JP2002121082A - 撥水処理した断熱材および断熱材の撥水処理方法 - Google Patents
撥水処理した断熱材および断熱材の撥水処理方法Info
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- JP2002121082A JP2002121082A JP2000312284A JP2000312284A JP2002121082A JP 2002121082 A JP2002121082 A JP 2002121082A JP 2000312284 A JP2000312284 A JP 2000312284A JP 2000312284 A JP2000312284 A JP 2000312284A JP 2002121082 A JP2002121082 A JP 2002121082A
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- water repellency
- water
- heat insulation
- insulation material
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 宇宙往還機に用いた場合に、従来の有機系の
撥水剤を注入したセラミックタイルのように宇宙往還機
の帰還ごとに撥水処理を施す必要がない耐熱温度が高い
撥水処理した断熱材を提供する。 【解決手段】 撥水処理した断熱材は、三次元網目状繊
維２の表面に金、白金またはイットリアの被膜３を設け
て構成される。
撥水剤を注入したセラミックタイルのように宇宙往還機
の帰還ごとに撥水処理を施す必要がない耐熱温度が高い
撥水処理した断熱材を提供する。 【解決手段】 撥水処理した断熱材は、三次元網目状繊
維２の表面に金、白金またはイットリアの被膜３を設け
て構成される。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱温度が高く撥
水性を備えた撥水処理した断熱材および断熱材の撥水処
理方法に関する。
水性を備えた撥水処理した断熱材および断熱材の撥水処
理方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】宇宙往還機は、大気圏に突入して飛行す
る際、その表面温度は数百度から千度を超す部分があ
り、機体が高温により損傷を受けないように、機体の表
面にセラミックタイルを貼着している。
る際、その表面温度は数百度から千度を超す部分があ
り、機体が高温により損傷を受けないように、機体の表
面にセラミックタイルを貼着している。
【０００３】セラミックタイルは、セラミック繊維の三
次元網目状で、内部に多くの空間を有する構造であるか
ら、軽量かつ耐熱性に優れているが、吸水性が高い。そ
のため、セラミックタイルは、水を吸うと重くなるとと
もに、水を吸ったセラミックタイルが軌道上での低温環
境や突入時の急加熱によって、セラミックタイル本体が
損傷を受ける虞がある。
次元網目状で、内部に多くの空間を有する構造であるか
ら、軽量かつ耐熱性に優れているが、吸水性が高い。そ
のため、セラミックタイルは、水を吸うと重くなるとと
もに、水を吸ったセラミックタイルが軌道上での低温環
境や突入時の急加熱によって、セラミックタイル本体が
損傷を受ける虞がある。
【０００４】そこで、現在宇宙往還機等に用いられるセ
ラミックタイルは、内部空間に有機系の撥水剤（メチル
トリメトキシシラン）を注入するとともに表面にガラス
コーティング処理を施し、セラミックタイルの内部に水
が浸入しないようにするとともに、ガラスコーティング
が破壊されても、セラミックタイルが水を吸収しないよ
うにしている。
ラミックタイルは、内部空間に有機系の撥水剤（メチル
トリメトキシシラン）を注入するとともに表面にガラス
コーティング処理を施し、セラミックタイルの内部に水
が浸入しないようにするとともに、ガラスコーティング
が破壊されても、セラミックタイルが水を吸収しないよ
うにしている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、宇宙往
還機が高速で雲中や雨中を飛行した場合、セラミックタ
イルの表面に設けたガラスコーティングが水滴や雨で破
壊されることがあり、また、セラミックタイルに注入し
た有機系の撥水剤の耐熱温度は約５７０℃程度であり、
セラミックタイルの使用温度まで耐熱しないので、宇宙
