JP2002122432A - 音叉型角速度センサ - Google Patents

音叉型角速度センサ

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JP2002122432A
JP2002122432A JP2000315238A JP2000315238A JP2002122432A JP 2002122432 A JP2002122432 A JP 2002122432A JP 2000315238 A JP2000315238 A JP 2000315238A JP 2000315238 A JP2000315238 A JP 2000315238A JP 2002122432 A JP2002122432 A JP 2002122432A
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Satoshi Umeki
三十四 梅木
Takahiro Inoue
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Abstract

(57)【要約】 【目的】垂直振動の振動周波数を固定して離調周波数を
規定値内に維持して、感度及び検出精度を良好にして生
産性を高めた音叉型角速度センサを提供する。 【構成】一対の音叉腕が音叉基部から延出した音叉状水
晶片からなり、前記音叉腕による互いに反対方向となる
水平方向の音叉振動に対し、コリオリの力によって生ず
る前記音叉腕の互いに反対方向となる垂直振動を検出し
てなる音叉型角速度センサにおいて、前記垂直振動の振
動周波数を固定する段差を前記音叉状水晶片の厚み方向
に設けた構成とする。前記段差は前記音叉状水晶片の基
部に設けた構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、位置制御等に適用
される音叉型角速度センサを産業上の技術分野とし、特
に保持に起因した垂直振動の周波数変化を防止した音叉
型角速度センサに関する。
【0002】
【従来の技術】(発明の背景)水晶振動子を用いた音叉
型角速度センサは、例えばセラミック振動子に比較して
周波数温度特性等に優れることから注目を浴び、近年に
なって実用化に至っている。これらは、自動車の誘導シ
ステムやカメラの手ぶれ防止等に使用され、量産化が期
待されている。
【0003】(従来技術の一例)第4図乃至第6図は一
従来例を説明する図で、第4図は音叉状水晶片の図、第
5図は結線図、第6図は音叉型角速度センサの図であ
る。音叉型角速度センサは、音叉基部1から一対の音叉
腕2(ab)が延出した音叉状水晶片3からなる。音叉
状水晶片3は、一般に、結晶軸(XYZ)のX軸を回転
軸として主面に対する法線がY軸からZ軸にα度(0〜
5度)回転した所謂+5度Xカットの水晶片からなる。
新たにできた軸をY'及びZ'軸とする。
【0004】音叉状水晶片3の音叉腕2(ab)には、
水平方向の音叉振動を生じさせる駆動電極4(abc
d)と、コリオリの力によって生じる互いに反対方向と
なる垂直振動の検出電極5(abcd)が形成される。
この例では、一方の音叉腕2aに駆動電極4(abc
d)を、他方の音叉腕2aに検出電極5(abcd)を
形成する。音叉振動及び垂直振動の振動周波数fd、f
sは、それぞれfd=kdW/L、fs=ksT/L
で基本的に決定される。但し、kd、ksはそれぞれ固
有の周波数定数、Wは音叉腕2(ab)の幅、Tは同厚
みである。なお、音叉基部1には駆動電極4及び検出電
極5と接続した端子電極6が形成される。
【0005】音叉振動と垂直振動との振動周波数fd、
fsは、互いに近いほど感度は高くなるが、近すぎると
例えばS/N比が悪化する。したがって、音叉振動と垂
直振動とは所定量ずれた振動周波数fd、fsに設定さ
れ、感度及び検出精度を高めている。例えば、音叉振動
の振動周波数fdを17KHzとすると、垂直振動の振
動周波数fsは離調周波数Δf(=fd−fs)として規
格値Δf0(例えば250Hz)±許容値A(例えば5
0Hz)に設定される。
【0006】これらのことから、音叉状水晶片3の厚み
