JP2002124068A - ディスク再生装置 - Google Patents

ディスク再生装置

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JP2002124068A
JP2002124068A JP2000318357A JP2000318357A JP2002124068A JP 2002124068 A JP2002124068 A JP 2002124068A JP 2000318357 A JP2000318357 A JP 2000318357A JP 2000318357 A JP2000318357 A JP 2000318357A JP 2002124068 A JP2002124068 A JP 2002124068A
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Hirosuke Kumagami
宏祐 熊耳
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Alpine Electronics Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 起動時に再生情報の読み出しを開始するまで
の時間を短縮することができるディスク再生装置を提供
すること 。 【解決手段】 ディスク10には複数のセッションが記
録されている。メインコントローラ60は、各セッショ
ンに含まれるリードイン情報を所定の順番に読み出す際
に、一のセッションのリードイン情報の読み出しを行っ
た後にこのセッションのリードアウト情報の読み出しを
行い、その後、ディスク10の隣接位置に記録された他
のセッションのリードイン情報の読み取りを行うよう
に、ピック部20による読み取り動作を制御する。リー
ドイン情報の読み取り動作が所定のガード時間内に終了
しない場合に、メインコントローラ60は、既に読み取
られたリードイン情報に対応するセッションのみを有効
と設定し、ピック部20を強制的に所定の初期位置に戻
して、再生情報の読み出しを開始する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パーソナルコンピ
ュータやオーディオ装置等に用いられ、ディスク型記録
媒体を回転させてデータの読み取りを行うディスク再生
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近では、CD(コンパクトディス
ク)、DVD(デジタルバーサタイルディスク)、MD
(ミニディスク)等の光を使ってデータの読み出しを行
うディスク型記録媒体としての光ディスク(以下、単に
「ディスク」と称する)が広く用いられている。
【0003】CD等では、ディスクの内周側から外周側
に向かってスパイラル状に信号が記録されており、信号
の初めの部分にリードイン、終りの部分にリードアウト
と呼ばれる領域がそれぞれ設けられている。一般的な音
楽CDなどでは、このリードインとリードアウトによっ
て区切られたデータのまとまり(以後、これを「セッシ
ョン」と呼ぶ)が1つだけ含まれており、このようなデ
ィスクは「シングルセッションディスク」と呼ばれる。
また、各種データを複数のセッションに分けて記録して
いるディスクも存在する。例えば、1枚のディスクで音
楽と映像等を再生可能なCDエクストラなどでは、音楽
データとその他のデータ(映像データ等)が別々のセッ
ションに分けて記録されている。このように、複数のセ
ッションを含んだディスクは、「マルチセッションディ
スク」と呼ばれる。
【0004】一般的なマルチセッションディスクでは、
前のセッションのリードイン領域に、次のセッションの
開始アドレスが記録される。例えば、3つのセッション
を含むマルチセッションディスクを考えると、記録順の
古い第1セッションのリードイン領域には次の第2セッ
ションの開始アドレスが記録され、第2セッションのリ
ードイン領域には次の第3セッションの開始アドレスが
記録されている。また、第3セッションのリードイン領
域には、この第3セッションが最終セッションである旨
の情報が記録される。したがって、ディスク内周側から
順に各セッションのリードイン領域に記録された情報
(リードイン情報)を読み取っていけば、全てのセッシ
ョンのリードイン情報に含まれるTOC(Table Of Con
tents )等を読み出し、以後の再生動作に備えることが
できる。
【0005】また近年では、CD−R(CD-Recordable
)など、利用者によるデータの書き込みが可能なディ
スクも広く普及しており、各種データの記録、保存に用
いられるようになっている。例えば、CD−Rでは、一
