JP2021133446A - 治具 - Google Patents
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Abstract
【課題】締結具の回転軸方向への集中的な荷重を低減すること。【解決手段】先端が締結具に当接可能な回転軸部と、前記回転軸部を軸方向に沿って移動可能に支持する台座部と、を備える治具である。前記回転軸部は、所定形状の先端部と、外周面の少なくとも一部に設けられたネジ山と、を有する。前記台座部は、前記ネジ山に適合する雌ネジ部を有する。【選択図】図1
Description
本発明は、治具に関する。
ネジやボルトの取り付けや取り外し、締め付けに係り、ネジやボルトの形状に応じた様々な治具や手工具が知られている。例えば、特許文献1では、天井インサートへのつりボルトの取り付けを容易にする電動工具用の治具が開示されている。
ネジ締結において重要なことの一つに、ネジ穴に過度な負荷を与えて変形や損傷させないことがある。ネジ穴を変形や損傷する主な原因の1つに、ネジ穴に過剰な力がかかることが挙げられる。ネジ山の数が少ないネジを使用する場合(例えば、短いネジを使う場合や、比較的薄い部材を締結する場合など)や、締め付ける対象となる材料の強度が低い場合(例えば、脆性材料や薄い合成樹脂材を締結する場合など)には、ネジの軸方向への押し付け力が過剰になり、ネジ穴を変形や損傷する事象が起こり易い。
しかし、ネジ穴への過剰な力を抑制するための治具は知られていない。
この問題は、ネジを締め付ける場合に限らず、ネジを緩める場合、更にはタップによる雌ネジの作成時も同様である。
本発明の目的の一例は、締結具の回転軸方向への集中的な荷重を低減すること、である。
本発明の態様は、先端が締結具に当接可能な回転軸部と、前記回転軸部を軸方向に沿って移動可能に支持する台座部と、を備える治具である。
この態様によれば、回転軸部の軸方向の荷重の一部を、台座部へと逃がすことができる。従って、ネジを締め付ける場合やタップによる雌ネジを作成する場合など、締結具に生じる回転軸方向の荷重を分散し、集中的な荷重が生じないようにすることができる。
以下、本発明の好適な実施形態の例を説明するが、本発明を適用可能な形態は以下の実施形態に限定されない。
図1は、本実施形態の要点について説明するための図である。
治具30は、第1締結対象物10と第2締結対象物20とを締結具であるネジ9で締結するための補助的な工具である。
治具30は、第1締結対象物10と第2締結対象物20とを締結具であるネジ9で締結するための補助的な工具である。
ネジ9は、例えば、ネジピッチがM0.5〜M4程度、呼び長さが1〜6mm程度の小型で短いネジとする。ネジ9は、商品分類上、ミニチュアネジ、マイクロネジ、精密ネジ、小ネジなどに分類されるネジである。ネジ9の工具穴形状は、十文字型として例示しているが他の形状(例えば、六角、六角星型、など)でもよい。ネジ9の頭部形状は、図1に示すようなスリム型に限らず適宜設定可能である。頭部の無いイモネジや、六角レンチに対応する頭部を有するボルトであってもよい。
第1締結対象物10と第2締結対象物20とは、何れも薄い板状である。
第1締結対象物10は金属製又は合成樹脂製であり、厚さはネジ9の呼び長さと同程度である。第1締結対象物10は、ネジ9を螺合するための小径で浅いネジ穴部11を有する。第2締結対象物20は合成樹脂製であり、厚さはネジ9の頭部高さと同じ又は若干大きく設定されている。第2締結対象物20は、ネジ9の頭部を納める座刳り部22を有する。ネジ9に強く荷重をかけて締め付け作業をすると、ネジ穴部11のネジ山にネジ9の回転軸方向の荷重が集中的に作用してネジ穴部11に変形や損傷が生じかねない。第2締結対象物20では、座刳り部22の中心付近の薄肉部分に割れが生じかねない。
