JP2002117554A - 光ディスク装置及びその調整方法 - Google Patents

光ディスク装置及びその調整方法

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JP2002117554A JP2000308098A JP2000308098A JP2002117554A JP 2002117554 A JP2002117554 A JP 2002117554A JP 2000308098 A JP2000308098 A JP 2000308098A JP 2000308098 A JP2000308098 A JP 2000308098A JP 2002117554 A JP2002117554 A JP 2002117554A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】対物レンズを高精度な位置決め動作を実現でき
る対物レンズ駆動装置を内蔵した光ディスク装置及びそ
の調整方法を提供することを目的とする。 【解決手段】フォーカス方向またはトラック方向の位置
誤差信号の少なくとも一方を演算処理して他方向に駆動
するコイルへの入力量として加算する制御回路10,1
1を有する。この制御回路10,11は、対物レンズ保
持体16の揺動モードの影響を相殺するような制御信号
を出力する。出力判断回路20は、位置誤差信号に外乱
成分が混入したと判断した場合に一時的に制御回路の機
能を制限する。これによって、微小な変位であっても、
対物レンズ3におけるフォーカス方向およびトラック方
向の両方向に干渉しながら運動することを避けて、独立
な運動を行うように制御することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、情報記録トラッ
クを有する光ディスク上で情報の記録もしくは再生をす
る光ディスク装置に係り、特に、情報記録面に形成され
た光スポットを光ディスクの垂直方向及びトラック横断
方向に移動させる対物レンズ駆動装置を内蔵した光ディ
スク装置及びその調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスク装置では、対物レンズを保持
してこの対物レンズによって形成された光学スポットを
ディスク半径方向の所望位置に位置決めすると同時にデ
ィスク垂直方向の所望位置に位置決めする、すなわち光
ディスクの情報トラックへのトラッキングおよびフォー
カシングを行う対物レンズ駆動装置が提案されて利用さ
れている。
【0003】このような対物レンズ駆動装置では、対物
レンズは、トラッキング方向及びフォーカシング方向、
すなわちディスク水平方向およびディスク垂直方向の2
軸方向に独立に移動可能に支持されており、それぞれの
方向の目標位置からのズレ量を光学的に独立して検出
し、制御もそれぞれ独立して行われている。
【0004】このズレ量の検出には、対物レンズを介し
て情報記録面に形成された光学スポットの戻り光が用い
られる。光学スポットをディスク面にジャストフォーカ
スするためには、非点収差法、ナイフエッジ法などによ
り、4分割されたフォトディテクタで戻り光が処理され
て、焦点合わせされるのが一般的である。
【0005】また、目標位置とするトラックへのトラッ
キング位置決めは、3ビーム法やプッシュプル法、位相
差検出法などにより2分割フォトディテクタで検出され
たズレ量に対応した信号が用いられるのが一般的であ
る。
【0006】ただし、これまで、このように検出された
それぞれのズレ量の信号は、それぞれ独立に処理され
て、独立に駆動可能に設けられたフォーカス駆動コイル
もしくはトラック駆動コイルに入力されて制御されてい
る。
【0007】しかしながら、昨今の情報記録密度の向上
に伴い、トラック密度も高くなっており、対物レンズを
位置決めすべき精度が非常に高くなってきている。
【0008】この精度の観点で、上述したフォーカス動
作及びトラッキング動作を見ると、それぞれの駆動コイ
ルに入力された信号で対物レンズ保持体が厳密には独立
に駆動されているとは言えない。すなわち、この対物レ
ンズ保持体は、フォーカス方向及びトラック方向に独立
に駆動されるように構成されるが、対物レンズ保持体の
支持方式に依存して両方向に干渉しながら駆動されるモ
ードを持つことが知られており、このモードが両方向の
干渉運動として悪影響を与えるのである。
【0009】以下、実際の対物レンズ駆動装置の構成に
ついて説明する。
【0010】図4の(a)に示したような軸摺動型の対
物レンズ駆動装置111では、対物レンズ保持体110
は、磁性材で形成されたベースの上面中央部に埋設され
た軸103に対して摺動することで対物レンズ101を
フォーカス方向に変位させるとともに、回転することで
対物レンズ101をトラッキング方向に変位させる。
【0011】すなわち、対物レンズ保持体110は、軸
103と嵌合して軸103とで滑り軸受け機構を構成す
る軸受け部102を介して軸方向に滑り自在で、かつ軸
回りに回転自在に装着されている。対物レンズ101
は、対物レンズ保持体110の上面に設けられる。
【0012】また、この対物レンズ保持体110は、コ
イルボビンとしても利用されている。対物レンズ保持体
110の外周には、軸方向の位置を制御するためのフォ
ーカシングコイル105と軸回り方向の位置を制御する
ためのトラッキングコイル106とが固定されている。
【0013】また、磁気回路は、ベースの上面で対物レ
ンズ保持体110筒部の内面と対向する位置に筒部内に
非接触に嵌入するように2本の内側ヨークを軸を中心に
して対称に突設して設けられる。さらに、筒部の外側に
は、内側ヨークの外面と対向する関係になるようにそれ
ぞれ外側ヨーク104、109が配置され、これら内側
及び外側ヨーク104,109とベースの上面との間に
軸方向に着磁された永久磁石107、108を介在させ
て構成している。
【0014】このように構成された対物レンズ駆動装置
は、フォーカシングコイル105への通電制御に伴う電
磁力によって対物レンズ保持体110の位置をY軸方向
に変化させ、これによってフォーカシング制御を行うと
ともに、トラッキングコイルへ106の通電制御に伴う
電磁力によって対物レンズ保持体110の位置をX軸方
向に回動させ、これによってトラッキング制御を行う。
そして、これらの通電制御は、それぞれ独立なサーボ系
で行われている。
【0015】なお、トラッキングコイル106及びフォ
ーカシングコイル105が固定される対物レンズ保持体
110の外周には、鉄片などの磁性体で形成された小さ
なプレートが配置されており、各コイル及び永久磁石1
07,108の間で形成される磁気回路の作用を利用し
て、対物レンズ保持体110が支持軸103に確実に摺
動するように、支持軸103の軸方向と垂直な方向に予
圧力を発生させている。
【0016】支持軸103に対する摺動動作を行わせる
ためには、この予圧力が必要である。しかしながら、こ
の予圧力によって発生する摩擦力は、対物レンズ保持体
110の微小変位を不可能にするような悪影響を生むも
のである。
【0017】前述したように、非常に高い周波数帯域を
持つ位置決め制御では、ナノメータオーダの変位を線形
に行う対物レンズ駆動装置が要求されている。しかしな
がら、摩擦などの非線型要素があると摺動によってこの
オーダの変位を実現することはできない。この軸摺動型
