JP2002121523A - 粘着剤組成物及び感圧性粘着シート - Google Patents

粘着剤組成物及び感圧性粘着シート

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JP2002121523A JP2000314963A JP2000314963A JP2002121523A JP 2002121523 A JP2002121523 A JP 2002121523A JP 2000314963 A JP2000314963 A JP 2000314963A JP 2000314963 A JP2000314963 A JP 2000314963A JP 2002121523 A JP2002121523 A JP 2002121523A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カラー陰極線管等の表示装置前面に貼付して
波長570〜590nmの光を吸収し、赤、青、緑のコ
ントラストの鮮やかな画像を得る粘着シートを提供す
る。 【解決手段】 (メタ)アクリル酸の希土類塩、アクリ
ル酸エステル及びα−モノオレフィンカルボン酸及び/
又はN−アルキルアクリルアミドを含む三成分以上のモ
ノマー混合物をラジカル共重合して得られるガラス転移
点が−20℃以下のエラストマー100重量に対して、
0. 01〜5重量部の硬化剤及び必要に応じて粘着性付
与樹脂を配合してなる粘着剤組成物であり、その0. 0
5〜0. 9mm厚層が450nm、550nm、620
nmの波長の可視光の透過率が40%以上で570〜5
90nm付近の最大吸収波長の可視光に対して選択吸収
を示す粘着剤層を有する感圧性粘着シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラー陰極線管や
プラズマディスプレイ等の表示装置前面に使用した時
に、青、緑、赤の三原色以外の波長を吸収してコントラ
ストを鮮やかにした画像を提供するとともに、反射防止
や導電膜を貼着する際にも有用な機能性粘着剤とその粘
着剤を使用してなるカラー陰極線管用粘着シートに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、カラー陰極線管のフラット化が進
み、最近、カラー陰極線管表面にスピンコーティング等
で施していた低反射膜や導電性膜などの機能性膜を、ポ
リエステルなどのフィルムによって形成するために該フ
ィルムを粘着剤や接着剤で陰極線管用表面に貼着する方
法が増加している。この方法の利点は、陰極線管製造メ
ーカーに塗布や乾燥のための高価な設備投資負担を強い
ることなく、簡単な作業でかつ高収率で陰極線管に前述
の機能を付与させることが出来る点にある。
【0003】一方、画像の質を向上させるために、陰極
線管に蛍光灯などの外光の写し込みを防ぐ低反射機能や
静電気により塵埃などが陰極線管に付着することを防ぐ
導電性機能を付与することに加えて、より鮮やかな画像
を提供する目的で450nmの青色光、550nmの緑
色光及び620nmの赤色光以外の波長光を吸収して画
像の輝度を低下させることなくコントラストを向上させ
る選択波長吸収機能を付与ことへの要望があった。
【0004】上述の選択波長吸収機能を付与する方法と
しては、ネオジム等の希土類金属酸化物を陰極線管用に
混入させる方法(特開平11−250834号公報)や
同酸化物を透明樹脂に混入させた成形板(特開平11−
231301号公報、特開平11−310717号公
報)を使用する方法、及び前述の有機塩の樹脂共重合物
をビーズ状にして透明プラスチックス板に分散させる方
法(特開平5−179147号公報)、更には、無機及
び有機染料又は顔料を混入させる方法(特開平10−1
11410号公報)等、種々の方法が提案されている。
【0005】しかしながら、金属酸化物を陰極線管に混
入させる方法は、数多いデザインの陰極線管毎に最適の
配合が必要で、型の段取り替え時に多くの工数を必要と
し、陰極線管のリサイクル時に混入した金属酸化物の除
