JP2002121018A - バッチ式加熱法における段階的前駆体添加によるチューブ状アルミニウムケイ酸塩の高濃度合成法 - Google Patents

バッチ式加熱法における段階的前駆体添加によるチューブ状アルミニウムケイ酸塩の高濃度合成法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チューブ状アルミニウムケイ酸塩を、安価で
かつ迅速にそして大量に合成する方法を提供する。 【解決手段】 溶液濃度が1〜1000mmolのケイ
素化合物溶液と1〜2000mmolのアルミニウム化
合物溶液を、所定のケイ素/アルミニウムのモル比率に
なるように混合して調製した溶液から前駆体が形成され
た後、溶液中の共存イオンを取り除き、その後、回収し
た前駆体を純水に分散させ前駆体懸濁液を調製し、この
前駆体懸濁液を所定濃度で純水に分散させ、酸を加え、
加熱し、チューブ状アルミニウムケイ酸塩を合成し、こ
の合成したチューブ状アルミニウムケイ酸塩を含む溶液
に再度前駆体を加え加熱することを繰り返すことによ
り、段階的に濃度を高めながらバッチ式で合成を行うこ
とにより、前駆体を再度加える際に酸を加える必要をな
くし、チューブ状アルミニウムケイ酸塩を合成する上で
阻害因子となる陰イオン濃度を抑えながら溶液を高濃度
化することにより、生成・析出する固形分を遠心分離、
濾過等により分離回収することにより、目的のチューブ
状アルミニウムケイ酸塩が分離回収される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高濃度溶液からチ
ューブ状アルミニウムケイ酸塩を合成する方法に関する
ものであり、さらに詳しくは、バッチ式加熱法における
段階的前駆体添加によるチューブ状アルミニウムケイ酸
塩の高濃度合成法に関するものである。本発明は、吸着
能やイオン交換能に優れた性質と、高比表面積や細孔及
びその形態を利用することにより、生活環境の湿度を自
律的に制御する湿度調節材、有害汚染物質吸着材や産業
廃棄物処理場における人工バリア材等に応用可能なチュ
ーブ状アルミニウムケイ酸塩の大量合成法を提供するも
のである。
【0002】
【従来の技術】チューブ状アルミニウムケイ酸塩は、天
然においてイモゴライトとして産出するが、イモゴライ
トは土壌中に存在するものであり、主に九州地方の火山
灰由来の土壌に産することが明らかにされている。ま
た、このイモゴライトは、類縁鉱物であるアロフェンと
並んで、土壌における養分や水分の移動及び植物への供
給、さらに、有害な汚染物質の集積や残留などに対して
影響を与えるものである。
【0003】チューブ状アルミニウムケイ酸塩であるイ
モゴライトの特異な形状及び物性は、工業的にも有用で
あると思われる。しかし、天然のイモゴライトが産する
土壌の地域は限られており、また、産出量も極僅かにし
かない。さらに、天然土壌中から産出されるイモゴライ
トは、表面に酸化鉄の皮膜が存在しており、その皮膜は
粘土から遊離酸化鉄を取り除く処理を行っても完全に取
り除くことはできず、したがって、天然土壌中から高純
度のチューブ状アルミニウムケイ酸塩を得ることは不可
能であった。
【0004】このようなことから、高純度のチューブ状
アルミニウムケイ酸塩を得るために、人工的に合成する
ことが試みられた。単量体ケイ酸化合物溶液と過塩素酸
アルミニウム化合物溶液を混合後、酸を加えて加熱熟成
して生成したチューブ状アルミニウムケイ酸塩に、さら
に、原料溶液を添加することを繰り返し約20日かけて
高濃度なチューブ状アルミニウムケイ酸アルミニウムケ
イ酸塩を得ている(Farmer:British P
atent,1574954,1977)。また、高濃
度の無機ケイ素化合物溶液と無機アルミニウム化合物溶
液を、所定のケイ素/アルミニウムのモル比率になるよ
うに混合して調製した溶液中でシリカ・アルミ系前駆体
を生成し、共存イオンを取り除いて溶液中の不要イオン
濃度を低下させた後に、加熱熟成を行い、チューブ状ア
ルミニウムケイ酸塩を得ている(鈴木ら:特願平11−
242565,1999)。
【0005】上記のような合成法が確立されているが、
Farmerの方法は、前駆体濃度がチューブ状アルミ
ニウムケイ酸塩の生成を抑制するため、生成されたチュ
ーブ状アルミニウムケイ酸塩を含む溶液に前駆体を添加
・加熱することを繰り返し、徐々に高濃度な溶液にして
いるが、高濃度の合成には非常に時間を要する。また、
鈴木らの、共存陰イオンを取り除く処理をした後、酸性
溶液に分散して加熱合成する方法では、前駆体の量を多