第1締結対象物10は金属製又は合成樹脂製であり、厚さはネジ9の呼び長さと同程度である。第1締結対象物10は、ネジ9を螺合するための小径で浅いネジ穴部11を有する。第2締結対象物20は合成樹脂製であり、厚さはネジ9の頭部高さと同じ又は若干大きく設定されている。第2締結対象物20は、ネジ9の頭部を納める座刳り部22を有する。ネジ9に強く荷重をかけて締め付け作業をすると、ネジ穴部11のネジ山にネジ9の回転軸方向の荷重が集中的に作用してネジ穴部11に変形や損傷が生じかねない。第2締結対象物20では、座刳り部22の中心付近の薄肉部分に割れが生じかねない。
第1締結対象物10および第2締結対象物20を、IC(Integrated Circuit)検査用ソケットのピンブロックおよびピンプレートとするならば、第1締結対象物10が樹脂製のピンブロック、第2締結対象物20が樹脂製のピンプレート、となる。治具30は、樹脂製のピンブロック(第1締結対象物10)と樹脂製のピンプレート(第2締結対象物20)とを組み付けるために使用される。
治具30は、回転軸部40と、対象物(図1の例では、第2締結対象物20)に当接し、回転軸部40を軸方向に沿って移動可能に(図1の例では、上下方向に螺旋運動しながら進退可能に)支持する台座部50と、を備える。
回転軸部40は、ネジ9の頭部に係合してトルクをネジ9に伝達する回転体である。回転軸部40は、所定形状の先端部42と、外周面に設けられたネジ山44と、を有する。ネジ山44のネジ規格は、本実施形態では、ネジ9のネジ規格と同じであり、ネジ山44のピッチは、ネジ9のピッチと同じとする。本実施形態では、ネジ山44のネジ長さはネジ9より大きく設定されていることとする。ネジ山44のピッチとネジ9のピッチとは同じとしなくてもよい。
先端部42は、ネジ9の頭頂部に設けられた工具穴に係合する形状を有する。いわゆる「プラスドライバー」の先端形状を有する例を図1に示したが、ネジ9の工具穴に対応した形状であれば、他の形状でもよい。
台座部50は、ネジ山44に適合する雌ネジ部51が設けられた座部53と、座部53を雌ネジ部51から離れた位置で支える脚部55と、を有する。
従来、ネジ9を手工具で直接締め付けようとすると、工具先端がネジ頭から外れるのを防ぐために、工具先端をネジ9の工具穴に押しつけ、押しつけ力でネジ9を押し込むようにしながら作業する。そのため、従来の方法でネジ9を締め付けると、第1締結対象物10のネジ穴部11のネジ山をネジ軸方向に剪断しようとする荷重が集中的に作用して、ネジ穴部11の変形や損傷を招く可能性がある。ネジ9に対して、ネジ9の回転軸方向への集中的な荷重が作用する。
これに対して、本実施形態では、治具30を介在させてネジ9を締め付けるため、ネジ穴部11のネジ山を変形させたり損傷させる可能性が極めて低くなる。ユーザは、ネジ9を第1締結対象物10のネジ穴部11に軽く差し込んでネジを噛ませた後、回転軸部40を回転させると、やがて先端部42がネジ9の工具穴に嵌まる。ネジ9(及びネジ穴部11)のピッチと、回転軸部40のネジ山44(及び座部53の雌ネジ部51)のピッチとが同じなので、回転軸部40とネジ9は一体的に係合したまま締め付け方向へ進む(図1の例では下がる)。つまり、ネジ9が締まる。
回転軸部40に作用する回転軸方向の荷重は、雌ネジ部51→座部53→脚部55→第2締結対象物20の上面(図1の例では上側の面)、へと逃げてネジ9へは伝達され難くなる。第1締結対象物10のネジ穴部11のネジ山に集中的な荷重がかかることはないので、治具30は、ネジ穴部11のネジ山の変形や損傷を防ぐことができる。ネジ9に対するネジ9の回転軸方向への集中的な荷重を低減することができる。
〔第1実施形態〕
図2は、第1実施形態である治具30Aの構成例を示す斜視外観図である。
治具30Aは、回転軸部40と、台座部50とを有する。台座部50は、座部53と、脚部55と、案内プレート57とを有する。