去に特別の方法を必要とする不利があった。
【0006】また、成形時に金属酸化物を透明樹脂板に
混ぜたり、共重合させて成形板を得る方法は、いずれも
高いガラス転移点を持つ樹脂特性のため、それら樹脂板
はわずかな衝撃で簡単に割れてしまったり、成形時には
高度な技術と精度を必要とするセルキャスト法などを使
用する必要があった。
【0007】更に、セルキャスト法などで成形した機能
性樹脂板は、陰極線管用パネルに固定するために接着剤
を塗布した後、熱や紫外線で乾燥硬化するための長大装
置を必要とし、結果として完成品は高価なものとなって
しまう不利があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のよう
な不利を解決し、良好な特定の波長の可視光に対する選
択的な吸収機能を有する被膜を形成することができる粘
着剤組成物と、陰極線管用パネル前面に簡単な作業で良
好な特定波長光に対する選択的吸収機能を有する被膜を
形成することができる粘着シート、及び該粘着シートに
よって形成されている優れた特定波長光に対する選択吸
収機能を陰極線管表面に有する陰極線管を提供すること
を目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明は、以下の各発明を包含する。 (1) アクリル酸又はメタクリル酸の希土類金属塩0. 5
〜45重量部、アクリル酸エステル40〜96.5重量
部、及びα−モノオレフィンカルボン酸及び/又はN−
アルキルアクリルアミド3〜15重量部を含む三成分以
上のモノマー混合物をラジカル共重合して得られるガラ
ス転移点が−20℃以下であるエラストマー100重量
に対して、0. 01〜5重量部の硬化剤及び必要に応じ
て5〜60重量部の粘着性付与樹脂を配合してなる粘着
剤組成物であり、その0. 05〜0. 9mm厚層が45
0nm、550nm及び620nmの波長の可視光に対
して40%以上の透過率を示し、570〜590nm付
近の最大吸収波長の可視光に対して選択吸収を示すこと
を特徴とするカラー陰極線管等に使用する感圧粘着シー
ト用として有用な粘着剤組成物。
【0010】(2) 前記アクリル酸又はメタクリル酸の希
土類金属塩は、アクリル酸又はメタクリル酸のネオジム
塩、又はアクリル酸又はメタクリル酸のネオジム塩とア
クリル酸又はメタクリル酸のエルビウム塩及び/又はそ
のプラセオジム塩との混合塩から選ばれる少なくとも1
種の塩であることを特徴とする、(1) 項記載の感圧性粘
着剤組成物。 (3) 前記アクリル酸エステルは、アクリル酸と炭素数2
〜12の脂肪族1価アルコールとのエステル化物である
ことを特徴とする(1) 項又は(2) 項に記載の感圧性粘着
剤組成物。
【0011】(4) 前記エラストマーは、重量平均分子量
が90,000〜950,000の共重合体であること
を特徴とする、(1) 項〜(3) 項のいずれか1項に記載の
感圧性粘着剤組成物。 (5) 前記(1) 項〜(4) 項のいずれか1項に記載の感圧性
粘着剤組成物からなる粘着剤層を基材の片面又は両面に
有することを特徴とする、カラー陰極線管等に有用な感
圧性粘着シート。
【0012】(6) 前記(5) 項記載の粘着シートを陰極線
管の前面に貼着したことを特徴とする、陰極線管。
【0013】
【発明の実施の形態】一般にカラー陰極線管は、蛍光体
の三原色の発光スペクトル(図1)を呈するが、青(4
50nm)、緑(550nm)及び赤(620nm)の
各波長間、特に570〜590nm付近の波長光は、色
の鮮やかさを損なう不要な光であり、これらの光を選択
的に吸収除去することが可能であればコントラストと鮮
明度の向上を図ることができる。
【0014】一方、内部を高度に真空に保っているカラ
ー陰極線管は、外部からの衝撃で爆縮を起こす危険を避
けるために前面ガラスを十分に厚くする必要がある。こ
のため陰極線管表面を従来の球面からフラットにするに
は、強度を高めるためにガラスの肉厚を更に厚くする必
要があり、結果として重量が増加する不利がある。表面
がフラットであれば前述の機能性フィルムを陰極線管前
