JP2002123000A - 平版印刷版の品質管理方法 - Google Patents

平版印刷版の品質管理方法

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JP2002123000A
JP2002123000A JP2000315463A JP2000315463A JP2002123000A JP 2002123000 A JP2002123000 A JP 2002123000A JP 2000315463 A JP2000315463 A JP 2000315463A JP 2000315463 A JP2000315463 A JP 2000315463A JP 2002123000 A JP2002123000 A JP 2002123000A
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JP2000315463A
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English (en)
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Koichiro Aono
小一郎 青野
Toshio Uchida
敏夫 内田
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイレクト製版用の赤外線レーザ用ポジ型画
像形成材料の現像液の活性度を判定し、その結果をフィ
ードバックして現像液の活性度を調整することで、平版
印刷版の品質を一定に保ち、均一な画像を連続的に形成
する品質管理方法とを提供する。 【解決手段】 支持体上に、アルカリ水溶液可溶性樹
脂、光熱変換剤とを含有する感光層を有する平版印刷版
の品質管理方法であって、(A)標準アルカリ現像液を
調製し、現像液の活性度を現像途中の平版印刷版原版の
非画像部の交流インピーダンス値により決定する工程
と、(B)評価しようとするアルカリ現像液中で、標準
アルカリ現像液の活性度を決定したのと同様の指標によ
り、評価しようとする現像液の活性度を判定する工程
と、(C)両者の交流インピーダンス値を比較し、その
結果、現像液の活性度を差異に応じて調整する工程と、
を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オフセット印刷マ
スターとして使用可能であり、コンピュータ等のディジ
タル信号から直接製版可能な、いわゆるダイレクト製版
用の赤外線レーザー用のポジ型平版印刷版の品質管理方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年におけるレーザーの発展は目ざまし
く、特に、近赤外線から赤外線領域に発光領域を持つ個
体レーザーや半導体レーザーでは、高出力・小型化が進
んでいる。したがって、コンピュータ等のディジタルデ
ータから直接製版する際の露光光源として、これらのレ
ーザーは非常に有用である。前述の赤外線領域に発光領
域を持つ赤外線レーザーを露光光源として使用する、赤
外線レーザ用ポジ型平版印刷版材料は、アルカリ水溶液
可溶性のバインダー樹脂と、光を吸収し熱を発生するI
R染料等とを必須成分とする平版印刷版材料である。
【0003】該赤外線レーザ用ポジ型平版印刷版材料
に、前記赤外線レーザを露光すると、非露光部(画像
部)では、該赤外線レーザ用ポジ型平版印刷版材料中の
IR染料等が、前記バインダー樹脂との相互作用によ
り、該バインダー樹脂の溶解性を実質的に低下させる溶
解阻止剤として働く。一方、露光部(非画像部)では、
前記IR染料等が、光を吸収して熱を発生するため、該
IR染料等と前記バインダー樹脂との相互作用が弱くな
る。したがって、現像時には、前記露光部(非画像部)
が、アルカリ現像液に溶解し、平版印刷版が形成され
る。しかし、このような赤外線レーザ用ポジ型平版印刷
版材料においては、UV露光により製版するポジ型平版
印刷版材料と比べ、現像液の活性度に対するラチチュー
ドが狭いため、活性度が高くなると、画像部の濃度低
下、耐刷低下を、活性度が低くなると、現像不良を容易
に引き起こす問題がある。前記問題は、以下の、前記赤
外線レーザ用ポジ型平版印刷版材料と、前記UV露光に
より製版するポジ型平版印刷版材料との製版メカニズム
の本質的な相違に起因する。
【0004】前記UV露光により製版するポジ型平版印
刷版材料は、アルカリ水溶液可溶性のバインダー樹脂
と、オニウム塩やキノンジアジド化合物類とを必須成分
とする。ここで、該UV露光により製版するポジ型平版
印刷版材料を露光すると、前記オニウム塩やキノンジア
ジド化合物類は、非露光部(画像部)においては、前記
赤外線レーザ用ポジ型平版印刷版材料におけるのと同様
に、溶解阻止剤として作用するが、露光部(非画像部)
においては、前記赤外線レーザ用ポジ型平版印刷版材料
におけるのとは異なり、光によって分解して酸を発生
し、前記バインダー樹脂の溶解促進剤として作用する。
したがって、該UV露光により製版するポジ型平版印刷
版材料においては、露光部と非露光部のアルカリ現像液
に対する溶解性の差が非常に大きい。
【0005】これに対し、前記赤外線レーザ用ポジ型平
版印刷版材料においては、露光時に、露光部(非画像
部)では、IR染料等と前記バインダー樹脂との相互作
用は弱まるものの、該IR染料が、該バインダーの溶解
促進剤として作用するわけではないため、非露光部と露
光部との溶解性の差が小さい。このような現像液の活性
度に対するラチチュードが狭い画像形成材料を使用して
安定した画像を連続的に形成するためには、その工程管
理が非常に困難である。通常、赤外レーザー用ポジ感光
性平版印刷版を現像する際、現像液感度を極力一定に保
つような補充機構を有する自動現像機を用いる。該補充
機構は、プレートの現像処理やCO2の吸収より現像液
のpHが低下し現像性が低下することを防ぐため、高活
性の補充液を加えるものである。具体的には、通常のP
S版の処理システムでは、例えば、特開昭64−214
51号公報、特公平2−35978号公報に記載のよう
に、電導度又は交流インピーダンスを管理して、それが
一定になるように補充液を加える方法や、プレートの現
像処理が一定枚数に達する毎、或いは、一定の処理時間
を経過した後、などに定期的に所定量の補充液を加える
方法が提案されている。しかし、従来の電導度又は交流
インピーダンスで管理する方法では、現像処理枚数が増
えて感光層の組成物が多く溶解するようになると、スタ
ート時と比べて同じ電導度値又は交流インピーダンスで
もpHが異なり、現像性も異なってくるという事実があ
る。
【0006】また、平版印刷版の現像処理枚数、或い
は、一定の時間等の、決まった間隔で所定量の補充液を
加える方法では、プレートの単位面積当りの補充量を規
定するため、画像面積によって現像液にとけ込む感光層
の組成物量が異なり、さらに、自動現像機の設置環境
(温度、湿度、CO2濃度等)により経時でのCO2吸収
量が異なる等の要因により、条件が微妙に変化し、一定
値での管理では、均一な露光/現像条件を持続的に得る
のは困難であった。
【0007】UV露光を用いる通常の平版印刷版はラチ
チュードが広いため、上記の点は大きな問題にならない
が、赤外レーザー用ポジ感光性平版印刷版は先に述べた
ようにラチチュードが狭いため、現像液の活性度の変化
により、画像形成性が大きく異なるため、平版印刷版の
品質上の問題を容易に引き起こす。例えば、UV露光を
用いる通常の平版印刷版においては、現像性の低下が4
0%に達すると、その対策として、現像液の交流インピ
ーダンス値を25%下げたり、現像機内での搬送速度を
40〜50%低下させて現像時間を長くする対策を取る
こともできるが、この基準をそのまま赤外線レーザ用の
ポジ型平版印刷版に適用すると、わずかな交流インピー