度書き込んだデータの書き換えは不可能であるため、デ
ータの書き込みを行う際には、一回のデータ書き込み操
作によって書き込まれたデータ全体が1つのセッション
としてディスクに記録される。また、同じディスクに対
して、次にデータの書き込みを行った場合には、そのデ
ータは、既に書き込まれたデータを含んだセッションと
は別のセッションとしてディスクに記録される。すなわ
ち、CD−Rでは、データ書き込みを何回か行った場合
には、データ書き込み後のディスクは、複数のセッショ
ンを含んで構成されるマルチセッションディスクとな
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したC
D−R等に対して利用者がデータを書き込む場合を考え
ると、ディスクにデータ記録が可能な領域がまだ残って
おり、後日、データの追記を行う意思がある場合には、
その時点での最終セッションのリードイン情報に「最終
のセッションである旨」の情報が書き込まれることはな
く、このセッションのリードイン領域には、次にデータ
の書き込みを行う場合の開始アドレス、換言すれば「次
のセッションの開始アドレス」が書き込まれることとな
る。
【0007】また、後日データの追記を行う意思がない
としても、最終のセッションである旨を記録する操作
は、敢えてその操作をしなくてもデータの書き込みを終
えることができることから、一般的な利用者は、最終セ
ッションである旨を記録する操作を行わないことが多
い。この場合にも、最終セッションのリードイン領域に
は、次のセッションの開始アドレスが記録されることと
なる。
【0008】このように、最終セッションであるにも関
わらず、リードイン領域に次のセッションの開始アドレ
スが記録されているディスクを読み取る場合に、従来の
ディスク再生装置は、最終セッションのリードイン情報
を読み取った後には、実際には存在しない次のセッショ
ンのリードイン情報をサーチしてしまうこととなる。こ
のため、ディスク上の信号が記録されていない領域にピ
ック部が移動してしまうことからフォーカスが外れ、各
種のサーボ系が有効に機能しない異常状態が生じる。
【0009】この場合に、従来のディスク再生装置は、
サーボ系の異常状態が実際には存在しないセッションを
読み取ろうとしているために生じているのか、それ以外
の要因(サーチ時のトラックジャンプ誤差やディスク上
の傷、汚れ等)によって生じているかを判断しにくいこ
とから、フォーカス合わせやトラックジャンプ誤差の補
正等、想定し得るサーボ系の復帰処理を一通り実行し、
それでもサーボ系の異常状態が回復せず、リードイン情
報が読み取れない状態が長い時間(例えば、2秒間程
度)経過した場合に、ようやく次のセッションが存在し
ないと判断していた。したがって、従来のディスク再生
装置では、次のセッションが存在しないと判断して復帰
処理を強制的に終了するまでに時間がかかってしまい、
この結果、再生情報の読み出しを開始するまでに長い時
間を要するという問題があった。
【0010】また、従来のディスク再生装置は、実際に
は存在しないリードイン情報をサーチしたことにより、
サーボ系の異常状態が生じている場合には、トラック位
置が検出できずトラックジャンプができない状態となる
ために、ピック部を初期位置へ戻すためには、無信号領
域にあるピック部の位置をディスク内周側の信号が記録
されている領域まで移動させた後にフォーカス合わせ等
を行って、トラックジャンプが可能な状態にする必要が
ある。このため、ピック部の位置を所定の初期位置まで
戻す際に長い時間がかかり、この点も再生情報の読み出
しを開始するまでに要する時間を長くしていた。
【0011】本発明は、このような点に鑑みて創作され
たものであり、その目的は、起動時に再生情報の読み出
しを開始するまでの時間を短縮することができるディス
ク再生装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明では、リードイン情報と再生情報とリー
ドアウト情報とが含まれるセッションが複数記録された
ディスク型記録媒体から再生情報を読み出して再生を行
うディスク再生装置において、起動時に、ピック部を移
動させることにより複数のセッションに含まれるリード
イン情報を所定の順番に読み出す際に、読み取り制御手
段によって、いずれか一のセッションに含まれるリード
イン情報の読み出しを行った後にこのセッションに含ま
れるリードアウト情報の読み出しを行い、その後、ディ
スク型記録媒体の隣接位置に記録された他のセッション
に含まれるリードイン情報の読み取りを行うように、ピ
ック部による読み取り動作を制御している。また、読み
取り制御手段によってリードイン情報の読み取りを行う
際に、成否判定手段により、所定時間内に読み取りの成