面に安定して貼着することが出来るが、従来の機能性フ
ィルムに導電性処理や防眩処理に加えて前述の特定波長
の可視光に対する選択的な吸収機能を付与するためには
該フィルム上に少なくとも3〜12層に及ぶ多層の処理
を施すことが必要であり、基材として一般的なポリエス
テルフィルムのようなプラスチックフィルムは、このよ
うな繰り返し行われる機械的、熱的に負荷がかかる処理
に耐えることができず、多層化により本来の三原色の波
長透過率そのものが低下することもあった。
【0015】本発明によれば、粘着剤分子内に特定波長
の可視光を選択的に吸収する機能を有する成分を共重合
して導入した感圧性粘着剤を有する粘着シートをカラー
陰極線管表面に貼着するという簡単な作業で、前述した
色の鮮やかさを損なう不要な光を選択的に吸収除去して
コントラストと鮮明度が向上したカラー陰極線管を製造
することが可能である。
【0016】本発明を図面で説明すると、図3は本発明
の粘着剤を塗布してなる片面粘着シートの構成図で、図
4は両面粘着シートの構成図である。図中の符号1は粘
着剤層、2はポリエステルフィルム等からなる基材、3
はシリコンなどの離型剤を塗布してなるセパレータであ
る。図5は、片面粘着シートを、図6は両面粘着シート
を陰極線管の前面6に貼着した図であり、図5の基材2
上や図6の粘着剤層1上には導電層、防眩層及びハード
コート層などからなる単層又は多層の機能性膜4、又
は、それらの機能を有する機能性フィルム5を貼着する
ことできる。
【0017】本発明の粘着剤組成物におけるエラストマ
ーにおいて、特定波長の可視光に対する選択的な吸収機
能を有するモノマー成分であるアクリル酸又はメタクリ
ル酸の希土類金属塩は、酸化ネオジム、酸化エルビウ
ム、酸化プラセオジム等の希土類酸化物とアクリル酸又
はメタクリル酸とを水存在下に還流加熱して得られる物
質であり、粘着剤エラストマー100重量部に0. 5〜
45重量部の配合比率で有効な特定波長の可視光に対す
る選択的な吸収性を備えている。エラストマー中の配合
率が0. 5重量部に満たないときには選択吸収性が不足
し、45重量部を越える場合は粘着剤の粘着特性と凝集
性が低下するとともに水溶解性が大きくなり実用に適さ
なくなる。
【0018】エラストマーを構成する第2の共重合モノ
マー成分であるアクリル酸エステルは、本発明の粘着剤
エラストマーの骨格となる成分で、通常、アクリル酸と
炭素数が2〜12のアルコールとのエステルで、例えば
エチルアクリレート、ブチルアクリレート、 イソプロピ
ルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートなど
があり、一般的には、目的に応じ2種又は3種又はそれ
以上のモノマーを混合して使用することにより、粘着剤
エラストマー100重量部に、40〜96.5重量部の
比率で配合する。
【0019】40重量部に満たないと、目的とする共重
合物のガラス転移点が−20℃以上となり、粘着剤とし
ての適当な粘弾性が発現しなかったり、共重合時の反応
制御が不能になったりすることがある。96. 5重量部
を越えると極端に凝集性が不足し、強固な粘着力や良好
な再剥離性が表れないため、粘着剤エラストマーとして
の特性を発揮させることができなくなる。
【0020】エラストマーを構成する第3の共重合モノ
マー成分であるα−モノオレフィンカルボン酸とN−ア
ルキルアクリルアマイドは反応成分で、単独又は任意の
比率の混合物として3〜15重量部の範囲で配合する。
3重量部未満では、後添加される硬化剤との反応が不足
して粘着シートとしての加熱時の凝集性が不足するし、
15重量部を越えると共重合体そのものの適度な粘度と
ならず、粘着剤の反応と粘着シートの塗布に支障をきた
す。
【0021】上記配合比率で混合した粘着剤用モノマー
混合物を、その混合物重量100部に対し80〜120
0重量部のトルエンや酢酸エチルなどの有機溶剤又は水
に溶解又は分散させ、0. 01〜0. 5重量部の過酸化
ベンゾイルやアゾビスイソブチルニトリル等のラジカル
重合開始剤を添加して共重合せしめて粘着剤エラストマ