図2は、第1実施形態である治具30Aの構成例を示す斜視外観図である。
治具30Aは、回転軸部40と、台座部50とを有する。台座部50は、座部53と、脚部55と、案内プレート57とを有する。
回転軸部40は、上端部がプラスネジと同様に十字穴を有しており、プラスドライバーで回動可能である。
案内プレート57は、脚部55の対象物側(図2の例では下側)に設けられており、ネジ9の締め付け方向にネジ9を案内する案内孔部58と、案内孔部58の直径方向を通るスリット部59と、を有する。案内孔部58の内径は、ネジ9の外径よりも僅かに大きい。
図3は、第1実施形態である治具30Aの使用例を示す図である。
ユーザは、治具30Aを使用する際、先ず、第1締結対象物10及び第2締結対象物20に対する治具30Aの位置合わせをする。具体的には、治具30Aの案内孔部58の中心を第1締結対象物10のネジ穴部11(図2参照)の中心に合わせるようにして位置合わせをする。ユーザは、スリット部59からネジ穴部11を視認することができるので、位置合わせがし易い。位置合わせ後、ユーザが、先端を下にした姿勢のネジ9を案内孔部58へ挿入すると、ネジ9の先端がネジ穴部11の中に案内される。ユーザは、スリット部59から、ネジ9の先端がネジ穴部11に案内されることを視認でき、案内孔部58の内径は、ネジ9の外形より僅かに大きいので、ネジ9がネジ穴部11の軸に対して傾いたまま締められて、ネジ穴部11が変形や損傷することを防ぐことができる。
ユーザは、治具30Aを使用する際、先ず、第1締結対象物10及び第2締結対象物20に対する治具30Aの位置合わせをする。具体的には、治具30Aの案内孔部58の中心を第1締結対象物10のネジ穴部11(図2参照)の中心に合わせるようにして位置合わせをする。ユーザは、スリット部59からネジ穴部11を視認することができるので、位置合わせがし易い。位置合わせ後、ユーザが、先端を下にした姿勢のネジ9を案内孔部58へ挿入すると、ネジ9の先端がネジ穴部11の中に案内される。ユーザは、スリット部59から、ネジ9の先端がネジ穴部11に案内されることを視認でき、案内孔部58の内径は、ネジ9の外形より僅かに大きいので、ネジ9がネジ穴部11の軸に対して傾いたまま締められて、ネジ穴部11が変形や損傷することを防ぐことができる。
ユーザは、プラスドライバーで回転軸部40を回動させてネジ9を締め付ける。本実施形態の治具30Aを用いることで、上述した要点で説明した作用効果を得ることができる。
なお、治具30Aは、ネジ9を緩めるときに使用してもよく、ネジを緩める際にネジ9にかける荷重でネジ穴部11が変形や損傷することを防ぐことができる。
〔第2実施形態〕
図4は、第2実施形態である治具30Bの構成例を示す斜視分解外観図である。治具30Bは、基本的には治具30Aと同様の構成を有するが、脚部55が案内プレート57Bの所定位置に着脱可能である点が異なる。
図4は、第2実施形態である治具30Bの構成例を示す斜視分解外観図である。治具30Bは、基本的には治具30Aと同様の構成を有するが、脚部55が案内プレート57Bの所定位置に着脱可能である点が異なる。
案内プレート57Bの上面(脚部55との当接面)には、脚部55それぞれに対応する係合凸部59tが上向きに突設されている。これに対応して、各脚部55の下面(案内プレート57Bとの当接面)には、係合凸部59tが嵌まる係合凹部59hが凹設されている。
治具30Bを使用する場合、ユーザは、先ず案内プレート57Bの位置決めをする。具体的には、案内孔部58の中心と、第1締結対象物10のネジ穴部11の中心とを合わせるように位置決めする。そして、ネジ9を、ネジ先端を下にして案内孔部58へ挿入して、ネジ9の先端がネジ穴部11に入るように案内させる。