の対物レンズ駆動装置では、このオーダの変位は、軸受
け部102の弾性変形ないしは予圧力による軸受け接触
点を中心にした対物レンズ保持体110の揺動運動によ
って実現されている。
【0018】そして、このような対物レンズ保持体11
0の揺動には、フォーカス方向及びトラック方向の両方
向の干渉モードとして揺動するモードが存在し、対物レ
ンズ101を両方向に同時に変位させてしまうことが避
けられない。
【0019】これらの揺動モードの悪影響を位置決め制
御の観点からみると、対物レンズ駆動装置のフォーカス
駆動特性乃至はトラック駆動特性での周波数応答におけ
る位相乱れとして観測される。この位相特性において、
位相が大きく遅れると位置決め制御の位相余裕を小さく
して不安定にする可能性があり、また位相が進んでもゲ
インが持ち上げられる結果となって、揺動モードの周波
数によってはゲイン余裕がなくなって不安定になる可能
性がある。
【0020】図5のような周波数特性の揺動モードが存
在したときのトラック駆動特性を図6に示す。この場合
には、位相が遅れるように作用し、位相余裕を小さくす
る悪影響を持っているといえる。
【0021】この揺動モードの周波数は、軸受け部10
2の材料特性などに依存して決まる値であり、数kHz
のオーダ、具体的には3〜5kHz程度に設けられる制
御帯域近傍の周波数領域に存在している。このためなん
らかの手段で抑圧しなければ、安定な制御を行うことが
困難である。
【0022】また、軸摺動型の対物レンズ駆動装置以外
の対物レンズ装置では、たとえば図4の(b)に示すよ
うなワイヤ112で対物レンズ101などが支持された
場合でも、微小変位させる際にワイヤ112で支持され
た支持点近傍を中心として揺動するモードが存在する。
この揺動モードは、上述した軸摺動型対物レンズ駆動装
置と同様の影響を対物レンズ101の位置決め制御系に
悪影響を与えるため、この揺動モードの抑圧も対物レン
ズ駆動装置の構成いかんに関わらず、共通の課題であっ
た。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の対物レンズ駆動装置では、フォーカス方向及びトラッ
ク方向をまったく独立に制御するように構成されていた
ため、記録密度が向上した場合には、支持系の独立性は
必要な精度を満足できなくなり、干渉成分が発生するこ
とを意識せざるを得ない。
【0024】たとえば、対物レンズ駆動装置の一例にお
ける軸摺動型対物レンズ駆動装置では、穴が嵌合してい
る支持軸と穴の当たり位置で摩擦力が発生する。この摩
擦力のため、フォーカス方向及びトラック方向を独立に
駆動することができない。対物レンズを微小変位する場
合には、軸と穴との接触点を中心とした揺動動作が発生
する。
【0025】しかしながら、この揺動動作は、フォーカ
ス方向とトラック方向とに干渉しながら発生することが
あるため、この干渉モードは、位置決め制御系の位相特
性に悪影響を与える可能性がある。また、この影響は、
対物レンズの駆動を精密に行おうとすればするほど相対
的に大きくなるものである。
【0026】このように、従来の対物レンズ駆動装置で
は、現在ないし将来的に求められる高密度記録を実現す
る場合に、各方向の干渉による悪影響を抑制することが
できず、対物レンズの位置決め精度を向上させることが
困難である。
【0027】この発明は、上記問題点に鑑みなされたも
のであって、その目的は、記録密度が向上した場合で
も、対物レンズを高精度な位置決め動作を実現できる対
物レンズ駆動装置を内蔵した光ディスク装置及びこの光
ディスク装置に適用される調整方法を提供することにあ
る。
【0028】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し目的を
達成するために、請求項1に記載の光ディスク装置は、
光ディスクに向けてビームを集光する対物レンズと、前
記対物レンズを保持して前記対物レンズに入射される光
の光軸方向及びこの光軸に垂直な方向に駆動可能に支持
された対物レンズ保持体と、前記対物レンズ保持体を前
記光軸方向に駆動するためのフォーカシングコイルと、
前記対物レンズ保持体を前記光軸に垂直な方向に駆動す
るためのトラッキングコイルと、前記対物レンズ保持体
の前記光軸方向の変位を検出するフォーカス検出手段
と、前記対物レンズ保持体の前記光軸に垂直な方向の変
位を検出するトラック検出手段と、前記フォーカス検出
手段及び前記トラック検出手段によって検出された検出
信号の少なくとも一方を演算処理して前記フォーカシン
グコイル及び前記トラッキングコイルの両方に制御信号
を出力する制御手段と、前記検出信号に外乱成分が混入
したと判断した場合に一時的に前記制御手段の機能を制
限する判断手段と、を備えたことを特徴とする。
【0029】請求項2に記載の光ディスク装置は、情報
の記録または再生が可能なランドトラック及びグルーブ
トラックを有する光ディスクに向けてビームを集光する
対物レンズと、前記対物レンズを保持して前記対物レン
ズに入射される光の光軸方向及びこの光軸に垂直な方向
に駆動可能に支持された対物レンズ保持体と、前記対物
レンズ保持体を前記光軸方向に駆動するためのフォーカ
シングコイルと、前記対物レンズ保持体を前記光軸に垂
直な方向に駆動するためのトラッキングコイルと、前記
対物レンズ保持体の前記光軸方向の変位を検出するフォ
ーカス検出手段と、前記対物レンズ保持体の前記光軸に
垂直な方向の変位を検出するトラック検出手段と、前記
フォーカス検出手段及び前記トラック検出手段によって
検出された検出信号の少なくとも一方を演算処理して前
記フォーカシングコイル及び前記トラッキングコイルの
両方に制御信号を出力する制御手段と、所定周波数の外
乱成分を発生し、前記検出信号に加算する外乱発生手段
と、前記外乱成分を加算した前記検出信号に対する応答
信号の位相と、加算した外乱成分の位相との位相差を、
前記ランドトラックをトラック制御している場合及び前
記グルーブトラックをトラック制御している場合でそれ
ぞれ検出する位相差検出手段と、を備えたことを特徴と
する。
【0030】請求項16に記載の光ディスク装置は、光
ディスクに向けてビームを集光する対物レンズと、前記
対物レンズを保持して前記対物レンズに入射される光の
光軸方向及びこの光軸に垂直な方向に駆動可能に支持さ
れた対物レンズ保持体と、前記対物レンズ保持体を前記
光軸方向に駆動するためのフォーカシングコイルと、前
記対物レンズ保持体を前記光軸に垂直な方向に駆動する
ためのトラッキングコイルと、前記対物レンズ保持体の
前記光軸方向の変位を検出するフォーカス検出手段と、
前記対物レンズ保持体の前記光軸に垂直な方向の変位を
検出するトラック検出手段と、前記フォーカス検出手段
によって検出された検出信号を演算処理して前記フォー
カシングコイルにフォーカス制御信号を出力するフォー
カス制御手段と、前記トラック検出手段によって検出さ
れた検出信号を所定の補償係数に基づいて演算処理して
前記トラッキングコイルにトラック制御信号を出力する
トラック制御手段と、前記トラック制御手段から出力さ
れた前記トラック制御信号を演算処理して前記フォーカ
ス制御信号に加算する補償手段と、所定周波数の外乱成
分を発生し、前記トラック検出手段によって検出された
前記検出信号に加算する外乱発生手段と、前記トラック
検出手段からの出力信号の振幅と、前記外乱発生手段に
より発生された前記外乱成分の振幅とを比較するゲイン
比較手段と、前記ゲイン比較手段による比較結果に応じ