否を判定している。
【0013】一のセッションに含まれるリードイン情報
を読み取った後にそのセッションに含まれるリードアウ
ト情報、すなわち、存在することが確実なリードアウト
情報を読み取り、その後に、このリードアウト情報と隣
接して記録されている他のセッションのリードイン情報
の読み取りを行っているので、次のセッションのリード
イン情報をサーチする際のトラックジャンプ量を少なく
することができる。このため、リードイン情報が存在せ
ずにフォーカス外れ等のサーボ系の異常状態が生じた場
合に、その要因としてトラックジャンプ誤差をほとんど
考慮しなくてよく、次のセッションが存在しないと判断
してサーボ系の復帰処理を中止するまでの時間、すなわ
ち、成否判定手段により読み取りの成否を判定する際の
所定時間を短縮することが可能になる。したがって、起
動時に再生情報の読み出しを開始するまでの時間を短縮
することができる。
【0014】また、上述した読み取り制御手段は、成否
判定手段によって否定的な判定結果が得られたときに、
ピック部を所定の初期位置に移動させることが望まし
い。再生情報の読み出しを開始するためには、ピック部
を所定の初期位置に移動させる必要があるが、上述した
成否判定手段による否定的な判定がなされるまでの時間
が短縮されることにより、ピック部の移動を開始するま
での時間の短縮が可能となる。
【0015】また、読み取り制御手段は、成否判定手段
によって否定的な判定結果が得られたときに、トラック
ジャンプ制御を伴わずにピック部を所定の初期位置に強
制的に移動させることが望ましい。トラックジャンプ制
御を行ってピック部を初期位置に移動させる場合には、
トラック位置を検出しながら移動させるために移動速度
が遅くなる場合があるが、トラックジャンプ制御を伴わ
ずにピック部を移動することにより、この移動に要する
時間の短縮が可能となり、起動時に再生情報の読み出し
を開始するまでの時間をさらに短縮することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した一実施形
態のディスク再生装置について、図面を参照しながら説
明する。図1は、一実施形態のディスク再生装置の構成
を示す図である。同図に示すディスク再生装置は、ディ
スク10に記録された情報を読み出して再生を行うもの
であり、ピック部20、RFアンプ22、フィードモー
タ30、サーボドライバ32、スピンドルモータ34、
スピンドルモータドライバ36、サーボコントローラ3
8、2値化回路40、同期回路42、信号処理部44、
PLL回路50、メインコントローラ60を含んで構成
されている。
【0017】ディスク10は、リードイン情報と再生情
報とリードアウト情報とが含まれるセッションが複数記
録されたディスク型記録媒体である。このようなディス
ク10としては、例えば、利用者によって所定の再生情
報が書き込まれたCD−R等が考えられる。
【0018】ピック部20は、ディスク10から記録信
号の読み取りを行うものであり、半導体レーザからの照
射光を集光するとともにディスク10の信号記録面から
の反射光をホトダイオードに導く対物レンズと、この対
物レンズをディスク10の信号記録面に垂直方向に移動
させることにより焦点位置を調整するフォーカスアクチ
ュエータと、対物レンズをディスク10の径方向に移動
させることによりトラッキング調整を行うトラッキング
アクチュエータを含んでいる。
【0019】RFアンプ22は、ピック部20から出力
される信号を増幅して所定のイコライザ処理を行うこと
によりRF信号を生成して出力する。また、RFアンプ
22は、フォーカスサーボに必要なフォーカスエラー信
号(FE)およびトラッキングサーボに必要なトラッキ
ングエラー信号(TE)を生成する。
【0020】フィードモータ30は、ピック部20をデ
ィスク10の径方向に沿って移動させる。サーボドライ
バ32は、フィードモータ30を駆動するとともに、ピ
ック部20に内蔵されたフォーカスアクチュエータを駆
動する。スピンドルモータ34は、ディスク10を所定
の回転数で回転させる。スピンドルモータドライバ36
は、スピンドルモータ34を駆動する。
【0021】サーボコントローラ38は、メインコント
ローラ60から与えられる指示に従って各種のサーボ制
御を行う。例えば、サーボコントローラ38は、サーボ
ドライバ32に指示を送ることにより、フォーカスサー
ボ制御およびトラッキングサーボ制御を行うとともに、
スピンドルモータドライバ36に指示を送ることによ
り、スピンドルモータ34の回転数を制御する。
【0022】2値化回路40は、RFアンプ22から入
力されるRF信号のレベルを所定の電圧レベルと比較す
ることにより2値化する。一般に、ディスク10には、
