JP2002122116A - 締結構造 - Google Patents

締結構造

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JP2002122116A JP2001314309A JP2001314309A JP2002122116A JP 2002122116 A JP2002122116 A JP 2002122116A JP 2001314309 A JP2001314309 A JP 2001314309A JP 2001314309 A JP2001314309 A JP 2001314309A JP 2002122116 A JP2002122116 A JP 2002122116A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、作業性のよいねじ締結構造を
提供することにある。 【解決手段】本発明のテーパコマ1は、外側表面が円錐
台形状を有するテーパ部101と、このテーパ部101
の拡大側の終端に、テーパ部101に対して突出して形
成されるとともに、テーパ部101の軸方向に直交する
平面を有するつば部102と、テーパ部101の軸方向
に延在している延在部である雌ねじ104を備えてい
る。孔テーパ部301と孔段部302とを同時に加工し
た孔3の中に、テーパコマ1を打ち込んでねじ締結構造
の被締結部材とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ねじ締結構造に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、アルミ板材等の軟質母材に対し
て、この母材よりも硬質であって、しかも、母材の表面
に対して直交するような軸を有する部材を挿入若しくは
圧入する場合がある。例えば、アルミ板材の内部に雌ね
じを加工形成し、このアルミ板材と他の板材とをステン
レス製の雄ねじを用いて締結する場合、雄ねじをアルミ
板材の中の雌ねじにねじ込むと、アルミ製の雌ねじの部
分が切り粉が落下して電子機器の組立等において好まし
くない場合、アルミ板材の中の雌ねじの中に補強部材を
挿入することがある。この補強部材は、雄ねじと同定度
の強度を有するステンレス鋼で製造された断面形状が菱
形に近いコイルスプリング状のものである。予め補強部
材の外周が嵌合するように切られたねじ状の孔に、この
補強部材を挿入し、補強部材の内径に沿って雄ねじを挿
入する。この補強部材を用いることにより、雄ねじが接
触する部分はステンレスであり、切り粉が脱落すること
はなくなるものである。
【0003】また、他の例としては、アルミ板材に加工
した孔に対して、ステンレス製の位置決めピンを圧入す
る場合等がある。
【0004】
【発明が解決する課題】しかしながら、アルミ板材の孔
の中に補強部材を挿入する場合、その挿入には熟練を要
するものである。補強部材の外周が嵌合するように切ら
れたねじ状の孔に、工具を用いて補強部材を回転させな
がら挿入する場合、熟練しないと、孔のねじ部の山とび
を起こしたり、挿入される補強部材がスリバチ状(補強
部材の挿入に従って、補強部材の下部の内径が減少す
る)になったりする。従って、補強部材の挿入は、作業
性が悪いという問題があった。
【0005】また、アルミ板材にステンレス製の位置決
めピンを挿入する場合も、熟練しないと、アルミ板材の
変形等により、位置決めピンがアルミ板材に対して曲が
って挿入されることになる。従って、位置決めピンの挿
入の作業性が悪いという問題があった。
【0006】本発明の目的は、作業性のよいねじ締結構
造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、2つの部材がねじにより締結される締結
構造において、拡大開口する孔テーパ部を備える第1の
孔が形成された第1の部材と、 前記孔テーパ部と接触
するテーパ部と、前記テーパ部の拡大側終端に連結した
端部に前記テーパ部に対して突出して形成され、前記孔
テーパ部周囲において前記第1の部材と当接する突部
と、前記テーパ部の内部に前記テーパ部の中心軸方向に
形成された雌ねじとを備え、前記孔テーパ部の拡大側か
ら前記第1の孔に挿入されて嵌着されるテーパコマと、
第2の貫通孔が形成された第2の部材と、前記第2の孔
を通して前記第1の孔に挿入される雄ねじを有し、前記
孔テーパ部のテーパの値が前記テーパ部のテーパの値と
同じであって、前記孔テーパ部の拡大側端部の直径が前
記テーパ部の拡大側終端の直径よりも小さく、前記第1
の孔に前記テーパコマが挿入されたときの締まりばめ代
の値が前記テーパ部の拡大側終端の直径の値の2〜20
%となるべく前記第1の孔が形成されており、前記テー
パコマが前記第1の孔に嵌着された状態において、前記
テーパ部の前記孔テーパ部とが接触して前記テーパコマ
が前記第1の孔に対して摩擦力で保持され、前記第2の
部材を貫通した前記雄ねじのねじ部が前記雌ねじ内部に
挿入され、前記雌ねじに締め付けられて、前記第1の部
材と前記第2の部材が締結されるようにしたものであ
り、かかる構成により、容易にテーパコマを被締結部材
に対して固定することができるため、作業性が向上し得
るものとなる。
【0008】また、上記目的を達成するために、本発明
は、2つの部材がねじにより締結される締結構造におい
て、中心軸方向の断面形状が円錐台形状をなす孔テーパ
部と、前記孔テーパ部の拡大側終端に連結する孔段部と
を備える第1の貫通孔が形成された第1の部材と、円錐
台形状をなし、前記孔テーパ部の内面と接触するテーパ
部と、該テーパ部の拡大側に連結した端部に前記テーパ
部に対して突出して形成され、前記孔段部に当接する突
部と、前記テーパ部の内部に前記テーパ部の中心軸方向
に形成された雌ねじとを備え、前記孔テーパ部の拡大側
から前記第1の貫通孔に挿入されて嵌着されるテーパコ
マと、第2の貫通孔が形成された第2の部材と、前記第
2の貫通孔を通して前記第1の貫通孔に挿入される雄ね
じを有し、前記孔テーパ部のテーパの値が前記テーパ部
のテーパの値と同じであって、前記孔テーパ部の拡大側
端部の直径が前記テーパ部の拡大側終端の直径よりも小
さく、前記第1の貫通孔に前記テーパコマが挿入された
ときの締まりばめ代の値が前記テーパ部の拡大側終端の
直径の値の2〜20%となるべく前記第1の貫通孔が形
成されており、前記テーパコマが前記第1の孔に嵌着さ
れた状態において、前記テーパ部の側面と前記孔テーパ
部の内面とが接触して前記テーパコマが前記第1の孔に
対して摩擦力で保持され、前記第2の部材を貫通した前
記雄ねじのねじ部が前記雌ねじ内部に挿入され、前記雌
ねじに締め付けられて、前記第1の部材と前記第2の部
材が締結されるようにしたものであり、かかる構成によ
り、容易にテーパコマを被締結部材に対して固定するこ
とができるため、作業性が向上し得るものとなる。
【0009】上記締結構造において、好ましくは、前記
雌ねじは少なくとも前記テーパ部の縮小側端面において
開口した雌ねじであって、前記第2の部材は、前記第1
の部材の前記孔テーパ部の縮小側と一致する側に配置さ
れ、前記雄ねじは、前記第2の孔を通して前記孔テーパ
部の縮小側から前記第1の孔に挿入され、且つ、前記雄
ねじのねじ部は、前記テーパ部の縮小側から前記雌ねじ
内に挿入されて締め付けられるようにしたものである。
【0010】上記締結構造において、好ましくは、前記
雌ねじは少なくとも前記テーパ部の拡大側端面において
開口した雌ねじであって、前記第2の部材は、前記第1
の部材の前記孔テーパ部の拡大側と一致する側に配置さ
れ、前記雄ねじは、前記第2の孔を通して前記孔テーパ
部の拡大側から前記第1の孔に挿入され、且つ、前記雄
ねじのねじ部は、前記テーパ部の拡大側から前記雌ねじ
内に挿入されて締め付けられるようにしたものである。
【0011】上記締結構造において、好ましくは、前記
第1の孔の孔テーパ部と、前記テーパコマのテーパ部の
テーパの値が1/50〜1/6としたものである。
【0012】上記締結構造において、好ましくは、前記
テーパコマは、前記第1の部材より硬い材質を用いて作
成するようにしたものである。
【0013】上記締結構造において、好ましくは、前記
第1の部材は金属としたものである。
【0014】上記締結構造において、好ましくは、前記
第1の部材は樹脂としたものである。
【0015】上記締結構造において、好ましくは、前記
テーパコマの前記突部は前記テーパ部の軸方向に直交す
る平面を有し、当該平面が前記第1の部材と当接するよ
うにしたものである。
【0016】上記締結構造において、好ましくは、前記
突部の厚さの最高値は前記孔段部の高さの最高値よりも
小さくしたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図10を用いて、本
発明の一実施形態による雌ねじ付きのテーパコマである
テーパナットについて説明する。図1は、本発明の一実
施形態によるテーパナットの概念構成を示す縦断面図で
ある。
【0018】雌ねじ付きのテーパコマであるテーパナッ
ト1は、テーパ部101とつば部102とを有する。テ
ーパ部101は、その外側表面が円錐台形状を有してい
る。つば部102は、テーパ部101の拡大側の終端に
形成されている。つば部102の下面103は、テーパ
部101の軸方向に直交している。
【0019】さらに、テーパナット1の内部には、予め
雌ねじ104が形成されている。雌ねじ104の中心軸
は、テーパ部101の軸と一致している。従って、雌ね
じ104は、テーパ部101の軸方向に延在している延
在部である。
【0020】テーパナット1は、後述するように、軟質
母材に形成された孔に埋め込まれて使用される。軟質母
材がアルミ製の場合、テーパナット1の材料としては、
ステンレス鋼が用いられる。即ち、一般に母材に埋め込
まれるテーパナット1は、母材よりも硬質の材料で製作
される。テーパナット1は、雄ねじとともに、2枚の板
材を締結するために用いられる。テーパナット1の埋め
込まれた第1の板材と、別の第2の板材は、雄ねじを第
2の板材に形成された孔に挿入した上で、テーパナット
1に形成された雌ねじ104にねじ込むことによって締
結される。
【0021】第1の板材としては、例えば、汎用コンピ
ュータの筺体の中に固定されるアルミ製のバックボード
フレームがある。第2の板材としては、このバックボー
ドフレームの上に締結固定されるプリント基板がある。
バックボードフレームは、例えば、800mm×600
mmの外径寸法を有し、厚さが15mmのものであり、
重量は、約8kgである。また、プリント基板は、76
0mm×560mmの外径寸法を有し、その表面にCP
U等の論理素子やメモリ等の記憶素子が実装された状態
で、約30kgの重量を有するものである。このような
バックボードフレームとプリント基板を上述したテーパ
ナット1及び雄ねじにより締結する場合には、70個の
テーパナット1及び雄ねじを用いることにより、両者を
強固に締結することが可能となる。
【0022】ここで、雌ネジ104に挿入される雄ねじ
の外径をd0とし、テーパ部101の拡大側の終端の外
径,即ち、テーパ部101の最大直径をd1とし、つば
部102の外径をd2とし、つば部102の幅をd3と
する。また、テーパナット1の長さをLとし、つば部1
02の厚さをtとする。
【0023】次に、図2を用いて、M4の雄ネジに対応
して製作した本発明の一実施形態によるテーパナットの
実際の寸法及び形状について説明する。図2は、本発明
の一実施形態によるテーパナットの拡大縦断面図であ
る。なお、図2は、実際のテーパナットを5倍に拡大し
て図示したものである。また、図1と同一符号は、同一
部分を示している。
【0024】図2において、テーパナット1の内部に形
成された雌ねじに挿入される雄ネジがM4の場合、雄ね
じの外径d0は4mmであり、テーパ部101の最大直
径d1は6mmとし、つば部102の外径d2は8mm
とし、つば部102の幅d3は1mmとしている。ま
た、テーパナット1の長さLは8mmとし、つば部10
2の厚さtは1mmとしている。さらに、テーパ部10
1のテーパの値は、1/20としている。
【0025】次に、図3及び図4を用いて、本発明の一
実施形態による雌ねじ付きのテーパコマであるテーパナ
ットが埋め込まれる孔を形成するために用いる総形ドリ
ル及びこの総形ドリルによって母材に形成される孔の形
状について説明する。図3は、本発明の一実施形態に用
いる総形ドリルの側面図であり、図4は、図3に示す総
形ドリルによって形成される孔の説明図である。
【0026】図3に示した加工用工具である総形ドリル
2は、テーパナット1のテーパ部101が挿入される孔
を形成するテーパ部加工刃201と、テーパナット1の
つば部102が挿入される孔を形成する段部加工刃20
2とを一体的に備えている。また、総形ドリル2は、雄
ねじを挿入するときのガイド孔を形成するためのガイド
孔加工刃203と、穿孔した孔の終端部のバリを取るた
めの孔端部バリ取り刃204とを備えている。ガイド孔
加工刃203の外径は、挿入される雄ねじの外径より大