て前記補償手段における演算処理の補償係数を調整する
調整手段と、を備えたことを特徴とする。
【0031】請求項17に記載の光ディスク装置は、光
ディスクに向けてビームを集光する対物レンズと、前記
対物レンズを保持して前記対物レンズに入射される光の
光軸方向及びこの光軸に垂直な方向に駆動可能に支持さ
れた対物レンズ保持体と、前記対物レンズ保持体を前記
光軸方向に駆動するためのフォーカシングコイルと、前
記対物レンズ保持体を前記光軸に垂直な方向に駆動する
ためのトラッキングコイルと、前記対物レンズ保持体の
前記光軸方向の変位を検出するフォーカス検出手段と、
前記対物レンズ保持体の前記光軸に垂直な方向の変位を
検出するトラック検出手段と、前記フォーカス検出手段
によって検出された検出信号を演算処理して前記フォー
カシングコイルにフォーカス制御信号を出力するフォー
カス制御手段と、前記トラック検出手段によって検出さ
れた検出信号を所定の補償係数に基づいて演算処理して
前記トラッキングコイルにトラック制御信号を出力する
トラック制御手段と、前記トラック制御手段から出力さ
れた前記トラック制御信号を演算処理して前記フォーカ
ス制御信号に加算する補償手段と、所定周波数の外乱成
分を発生し、前記トラック検出手段によって検出された
前記検出信号に加算する外乱発生手段と、前記トラック
検出手段からの出力信号の位相と、前記外乱発生手段に
より発生された前記外乱成分の位相とを比較する位相比
較手段と、前記位相比較手段による比較結果に応じて前
記補償手段における演算処理の補償係数を調整する調整
手段と、を備えたことを特徴とする。
【0032】請求項18に記載の光ディスク装置の調整
方法は、情報の記録または再生が可能なランドトラック
及びグルーブトラックを有する光ディスクに向けてビー
ムを集光する対物レンズと、前記対物レンズを保持して
前記対物レンズに入射される光の光軸方向及びこの光軸
に垂直な方向に駆動可能に支持された対物レンズ保持体
と、前記対物レンズ保持体を前記光軸方向に駆動するた
めのフォーカシングコイルと、前記対物レンズ保持体を
前記光軸に垂直な方向に駆動するためのトラッキングコ
イルと、前記対物レンズ保持体の前記光軸方向の変位を
検出するフォーカス検出手段と、前記対物レンズ保持体
の前記光軸に垂直な方向の変位を検出するトラック検出
手段と、前記フォーカス検出手段及び前記トラック検出
手段によって検出された検出信号の少なくとも一方を演
算処理して前記フォーカシングコイル及び前記トラッキ
ングコイルの両方に制御信号を出力する制御手段と、を
備えた光ディスク装置の調整方法であって、所定周波数
の外乱成分を発生し、発生した外乱成分を前記検出信号
に加算し、前記外乱成分を加算した前記検出信号に対す
る応答信号の位相と、加算した外乱成分の位相との位相
差を、前記ランドトラックをトラック制御している場合
及び前記グルーブトラックをトラック制御している場合
でそれぞれ検出し、ランドトラックをトラック制御して
いる場合の位相差と、グルーブトラックをトラック制御
している場合の位相差との差分値が所定の値以下となる
ように前記制御手段における演算処理のパラメータを設
定する、ことを特徴とする。
【0033】請求項19に記載の光ディスク装置の調整
方法は、光ディスクに向けてビームを集光する対物レン
ズと、前記対物レンズを保持して前記対物レンズに入射
される光の光軸方向及びこの光軸に垂直な方向に駆動可
能に支持された対物レンズ保持体と、前記対物レンズ保
持体を前記光軸方向に駆動するためのフォーカシングコ
イルと、前記対物レンズ保持体を前記光軸に垂直な方向
に駆動するためのトラッキングコイルと、前記対物レン
ズ保持体の前記光軸方向の変位を検出するフォーカス検
出手段と、前記対物レンズ保持体の前記光軸に垂直な方
向の変位を検出するトラック検出手段と、前記フォーカ
ス検出手段によって検出された検出信号を演算処理して
前記フォーカシングコイルにフォーカス制御信号を出力
するフォーカス制御手段と、前記トラック検出手段によ
って検出された検出信号を所定の補償係数に基づいて演
算処理して前記トラッキングコイルにトラック制御信号
を出力するトラック制御手段と、前記トラック制御手段
から出力された前記トラック制御信号を演算処理して前
記フォーカス制御信号に加算する補償手段と、を備えた
光ディスク装置の調整方法であって、所定周波数の外乱
成分を発生し、前記トラック検出手段によって検出され
た前記検出信号に加算し、前記トラック検出手段からの
出力信号の振幅と、前記外乱発生手段により発生された
前記外乱成分の振幅とを比較し、前記比較結果に応じて
前記補償手段における演算処理の補償係数を調整する、
ことを特徴とする。
【0034】請求項20に記載の光ディスクの調整方法
は、光ディスクに向けてビームを集光する対物レンズ
と、前記対物レンズを保持して前記対物レンズに入射さ
れる光の光軸方向及びこの光軸に垂直な方向に駆動可能
に支持された対物レンズ保持体と、前記対物レンズ保持
体を前記光軸方向に駆動するためのフォーカシングコイ
ルと、前記対物レンズ保持体を前記光軸に垂直な方向に
駆動するためのトラッキングコイルと、前記対物レンズ
保持体の前記光軸方向の変位を検出するフォーカス検出
手段と、前記対物レンズ保持体の前記光軸に垂直な方向
の変位を検出するトラック検出手段と、前記フォーカス
検出手段によって検出された検出信号を演算処理して前
記フォーカシングコイルにフォーカス制御信号を出力す
るフォーカス制御手段と、前記トラック検出手段によっ
て検出された検出信号を所定の補償係数に基づいて演算
処理して前記トラッキングコイルにトラック制御信号を
出力するトラック制御手段と、前記トラック制御手段か
ら出力された前記トラック制御信号を演算処理して前記
フォーカス制御信号に加算する補償手段と、を備えた光
ディスク装置の調整方法であって、所定周波数の外乱成
分を発生し、前記トラック検出手段によって検出された
前記検出信号に加算し、前記トラック検出手段からの出
力信号の位相と、前記外乱発生手段により発生された前
記外乱成分の位相とを比較し、前記比較結果に応じて前
記補償手段における演算処理の補償係数を調整する、こ
とを特徴とする。
【0035】この発明の光ディスク装置及びこの光ディ
スク装置に適用される調整方法によれば、より広い周波
数帯域にわたったフォーカス方向とトラック方向との制
御を行う上で、互いに異なる方向からの干渉成分を含め
た対物レンズの位置決め制御を行うことにより、記録密
度が向上した場合であっても高精度な位置決め動作を実
現することができる。
【0036】すなわち、フォーカス方向とトラック方向
との両方向に同時に発生する干渉モードの影響を除去し
て、対物レンズ保持体をフォーカス方向とトラック方向
とに独立に変位するように制御することで、対物レンズ
がトラック方向及びフォーカス方向に変位した場合であ
っても、トラッキング特性及びフォーカシング特性を大
幅に変化させることなく、安定な駆動特性を得ることが
できる。
【0037】また、この発明によれば、フォーカス系ま
たはトラック系を制御するための信号に、特定の外乱信
号、例えばジャンプ指令などの意図的な外乱信号や、ヘ
ッダ信号などの意図しない外乱信号が入力された時に
は、制御手段または補償手段による補償制御を一時的に
不適用とするため、不要な外乱信号が制御系に混入して
不安定動作を誘発することを防止することができ、補償
制御を確実に行うことができる。