ダンス変化や現像時間の変化が現像性に大きく影響し、
過剰現像や現像不良を容易に引き起こすといった問題が
ある。このため、ラチチュードの狭い赤外線レーザ用ポ
ジ型平版印刷版材料に適用して、画像部の濃度低下、耐
刷低下又は現像不良を、簡易な工程管理で、効果的に防
止する方法が切望されているのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記諸問題
を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即
ち、本発明は、ダイレクト製版用の赤外線レーザ用ポジ
型画像形成材料の現像液の活性度を簡易な方法で判定
し、その結果を補充装置などの現像液の活性度調整手段
にフィードバックして現像液の活性度を調整することに
より、平版印刷版の品質を一定に保ち、均一な画像を連
続的に形成するための品質管理方法を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、検討の結
果、特定の標準的なアルカリ現像液の活性度を現像処理
中の平版印刷版原版の非画像部のインピーダンス値によ
り測定した後、評価対象となるアルカリ現像液について
も同様に活性度を測定し、両者を比較し、その結果を現
像工程における補充装置などの現像液活性度調整手段に
フィードバックして、現像液の活性度を調整すること
で、平版印刷版の品質管理が容易に行えることを見出
し、本発明を完成した。
【0010】即ち、本発明の平版印刷版の品質管理方法
は、支持体上に、アルカリ水溶液可溶性樹脂と、光を吸
収して熱を発生する化合物とを含有してなる感光層を有
する画像形成材料を、アルカリ現像液で現像液処理して
作成した平版印刷版の品質管理方法であって、(A)標
準アルカリ現像液を調製し、該アルカリ現像液の活性度
を、アルカリ現像液中を搬送される現像途中の平版印刷
版原版の非画像部の交流インピーダンス値により決定す
る工程と、(B)評価しようとするアルカリ現像液にお
いて、前記標準アルカリ現像液の活性度を決定したのと
同様の指標により、評価しようとするアルカリ現像液の
活性度を測定する工程と、(C)標準アルカリ現像液と
評価しようとするアルカリ現像液の活性度を比較し、そ
の結果、両者の差異が所定の値を超えた場合に、アルカ
リ現像液の活性度を、その差異に応じて調整する工程
と、を有することを特徴とする。
【0011】ここで、前記(A)標準アルカリ現像液
が、現像処理開始時におけるアルカリ現像液新液とし、
(B)評価しようとするアルカリ現像液が、所定の連続
的な現像処理を行った後のアルカリ現像液とすること
で、自動現像機などによる連続処理に定期的に適用し
て、常に現像条件を一定の範囲に容易に保持することが
できる。また、前記アルカリ現像液の活性度を決定する
方法としては、アルカリ現像液を満たした現像槽の途中
の位置に平版印刷版原版の非画像部における感光層の溶
出度合いを測定するセンサーを設けて、交流インピーダ
ンス値を測定することにより決定することが、評価精度
の観点から好ましい態様である。アルカリ現像液の活性
度調整の目安としては、交流インピーダンス値が4〜1
0%変化したときに、アルカリ現像液の活性度を調整す
ることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明においては、まず、(A)標準アルカリ現像
液を調製し、調整した標準アルカリ現像液の活性度を以
下に詳述する方法により決定する。次に、(B)評価し
ようとするアルカリ現像液において、前記標準アルカリ
現像液の活性度を決定したのと同様の指標により、評価
しようとするアルカリ現像液の活性度を測定する。ここ
で評価の対象となる現像液は、通常は、連続的な現像工
程を行なう自動現像機中の現像液で、所定に期間連続的
に現像処理を行った後の現像液であり、これにより、連
続処理中における現像液の経時的な劣化などを的確に検
知して、得られる平版印刷版の品質を一定に保持するの
に使用される。即ち、(C)標準アルカリ現像液と評価
しようとするアルカリ現像液の活性度を比較し、その結
果、両者の差異が所定の値を超えた場合に、現像工程に
おける補充装置などの活性度調整手段にフィードバック
して現像液の活性度を調整するものである。
【0013】本発明の方法は、前記標準アルカリ現像液
中の感光層の溶出度合いをベースとして、評価の対象と
なるものと比較することにより標準状態からのずれを検
知し、それを平版印刷版の製造工程における現像液の活
性度調整手段にフィードバックする方法である。このと
き、活性度を決定する指標としては、現像液自体の物性
を用いても、露光され、該現像液により現像された平版
印刷版の物性を評価軸として用いてもよい。
【0014】ベースとなる標準アルカリ現像液の活性度
に対応する指標は、はじめに一回だけ測定し、その値を
標準値として使用してもよく、例えば、一日一回所定の
タイミングで測定するなど、定期的に行ってもよい。一
方、評価対象となる現像液の指標の測定は、例えば、経
時後の現像液の疲労の状況などを確認するためのもの
で、評価を必要とする時点で、標準値における活性度を
測定した方法と同一の条件で行なうことが必要である。
【0015】活性度の調整に関するフィードバックの目
安については、本発明者らが先に出願した特願平11−
231398号明細書の段落番号〔0017〕〜〔00
18〕に詳細に記載されている。
【0016】本発明における交流インピーダンス値の測
定は、平版印刷版原版の非画像部における感光層を評価
対象とするため、評価用原版は、所定の領域に非画像部
を形成するようような条件で、露光して作成すればよ
い。この所定の領域の非画像部を形成した平版印刷版
を、まず、標準的な配合の標準現像液で現像し、標準現
像液処理中における非画像部の感光層の溶出度合いを交
流インピーダンス値を測定することで決定する。次に、
同様の平版印刷版を作成し、さらに、前記と同様の条件
で露光を行った評価用平版印刷版を、評価しようとする
現像液で現像する他は前記標準現像処理平版印刷版と同
様にして現像し、評価対象の現像液中における非画像部
の感光層の溶出度合いを交流インピーダンス値を測定す
ることで決定する。これらの結果から活性度を比較する
工程においては、非画像部の現像状態を交流インピーダ
ンス値を比較して評価を行えばよい。
【0017】このように、標準的な現像液の活性度と評
価対象現像液の活性度との比較により、現像槽中の現像
液の活性度を調整させるべきであるか否かが容易に検知
できる。したがって、この活性度比較の結果を、現像液
の活性度調整手段にフィードバックすることで、平版印
刷版の品質管理を合理的に行なうことができる。即ち、
試験した対象現像液において活性度の低下が見られる場
合には、現像工程におけるアルカリ現像液の交流インピ
ーダンス値を下げ、活性度の上昇がみられる場合には、
アルカリ現像液の交流インピーダンス値を上げる手段を
とればよい。この評価結果を現像工程へフィードバック
する場合の限度は、所望される平版印刷版の均一性によ
り決定すればよいが、一般的には、クリア感度、ベタ感
度ともに標準試料より20%はずれたとき、即ち、(対
象現像処理平版印刷版のデータ)/(標準現像処理平版
印刷版のデータ)=0.8〜1.2の範囲をはずれたと
きが、現像工程にフィードバックする目安となる。
【0018】本発明の方法においては、現像液の活性度
決定の目安として、現像工程における平版印刷版原版の
非画像部領域の感光層の溶出度合い、言い換えれば残存
状態を検出する方法をとる。図1(A)は、標準的な現像
液中の現像途中の平版印刷版の状態を示す概略断面図で
ある。平版印刷版原版10は支持体12上に感光層14
を有するもので、非画像部の感光層14はアルカリ現像
液16中で溶出し、支持体12表面が露出して非画像部
を形成する。図1(A)においては、現像槽中を搬送さ