往還機が大気圏突入した後に、セラミックタイルに注入
した撥水剤が摩擦熱により加熱気化してしまう。
還機が高速で雲中や雨中を飛行した場合、セラミックタ
イルの表面に設けたガラスコーティングが水滴や雨で破
壊されることがあり、また、セラミックタイルに注入し
た有機系の撥水剤の耐熱温度は約５７０℃程度であり、
セラミックタイルの使用温度まで耐熱しないので、宇宙
往還機が大気圏突入した後に、セラミックタイルに注入
した撥水剤が摩擦熱により加熱気化してしまう。
【０００６】そのため、宇宙往還機が地上と宇宙とを往
復すると、その度にセラミックタイルへの撥水剤の注入
が必要となり、セラミックタイルへの撥水剤の注入作業
に多くの時間と労力を費やし、宇宙往還機の再飛行まで
に長い時間を費やすことになるという虞れがあった。
復すると、その度にセラミックタイルへの撥水剤の注入
が必要となり、セラミックタイルへの撥水剤の注入作業
に多くの時間と労力を費やし、宇宙往還機の再飛行まで
に長い時間を費やすことになるという虞れがあった。
【０００７】本発明は上記の点に鑑みてなされたもの
で、宇宙往還機に適用した場合に、宇宙往還機の帰還ご
とに撥水処理を施す必要がない撥水処理した断熱材およ
び断熱材の撥水処理方法を提供することを目的とする。
で、宇宙往還機に適用した場合に、宇宙往還機の帰還ご
とに撥水処理を施す必要がない撥水処理した断熱材およ
び断熱材の撥水処理方法を提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明の撥水処理した断
熱材は、三次元網目状繊維の表面に金、白金またはイッ
トリアの被膜を設けたことで、耐熱温度が高い撥水処理
が施され、宇宙往還機に用いた場合に、従来のもののよ
うに、宇宙往還機の帰還ごとに撥水処理を施す必要がな
い。
熱材は、三次元網目状繊維の表面に金、白金またはイッ
トリアの被膜を設けたことで、耐熱温度が高い撥水処理
が施され、宇宙往還機に用いた場合に、従来のもののよ
うに、宇宙往還機の帰還ごとに撥水処理を施す必要がな
い。
【０００９】本発明の断熱材の撥水処理方法は、繊維の
表面に金、白金またはイットリアを物理蒸着すること
で、耐熱温度が高い撥水処理を施した断熱材を作ること
ができる。
表面に金、白金またはイットリアを物理蒸着すること
で、耐熱温度が高い撥水処理を施した断熱材を作ること
ができる。
【００１０】繊維表面のコーティングには、金と白金に
ついては、これらが持つ高エネルギー表面にできる水の
自己吸着膜を利用したもので、他の金属では耐熱性を達
成できない。また、イットリアについては、その表面の
持つ撥水雰囲気内吸着性を利用したもので、加熱後の所
定時間放置後に撥水性が上がる現象を利用したものであ
る。この撥水性回復現象は、イットリアが最もすぐれて
おり、他のものより短時間で撥水性が回復する。
ついては、これらが持つ高エネルギー表面にできる水の
自己吸着膜を利用したもので、他の金属では耐熱性を達
成できない。また、イットリアについては、その表面の
持つ撥水雰囲気内吸着性を利用したもので、加熱後の所
定時間放置後に撥水性が上がる現象を利用したものであ
る。この撥水性回復現象は、イットリアが最もすぐれて
おり、他のものより短時間で撥水性が回復する。
【００１１】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
参照して説明する。図１は、本発明による撥水処理した
断熱材を宇宙往還機のセラミックタイルに適用した例を
示すものであり、セラミックタイル１は、全体形状が３
００ｍｍ×３００ｍｍ×８０ｍｍの直方体をなしてい
る。
参照して説明する。図１は、本発明による撥水処理した
断熱材を宇宙往還機のセラミックタイルに適用した例を
示すものであり、セラミックタイル１は、全体形状が３
００ｍｍ×３００ｍｍ×８０ｍｍの直方体をなしてい
る。
【００１２】上記セラミックタイル１は、図１および図
２に示すように、セラミック繊維２により形成したセラ
ミックタイル本体１ａと、このセラミックタイル本体１
ａのセラミック繊維２の表面に被着された金、白金また
はイットリアの被膜３とから構成されている。セラミッ
クタイル１の密度は０．１ないし０．３ｇ／ｃｍ3 程度
である。セラミックタイル１の表面に炭化けい素または
酸化シリコンのガラスコーティング層を設けることがで
きる。
２に示すように、セラミック繊維２により形成したセラ
ミックタイル本体１ａと、このセラミックタイル本体１
ａのセラミック繊維２の表面に被着された金、白金また