くするにつれて溶液中に加える酸の量が増加するため、
合成の阻害因子である陰イオン濃度が増加することか
ら、大量に高濃度溶液からチューブ状アルミニウムケイ
酸塩を合成するには制約があった。
【0006】上記の如くチューブ状アルミニウムケイ酸
塩の大量合成方法は、種々、開発されているが、従来の
方法では合成にかなりの時間を要したり、高濃度化に伴
う共存陰イオン濃度の制約等による問題点を残している
ため、効率のよい大量合成法としては不適当であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような状況の中
で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、高純度のチ
ューブ状アルミニウムケイ酸塩を低コストでかつ迅速に
大量に得ることを可能とする新しい合成方法を開発する
ことを目標として鋭意研究を重ねた結果、前駆体からチ
ューブ状アルミニウムケイ酸塩が生成される過程におい
て水素イオンが発生し、pHが下がることを利用して、
高濃度のケイ素化合物溶液とアルミニウム化合物溶液を
混合し、チューブ状アルミニウムケイ酸塩前駆体を成長
させた後、遠心分離等により共存イオンを取り除き、前
駆体懸濁液を調製後、所定濃度で純水に分散させ、酸を
加え、加熱し、チューブ状アルミニウムケイ酸塩を合成
し、この合成したチューブ状アルミニウムケイ酸塩を含
む溶液に前駆体を加え、再度加熱することを繰り返すこ
とにより、段階的に濃度を高めながらバッチ式で合成を
行うことにより、前駆体を再度加える際に酸を加える必
要をなくし、チューブ状アルミニウムケイ酸塩を合成す
る上で阻害因子となる陰イオン濃度を抑えながら合成す
ることで、高純度のチューブ状アルミニウムケイ酸塩が
大量に生成されることを見出し、本発明を完成するに至
った。本発明は、段階的前駆体添加により高濃度化され
た高濃度溶液からチューブ状アルミニウムケイ酸塩を大
量合成する方法を提供することを目的とするものであ
る。本発明は、前駆体からチューブ状アルミニウムケイ
酸塩が生成される過程において水素イオンが発生し、p
Hが下がることを利用して、前駆体を再度加える際に酸
を加える必要をなくし、チューブ状アルミニウムケイ酸
塩を合成する上で阻害因子となる陰イオン濃度を抑えな
がら合成することで、高純度のチューブ状アルミニウム
ケイ酸塩を大量に合成することを可能とする新しいチュ
ーブ状アルミニウムケイ酸塩の合成方法を提供すること
を目的とするものです。本発明は、チューブ状アルミニ
ウムケイ酸塩を従来の方法よりも効率よく短期間に大量
に合成する方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明は、段階的前駆体添加により高濃度化された高濃度溶
液からチューブ状アルミニウムケイ酸塩を合成する方法
であって、所定濃度のケイ素化合物溶液とアルミニウム
化合物溶液を、所定のケイ素/アルミニウムのモル比率
になるように混合した溶液中でシリカ・アルミ系前駆体
を生成し、共存イオンを取り除いて、前駆体懸濁液を調
製した後、これを所定濃度で純水に分散させ、酸を加
え、加熱し、チューブ状アルミニウムケイ酸塩を合成
し、この合成したチューブ状アルミニウムケイ酸塩を含
む溶液に再度前駆体を加え、加熱することを繰り返すこ
とにより、段階的に濃度を高めながらバッチ式で合成を
行い、前駆体を再度加える際に酸を加える必要をなく
し、チューブ状アルミニウムケイ酸塩を合成する上で阻
害因子となる陰イオン濃度を抑えながら溶液を高濃度化
し、生成・析出する固形分を回収、洗浄することによ
り、高純度のチューブ状アルミニウムケイ酸塩を大量に
合成する方法、である。また、本発明は、1〜1000
mmolのケイ素化合物と1〜2000mmolのアル
ミニウム化合物溶液を混合する上記のチューブ状アルミ
ニウムケイ酸塩の合成法、を望ましい様態とするもので
ある。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明についてさらに詳述
する。本発明の方法では、原料としてケイ素化合物とア
ルミニウム化合物が用いられる。ケイ素源として使用さ
れる試剤は、モノケイ酸であればよく、具体的には、例
えば、オルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウ
ム、無定形コロイド状二酸化ケイ素(エアロジルなど)
などが好適なものとして挙げられる。また、上記ケイ酸
分子と結合させるアルミニウム源としては、アルミニウ