トラックに沿って複数の長さのピットが形成されている
ため、RF信号を2値化することにより、このトラック
に沿って形成された各ピットの長さに比例したパルス幅
を有するパルス信号が生成される。
【0023】同期回路42は、2値化回路40から出力
される信号を内部クロック信号を用いてサンプリングす
ることにより、この内部クロック信号に同期したデータ
を生成する。なお、内部クロック信号は、2値化回路4
0から出力される信号に基づいてPLL回路50により
生成される。
【0024】信号処理部44は、同期回路42から出力
される信号に対して各種の信号処理を行う。具体的に
は、同期回路42からは、EFM(Eight to Fourteen
Modulation)信号が出力されており、信号処理部44
は、このEFM信号に対して誤り訂正処理、EFM復調
処理を行った後、CIRC(Cross Interleaved Reed-S
olomon Code )デコード処理を行う。
【0025】PLL回路50は、位相比較器、ローパス
フィルタ、電圧制御発振器をループ状に接続することに
より構成されており、2値化回路40から出力される信
号に基づいて内部クロック信号を生成し、同期回路42
や信号処理部44等に出力する。
【0026】メインコントローラ60は、サーボコント
ローラ38に対して各種のサーボ指示を出力するなどデ
ィスク再生装置の全体動作を制御するものである。具体
的には、メインコントローラ60は、複数のセッション
を有するディスク10が装填された場合に、各セッショ
ンのリードイン情報の読み取りを行うための制御を行っ
ており、(1)所定の時間(以後、この時間を「ガード
時間」と称する)内にリードイン情報の読み取りが完了
した場合には、読み取ったリードイン情報に基づいて再
生情報の読み出しを開始し、(2)所定のガード時間内
にリードイン情報の読み取りが完了しなかった場合に
は、その時点で読み取り動作を強制的に終了し、読み取
ることができたリードイン情報に対応するセッションだ
けを有効として、再生情報の読み出しを開始する。な
お、メインコントローラ60の動作内容の詳細について
は後述する。
【0027】上述したフィードモータ30、サーボドラ
イバ32、サーボコントローラ38、メインコントロー
ラ60が読み取り制御手段に、メインコントローラ60
が成否判定手段にそれぞれ対応している。本実施形態の
ディスク再生装置はこのような構成を有しており、次
に、複数のセッションを含むディスク10が装填されて
から、再生情報の読み出しを開始するまでの間のディス
ク再生装置の動作について説明する。
【0028】図2は、ディスク再生装置の大まかな動作
手順を示す流れ図である。なお、以下の説明では、ディ
スク10に記録されている複数のセッションについて、
最初のセッション、すなわち、最も内周側に記録されて
いるセッションを「第1セッション」と称し、この第1
セッション以降に記録されているセッションについて
は、第2セッション、第3セッション、・・・・・・と
称するものとする。
【0029】ディスク10が装填されると、メインコン
トローラ60は、ガード時間の計測を開始し(ステップ
100)、これと並行して、複数のセッションのリード
イン情報の読み取り動作を開始する(ステップ10
1)。次に、メインコントローラ60は、リードイン情
報の読み取りが完了したか否かを判定する(ステップ1
02)。リードイン情報の読み取りが完了していない場
合には、ステップ102で否定判断がなされ、メインコ
ントローラ60は、所定のガード時間が経過したか否か
を判定する(ステップ103)。
【0030】ガード時間が経過していない場合には、ス
テップ103で否定判断がなされ、メインコントローラ
60は、上述したステップ102に戻り、リードイン情
報の読み取り動作を継続し、以降の処理を繰り返す。ガ
ード時間が経過した場合には、ステップ103で肯定判
断がなされ、メインコントローラ60は、その時点でリ
ードイン情報の読み取り動作を強制的に終了し(ステッ
プ104)、それまでに読み取ることのできたリードイ
ン情報に対応するセッションのみを有効として、再生情
報の読み出し動作を開始する(ステップ105)。
【0031】また、ガード時間が経過する前にリードイ
ン情報の読み取りが終了した場合には、上述したステッ
プ102で肯定判断がなされ、この場合にもメインコン
トローラ60は、上述したステップ105に移行し、読
み取ったリードイン情報に基づいて再生情報の読み出し
動作を開始する。
【0032】次に、上述した図2に示した手順の中で、
ステップ101に示したリードイン情報の読み取り動作
について、詳細に説明を行う。図3は、各セッションの
リードイン情報を読み取る際のディスク再生装置の動作