きくなっている。ガイド孔加工刃203と孔端部バリ取
り刃204の長さや位置は、締結部の板厚寸法に応じて
調節することが必要である。
【0027】総形ドリル2は、例えばボール盤に取り付
けて孔加工をしても、簡単に精度の高い嵌合孔を加工す
ることが可能である。剛性の高いマシニングセンターを
用いれば、更に精度が向上することはいうまでもない。
【0028】次に、図4を用いて、図3に示した総形ド
リル2を用いて形成される孔形状について説明する。
【0029】被締結部材4は、アルミ合金製の板材であ
る。被締結部材4には、総形ドリル2によって孔3が形
成される。孔3は、総形ドリル2のテーパ部加工刃20
1によって形成される孔テーパ部301と、段部加工刃
202によって形成される孔段部302と、ガイド孔加
工刃203によって形成される雌ねじガイド孔部303
と、孔端部バリ取り刃204によって形成される孔終端
面取り部304からなる。
【0030】なお、孔段部302の深さには制限がな
く、浅くとも深くとも良く、締結構造に応じて選択可能
である。本実施形態においては、孔テーパ部301と孔
段部302とが一体で加工されることが重要であり、そ
の理由については、後述する。
【0031】次に、図5を用いて、本発明の一実施形態
によるテーパナットを用いて2つの被締結部材をねじ締
結するための工程について説明する。図5は、本発明の
一実施形態によるテーパナットを用いる2つの被締結部
材のねじ締結構造の工程図である。
【0032】図5(A)に示すように、アルミ合金製の
被締結部材4に対して、総形ドリル2を用いて、テーパ
ナットを挿入するための孔を加工形成する。
【0033】図5(A)に示した孔加工により、被締結
部材4には、図5(B)に示すように、孔3が形成され
る。孔3は、図4において説明したように、孔テーパ部
301と、孔段部302と、雌ねじガイド孔部303
と、孔終端面取り部304とからなる。孔3の中に、ス
テンレス鋼製のテーパナット1が挿入される。テーパナ
ット1は、図1若しくは図2において説明したように、
テーパ部101と、つば部102と、雌ねじ104と構
成されている。
【0034】テーパナット1のテーパ部101は、嵌合
される孔3の孔テーパ部301に対して、軽くしまりば
めになる寸法となっている。すなわち、図5(C)に示
したように、孔3にテーパナット1を落し込んだ状態で
は、つば部102の下面103は、孔3の孔段部302
から浮き上がる。ここで、つば部102の下面103
が、孔3の孔段部302から浮き上がる量Fを、締まり
ばめ代と称する。
【0035】図5(C)に示す状態において、テーパナ
ット1のつば部102の上面を打込み用ハンマーを用い
て叩くことにより、テーパナット1は、被締結部材4の
孔3の中に打ち込まれ、つば部102が孔段部302に
当って停止する。
【0036】孔3の孔テーパ部301とテーパナット1
のテーパ部101が係合するため、孔3の軸中心とテー
パナット1の軸中心は、一致する。従って、孔3を被締
結部材4の表面に対して直交するように形成することに
より、テーパナット1の軸中心は、被締結部材4の表面
に直交することになる。テーパナット1の中に形成した
雌ねじ104の軸中心をテーパナット1のテーパ部の軸
中心と一致させておくことにより、容易に、雌ねじ10
4の中心軸を被締結部材4の表面に対して直交させるこ
とができる。
【0037】また、テーパナット1の上部には、つば部
102を設けることにより、テーパナット1のつば部1
02の下面103は、孔3の孔段部302に当たって止
まる。つば部102がない場合には、テーパナット1が
孔3の中にもぐり込み、アルミ合金製の被締結部材4
は、ステンレス鋼製のテーパナット1よりも柔らかいた
め、被締結部材4の孔3が著しく変形することになる。
それに対して、本実施形態のように、テーパナット1に
つば部102を設けることにより、テーパナット1のも
ぐり込みを防止して、孔3の変形を防止することができ
る。
【0038】図5(D)に示した状態で、テーパナット
1は、被締結部材4に対して摩擦力で保持される結果、
孔3に対する締まりばめ代Fを精度良く管理する必要が
ある。そのためには、テーパナット1のテーパ部101
を精度良く加工すると共に、孔3の孔テーパ部301と
孔段部302とを同時加工することが重要である。孔テ
ーパ部301と孔段部302とを同時加工するための、
総形ドリル2のテーパ部加工刃201と段部加工刃20
2の二つの刃の精度がテーパナットの締まりばめの精度
を規制することになる。すなわち、テーパナット1は打
ち込まれる途中で孔3を拡大しながら進行し、つば部1
02が孔3の孔段部302に接触したときに停止するた
め、孔3の孔テーパ部301と孔段部302とを、高精
度に加工する必要がある。
【0039】また、テーパナット1の締まりばめ代Fも
高精度に管理することが、安定した締結構造を得るため
に必要である。例えば、図2において説明したM4の雄
ねじに対応して製作したテーパナットにおいては、テー
パ部101の最大直径d1を6mmとして、その時の公
差の範囲を+0.02mm〜+0.04mmとする。即
ち平均公差は、+0.03mmである。一方、孔3の孔
テーパ部301を形成する図3に示した総形ドリル2の
テーパ部加工刃201の最大直径を6mmとして、その
時の公差の範囲を−0.01mm〜+0mmとする。即
ち平均公差は、−0.005mmである。このように、
テーパ部加工刃201によって形成される孔3の孔テー
パ部301の最大直径を、テーパナット1のテーパ部1
01の最大直径よりも0.035mmだけ大きくなるよ
うにする。ここで、総形ドリル2のテーパ部加工刃20
1のテーパの値と、テーパナット1のテーパ部101の
テーパの値を、共に等しい1/20としておく。その結
果、締まりばめ代Fは、0.7mm(=0.035mm
×20)となる。即ち、テーパナット1のテーパ部10
1を精度よく加工するとともに、孔3の孔テーパ部30
1と孔段部302とを同時に加工することにより、テー
パナット1の孔3に対する締まりばめ代Fを精度よく管
理することができる。
【0040】次に、図5(E)に示すように、孔501
を有する第2の被締結部材5を締結するときは、テーパ
ナット1を打ち込んだ第1の被締結部材4の裏面に第2
の被締結部材5を配置し、雄ねじ6を用いて締め付け
る。第1の被締結部材4がアルミ合金製の場合、例え
ば、第2の被締結部材は、回路素子の実装されたプリン
ト基板である。これによって、テーパナット1にはテー
パの締まる方向に荷重が掛るので、テーパナット1が被
締結部材4からゆるむ恐れは全くない。また、孔3の孔
テーパ部301からテーパナット1を外すときには、雄
ねじ6を緩めた状態で雄ねじ6の頭部を軽く叩くだけで
簡単に外すことができる。
【0041】ここで、M4の雄ねじに対応して製作した
テーパナット1は、ステンレス鋼で製作し、また第1の
締結部材4はアルミ合金で製作した。両者のテーパの値
は1/20とし、テーパナット1のテーパ部101の最
大外径d1を種々変化させることにより、テーパ部の締
まりばめ代を変えて打込み状況について調べた。その結
果、テーパ部の締まりばめ代を0.01〜0.07mm
の間で変化させたが、いずれの場合も簡単に打ち込むこ
とができ、またその保持も極めて良好であり、回転する
ことは全くなかった。テーパナットに雄ねじを締め付け
ても、テーパナットは回転することは全くなく、強固に
締結することができた。
【0042】テーパの値は、本発明の中で最も重要なキ
ーポイントである。テーパナットが打ち込まれ易く、し
かも打ち込んだあと信頼性良く保持されるためには、角
度は少なくとも摩擦角より小さくなければならない。打
ち込み易さや保持のし易さを考慮すれば、テーパ1/2
0は極めて好適な値であるが、適用可能な範囲として
は、1/50〜1/10の間であれば好適であり、更に
は1/7〜1/6程度まで一応適用は可能である。しか
し、テーパが大きくなるに従って打ち込み力が増し、ま
た1/6を更に越えると、打ち込んだものが飛び出して
しまうという現象も生じた。
【0043】本発明は、M4の雄ねじに限定されて適用
されるものではなく、M2〜M10位のねじ迄、適宜適
用することが可能である。それらの範囲におけるテーパ
ナットの好適な寸法諸元を記せば、次の通りである。
【0044】雄ねじの外径(mm)をd0とするとき、
テーパナット1のテーパ部101の最大直径d1は、 d1=(1.1〜2.0)×d0 の範囲が好適である。特に、 d1=(1.2〜1.5)×d0 の範囲がより好適である。
【0045】また、テーパナット1のつば部102の外
径d2は、 d2=d0+(0.5〜3.0) の範囲が好適である。
【0046】また、つば部厚さtは、 t=0.5〜3mm の範囲が好適である。
【0047】テーパ部101のテーパ量は、上述したよ
うに、 テーパ量=1/50〜1/10 の範囲が好適である。
【0048】テーパナット1の全長Lは、 L=(1〜3)×d0 の範囲が好適である。
【0049】テーパ部の締まりばめ代Fは、テーパ部1
01の最大直径d1との関係において、 F=(2〜20%)×d1 の範囲が好適である。
【0050】上記の値は、軟質金属(アルミ合金、純銅
等)を締結する場合である。素材がもっと軟質(例えば
木材やプラスチック等)の場合には、テーパを1/30
〜1/5とし、またつばの幅d3を1〜4mmと大きめ
にする方が有利である。このように、テーパの値を大き
くし、つばの幅を大きくすることにより、2つの被締結
部材をテーパナットと雄ねじを用いて締結したときに、
テーパナットが被締結部材の中へめり込むのを防止でき
る。
【0051】テーパナットの材質として、上記の例では
ステンレス鋼を用いたが、材質はこれに限られることは
なく、被締結材より硬い素材ならば種々選択が可能であ
る。アルミ合金や銅素材に対しては、ステンレス鋼の他
に、例えば鉄鋼(SS材、炭素鋼、軽合金鋼、調質材
(HRC15〜25程度に焼入れ焼戻したもの)等用い
ることができる。また、非鉄材としてりん青銅や黄銅等
が好適である。
【0052】また、被締結部材が、木材の場合には、テ
ーパナットの材質として、プラスチックやアルミ等を用
いることができる。被締結部材が、プラスチックの場合
には、テーパナットの材質として、アルミやステンレス
鋼や鉄鋼やりん青銅や黄銅等を用いることができる。被
締結部材が、鉄鋼の場合には、テーパナットの材質とし
て、焼き入れ鋼(超鋼)を用いることができる。
【0053】さらに、テーパナットの材質は、被締結部
材の材質よりも必ずしも硬いものである必要がなく、同
程度の硬さのものを用いることも可能である。即ち、被
締結部材が、鉄鋼の場合には、テーパナットの材質とし
て、鉄鋼を用いることができる。
【0054】また、さらに、金型等の高硬度材に対して
は、摩耗,破損及び交換性を考慮して、母材よりも硬度
の低い材質のテーパナットを用いることも可能である。
【0055】以上説明したように、孔テーパ部301を
有する被締結部材4の孔3の中に、テーパナット1を落
とし込み、テーパナット1のつば部102側から打ち込
むだけで、容易に雌ねじ104を有するテーパナット1
を被締結部材4に対して固定することができるため、作
業性が向上するものである。
【0056】また、テーパナット1のテーパ部101
と、孔3の孔テーパ部301の係合により、テーパナッ
ト1に形成した雌ねじ104の被締結部材4に対する軸
ズレを容易に防止することができる。
【0057】また、テーパナット1の上部には、つば部
102を設けることにより、テーパナット1のつば部1
02の下面103は、孔3の孔段部302に当たって止
まる。従って、孔3にテーパナット1を落とし込んだ状
態におけるテーパナット1のつば部102が孔3から浮
き上がっている量である締まりばめ代を管理することに
よって、孔3に対するテーパナット1の打込み量を一定
にでき、孔3とテーパナット1の摩擦力を一定にでき、
両者の固定力を一定にできる。
【0058】また、本実施形態においては、テーパ部加
工刃201と段部加工刃202を一体的に備えている総
形ドリル2を用いて、孔3の孔テーパ部301と孔段部
302を形成するため、締まりばめ代の管理が容易とな
る。
【0059】また、テーパナット1の上部には、つば部
102を設けることにより、テーパナット1のつば部1
02の下面103は、孔3の孔段部302に当たって止
まる。つば部102がない場合には、テーパナット1が
孔3の中にもぐり込み、アルミ合金製の被締結部材4
は、ステンレス鋼製のテーパナット1よりも柔らかいた
め、被締結部材4の孔3が著しく変形することになる。
それに対して、本実施形態のように、テーパナット1に
つば部102を設けることにより、テーパナット1のも
ぐり込みを防止して、孔3の変形を防止することができ
る。
【0060】さらに、テーパナット1は、テーパ部10
1の縮小側から力を加えることにより、即ち、雄ねじ6
を少し緩めた上で、雌ねじ104に係合された雄ねじ6
の頂部を打つことにより、テーパナット1と孔3の係合
を容易に解くことができるため、テーパナットの着脱が
容易である。
【0061】従って、ねじ摩耗やねじ損傷の激しい箇所