次いで、ユーザは、係合凸部59tと係合凹部59hとを嵌合させるようにして案内プレート57Bに脚部55を連結させる。係合凸部59tに係合凹部59hを嵌めるように連結させるという簡単な連結作業で正確に連結できる。座部53と脚部55とは一体なので、これで治具30Bが組み立てられたことになる。
次いで、ユーザは、プラスドライバーで回転軸部40を回動させてネジ9を締め付ける。治具30Bを用いることで、第1実施形態の治具30Aと同様の効果が得られる。加えて、案内プレート57Bと脚部55とを分離した構成としたことで、案内プレート57Bの位置決めやネジ9をネジ穴部11へ挿入する作業が容易になる。
〔第3実施形態〕
図5は、第3実施形態である治具30Cの構成例を示す斜視外観図である。治具30Cは、基本的には治具30Bと同様の構成を有するが、座部53が、雌ネジ部51の周辺に窓部52を有する点が治具30Bと異なる。
図5は、第3実施形態である治具30Cの構成例を示す斜視外観図である。治具30Cは、基本的には治具30Bと同様の構成を有するが、座部53が、雌ネジ部51の周辺に窓部52を有する点が治具30Bと異なる。
治具30Cは、治具30Bと同様の作用効果を有し、更に窓部52(座部53を上下に貫通する貫通孔)があることで、ユーザは、座部53の上から下方の様子を見ることができる。そのため、ユーザは、ネジ9の工具穴に回転軸部40の先端部42が正しく噛み合っているかの確認をし易くなる。
窓部52は、図6に示す治具30Dのように、座部53の切り欠き部52kで実現することもできる。具体的には、雌ネジ部51を囲む4箇所に、座部53が脚部55に連結する箇所を残して、座部55を外方から切り欠いたような形状とすることで切り欠き部52kを設ける。治具30Dは、治具30Cと同様の作用効果を有する。
〔第4実施形態〕
図7は、第4実施形態である治具30Eの構成例を示す斜視外観図である。治具30Eは、基本的には治具30Bと同様の構成を有するが、脚部55の数が異なる。具体的には、治具30Dの座部53は、上面形状が六角形を成しており、脚部55は座部53の六つの辺のうち1つおきの辺から下方にそれぞれ設けられている。
図7は、第4実施形態である治具30Eの構成例を示す斜視外観図である。治具30Eは、基本的には治具30Bと同様の構成を有するが、脚部55の数が異なる。具体的には、治具30Dの座部53は、上面形状が六角形を成しており、脚部55は座部53の六つの辺のうち1つおきの辺から下方にそれぞれ設けられている。
つまり、第1〜第3実施形態では脚部55は2つであったが、治具30Eのように3つとしてもよい。勿論、脚部55の数が増えたことで、回転軸部40に作用する回転軸方向の荷重は、ネジ9へより伝達され難くなる。第1締結対象物10のネジ穴部11のネジ山に集中的な荷重がかかり難くなるので、第1〜第3実施形態に比べて、治具30Eは、ネジ穴部11のネジ山の変形や損傷を防ぐことができる。
治具30Eによれば、治具30Bと同様の作用効果が得られる。また、第1〜第3実施形態よりも脚部55間の隙間の数が増えたことで、ユーザはネジ9の様子や回転軸部40の先端部42の様子を視認し易くなる。
〔第5実施形態〕
図8は、第5実施形態である治具30Fの構成例を示す側面図である。
治具30Fは、ネジ立て対象物18の下穴19にネジ立てをする(雌ネジを形成する)ための手工具であって、回転軸部40と台座部50とを備え、回転軸部40の先端部42が雌ネジ形成用のタップ部になっている。
図8は、第5実施形態である治具30Fの構成例を示す側面図である。
治具30Fは、ネジ立て対象物18の下穴19にネジ立てをする(雌ネジを形成する)ための手工具であって、回転軸部40と台座部50とを備え、回転軸部40の先端部42が雌ネジ形成用のタップ部になっている。
治具30Fによれば、第1〜第4実施形態と同様に、回転軸部40の回転軸方向の荷重を分散し、集中的な荷重が生じないようにすることができる。これにより、ネジ立て作業で形成される新しいネジ山に過剰な荷重が作用するのを防ぎ、新しいネジ山の変形や損傷を防ぐことができる。
