JP2002120065A - 磁気制御溶接方法及び装置 - Google Patents

磁気制御溶接方法及び装置

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JP2002120065A
JP2002120065A JP2000317385A JP2000317385A JP2002120065A JP 2002120065 A JP2002120065 A JP 2002120065A JP 2000317385 A JP2000317385 A JP 2000317385A JP 2000317385 A JP2000317385 A JP 2000317385A JP 2002120065 A JP2002120065 A JP 2002120065A
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welding
wire
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arc
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JP2000317385A
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English (en)
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Yasuyuki Fujitani
泰之 藤谷
Masahiko Toyoda
真彦 豊田
Toshiaki Tanaka
俊彰 田中
Hideaki Honma
秀明 本間
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 母材に固着されるとなくワイヤ挿入点を溶融
池の端に位置させることなどにより、アーク放電位置と
ワイヤ挿入点との間隔をできるだけ広くすることができ
る磁気制御溶接方法及び装置を提供する。 【解決手段】 ワイヤ21を溶接トーチ22よりも溶接
方向下流側に配置して、そのワイヤ挿入点が溶融池24
の溶接方向下流端に位置するように設定することによ
り、アーク放電位置とワイヤ挿入点との間隔を広げる。
また、溶接トーチの先端側を溶接方向の上流側に傾ける
ことにより、アーク放電位置とワイヤ挿入点との間隔を
更に広げる。また、溶接トーチから放電されるアーク3
6に対して垂直方向の磁場B2 をかけることによって、
ローレンツ力F2 によりアークを溶接方向の上流側に偏
向させて、アーク放電位置とワイヤ挿入点との間隔を更
に広げる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気制御溶接方法及
び装置に関し、特にタービン車室等の大型鋳造品の欠陥
を補修する場合などに適用して有用なものである。
【0002】
【従来の技術】タービン車室やディーゼルエンジン等の
大型鋳造品のコストに占める鋳造後の成形の比率は非常
に高く、特に、鋳造欠陥の補修工数の比率が非常に高
い。鋳造欠陥の代表的なものとしては、ひけ巣、砂か
み、凝固割れ等があるが、これらのうちでは、ひけ巣、
砂かみ等の表面欠陥の割合が高い。従って、これらの表
面欠陥の補修工数を低減することができれば鋳造品の大
幅なコストダウンを図ることができる。
【0003】これに対して、従来は、鋳造品の様々な位
置に生じる表面欠陥のうち、特に鋳造品の側面(鉛直
面)に生じた表面欠陥を補修する場合には、溶融金属の
垂れ落ちを防止するため、下向き姿勢の状態で溶接がで
きるように鋳造品を反転させた後、グラインダで表面欠
陥部分を除去し、この除去部分にMAG溶接を施すとい
う方法が採られている。しかし、この方法では特に大形
鋳造品の場合には反転が困難であり、補修工数も多いこ
とからコストがかかる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、鋳造品の姿勢
を反転をせず、溶融のみで補修することができれば、補
修工数を大幅に低減してコストを下げることができる。
このためには大電流TIG溶接(溶融)による表面欠陥
の補修が考えられるが、横向き姿勢の状態で鋳造品の側
面を補修を行うと、溶融池から溶融金属が垂れ落ちてし