に適用する場合にも、テーパナットの交換を容易に行え
る。
【0062】また、被締結部材を廃棄する場合にも、テ
ーパナットを容易に外せるため、材質の異なる被締結部
材とテーパナットを分別して廃棄することができるた
め、環境に優しいものとなる。
【0063】また、外したテーパナットは、再利用でき
るため、資源を有効に活用できる。
【0064】また、従来のように、被締結部材に形成さ
れた孔の中に補強部材を挿入する方法では、M1〜M3
のような微小ねじに対しては、孔径が小さすぎるため、
適用できないものであったのに対して、本実施形態で
は、テーパナットの内部に単にM1〜M3の雄ねじに対
応する雌ねじを形成すればよいものであるため、微小ね
じに対しても適用できるものである。
【0065】次に、図6及び図7を用いて、本実施形態
によるテーパナットを被締結部材に形成された孔に打ち
込むために用いる打込み用ハンマーの構成について説明
する。図6は、本発明の一実施形態によるテーパナット
の打込み用ハンマーの部分断面図であり、図7は、図6
の部分平面図である。
【0066】打込み用ハンマー7は、手持ちで使用され
るものである。打込み用ハンマー7の打込み力は、バネ
により発生する構造とし、打込み終了後、バネを圧縮す
る動力として空気力を利用する構造としている。
【0067】最初に、図6を用いて、打込み用ハンマー
7の全体構成について説明する。打込み用ハンマー7の
本体701は、円筒形状をしており、手の平で握ること
ができる大きさである。本体701の内部の空間には、
ピストン702が、矢印A方向に上下動可能に保持され
ている。ピストンの下部ロッド703は、本体701の
下部貫通穴から外部に突出しており、下部ロッド703
の先端を用いてテーパナットを打ち込む。ピストン70
2の上部ロッド704のほぼ中央付近には、切欠部70
5が形成されている。ピストン702が上方に移動する
と、切欠部705は、ストッパー706の先端の移動ブ
ロック707と係合し、ピストン702の上下動を停止
する構造となっている。移動ブロック707は、圧縮バ
ネ708により矢印B方向に附勢されている。また、図
7に示すように、移動ブロック707の先端には、V字
溝709が形成されており、このV字溝709にピスト
ン702の切欠部705が係合することにより、ピスト
ン702の上下動を停止する。
【0068】本体701の下部には、複数の排気口71
0が形成されている。また、本体701の内部であっ
て、ピストン702の下部に形成される空気室711の
中には、矢印C方向に摺動可能なスペーサ712が配置
されている。スペーサ712には、複数の排気口713
が形成されている。スペーサ712を矢印C方向に摺動
することにより、本体701の排気口710とスペーサ
712の排気口713が連通したり、遮断したりする。
【0069】スペーサ712の摺動は、本体701の上
部に設けられたスイッチ714を手で操作することによ
り行われる。スイッチ714とスペーサ712は、レバ
ー715を介して接続されている。従って、スイッチ7
14を操作して、矢印D方向に移動することにより、ス
ペーサ712は、左方向に摺動して、本体701の排気
口710とスペーサ712の排気口713が連通する。
また、スイッチ714が矢印D方向に移動すると、スイ
ッチ714の右端が移動ブロック707のV字溝709
の左端と係合して、移動ブロック707を右方向に摺動
することにより、切欠部705とV字溝709の係合を
解くことができる。
【0070】レバー715と本体701の間には、コイ
ルバネ716が配置されている。従って、スイッチ71
4を握る手を離すことにより、レバー716は、矢印E
方向に回動して、スペーサ712を右方向に摺動し、本
体701の排気口710とスペーサ712の排気口71
3が遮断される。
【0071】ピストン702の上部と本体701の内部
空間の上面との間には、圧縮バネ717が設けられてい
る。圧縮バネ717は、矢印F方向にピストン702を
附勢している。
【0072】また、本体701の内部の空気室711に
は、給気口718から圧縮空気が導入される。ピストン
702の外周には、Oリング719が取り付けられてお
り、空気室718内の圧縮空気が上方に漏れるのを防止
している。
【0073】次に、本実施形態による打込み用ハンマー
7の動作について説明する。図示の状態においては、本
体701の排気口710とスペーサ712の排気口71
3は、連通していないものである。従って、給気口71
8から圧縮空気が導入されると、ピストン702は、圧
縮バネ717の附勢力に抗して、矢印G方向に上昇す
る。すると、ピストン702の上部ロッド704も上昇
し、上部ロッド704の切欠部705が、移動ブロック
707のV字溝709と係合して、ピストン702の上
昇が停止する。
【0074】打込み用ハンマー7を用いて、テーパナッ
トの打込みを行うときには、スイッチ714を手の平で
握って操作する。すると、スイッチ714は矢印D方向
に移動するとともに、レバー715を介して、スペーサ
712を左方向に摺動して、本体701の排気口710
とスペーサ712の排気口713とを連通する。その結
果、空気室711内の圧縮空気は、排気口713から外
部に排出される。ここで、複数の排気口710の断面積
の総面積を、給気口718の断面積に比べて充分大きく
しておくことにより、空気室711内の圧縮空気は、速
やかに外部に排出されるとともに、給気口718から導
入される圧縮空気も排気口710から排出されるため、
空気室711の圧力は、ほぼ大気圧となる。
【0075】さらに、スイッチ714は、矢印D方向に
摺動して、スイッチ714の右端が移動ブロック707
のV字溝709の左端と係合して、移動ブロック707
を右方向に摺動することにより、切欠部705とV字溝
709の係合が解かれる。圧縮バネ717は、ピストン
702に対して附勢力を与えているため、ピストン70
2は、矢印F方向に摺動して、下部ロッド703の先端
も下方に摺動する。従って、下部ロッド703の先端を
テーパナットの上面に押し当てておくことにより、テー
パナットの打込みを行うことができる。
【0076】テーパナットの1回の打込みが終了した
後、スイッチ714を離すことにより、スペーサ713
は右方向に摺動して、本体701の排気口710とスペ
ーサ712の排気口713の連通が解除される。その結
果、給気口718から導入される圧縮空気によって、ピ
ストン702は、圧縮バネ717の附勢力に抗して、矢
印G方向に上昇し、上部ロッド704の切欠部705
が、移動ブロック707のV字溝709と係合して、ピ
ストン702の上昇が停止する。
【0077】以上の繰り返しにより、スイッチ714の
操作により、圧縮バネ717の附勢力を利用して、テー
パナットの打込みを行い、また、圧縮空気を利用して、
打込みに用いるピストン702を自動的に初期位置まで
上昇させることができる。
【0078】最初に空気室711の圧縮空気を抜いた
後、ピストン702を摺動するようにしているため、ピ
ストンの打込み力は、圧縮バネ717のバネ力で決まる
ものとなる。従って、ピストンの打込み力は、圧縮バネ
717のバネ力を変えることによって変えることが可能
である。
【0079】テーパナットのような小型の部材を打込む
ハンマーとして、打込み力自体に圧縮空気を使うエアー
ハンマー等を用いた場合には、打込み力が強過ぎるた
め、テーパナットの上面を打ち込んだ後、ピストンの下
部ロッドの先端がテーパナットの上面で跳ね返されるホ
ッピング動作を行うため、ピストンの下部ロッドが、テ
ーパナット以外の被締結部材を打つ恐れがあり、被締結
部材を傷つける恐れがある。それに対して、本実施形態
のように、テーパナットの打込み力としては、バネの圧
縮力を用いることにより、圧縮空気よりも小さな打込み
力に設定できるため、上述したようなホッピング動作の
発生による被締結部材の傷みを防止することができる。
【0080】また、圧縮バネの附勢力に抗して、手の力
でピストンを上昇させようとすると、その作業は容易で
ないものであるのに対して、ピストンの上昇には、圧縮
空気を用いることにより、操作も簡単になる。
【0081】次に、図8を用いて、本実施形態によるテ
ーパナットの自動打込みシステムの全体構成について説
明する。図8は、本発明の一実施形態によるテーパナッ
トの被締結部材に対する自動打込みシステムの説明図で
ある。
【0082】上述したように、1つの被締結部材に対し
て、数十個以上のテーパナットを打ち込むためには、テ
ーパナットの供給から打込みまで自動的に行える方が効
率的であり、図8は、このような自動打込みシステムの
全体構成を示している。
【0083】コンベア8の上には、一定間隔の開口が形
成されている。コンベア8の開口には、テーパナット1
A,1B,…,1G,…が、ランダムに載せられてお
り、矢印H方向に搬送される。
【0084】姿勢判定センサ9は、コンベア8の下方に
配置されており、コンベア8によって搬送されてくるテ
ーパナット1が正しい姿勢で搬送されているか否かの姿
勢判定を行う。姿勢判定センサ9としては、例えば、近
接センサを使用する。テーパナット1A,1F,1Gの
ように、コンベア8の開口に正しい姿勢で挿入されてい
る場合には、姿勢判定センサ9である近接センサとテー
パナット1との距離は接近しているため、近接センサか
ら正しい姿勢である旨の出力信号を得ることができる。
それに対して、テーパナット1B,1C,1D,1Eの
ように、コンベア8の開口にテーパナット1が正しく載
置されていない場合には、姿勢判定センサ9である近接
センサとテーパナット1との距離は接近していないた
め、近接センサから正しい姿勢でないと判定できる。
【0085】NGシリンダー10は、姿勢判定センサ9
の姿勢判定信号に基づいて動作し、載置されたテーパナ
ットの姿勢が正常でない場合には、姿勢判定センサ9か
らNG信号を入力した後、該当するテーパナット1が、
NGシリンダー10の上に搬送されてきたタイミングで
動作して、先端のピストン1001を動作させて、正常
でない姿勢のテーパナット1B,1C,1D,1Eをコ
ンベア8から除去するように動作する。
【0086】ロボット制御装置11は、ロボット12の
回動動作,ロボット12の先端に取り付けられた吸着シ
リンダ13の真空吸着ヘッド14の動作を制御する。ロ
ボット制御装置11は、姿勢判定センサ9の姿勢判定信
号に基づいて動作する。載置されたテーパナットの姿勢
が正常である場合には、姿勢判定センサ9からOK信号
を入力した後、該当するテーパナット1が真空吸着ヘッ
ド14の真下の位置に搬送されてきたタイミングで動作
して、吸着シリンダ13を動作させて、真空吸着ヘッド
14を下降させる。そして、真空吸着ヘッド14を用い
て、テーパヘッド1を吸着した後、真空吸着ヘッド14
を上昇させる。
【0087】次に、ロボット12を動作させて、被締結
部材4の開口の上にテーパナット1を移動させる。被締
結部材4は、X−Yの2方向に移動可能なテーブルの上
に載置されており、被締結部材4に予め形成されている
複数の開口のそれぞれを、真空吸着ヘッド14の下の位
置に位置決めすることができる。テーパナット1が、被
締結部材4の開口の上方の位置において、真空を開放す
ることにより、テーパナット1を開口内に落とすことが
できる。ここで、被締結部材4に形成されている開口
は、図4を用いて説明したように穴テーパ部を備えてお
り、また、テーパナット1は、図1を用いて説明したよ
うに、外周にテーパ部を備えているため、テーパナット
1を開口の上で落とすだけで、容易に、図5(C)で示
したようにテーパナット1は、被締結部材4の開口内に
挿入される。被締結部材4に形成されている複数の開口
のそれぞれに対して、テーパナットを挿入することこと
により、テーパナットの挿入作業は終了する。
【0088】次に、被締結部材4は、圧入ステーション
に搬送される。圧入ステーションにおいては、被締結部
材4は、X−Yの2方向に移動可能なテーブルの上に載
置されており、被締結部材4に予め形成されている複数
の開口のそれぞれを、圧入シリンダ15のピストン16
の下の位置に位置決めすることができる。圧入シリンダ
15を動作させて、ピストン16を下降させることによ
り、テーパナット1を被締結部材4の開口内に圧入打ち
込むことができる。被締結部材4に形成されている複数
の開口のそれぞれに対して、テーパナットを圧入するこ
とことにより、テーパナットの圧入打込み作業は終了す
る。
【0089】以上のようにして、自動打込みシステムを
用いることにより、複数のテーパナットも容易に被締結
部材の開口内に打ち込むことができる。
【0090】次に、図9を用いて、本発明の一実施形態
による雌ねじ付きのテーパコマであるテーパナットが埋
め込まれる孔を形成するために用いる第2の例の総形ド
リルについて説明する。図9は、本発明の一実施形態に
用いる第2の例の総形ドリルによる穴加工の説明図であ
る。
【0091】図3において説明した総形ドリル総型工具
を使うと切削加工が増すため、横方向剛性が低いボール
盤ではビビリが生ずることがある。これを防止するに