Tを例えばエッチングによって制御し、音叉振動からの
垂直振動の離調周波数Δfを規格値内に維持していた。
そして、音叉基部1の例えば低端側の主面に台座7を接
着し、気密端子8の導出した金属ベース9上に台座7を
固着する。そして、音叉基部1の端子電極6と気密端子
8とをワイヤボンディングによって電気的に接続し、凹
状のカバーを抵抗溶接によって金属ベース9に接合して
密閉封入していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】(従来技術の問題点)
しかしながら、上記構成の音叉型角速度センサでは、音
叉状水晶片3の音叉底面からの保持位置(拘束位置)h
によって(第7図)、第8図に示したように垂直振動
(曲線イ)の振動周波数fsが高い方に変化し、離調周
波数がずれる問題があった。但し、音叉振動(曲線ロ)
の振動周波数fdは殆ど変化しない。
【0008】すなわち、音叉振動は音叉腕2(ab)の
根本部近傍に振動基点(節点)があるため、音叉基部1
に一定の長さがあれば、音叉基部1の低端側を拘束して
も振動周波数を一定に維持する。すなわち、音叉腕2
(ab)の長さを一致させることにより、漏れ振動が音
叉基部1に吸収されて相殺され、振動周波数を一定に維
持する。
【0009】しかし、垂直振動は振動起点が音叉腕2
(ab)の根本部近傍よりもさらに下方にあると考えら
れ、低端側を拘束することによって、振動周波数を高め
ると推察される。すなわち、垂直振動の実質的な長さ
は、音叉腕2(ab)の長さを一致させても、音叉振動
よりも拘束位置の影響を受けやすいと推察される。
【0010】但し、音叉基部1を無限長とすれば、音叉
基部1への振動漏れは吸収されるので低端を保持しても
振動周波数の変化はない。このことから、音叉基部1の
保持位置(拘束位置)によって垂直振動の振動周波数が
変化して、離調周波数を規定値内に維持することが困難
であった。したがって、音叉型角速度センサの感度及び
検出精度の悪化及びバラツキを生じさせ、結果として生
産性の低下を招く問題があった。
【0011】(発明の目的)本発明は、垂直振動の振動
周波数を固定し、離調周波数を規定値内に維持して感度
及び検出精度を良好にし、生産性を高めた音叉型角速度
センサを提供することを目的とする。
【0012】
【発明の解決手段】本発明は、垂直振動の振動周波数を
固定する段差を音叉状水晶片の厚み方向に設けたことを
基本的な解決手段とする。
【0013】
【作用】本発明は、垂直振動の振動周波数を固定する段
差(境界)を音叉基部領域の厚み方向に設けたので、音
叉基部の拘束位置による垂直振動の周波数変化を防止す
る。以下、本発明の一実施例を説明する。
【0014】
【実施例】第1図及び第2図は本発明の一実施例を説明
する図で、第1図は音叉型角速度センサの特に音叉状水
晶片の図、第2図は同断面図である。なお、前従来例と
同一部分には同番号を付与してその説明は簡略又は省略
する。音叉型角速度センサは、前述したように音叉基部
1と一対の音叉腕2(ab)の延出した+5゜Xカット
の音叉状水晶片3からなり、一方の音叉腕2aに音叉振
動を励起する駆動電極4を、他方の音叉腕2aに垂直振
動による電荷を検出する検出電極5を形成する。
【0015】そして、この実施例では、音叉基部1に厚
み方向(Y´軸方向)の段差を設けた構成とする。但
し、音叉基部1の下方を上方より厚くし、便宜的に下方
を第1基部1aとし、上方を第2基部1bとする。そし
て、音叉基部1の第1基部1aの主面を、金属ベース9
上の台座7に固着する。あるいは、台座7に固着して金
属ベース9に一体化する。
【0016】このような構成であれば、音叉振動は前述
したように一対の音叉腕2(ab)の長さを一致させる
ことにより、音叉基部1の拘束位置(保持位置)による
振動漏れを防止して振動周波数を基本的に安定にする。
【0017】また、ここでは、音叉基部1の厚み方向に
段差を設けたので、段差部が垂直振動に対する機械的に
強制的な振動起点(あるいは振動制限点)となる。した
がって、音叉基部1の低端側に設けた第1基部1aを拘
束(保持)しても、垂直振動の周波数変化を防止する。