まう。特に、大型鋳造品の表面欠陥を補修する場合に
は、溶接(溶融)速度を遅くして溶け込み深さを深くす
る必要があるため、溶融金属の垂れ落ちが生じやすい。
【0005】従って、本発明者等は溶融金属の垂れ落ち
を防止するため、溶融池の磁気制御を利用した大電流T
IG溶接(溶融)補修方法について検討を行った。これ
は特開平10−286670号公報において開示された
肉盛り溶接における磁気制御方法を応用したものであ
る。
【0006】図3はこの磁気制御溶接補修方法の原理を
示す説明図である。通常のTIG溶接では、母材での溶
接電流成分が極点から各方向に流れる。しかし、図3に
示すように、TIG溶接トーチ1よりも溶接方向(矢印
A方向)の上流側にワイヤ2を送給して、母材(鋳造
品)5の溶融池4に流れる溶接電流の一部をワイヤ側に
分流させると、溶融池4には極点(TIG溶接トーチ1
のタングステン電極7からアークが放電される位置)と
ワイヤ挿入点との間に大きな一方向の溶接電流成分Iu
が形成される。
【0007】そこで、TIG溶接トーチ1に設けられた
磁場発生用コイル3に直流電源を流すことによって、一
方向の電流成分Iu に対して垂直方向(ここでは母材内
部から母材表面に向かう方向)の磁場Bをかけることに
より、溶融池4の溶融金属に対してローレンツ力F(I
u ×B)を発生させる。その結果、このローレンツ力F
が溶融金属を持ち上げる方向に働くため、溶融金属の垂
れ落ちを防止することができる。
【0008】そして、この場合には、なるべく多くの溶
融金属に対して上向きのローレンツ力Fが作用するよう
にするためにアーク放電位置とワイヤ挿入点との間隔を
できるだけ広くする必要があり、そのためにはワイヤ挿
入点がなるべく溶融池4の端に位置するようにしたい。
ところが、図3ではワイヤ2をTIG溶接トーチ1より
も溶接方向の上流側に送給しているため、ワイヤ挿入点
を溶融池4の端に位置させると、ワイヤ4が硬化した溶
融金属によって母材5に固着されるという不具合が生じ
やすい。このため、ワイヤ挿入点をあまり溶融池4の端
に位置させることができない。
【0009】従って、本発明は上記の問題点に鑑み、母
材に固着されるとなくワイヤ挿入点を溶融池の端に位置
させることなどにより、アーク放電位置とワイヤ挿入点
との間隔をできるだけ広くすることができる磁気制御溶
接方法及び装置を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する第1
発明の磁気制御溶接方法は、母材の鉛直面や傾斜面にお
ける補修又は肉盛り溶接を行うための磁気制御溶接方法
であって、ワイヤを溶接トーチよりも溶接方向下流側に
配置して、そのワイヤ挿入点が溶融池の溶接方向下流端
に位置するように設定することにより、溶接トーチから
のアーク放電位置とワイヤ挿入点との間に一方向の溶接
電流成分を形成するとともに、この一方向の溶接電流成
分に対して略垂直方向の磁場をかけることにより、溶融
池の溶融金属に対して同溶融金属を持ち上げる方向のロ
ーレンツ力が働くようにすることを特徴とする。
【0011】また、第2発明の磁気制御溶接方法は、第
1発明の磁気制御溶接方法において、溶接トーチの先端
側を溶接方向の上流側に傾けることにより、アーク放電
位置とワイヤ挿入点との間隔を広げることを特徴とす
る。
【0012】また、第3発明の磁気制御溶接方法は、第
1又は第2発明の磁気制御溶接方法において、溶接トー
チから放電されるアークに対して略垂直方向の磁場をか
けることにより、アークを溶接方向の上流側に偏向させ
るローレンツ力を発生させて、アーク放電位置とワイヤ
挿入点との間隔を広げることを特徴とする。
【0013】また、第4発明の磁気制御溶接装置は、母
材の鉛直面や傾斜面における補修又は肉盛り溶接を行う
ための磁気制御溶接装置であって、ワイヤを溶接トーチ
よりも溶接方向下流側に配置して、そのワイヤ挿入点が
溶融池の溶接方向下流端に位置するように設定すること
により、溶接トーチからのアーク放電位置とワイヤ挿入
点との間に一方向の溶接電流成分を形成するとともに、
この一方向の溶接電流成分に対して略垂直方向の磁場を
かけることにより、溶融池の溶融金属に対して同溶融金
属を持ち上げる方向のローレンツ力が働くように構成し
たことを特徴とする。
【0014】また、第5発明の磁気制御溶接装置は、第