せる平版印刷版原版10の感光層14は現像初期時間
(図中T1で示す)経過後に完全に溶解除去される。一
方、連続的に現像処理を行なっているうちに現像液の活
性が低下すると、感光層の溶出性が低下する。図1
(B)は、活性度が低下したアルカリ現像液中の現像途
中の平版印刷版の状態を示す概略断面図である。この場
合、前記標準的な現像初期時間が経過した後も、非画像
部には感光層14が残存しており、非画像部の感光層1
4が完全に除去されるためには、図中T2で示される時
間を要する。即ち、ここで、平版印刷版原版の現像槽
中、搬送路のT1で示す位置に溶出状態を検知するセン
サーを設け、感光層14の溶出状態を測定すれば、現像
液の活性度が低下していることを検出できる。
【0019】この感光層の溶出状態を検知する方法とし
ては、例えば、着色された感光層を用いる場合には、平
版印刷版原版の感光層上方より、感光層が感光しない波
長の光を照射し、反射光或いは透明支持体であれば透過
光の強弱を測定する方法なども挙げられるが、汎用の平
版印刷版はアルミニウムなどの金属板を支持体として用
いる点、感光層の組成や現像液中の感光層の成分の存在
による測定値の変動が少ない点、及び、感光層に影響を
及ぼさない点などから、感光層の残存量の変化に伴う膜
の電気抵抗値を測定する交流インピーダンス値を測定す
る方法が好ましい。この方法は、感光層の溶出度合いを
非画像部における残存感光層の膜の電気抵抗値として測
定し、その値により現像液の活性度を決定するものであ
る。
【0020】測定は、現像液中において平版印刷版原版
の感光層と無接触で測定することが可能である。図2
は、現像液中における交流インピーダンスの測定装置を
示す概略構成図である。感光層14が塗布されている側
の平版印刷版原版10上に一方の電極20Aを1〜50
mm程度離して現像液16中に設置する。このとき、平
版印刷版原版10は対抗する一対の挿入ローラ22で現
像液16中を搬送される。交流インピーダンスを測定す
るための他方の電極20Bは、支持体と接触するように
設置してもよく、その場合には、前記挿入ローラ22の
少なくとも一方を金属とし、それを他方の電極とするこ
ともできる。また、図2に示すように、他方の電極20
Bを無接触に、前記電極20Aよりも現像が進行する方
向、即ち、現像槽の出口により近い位置に、平版印刷版
原版10と接触しないように設置してもよい。また、別
の態様としては、他方の電極20Bを平版印刷版原版の
裏側、即ち、感光層を設けていない側に設置する態様が
挙げられる。上記無接触型の2つのうち、いずれの態様
をとる場合でも、平版印刷版原版10と電極20A、2
0Bとの間には、電解質の現像液16が存在しているこ
とが必要である。
【0021】現像処理中のセンサーの設置位置は、平版
印刷版原版の非画像部の感光層が、標準となる現像液を
使用した場合において、ほぼ溶出する位置、すなわち、
図1(A)におけるT1で表示される位置及びその近傍
に設置されることが好ましい。具体的には、搬送式の自
動現像機を用いた場合、現像ゾーン(現像槽)の挿入部
から出口部までの距離を平版印刷版10の先端が通過す
る全現像時間の1/20〜2/3の時間に平版印刷版1
0の先端が通過する位置及びその近傍にセンサーを取り
付けることが好ましく、平版印刷版10の先端が通過す
る全現像時間の1/12〜1/3の時間に平版印刷版1
0の先端が通過する位置及びその近傍にセンサーを設置
することがより好ましい。連続的な現像処理中の所定時
間経過した後に、このようにして決定したアルカリ現像
液の活性度が、当初決定したアルカリ現像液の活性度と
比較してその差が所定の値を超えた場合には、補充装置
などの現像液活性度の調整手段にそのデータをフィード
バックして活性度の調整を行なえばよい。
【0022】本発明において、現像液の交流インピーダ
ンス値を測定する手段としては、交流インピーダンス
計、交流ブリッジ計、或いはその他のインピーダンス計
などの公知の測定装置が挙げられる。測定装置の実際の
測定電流値、発振周波数などの測定条件は、現像液の組
成などにより最適条件が異なるが、電流値については装
置の観点からも、また、水溶性の現像液の電機分解を防
止する観点からも、ある程度低い範囲にあることが好ま
しく、数百mA〜数mAの範囲にあることが好ましく、
周波数は、現像液中の静電容量成分との関係から、数百
Hz〜数百kHzの範囲であることが好ましい。電解質
を含む現像液の交流インピーダンス値は、水溶液の温度
に依存し、液温が上がるとその値は低下する。従って、
より好ましくは温度センサー及び温度補償回路を付した
測定器を用いることが好ましい。
【0023】活性度が規定範囲をはずれたときの対策方
法としては、交流インピーダンス値が上昇している場合
には、濃度の高い現像液を添加するといった対策を行な
う。調整の目安としては、交流インピーダンス値が標準
試料より4〜10%上昇したときには活性度を上げるこ
とが一般的である。一方、交流インピーダンス値が低下
して規定範囲をはずれたときの対策方法としては、水又
は低濃度の補充液を添加するといった方法が挙げられ
る。このときの調整の目安としては、交流インピーダン
ス値が上がった場合とは逆に、交流インピーダンス値が
標準試料より4〜10%下降したときには、活性度を下
げることが一般的である。例えば、汎用のUV露光を行う
ポジ型平版印刷版の場合には、交流インピーダンス値が
25%標準よりずれた場合には、少なくとも現像液の活
性度をについては、40%以上の値の変更が必要なこと
を考慮すれば、赤外線レーザ用ポジ型平版印刷版におけ
る現像液の活性度の調整が高い精度を要求されることが
わかる。
【0024】次に、本発明の方法が適用される画像形成
材料について説明する。本発明に係る画像形成材料は、
支持体上に、赤外レーザー用ポジ感光性組成物からなる
感光層を設けたものであれば、特に制限はなく、該感光
層は、(a)アルカリ水溶液可溶性樹脂と、(b)光を
吸収して熱を発生する化合物とを含有してなるものであ
り、その他、赤外レーザー用ポジ感光性組成物として、
通常用いられる添加剤などを添加されたものであっても
よい。
【0025】本発明において使用される(a)アルカリ
水溶液可溶性樹脂としては、ノボラック樹脂や側鎖にヒ
ドロキシアリール基を有するポリマーなどが挙げられ
る。本発明のアルカリ水溶液可溶性樹脂として使用しう
るノボラック樹脂は、フェノール類とアルデヒド類を酸
性条件下で縮合させた樹脂である。好ましいノボラック
樹脂としては、例えばフェノールとホルムアルデヒドか
ら得られるノボラック樹脂、m−クレゾールとホルムア
ルデヒドから得られるノボラック樹脂、p−クレゾール
とホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、o−
クレゾールとホルムアルデヒドから得られるノボラック
樹脂、オクチルフェノールとホルムアルデヒドから得ら
れるノボラック樹脂、m−/p−混合クレゾールとホル
ムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、フェノール
/クレゾール(m−,p−,o−またはm−/p−,m
−/o−,o−/p−混合のいずれでもよい)の混合物
とホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂などが
挙げられる。これらのノボラック樹脂は、重量平均分子
量が800〜200,000で、数平均分子量が400
〜60,000のものが好ましい。
【0026】また、本発明のアルカリ水溶液可溶性樹脂
としては、側鎖にヒドロキシアリール基を有するポリマ
ーも好ましく挙げることができる。このポリマーにおい
て、ヒドロキシアリール基とは−OH基が1個以上結合
したアリール基を示す。アリール基としては例えば、フ
ェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナント
