
なお、上記の排気処理は、CRT管91等を加熱しなが
ら行うようにしてもよい。続いて、電圧印加回路95を
駆動させて電子銃92〜ファンネル94間に放電電圧V
H を印加し、CRT管91の内部に浄化放電Hを発生さ
せる。なお、ノッキング処理時における各種条件(置換
用ガスGT のガス種および放電電圧VH 等)は、上記第
1の形態の場合と同様である。CRTの製造工程におい
て上記のようなノッキング処理を行うことにより、上記
第1の実施の形態の場合と同様の効果を得ることができ
る。
【0051】「封止工程」では、図19に示したよう
に、まず、真空ポンプ97を駆動させ、CRT管91の
内部を満たしていた放電用ガスGH や浄化放電時に発生
した反応ガスなどを排気したのち、例えば、ラドンなど
の不活性ガスよりなる置換用ガスGT を枝管98を通じ
てCRT管91の内部に導入する。続いて、真空ポンプ
98を再び駆動させ、CRT管91の内部の圧力状態が
所定の圧力状態(例えば、10-3Pa〜10-2Pa)と
なるまで減圧し、CRT管91の内部を真空雰囲気とす
る。最後に、CRT管91および電子銃92等を熱封着
する。
【0052】さらに、上記の処理は、画像表示装置(F
ED,CRT,PDP等)の製造の他、ウエハなどの表
面に配線パターン等を形成するための電子線描画装置な
どのメンテナンス技術として利用することも可能であ
る。すなわち、電子線描画装置における「電子放出源」
としてのヘアピンカソード(冷陰極)が汚れ、その電子
放出特性が劣化した場合には、ヘアピンカソードに対す
る対向電極を設け、ヘアピンカソード〜対向電極間に放
電電圧VH を印加することにより浄化放電Hを発生させ
る。これにより、ヘアピンカソードの表面を浄化し、電
子放出特性を復元させることができる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように請求項1ないし請求
項14のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法
によれば、任意の2つの電極間に動作電圧よりも小さな
値の放電電圧を印加することにより、画像表示時におい
て発生する放電のエネルギーよりも小さなエネルギーの
放電を発生させる放電工程を含むようにしたので、動作
電圧以上の値の電圧を印加していた従来の場合よりも小
さいエネルギーの放電を発生させることができる。これ
により、放電時における電極等の破損を回避しつつ、放
電トリガーの除去および電極(エミッタ等)のコンディ
ショニングを行うことが可能となるため、画像表示装置
の製造歩留りを向上させることができる。
【0054】特に、請求項4ないし請求項6のいずれか
1項に記載の画像表示装置の製造方法によれば、放電工
程を低イオン化エネルギーガス雰囲気中において行うよ
うにしたので、真空雰囲気中において放電を発生させて
いた従来の場合よりも、比較的小さいエネルギーの放電
Hを容易に発生させることができる。
【0055】また、請求項7記載の画像表示装置の製造
方法によれば、低イオン化エネルギーに対して光エネル
ギーを照射するようにしたので、より小さいエネルギー
の放電を発生させることができる。
【0056】また、請求項9記載の画像表示装置の製造
方法によれば、放電工程において、過剰な電流が流れる
ことを防止するための保護回路を含んで構成される電圧
印加回路を用いて放電電圧を印加するようにしたので、
放電時に予期しない過剰な電流が流れ、これに応じて過
剰なエネルギーの放電が発生することを防止することが
できる。
【0057】また、請求項11記載の画像表示装置の製
造方法によれば、放電工程が、処理室の内部に、発光体
が配設された第1の部材を第1の補助電極と対向するよ
うに配置すると共に、第1の部材と共に内部空間を形成
する第2の部材を第2の補助電極と対向するように配置
する第1の工程と、処理室の内部に低イオン化エネルギ
ーガスを導入する第2の工程と、第1の部材側の電極と
第1の補助電極との間に放電電圧を印加することにより
放電を発生させると共に、第2の部材側の電極と第2の
補助電極との間に放電電圧を印加することにより放電を
発生させる第3の工程と、第1の部材を第1の補助電極
と対向する位置からから離脱させると共に、第2の部材
2の補助電極と対向する位置から離脱させ、第1の部材
と第2の部材とを互いに対向する位置まで移動させる第
3の工程と、第1の部材と第2の部材とを合体させる第
4の工程とを含むようにしたので、放電を発生させるた
めの各種条件(放電電圧,電圧印加パターン等)を第1
の部材および第2の部材のそれぞれについて個別に設定
することができる。このため、第1の部材側の電極およ
び第2の部材側の電極のそれぞれに対する放電のエネル
ギーをより適正化することができる。
【0058】また、請求項12記載の画像表示装置の製
造方法によれば、第4の工程において、第1の部材と第
2の部材とを合体させたのち、第1の部材側の電極と第
2の部材側の電極との間に放電電圧を印加することによ