4発明の磁気制御溶接装置において、溶接トーチの先端
側を溶接方向の上流側に傾けることにより、アーク放電
位置とワイヤ挿入点との間隔を広げるように構成したこ
とを特徴とする。
【0015】また、第6発明の磁気制御溶接装置は、第
4又は第5発明の磁気制御溶接装置において、溶接トー
チから放電されるアークに対して略垂直方向の磁場をか
けることにより、アークを溶接方向の上流側に偏向させ
るローレンツ力を発生させて、アーク放電位置とワイヤ
挿入点との間隔を広げるように構成したことを特徴とす
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。
【0017】図1は本発明の実施の形態に係る磁気制御
溶接装置の構成図、図2は前記磁気制御溶接装置による
磁気制御溶接方法の原理を示す説明図である。
【0018】図1に示すように、本実施の形態に係る磁
気制御溶接装置は、鋳造品である母材23の側面(鉛直
面)23aに生じた表面欠陥を、母材23の反転を行う
ことなく、横向き姿勢の状態で溶接(溶融)して補修す
るものである。
【0019】そして、この磁気制御溶接装置では、添加
ワイヤ21を、TIG溶接トーチ22よりも溶接方向
(溶融方向:矢印A方向)の下流側に配置して、そのワ
イヤ挿入点が溶融池24の溶接方向下流端に位置するよ
うに設定されている。ワイヤ21はワイヤ送給装置38
から、ワイヤ送給ヘッド25を介して送給される。ワイ
ヤ送給ヘッド25は支持部材26を介してTIG溶接ト
ーチ22に支持されている。
【0020】TIG溶接トーチ22には磁場発生用コイ
ル27が設けられており、この磁場発生用コイル27に
直流電流を流すことにより、母材23の側面(補修面)
23aに対して垂直方向の磁場(図2の磁場B1 参照)
を発生するようになっている。更に、TIG溶接トーチ
22には、図示しない支持部材を介して磁場発生用コイ
ル28が支持されている。この磁場発生用コイル28の
鉄心29は、両端が母材側に延長されて鉛直方向に対向
している。従って、磁場発生用コイル28に直流電流を
流すと、鉛直方向の磁場(図2の磁場B2 参照)が発生
する。
【0021】磁場発生用コイル27には直流電源30が
接続され、磁場発生用コイル28には直流電源31が接
続されており、これらの直流電源30,31から磁場発
生用コイル27,28にそれぞれ直流電流を流す。ま
た、TIG溶接トーチ22のタングステン電極32はT
IG電源33のマイナス側に接続され、ワイヤ21はワ
イヤHOT電源34のプラス側に接続されるとともに、
TIG電源33のプラス側とワイヤHOT電源34のマ
イナス側は何れも母材23に接続されている。図1中の
矢印Dは溶接電流IA の流れる方向を示し、矢印Eはワ
イヤ電流IW の流れる方向を示している。また、図1中
の35はビードである。
【0022】ここで図1及び図2に基づき、上記磁気制
御溶接装置による磁気制御溶接方法の原理を説明する。
母材23の溶融池24にワイヤ21を挿入しない場合に
は母材23での溶接電流成分が極点から各方向に流れ
る。しかし、図示のようにワイヤ21をTIG溶接トー
チ27よりも溶接方向下流側に送給すると、溶融池24
を流れる溶接電流の一部がワイヤ側に分流されることに
より、溶融池24には極点(TIG溶接トーチ22のタ
ングステン電極32からアーク36が放電される位置)
とワイヤ挿入点との間に大きな一方向(ワイヤ挿入点か
らアーク放電位置へ向かう方向)の溶接電流成分Iu
形成される。
【0023】そこで、TIG溶接トーチ22に設けられ
た磁場発生用コイル27に直流電流を流し、一方向の溶
接電流成分Iu に対して垂直方向(ここでは母材表面か
ら母材内部に向かう方向)の磁場B1 をかけることによ
り、溶融池24の溶融金属に対して上向きのローレンツ
力F1 (Iu ×B1 )を発生させる。その結果、このロ
ーレンツ力F1 が溶融金属を持ち上げる方向に働くた
め、溶融金属の垂れ落ちを防止することができる。
【0024】そして、本実施の形態ではワイヤ21をT
IG溶接トーチ22よりも溶接方向下流側に配置して、
そのワイヤ挿入点を溶融池24の溶接方向下流端に位置
させているため、アーク放電位置とワイヤ挿入点との間
隔が広くなって、多くの溶融金属にローレンツ力F1
作用する。このため、より顕著な溶融金属の垂れ落ち防
止効果が得られる。しかも、ワイヤ21をTIG溶接ト