レニル基等を挙げることができるが、入手の容易さ及び
物性の観点から、フェニル基あるいはナフチル基が好ま
しい。従って、ヒドロキシアリール基としては、ヒドロ
キシフェニル基、ジヒドロキシフェニル基、トリヒドロ
キシフェニル基、テトラヒドロキシフェニル基、ヒドロ
キシナフチル基、ジヒドロキシナフチル基等が好まし
い。これらのヒドロキシアリール基は、さらに、ハロゲ
ン原子、炭素数20個以下の炭化水素基、炭素数20個
以下のアルコキシ基及び炭素数20個以下のアリールオ
キシ基等の置換基を有していてもよい。これらのヒドロ
キシアリール基は、ポリマーの側鎖としてペンダント状
にポリマー主鎖へ結合しているが、主鎖との間に連結基
を有していても良い。
【0027】(b)光を吸収して熱を発生する化合物と
しては、公知の種々の顔料や染料等が好適に挙げられ
る。前記顔料としては、市販の顔料およびカラーインデ
ックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料
技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」
(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」C
MC出版、1984年刊)に記載されている顔料が挙げ
られる。
【0028】前記顔料の種類としては、黒色顔料、黄色
顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔
料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その
他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶
性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレート
アゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔
料、ペリレンおよびペリノン系顔料、チオインジゴ系顔
料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソイ
ンドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ
顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔
料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が挙げら
れる。
【0029】前記顔料は、表面処理をせずに用いてもよ
く、表面処理をほどこして用いてもよい。該表面処理の
方法には樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活
性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカ
ップリング剤やエポキシ化合物、ポリイソシアネート
等)を顔料表面に結合させる方法等が考えられる。前記
表面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書
房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年
刊)および「最新顔料応用技術」(CMC出版、198
6年刊)に記載されている。
【0030】前記顔料の粒径としては、0.01〜10
μmが好ましく、0.05〜1μmがより好ましく、
0.1〜1μmが特に好ましい。前記顔料の粒径が、
0.01μm未満の場合には、分散物の感光層塗布液中
での安定性の点で好ましくないことがあり、一方、10
μmを超える場合には、感光層の均一性の点で好ましく
ない。
【0031】前記顔料を分散する方法としては、インク
製造やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用
できる。前記分散には、超音波分散器、サンドミル、ア
トライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、
インペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミル、
ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等の分散
機が用いられる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CM
C出版、1986年刊)に記載されている。
【0032】前記染料としては、市販の染料および文献
(例えば「染料便覧」有機合成化学協会編集、昭和45
年刊)に記載されている公知のものが挙げられ、例え
ば、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染
料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボ
ニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン
染料などの染料が挙げられる。前記顔料、又は染料のう
ち赤外光、又は近赤外光を吸収する顔料・染料が、赤外
光又は近赤外光を発光するレーザでの利用に適する点
で、特に好ましい。
【0033】前記赤外光、又は近赤外光を吸収する顔料
としては、カーボンブラックが好適に用いられる。ま
た、前記赤外光、又は近赤外光を吸収する染料として
は、例えば特開昭58−125246号、特開昭59−
84356号、特開昭59−202829号、特開昭6
0−78787号等に記載されているシアニン染料、特
開昭58−173696号、特開昭58−181690
号、特開昭58−194595号等に記載されているメ
チン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−
224793号、特開昭59−48187号、特開昭5
9−73996号、特開昭60−52940号、特開昭
60−63744号等に記載されているナフトキノン染
料、特開昭58−112792号等に記載されているス
クワリリウム色素、英国特許434,875号記載のシ
アニン染料等を挙げることができる。
【0034】また、前記染料としては、米国特許第5,
156,938号記載の近赤外吸収増感剤も好適に用い
られ、また、米国特許第3,881,924号記載の置
換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭
57−142645号(米国特許第4,327,169
号)記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−
181051号、同58−220143号、同59−4
1363号、同59−84248号、同59−8424
9号、同59−146063号、同59−146061
号に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−
216146号記載のシアニン色素、米国特許第4,2
83,475号に記載のペンタメチンチオピリリウム塩
等や特公平5−13514号、同5−19702号公報
に開示されているピリリウム化合物が、また、市販品と
しては、エポリン社製のEpolightIII−17
8、EpolightIII−130、EpolightI
II−125、EpolightV−176A等が、特に
好ましく用いられる。
【0035】また、前記染料として、特に好ましい別の
例として米国特許第4,756,993号明細書中に式
(I)、(II)として記載されている近赤外吸収染料
が挙げられる。前記顔料又は染料の添加量としては、印