は、図9に示すような構造の総形ドリル2’を用いる。
【0092】図9(A)に示すように、通常のドリル2
05を用いて、被締結部材4に対して、雄ねじのガイド
孔303を開ける。
【0093】次に、図9(B)に示すように、ガイド孔
303の孔径より0.05〜0.15mm小さい外径の
ガイド部206を持つ総形ドリル2’を使用して嵌合孔
を加工するものである。総形ドリル2’は、ガイド部2
06の他に、図3に示した総形ドリル2と同様に、テー
パナット1のテーパ部101が挿入される孔を形成する
テーパ部加工刃201と、テーパナット1のつば部10
2が挿入される孔を形成する段部加工刃202とを一体
的に備えている。さらに、穿孔した孔の終端部のバリを
取るための孔端部バリ取り刃204を備えている。孔端
部バリ取り刃204の長さや位置は、締結部の板厚寸法
に応じて調節することが必要である。
【0094】この総形ドリル2’を用いて形成される孔
形状は、図4において説明したものと同様である。
【0095】以上説明したような構造の総形ドリル2’
を用いることにより、予めドリル205によって形成し
た雌ねじガイド孔303の中に、総形ドリル2’の先端
のガイド部206を挿入した上で、孔加工を行うことに
より、ボール盤を適用しても、横方向の振動は抑制で
き、ビビリが発生することを防止できる。
【0096】次に、図10を用いて、本発明の一実施形
態によるテーパナットを用いて2つの被締結部材をねじ
締結するための第2の例による工程について説明する。
図10は、本発明の一実施形態によるテーパナットを用
いる2つの被締結部材のねじ締結構造の第2の例の工程
図である。
【0097】図5に示したねじ締結構造においては、第
2の締結部材は、全ての孔のテーパの開口する側と反対
側に締結するものであった。しかしながら、本例におい
ては、第2の締結部材をテーパの開口する側に締結する
ようにしたものである。
【0098】図5(A)において説明したように、アル
ミ合金製の被締結部材4に対して、総形ドリル2を用い
て、テーパナットを挿入するための孔を加工形成する。
孔加工により、被締結部材4には、図10(A)に示す
ように、孔3が形成される。孔3は、孔テーパ部301
と、孔段部302と、雌ねじガイド孔部303と、孔終
端面取り部304とからなる。孔3の中に、ステンレス
鋼製のテーパナット1が挿入される。テーパナット1
は、図1若しくは図2において説明したように、テーパ
部101と、つば部102と、雌ねじ104と構成され
ている。
【0099】ここで、孔3の孔段部302の深さは、テ
ーパナット1のつば部102の厚さより浅くなるように
孔3を開ける。
【0100】テーパナット1のテーパ部101は、嵌合
される孔3の孔テーパ部301に対して、軽くしまりば
めになる寸法となっている。
【0101】テーパナット1を孔3に挿入後、テーパナ
ット1のつば部102の上面を打込み用ハンマーを用い
て叩くことにより、図10(B)に示すように、テーパ
ナット1は、被締結部材4の孔3の中に打ち込まれ、つ
ば部102が孔段部302に当って停止する。また、こ
のとき、テーパナット1のつば部102が、第1の締結
部材4の表面より、テーパナット1の上面の方が突出す
ることになる。
【0102】孔3の孔テーパ部301とテーパナット1
のテーパ部101が係合するため、孔3の軸中心とテー
パナット1の軸中心は、一致する。従って、孔3を被締
結部材4の表面に対して直交するように形成することに
より、テーパナット1の軸中心は、被締結部材4の表面
に直交することになる。テーパナット1の中に形成した
雌ねじ104の軸中心をテーパナット1のテーパ部の軸
中心と一致させておくことにより、容易に、雌ねじ10
4の中心軸を被締結部材4の表面に対して直交させるこ
とができる。
【0103】また、テーパナット1の上部には、つば部
102を設けることにより、テーパナット1のつば部1
02の下面103は、孔3の孔段部302に当たって止
まる。つば部102がない場合には、テーパナット1が
孔3の中にもぐり込み、アルミ合金製の被締結部材4
は、ステンレス鋼製のテーパナット1よりも柔らかいた
め、被締結部材4の孔3が著しく変形することになる。
それに対して、本実施形態のように、テーパナット1に
つば部102を設けることにより、テーパナット1のも
ぐり込みを防止して、孔3の変形を防止することができ
る。
【0104】図10(B)に示した状態で、テーパナッ
ト1は、被締結部材4に対して摩擦力で保持される。
【0105】次に、図10(C)に示すように、孔50
1を有する第2の被締結部材5を締結するときは、テー
パナット1を打ち込んだ第1の被締結部材4の表面に第
2の被締結部材5を配置し、雄ねじ6を用いて締め付け
る。第1の被締結部材4がアルミ合金製の場合、例え
ば、第2の被締結部材は、回路素子の実装されたプリン
ト基板である。これによって、テーパナット1にはテー
パの締まる方向に荷重が掛るので、テーパナット1が被
締結部材4からゆるむ恐れは全くない。
【0106】本例の方法によれば、テーパナットを打ち
込んだ状態でナットが孔内に摩擦力で保持されている力
分の強度(M4でも数10Kgの強さ)を有する。この
方法で締結強度を増すには、締結点数を増すのが効果的
である。特に、被締結部材5は、被締結部材4の表面よ
りテーパナット1の突き出し分だけ浮き上がることか
ら、1個の締結のみでは浮き上がった分だけテーパナッ
トにこじる力が作用し易く、簡単に外れてしまう可能性
もある。これを防ぐには、ナット数を複数個、できれば
3個以上にする方が平面が定まり、安定することとな
る。
【0107】また、締まりはめ代を大きめにすることも
重要である。図5に示した例では、テーパ部の直径の2
〜20%としたが、この場合には4〜20%と下限の値
を増す方が好適である。
【0108】この方法で、孔3の孔段部302をつば部
102の厚さより深くすると、雄ねじ6を締めたとき
に、ねじの力で抜けてしまうため好ましくない。なお、
図10に示した雄ねじガイド孔303は必ずしも必要で
はないが、開いていても構わない場合は、図3,図9に
おいて説明した総形ドリル2,2’をそのまま使える利
点がある。
【0109】以上説明したように、本実施形態によるテ
ーパナットを用いることにより、作業性が向上するもの
である。
【0110】また、テーパナットに形成した雌ねじ軸ズ
レを容易に防止することができる。
【0111】また、孔とテーパナットの固定力を一定に
できる。
【0112】また、総形ドリルにより孔加工を行うこと
により、締まりばめ代の管理が容易となる。
【0113】また、孔の変形を防止することができる。
【0114】さらに、テーパナットの着脱が容易であ
り、テーパナットの交換を容易に行えるとともに、材質
の異なる被締結部材とテーパナットを分別して廃棄する
ことができる。
【0115】また、外したテーパナットは、再利用でき
る。
【0116】また、微小ねじに対しても適用できるもの
である。
【0117】また、本実施形態による打込み用ハンマー
を使用することにより、被締結部材の傷みを防止するこ
とができるとともに、打込み操作も簡単になる。
【0118】また、本実施形態による自動打込みシステ
ムを用いることにより、打込み作業も容易に自動化でき
るものである。
【0119】次に、図11及び図12を用いて、本発明
の第2の実施形態による雌ねじ付きのテーパコマである
テーパナットについて説明する。図11は、本発明の第
2の実施形態によるテーパナットの縦断面図であり、図
12は、本発明の第2の実施形態によるテーパナットに
よる結合力の説明図である。なお、図1と同一符号は、
同一部分を示している。
【0120】雌ねじ付きのテーパコマであるテーパナッ
ト1Hは、図1において説明したテーパナットと同様
に、テーパ部101と、つば部102と、内部に形成さ
れた雌ねじ104の他に、テーパ部101の拡大側の端
部に形成された溝部105を有している。溝部105
は、テーパナット1Hの外周に円周状に形成されてい
る。
【0121】テーパナット1Hは、図5を用いて説明し
たように、総形ドリルを用いて被締結部材に形成された
孔の中に挿入された後、打込み用ハンマー等を用いて打
ち込まれる。
【0122】図12は、被締結部材4に形成された孔3
の中に、本実施形態によるテーパナット1Hが打ち込ま
れた状態を示している。孔3にテーパナット1Hを落し
込んだ状態では、つば部102の下面103は、孔3の
孔段部から浮き上がった状態となっており、この状態か
らハンマー等を用いて打ち込むと、テーパナット1Hか
らは、被締結部材4に対して力Faが作用する。さら
に、本実施形態においては、テーパナット1Hは、テー
パ部101の拡大側の端部に溝部105が形成されてい
る。従って、テーパナット1Hが打ち込まれると、溝部
105に対して力Fbが作用して、溝部105に対面し
ている被締結部材4の部分が弾性変形し、弾性変形した
部分と溝部105が係合することになる。その結果、図
1に示したテーパナットに比べて、テーパナット1Hと
被締結部材4の間の結合力を大きくすることができる。
【0123】以上説明したように、本実施形態によるテ
ーパナットを用いることにより、作業性が向上するもの
である。
【0124】また、孔とテーパナットの結合力を大きく
することができる。
【0125】また、テーパナットに形成した雌ねじ軸ズ
レを容易に防止することができる。
【0126】また、孔とテーパナットの固定力を一定に
できる。
【0127】また、孔の変形を防止することができる。
【0128】さらに、テーパナットの着脱が容易であ
り、テーパナットの交換を容易に行えるとともに、材質
の異なる被締結部材とテーパナットを分別して廃棄する
ことができる。
【0129】また、外したテーパナットは、再利用でき
る。
【0130】また、微小ねじに対しても適用できるもの
である。
【0131】次に、図13を用いて、本発明の第3の実
施形態による雌ねじ付きのテーパコマであるテーパナッ
トについて説明する。図13は、本発明の第3の実施形
態によるテーパナットの縦断面図である。なお、図1と
同一符号は、同一部分を示している。
【0132】雌ねじ付きのテーパコマであるテーパナッ
ト1Jは、図1において説明したテーパナットと同様
に、テーパ部101と、つば部102とを有している。
なお、本実施形態においては、雌ねじ104Aが形成さ
れるねじ孔106が、止まり孔となっている。
【0133】テーパナット1Jは、図5を用いて説明し
たように、総形ドリルを用いて被締結部材に形成された
孔の中に挿入された後、打込み用ハンマー等を用いて打
ち込まれる。
【0134】本実施形態においては、ねじ孔106は、
テーパナット1Jを貫通していないため、特に真空機器
の締結に用いて好適なものである。すなわち、真空はテ
ーパ部101とつば部102で十分に保持されるもので
ある。
【0135】以上説明したように、本実施形態によるテ
ーパナットを用いることにより、作業性が向上するもの
である。
【0136】また、真空機器の締結を真空を保持しつつ
容易に行える。
【0137】また、テーパナットに形成した雌ねじ軸ズ
レを容易に防止することができる。
【0138】また、孔とテーパナットの固定力を一定に
できる。
【0139】また、孔の変形を防止することができる。
【0140】さらに、テーパナットの着脱が容易であ
り、テーパナットの交換を容易に行えるとともに、材質
の異なる被締結部材とテーパナットを分別して廃棄する
ことができる。
【0141】また、外したテーパナットは、再利用でき
る。
【0142】また、微小ねじに対しても適用できるもの
である。
【0143】次に、図14を用いて、本発明の第4の実
施形態による雌ねじ付きのテーパコマであるテーパナッ
トについて説明する。図14は、本発明の第4の実施形
態によるテーパナットの縦断面図である。なお、図1と
同一符号は、同一部分を示している。
【0144】雌ねじ付きのテーパコマであるテーパナッ
ト1Kは、図1において説明したテーパナットと同様
に、テーパ部101と、つば部102と、内部に形成さ
れた雌ねじ104を有している。さらに、本実施形態に
おいては、テーパ部の縮小側の端部の端面にねじ座繰り
部107を形成している。
【0145】ねじ孔が長いほど、雄ねじの挿入に時間が
掛るため、本実施形態のように、雌ねじ104を途中ま
で座繰ることによって、ねじ孔を短くすることができ
る。従って、雄ねじの挿入を短時間で行えるようにな
る。なお、ねじ強度を確保するには、雌ねじ104の残
り長さを雄ねじの直径d0の0.8倍以上にするのが望
ましいものである。
【0146】以上説明したように、本実施形態によるテ
ーパナットを用いることにより、作業性が向上するもの
である。
【0147】また、ねじの挿入時間を短縮できるもので
ある。
【0148】また、テーパナットに形成した雌ねじ軸ズ
レを容易に防止することができる。
【0149】また、孔とテーパナットの固定力を一定に
できる。
【0150】また、孔の変形を防止することができる。
【0151】さらに、テーパナットの着脱が容易であ
り、テーパナットの交換を容易に行えるとともに、材質