はイットリアの被膜３とから構成されている。セラミッ
クタイル１の密度は０．１ないし０．３ｇ／ｃｍ3 程度
である。セラミックタイル１の表面に炭化けい素または
酸化シリコンのガラスコーティング層を設けることがで
きる。
【００１３】上記セラミックタイル本体１ａは、シリカ
とアルミナを含む素材を用いて直径が０．５〜１０．０
μｍで長さを１〜２０ｍｍとしたセラミック繊維２を繊
維方向が偏らずに均一の空隙が得られるようにセラミッ
ク繊維２同士を互いに絡み合わせて三次元網目状とする
ことで形成される。
とアルミナを含む素材を用いて直径が０．５〜１０．０
μｍで長さを１〜２０ｍｍとしたセラミック繊維２を繊
維方向が偏らずに均一の空隙が得られるようにセラミッ
ク繊維２同士を互いに絡み合わせて三次元網目状とする
ことで形成される。
【００１４】上記金、白金またはイットリアの被膜３
は、金、白金またはイットリアを物理蒸着法（イオンプ
レーティング法）によりセラミック繊維２の表面に蒸着
することで形成される。金、白金またはイットリアの被
膜３の厚さは、プロセスコントロール用供試体とした石
英ガラス板上に同時に蒸着させた膜厚で、約０．５μｍ
程度である。
は、金、白金またはイットリアを物理蒸着法（イオンプ
レーティング法）によりセラミック繊維２の表面に蒸着
することで形成される。金、白金またはイットリアの被
膜３の厚さは、プロセスコントロール用供試体とした石
英ガラス板上に同時に蒸着させた膜厚で、約０．５μｍ
程度である。
【００１５】しかして、セラミックタイル１は、セラミ
ック繊維２に施される撥水材として金、白金またはイッ
トリアを用いたことで、セラミックタイルの撥水性の耐
熱性が７５０℃程度に向上し、耐熱温度が高い撥水処理
を施したセラミックタイルとなる。
ック繊維２に施される撥水材として金、白金またはイッ
トリアを用いたことで、セラミックタイルの撥水性の耐
熱性が７５０℃程度に向上し、耐熱温度が高い撥水処理
を施したセラミックタイルとなる。
【００１６】本発明のセラミックタイル１は、セラミッ
ク繊維２を含む基材を焼成してセラミックタイル本体１
ａを形成し、このセラミックタイル本体１ａのセラミッ
ク繊維２の表面に物理蒸着法により金、白金またはイッ
トリアの被膜３を設けることで作られる。
ク繊維２を含む基材を焼成してセラミックタイル本体１
ａを形成し、このセラミックタイル本体１ａのセラミッ
ク繊維２の表面に物理蒸着法により金、白金またはイッ
トリアの被膜３を設けることで作られる。
【００１７】セラミック繊維２に金の被膜３を設けたセ
ラミックタイル、セラミック繊維２に白金の被膜３を設
けたセラミックタイル、およびセラミック繊維２にイッ
トリアの被膜３を設けたセラミックタイルの撥水性を観
察した結果を下表に示す。
ラミックタイル、セラミック繊維２に白金の被膜３を設
けたセラミックタイル、およびセラミック繊維２にイッ
トリアの被膜３を設けたセラミックタイルの撥水性を観
察した結果を下表に示す。
【００１８】
【表１】 条件：７５０℃で約２０分加熱した後自然放置して常温
に戻し、そのまま放置した後、この表面に水滴を滴下し
て水滴の形状を観察して撥水性を観察した。
に戻し、そのまま放置した後、この表面に水滴を滴下し
て水滴の形状を観察して撥水性を観察した。
【００１９】観察結果によれば、金の被膜３を設けたセ
ラミックタイルが、最も優れ、７５０℃に加熱し常温に
戻した後直ちに撥水性を発揮した。
ラミックタイルが、最も優れ、７５０℃に加熱し常温に
戻した後直ちに撥水性を発揮した。
【００２０】
【発明の効果】本発明による撥水処理した断熱材は、三
次元網目状繊維の表面に金、白金またはイットリアの被
膜を設けたことで、耐熱温度が高い撥水処理が施され、
宇宙往還機に用いた場合に、従来の有機系の撥水剤を注
入したセラミックタイルのように宇宙往還機の帰還ごと
に撥水処理を施す必要がない。
次元網目状繊維の表面に金、白金またはイットリアの被
膜を設けたことで、耐熱温度が高い撥水処理が施され、
宇宙往還機に用いた場合に、従来の有機系の撥水剤を注
入したセラミックタイルのように宇宙往還機の帰還ごと
に撥水処理を施す必要がない。
【００２１】本発明の効果は実施例で説明したセラミッ
クタイルのみならず、他の吸水を嫌う断熱材全般への施
工が可能である。
クタイルのみならず、他の吸水を嫌う断熱材全般への施
工が可能である。
【００２２】本発明による断熱材の撥水処理方法は、繊
維の表面に金、白金またはイットリアを物理蒸着するこ