〔第6実施形態〕
図9は、第6実施形態である治具30Gの構成例を示す側面外観図である。
治具30Gは、基本的には治具30Aと同様の構成を有するが、治具30Gの台座部50Gは、第1実施形態の脚部55を備えていない。台座部50Gは、治具30Gとは別に用意された支持部60に、連結部54(例えば、支持部60の支柱部60bに嵌着する孔部など)で着脱可能に構成されている。支持部60は、底盤60aと、底盤60aに立設された支柱部60bとを有する。
図9は、第6実施形態である治具30Gの構成例を示す側面外観図である。
治具30Gは、基本的には治具30Aと同様の構成を有するが、治具30Gの台座部50Gは、第1実施形態の脚部55を備えていない。台座部50Gは、治具30Gとは別に用意された支持部60に、連結部54(例えば、支持部60の支柱部60bに嵌着する孔部など)で着脱可能に構成されている。支持部60は、底盤60aと、底盤60aに立設された支柱部60bとを有する。
使用に際しては、支持部60が先行して設置され、治具30Gが支持部60の底盤60a上の所定位置に配置される。支持部60が第1実施形態の脚部55に相当する役割を担う。治具30Gによれば、他の実施形態と同様に、回転軸部40の回転軸方向の荷重を分散し、集中的な荷重が生じないようにすることができる。治具30Gが支持部60を有していてもよい。支柱部60bが天井から吊り下げられていてもよい。
以上、幾つかの実施形態について説明したが、本発明を適用可能な形態は上記形態に限定されるものではなく適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
例えば、第2〜第5実施形態における案内プレート57Bを、第1実施形態の案内プレート57と同様に固定式としてもよい。第3実施形態の場合、固定式であっても、窓部52(切り欠き部52kを含む)があることで、ユーザは、ネジ9の工具穴に回転軸部40の先端部42が正しく噛み合っているかの確認をし易くなる。
また、第1〜第5実施形態における案内プレート57,57Bを省略する構成も可能である。
また、第4実施形態及び第5実施形態に、窓部52や切り欠き部52kを設けることとしてもよい。窓部52や切り欠き部52kを有する治具30Cや治具30Dと同様の効果が得られる。
また、ネジ9が磁石に吸着される磁性体材料であるならば、回転軸部40を着磁させることとしてもよい。回転軸部40の先端部にネジ9が磁力で付着可能となり、ネジ9がネジ穴部11の軸に対して傾いたまま締められて、ネジ穴部11が変形や損傷するのを妨げることができる。
また、上記実施形態では、締結具としてネジ9を例示したが、締結具はナットなど他の形態であってもよい。
上述した実施形態およびその変形例を含め、本明細書の開示は、次のように概括することができる。
本開示の態様は、先端が締結具に当接する回転軸部と、前記回転軸部を軸方向に沿って移動可能に支持する台座部と、を備える治具である。
この態様によれば、回転軸部の軸方向の荷重の一部を、台座部へと逃がすことができる。従って、ネジを締め付ける場合やタップによる雌ネジを作成する場合など、締結具に生じる回転軸方向の荷重を分散し、集中的な荷重が生じないようにすることができる。
前記回転軸部は、所定形状の先端部と、外周面の少なくとも一部に設けられたネジ山と、を有し、前記台座部は、前記ネジ山に適合する雌ネジ部を有する、としてもよい。
この場合、回転軸部の軸方向への移動は、回転軸部を回すことによって回転軸部のネジ山が座部の雌ネジ部に螺合して旋回することで行われる。
前記先端部は、前記締結具の頭頂部に設けられた工具穴に係合する形状としてもよい。
例えば、前記先端部を、回転軸部のプラスドライバーの先端形状にした本態様の治具を、プラスネジの締め付けに用いれば、従来のようにプラスドライバーで直接ネジを締めるよりも、ネジ山への軸方向への荷重を大幅に低減して、ネジ山の変形や損傷を抑制できる。