の異なる被締結部材とテーパナットを分別して廃棄する
ことができる。
【0152】また、外したテーパナットは、再利用でき
る。
【0153】また、微小ねじに対しても適用できるもの
である。
【0154】次に、図15を用いて、本発明の第5の実
施形態による雌ねじ付きのテーパコマであるテーパナッ
トについて説明する。図15は、本発明の第5の実施形
態によるテーパナットの縦断面図である。なお、図1と
同一符号は、同一部分を示している。
【0155】雌ねじ付きのテーパコマであるテーパナッ
ト1Lは、図1において説明したテーパナットと同様
に、テーパ部101と、つば部102と、内部に形成さ
れた雌ねじ104を有している。さらに、本実施形態に
おいては、つば部102側の端面にねじ座繰り部108
を形成している。
【0156】雌ねじ104を途中まで座繰ることによっ
て、ねじ孔を短くすることができる。従って、雄ねじの
挿入を短時間で行えるようになる。なお、ねじ強度を確
保するには、雌ねじ104の残り長さを雄ねじの直径d
0の0.8倍以上にするのが望ましいものである。
【0157】以上説明したように、本実施形態によるテ
ーパナットを用いることにより、図14に示したテーパ
ナットと同様の効果が得られるものである。
【0158】次に、図16及び図17を用いて、本発明
の第6の実施形態による位置決めピン付きのテーパコマ
である基準ピンについて説明する。図16は、本発明の
第6の実施形態による基準ピンの部分縦断面図であり、
図17は、本発明の第6の実施形態による基準ピンの打
込み状態を示す部分縦断面図である。なお、図1と同一
符号は、同一部分を示している。
【0159】図16に示すように、雌ねじ付きのテーパ
コマである基準ピン1Mは、図13において説明したテ
ーパナットと同様に、テーパ部101と、つば部102
と、内部に形成された雌ねじ104を有している。さら
に、本実施形態においては、基準ピン1Mのつば部10
2側の端面には、位置決めピン109が形成されてい
る。位置決めピン109の中心軸は、テーパ部101の
軸と一致している。従って、位置決めピン109は、テ
ーパ部101の軸方向に延在している延在部である。
【0160】図17に示すように、母材4Aには、図4
において説明したような孔3が、総形ドリルを用いて形
成されている。基準ピン1Mは、図5を用いて説明した
ように、総形ドリルを用いて母材4Aに形成された孔3
の中に挿入された後、打込み用ハンマー等を用いて打ち
込まれる。なお、ここで用いる打込み用ハンマーは、基
準ピン1Mのつば部102に対して打込み力が作用する
ようなピストン形状を有するものを用いる。従って、位
置決めピン109に対しては、打込み力は作用せず、位
置決めピン109の変形を防止することができる。
【0161】基準ピン1Mは、孔3に対する摩擦力によ
って、母材4Aに対して係止されている。位置決めピン
109の高さは、基準ピン1Mのつば部102によって
容易に規制することができる。
【0162】基準ピン1Mのテーパ部101と、孔3の
孔テーパ部301の係合により、基準ピン1Mに形成し
た位置決めピンの直立性の精度を容易に向上することが
できる。
【0163】また、従来は、位置決めピンをたてるため
に不安定なリーマ加工を行う必要があったのに対して、
本実施形態では、このリーマ加工が不要となる。
【0164】さらに、基準ピン1Mは、つば部102を
備えていることにより、基準ピンのもぐり込みを防止し
て、孔3の変形を防止することができ、基準ピン1Mと
孔3の係合を解くのも容易である。
【0165】以上説明したように、本実施形態による基
準ピンを用いることにより、作業性が向上するものであ
る。
【0166】また、位置決めピンの直立性の精度を容易
に向上することができる。
【0167】また、裏側からボルトによって固定できる
ため、基準ピンの固定力を大きくできる。
【0168】また、位置決めピンをたてるためのリーマ
加工が不要となる。
【0169】また、孔と基準ピンの固定力を一定にでき
る。
【0170】さらに、基準ピンの着脱が容易であり、基
準ピンの交換を容易に行えるとともに、材質の異なる被
締結部材と基準ピンを分別して廃棄することができる。
【0171】また、外した基準ピンは、再利用できる。
【0172】次に、図18を用いて、本発明の第7の実
施形態による位置決め穴付きのテーパコマについて説明
する。図18は、本発明の第7の実施形態による位置決
め穴付きテーパコマの打込み状態を示す部分縦断面図で
ある。なお、図1と同一符号は、同一部分を示してい
る。
【0173】本実施形態による位置決め穴付きテーパコ
マは、図17に示した基準ピン1Mと対で用いられるも
のである。位置決め穴付きテーパコマ1Nは、図1にお
いて説明したテーパナットと同様に、テーパ部101
と、つば部102とを有している。さらに、本実施形態
においては、テーパコマ1Nの中に位置決め穴110が
形成されている。位置決め穴110の中心軸は、テーパ
部101の軸と一致している。従って、位置決め穴11
0は、テーパ部101の軸方向に延在している延在部で
ある。
【0174】母材4Bには、図4において説明したよう
な孔3が、総形ドリルを用いて形成されている。位置決
め穴付きテーパコマ1Nは、図5を用いて説明したよう
に、総形ドリルを用いて母材4Bに形成された孔3の中
に挿入された後、打込み用ハンマー等を用いて打ち込ま
れる。位置決め穴付きテーパコマ1Nは、孔3に対する
摩擦力によって、母材4Bに対して係止されている。
【0175】次に、図19を用いて、本発明の第6の実
施形態による位置決めピン付きのテーパコマである基準
ピンと、本発明の第7の実施形態による位置決め穴付き
テーパを用いた2つの母材の位置合わせ方法について説
明する。図19は、本発明の第6の実施形態による位置
決めピン付きのテーパコマである基準ピンと、本発明の
第7の実施形態による位置決め穴付きテーパを用いた2
つの母材の位置合わせ方法の説明図である。
【0176】図19(A)は、図17において説明した
ものと同じであり、母材4Aの穴に位置決めピン109
を有する基準ピン1Mが打ち込まれている。
【0177】図19(C)は、図18において説明した
ものと同じであり、母材4Bの穴に位置決め穴110を
有するテーパコマ1Nが打ち込まれている。
【0178】図19(B)は、母材4Aと母材4Bの位
置合わせの状況を示しており、基準ピン1Mの位置決め
ピン109を、テーパコマ1Nの位置決め穴110に挿
入する。これにより、母材4Aと母材4Bの位置合わせ
を容易に行うことができる。
【0179】ここで、テーパコマ1Nに形成されている
位置決め穴110を、高精度穴開け加工を行い、公差の
小さい穴を形成しておくことにより、2つの母材の位置
合わせ精度を向上することができる。
【0180】本実施形態によれば、2つの母材の位置合
わせを容易に行うことができる。
【0181】次に、図20を用いて、本発明の第7の実
施形態による位置決め穴付きテーパコマに形成されてい
る位置決め穴の公差の変更について説明する。図20
は、本発明の第7の実施形態による位置決め穴付きテー
パコマに形成されている位置決め穴の公差の変更の説明
図である。
【0182】例えば、図20(A)は、図18において
説明したものと同じであり、母材4Bの穴に位置決め穴
110を有するテーパコマ1Nが打ち込まれている。こ
こで、位置決め穴110の直径をDmmとして、公差
が、+0.02mm〜+0.03mmであったとする。
本実施形態によるテーパコマ1Nは、テーパ部の縮小側
の端面を打つことにより、テーパコマ1Nのテーパ部
と、母材4Bに形成されている孔の孔テーパ部との係合
を容易に解くことができる。しかも、テーパコマ1Nは
つば部を有しているため、母材4Bに形成された孔にも
ぐり込み過ぎることがないため、孔は殆ど変形しないも
のである。従って、テーパコマ1Nを一旦打ち込んだ
後、このテーパコマ1Nを取り外したとしても、同じ孔
に対して別のテーパコマを打ち込むことは容易に行え
る。
【0183】例えば、図20(B)は、母材4Bの穴に
位置決め穴110A有するテーパコマ1N’が打ち込ま
れている状態を示している。ここで、位置決め穴110
Aの直径をDmmとして、公差が、+0.01mm〜+
0.02mmのものを用いることにより、位置決め孔1
10の公差を容易に変更することができる。公差を変更
することにより、位置合わせの精度も容易に変更するこ
とができる。
【0184】次に、図21を用いて、本発明の第8の実
施形態による位置決めピン付きのテーパコマである基準
ピンの構造について説明する。図21は、本発明の第8
の実施形態による基準ピンの他の結合状態を示す部分縦
断面図である。なお、図17と同一符号は、同一部分を
示している。
【0185】雌ねじ付きのテーパコマである基準ピン1
Pは、図16において説明した基準ピンと同様に、テー
パ部101と、つば部102と、内部に形成された雌ね
じ104と、位置決めピン109を有している。
【0186】基準ピン1Pは、図5を用いて説明したよ
うに、総形ドリルを用いて母材4Aに形成された孔3の
中に挿入された後、母材4Aの裏面側からは、座がね1
8を介して、ボルト17が雌ねじ104に係合してい
る。即ち、ボルト17を締め付けることにより、基準ピ
ン1Pを孔3の中に引き込むことができるため、位置決
めピン109の変形を防止することができる。
【0187】基準ピン1Pは、孔3に対する摩擦力及び
ボルト17による締め付け力によって、母材4Aに対し
て結合されているため、図16に示した構造に比べて、
結合強度を大きくすることができる。
【0188】以上説明したように、本実施形態による基
準ピンを用いることにより、作業性が向上するものであ
る。
【0189】また、孔と基準ピンの固定力をより大きく
できる。
【0190】また、位置決めピンの直立性の精度を容易
に向上することができる。
【0191】また、位置決めピンをたてるためのリーマ
加工が不要となる。
【0192】さらに、基準ピンの着脱が容易であり、基
準ピンの交換を容易に行えるとともに、材質の異なる被
締結部材と基準ピンを分別して廃棄することができる。
【0193】また、外した基準ピンは、再利用できる。
【0194】次に、図22を用いて、本発明の第9の実
施形態による位置決めピン付きのテーパコマである基準
ピンについて説明する。図22は、本発明の第9の実施
形態による基準ピンの打込み状態を示す部分縦断面図で
ある。なお、図1と同一符号は、同一部分を示してい
る。
【0195】位置決めピン付きのテーパコマである基準
ピン1Qは、テーパ部101と、つば部102とを有し
ている。さらに、本実施形態においては、基準ピン1M
のつば部102側の端面に、位置決めピン109が形成
されており、また、テーパ部101の縮小側の端面に、
位置決めピン111が形成されている。位置決めピン1
09,111の中心軸は、テーパ部101の軸と一致し
ている。従って、位置決めピン109,111は、テー
パ部101の軸方向に延在している延在部である。
【0196】母材4Aには、図4において説明したよう
な孔3が、総形ドリルを用いて形成されている。基準ピ
ン1Qは、図5を用いて説明したように、総形ドリルを
用いて母材4Aに形成された孔3の中に挿入された後、
打込み用ハンマー等を用いて打ち込まれる。なお、ここ
で用いる打込み用ハンマーは、基準ピン1Qのつば部1
02に対して打込み力が作用するようなピストン形状を
有するものを用いる。従って、位置決めピン109に対
しては、打込み力は作用せず、位置決めピン109の変
形を防止することができる。
【0197】基準ピン1Qは、孔3に対する摩擦力によ
って、母材4Aに対して係止されている。位置決めピン
109,111の高さは、基準ピン1Qのつば部102
によって規制されている。
【0198】以上説明したように、本実施形態による基
準ピンを用いることにより、作業性が向上するものであ
る。
【0199】また、3つの母材の位置合わせを容易に行
うことができる。
【0200】また、位置決めピンの直立性の精度を容易
に向上することができる。
【0201】また、位置決めピンをたてるためのリーマ
加工が不要となる。
【0202】さらに、基準ピンの着脱が容易であり、基
準ピンの交換を容易に行えるとともに、材質の異なる被
締結部材と基準ピンを分別して廃棄することができる。
【0203】また、外した基準ピンは、再利用できる。
【0204】次に、図23を用いて、本発明の第10の
実施形態による位置決めピン付きのテーパコマである基
準ピンの構造について説明する。図23は、本発明の第
10の実施形態による基準ピンの打込状態を示す部分縦
断面図である。なお、図1と同一符号は、同一部分を示
している。
【0205】位置決めピン付きのテーパコマである基準
ピン1Rは、図16において説明した基準ピンと同様
に、テーパ部101と、つば部102とを有している。
さらに、テーパ部101の縮小側の端面に形成された位
置決めピン111を有している。
【0206】基準ピン1Rは、図5を用いて説明したよ
うに、総形ドリルを用いて母材4Aに形成された孔3の
中に挿入された後、打込み用ハンマー等を用いて打ち込