【0038】さらに、この発明によれば、この補償制御
は、位置決め制御時に行われるが、この補償制御を開始
するタイミングを、シークによる目標トラック到達後の
適切なタイミング、すなわち、目標トラックへシークし
引込み動作を完了した直後とすることで、迅速に安定し
たトラック制御及びフォーカス制御を実現することがで
き、制御の安定性を確保することができる。
【0039】また、この発明によれば、補償制御のため
のパラメータを適切に調整することができ、補償制御を
効果的に行うことができる。すなわち、パラメータは、
個々の光ディスク装置で微妙に条件が異なることが予想
されるため、ここに適切に設定される必要がある。例え
ば、個々の光ディスク装置に内蔵されるアクチュエータ
特性のばらつきや経時変化に対して、適切にパラメータ
を設定する場合、所定の周波数成分の外乱信号を発生さ
せ、制御ループに混入させる制御系ループ特性測定によ
って、位相比較を行って決定し、個々のアクチュエータ
条件に適したパラメータを設定可能とすることができ
る。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、この発明の光ディスク装置
及びこの光ディスク装置に適用される調整方法の一実施
の形態について図面を参照して説明する。
【0041】図1は、この発明の光ディスク装置の構成
の一例を概略的に示す図である。
【0042】図1に示すように、この光ディスク装置
は、情報の記録または再生が可能なランドトラック及び
グルーブトラックを有する光ディスク1が装填されて所
定の回転数で回転するディスクモータ2と、光ディスク
1に向けて光源からのビームを集光する対物レンズ3
と、この対物レンズ3をその光軸に平行なフォーカス方
向及びフォーカス方向に垂直なディスク半径方向すなわ
ちトラック方向に駆動する対物レンズ駆動装置100
と、を備えている。
【0043】対物レンズ駆動装置100は、対物レンズ
保持体16をフォーカス方向及びトラック方向に駆動す
る駆動機構を備えた光学ヘッド4と、光学ヘッド4を光
ディスク1の半径方向に駆動する粗位置決め機構15
と、を備えている。粗位置決め機構15は、送りモータ
15A及び送りねじ15Bによって構成されている。
【0044】次に、この発明の光ディスク装置に適用さ
れる第1の実施の形態について説明する。
【0045】図2及び図3は、この発明の第1の実施の
形態を示す図である。
【0046】図2に示すように、光ディスク装置は、対
物レンズ3、光学ヘッド4、立ち上げミラー5、光検出
器6、和差演算回路7、フォーカスエラー信号用アンプ
8、トラッキングエラー信号用アンプ9、フォーカス制
御回路10、トラッキング制御回路11、干渉モード補
償回路12、フォーカス方向駆動コイル(フォーカシン
グコイル)13、トラック方向駆動コイル(トラッキン
グコイル)14、粗位置決め機構15、対物レンズ保持
体16、及び出力判断回路20を備えて構成されてい
る。
【0047】光検出器6、和差演算回路7、及びフォー
カスエラー信号用アンプ8は、対物レンズ保持体16の
フォーカス方向の変位を検出するフォーカス検出手段と
して機能する。また、光検出器6、和差演算回路7、及
びトラックエラー信号用アンプ9は、対物レンズ保持体
16のトラック方向の変位を検出するトラック検出手段
として機能する。
【0048】フォーカス方向駆動コイル13は、対物レ
ンズ保持体16をフォーカス方向に駆動する。トラック
方向駆動コイル14は、対物レンズ保持体16をトラッ
ク方向に駆動する。
【0049】フォーカス制御回路10、トラッキング制
御回路11、及び干渉モード補償回路12は、フォーカ
スエラー信号用アンプ8及びトラックエラー信号用アン
プ9から出力された出力信号の少なくとも一方を演算処
理してフォーカス方向駆動コイル13及びトラック方向
駆動コイル14の両方に制御信号を出力する制御手段と
して機能する。
【0050】出力判断回路20は、フォーカスエラー信
号用アンプ8及びトラックエラー信号用アンプ9から出
力された出力信号に外乱成分が混入したと判断した場合
に一時的に制御手段の機能を制限する判断手段として機
能する。
【0051】フォーカス制御回路10は、フォーカスエ
ラー信号用アンプ8からの出力信号を演算処理してフォ
ーカス方向駆動コイル13にフォーカス制御信号を出力
するフォーカス制御手段として機能する。トラッキング
制御回路11は、トラックエラー信号用アンプ9からの
出力信号を演算処理してトラック方向駆動コイル14に
トラック制御信号を出力するトラック制御手段として機
能する。
【0052】この第1の実施の形態では、干渉モード補
償回路12は、トラッキング制御回路11から出力され
たトラック制御信号を演算処理してフォーカス制御信号
に加算する補償手段として機能する。
【0053】図2に示すように、光ディスク1と対物レ
ンズ3とは微小間隔離れて配置されている。対物レンズ
3は、対物レンズ保持体16に保持されている。対物レ
ンズ保持体16の近傍には、フォーカス方向駆動コイル
13及びトラック方向駆動コイル14が配置されてい
る。
【0054】光学ヘッド4は、対物レンズ3、対物レン
ズ保持体16、フォーカス方向駆動コイル13、トラッ
ク方向駆動コイル14、及び立ち上げミラー5によって
構成されている。光学ヘッド4には、対物レンズ3(対
物レンズ保持体16もしくは光学ヘッド4)の粗位置を
決めるための粗位置決め機構15と光検出器6とが設け
られている。
【0055】対物レンズ3によって光ディスク1に入射
された光は、回転している光ディスク1の情報記録面で
反射され、再び対物レンズ3を通って立ち上げミラー5
で反射された後、光検出器6に入力される。この光検出
器6は、分割された複数のセルからなり、これらのセル
から入力される光の強度に対応した信号が和差演算回路
7に出力される。和差演算回路7に入力された信号は、
和差演算回路7内で演算されて、焦点ずれに相当するフ
ォーカスエラー信号と、目標トラックに対するトラック
方向の位置ずれ量に相当するトラッキングエラー信号と
に分配される。
【0056】フォーカスエラー信号は、フォーカスエラ
ー信号用アンプ8に出力される。このフォーカスエラー
信号は、フォーカスエラー信号用アンプ8で増幅された
後、フォーカス制御回路10に入力される。
【0057】トラッキングエラー信号は、トラッキング
エラー信号用アンプ9に出力される。このトラッキング
エラー信号は、トラッキングエラー信号用アンプ9で増
幅された後、トラッキング制御回路11に入力される。
【0058】トラッキング制御回路11では、トラッキ
ングエラー信号用アンプ9から出力されたトラッキング
エラー信号に基づいて、トラック制御信号としての粗位
置決め駆動信号と精位置決め駆動信号とが演算される。
【0059】粗位置決め駆動信号は、粗位置決め機構1
5に入力される。この粗位置決め駆動信号は、1kHz
以下の周波数成分の信号を主に含んだ駆動信号である。
トラック制御信号としての精位置決め駆動信号は、精位
置決め機構である対物レンズ駆動装置100のトラック
方向駆動コイル14に入力されると同時に干渉モード補
償回路12に入力される。この精位置決め駆動信号は、
5kHz程度までの高周波成分を主に含んだ駆動信号で
ある。
【0060】粗位置決め駆動信号に基づいて粗位置決め
機構15によって光学ヘッド4の光ディスク1に対する
粗位置決め動作がなされる。また、精位置決め駆動信号