ムイオンであればよく、具体的には、例えば、塩化アル
ミニウム、硝酸アルミニウム、過塩素酸アルミニウムな
どのアルミニウム化合物が挙げられる。これらのケイ素
源及びアルミニウム源は、上記の化合物に限定されるも
のではなく、それらと同効のものであれば同様に使用す
ることができる。
【0010】これらの原料を適切な水溶液に溶解させ、
所定の濃度の溶液を調製する。これらの溶液を任意の比
率で混合しても前駆体の形成において問題はないが、好
適には、ケイ素/アルミニウム比は0.5〜1.0とな
るように混合する。溶液中のケイ素化合物の濃度は1〜
1000mmolで、アルミニウム化合物の溶液の濃度
は1〜2000mmolであるが、好適な濃度としては
1〜500mmolのケイ素化合物溶液と1〜1000
mmolのアルミニウム化合物溶液を混合することが好
ましい。このアルミニウム化合物溶液にケイ素化合物溶
液を混合した後、アルカリ性溶液を滴下し、pHが弱酸
性から中性付近なるように調整し、前駆体を形成する。
前駆体形成後、遠心分離、濾過、膜分離等の適宜の分離
手段により、溶液中の共存イオンを取り除き、その後、
回収した前駆体を純水に分散させ懸濁液を調製する。所
定濃度となるようにこの前駆体懸濁液を純水に分散さ
せ、酸を加え、加熱し、チューブ状アルミニウムケイ酸
塩を合成し、この合成したチューブ状アルミニウムケイ
酸塩を含む溶液に再度前駆体を加え、加熱することを繰
り返すことにより、段階的に濃度を高めて合成を行うこ
とにより溶液を高濃度化し、生成される固形分が目的と
するチューブ状アルミニウムケイ酸塩である。
【0011】前駆体を添加していく酸性溶液としては、
例えば、塩酸、硝酸、過塩素酸などの溶液が挙げられ
る。また、好適には、前駆体及び酸を添加後の溶液のp
Hは3〜5の間であることが望ましい。前駆体生成過程
における中和反応に必要なアルカリ性溶液としては、例
えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア
などの溶液が挙げられる。加熱の方法及び条件は、マン
トルヒーターやオートクレーブを用いて、水が蒸発しな
いように加熱を行えばよく、また、温度の範囲は50℃
〜120℃であるが、好適には、100℃前後が望まし
い。加熱後、生成、析出した固形分を遠心分離、濾過等
により分離回収することにより、本発明のチューブ状ア
ルミニウムケイ酸塩が分離回収される。得られた生成物
は、粉末X線回折、赤外線吸収スペクトルの結果から、
チューブ状アルミニウムケイ酸塩であることが確認され
た。
【0012】従来、チューブ状アルミニウムケイ酸塩の
大量合成方法が種々報告されているが、従来の方法は、
例えば、前駆体の量を多くするにつれて溶液中に加える
酸の量が増加するため、合成の阻害因子である陰イオン
濃度が増加することから、大量に高濃度溶液からチュー
ブ状アルミニウムケイ酸塩を合成する場合には、高濃度
化に伴う共存陰イオン濃度の制約等による問題点が残
り、効率の良い大量合成法としては適していなかった
が、本発明は、前駆体からチューブ状アルミニウムケイ
酸塩が生成される過程において水素イオンが発生し、p
Hが下がることを利用して、前駆体を再度加える際に酸
を加える必要をなくし、チューブ状アルミニウムケイ酸
塩を合成する上で阻害因子となる陰イオン濃度を抑えな
がら合成することが可能であり、これにより、段階的前
駆体添加により高濃度化された高濃度溶液からチューブ
状アルミニウムケイ酸塩を合成するので、高濃度化に伴
う共存陰イオン濃度による制約等の問題を回避して、チ
ューブ状アルミニウムケイ酸塩を大量かつ迅速に合成す
る方法として好適に適用できる利点がある。本発明は、
段階的に濃度を高めながら高濃度原料溶液からバッチ式
で合成する方法において、前駆体を再度加える際に酸を
加える必要をなくし、共存陰イオン濃度を抑えながら合
成することを可能とするものであり、チューブ状アルミ
ニウムケイ酸塩の大量合成方法として有効である。
【0013】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明するが、本発明は当該実施例のみに限定されるもので
はない。 実施例 (1)合成方法 SiO2 濃度が100mmol/l になるように純水で
希釈したオルトケイ酸ナトリウム水溶液125mlを調
製した。また、これとは別に塩化アルミニウムを純水に
溶解させ、150mmol/l 水溶液125mlを調製
した。塩化アルミニウム水溶液にオルトケイ酸ナトリウ
ム水溶液を混合し、マグネティックスターラーで撹拌し
た。このときのケイ素/アルミニウム比は0.67であ