り再び放電を発生させるようにしたので、放電トリガー
の除去および電極(エミッタ等)のコンディショニング
をより確実に行うことができる。
【0059】また、請求項13記載の画像表示装置の製
造方法によれば、第1の補助電極および第2の補助電極
として、放電電圧を個別に印加可能な複数の電極パネル
を含んで構成されているものを用いるようにしたので、
第1の部材側の電極および第2の部材側の電極のそれぞ
れの任意の領域のみにおいて選択的に放電を発生させる
ことができる。
【0060】また、請求項14記載の画像表示装置の製
造方法によれば、第1の補助電極および第2の補助電極
として、複数の電極パネルの各電極パネル間に絶縁壁が
設けられたものを用いるようにしたので、任意の電極パ
ネルにおいて発生した放電の影響が他の電極パネルに及
ぶことを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像表示装置
の製造方法により形成されるFEDの構成を表す断面図
である。
【図2】図1に示したFEDの製造工程を説明するため
の流れ図である。
【図3】図1に示したFEDの製造工程における「FE
D本体の組み立て工程」の一工程を説明するための断面
図である。
【図4】図3に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図5】図4に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図6】図1に示したFEDの製造工程における「ノッ
キング工程」の一工程を説明するための断面図である。
【図7】図6に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図8】図1に示したFEDの製造工程における「封止
工程」の一工程を説明するための断面図である。
【図9】図8に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図10】パッシェンの法則を説明するための図であ
る。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る画像表示装
置の製造方法におけるFEDの製造工程を説明するため
の流れ図である。
【図12】図11に示したFEDの製造工程における
「ノッキング工程」を説明するための断面図である。
【図13】図12に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図14】図11に示したFEDの製造工程における
「FEDの組み立て工程を」を説明するための断面図で
ある。
【図15】ダミー電極の構造に関する変形例を表す断面
図である。
【図16】ダミー電極の構造に関する変形例を表す断面
図である。
【図17】ダミー電極の構造に関する他の変形例を表す
断面図である。
【図18】CRTの製造工程における「ノッキング工
程」を説明するための断面図である。
【図19】CRTの製造工程における「封止工程」を説
明するための断面図である。
【符号の説明】
10…フロントパネル、11,21…透明基板、12…
アノード電極、13…ブラックマトリックス、13K…
凹部、14…発光体、20…バックパネル、22…カソ
ード電極、23…エミッタ、30…側壁、40…内部空
間、50…封着用ガラス剤、51…ガラスチップ管、5
2,98…枝管、60,97…真空ポンプ、61,95
…電圧印加回路、62,76,77,96…配線、70
…放電装置、71…処理室、72,73…可動バー、7
4…排気口、75…導入口、81,84…ダミー電極、
82,85…対向電極、82T,82V…電極パネル、
83,86…支持体、84…絶縁壁、91…CRT管、
92…電子銃、93…スタンド、94…ファンネル、e
…電子、E…発光、GH …放電用ガス、GT …置換用ガ
ス、H…浄化放電、VD …動作電圧、VH …放電電圧。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 和人 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5C012 AA02 AA05 AA09 BD04 VV08

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の大きさの動作電圧を印加すると共
    に発光体を発光させることにより画像表示を行う画像表
    示装置の製造方法であって、 任意の2つの電極間に前記動作電圧よりも小さな値の放
    電電圧を印加することにより、画像表示時において発生
    する放電のエネルギーよりも小さなエネルギーの放電を
    発生させる放電工程を含むことを特徴とする画像表示装
    置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記放電工程において発生した放電のエ
    ネルギーを利用して不要な放電トリガーを除去すること