に基づいてトラック方向駆動コイル14によって対物レ
ンズ3(対物レンズ保持体16)を目標トラックに位置
決めする動作がなされる。
【0061】一方、フォーカス制御回路10では、フォ
ーカスエラー信号用アンプ8から出力されたフォーカス
エラー信号に基づいて、フォーカス制御信号としてのフ
ォーカス駆動信号が演算される。フォーカス制御回路1
0から出力されたフォーカス駆動信号は、対物レンズ駆
動装置100のフォーカス方向駆動コイル13に入力さ
れ、対物レンズ3を光ディスク1に対して垂直方向に位
置決めするような動作が行われ、光ディスク1の情報記
録面に形成される光学スポットの焦点合わせが行われ
る。
【0062】さてここで、トラック方向駆動コイル14
へ入力される駆動信号によって対物レンズ3が揺動する
おそれがあるため、この動きをキャンセルするために干
渉モード補償回路12からフォーカス方向駆動コイル1
3に入力される駆動信号が演算される。
【0063】より詳しくは、この干渉モード補償回路1
2では、トラック方向駆動コイル14への精位置決め駆
動信号によって発生する揺動モードを、フォーカス方向
駆動コイル13への駆動信号を入力することで相殺する
ような演算がなされる。この演算された駆動信号は、周
波数特性を含んだ演算によって行われている。演算され
た駆動信号は、フォーカス制御回路10から出力された
フォーカス方向駆動信号に加算され、フォーカス方向駆
動コイル13に入力される。
【0064】フォーカス方向駆動コイル13は、入力さ
れた駆動信号に基づいて目標位置で焦点合わせ動作を行
う。
【0065】干渉モード補償回路12の動作について、
図3の揺動モードの影響の説明図を参照して説明する。
【0066】この干渉モード補償回路12での演算は、
対物レンズ3(対物レンズ保持体16)の揺動モードが
トラック方向駆動特性及びフォーカス方向駆動特性に与
える影響を鑑みてなされる。ここで、揺動モードが各駆
動特性に与える影響は、図3のように考えられる。
【0067】すなわち、図3に示したように、トラック
方向駆動コイル14への駆動信号の入力によって発生す
る揺動モードへの影響の大きさαt、フォーカス方向駆
動コイル13への駆動信号の入力によって発生する揺動
モードへの影響の大きさαf、及び揺動モードの振動が
フォーカス方向及びトラック方向の変位として光検出器
6で検出される影響係数βt、βfとすれば、これらの
4つのパラメータが揺動モードの影響を決定しているこ
とになる。
【0068】干渉モード補償回路12での演算は、これ
ら4つのパラメータに基づいて、周波数特性をもつよう
に演算が行われる。一般に、揺動モードの周波数特性
は、数kHzオーダと非常に高いため、揺動モードの周
波数近傍を通過させるバンドパス特性、またはハイパス
特性を持つことが好ましい。
【0069】結果的には、制御帯域近傍の揺動モードの
影響が大きいため、干渉モード補償回路12での通過周
波数は、制御帯域近傍の周波数、たとえば1kHz〜1
0kHz程度の周波数となる。
【0070】このときの通過周波数領域でのゲインG1
を、 G1=(−αt/αf)×K……(1) なる関係をもたせることによって、揺動モードの励起を
抑圧することが可能である。なお、ここで、Kは、後述
するランドトラッキングとグルーブトラッキングの極性
に応じて0≦K≦1、または、−1≦K≦1となる。
【0071】また場合によっては、オールパス特性を持
たせるために、つまり所定の値を乗算する演算であって
も構わない。この場合には、所定の値は、式(1)に示
した値近傍に設定すればよい。
【0072】ところで、和差演算回路7によって演算さ
れたフォーカスエラー信号またはトラッキングエラー信
号に、特定の外乱信号が混入している場合、この外乱信
号の混入状態は、出力判断回路20によって判断され
る。
【0073】すなわち、出力判断回路20には、フォー
カスエラー信号用アンプ8から出力されたフォーカスエ
ラー信号、及び、トラッキングエラー信号用アンプ9か
ら出力されたトラッキングエラー信号が入力される。出
力判断回路20は、入力されたこれらフォーカスエラー
信号及びトラッキングエラー信号に外乱信号が混入して
いるか否かを判断する。
【0074】出力判断回路20は、これらフォーカスエ
ラー信号及びトラッキングエラー信号に外乱信号が混入
していると判断し、干渉モード補償回路12によるトラ
ック制御信号のフォーカス制御信号への加算、すなわ
ち、干渉モード補償回路12からの出力信号をフォーカ
ス方向駆動コイル13の入力として加算すると悪影響が
あると判断した場合には、この干渉モード補償回路12
によるフォーカス制御信号への出力信号の加算動作を一
時的に中断する。この中断動作中は、中断前の直前の値
をホールドする構成としてホールド値を加算しつづけて
も構わないし、一切加算を行わない、すなわち干渉モー
ド補償回路12の出力をゼロとする構成としても構わな
い。
【0075】ここでの外乱信号とは、例えばトラッキン
グエラー信号に混入するヘッダ信号や、トラックジャン
プを行う際のジャンプ信号などであり、極短時間で整定
するもの、あるいは定期的に混入するため事前に予測が
立てられるものである。特に、事前に予想が行える定期
的外乱信号については、定期的な予測に基づいて出力判
断回路20を動作させることで、安定した補償制御が可
能となる。
【0076】以上述べたような第1の実施の形態によれ
ば、トラッキング制御回路11から出力されるトラック
制御信号をフォーカス制御回路10から出力されるフォ
ーカス制御信号に加算することにより、トラック方向駆
動コイル14に入力されるトラック制御信号によって対
物レンズ3が揺動する動きを、フォーカス方向駆動コイ
ル13に入力されるフォーカス制御信号によって抑制す
るような補償を行う。これにより、対物レンズ3の揺動
をなくし、記録密度が向上した場合であっても高精度な
対物レンズ3の位置決めを行うことができる。
【0077】次に、この発明の光ディスク装置に適用さ
れる第2の実施の形態について説明する。
【0078】図7は、この発明の第2の実施の形態を示
す図である。
【0079】なお、以下の各実施の形態において同一構
成要素には同一の参照符号を付して詳細な説明を省略す
る。
【0080】この第2の実施の形態の特徴は、対物レン
ズ3の揺動を抑制するために、フォーカス制御回路10
から出力されたフォーカス制御信号を用いてトラック方
向駆動コイル14を動作させることである。
【0081】すなわち、この第2の実施の形態では、図
7に示すように、干渉モード補償回路12は、フォーカ
ス制御回路10から出力されたフォーカス制御信号を演
算処理してトラック制御信号に加算する補償手段として
機能する。
【0082】干渉モード補償回路12に入力される駆動
信号としては、フォーカス制御回路10から出力された
フォーカス制御信号であり、干渉モード補償回路12内
で演算された対物レンズ3の揺動を抑制する駆動信号
は、トラッキング制御回路11からの駆動信号に加算さ
れてトラック方向駆動コイル14に入力される。その他
の構成及び動作は、第1の実施の形態と同一である。
【0083】この場合、干渉モード補償回路12では、
上述した第1の実施の形態と同様な演算が行われるが、
通過周波数領域でのゲインG2は、 G2=(−αf/αt)×K……(2) なる関係をもって設定すれば良好な動作を行うことがで
きる。
【0084】このとき、出力判断回路20は、上述した