る。さらに、この混合溶液に1N水酸化ナトリウム水溶
液を1.0ml/分の速さで45ml滴下し、pHが6前
後になるように調整し、前駆体を生成させた。この溶液
から遠心分離により前駆体を回収し、さらに、純水で前
駆体を2回遠心分離により洗浄した後、500mlの純
水中に分散させた。まず、出発溶液のSi濃度に換算し
た濃度が25mmol/l となるように、先に調製した
前駆体溶液125mlを純水375ml中に分散させ、
5N塩酸を0.3ml添加し、95℃で2日間加熱を行
い合成した。
【0014】次に、出発溶液のSi濃度に換算した濃度
が50mmol/l となるように、25mmol/l の
濃度で合成したイモゴライトを含む溶液320mlに、
前駆体懸濁液170ml、純水10mlを加えよく攪拌
した後、95℃で2日間加熱を行った。さらに、出発溶
液のSi濃度に換算した濃度が60mmol/l となる
ように、50m mol/l の濃度で合成したイモゴライ
トを含む溶液400mlに、前駆体懸濁液100mlを
加え、よく攪拌した後、95℃で2日間加熱を行った。
最後に出発溶液のSi濃度に換算した濃度が70mmo
l/l となるように、60mmol/l の濃度で合成し
たイモゴライトを含む溶液375mlに、前駆体懸濁液
125mlを加え、よく攪拌した後、95℃で2日間加
熱を行った。加熱後、生成物にアンモニアを加え、遠心
分離を行い、回収したゲル状の生成物を、100℃の乾
燥器で約2日乾燥した。得られた生成物について、その
X線回折パターン及び赤外線吸収スペクトルを解析し
た。
【0015】(2)結果 以上の方法によって得られた生成物は、粉末X線回折に
おいて2θ=4,9.5,14,27,40°付近にピ
ークを有し、チューブ状アルミニウムケイ酸塩特有のX
線回折パターンを示した。また、赤外線吸収スペクトル
においてもチューブ状アルミニウムケイ酸塩に特徴的な
1000,940cm-1のピークに加え、720、55
0,500、420cm-1の吸収ピークが見られチュー
ブ状アルミニウムケイ酸塩特有の赤外線吸収ピークを示
した。
【0016】比較例 比較例として従来の合成方法の例を示す。従来の方法に
よると、5gの石英を25gの炭酸ナトリウムで溶融し
た後、5lの蒸留水で希釈し、約16mMのSiO2
含むケイ酸溶液を調製する。これとは別に、1Mの過塩
素酸126mlに硝酸アルミニウム九水和物を溶解させ
た後、1lの蒸留水で希釈し、150mMのAlイオン
を含む溶液を調製する。ケイ酸溶液に硝酸アルミニウム
水溶液を加えた後、1Mの水酸化ナトリウム水溶液を滴
下し、最終的にpHが6.8になるように調整する。こ
の際、生成される沈殿物を遠心分離により回収した後、
1Mの過塩素酸30mlと1.74Mの酢酸43mlを
含む溶液に分散させ、最終的に1lとなるように調整す
る。このときの各元素の濃度はSiが80mM、Alが
150mM、過塩素酸が30mM、酢酸が75mMであ
る。
【0017】上記のように調製したアルミナシリカゾル
を含む溶液50mlを750mlの蒸留水で希釈し、9
6℃で2日間加熱する。生成されたイモゴライトを含む
溶液に、さらに、アルミナシリカゾルを約50ml添加
し、96℃でまた2日間加熱を行う。この操作を2日毎
に繰り返し行うことにより、最終的に20日間かけて7
3.8mMのAlイオンを含む溶液からイモゴライトを
合成している(Farmer:Blitish Pat
ent、1574954,1977)。しかし、このよ
うな方法では、高濃度に合成するのに長い時間を要し、
さらに、原料調製にも多大な手間がかかる上、過塩素酸
などの危険な物質を用いた方法からの合成しか行われて
いない。
【0018】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明は、高濃
度の原料溶液からチューブ状アルミニウムケイ酸塩を合
成する方法に係り、本発明により、1)段階的に濃度を
高めながらバッチ式で高濃度の原料溶液からチューブ状
アルミニウムケイ酸塩を合成することができる、2)前
駆体からチューブ状アルミニウムケイ酸塩が生成される
過程において水素イオンが発生し、pHが下がることを
利用して、前駆体を再度加える際に、酸を加える必要を
なくし、チューブ状アルミニウムケイ酸塩を合成する上
で阻害因子となる陰イオン濃度を抑えながら、目的物を
合成することができる、3)高濃度化に伴う共存陰イオ
ン濃度の制約等の問題を解決することができる、4)大
量に高濃度溶液からチューブ状アルミニウムケイ酸塩を
合成する方法として好適である、5)吸着能やイオン交