ーを合成する。この共重合して得た粘着剤エラストマー
は、重量平均分子量が90, 000〜950, 000で
ガラス転移点が−20℃以下のやや紫系の透明で粘稠の
液体であり、後の塗布作業性に合せて有機溶剤や水で濃
度と粘度を調整する。
【0022】この粘着剤エラストマー100重量部に対
し、粘着剤としての基礎的性質を補完する各種添加剤、
例えば適度な凝集性と耐熱性を付与する、イソシアナー
ト系、エポキシ系、メラミン系、酸無水物系、過酸化物
系及び金属キレート系などの硬化剤を0. 01〜5重量
部の範囲で添加するとともに、被着体への粘着特性や粘
着剤そのものの耐久性の改善や、新たな機能を付加する
目的で、透明性を阻害しない5〜60重量部の範囲でロ
ジン、ロジンエステル、テルペン、石油樹脂などの粘着
性付与樹脂や老化防止剤などを添加して粘着剤組成物を
配合する。
【0023】上述の方法によって得た粘着剤は、塗布乾
燥硬化後の厚さが0. 05〜0. 9mmの範囲で、少な
くとも570〜590nm付近の最大ピークの波長透過
率は50%以下で、620(赤)、550(緑)、45
0(青)nmの波長の透過率は40%以上で、これら三
原色の波長吸収阻害を起こすことはなく、タック、対ガ
ラス粘着力及び80℃保持力などの粘着特性も実用上十
分な特性を有する。塗布厚さが0. 05mm未満では、
575nm付近の波長透過率は50%以上となり選択吸
収機能が不十分となり、0.9mmを越えると、選択吸
収機能は十分であるがコスト面での不利と粘着剤厚さに
起因する画像ムラなどを引き起こす。
【0024】この粘着剤組成物は、目的に応じてポリエ
ステル、アクリル、ポリカーボネートなどの透明プラス
チックフィルムや表面にシリコン樹脂などで離型処理を
施したセパレータ表面にバーコート、ロールコート、グ
ラビアなどの方法で塗布、熱や電磁波で溶剤や水を除去
した後硬化させ、そのまま、又はセパレータと共に巻き
取るか、枚葉状に切断して本発明の粘着シートを得る。
これら粘着シート基材としては、無処理フィルムは勿論
のこと、防眩処理や導電処理を単独又は層状に処理し、
その上にハードコート層を設けた前述の透明プラスチッ
クフィルムを用いることができる。更に、本粘着剤への
投錨力を付与する目的で、基材には物理的、化学的な下
塗りを施してもよい。
【0025】本発明の粘着シートに使用するセパレータ
は、特に限定するものではなく、グラシン紙、上質紙、
高分子フィルムなどの片面又は両面にシリコン樹脂など
の離型剤を直接又はラミネート状に塗布したものを用い
る。
【0026】本発明の粘着シートは、適度な柔軟性と凝
集性を有し、−20〜100℃の範囲で厚さが一定であ
るため安定した選択波長吸収機能を呈するとともに、粘
着剤固有の粘弾性を持つため衝撃吸収性にも優れる。
【0027】又、この粘着シートは陰極線管の前面に容
易に貼着することが可能で、粘着シートを貼着した陰極
線管は、粘着剤の選択波長吸収特性により鮮やかな画面
で、特に赤色が際立って視認できる画像を提供する効果
があるだけでなく、粘着剤の粘弾性特性により前面に加
わる衝撃に対し高い衝撃吸収効果も呈する結果、爆縮に
抗する防爆性能を保持するために厚さを大幅に低減する
ことが可能である。
【0028】本発明の粘着シートを貼着した陰極線管か
ら粘着シートを剥がす必要が生じた時にも、糊残りする
ことなく容易に剥がすことが可能であり、陰極線管のリ
サイクルにも有用である。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例で更に具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例になんら限定されるもので
はない。なお、各実施例及び各比較例中で用いられてい
る「部」は重量部を示すものである。
【0030】実施例1 アクリル酸ネオジム5部を、ブチルアクリレート37
部、2−エチルヘキシルアクリレート55部及びアクリ
ル酸3部と混合して900部の水中に投入し、アゾビス
イソブチルニトリルを0. 035部加えて65℃で3.