まれる。ここで、孔3は、母材4Aの裏面側から加工形
成されるようにしている。従って、位置決めピン111
は、母材4Aの裏面側から打ち込まれることにより、位
置決めピン111が、母材4Aの表面側から突出する構
造となる。従って、基準ピン1Rは、孔3から外れにく
い構成となっている。
【0207】以上説明したように、本実施形態による基
準ピンを用いることにより、作業性が向上するものであ
る。
【0208】また、基準ピンが孔から外れにくくなる。
【0209】また、位置決めピンの直立性の精度を容易
に向上することができる。
【0210】また、位置決めピンをたてるためのリーマ
加工が不要となる。
【0211】さらに、基準ピンの着脱が容易であり、基
準ピンの交換を容易に行えるとともに、材質の異なる被
締結部材と基準ピンを分別して廃棄することができる。
【0212】また、外した基準ピンは、再利用できる。
【0213】次に、図24を用いて、本発明の第11の
実施形態による位置決めピン付きのテーパコマである基
準ピンの構造について説明する。図24は、本発明の第
11の実施形態による基準ピンの打込状態を示す部分縦
断面図である。なお、図1と同一符号は、同一部分を示
している。
【0214】位置決めピン付きのテーパコマである基準
ピン1Rは、図23において説明した基準ピンと同様
に、テーパ部101と、つば部102と、テーパ部10
1の縮小側の端面に形成された位置決めピン111を有
している。さらに、本実施形態においては、基準ピン1
Rのつば部102側に形成された基準ピン用穴112を
有している。基準ピン用穴112は、他のテーパコマに
形成された位置決めピン111が挿入される内径を有し
ている。
【0215】基準ピン1Rは、図5を用いて説明したよ
うに、総形ドリルを用いて母材4Aに形成された孔3の
中に挿入された後、打込み用ハンマー等を用いて打ち込
まれる。ここで、孔3は、母材4Aの裏面側から加工形
成されるようにしている。従って、位置決めピン111
は、母材4Aの裏面側から打ち込まれることにより、位
置決めピン111が、母材4Aの表面側から突出する構
造となる。また、母材4Aの裏面側には、基準ピン1R
の基準ピン穴112が開口している。従って、他の母材
に、図24に図示したものと同様にして、基準ピン1R
を打ち込むことにより、他の母材に打ち込まれた基準ピ
ン1Rの位置決めピン111を、母材4Aに打ち込まれ
た基準ピン1Rの基準ピン穴112に挿入することによ
り、母材4Aと他の母材の位置合わせを容易に行うこと
ができる。即ち、基準ピン1Rは、位置決めピンと基準
ピン穴を有しているため、位置合わせに用いる基準ピン
の数を少なくすることが可能である。
【0216】以上説明したように、本実施形態による基
準ピンを用いることにより、作業性が向上するものであ
る。
【0217】また、他の母材との位置合わせに用いる基
準ピンの数を少なくすることができる。
【0218】また、基準ピンと母材の結合強度が大きく
なり、外れにくくなる。
【0219】また、位置決めピンの直立性の精度を容易
に向上することができる。
【0220】また、位置決めピンをたてるためのリーマ
加工が不要となる。
【0221】さらに、基準ピンの着脱が容易であり、基
準ピンの交換を容易に行えるとともに、材質の異なる被
締結部材と基準ピンを分別して廃棄することができる。
【0222】また、外した基準ピンは、再利用できる。
【0223】次に、図25を用いて、本発明の第12の
実施形態による位置決めピン付きのテーパコマである基
準ピンの構造について説明する。図25は、本発明の第
12の実施形態による基準ピンの打込状態を示す部分縦
断面図である。なお、図1と同一符号は、同一部分を示
している。
【0224】位置決めピン付きのテーパコマである基準
ピン1Sは、図16において説明した基準ピンと同様
に、テーパ部101と、内部に形成された雌ねじ104
とを有している。さらに、基準ピン1Sは、テーパ部1
01の拡大側には、テーパ部101より大きな直径を有
する位置決めピン113が形成されている。位置決めピ
ン113は、テーパ部101よりも直径が大きいため、
位置決めピン113の下側端面113Aは、図1に示し
たテーパナットのつば部102の下面103と同じ働き
を有している。
【0225】基準ピン1Sは、テーパ部加工刃を有する
ドリルを用いて母材4Aに形成された孔3Aの中に挿入
された後、打込み用ハンマー等を用いて打ち込まれる。
位置決めピン113の下側端面113Aが、母材4Aの
表面と係合することで、それ以上の基準ピン1Sの孔3
Aに対するもぐり込みが防止される。なお、基準ピン1
Sの打込みに際しては、位置決めピン113の頂部をハ
ンマーで打つことになるが、位置決めピン113は、図
16に示した位置決めピン109に比べて大きいため、
位置決めピン113が変形することはないものである。
【0226】さらに、母材4Aの裏面側には、座繰り孔
19が形成されている。そして、母材4Aの裏面側から
は、座がね18を介して、ボルト17が雌ねじ104に
係合している。即ち、基準ピン1Sは、孔3に対する摩
擦力及びボルト17による締め付け力によって、母材4
Aに対して結合されているため、図16に示した構造に
比べて、結合強度を大きくすることができる。これは、
位置決めピン113を大きくしため、位置決めピン11
3に掛かる力が大きくなっても、基準ピン1Sが外れる
のを防止するため、結合強度を大きくしている。
【0227】以上説明したように、本実施形態による基
準ピンを用いることにより、作業性が向上するものであ
る。
【0228】また、基準ピンと母材の結合強度が大きく
なり、外れにくくなる。
【0229】また、位置決めピンの直立性の精度を容易
に向上することができる。
【0230】また、位置決めピンをたてるためのリーマ
加工が不要となる。
【0231】さらに、基準ピンの着脱が容易であり、基
準ピンの交換を容易に行えるとともに、材質の異なる被
締結部材と基準ピンを分別して廃棄することができる。
【0232】また、外した基準ピンは、再利用できる。
【0233】次に、図26を用いて、本発明の第13の
実施形態による位置決めピン付きのテーパコマである基
準ピンの構造について説明する。図26は、本発明の第
13の実施形態による基準ピンの打込状態を示す部分縦
断面図である。なお、図1と同一符号は、同一部分を示
している。
【0234】雌ねじ付きのテーパコマである基準ピン1
Tは、図16において説明した基準ピンと同様に、テー
パ部101と、内部に形成された雌ねじ104とを有し
ている。さらに、基準ピン1Tは、テーパ部101の拡
大側には、テーパ部101より大きな直径を有する位置
決めピン114が形成されている。位置決めピン114
は、テーパ部101よりも直径が大きいため、位置決め
ピン114の下側端面114Aは、図1に示したテーパ
ナットのつば部102の下面103と同じ働きを有して
いる。なお、位置決めピン114の直径は、図25に示
した位置決めピン109に比べて小さくしてある。
【0235】基準ピン1Tは、図5を用いて説明したよ
うに、総形ドリルを用いて母材4Aに形成された孔3の
中に挿入された後、打込み用ハンマー等を用いて打ち込
まれる。位置決めピン114の下側端面114Aが、孔
3の孔段部と係合することで、それ以上の基準ピン1T
の孔3Aに対するもぐり込みが防止される。なお、基準
ピン1Tの打込みに際しては、位置決めピン114の頂
部をハンマーで打つことになるが、位置決めピン114
は、図16に示した位置決めピン109に比べて大きい
ため、位置決めピン114が変形することはないもので
ある。
【0236】さらに、母材4Aの裏面側には、座繰り孔
19が形成されている。そして、母材4Aの裏面側から
は、座がね18を介して、ボルト17が雌ねじ104に
係合している。即ち、基準ピン1Tは、孔3に対する摩
擦力及びボルト17による締め付け力によって、母材4
Aに対して結合されているため、図16に示した構造に
比べて、結合強度を大きくすることができる。これは、
位置決めピン114を大きくしため、位置決めピン11
4に掛かる力が大きくなっても、基準ピン1Tが外れる
のを防止するため、結合強度を大きくしている。
【0237】以上説明したように、本実施形態による基
準ピンを用いることにより、作業性が向上するものであ
るとともに、図25に示した基準ピンと同様の効果を得
られるものである。
【0238】次に、図27を用いて、本発明の第14の
実施形態によるガイドバー付きのテーパコマについて説
明する。図27(A)は、本発明の第14の実施形態に
よるガイドバー付きのテーパコマ及び2つの被締結部材
の説明図であり、同図(B)は、ガイドバー付きのテー
パコマ及び2つの被締結部材の使用状態の説明図であ
る。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
【0239】図27(A)に示すように、ガイドバー付
きのテーパコマである基準ピン1BBは、図16におい
て説明した基準ピンと同様に、テーパ部101と、内部
に形成された雌ねじ(図示せず)とを有している。さら
に、基準ピン1BBは、テーパ部101の拡大側には、
テーパ部101より大きな直径を有するガイドバー12
5が形成されている。ガイドバー125の中心軸は、テ
ーパ部101の軸と一致している。従って、ガイドバー
125は、テーパ部101の軸方向に延在している延在
部である。ガイドバー125は、テーパ部101よりも
直径が大きいため、ガイドバー125の下側端面125
Aは、図1に示したテーパナットのつば部102の下面
103と同じ働きを有している。
【0240】一方、第1の母材4Aには、図4において
説明したように、総形ドリルを用いて孔3が形成されて
いる。孔3は、孔テーパ部301及び孔段部302を有
している。また、母材4Aの裏面側からは、座繰り孔2
0が形成されている。また、第2の母材4Bには、ガイ
ドバー125が挿入可能な貫通穴21が形成されてい
る。
【0241】図27(B)に示すように、基準ピン1B
Bは、総形ドリルを用いて母材4Aに形成された孔3の
中に挿入された後、打込み用ハンマー等を用いて打ち込
まれる。ガイドバー125の下側端面125Aが、孔3
の孔段部と係合することで、それ以上の基準ピン1BB
の孔3に対するもぐり込みが防止される。なお、基準ピ
ン1BBの打込みに際しては、ガイドバー125の頂部
をハンマーで打つことになるが、ガイドバー125は、
図16に示した位置決めピン109に比べて大きいた
め、ガイドバー125が変形することはないものであ
る。
【0242】さらに、母材4Aの裏面側からは、ボルト
17が基準ピン1BBの雌ねじに係合している。即ち、
基準ピン1BBは、孔3に対する摩擦力及びボルト17
による締め付け力によって、母材4Aに対して結合され
ているため、図16に示した構造に比べて、結合強度を
大きくすることができる。
【0243】さらに、基準ピン1BBのガイドバー12
5が、母材4Bの貫通穴21に挿入される。従って、母
材4Bは、ガイドバー125の外周面を摺動面として、
母材4Aに対して、ガイドバー125の軸方向に摺動可
能である。
【0244】以上説明したように、本実施形態による基
準ピンを用いることにより、作業性が向上するものであ
る。
【0245】また、ガイドバーの直立性の精度を容易に
向上することができる。
【0246】また、孔と基準ピンの固定力を一定にでき
る。
【0247】さらに、基準ピンの着脱が容易であり、基
準ピンの交換を容易に行えるとともに、材質の異なる被
締結部材と基準ピンを分別して廃棄することができる。
【0248】また、外した基準ピンは、再利用できる。
【0249】次に、図28を用いて、本発明の第15の
実施形態による引張りばね用ポスト付きのテーパコマに
ついて説明する。図28は、本発明の第15の実施形態
による引張りばね用ポスト付きのテーパコマの打込み状
態を示す部分縦断面図である。なお、図1と同一符号
は、同一部分を示している。
【0250】引張りばね用ポスト付きのテーパコマ1U
は、図1において説明したテーパナットと同様に、テー
パ部101と、つば部102とを有している。さらに、
本実施形態においては、テーパコマ1Uのつば部102
側の端面には、引張りばね用ポスト115が形成されて
いる。引張りばね用ポスト115の中心軸は、テーパ部
101の軸と一致している。従って、引張りばね用ポス
ト115は、テーパ部101の軸方向に延在している延
在部である。引張りばね用ポスト115の先端の近傍に
は、引張りばねの端部を係合するための穴116が形成
されている。
【0251】母材4Aには、図4において説明したよう
な孔3が、総形ドリルを用いて形成されている。引張り
ばね用ポスト付きテーパコマ1Uは、図5を用いて説明
したように、総形ドリルを用いて母材4Aに形成された
孔3の中に挿入された後、打込み用ハンマー等を用いて
打ち込まれる。なお、ここで用いる打込み用ハンマー
は、引張りばね用ポスト付きテーパコマ1Uのつば部1
02に対して打込み力が作用するようなピストン形状を
有するものを用いる。従って、引張りばね用ポスト11