第1の実施の形態と同様に、フォーカスエラー信号用ア
ンプ8から出力されたフォーカスエラー信号、及び、ト
ラッキングエラー信号用アンプ9から出力されたトラッ
キングエラー信号に外乱信号が混入したと判断した場合
には、干渉モード補償回路12によるフォーカス制御信
号のトラック制御信号への加算動作を一時的に中断す
る。
【0085】以上述べたような第2の実施の形態によれ
ば、フォーカス制御回路10から出力されるフォーカス
制御信号をトラッキング制御回路11から出力されるト
ラック制御信号に加算することにより、フォーカス方向
駆動コイル13に入力されるフォーカス制御信号によっ
て対物レンズ3が揺動する動きを、トラック方向駆動コ
イル14に入力されるトラック制御信号によって抑制す
るような補償を行う。これにより、対物レンズ3の揺動
をなくし、記録密度が向上した場合であっても高精度な
対物レンズ3の位置決めを行うことができる。
【0086】次に、この発明の光ディスク装置に適用さ
れる第3の実施の形態について説明する。
【0087】図8は、この発明の第3の実施の形態を示
す図である。
【0088】この第3の実施の形態の特徴は、対物レン
ズ3の揺動を抑制するために、トラッキング制御回路1
1から出力されたトラック制御信号を用いてフォーカス
方向駆動コイル13を動作させるとともに、フォーカス
制御回路10から出力されたフォーカス制御信号を用い
てトラック方向駆動コイル14を動作させることであ
る。
【0089】すなわち、この第3の実施の形態では、図
8に示すように、干渉モード補償回路12は、トラック
制御回路11から出力されたトラック制御信号を演算処
理してフォーカス制御信号に加算するとともに、フォー
カス制御回路10から出力されたフォーカス制御信号を
演算処理してトラック制御信号に加算する補償手段とし
て機能する。
【0090】干渉モード補償回路12に入力される駆動
信号としては、フォーカス制御回路10から出力された
フォーカス制御信号及びトラッキング制御回路11から
出力されたトラック制御信号であり、干渉モード補償回
路12内で対物レンズ3の揺動を抑制する駆動信号が演
算によって求められる。
【0091】フォーカス制御回路10から出力されたフ
ォーカス制御信号に基づいて演算された揺動を抑制する
ための駆動信号は、トラッキング制御回路11から出力
されたトラック制御信号に加算されてトラック方向駆動
コイル14に入力される。
【0092】また、トラッキング制御回路11から出力
されたトラック制御信号に基づいて演算された揺動を抑
制するための駆動信号は、フォーカス制御回路10から
出力されたフォーカス制御信号に加算されてフォーカス
方向駆動コイル13に入力される。
【0093】その他の構成及び動作は、第1の実施の形
態と同一である。
【0094】このとき、出力判断回路20は、上述した
第1の実施の形態と同様に、フォーカスエラー信号用ア
ンプ8から出力されたフォーカスエラー信号、及び、ト
ラッキングエラー信号用アンプ9から出力されたトラッ
キングエラー信号に外乱信号が混入したと判断した場合
には、干渉モード補償回路12によるフォーカス制御信
号のトラック制御信号への加算動作及びトラック制御信
号のフォーカス制御信号への加算動作を一時的に中断す
る。
【0095】以上述べたような第3の実施の形態によれ
ば、揺動モードの励起を抑制するように演算することに
よって求められた駆動信号、すなわちフォーカス制御回
路13から出力されるフォーカス制御信号をトラッキン
グ制御回路11から出力されるトラック制御信号に加算
するとともに、トラック制御回路11から出力されるト
ラック制御信号をフォーカス制御回路10から出力され
るフォーカス制御信号に加算することにより、対物レン
ズ3が揺動する動きを抑制するような補償を行うことが
できる。これにより、対物レンズ3の揺動をなくし、記
録密度が向上した場合であっても高精度な対物レンズ3
の位置決めを行うことができる。
【0096】次に、この発明の光ディスク装置に適用さ
れる第4の実施の形態について説明する。
【0097】図9は、この発明の第4の実施の形態を示
す図である。
【0098】この第4の実施の形態の特徴は、フォーカ
シングエラー信号用アンプ8から出力されたフォーカシ
ングエラー信号及びトラッキングエラー信号用アンプ9
から出力されたトラッキングエラー信号が直接干渉モー
ド補償回路12に入力されていることである。
【0099】すなわち、この第4の実施の形態では、図
9に示すように、干渉モード補償回路12は、トラッキ
ングエラー信号用アンプ9から出力されたトラックエラ
ー信号を演算処理してフォーカス制御回路10から出力
されたフォーカス制御信号に加算するとともに、フォー
カシングエラー信号用アンプ8から出力されたフォーカ
シングエラー信号を演算処理してトラッキング制御回路
11から出力されたトラック制御信号に加算する補償手
段として機能する。
【0100】図9に示すように、フォーカシングエラー
信号用アンプ8から出力されたフォーカシングエラー信
号は、フォーカス制御回路10及び干渉モード補償回路
12に出力される。トラッキングエラー信号用アンプ9
から出力されたトラックエラー信号は、トラッキング制
御回路11及び干渉モード補償回路12に出力される。
【0101】干渉モード補償回路12では、入力された
フォーカシングエラー信号及びトラックエラー信号に基
づいて、対物レンズ3の揺動を抑制するような駆動信号
が演算される。
【0102】すなわち、フォーカシングエラー信号に基
づいて演算された駆動信号は、トラッキング制御回路1
1から出力されたトラック制御信号に加算されてトラッ
ク方向駆動コイル14に入力される。
【0103】また、トラックエラー信号に基づいて演算
された駆動信号は、フォーカス制御回路10から出力さ
れたフォーカス制御信号に加算されてフォーカス方向駆
動コイル13に入力される。
【0104】なお、上記フォーカシングエラー信号に基
づく演算は、フォーカシングエラー信号に式(1)のゲ
インを乗算した後、フォーカス制御回路10と同一の位
相補償を行う演算であっても構わない。このように構成
すると、フォーカス制御回路10と同一の位相補償の演
算部分は、フォーカス制御回路10と兼用することが可
能である。
【0105】その他の構成及び動作は、第1の実施の形
態と同一である。
【0106】このとき、出力判断回路20は、上述した
第1の実施の形態と同様に、フォーカスエラー信号用ア
ンプ8から出力されたフォーカスエラー信号、及び、ト
ラッキングエラー信号用アンプ9から出力されたトラッ
キングエラー信号に外乱信号が混入したと判断した場合
には、干渉モード補償回路12による揺動モードを抑制
する駆動信号のトラック制御信号及びフォーカス制御信
号への加算動作を一時的に中断する。
【0107】以上述べたような第4の実施の形態によれ
ば、揺動モードの励起を抑制するように演算することに
よって求められた駆動信号をトラッキング制御回路11
から出力されるトラック制御信号及びフォーカス制御回
路10から出力されるフォーカス制御信号に加算するこ
とにより、対物レンズ3が揺動する動きを抑制するよう
な補償を行うことができる。これにより、対物レンズ3
の揺動をなくし、記録密度が向上した場合であっても高
精度な対物レンズ3の位置決めを行うことができる。
【0108】このような構成であれば、トラック制御信
号とフォーカス制御信号との間の相関スペクトルを取る