刷版材料全固形分に対し0.01〜50重量%が好まし
く、0.1〜10重量%がより好ましい。前記染料の場
合には、0.5〜10重量%が特に好ましく、顔料の場
合には、3.1〜10重量%が特に好ましい。前記顔料
又は染料の添加量が、0.01重量%未満の場合には、
感度が低くなることがある一方、50重量%を超える場
合には、感光層の均一性が失われ、記録層の耐久性が悪
くなることがある。
【0036】前記染料又は顔料は、他の成分と同一の層
に添加してもよいし、別の層に添加してもよい。他の成
分とは別の層に添加する場合には、熱分解性でありかつ
分解しない状態では結着樹脂の溶解性を実質的に低下さ
せる物質を含む層と隣接している層中に添加するのが好
ましい。また、前記染料又は顔料と結着樹脂とは同一の
層中に含まれるのが好ましいが、別の層に含まれていて
もよい。
【0037】前記感光層には、所望により、その他の成
分を含有させることができる。その他の成分としては、
種々の添加剤が挙げられ、そのような添加剤としては、
例えばオニウム塩、o−キノンジアジド化合物、芳香族
スルホン化合物、芳香族スルホン酸エステル化合物等の
熱分解性であり、分解しない状態ではアルカリ水可溶性
高分子化合物の溶解性を実質的に低下させる物質が挙げ
られる。前記添加剤を添加すれば、画像部の現像液への
溶解阻止性の向上を図ることができる。
【0038】前記オニウム塩としてはジアゾニウム塩、
アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、ス
ルホニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩等が挙
げられる。これらの中でも、ジアゾニウム塩が特に好ま
しく、該ジアゾニウム塩としては、特開平5−1582
30号公報に記載のものが好ましい。
【0039】前記o−キノンジアジド化合物としては、
1以上のo−キノンジアジド基を有する化合物で、熱分
解によりアルカリ可溶性を増すものであれば、種々の構
造の化合物が好適に挙げられる。前記o−キノンジアジ
ドは、熱分解により結着剤の溶解抑制能を失わせる効果
と、o−キノンジアジド自体が、アルカリ可溶性の物質
に変化する効果との双方の効果を有するため、結着剤の
溶解促進剤として作用することができる。
【0040】前記o−キノンジアジド化合物の添加量と
しては、印刷版材料全固形分に対して1〜50重量%が
好ましく、5〜30重量%がより好ましく、10〜30
重量%が特に好ましい。
【0041】前記オニウム塩の対イオンとしては、四フ
ッ化ホウ酸、六フッ化リン酸、トリイソプロピルナフタ
レンスルホン酸、5−ニトロ−o−トルエンスルホン
酸、5−スルホサリチル酸、2,5−ジメチルベンゼン
スルホン酸、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン
酸、2−ニトロベンゼンスルホン酸、3−クロロベンゼ
ンスルホン酸、3−ブロモベンゼンスルホン酸、2−フ
ルオロカプリルナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸、1−ナフトール−5−スルホン酸、2−
メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイル−ベンゼン
スルホン酸、及びパラトルエンスルホン酸等を挙げるこ
とができる。これらの中でも特に六フッ化リン酸、トリ
イソプロピルナフタレンスルホン酸や2,5−ジメチル
ベンゼンスルホン酸のごときアルキル芳香族スルホン酸
が好適に挙げられる。
【0042】前記o−キノンジアジド化合物以外の添加
剤の添加量としては、1〜50重量%が好ましく、5〜
30重量%がより好ましく、10〜30重量%が特に好
ましい。前記添加剤と結着剤とは、同一層へ含有させる
ことが好ましい。
【0043】また、更に感度を向上させる目的で、無水
フタル酸などの環状酸無水物、ビスフェノールA、p−
ニトロフェノール等のフェノール類、p−トルエンスル
ホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等の有機酸類を添
加することもできる。前記環状酸無水物、フェノール類
又は有機酸類の印刷版材料中に占める割合としては、
0.05〜20重量%が好ましく、0.1〜15重量%
がより好ましく、0.1〜10重量%が特に好ましい。
【0044】前記感光層には、塗布性を向上させるため
に、界面活性剤、例えば特開昭62−170950号公報に記載
のフッ素系界面活性剤等を含有させることができる。該
界面活性剤の含有量としては、前記画像記録材料の0.
01〜1重量%が好ましく、0.05〜0.5重量%が
より好ましい。
【0045】本発明の画像形成材料は、前記各成分を溶
媒に溶解させた後、後述の支持体上に塗布して形成され
る。
【0046】−支持体− 前記支持体としては、寸度的に安定な板状物が好まし
く、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートさ
れた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅
等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロー
ス、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸
セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレ
ン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルア
セタール等)、上記のごとき金属がラミネート、もしく
は蒸着された紙、もしくはプラスチックフィルム等が含
まれる。
【0047】前記支持体としては、ポリエステルフィル
ム又はアルミニウム板が好ましく、その中でも寸法安定
性がよく、比較的安価であるアルミニウム板は特に好ま
しい。好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板およ
びアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金
板であり、更にアルミニウムがラミネートもしくは蒸着
されたプラスチックフィルムでもよい。アルミニウム合
金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、
マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チ
タンなどがある。合金中の異元素の含有量は高々10重
量%以下である。アルミニウム板としては、純アルミニ
ウムが好ましいが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技
術上製造が困難であるので、僅かに異元素を含有するも
のでもよい。このように、アルミニウム板は、その組成
が特定されるものではなく、従来より公知公用の素材の
アルミニウム板を適宜に利用することができる。前記ア
ルミニウム板の厚みとしては、およそ0.1〜0.6m
m程度が好ましく、0.15〜0.4mmがより好まし
く、0.2〜0.3mmが特に好ましい。
【0048】前記アルミニウム板を粗面化するに先立
ち、所望により、表面の圧延油を除去するための例えば
界面活性剤、有機溶剤またはアルカリ性水溶液などによ
る脱脂処理が行われる。アルミニウム板の表面の粗面化
処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的
に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する
方法および化学的に表面を選択溶解させる方法により行