手順を示す流れ図であり、上述したステップ101に示
した動作内容が詳細に示されている。
【0033】ディスク10が装填されると、メインコン
トローラ60は、サーボコントローラ38に指示を送
り、ピック部20の読み取り位置をディスク10の最内
周近傍へ移動させ(ステップ200)、フォーカス合わ
せを行う(ステップ201)。次にメインコントローラ
60は、ピック部20の読み取り位置が第1セッション
のリードイン領域に達したか否かを判定する(ステップ
202)。
【0034】ピック部20がリードイン領域に達してい
ない場合には、ステップ202で否定判断がなされ、メ
インコントローラ60は、サーボコントローラ38に指
示を送り、ピック部20の読み取り位置を所定のトラッ
ク数(例えば、64トラック程度)だけディスク10の
内周側へ移動させ(ステップ203)、その後、上述し
たステップ202に戻り、ピック部20がリードイン領
域に達したか否かの判定以降の処理を繰り返す。
【0035】また、ピック部20の読み取り位置がリー
ドイン領域に達した場合には、上述したステップ202
で肯定判断がなされ、メインコントローラ60は、ピッ
ク部20の読み取り位置をさらに所定のトラック数だけ
ディスク10の内周側へ移動させ(ステップ204)、
リードイン情報、具体的には、TOC情報などを読み取
る(ステップ205)。読み出されたリードイン情報
は、メインコントローラ60の内部メモリ(図示せず)
に格納される。
【0036】次に、メインコントローラ60は、ステッ
プ205において読み出したリードイン情報に基づい
て、その時点で読み出しを行ったリードイン情報を含む
セッション(現セッション)が最終セッションであるか
否かを判定する(ステップ206)。現セッションが最
終セッションである場合には、その旨を示す情報がリー
ドイン情報に含まれているので、この情報の有無を調べ
ることにより、現セッションが最終セッションであるか
否かを判定することができる。
【0037】現セッションが最終セッションでない場合
には、ステップ206で否定判断がなされ、メインコン
トローラ60は、ステップ205で読み出したリードイ
ン情報に含まれる現セッションのリードアウト情報の記
録アドレスを抽出し、これに基づいてサーボコントロー
ラ38に指示を送り、現セッションのリードアウト領域
をサーチする(ステップ207)。
【0038】次にメインコントローラ60は、ピック部
20がリードアウト領域に達したか否かを判定する(ス
テップ208)。リードアウト領域に達しない場合に
は、ステップ208で否定判断がなされ、メインコント
ローラ60は、上述したステップ207に戻り、以降の
処理を繰り返す。
【0039】また、ピック部20が現セッションのリー
ドアウト領域に達した場合には、ステップ208で肯定
判断がなされ、メインコントローラ60は、リードアウ
ト情報の読み取りを行う。次にメインコントローラ60
は、ピック部20の読み取り位置を所定のトラック数
(例えば、32トラック程度)だけディスク10の外周
側へ移動させ(ステップ209)、移動後のピック部2
0が次のセッションのリードイン領域に達したか否かを
判定する(ステップ210)。
【0040】ピック部20が次のセッションのリードイ
ン領域に達した場合には、ステップ210で肯定判断が
なされ、メインコントローラ60は、上述したステップ
205に戻り、リードイン情報の読み取りを行い、以降
の処理を繰り返す。また、ピック部20が次のセッショ
ンのリードイン領域に達しない場合には、ステップ21
0で否定判断がなされ、メインコントローラ60は、サ
ーボ系にフォーカス外れ等の異常状態が生じているか否
かを判定する(ステップ211)。
【0041】サーボ系に異常状態が生じていない場合に
は、ステップ211で否定判断がなされ、メインコント
ローラ60は、上述したステップ209に戻り、以降の
処理、すなわち、次のセッションのリードイン領域をサ
ーチする処理を繰り返す。サーボ系に異常状態が生じて
いる場合には、ステップ211で肯定判断がなされ、メ
インコントローラ60は、所定の復帰処理(フォーカス
調整等)を実行し(ステップ212)、その後、ステッ
プ211に戻り、以降の処理を繰り返す。
【0042】また、上述したステップ206において、
現在のセッションが最終セッションであるとの判断(肯
定判断)がなされた場合には、メインコントローラ60
は、ピック部20の読み取り位置をディスク10の所定
の初期位置、具体的には、ディスク10の第1セッショ
ンに含まれる再生情報の先頭アドレスへ移動する(ステ
ップ213)。なお、ステップ213では、メインコン
トローラ60は、現在のピック部20の位置と移動先で
ある初期位置との間に存在するトラック数を算出し、こ