とで、耐熱温度が高い撥水処理が施された断熱材を作る
ことができる。
維の表面に金、白金またはイットリアを物理蒸着するこ
とで、耐熱温度が高い撥水処理が施された断熱材を作る
ことができる。
【図１】本発明による撥水処理した断熱材の概略図。
【図２】図１の断熱材の繊維部分の拡大断面図。
【図３】本発明による断熱材の撥水処理方法を示すブロ
ック図。
ック図。
１ セラミックタイル １ａ セラミックタイル本体 ２ セラミック繊維 ３ 被膜
フロントページの続き (72)発明者 紙 田 徹 東京都港区浜松町二丁目４番１号 宇宙開 発事業団内 (72)発明者 嶋 貫 雅 一 東京都新宿区西新宿一丁目７番２号 富士 重工業株式会社内 (72)発明者 坂 部 敦 彦 東京都新宿区西新宿一丁目７番２号 富士 重工業株式会社内 (72)発明者 岩 田 美佐男 愛知県名古屋市西区則武新町３丁目１番36 号 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 内 (72)発明者 加 藤 芳 基 愛知県名古屋市西区則武新町３丁目１番36 号 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 内 Ｆターム(参考） 4K029 AA04 AA07 AA08 BA02 BA05 BA13 BC00 BD00 CA03
Claims (3)
- 【請求項１】三次元網目状繊維の表面に金、白金または
イットリアの被膜を設けたことを特徴とする撥水処理し
た断熱材。 - 【請求項２】断熱材の表面にガラスコーティング層を設
けたことを特徴とする請求項１記載の撥水処理した断熱
材。 - 【請求項３】繊維の表面に金、白金またはイットリアを
物理蒸着することを特徴とする断熱材の撥水処理方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000312284A JP2002121082A (ja) | 2000-10-12 | 2000-10-12 | 撥水処理した断熱材および断熱材の撥水処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000312284A JP2002121082A (ja) | 2000-10-12 | 2000-10-12 | 撥水処理した断熱材および断熱材の撥水処理方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002121082A true JP2002121082A (ja) | 2002-04-23 |
Family
ID=18791912
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2000312284A Withdrawn JP2002121082A (ja) | 2000-10-12 | 2000-10-12 | 撥水処理した断熱材および断熱材の撥水処理方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2002121082A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006144214A (ja) * | 2004-10-22 | 2006-06-08 | Shin Etsu Chem Co Ltd | シリコーン紙処理剤 |
-
2000
- 2000-10-12 JP JP2000312284A patent/JP2002121082A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006144214A (ja) * | 2004-10-22 | 2006-06-08 | Shin Etsu Chem Co Ltd | シリコーン紙処理剤 |
| US7964062B2 (en) | 2004-10-22 | 2011-06-21 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Paper treating agent comprising a silicone composition |
| JP4743757B2 (ja) * | 2004-10-22 | 2011-08-10 | 信越化学工業株式会社 | シリコーン紙処理剤 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20080108 |