われる。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研
磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を
用いることができる。また、電気化学的な粗面化法とし
ては塩酸または硝酸電解液中で交流または直流により行
う方法がある。
【0049】この様に粗面化されたアルミニウム板は、
必要に応じてアルカリエッチング処理および中和処理さ
れた後、所望により表面の保水性や耐摩耗性を高めるた
めに陽極酸化処理が施される。陽極酸化による、陽極酸
化皮膜の量は、1.0g/m 2以上が好ましい。陽極酸
化皮膜の量が、1.0g/m2未満の場合には、耐刷性
が不十分であったり、平版印刷版として用いた場合に
は、非画像部に傷が付き易くなって、印刷時に傷の部分
にインキが付着するいわゆる「傷汚れ」が生じ易くなる
ことがある。前記陽極酸化処理を施された後、前記アル
ミニウムの表面は、必要に応じて親水化処理が施され
る。
【0050】前記赤外線レーザ用ポジ型感光性組成物
(添加剤を含む全固形分)の前記溶媒中の濃度として
は、1〜50重量%が好ましい。また塗布、乾燥後に得
られる支持体上の塗布量(固形分)は、用途によって異
なるが、感光性平版印刷版の製造に用いる場合には、一
般的に、0.5〜5.0g/m2が好ましい。
【0051】前記塗布の方法としては、特に制限はな
く、公知の塗布方法、例えば、バーコーター塗布、回転
塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エ
アーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等が挙げら
れる。前記塗布の量が少なくなるにつれて、見かけの感
度は大になるが、感光層の皮膜特性は低下する。
【0052】このような画像形成材料は、像露光、現像
処理を施され、平版印刷版が製造される。像露光に用い
られる活性光線の光源としては、近赤外から赤外領域に
発光波長を持つ光源が好ましく、固体レーザ、半導体レ
ーザが特に好ましい。
【0053】前記現像処理に用いる現像液又は補充液と
しては、従来より知られているアルカリ水溶液が使用で
きる。例えば、ケイ酸ナトリウム、同カリウム、第3リ
ン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、第2リ
ン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナ
トリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸水素ナト
リウム、同カリウム、同アンモニウム、ほう酸ナトリウ
ム、同カリウム、同アンモニウム、水酸化ナトリウム、
同アンモニウム、同カリウムおよび同リチウムなどの無
機アルカリ塩が挙げられる。また、モノメチルアミン、
ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミ
ン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロ
ピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピル
アミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジ
エタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプ
ロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレ
ンイミン、エチレンジアミン、ピリジンなどの有機アル
カリ剤が挙げられる。これらのアルカリ水溶液は、1種
単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0054】これらのアルカリ水溶液の中で、ケイ酸ナ
トリウム、ケイ酸カリウム等のケイ酸塩水溶液が特に好
ましい。その理由としては、ケイ酸塩の成分である酸化
珪素SiO2とアルカリ金属酸化物 M2Oとの比率と濃度によ
って現像性の調節が可能となるためであり、例えば、特
開昭54−62004 号公報、特公昭57−7427号に記載されて
いるようなアルカリ金属ケイ酸塩が好適に挙げられる。
【0055】前記現像が、自動現像機を用いて行われる
場合には、現像液よりもアルカリ強度の高い水溶液(補
充液)を現像液に加えることによって、長時間現像タン
ク中の現像液を交換する事なく、多量のPS版を好適に
処理できることができる。
【0056】前記現像液及び補充液には、現像性の促進
や抑制、現像カスの分散又は、印刷版画像部の親インキ
性を高める目的で、必要に応じて、種々の界面活性剤や
有機溶剤を添加できる。前記界面活性剤としては、アニ
オン系、カチオン系、ノニオン系および両性界面活性剤
が好ましい。更に、前記現像液及び補充液には、必要に
応じて、ハイドロキノン、レゾルシン、亜硫酸、亜硫酸
水素酸などの無機酸のナトリウム塩、カリウム塩等の還
元剤、更に有機カルボン酸、消泡剤、硬水軟化剤等を加
えることができる。
【0057】前記現像液及び補充液を用いて現像処理さ
れた画像形成材料は、水洗水、界面活性剤等を含有する
リンス液、アラビアガムや澱粉誘導体を含む不感脂化液
で後処理される。前記画像形成材料を印刷版として使用
する場合の後処理としては、これらの処理を種々組み合
わせて用いることができる。
【0058】近年、製版・印刷業界では製版作業の合理
化および標準化のため、印刷版用の自動現像機が広く用
いられている。この自動現像機は、一般に現像部と後処
理部からなり、印刷版を搬送する装置と各処理液槽およ
びスプレー装置からなり、露光済みの印刷版を水平に搬
送しながら、ポンプで汲み上げた各処理液をスプレーノ
ズルから吹き付けて現像処理するものである。また、最
近は処理液が満たされた処理液槽中に液中ガイドロール
などによって印刷版を浸漬搬送させて処理する方法も知
られている。このような自動処理においては、各処理液
に処理量や稼働時間等に応じて補充液を補充しながら処
理することができる。また、実質的に未使用の処理液で
処理するいわゆる使い捨て処理方式も適用できる。この
ような現像処理工程において、前記本発明の品質管理方
法を適用することにより、品質の安定した平版印刷版が
連続して得られる。
【0059】前記画像形成材料を感光性平版印刷版とし
て使用する場合について説明する。まず、前記画像形成
材料を画像露光して、現像した後、水洗及び/又はリン
ス及び/又はガム引きし、得られた平版印刷版に不必要
な画像部(例えば原画フィルムのフィルムエッジ跡な
ど)がある場合には、その不必要な画像部の消去が行な
われる。このような消去は、例えば特公平 2−13293 号
公報に記載されているような消去液を不必要画像部に塗
布し、そのまま所定の時間放置したのちに水洗すること
により行なう方法が好ましいが、特開平59−174842号公
報に記載されているようなオプティカルファイバーで導
かれた活性光線を不必要画像部に照射したのち現像する
方法も利用できる。
【0060】以上のようにして得られた平版印刷版は所
望により不感脂化ガムを塗布したのち、印刷工程に供す
ることができるが、より一層の高耐刷力の平版印刷版と
したい場合にはバーニング処理が施される。この様な処
理によって得られた平版印刷版はオフセット印刷機等に
かけられ、多数枚の印刷に用いられる。
【0061】
【実施例】以下、本発明を実施例に従って説明するが、
本発明の範囲はこれらの実施例に何ら限定されるもので
はない。 (実施例1) 〔特定の共重合体1の合成〕攪拌機、冷却管及び滴下ロ
ートを備えた500ml三ツ口フラスコにメタクリル酸
31.0g(0.36モル)、クロロギ酸エチル39.