のトラック数に基づくトラックジャンプ制御を行うこと
により、ピック部20を所定の初期位置まで移動する。
【0043】上述したステップ213に示した処理が終
了し、ピック部20が所定の初期位置へ移動すると、メ
インコントローラ60は、リードイン情報の読み取り動
作が完了したと判断し、すなわち、上述した図2に示し
たステップ102で肯定判断を行い、この初期位置以降
に記録された再生情報を順次読み出して、所定の再生動
作を開始する。
【0044】次に、上述した図2に示した手順の中で、
ステップ104に示したリードイン情報の読み取り動作
を強制的に終了する場合の処理内容について詳細に説明
を行う。図4は、リードイン情報の読み取り動作を強制
的に終了する際のディスク再生装置の動作手順を示す流
れ図であり、上述したステップ104に示した動作内容
が詳細に示されている。
【0045】所定のガード時間が経過し、上述した図2
に示したステップ103で肯定判断がなされた場合に、
メインコントローラ60は、その時点でリードイン情報
の読み取り動作を中断する。次にメインコントローラ6
0は、第1セッションに含まれる情報を読み取り中であ
ったか否かを判定する(ステップ300)。
【0046】第1セッションに含まれる情報を読み取り
中であった場合には、ステップ300で肯定判断がなさ
れ、メインコントローラ60は、このセッションのリー
ドイン情報に含まれるTOC情報を全て読み取れている
か否かを判定する(ステップ301)。
【0047】TOC情報を読み取れていなかった場合に
は、ステップ301で否定判断がなされ、メインコント
ローラ60は、TOC情報の読み取りに失敗した旨のエ
ラー処理を行う(ステップ302)。具体的には、メイ
ンコントローラ60は、例えば、図示しない表示部に
「TOC読み取りエラー」である旨の表示を行う。
【0048】また、TOC情報を読み取れていた場合に
は、ステップ301で肯定判断がなされ、メインコント
ローラ60は、第1セッションをこのディスク10にお
ける“最終セッション”として設定する(ステップ30
3)。また、第1セッションを読み取り中でなかった場
合には、上述したステップ300で否定判断がなされ、
メインコントローラ60は、現在読み取り中であったセ
ッションの1つ前のセッションをディスク10における
“最終セッション”として設定する(ステップ30
4)。例えば、第3セッションを読み取り中にガード時
間が経過してしまい、読み取り動作が中断された場合で
あれば、1つ前の第2セッションが“最終セッション”
として設定される。
【0049】上述したステップ303またはステップ3
04に示した処理が終了し、ディスク10における“最
終セッション”が確定すると、メインコントローラ60
は、ピック部20を所定の初期位置へ強制的に移動する
(ステップ305)。具体的には、所定のガード時間が
経過してもリードイン情報の読み取り動作が完了してい
ない場合というのは、存在しないセッションのリードイ
ン情報をサーチしたことなどにより、フォーカス外れ
等、サーボ系に異常状態が生じている場合がほとんどで
ある。このため、通常のトラックジャンプ制御によって
ピック部20を移動させようとすると、まず、所定の復
帰処理を行ってサーボ系の異常状態を解消しなければな
らないが、この場合には、ピック部20を内周側で少し
移動させてはフォーカス合わせ等を行う、という復帰処
理を繰り返すことによりディスク10のトラックを読み
取れる状態にしなければならず、非常に時間がかかる。
【0050】したがって、本実施形態では、所定のガー
ド時間が経過した場合には、トラックジャンプ制御を行
うことなく、強制的にピック部20を内周側の所定の初
期位置まで移動する制御を行うことにより、時間の短縮
を図っている。一般に、第1セッションのリードイン領
域の物理的な開始位置は、所定の規格により決まってお
り、本実施形態のディスク再生を含む一般的なディスク
再生装置では、ディスクが装填されると、まず、この第
1セッションのリードイン領域にピック部を移動するよ
うに設計されている。したがって、第1セッションのリ
ードイン領域近傍へのピック部20の強制的な移動は、
単にディスク装填時と同様な動作を行うだけで容易に実
現することができる。
【0051】上述したステップ305に示した処理が終
了し、ピック部20が所定の初期位置へ移動すると、メ
インコントローラ60は、再生情報を順次読み出して、
所定の再生動作を開始する。図5は、本実施形態のディ
スク再生装置におけるリードイン情報の読み取り動作を
説明する図である。同図では、一例として3つのセッシ
ョンを含むディスク10を想定して説明を行う。図5
(A)は、本実施形態のディスク再生装置におけるリー
ドイン情報の読み取り動作の内容を示しており、図5