5時間、次いで80℃で1時間懸濁重合させた後、過剰
の水−アルコールで洗浄してガラス転移点が−35℃の
感圧性粘着エラストマーを得た。このエラストマー10
0部に対して0. 02部のブロックイソシアナート系硬
化剤を加えた後、等量の酢酸エチル−トルエン混合液1
25部に溶解し、0. 18mm厚のポリエステルフィル
ム上に乾燥後の糊厚が0. 4mmとなるようにロールコ
ーターで塗布し、110℃で5分間の乾燥硬化を行った
後、0. 075mmのポリエステルフィルムセパレータ
と共に巻き取って感圧性粘着シートを得た。
【0031】得られた粘着シートは図2に示す吸収スペ
クトルを有し、波長575nmの光の透過率は11%
で、620nm、550nm及び450nmの各波長の
光の透過率は各々90%、85%、80%であり、良好
な特定波長光に対する選択吸収機能を示すとともに三原
色光に対する吸収阻害を起こすことはなかった。次い
で、適当幅に切り取った粘着シートを用いて対ガラス板
粘着力、タック及び80℃保持力を測定した結果は、表
1に示されているように良好な特性であった。更に、粘
着シートの衝撃吸収性を鋼球落下試験で評価したとこ
ろ、未貼着ガラス板は250mm高からの落下試験で割
れてしまうが、本発明品貼着ガラス板は500mm高で
落下させても割れず、2倍以上の耐衝撃吸収性を示し
た。17インチ フラットカラーディスプレィ管表面の
画面の下半分に本発明のシートを貼着して、三原色を映
して無貼着画面の画像と比較したところ、赤色が鮮やか
で、緑色と青色に深みがあり、画像が鮮明になっている
ことが確認できた。
【0032】実施例2 メタクリル酸ネオジム5部を、ブチルアクリレート2
5.5部、イソプロピルアクリレート20部、2−エチ
ルヘキシルアクリレート45部及びN−アクリルアミド
4. 5部と混合して800部の水中に投入し、アゾビス
イソブチルニトリルを0. 03部加えて65℃で4時
間、次いで80℃で1時間懸濁重合させた後、洗浄して
ガラス転移点が−32℃の感圧性エラストマーを得た。
このエラストマー100部に、0. 05部のエポキシ系
硬化剤を加え、等量の酢酸エチル−トルエン混合液12
5部に溶解し、0.075mmのポリエステルフィルム
上に乾燥後の糊厚が0. 55mmとなるようにダイコー
ターで塗布し、110℃で5分間乾燥硬化した後、0.
075mmのポリエステルフィルムセパレータと共に巻
き取り感圧性粘着シートを得た。
【0033】この粘着シートの波長575nmの光に対
する透過率は15%で、620nm、550nm、45
0nmの各々の波長の光に対する透過率は93%、90
%、83%であり、良好な特定波長光に対する選択吸収
性を示した。次いで、実施例1と同様の方法で粘着特性
と衝撃吸収特性を測定し、その結果を表1に示す良好な
結果を得た。更に実施例1で使用したディスプレィ管表
面に実施例1と同様に貼着して比較画面を調べた結果、
鮮明に波長吸収効果は視認出来た。
【0034】実施例3 アクリル酸ネオジム6部とメタクリル酸エルビウム3部
を、ブチルアクリレート50部、2−エチルヘキシルア
クリレート35部及びアクリル酸6部との混合物を28
0部の水中に投入、アゾビスイソブチルニトリルを0.