5に対しては、打込み力は作用せず、引張りばね用ポス
ト115の変形を防止することができる。
【0252】引張りばね用ポスト付きテーパコマ1U
は、孔3に対する摩擦力によって、母材4Aに対して係
止されている。引張りばね用ポスト115の高さは、引
張りばね用ポスト付きテーパコマ1Uのつば部102に
よって規制されている。
【0253】穴116に引張りばねの端部を係合するこ
とにより、引張りばねの一端を固定することができる。
【0254】以上説明したように、本実施形態によるテ
ーパコマを用いることにより、作業性が向上するもので
ある。
【0255】さらに、テーパコマの着脱が容易であり、
テーパコマの交換を容易に行えるとともに、材質の異な
る被締結部材とテーパコマを分別して廃棄することがで
きる。
【0256】また、外したテーパコマは、再利用でき
る。
【0257】次に、図29を用いて、本発明の第16の
実施形態による引張りばね用ポスト付きのテーパコマに
ついて説明する。図29は、本発明の第16の実施形態
による引張りばね用ポスト付きのテーパコマの打込み状
態を示す部分縦断面図である。なお、図1と同一符号
は、同一部分を示している。
【0258】引張りばね用ポスト付きのテーパコマ1V
は、図23において説明したテーパコマと同様に、テー
パ部101と、つば部102とを有している。さらに、
テーパコマ1Vのテーパ部101の縮小側の端面には、
穴116の形成された引張りばね用ポスト115が形成
されている。
【0259】母材4Aには、図4において説明したよう
な孔3が、総形ドリルを用いて形成されている。引張り
ばね用ポスト付きテーパコマ1Vは、図5を用いて説明
したように、総形ドリルを用いて母材4Aに形成された
孔3の中に挿入された後、打込み用ハンマー等を用いて
打ち込まれる。ここで、孔3は、母材4Aの裏面側から
加工形成されるようにしている。従って、ポスト115
は、母材4Aの裏面側から打ち込まれることにより、ポ
スト115が、母材4Aの表面側から突出する構造とな
る。
【0260】引張りばね用ポスト付きテーパコマ1V
は、孔3に対する摩擦力によって、母材4Aに対して係
止されている。穴116に引張りばねの端部を係合する
ことにより、引張りばねの一端を固定することができ
る。テーパコマ1Vに対して、引張りばねから作用する
力は、テーパコマ1Vと母材4Aが締まる方向であるた
め、テーパコマ1Vは、容易に外れないものとなる。
【0261】以上説明したように、本実施形態によるテ
ーパコマを用いることにより、作業性が向上するもので
ある。
【0262】また、テーパコマと母材の結合強度が大き
くなり、外れにくくなる。
【0263】さらに、テーパコマの着脱が容易であり、
テーパコマの交換を容易に行えるとともに、材質の異な
る被締結部材とテーパコマを分別して廃棄することがで
きる。
【0264】また、外したテーパコマは、再利用でき
る。
【0265】次に、図30を用いて、本発明の第17の
実施形態による引張りばね用ポスト付きのテーパコマに
ついて説明する。図30は、本発明の第17の実施形態
による引張りばね用ポスト付きのテーパコマの打込み状
態を示す部分縦断面図である。なお、図1と同一符号
は、同一部分を示している。
【0266】引張りばね用ポスト付きのテーパコマ1W
は、図28において説明したテーパコマと同様に、テー
パ部101と、つば部102とを有している。さらに、
本実施形態においては、テーパコマ1Wのつば部102
側の端面には、引張りばね用ポスト117が形成されて
いる。引張りばね用ポスト117の中心軸は、テーパ部
101の軸と一致している。従って、引張りばね用ポス
ト117は、テーパ部101の軸方向に延在している延
在部である。引張りばね用ポスト117の先端の近傍に
は、引張りばねの端部を係合するための溝118が形成
されている。
【0267】母材4Aには、図4において説明したよう
な孔3が、総形ドリルを用いて形成されている。引張り
ばね用ポスト付きテーパコマ1Wは、図5を用いて説明
したように、総形ドリルを用いて母材4Aに形成された
孔3の中に挿入された後、打込み用ハンマー等を用いて
打ち込まれる。なお、ここで用いる打込み用ハンマー
は、引張りばね用ポスト付きテーパコマ1Wのつば部1
02に対して打込み力が作用するようなピストン形状を
有するものを用いる。従って、引張りばね用ポスト11
7に対しては、打込み力は作用せず、引張りばね用ポス
ト117の変形を防止することができる。
【0268】引張りばね用ポスト付きテーパコマ1W
は、孔3に対する摩擦力によって、母材4Aに対して係
止されている。引張りばね用ポスト117の高さは、引
張りばね用ポスト付きテーパコマ1Wのつば部102に
よって規制されている。
【0269】溝118に引張りばねの端部を係合するこ
とにより、引張りばねの一端を固定することができる。
【0270】以上説明したように、本実施形態によるテ
ーパコマを用いることにより、作業性が向上するもので
ある。
【0271】さらに、テーパコマの着脱が容易であり、
テーパコマの交換を容易に行えるとともに、材質の異な
る被締結部材とテーパコマを分別して廃棄することがで
きる。
【0272】また、外したテーパコマは、再利用でき
る。
【0273】次に、図31を用いて、本発明の第18の
実施形態による引張りばね用ポスト付きのテーパコマに
ついて説明する。図31は、本発明の第18の実施形態
による引張りばね用ポスト付きのテーパコマの打込み状
態を示す部分縦断面図である。なお、図1と同一符号
は、同一部分を示している。
【0274】引張りばね用ポスト付きのテーパコマ1V
は、図23において説明したテーパコマと同様に、テー
パ部101と、つば部102とを有している。さらに、
テーパコマ1Vのテーパ部101の縮小側の端面には、
溝118の形成された引張りばね用ポスト117が形成
されている。
【0275】母材4Aには、図4において説明したよう
な孔3が、総形ドリルを用いて形成されている。引張り
ばね用ポスト付きテーパコマ1Vは、図5を用いて説明
したように、総形ドリルを用いて母材4Aに形成された
孔3の中に挿入された後、打込み用ハンマー等を用いて
打ち込まれる。ここで、孔3は、母材4Aの裏面側から
加工形成されるようにしている。従って、ポスト117
は、母材4Aの裏面側から打ち込まれることにより、ポ
スト117が、母材4Aの表面側から突出する構造とな
る。
【0276】引張りばね用ポスト付きテーパコマ1V
は、孔3に対する摩擦力によって、母材4Aに対して係
止されている。溝118に引張りばねの端部を係合する
ことにより、引張りばねの一端を固定することができ
る。テーパコマ1Vに対して、引張りばねから作用する
力は、テーパコマ1Vと母材4Aが締まる方向であるた
め、テーパコマ1Vは、容易に外れないものとなる。
【0277】以上説明したように、本実施形態によるテ
ーパコマを用いることにより、作業性が向上するもので
ある。
【0278】また、テーパコマと母材の結合強度が大き
くなり、外れにくくなる。
【0279】さらに、テーパコマの着脱が容易であり、
テーパコマの交換を容易に行えるとともに、材質の異な
る被締結部材とテーパコマを分別して廃棄することがで
きる。
【0280】また、外したテーパコマは、再利用でき
る。
【0281】次に、図32を用いて、本発明の第19の
実施形態によるベアリング用ポスト付きのテーパコマに
ついて説明する。図32は、本発明の第19の実施形態
によるベアリング用ポスト付きのテーパコマの打込み状
態を示す部分縦断面図である。なお、図1と同一符号
は、同一部分を示している。
【0282】ベアリング用ポスト付きのテーパコマ1Y
は、図28において説明したテーパコマと同様に、テー
パ部101と、つば部102とを有している。さらに、
本実施形態においては、テーパコマ1Yのつば部102
側の端面には、ベアリング用ポスト119が形成されて
いる。ベアリング用ポスト119の中心軸は、テーパ部
101の軸と一致している。従って、ベアリング用ポス
ト119は、テーパ部101の軸方向に延在している延
在部である。
【0283】母材4Aには、図4において説明したよう
な孔3が、総形ドリルを用いて形成されている。ベアリ
ング用ポスト付きテーパコマ1Yは、図5を用いて説明
したように、総形ドリルを用いて母材4Aに形成された
孔3の中に挿入された後、打込み用ハンマー等を用いて
打ち込まれる。なお、ここで用いる打込み用ハンマー
は、ベアリング用ポスト付きテーパコマ1Yのつば部1
02に対して打込み力が作用するようなピストン形状を
有するものを用いる。従って、ベアリング用ポスト11
9に対しては、打込み力は作用せず、ベアリング用ポス
ト119の変形を防止することができる。
【0284】ベアリング用ポスト付きテーパコマ1Y
は、孔3に対する摩擦力によって、母材4Aに対して係
止されている。ベアリング用ポスト119の高さは、ベ
アリング用ポスト付きテーパコマ1Yのつば部102に
よって規制されている。
【0285】テーパコマ1Yを母材4Aに打ち込んだ
後、ポスト119の頂部からボールベアリング120が
挿入される。さらに、ボールベアリング120の上に、
カラー121を載せた上で、カラー121とポスト11
9の間に形成される溝部にスナップリング122を挿入
することにより、ボールベアリング120は、ポスト1
19に固定される。なお、ベアリング120は、ボール
ベアリングに限らず、ロールベアリングでもよい。
【0286】以上説明したように、本実施形態によるテ
ーパコマを用いることにより、作業性が向上するもので
ある。
【0287】さらに、テーパコマの着脱が容易であり、
テーパコマの交換を容易に行えるため、ベアリングの損
傷の激しい場所に適用するに好適であるとともに、材質
の異なる被締結部材とテーパコマを分別して廃棄するこ
とができる。
【0288】また、外したテーパコマは、再利用でき
る。
【0289】次に、図33を用いて、本発明の第20の
実施形態によるベアリング用ポスト付きのテーパコマに
ついて説明する。図33は、本発明の第20の実施形態
によるベアリング用ポスト付きのテーパコマの打込み状
態を示す部分縦断面図である。なお、図1と同一符号
は、同一部分を示している。
【0290】ベアリング用ポスト付きのテーパコマ1Z
は、図33において説明したテーパコマと同様に、テー
パ部101と、つば部102とを有している。さらに、
テーパコマ1Zのテーパ部101の縮小側の端面には、
ベアリング用ポスト119が形成されている。
【0291】母材4Aには、図4において説明したよう
な孔3が、総形ドリルを用いて形成されている。ベアリ
ング用ポスト付きテーパコマ1Zは、図5を用いて説明
したように、総形ドリルを用いて母材4Aに形成された
孔3の中に挿入された後、打込み用ハンマー等を用いて
打ち込まれる。ここで、孔3は、母材4Aの裏面側から
加工形成されるようにしている。従って、ポスト119
は、母材4Aの裏面側から打ち込まれることにより、ポ
スト119が、母材4Aの表面側から突出する構造とな
る。
【0292】テーパコマ1Zを母材4Aに打ち込んだ
後、ポスト119の頂部からボールベアリング120が
挿入される。さらに、ボールベアリング120の上に、
カラー121を載せた上で、カラー121とポスト11
9の間に形成される溝部にスナップリング122を挿入
することにより、ボールベアリング120は、ポスト1
19に固定される。なお、ベアリング120は、ボール
ベアリングに限らず、ロールベアリングでもよい。
【0293】ベアリング用ポスト付きテーパコマ1Z
は、孔3に対する摩擦力によって、母材4Aに対して係
止されている。テーパコマ1Zに対して、ベアリングか
ら作用する力は、テーパコマ1Zと母材4Aが締まる方
向であるため、テーパコマ1Zは、容易に外れないもの
となる。
【0294】以上説明したように、本実施形態によるテ
ーパコマを用いることにより、作業性が向上するもので
ある。
【0295】また、テーパコマと母材の結合強度が大き
くなり、外れにくくなる。
【0296】さらに、テーパコマの着脱が容易であり、
テーパコマの交換を容易に行えるため、ベアリングの損
傷の激しい場所に適用するに好適であるとともに、材質
の異なる被締結部材とテーパコマを分別して廃棄するこ
とができる。
【0297】また、外したテーパコマは、再利用でき
る。
【0298】次に、図34を用いて、本発明の第21の
実施形態によるスダッドボルト付きのテーパコマについ
て説明する。図34は、本発明の第21の実施形態によ
るスダッドボルト付きのテーパコマの打込み状態を示す
部分縦断面図である。なお、図1と同一符号は、同一部
分を示している。
【0299】スダッドボルト付きのテーパコマ1AA
は、図29において説明したテーパコマと同様に、テー
パ部101と、つば部102とを有している。さらに、
テーパコマ1AAのテーパ部101の縮小側の端面に
は、スダッドボルト123が形成されている。スダッド
ボルト123は、その端部の近傍に雄ねじ124が形成
されている。
【0300】母材4Aには、図4において説明したよう
な孔3が、総形ドリルを用いて形成されている。スダッ