ーチ22よりも溶接方向下流端に位置させることによ
り、ワイヤ21が溶融金属の硬化する側ではなく溶融金
属の発生する側に位置するため、硬化した溶融金属によ
ってワイヤ21が母材23に固着される虞はない。
【0025】また、図2に示すようにTIG溶接トーチ
22の先端側を溶接方向の上流側に多少傾けることによ
り、アーク放電位置とワイヤ挿入点との間隔を更に広げ
ているため、溶融金属の垂れ落ち防止効果がより顕著と
なる。
【0026】そして更には、磁場発生用コイル28に直
流電流を流して、TIG溶接トーチ22から放電される
アーク36に対して垂直方向(ここでは上から下へ向か
う方向)の磁場B2 をかけることにより、アーク36に
対して反溶接方向のローレンツ力F2 を発生させる。そ
の結果、このローレンツ力F2 によってアーク36が溶
接方向の上流側に偏向される。このことにより、アーク
放電位置とワイヤ挿入点との間隔を更に広げることがで
きるため、更に溶融金属の垂れ落ち防止効果が顕著とな
る。
【0027】なお、アーク36を偏向させるのではなく
TIG溶接トーチ自体を溶接方向の上流側に大きく傾斜
させることによってアーク放電位置とワイヤ挿入点との
間隔を広げることも考えられるが、TIG溶接トーチ自
体を溶接方向の上流側に大きく傾斜させてしまうと、図
示しないシールドガス供給装置から送給されてTIG溶
接トーチ22から噴射されるArやHeなどのシールド
ガス37の一部が、溶融池24から外れてしまうため、
十分なシール効果を得ることができなってしまう。これ
に対して、磁場B2 によりアーク36を溶接方向の上流
側に偏向させる場合には、シールドガス37による溶融
金属のシール効果を維持しつつ、アーク放電位置とワイ
ヤ挿入点との間隔を広げることができる。
【0028】ところで、本発明は上記のような鋳造欠陥
の補修に限らず、通常の肉盛り溶接にも適用することが
できるが、特に鋳造欠陥の補修に適用した場合には、そ
の効果が大きい。つまり、鋳造欠陥を補修する場合に
は、欠陥部を確実に溶融するために溶け込み深さを深く
する必要があり、このため肉盛り溶接に比べて溶接速度
(溶融速度)が遅くなる。従って、鋳造欠陥の補修のほ
うが肉盛り溶接に比べて溶融金属の垂れ落ちが生じやす
い。このことから、本発明を鋳造欠陥の補修に適用した
場合、特にその効果が大きくなる。
【0029】なお、本発明を鋳造欠陥の補修に適用する
場合には、余盛りは必要としないため、ワイヤ21は単
に一方向の溶接電流成分Iu を発生させるために設けら
れ、その供給量(ワイヤが溶けて溶融池に供給される
量)はできるだけ少ないほうがよい。この場合、ワイヤ
の材質を導電性であって且つ融点の高い溶けにくいもの
にすることも考えられる。一方、本発明を肉盛り溶接に
適用する場合には、所要の肉盛り量が得られるようにワ
イヤ送給量を調節する。
【0030】また、本発明は、勿論、上記のような母材
23の側面(鉛直面)23aの補修や肉盛り溶接を行う
場合に限らず、傾斜面(例えば鉛直方向に対して45度
傾斜している面)における補修や肉盛り溶接を行う場合
にも適用することができる。
【0031】
【発明の効果】以上、発明の実施の形態とともに具体的
に説明したように、第1発明の磁気制御溶接方法は、母
材の鉛直面や傾斜面における補修又は肉盛り溶接を行う
ための磁気制御溶接方法であって、ワイヤを溶接トーチ
よりも溶接方向下流側に配置して、そのワイヤ挿入点が
溶融池の溶接方向下流端に位置するように設定すること
により、溶接トーチからのアーク放電位置とワイヤ挿入
点との間に一方向の溶接電流成分を形成するとともに、
この一方向の溶接電流成分に対して略垂直方向の磁場を
かけることにより、溶融池の溶融金属に対して同溶融金
属を持ち上げる方向のローレンツ力が働くようにするこ
とを特徴とする。
【0032】従って、この第1発明の磁気制御溶接方法
によれば、ワイヤは溶接トーチよりも溶接方向下流側に
配置されて、そのワイヤ挿入点が溶融池の溶接方向下流
端に位置しているため、アーク放電位置とワイヤ挿入点
との間隔が広くなって、多くの溶融金属にローレンツ力
が作用する。このため、より顕著な溶融金属の垂れ落ち
防止効果が得られる。しかも、ワイヤを溶接トーチより
も溶接方向下流端に位置させることにより、ワイヤが溶
融金属の硬化する側ではなく溶融金属の発生する側に位