03部加えて実施例1と同条件で懸濁重合させた後洗浄
し、ガラス転移点が−38℃の感圧性粘着剤エラストマ
ーを得た。このエラストマー100部に0. 05部のエ
ポキシ系硬化剤を加えて125部のトルエンに溶解し、
0. 125mm厚のポリカーボネートフィルム上にロー
ルコーターで乾燥後の厚さが0. 7mmとなるように塗
布して110℃で5分間乾燥硬化した後、0. 100m
mポリエステルフィルムセパレータを貼着しながら10
00mm毎の枚葉状に切り取り、感圧性粘着シートを作
成した。本シートの波長575nmの光に対する透過率
は17%で、620nm、550nm、450nmの各
波長光に対する透過率は各々85%、85%、75%と
良好な結果を得た。次いで、実施例1と同様な方法で粘
着特性、耐衝撃吸収性及びカラーディスプレィ視認性を
評価した結果は表1に示す通り良好な結果であった。
【0035】比較例1 ブチルアクリレート37部、2−エチルヘキシルアクリ
レート60部及びアクリル酸3部と混合し、100部の
酢酸エチルと25部のトルエン混合液に投入し、0. 0
35部のアゾビスイソブチルニトリルを加えて80℃で
4時間重合させガラス転移点が−39℃の感圧性粘着剤
エラストマーを得た。この溶液中エラストマー固形分1
00部に対し、0. 02部のブロックイソシアナートを
加え実施例1と同様の0.18mmポリエステルフィル
ム上に乾燥後の厚さが0. 4mmとなるようにロールコ
ーターで塗布し、乾燥した後、ポリエステルセパレータ
と共に巻き取って感圧性粘着シートを得た。本シートの
可視部吸収スペクトルの620nm、575nm、55
0nm及び450nmの各波長の光に対する透過率はい
ずれも80%以上であったため、目的とする特定波長光
に対する選択的な吸収性はなかった。次いで、粘着特
性、衝撃吸収性及びカラーディスプレィ視認性を評価し
た結果は表1に示す通りで、画像の視認性において鮮明
にはならなかった。
【0036】比較例2 メタクリル酸ネオジム10部を、エチルメタクリレート
85部及びメタクリル酸5部と混合して、1000部の
水中に投入、アゾビスイソブチルニトリルを0. 13
部加えて実施例1と同様の条件で重合させて洗浄し、ガ
ラス転移点が85℃のアクリル樹脂を得た。このアクリ
ル樹脂100部に、0. 085部の過酸化ベンゾイルを
加えて125部のメタノールに溶解して0. 18mmの
ポリエステルフィルム上にバーコーターを用いて乾燥後
の厚さが0. 4mmとなるよう4回塗布乾燥を重ね、そ
の表面に0. 05mmのポリエステルセパレーター をか
ぶせて120℃で25分間硬化させてアクリル樹脂シー
トを作成した。この樹脂シートの波長透過率は、各々6
20nm、575nm、550nm、450nmで93
%、11%、93%、80%で良好な選択吸収機能を呈
したが表1に示す通り、粘着力、タック、保持力の粘着
特性及び耐衝撃吸収性に劣る結果となった。
【0037】
【表1】
【0038】(試験方法) 1.ガラス転移点:弾性率の温度変化により測定する。 2.重量平均分子量:ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィ(GPC)により測定する。 3.粘着力、タック、保持力:JIS−Z−0237−
2000(粘着シート試験法)に準じる。 4.耐衝撃吸収性:60×80mm角、厚さ6mmのガ
ラス板の片面前面に各試料を貼着し、500mmの高さ
から直径10mm、重さ500gの鋼球を落下させてガ
ラスの割れを観察する。 5.透過率:分光光度計で各波長の透過率を測定する。
【0039】
【発明の効果】以上のように、本発明は、アクリル酸希
土類金属塩成分を粘着剤中に共重合させて取りこむこと
により、効果的で安定した特定波長の可視光に対する選
択的な吸収機能を有する粘着剤を提供し得たものであ
り、また、この粘着剤を使用した粘着シートとして陰極
線管表面に貼着するだけで鮮明な画像を得ることができ
る粘着シートを提供し得たものである。さらに、該粘着
シートを陰極線管表面に貼着した陰極線管を提供し得た
ものである。本発明の粘着シートは、陰極線管のリサイ
クル工程で剥離する必要が生じても容易に剥離すること