と、干渉モード補償回路12での演算に相当する相関ス
ペクトルを得ることが可能である。
【0109】通常は、光ディスク回転同期成分の相関ス
ペクトルが大きいが、この実施の形態のような構成とす
ることにより、揺動モードの周波数近傍でのスペクトル
を高くすることができる。
【0110】なお、このように干渉モード制御回路12
に出力をコイルへの入力の前段、すなわちトラッキング
制御回路11及びフォーカス制御回路10の出力信号に
加えるように構成することで、対物レンズ保持体16が
機械的に持つ揺動モードの影響を効果的に抑圧すること
が可能である。
【0111】この他の構成としては、例えばフォーカス
エラー信号用アンプ8及びトラッキングエラー信号用ア
ンプ9の出力信号に対して、干渉モード補償回路12の
出力を加算し、フォーカス制御回路10及びトラッキン
グ制御回路11へ入力する構成とすることも可能であ
る。
【0112】次に、この発明の光ディスク装置に適用さ
れる第5の実施の形態について説明する。
【0113】図11は、この発明の第5の実施の形態を
示す図である。
【0114】上述した実施の形態において、式(1)及
び(2)に示した干渉モード補償回路12のゲインパラ
メータだが、実際には、適用する対物レンズ駆動装置の
ばらつき特性などによって多少異なるものである。この
干渉モードの影響は、図6に示したように、位相が遅れ
たり進んだりする影響として観測されることから、位相
の変化が予想される周波数の正弦波信号を基準信号とし
て微小な振幅で制御ループに意図的に混入させ、応答の
うち混入させた正弦波信号の周波数成分が入力正弦波信
号に対してどの程度の位相差をもっているかを計測する
ことで推定することができる。
【0115】この第5の実施の形態では、図11に示す
ように、所定周波数の正弦波外乱信号を発生し、トラッ
クエラー信号用アンプ9から出力されたトラックエラー
信号にこの外乱信号を混入する外乱発生手段として機能
する外乱発生器21と、トラックエラー信号用アンプ9
から出力されたトラックエラー信号をモニタしてこのト
ラックエラー信号の振幅と外乱発生器21で発生した外
乱信号の振幅とを比較することによって制御回路の閉ル
ープのゲインを観測するゲイン比較手段として機能する
ゲイン比較器22とが備えられている。
【0116】このゲイン比較器22は、ゲインの比較結
果に応じて干渉モード補償回路12における演算処理の
補償係数を調整する調整手段としても機能する。
【0117】すなわち、この第5の実施の形態では、図
11に示すように、トラッキング制御回路11に入力さ
れるトラックエラー信号に所定周波数の正弦外乱信号を
混入させる。この所定周波数は、予め知られている共振
モードの周波数周辺であれば良く、制御帯域を5kHz
近傍とすれば、この制御に影響を与えるような1kHz
ないし10kHz成分の周波数である。
【0118】この外乱発生器21から発生される外乱信
号は、ゲイン比較器22にも入力される。ゲイン比較器
22は、入力された外乱信号と、トラッキングエラー信
号用アンプ9から出力されたトラックエラー信号とをモ
ニタすることにより、それぞれの信号の振幅を比較す
る。
【0119】このとき、仮にトラッキング制御系の制御
帯域を5kHz程度以下とすると、安定な閉ループの伝
達特性は、図12の(a)に示したように得られる。
【0120】これに対して、制御帯域の5kHzではな
い周波数で共振する共振モードの影響は、図12の
(b)または図12の(c)に示すように観測されるた
め、トラッキングエラー信号用アンプ9からの出力信号
と外乱信号との振幅の比が所定の値とは異なることによ
って、トラッキング制御が不安定になっていることが検
知可能である。
【0121】具体的な調整方法について、図13に示し
たフローチャートを参照して説明する。
【0122】すなわち、図13に示すように、まず、光
ディスク装置に装着された光ディスクが、干渉モードの
影響を受ける可能性がある光ディスクであるか否かを判
断確認する(ST11)。
【0123】例えば、情報記録面に情報の記録または再
生が可能なランドトラック及びグルーブトラックを有す
る光ディスクでは、高密度な情報の記録再生が行われる
ため、特に、干渉モードの影響を受けやすい。判断ステ
ップST11では、対象となる光ディスクがこのランド
トラック及びグルーブトラックを有する光ディスクであ
るかどうかを判断し、対象となる光ディスクである場
合、補償制御の調整をおこなう。
【0124】続いて、外乱発生器21は、所定周波数の
外乱正弦波信号をトラッキング制御回路11に入力する
(ST12)。すなわち、外乱正弦波信号は、トラック
エラー信号用アンプ9から出力されたトラックエラー信
号に混入される。このとき、入力振幅は、大きすぎる外
乱によってトラッキング動作が不安定にならないよう
に、数十mV程度の電圧振幅であることが望ましい。
【0125】続いて、ゲイン比較器22は、トラックエ
ラー信号用アンプ9から出力されたトラックエラー信号
のうち、所定周波数成分の振幅をモニタして、混入した
外乱正弦波信号の振幅と比較する(ST13)。この比
較動作は、アンプ出力信号の振幅値を入力外乱信号の振
幅値で除算した結果を所定値と比較するものであり、所
定値は、図12の(a)に示した安定なトラッキング制
御系の閉ループの応答ゲインによって定められる値であ
る。
【0126】続いて、このゲイン比較器22による比較
の結果、例えば上述した除算結果が所定値より小さい場
合には(ST14、Yes)、干渉モード補償回路12
による演算処理の補償パラメータの設定は適切であると
して調整を完了する。
【0127】一方、ゲイン比較器22による比較の結
果、上述した除算結果が所定値より大きい場合には(S
T14、No)、トラッキング制御系は不安定になって
いるとして、干渉モード補償回路12による演算処理の
補償パラメータの絶対値を大きく設定し(ST15)、
再度、ステップST12に戻り、調整を行う。
【0128】なお、上述した説明では、トラッキング制
御回路11のみを用いた調整法について述べたが、フォ
ーカス制御回路10を用いて同様の調整を行っても構わ
ないし、ランドトラッキングの結果とグルーブトラッキ
ングの結果の双方を用いて調整を行っても構わない。
【0129】以上述べたような第5の実施の形態によれ
ば、対物レンズ3が揺動する動きを補償するための補償
パラメータを常に適切な値に調整することが可能とな
り、対物レンズ3の揺動をなくし、記録密度が向上した
場合であっても高精度な対物レンズ3の位置決めを行う
ことができる。
【0130】次に、この発明の光ディスク装置に適用さ
れる第6の実施の形態について説明する。
【0131】図14は、この発明の第6の実施の形態を
示す図である。
【0132】この第6の実施の形態では、図14に示す
ように、所定周波数の正弦波外乱信号を発生し、トラッ
クエラー信号用アンプ9から出力されたトラックエラー
信号にこの外乱信号を混入する外乱発生手段として機能
する外乱発生器21と、トラックエラー信号用アンプ9
から出力されたトラックエラー信号をモニタしてこのト
ラックエラー信号の位相と外乱発生器21で発生した外
乱信号の位相とを比較することによって制御回路の閉ル
ープのゲインを観測する位相比較手段として機能する位
相比較器23とが備えられている。
【0133】この位相比較器23は、位相の比較結果に
応じて干渉モード補償回路12における演算処理の補償