(B)は、従来のディスク再生装置におけるリードイン
情報の読み取り動作の内容を示している。
【0052】図5(A)に示すように、本実施形態のデ
ィスク再生装置では、次のセッションのリードイン情報
を読み取る動作に先立って、その存在を確実に把握する
ことができる現セッションのリードアウト情報をサーチ
している。例えば、第2セッションのリードイン情報を
読み取る場合であれば、それに先だって、第1セッショ
ンのリードアウト情報がサーチされる。このように、存
在することが確実なリードアウト情報をサーチし、そこ
から少ないトラックジャンプ量でピック部20を移動し
て次のセッションのリードイン情報をサーチしているの
で、リードイン情報が検出できない場合に、その原因と
して、ディスク10上の傷などによるフォーカス外れ
や、ピック部20の移動誤差などの要因を考慮する必要
がほとんどない。したがって、上述した「ガード時間」
を例えば、0.2〜0.5秒程度の短い時間に設定し、
このガード時間が経過してもリードイン情報の読み取り
が完了しない場合には、それが次のセッションが存在し
ないことによるものであると容易に判断することができ
る。したがって、再生情報の読み出しを開始するまでに
要する時間を短縮することが可能となる。
【0053】これに対して、図5(B)に示す従来のデ
ィスク再生装置におけるリードイン情報の読み取り動作
では、複数のセッションのリードイン情報だけを順次サ
ーチして読み取っているので、一見、読み取り動作が短
時間で終了するかのように見える。しかしながら、第3
セッションのリードイン情報を読み出した後には、実際
に存在しない第4セッションのリードイン情報を目標に
してサーチを行ってしまうことからトラックジャンプ量
が多くなるので、リードイン情報を読み取れない状態が
生じた場合に、それが実際には存在しない第4セッショ
ンを読み取ろうとしているために生じているのか、それ
以外の要因(サーチ時のトラックジャンプ誤差やディス
ク10上の傷等)によって生じているのかを判断しにく
い。このため、従来のディスク再生装置は、サーボ系の
復帰処理を何回か実行し、それでもリードイン情報が読
み取れないまま比較的長い所定時間(例えば、2秒間)
が経過した段階で、初めて次のセッションが存在しない
という判断を行って、読み取ることができたセッション
だけを有効とする等の処理を行っていた。したがって、
セッションが存在しないことを判断するまでに長い時間
がかかってしまうこととなり、再生動作を開始するまで
に要する時間が長くなる。
【0054】このように、本実施形態のディスク再生装
置では、複数のセッションを有するディスク10から再
生情報の読み出しを行う際に、一のセッションに含まれ
るリードイン情報を読み取った後にそのセッションに含
まれるリードアウト情報を読み取り、その後に、このリ
ードアウト情報と隣接して記録されている次のセッショ
ンのリードイン情報の読み取りを行っており、これと並
行して、リードイン情報の読み取り動作が所定のガード
時間内に終了したか否かを判定している。リードイン情
報が存在せずにフォーカス外れ等のサーボ系の異常状態
が生じた場合に、その要因としてトラックジャンプ誤差
等を考慮する必要がなくなるので、他のセッションが存
在しないと判断して読み取り動作を終了するまでの時
間、すなわち上述したガード時間を短い時間に設定する
ことが可能になる。したがって、起動時に再生情報の読
み出しを開始するまでの時間を短縮することができる。
【0055】また、リードイン情報の読み取り動作がガ
ード時間内に終了しなかった場合、すなわち否定的な判
定結果が得られた場合には、その時点までに読み込むこ
とのできたリードイン情報に対応するセッションだけを
有効と設定し、ピック部20を所定の初期位置へ強制的
に戻し、再生情報の読み出しを開始している。このよう
に、トラックジャンプ制御を伴わずにピック部20を移
動することにより、この移動に要する時間の短縮が可能
となり、この点からも、起動時に再生情報の読み出しを
開始するまでの時間を短縮することができる。
【0056】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変
形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、
リードイン情報と再生情報とリードアウト情報とが含ま
れるセッションが複数記録されたディスク10の一例と
して、所定の再生情報の書き込みが行われて作成された
CD−Rを挙げていたが、ディスク型記録媒体の種類
は、CD−Rに限定されるものではない。
【0057】また、リードイン情報の読み取りの成否を
判定する際のガード時間は、具体的な一例として“0.