前記ネジ山のピッチは、前記締結具のネジのピッチと同じでもよい。
回転軸部の先端とネジの工具穴との係り具合が、ネジ締め作業を通じて安定して維持できるので、ネジが締め易くなる。
前記台座部は、前記締結具の締め付け方向に前記締結具を案内する案内孔部を有する案内プレートを有してもよい。
これによれば、治具で締め付けようとしている締結具が、その挿入穴へ適切な姿勢で挿入される。ユーザは、案内孔部から、締結具の先端が挿入穴に入っていることを視認できる。締結具が、挿入穴部の軸に対して傾いたまま締められて挿入穴が変形や損傷することを防げる。
前記台座部は、脚部を有し、前記脚部は、前記案内プレートの所定位置に着脱可能に取り付けられてもよい。
案内プレートを脚部から分離した状態で対象物との位置合わせに利用し、締結具を挿入した後、脚部を案内プレートに取り付けて使用することができる。つまり、ネジをネジ穴に挿入し易くなり作業性を向上できる。
樹脂製の対象物が前記締結具の締結対象であってもよい。
金属に比べて柔らかい樹脂であっても、締結具を挿入する挿入穴の変形や損傷を防ぐことができる。
9…ネジ
10…第1締結対象物
11…ネジ穴部
18…ねじ立て対象物
30、30A、30B、30C、30D、30E、30F、30G…治具
40…回転軸部
42…先端部
44…ネジ山
50…台座部
51…雌ネジ部
52…窓部
53…座部
55…脚部
57、57B…案内プレート
58…案内孔部
10…第1締結対象物
11…ネジ穴部
18…ねじ立て対象物
30、30A、30B、30C、30D、30E、30F、30G…治具
40…回転軸部
42…先端部
44…ネジ山
50…台座部
51…雌ネジ部
52…窓部
53…座部
55…脚部
57、57B…案内プレート
58…案内孔部
Claims (7)
- 先端が締結具に当接可能な回転軸部と、
前記回転軸部を軸方向に沿って移動可能に支持する台座部と、
を備える治具。 - 前記回転軸部は、所定形状の先端部と、外周面の少なくとも一部に設けられたネジ山と、を有し、
前記台座部は、前記ネジ山に適合する雌ネジ部を有する、
請求項1に記載の治具。 - 前記先端部は、前記締結具の頭頂部に設けられた工具穴に係合する形状である、
請求項2に記載の治具。 - 前記ネジ山のピッチは、前記締結具のネジのピッチと同じである、
請求項2又は3に記載の治具。 - 前記台座部は、前記締結具の締め付け方向に前記締結具を案内する案内孔部を有する案内プレートを有する、
請求項2〜4の何れか一項に記載の治具。 - 前記台座部は、脚部を有し、
前記脚部は、前記案内プレートの所定位置に着脱可能に取り付けられる、
請求項5に記載の治具。 - 樹脂製の対象物が前記締結具の締結対象である、
請求項1〜6の何れか一項に記載の治具。
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JP2020030038A Pending JP2021133446A (ja) | 2020-02-26 | 2020-02-26 | 治具 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2021133446A (ja) |
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2020
- 2020-02-26 JP JP2020030038A patent/JP2021133446A/ja active Pending
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Legal Events
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