置するため、硬化した溶融金属によってワイヤが母材に
固着される虞はない。
【0033】また、第2発明の磁気制御溶接方法は、第
1発明の磁気制御溶接方法において、溶接トーチの先端
側を溶接方向の上流側に傾けることにより、アーク放電
位置とワイヤ挿入点との間隔を広げることを特徴とす
る。
【0034】従って、この第2発明の磁気制御溶接方法
によれば、溶接トーチの先端側を溶接方向の上流側に傾
けることにより、アーク放電位置とワイヤ挿入点との間
隔を更に広げているため、溶融金属の垂れ落ち防止効果
がより顕著となる。
【0035】また、第3発明の磁気制御溶接方法は、第
1又は第2発明の磁気制御溶接方法において、溶接トー
チから放電されるアークに対して略垂直方向の磁場をか
けることにより、アークを溶接方向の上流側に偏向させ
るローレンツ力を発生させて、アーク放電位置とワイヤ
挿入点との間隔を広げることを特徴とする。
【0036】従って、この第3発明の磁気制御溶接方法
によれば、磁場によってアークを溶接方向の上流側に偏
向させることにより、アーク放電位置とワイヤ挿入点と
の間隔を更に広げることができるため、更に溶融金属の
垂れ落ち防止効果が顕著となる。
【0037】また、第4発明の磁気制御溶接装置は、母
材の鉛直面や傾斜面における補修又は肉盛り溶接を行う
ための磁気制御溶接装置であって、ワイヤを溶接トーチ
よりも溶接方向下流側に配置して、そのワイヤ挿入点が
溶融池の溶接方向下流端に位置するように設定すること
により、溶接トーチからのアーク放電位置とワイヤ挿入
点との間に一方向の溶接電流成分を形成するとともに、
この一方向の溶接電流成分に対して略垂直方向の磁場を
かけることにより、溶融池の溶融金属に対して同溶融金
属を持ち上げる方向のローレンツ力が働くように構成し
たことを特徴とする。
【0038】従って、この第4発明の磁気制御溶接装置
によれば、上記第1発明と同様の効果が得られる。即
ち、ワイヤは溶接トーチよりも溶接方向下流側に配置さ
れて、そのワイヤ挿入点が溶融池の溶接方向下流端に位
置しているため、アーク放電位置とワイヤ挿入点との間
隔が広くなって、多くの溶融金属にローレンツ力が作用
する。このため、より顕著な溶融金属の垂れ落ち防止効
果が得られる。しかも、ワイヤを溶接トーチよりも溶接
方向下流端に位置させることにより、ワイヤが溶融金属
の硬化する側ではなく溶融金属の発生する側に位置する
ため、硬化した溶融金属によってワイヤが母材に固着さ
れる虞はない。
【0039】また、第5発明の磁気制御溶接装置は、第
4発明の磁気制御溶接装置において、溶接トーチの先端
側を溶接方向の上流側に傾けることにより、アーク放電
位置とワイヤ挿入点との間隔を広げるように構成したこ
とを特徴とする。
【0040】従って、この第5発明の磁気制御溶接装置
によれば、上記第2発明と同様の効果が得られる。即
ち、溶接トーチの先端側を溶接方向の上流側に傾けるこ
とにより、アーク放電位置とワイヤ挿入点との間隔を更
に広げているため、溶融金属の垂れ落ち防止効果がより
顕著となる。
【0041】また、第6発明の磁気制御溶接装置は、第
4又は第5発明の磁気制御溶接装置において、溶接トー
チから放電されるアークに対して略垂直方向の磁場をか
けることにより、アークを溶接方向の上流側に偏向させ
るローレンツ力を発生させて、アーク放電位置とワイヤ
挿入点との間隔を広げるように構成したことを特徴とす
る。
【0042】従って、この第6発明の磁気制御溶接装置
によれば、上記第3発明と同様の効果が得られる。即
ち、磁場によってアークを溶接方向の上流側に偏向させ
ることにより、アーク放電位置とワイヤ挿入点との間隔
を更に広げることができるため、更に溶融金属の垂れ落
ち防止効果が顕著となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る磁気制御溶接装置の
構成図である。
【図2】前記磁気制御溶接装置による磁気制御溶接方法
の原理を示す説明図である。
【図3】磁気制御溶接補修方法の原理を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