1g(0.36モル)及びアセトニトリル200mlを
入れ、氷水浴で冷却しながら混合物を攪拌した。この混
合物にトリエチルアミン36.4g(0.36モル)を
約1時間かけて滴下ロートにより滴下した。滴下終了
後、氷水浴をとり去り、室温下で30分間混合物を攪拌
した。
【0062】この反応混合物に、p−アミノベンゼンス
ルホンアミド51.7g(0.30モル)を加え、油浴
にて70℃に温めながら混合物を1時間攪拌した。反応
終了後、この混合物を水1リットルにこの水を攪拌しな
がら投入し、30分間得られた混合物を攪拌した。この
混合物をろ過して析出物を取り出し、これを水500m
lでスラリーにした後、このスラリーをろ過し、得られ
た固体を乾燥することによりN−(p−アミノスルホニ
ルフェニル)メタクリルアミドの白色固体が得られた
(収量46.9g)。
【0063】次に攪拌機、冷却管及び滴下ロートを備え
た20ml三ツ口フラスコに、N−(p−アミノスルホ
ニルフェニル)メタクリルアミド4.61g(0.01
92モル)、メタクリル酸エチル2.94g(0.02
58モル)、アクリロニトリル0.80g(0.015
モル)及びN,N−ジメチルアセトアミド20gを入
れ、湯水浴により65℃に加熱しながら混合物を攪拌し
た。この混合物に「V−65」(和光純薬(株)製)
0.15gを加え65℃に保ちながら窒素気流下2時間
混合物を攪拌した。この反応混合物にさらにN−(p−
アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド4.61
g、メタクリル酸エチル2.94g、アクリロニトリル
0.80g、N,N−ジメチルアセトアミド及び「V−
65」0.15gの混合物を2時間かけて滴下ロートに
より滴下した。滴下終了後さらに65℃で2時間得られ
た混合物を攪拌した。反応終了後メタノール40gを混
合物に加え、冷却し、得られた混合物を水2リットルに
この水を攪拌しながら投入し、30分混合物を攪拌した
後、析出物をろ過により取り出し、乾燥することにより
15gの白色固体を得た。ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィーによりこの特定の共重合体1の重量平均分
子量(ポリスチレン標準)を測定したところ53,00
0であった。
【0064】〔基板の作製〕厚み0.3mmのアルミニ
ウム板(材質1050)をトリクロロエチレンで洗浄し
て脱脂した後、ナイロンブラシと400メッシュのパミ
ス−水懸濁液を用いこの表面を砂目立てし、水でよく洗
浄した。この板を45℃の25%水酸化ナトリウム水溶
液に9秒間浸漬してエッチングを行い、水洗後、さらに
20%硝酸に20秒間浸漬し、水洗した。この時の砂目
立て表面のエッチング量は約3g/m 2であった。次に
この板を7%硫酸を電解液として電流密度15A/dm
2で3g/m2の直流陽極酸化被膜を設けた後、水洗し、
乾燥し、さらに、珪酸ナトリウム2.5重量%水溶液で
30℃で10秒処理し、下記下塗り液を塗布し、塗膜を
80℃で15秒間乾燥し基板を得た。乾燥後の塗膜の被
覆量は15mg/m2であった。
【0065】 〔下塗り液1〕 ・分子量2.8万の下記共重合体 0.3g ・メタノール 100g ・水 1g
【0066】
【化1】
【0067】以下の感光液1を調整した。得られた基板
に、この感光液1を塗布量が1.3g/m2になるよう
塗布し、平版印刷版1を得た。 〔感光液1〕 ・フッ素含有ポリマーP−6(下記構造) 0.03g ・特定の共重合体1 0.75g ・m,p−クレゾールノボラック(m,p比=6/4、重量平均分 子量3,500、未反応クレゾール0.5重量%含有) 0.25g ・p−トルエンスルホン酸 0.003g ・テトラヒドロ無水フタル酸 0.03g ・シアニン染料A(下記構造) 0.017g ・ビクトリアピュアブルーBOHの対イオンを1−ナフタレ ンスルホン酸アニオンにした染料 0.015g ・3−メトキシ−4−ジアゾジフェニルアミンヘキサフルオロリン酸塩 0.02g ・フッ素系界面活性剤 0.05g (メガファックF−177、大日本インキ化学工業(株)製) ・γ−ブチルラクトン 10g ・メチルエチルケトン 10g ・1−メトキシ−2−プロパノール 8g
【0068】
【化2】
【0069】次に、浸漬型現像槽を有する市販の自動現
像機LP−900H(富士写真フィルム(株)製)の現
像処理槽に、下記組成のアルカリ現像処理液A(pH約
13)を22.5リットル仕込み、30℃に保温した。
LP−900Hの第二浴目には、水道水を8リットル、
第三浴目には、FP−2W(富士写真フィルム(株)
製):水=1:1希釈したフィニッシングガム液を8リ
ットル仕込んだ。
【0070】 〔アルカリ現像処理液Aの組成〕 ・Dソルビット・・・・・・・・・・・・・・・・2.5重量% ・水酸化ナトリウム・・・・・・・・・・・・・0.85重量% ・ジエチレントリアミンペンタ (メチレンホスホン酸)5Na塩・・・・・0.05重量% ・水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・96.6重量% 自動現像機LP−900H内蔵の現像補充制御インピー
ダンス値を40.5ms/cmとして、下記の現像補充
液Bを補充しながら、処理した平版印刷版(650mm
×550mm、0.3mm厚)を一日当たり100版づ
づ現像処理した。
【0071】 〔現像補充液Bの組成〕 ・Dソルビット・・・・・・・・・・・・・・・・5.6重量% ・水酸化ナトリウム・・・・・・・・・・・・・・2.5重量% ・ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸) 5Na塩・・・・・・・・・・・・・・・・・0.2重量% ・水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・91.7重量%
【0072】平版印刷版1(650mm×550mm×
0.3mm厚)をプレートセッターLuxcel Pl
atesetter 9000CTP(富士写真フイル
ム(株)製)を用いて(出力216mW、回転数100
0rpm、解像度2438dpi、画像面積約20%)
で露光し、一日当り100版現像処理し、3ヵ月間現像
処理した。
【0073】その後、毎日最初にLuxcel Pla
tesetter 9000CTPのオリジナルパター
ンを用いて、露光量を243mW(121.5mJ/c
2)として露光現像した。現像槽の入り口から搬送距
離で20cmの部分に交流インピーダンス計を設置し、
非画像部における感光層の溶出状態の目安となる交流イ
ンピーダンス値を求めた。初日の交流インピーダンス値
は25Ω/cmであった。連続的に現像処理を行なって
いる最中にもこの交流インピーダンス値を測定し、その
値が、23〜27Ω/cmの範囲をはずれた際に、アル
カリ現像液の補充或いは水の添加を行なって活性度を変
化させて、交流インピーダンス値が上記範囲におさまる
ように調整した。
【0074】本発明の現像液管理方法により、90日間
安定に現像処理できた。なお、20日目に設定アルカリ
現像液の交流インピーダンス値が22.5Ω/cmとな
ったため、水補充を行なって、現像液の活性度を低下さ
せて、交流インピーダンス値を25Ω/cmとし、上記
設定値の範囲内とした。その後、40日目に交流インピ
ーダンス値が27.5Ω/cmとなったため、2倍の濃
縮液の補充を行なって現像液の活性度を上昇させて交流
インピーダンス値を25Ω/cmとし、上記設定値の範
囲内とした。得られた平版印刷版を用いて印刷したとこ
ろ、画像部濃度が充分であり、非画像部に着色や汚れの
ない良好な印刷物が得られた。本発明の管理方法を用い
なければ、自動現像機は、好ましい状態の平版印刷版を
得られる条件では、20日間しか稼働できなかったこと
になる。このことから、本発明の管理方法が有効である
ことがわかる。
【0075】(実施例2) 〔平版印刷版の作成〕厚み0.3mmのアルミニウム板
(材質1050)をトリクロロエチレンで洗浄して脱脂
した後、ナイロンブラシと400メッシュのパミス−水
懸濁液を用い、この表面を砂目立てし、水でよく洗浄し
た。この板を45℃の25%水酸化ナトリウム水溶液に
9秒間浸漬してエッチングを行い、水洗後、更に20%
硝酸に20秒間浸漬し、水洗した。この時の砂目立て表
面のエッチング量は約3g/m 2であった。次にこの板
を7%硫酸を電解液として、電流密度15A/dm2
3g/m2の直流陽極酸化皮膜を設けた後、水洗し、乾
燥した。これを珪酸ナトリウム2.5重量%水溶液で3
0℃で10秒処理し、下記下塗り液を塗布し、塗膜を8
0℃で15秒間乾燥し基板を得た。乾燥後の塗膜の被覆
量は15mg/m2であった。
【0076】 〔下塗り液1〕 ・分子量2.8万の前記共重合体 0.3g ・メタノール 100g ・水 1g 得られた基板に以下の感光層形成用塗布液を塗布量が
1.8g/m2になるよう塗布し平版印刷版2を得た。
【0077】 〔感光液2〕 ・m,p−クレゾールノボラック 1.0g (m/p比=6/4、重量平均分子量8000、 未反応クレゾール0.5重量%含有) ・ピリリウム塩染料B(下記構造) 0.1g ・無水フタル酸 0.05g ・p−トルエンスルホン酸 0.002g ・エチルバイオレットの対イオンを 6−ヒドロキシ−β−ナフタレンスルホン酸にしたもの 0.02g ・フッ素系界面活性剤 (メガファックF−177、大日本インキ化学工業(株)製) 0.05g ・メチルエチルケトン 8g ・1−メトキシ−2−プロパノール 4g
【0078】
【化3】
【0079】次に、浸漬型現像槽を有する市販の自動現
像機LP−900H(富士写真フイルム(株)製)の現
像処理槽に、下記組成のアルカリ現像処理液C(pH約
13)を20リットル仕込み、30℃に保温した。LP
−900Hの第二浴目には、水道水を8リットル、第三
浴目には、FP−2W(富士写真フイルム(株)製):
水=1:1希釈したフィニッシングガム液を8リットル
仕込んだ。
【0080】 〔アルカリ現像処理液Cの組成〕 ・SiO2・K2O 4.0重量% (K2O/SiO2=1.1(モル比)) ・クエン酸 0.5重量% ・ポリエチレングリコール(重量平均分子量=1000) 0.5重量% ・水 95.0重量% 露光した平版印刷版2(650mm×550mm×0.