ドボルト付きテーパコマ1AAは、図5を用いて説明し
たように、総形ドリルを用いて母材4Aに形成された孔
3の中に挿入された後、打込み用ハンマー等を用いて打
ち込まれる。ここで、孔3は、母材4Aの裏面側から加
工形成されるようにしている。従って、ポスト123
は、母材4Aの裏面側から打ち込まれることにより、ポ
スト123が、母材4Aの表面側から突出する構造とな
る。
【0301】スダッドボルト付きテーパコマ1AAは、
孔3に対する摩擦力によって、母材4Aに対して係止さ
れている。テーパコマ1AAに対して、雄ねじ124を
用いて固定された部材から作用する力は、テーパコマ1
AAと母材4Aが締まる方向であるため、テーパコマ1
AAは、容易に外れないものとなる。
【0302】なお、この例では、テーパコマ1AAは、
母材4Aの裏面側から打ち込まれる構成となっている
が、図28のテーパコマに対する図27のテーパコマの
ように、母材4Aの表側から打ち込むような構造として
もよいものである。
【0303】以上説明したように、本実施形態によるテ
ーパコマを用いることにより、作業性が向上するもので
ある。
【0304】また、テーパコマと母材の結合強度が大き
くなり、外れにくくなる。
【0305】さらに、テーパコマの着脱が容易であり、
テーパコマの交換を容易に行えるとともに、材質の異な
る被締結部材とテーパコマを分別して廃棄することがで
きる。
【0306】また、外したテーパコマは、再利用でき
る。
【0307】
【発明の効果】本発明によれば、軸方向に延在する部材
を有するテーパコマの母材への取付作業の作業性を向上
することができる。
【0308】また、雌ねじ付テーパコマを用いることに
より、ねじ締結構造を簡単にできる。
【0309】さらに、総形ドリルを用いることにより、
テーパコマの締まりばめ代の管理を容易にできる。
【0310】また、テーパコマの打込み用ハンマーを用
いることにより、母材の損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるテーパナットの概念
構成を示す縦断面図である。
【図2】本発明の一実施形態によるテーパナットの拡大
縦断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に用いる総形ドリルの側面
図である。
【図4】図3に示す総形ドリルによって形成される孔の
説明図である。
【図5】本発明の一実施形態によるテーパナットを用い
る2つの被締結部材のねじ締結構造の工程図である。
【図6】本発明の一実施形態によるテーパナットの打込
み用ハンマーの部分断面図である。
【図7】図6の部分平面図である。
【図8】本発明の一実施形態によるテーパナットの被締
結部材に対する自動打込みシステムの説明図である。
【図9】本発明の一実施形態に用いる第2の例の総形ド
リルによる穴加工の説明図である。
【図10】本発明の一実施形態によるテーパナットを用
いる2つの被締結部材のねじ締結構造の第2の例の工程
図である。
【図11】本発明の第2の実施形態によるテーパナット
の縦断面図である。
【図12】本発明の第2の実施形態によるテーパナット
による結合力の説明図である。
【図13】本発明の第3の実施形態によるテーパナット
の縦断面図である。な
【図14】本発明の第4の実施形態によるテーパナット
の縦断面図である。な
【図15】本発明の第5の実施形態によるテーパナット
の縦断面図である。な
【図16】本発明の第6の実施形態による基準ピンの部
分縦断面図である。
【図17】本発明の第6の実施形態による基準ピンの打
込み状態を示す部分縦断面図である。
【図18】本発明の第7の実施形態による位置決め穴付
きテーパコマの打込み状態を示す部分縦断面図である。
なお、図1と同一符号は、同一部分を示してい
【図19】本発明の第6の実施形態による位置決めピン
付きのテーパコマである基準ピンと、本発明の第7の実
施形態による位置決め穴付きテーパを用いた2つの母材
の位置合わせ方法の説明図である。
【図20】本発明の第7の実施形態による位置決め穴付
きテーパコマに形成されている位置決め穴の公差の変更
の説明図である。
【図21】本発明の第8の実施形態による基準ピンの他
の結合状態を示す部分縦断面図である。
【図22】本発明の第9の実施形態による基準ピンの打
込み状態を示す部分縦断面図である。なお、図1と同一
符号は、同一部分を示している。
【図23】本発明の第10の実施形態による基準ピンの
打込状態を示す部分縦断面図である。
【図24】本発明の第11の実施形態による基準ピンの
打込状態を示す部分縦断面図である。
【図25】本発明の第12の実施形態による基準ピンの
打込状態を示す部分縦断面図である。
【図26】本発明の第13の実施形態による基準ピンの
打込状態を示す部分縦断面図である。
【図27】本発明の第14の実施形態によるガイドバー
付きテーパコマの打込み状態を示す部分縦断面図であ
る。
【図28】本発明の第15の実施形態による引張りばね
用ポスト付きのテーパコマの打込み状態を示す部分縦断
面図である。
【図29】本発明の第16の実施形態による引張りばね
用ポスト付きのテーパコマの打込み状態を示す部分縦断
面図である。
【図30】本発明の第17の実施形態による引張りばね
用ポスト付きのテーパコマの打込み状態を示す部分縦断
面図である。
【図31】本発明の第18の実施形態による引張りばね
用ポスト付きのテーパコマの打込み状態を示す部分縦断
面図である。
【図32】本発明の第19の実施形態によるベアリング
用ポスト付きのテーパコマの打込み状態を示す部分縦断
面図である。
【図33】本発明の第20の実施形態によるベアリング
用ポスト付きのテーパコマの打込み状態を示す部分縦断
面図である。
【図34】本発明の第21の実施形態によるスダッドボ
ルト付きのテーパコマの打込み状態を示す部分縦断面図
である。
【符号の説明】
1,1H,1J,1K,1L…テーパナット 1M,1P,1Q,1R,1S,1T…位置決めピン付
きテーパコマ 1N…位置決め穴付きテーパコマ 1U,1V,1W,1X…引張りばね用ポスト付きテー
パコマ 1Y,1Z…ベアリング用ポスト付きテーパコマ 1AA…スダッドボルト付きテーパコマ 1BB…ガイドバー付きテーパコマ 101…テーパ部 102…つば部 103…つば部の下面 104…雌ねじ 109,111,113,114…位置決めピン 110,112…位置決め穴 115,117…引張りばね用ポスト 119…ベアリング用ポスト 123…スダッドボルト 125…ガイドバー 2…総形ドリル 201…テーパ部加工刃 202…段部加工刃 203…雄ねじガイド孔加工刃 204…孔端部バリ取り刃 3…孔 301…孔テーパ部 302…孔段部 303…雄ねじガイド孔 304…孔終端面取り部 4…被締結部材 4A,4B…母材 7…打込み用ハンマー 702…ピストン 717…圧縮ばね 9…姿勢判定センサ 14…真空吸着ヘッド 16…ピストン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今井 邦典 神奈川県秦野市堀山下1番地 株式会社日 立製作所汎用コンピュータ事業部内 (72)発明者 宮本 光男 神奈川県秦野市堀山下1番地 株式会社日 立製作所汎用コンピュータ事業部内 (72)発明者 三川 光弥 神奈川県秦野市堀山下1番地 株式会社日 立製作所汎用コンピュータ事業部内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2つの部材がねじにより締結される締結構
    造において、 拡大開口する孔テーパ部を備える第1の孔が形成された
    第1の部材と、 前記孔テーパ部と接触するテーパ部と、前記テーパ部の
    拡大側終端に連結した端部に前記テーパ部に対して突出
    して形成され、前記孔テーパ部周囲において前記第1の
    部材と当接する突部と、前記テーパ部の内部に前記テー
    パ部の中心軸方向に形成された雌ねじとを備え、前記孔
    テーパ部の拡大側から前記第1の孔に挿入されて嵌着さ
    れるテーパコマと、 第2の貫通孔が形成された第2の部材と、 前記第2の孔を通して前記第1の孔に挿入される雄ねじ
    を有し、 前記孔テーパ部のテーパの値が前記テーパ部のテーパの
    値と同じであって、前記孔テーパ部の拡大側端部の直径
    が前記テーパ部の拡大側終端の直径よりも小さく、前記
    第1の孔に前記テーパコマが挿入されたときの締まりば
    め代の値が前記テーパ部の拡大側終端の直径の値の2〜
    20%となるべく前記第1の孔が形成されており、 前記テーパコマが前記第1の孔に嵌着された状態におい
    て、前記テーパ部の前記孔テーパ部とが接触して前記テ
    ーパコマが前記第1の孔に対して摩擦力で保持され、 前記第2の部材を貫通した前記雄ねじのねじ部が前記雌
    ねじ内部に挿入され、前記雌ねじに締め付けられて、前
    記第1の部材と前記第2の部材が締結されてなることを
    特徴とする締結構造。
  2. 【請求項2】2つの部材がねじにより締結される締結構
    造において、 中心軸方向の断面形状が円錐台形状をなす孔テーパ部
    と、前記孔テーパ部の拡大側終端に連結する孔段部とを
    備える第1の貫通孔が形成された第1の部材と、 円錐台形状をなし、前記孔テーパ部の内面と接触するテ
    ーパ部と、該テーパ部の拡大側に連結した端部に前記テ
    ーパ部に対して突出して形成され、前記孔段部に当接す
    る突部と、前記テーパ部の内部に前記テーパ部の中心軸
    方向に形成された雌ねじとを備え、前記孔テーパ部の拡
    大側から前記第1の貫通孔に挿入されて嵌着されるテー
    パコマと、 第2の貫通孔が形成された第2の部材と、 前記第2の貫通孔を通して前記第1の貫通孔に挿入され
    る雄ねじを有し、 前記孔テーパ部のテーパの値が前記テーパ部のテーパの
    値と同じであって、前記孔テーパ部の拡大側端部の直径
    が前記テーパ部の拡大側終端の直径よりも小さく、前記
    第1の貫通孔に前記テーパコマが挿入されたときの締ま
    りばめ代の値が前記テーパ部の拡大側終端の直径の値の
    2〜20%となるべく前記第1の貫通孔が形成されてお
    り、 前記テーパコマが前記第1の孔に嵌着された状態におい
    て、前記テーパ部の側面と前記孔テーパ部の内面とが接
    触して前記テーパコマが前記第1の孔に対して摩擦力で
    保持され、 前記第2の部材を貫通した前記雄ねじのねじ部が前記雌
    ねじ内部に挿入され、前記雌ねじに締め付けられて、前
    記第1の部材と前記第2の部材が締結されてなることを
    特徴とする締結構造。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の締結構造において、 前記雌ねじは少なくとも前記テーパ部の縮小側端面にお
    いて開口した雌ねじであって、 前記第2の部材は、前記第1の部材の前記孔テーパ部の
    縮小側と一致する側に配置され、 前記雄ねじは、前記第2の孔を通して前記孔テーパ部の
    縮小側から前記第1の孔に挿入され、且つ、前記雄ねじ
    のねじ部は、前記テーパ部の縮小側から前記雌ねじ内に
    挿入されて締め付けられることを特徴とする締結構造。
  4. 【請求項4】請求項1又は2記載の締結構造において、 前記雌ねじは少なくとも前記テーパ部の拡大側端面にお
    いて開口した雌ねじであって、 前記第2の部材は、前記第1の部材の前記孔テーパ部の
    拡大側と一致する側に配置され、 前記雄ねじは、前記第2の孔を通して前記孔テーパ部の
    拡大側から前記第1の孔に挿入され、且つ、前記雄ねじ
    のねじ部は、前記テーパ部の拡大側から前記雌ねじ内に
    挿入されて締め付けられることを特徴とする締結構造。
  5. 【請求項5】請求項1又は2記載の締結構造において、 前記第1の孔の孔テーパ部と、前記テーパコマのテーパ
    部のテーパの値が1/50〜1/6であることを特徴と
    する締結構造。
  6. 【請求項6】請求項1又は2記載の締結構造において、 前記テーパコマは、前記第1の部材より硬い材質を用い
    て作成されていることを特徴とする締結構造。
  7. 【請求項7】請求項6記載の締結構造において、 前記第1の部材は金属であることを特徴とする締結構
    造。
  8. 【請求項8】請求項6記載の締結構造において、 前記第1の部材は樹脂であることを特徴とする締結構
    造。
  9. 【請求項9】請求項1又は2記載の締結構造において、 前記テーパコマの前記突部は前記テーパ部の軸方向に直
    交する平面を有し、 当該平面が前記第1の部材と当接することを特徴とする
    締結構造。
  10. 【請求項10】請求項2記載の締結構造において、 前記突部の厚さの最高値は前記孔段部の高さの最高値よ
    りも小さいことを特徴とする締結構造。
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