    を特徴とする請求項1記載の画像表示装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記放電工程において発生した放電のエ
    ネルギーを利用して前記電極の表面のコンディショニン
    グを行うことを特徴とする請求項1記載の画像表示装置
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記放電工程を低イオン化エネルギーガ
    ス雰囲気中において行うことを特徴とする請求項1記載
    の画像表示装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記低イオン化エネルギーガスとして、
    キセノンガス、アルゴンガス、ネオンガス、クリプトン
    ガスまたはヘリウムネオンガスのうちのいずれか1種を
    用いることを特徴とする請求項4記載の画像表示装置の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 前記低イオン化エネルギーガスとしてぺ
    ニングガスを用いることを特徴とする請求項4記載の画
    像表示装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記低イオン化エネルギーに対して光エ
    ネルギーを照射することを特徴とする請求項4記載の画
    像表示装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記低イオン化エネルギーガスの圧力を
    画像表示時における雰囲気圧力よりも大きくすることを
    特徴とする請求項4記載の画像表示装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記放電工程において、過剰な電流が流
    れることを防止するための保護回路を含んで構成される
    電圧印加回路を用いて前記放電電圧を印加することを特
    徴とする請求項1記載の画像表示装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記放電工程が、 前記発光体が配設された第1の部材と、この第1の部材
    に対向することとなる第2の部材とを合体させる工程
    と、 前記第1の部材と前記第2の部材との間の空間に前記低
    イオン化エネルギーガスを導入する工程と、 前記第1の部材側の電極と前記第2の部材側の電極との
    間に前記放電電圧を印加することにより放電を発生させ
    る工程とを含むことを特徴とする請求項4記載の画像表
    示装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記放電工程が、処理室の内部に、前
    記発光体が配設された第1の部材を第1の補助電極と対
    向するように配置すると共に、前記第1の部材と対向す
    ることとなる第2の部材を第2の補助電極と対向するよ
    うに配置する第1の工程と、 前記処理室の内部に前記低イオン化エネルギーガスを導
    入する第2の工程と、 前記第1の部材側の電極と前記第1の補助電極との間に
    前記放電電圧を印加することにより放電を発生させると
    共に、前記第2の部材側の電極と前記第2の補助電極と
    の間に前記放電電圧を印加することにより放電を発生さ
    せる第3の工程と、 前記第1の部材を前記第1の補助電極と対向する位置か
    らから離脱させると共に、前記第2の部材を前記第2の
    補助電極と対向する位置から離脱させ、前記第1の部材
    と前記第2の部材とを互いに対向する位置まで移動させ
    る第3の工程と、 前記第1の部材と前記第2の部材とを合体させる第4の
    工程とを含むことを特徴とする請求項4記載の画像表示
    装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記第4の工程において、前記第1の
    部材と前記第2の部材とを合体させたのち、前記第1の
    部材側の電極と前記第2の部材側の電極との間に前記放
    電電圧を印加することにより再び放電を発生させること
    を特徴とする請求項11記載の画像表示装置の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 前記第1の補助電極および前記第2の
    補助電極として、前記放電電圧を個別に印加可能な複数
    の電極パネルを含んで構成されているものを用いること
    を特徴とする請求項11記載の画像表示装置の製造方
    法。
  14. 【請求項14】 前記第1の補助電極および前記第2の
    補助電極として、前記複数の電極パネルの各電極パネル
    間に絶縁壁が設けられたものを用いることを特徴とする
    請求項13記載の画像表示装置の製造方法。
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