ができることから、陰極線管のリサイクルを可能とした
ものであるし、メガネレンズ表面や蛍光灯管球表面に貼
着して視野や照射品を鮮明にする用途にも利用できるも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】カラー陰極線管の発光スペクトルを示す図であ
る。
【図2】実施例1で得た粘着剤エラストマーの吸収スペ
クトルを示す図である。
【図3】片面粘着シートの断面図である。
【図4】両面粘着シートの断面図である。
【図5】片面粘着シートを陰極線管表面に貼着した断面
図である。
【図6】両面粘着シートを陰極線管表面に貼着した断面
図である。
【符号の説明】
1:粘着剤層 2:基材 3:セパレータ 4:機能性膜 5:機能性フィルム 6:カラー陰極線管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三和 義治 滋賀県伊香郡高月町高月1979番 日本電気 硝子株式会社内 Fターム(参考) 4J004 AA02 AA04 AA10 AB01 CA03 CA06 CC02 DB02 FA08 FA10 4J040 BA192 BA202 DF011 DF041 DN032 GA07 JA09 JB09 KA16 KA26 LA01 LA02 LA10 MA05 MB09 NA19 5C058 AA01 DA03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル酸又はメタクリル酸の希土類金
    属塩0. 5〜45重量部、アクリル酸エステル40〜9
    6.5重量部、及びα−モノオレフィンカルボン酸及び
    /又はN−アルキルアクリルアミド3〜15重量部を含
    む三成分以上のモノマー混合物をラジカル共重合して得
    られるガラス転移点が−20℃以下であるエラストマー
    100重量に対して、0. 01〜5重量部の硬化剤及び
    必要に応じて5〜60重量部の粘着性付与樹脂を配合し
    てなる粘着剤組成物であり、その0. 05〜0. 9mm
    厚層が450nm、550nm及び620nmの波長の
    可視光に対して40%以上の透過率を示し、570〜5
    90nm付近の最大吸収波長の可視光に対して選択吸収
    を示すことを特徴とする粘着剤組成物。
  2. 【請求項2】 前記アクリル酸又はメタクリル酸の希土
    類金属塩は、アクリル酸又はメタクリル酸のネオジム
    塩、又はアクリル酸又はメタクリル酸のネオジム塩とア
    クリル酸又はメタクリル酸のエルビウム塩及び/又はそ
    のプラセオジム塩との混合塩から選ばれる少なくとも1
    種の塩であることを特徴とする、請求項1記載の粘着剤
    組成物。
  3. 【請求項3】 前記アクリル酸エステルは、アクリル酸
    と炭素数2〜12の脂肪族1価アルコールとのエステル
    化物であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の
    粘着剤組成物。
  4. 【請求項4】 前記エラストマーは、重量平均分子量が
    90,000〜950,000の共重合体であることを
    特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の粘着
    剤組成物。
  5. 【請求項5】 前記請求項1〜4のいずれか1項に記載
    の感圧性粘着剤組成物からなる粘着剤層を基材の片面又
    は両面に有することを特徴とする、感圧性粘着シート。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の感圧性粘着シートを陰極
    線管の前面に貼着したことを特徴とする、陰極線管。
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JP2001122923A (ja) * 1999-10-26 2001-05-08 Kureha Chem Ind Co Ltd 光学材料及び光学部材

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