21 ワイヤ 22 TIG溶接トーチ 23 母材 23a 側面 24 溶融池 25 ワイヤ送給ヘッド 26 支持部材 27 磁場発生用コイル 28 磁場発生用コイル 29 鉄心 30 直流電源 31 直流電源 32 タングステン電極 33 TIG電源 34 ワイヤHOT電源 35 ビード 36 アーク 37 シールドガス 38 ワイヤ送給装置 B1 磁場 B2 磁場 F1 ローレンツ力 F2 ローレンツ力 Iu 一方向の溶接電流成分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 俊彰 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 本間 秀明 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 Fターム(参考) 4E001 BB07 CA06 DC02 DD02 DD03 DE01 4E082 AA08 AA12 BA01 EA20 HA03 JA10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 母材の鉛直面や傾斜面における補修又は
    肉盛り溶接を行うための磁気制御溶接方法であって、 ワイヤを溶接トーチよりも溶接方向下流側に配置して、
    そのワイヤ挿入点が溶融池の溶接方向下流端に位置する
    ように設定することにより、溶接トーチからのアーク放
    電位置とワイヤ挿入点との間に一方向の溶接電流成分を
    形成するとともに、この一方向の溶接電流成分に対して
    略垂直方向の磁場をかけることにより、溶融池の溶融金
    属に対して同溶融金属を持ち上げる方向のローレンツ力
    が働くようにすることを特徴とする磁気制御溶接方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載する磁気制御溶接方法に
    おいて、 溶接トーチの先端側を溶接方向の上流側に傾けることに
    より、アーク放電位置とワイヤ挿入点との間隔を広げる
    ことを特徴とする磁気制御溶接方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載する磁気制御溶接
    方法において、 溶接トーチから放電されるアークに対して略垂直方向の
    磁場をかけることにより、アークを溶接方向の上流側に
    偏向させるローレンツ力を発生させて、アーク放電位置
    とワイヤ挿入点との間隔を広げることを特徴とする磁気
    制御溶接方法。
  4. 【請求項4】 母材の鉛直面や傾斜面における補修又は
    肉盛り溶接を行うための磁気制御溶接装置であって、 ワイヤを溶接トーチよりも溶接方向下流側に配置して、
    そのワイヤ挿入点が溶融池の溶接方向下流端に位置する
    ように設定することにより、溶接トーチからのアーク放
    電位置とワイヤ挿入点との間に一方向の溶接電流成分を
    形成するとともに、この一方向の溶接電流成分に対して
    略垂直方向の磁場をかけることにより、溶融池の溶融金
    属に対して同溶融金属を持ち上げる方向のローレンツ力
    が働くように構成したことを特徴とする磁気制御溶接装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載する磁気制御溶接装置に
    おいて、 溶接トーチの先端側を溶接方向の上流側に傾けることに
    より、アーク放電位置とワイヤ挿入点との間隔を広げる
    ように構成したことを特徴とする磁気制御溶接装置。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5に記載する磁気制御溶接
    装置において、 溶接トーチから放電されるアークに対して略垂直方向の
    磁場をかけることにより、アークを溶接方向の上流側に
    偏向させるローレンツ力を発生させて、アーク放電位置
    とワイヤ挿入点との間隔を広げるように構成したことを
    特徴とする磁気制御溶接装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113263246A (zh) * 2021-05-19 2021-08-17 太原科技大学 一种基于交变磁场的磁控焊接装置

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