24mm厚)をLP−900Hで、一版現像処理する毎
に、下記組成の現像補充液Dを35ccずつ補充しなが
ら処理した。
【0081】 〔現像補充液Dの組成〕 ・SiO2・K2O 5.0重量% (K2O/SiO2=1.1(モル比)) ・クエン酸 0.6重量% ・ポリエチレングリコール(重量平均分子量=1000) 0.6重量% ・水 93.8重量%
【0082】平版印刷版(650mm×550mm×
0.24mm厚)をクレオ社製プレートセッター Tr
endsetter 3244Fを用いて、(出力:
9.0W、回転数:150rpm、解像度2400dp
i、画像面積約20%)で露光し、一日当り50版ずつ
現像処理し、60日間続けた。その際、毎日最初に実施
例1において用いたのと同様に非画像部における感光層
の溶出状態の目安となる交流インピーダンス値を求め
た。初日の交流インピーダンス値は23Ω/cmであっ
た。連続的に現像処理を行なっている最中にもこの交流
インピーダンス値を測定し、その値が、21〜25Ω/
cmの範囲をはずれた際に、アルカリ現像液の補充或い
は水の添加を行なって活性度を変化させて、交流インピ
ーダンス値が上記範囲におさまるように調整した。
【0083】本発明の現像液管理方法により、60日間
安定に現像処理できた。なお、14日目に設定アルカリ
現像液の交流インピーダンス値が20.5Ω/cmとな
ったため、水補充を行なって、現像液の活性度を低下さ
せて、交流インピーダンス値を23Ω/cmとし、上記
設定値の範囲内とした。得られた平版印刷版を印刷した
ところ、画像部濃度は充分であり、非画像部に着色や汚
れのない良好な印刷物が得られた。さらに、32日目に
交流インピーダンス値が25.5Ω/cmとなったた
め、2倍の濃縮液の補充を行なって、現像液の活性度を
上昇させて、交流インピーダンス値を23Ω/cmと
し、上記設定値の範囲内とした。得られた平版印刷版を
印刷したところ、画像部濃度は充分であり、非画像部に
着色や汚れのない良好な印刷物が得られた。本発明の管
理方法を用いなければ、自動現像機は、14日間しか稼
働できなかったことになる。このことから、本発明の管
理方法が有効であることがわかる。
【0084】
【発明の効果】本発明によれば、ダイレクト製版用の赤
外線レーザ用ポジ型画像形成材料の製版条件、特に、現
像液の活性状態を交流インピーダンス値を用いて決定し
て、その結果を現像液の活性度調整手段にフィードバッ
クすることで、平版印刷版の品質を一定に保ち、均一な
画像を連続的に形成するための品質管理方法を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は、標準的な現像液中の現像途中の平版
印刷版の状態を示す概略断面図であり、(B)は評価対
象現像液中の現像途中の平版印刷版の状態を示す概略断
面図である。
【図2】 現像液中における交流インピーダンスの測定
装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
10 平版印刷版原版 12 支持体 14 感光層 16 アルカリ現像液 20A、20B 電極(交流インピーダンス値測定用電
極) 22 挿入ロール

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、アルカリ水溶液可溶性樹脂
    と、光を吸収して熱を発生する化合物とを含有してなる
    感光層を有する画像形成材料を、アルカリ現像液で現像
    液処理して作成した平版印刷版の品質管理方法であっ
    て、 (A)標準アルカリ現像液を調製し、該アルカリ現像液
    の活性度を、アルカリ現像液中を搬送される現像途中の
    平版印刷版原版の非画像部の交流インピーダンス値によ
    り決定する工程と、 (B)評価しようとするアルカリ現像液において、前記
    標準アルカリ現像液の活性度を決定したのと同様の指標
    により、評価しようとするアルカリ現像液の活性度を測
    定する工程と、 (C)標準アルカリ現像液と評価しようとするアルカリ
    現像液の活性度を比較し、その結果、両者の差異が所定
    の値を超えた場合に、アルカリ現像液の活性度を、その
    差異に応じて調整する工程と、を有することを特徴とす
    る平版印刷版の品質管理方法。
  2. 【請求項2】 前記(A)標準アルカリ現像液が、現像
    処理開始時におけるアルカリ現像液新液であり、(B)
    評価しようとするアルカリ現像液が、所定の連続的な現
    像処理を行った後のアルカリ現像液であることを特徴と
    する請求項1に記載の平版印刷版の品質管理方法。
  3. 【請求項3】 前記アルカリ現像液の活性度を、アルカ
    リ現像液を満たした現像槽の途中の位置に平版印刷版原
    版の非画像部における感光層の溶出度合いを測定するセ
    ンサーを設けて、交流インピーダンス値を測定すること
    により決定することを特徴とする請求項1に記載の平版
    印刷版の品質管理方法。
  4. 【請求項4】 アルカリ現像液の交流インピーダンス値
    が4〜10%変化したときに、アルカリ現像液の活性度
    を調整することを特徴とする請求項3に記載の平版印刷
    版の品質管理方法。
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