換能に優れた性質と高比表面積や細孔及びその形態を利
用した、生活環境の湿度を自律的に制御する湿度調節
材、有害汚染物質吸着材や廃棄物処理場の天然バリア材
等に応用可能な、チューブ状アルミニウムケイ酸塩を高
濃度溶液から大量合成することが可能となる、6)従来
の合成法よりも短期間に効率よく大量に合成する方法を
提供することができる、7)本発明によって合成される
チューブ状アルミニウムケイ酸塩は、自律的調湿材、ま
た、脱臭材や有害汚染物質吸着材、さらには、廃棄物処
理場における天然バリアとして広範な産業分野での利用
が可能である、8)よって、本発明は、高機能多孔質材
料の提供に寄与する技術として、業界に寄与するところ
は極めて大きいものである、という格別の効果が奏され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で得られた生成物のX線回折パ
ターンによる測定結果を示す。
【図2】本発明の実施例で得られた生成物の赤外線吸収
パターンを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前田 雅喜 愛知県知多郡阿久比町大字草木字東郷54番 地 (72)発明者 渡村 信治 愛知県名古屋市千種区南ヶ丘1−7−12 Fターム(参考) 4G066 AA20A AA30A AA32A AA53A AA61B AA66A AA66B AE06B AE10B BA01 BA22 CA02 CA43 CA51 CA52 DA02 DA03 FA03 FA05 FA21 FA34 FA36 FA37 4G073 BA57 BA63 CM01 CM02 FB01 FB02 FD01 FD12 GA03 UA06 UB47

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高濃度溶液からチューブ状アルミニウム
    ケイ酸塩を合成する方法であって、次に記載するステッ
    プ;ケイ素化合物溶液とアルミニウム化合物溶液を混合
    し、チューブ状アルミニウムケイ酸塩前駆体を成長させ
    た後、共存イオンを取り除き、前駆体を調製後、所定濃
    度で純水に分散させた後、酸を加え、加熱し、チューブ
    状アルミニウムケイ酸塩を合成すること、この合成した
    チューブ状アルミニウムケイ酸塩を含む溶液に前駆体を
    加え、再度加熱することを繰り返すことにより、段階的
    に濃度を高めながらバッチ式で合成すること、その際、
    加熱時の前駆体からチューブ状アルミニウムケイ酸塩が
    生成される過程において水素イオンが発生することを利
    用し、前駆体を再度加える際に酸を加える必要をなく
    し、チューブ状アルミニウムケイ酸塩を合成する上で阻
    害因子となる陰イオン濃度を抑えながら溶液を高濃度化
    し、生成・析出する固形分を回収すること、からなるこ
    とを特徴とするチューブ状アルミニウムケイ酸塩の合成
    法。
  2. 【請求項2】 1〜1000mmolの無機ケイ素化合
    物溶液と1〜2000mmolの無機アルミニウム化合
    物溶液を混合する請求項1記載のチューブ状アルミニウ
    ムケイ酸塩の合成法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008086965A (ja) * 2006-10-05 2008-04-17 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 吸着性能の改善方法
WO2009084632A1 (ja) * 2007-12-27 2009-07-09 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology アルミニウムケイ酸塩複合体及び該複合体からなる高性能吸着剤
US8202360B2 (en) 2008-09-02 2012-06-19 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology Method of producing amorphous aluminum silicate, amorphous aluminum silicate obtained with said method, and adsorbent using the same

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