2〜0.5秒間”程度としていたが、これに限定される
ものではない。
【0058】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、存在
することが確実なリードアウト情報を読み取り、その後
にこのリードアウト情報と隣接して記録されている他の
セッションのリードイン情報の読み取りを行っているの
で、サーチ時のトラックジャンプ量を少なくすることが
できる。このため、リードイン情報が存在せずにフォー
カス外れ等のサーボ系の異常状態が生じた場合に、その
要因としてトラックジャンプ誤差等を考慮する必要がな
くなり、他のセッションが存在しないことを確認するま
での時間の短縮が可能となり、起動時に再生情報の読み
出しを開始するまでの時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態のディスク再生装置の構成を示す図
である。
【図2】ディスク再生装置の大まかな動作手順を示す流
れ図である。
【図3】各セッションのリードイン情報を読み取る際の
ディスク再生装置の動作手順を示す流れ図である。
【図4】リードイン情報の読み取る動作を強制的に終了
する際のディスク再生装置の動作手順を示す流れ図であ
る。
【図5】ディスク再生装置におけるリードイン情報の読
み取り動作を説明する図である。
【符号の説明】
10 ディスク 20 ピック部 22 RFアンプ 30 フィードモータ 32 サーボドライバ 34 スピンドルモータ 36 スピンドルモータドライバ 38 サーボコントローラ 40 2値化回路 42 同期回路 44 信号処理部 50 PLL回路 60 メインコントローラ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リードイン情報と再生情報とリードアウ
    ト情報とが含まれるセッションが複数記録されたディス
    ク型記録媒体から前記再生情報を読み出して再生を行う
    ディスク再生装置において、 前記ディスク型記録媒体に記録された情報の読み取りを
    行うピック部と、 起動時に、前記ピック部を移動させることにより複数の
    前記セッションに含まれる前記リードイン情報を所定の
    順番に読み出す際に、いずれか一の前記セッションに含
    まれる前記リードイン情報の読み出しを行った後にこの
    セッションに含まれる前記リードアウト情報の読み出し
    を行い、その後、前記ディスク型記録媒体の隣接位置に
    記録された他の前記セッションに含まれる前記リードイ
    ン情報の読み取りを行う読み取り制御手段と、 前記読み取り制御手段によって前記リードイン情報の読
    み取りを行った際に、所定時間内に読み取りの成否を判
    定する成否判定手段と、 を備えることを特徴とするディスク再生装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記読み取り制御手段は、前記成否判定手段によって否
    定的な判定結果が得られたときに、前記ピック部を所定
    の初期位置に移動させることを特徴とするディスク再生
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 前記読み取り制御手段は、前記成否判定手段によって否
    定的な判定結果が得られたときに、トラックジャンプ制
    御を伴わずに前記ピック部を所定の初期位置に強制的に
    移動させることを特徴とするディスク再生装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006302362A (ja) * 2005-04-19 2006-11-02 Matsushita Electric Ind Co Ltd 情報再生装置
WO2007074618A1 (ja) * 2005-12-28 2007-07-05 Pioneer Corporation 最終領域検索装置、情報再生装置、最終領域検索方法、最終領域検索処理プログラム

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