要するに、垂直振動の振動周波数を段差によって固定す
る。
【0018】なお、垂直振動の振動周波数fsは、基本
的には前述したように音叉腕2(ab)の長さLと厚み
Tで決定されるが、少なくても振動起点から音叉腕の先
端までの距離即ち厚みの等しい第2基部1bと音叉腕2
(ab)の合計長さに依存して決定される。このような
ことから、音叉振動と垂直振動との保持による周波数変
化を防止するので、離調周波数を規定値内に維持でき
る。したがって、感度及び検出精度を良好として生産性
を高めた音叉型角速度センサを得られる。
【0019】
【他の事項】上記実施例では、音叉基部1に厚み方向の
段差を設けて垂直振動の振動起点(振動制限点)とした
が、例えば音叉腕2(ab)に厚み方向の段差を設けて
上方側の厚みの小さい音叉腕部に検出電極5を設けても
よい(第3図)。この場合、垂直振動の振動周波数は段
差部から音叉腕の先端までの距離に基本的に依存する。
【0020】また、音叉状水晶片3に設けた段差は一段
としたが、これを複数段として最も最下位の厚みの大き
い音叉基部1の主面を保持すればよい。但し、音叉基部
1の主面ではなく底面を保持してもよい。また、段差は
例えば溝等であっても期待でき、要は垂直振動の周波数
変化を防止する境界条件を設ければよい。
【0021】また、一方の音叉腕2に駆動電極4を、他
方の音叉腕2bに検出電極5等を設けたが、一対の音叉
腕2(ab)にそれぞれ駆動電極4及び検出電極5を設
けてもよく、要は音叉振動及び垂直振動を励起できる電
極配置であればよい。そして、金属ベース9上に保持
し、ワイヤボンディングによる電極導出としたが、これ
らは任意に構成できる。
【0022】
【発明の効果】本発明は、垂直振動の振動周波数を固定
する段差を音叉状水晶片の厚み方向に設けたので、垂直
振動の振動周波数を固定して離調周波数を規定値内に維
持して、感度及び検出精度を良好にして生産性を高めた
音叉型角速度センサを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を説明する音叉型角速度セン
サ特に音叉状水晶片の図である。
【図2】本発明の一実施例を説明する音叉型角速度セン
サの断面図である。
【図3】本発明の他の実施例を説明する音叉型角速度セ
ンサ特に音叉状水晶片の図である。
【図4】従来例を説明する音叉型角速度センサの特に音
叉状水晶片の図である。
【図5】従来例を説明する音叉型角速度センサの結線図
である。
【図6】従来例を説明する音叉型角速度センサのカバー
を除く斜視図である。
【図7】従来例を説明する音叉型角速度センサの断面図
である。
【図8】従来例を説明する音叉振動及び垂直振動の拘束
位置に対する振動周波数の変化特性図である。
【符号の説明】
1 音叉基部、2 音叉腕 3 音叉状水晶片、4 駆
動電極、5 検出電極、6 端子電極、7 台座、8
気密端子、9 金属ベース.

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の音叉腕が音叉基部から延出した音叉
    状水晶片からなり、前記音叉腕による互いに反対方向と
    なる水平方向の音叉振動に対し、コリオリの力によって
    生ずる前記音叉腕の互いに反対方向となる垂直振動を検
    出してなる音叉型角速度センサにおいて、前記垂直振動
    の振動周波数を固定する段差を前記音叉状水晶片の厚み
    方向に設けたことを特徴とする音叉型角速度センサ。
  2. 【請求項2】前記段差は前記音叉状水晶片の音叉基部に
    設けてなる請求項1の音叉型角速度センサ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007057272A (ja) * 2005-08-22 2007-03-08 Nippon Dempa Kogyo Co Ltd 角速度検出機構を有する音叉型水晶発振器
JP2008224628A (ja) * 2007-03-15 2008-09-25 Sony Corp 角速度センサ及び電子機器

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