係数を調整する調整手段としても機能する。
【0134】すなわち、この第6の実施の形態では、図
14に示すように、トラッキング制御回路11に入力さ
れるトラックエラー信号に所定周波数の正弦外乱信号を
混入させる。この所定周波数は、予め知られている共振
モードの周波数周辺であれば良く、制御帯域を5kHz
近傍とすれば、この制御に影響を与えるような1kHz
ないし10kHz成分の周波数である。
【0135】この外乱発生器21から発生される外乱信
号は、位相比較器23にも入力される。位相比較器23
は、入力された外乱信号と、トラッキングエラー信号用
アンプ9から出力されたトラックエラー信号とをモニタ
することにより、それぞれの信号の位相を比較する。
【0136】このときの制御系の伝達特性を図19を用
いて説明する。図19は、不安定な揺動モードを制御帯
域以上に持つ場合の閉ループ特性である。不安定な揺動
モードの周波数において、ゲイン特性が大きく変化する
と同時に、位相特性にも急峻な変化が観測される。この
位相変化を位相比較器23によって検出し、所定の位相
となるようにパラメータ調整を行うことが可能である。
【0137】具体的な調整方法について、図15に示し
たフローチャートを参照して説明する。
【0138】すなわち、図15に示すように、まず、光
ディスク装置に装着された光ディスクが、干渉モードの
影響を受ける可能性がある光ディスクであるか否かを判
断確認する(ST21)。
【0139】例えば、情報記録面に情報の記録または再
生が可能なランドトラック及びグルーブトラックを有す
る光ディスクでは、高密度な情報の記録再生が行われる
ため、特に、干渉モードの影響を受けやすい。判断ステ
ップST11では、対象となる光ディスクがこのランド
トラック及びグルーブトラックを有する光ディスクであ
るかどうかを判断し、対象となる光ディスクである場
合、補償制御の調整をおこなう。
【0140】続いて、外乱発生器21は、所定周波数の
外乱正弦波信号をトラッキング制御回路11に入力する
(ST22)。すなわち、外乱正弦波信号は、トラック
エラー信号用アンプ9から出力されたトラックエラー信
号に混入される。
【0141】続いて、位相比較器23は、トラックエラ
ー信号用アンプ9から出力されたトラックエラー信号の
うち、所定周波数成分の位相をモニタして、混入した外
乱正弦波信号の位相と比較する(ST23)。この比較
動作は、アンプ出力信号の位相と入力外乱信号の位相と
の位相差の絶対値を所定値と比較するものである。な
お、このときの位相差の所定値としては、安定な制御の
位相余裕を失わないために20度前後の値とすることが
望ましい。
【0142】続いて、この位相比較器23による比較の
結果、位相差の絶対値が所定値より小さい場合には(S
T24、Yes)、干渉モード補償回路12による演算
処理の補償パラメータの設定は適切であるとして調整を
完了する。
【0143】一方、位相比較器23による比較の結果、
位相差の絶対値が所定値より大きい場合には(ST2
4、No)、トラッキング制御系は不安定になっている
として、干渉モード補償回路12による演算処理の補償
パラメータの絶対値を大きく設定し(ST25)、再
度、ステップST22に戻り、調整を行う。
【0144】なお、上述した説明では、トラッキング制
御回路11のみを用いた調整法について述べたが、フォ
ーカス制御回路10を用いて同様の調整を行っても構わ
ないし、ランドトラッキングの結果とグルーブトラッキ
ングの結果の双方を用いて調整を行っても構わない。
【0145】以上述べたような第6の実施の形態によれ
ば、対物レンズ3が揺動する動きを補償するための補償
パラメータを常に適切な値に調整することが可能とな
り、対物レンズ3の揺動をなくし、記録密度が向上した
場合であっても高精度な対物レンズ3の位置決めを行う
ことができる。
【0146】ただし、このような調整方法は、制御帯域
近傍の正弦波外乱を入力することによってトラッキング
制御またはフォーカシング制御のゲイン自体を調整する
方法としても用いられることがある。この場合は、制御
帯域近傍の周波数の正弦波外乱が挿入されて、ゲイン比
較または位相比較が行われ、トラッキング制御回路11
またはフォーカシング制御回路10のゲインが調整され
る。
【0147】これに対して、これらの第5及び第6の実
施の形態では、調整対象を干渉モード補償回路12の補
償パラメータに限るものであって、ゲイン調整などは、
別途行われる構成としている。実際には、既知の手段に
よってトラッキング制御回路11及びフォーカス制御回
路10の調整が行われた後、干渉モード補償回路12の
補償パラメータの調整が行われる構成となっている。
【0148】このように補償パラメータを設定すること
により、個々の装置のばらつき特性に対応した適切な補
償制御を実現することが可能となる。
【0149】なお、このようなゲイン比較または位相比
較による計測は、装置ばらつきに対応するのであれば、
製品出荷時に行えば良く、また、経時変化に対応するた
めには、定期的に検査するように構成しても良い。ま
た、光ディスクが挿入されるたびに行う構成とすること
も可能である。
【0150】また、光ディスクの特性として、外周部分
にトラッキングしているときに、ディスクの面ぶれなど
の外乱が大きいため、制御系が不安定になりやすい傾向
がある。このことを勘案して、光ディスクの内周部分
(目安として最内周から5mm以下の範囲)でいったん
干渉モード補償回路12の調整を行うと同時に、外周部
分(目安として最外周から5mm以下の範囲)でも同様
な調整を行って、調整結果の平均値を補償パラメータと
する構成にしても良い。
【0151】さらには、内周部分と外周部分とでの調整
結果をそれぞれ記憶しておき、トラッキング位置に応じ
て調整パラメータを最適に変化させる構成としても構わ
ない。
【0152】これらの構成とすることにより、より安
定、且つ適切な補償制御を実現することができる。
【0153】次に、この発明の光ディスク装置に適用さ
れる第7の実施の形態について説明する。
【0154】図10は、この発明の第7の実施の形態を
示す図である。
【0155】この第7の実施の形態の特徴は、ランドグ
ルーブ切換え回路17を設けたことである。
【0156】図10は、第7の実施の形態のブロック構
成図であり、ランドグルーブ切換え回路17が、その出
力がトラッキング制御回路11と干渉モード補償回路1
2とに入力されるように接続されている。
【0157】光ディスク1には、情報記録トラックとし
てランドトラックとグルーブトラック、すなわちトラッ
ク溝の溝部と丘部とがあり、これら両方のトラックに情
報の記録ないし再生が可能である。このような光ディス
ク1では、トラッキング位置決めを行う際には、ランド
トラックとグルーブトラックとでトラッキングエラー信
号の極性が反転されている。
【0158】これは、溝部と丘部とにトラッキングして
いる場合に検出される位置誤差信号自体の極性が反転す
るためであり、この反転を補正するためにランドグルー
ブ切換え回路17が設けられている。
【0159】例えば、ランドトラックにトラッキングし
ているときに、対物レンズ3の揺動モードが位置決め制
御系の位相を遅らせるように作用した場合には、グルー
ブトラックにおいては極性を反転させて位相を進ませる
ようにフォーカス制御回路10とトラッキング制御回路
11とが動作する。
【0160】このため、位相を遅らせることが各制御回
路及び各コイルの動作を顕著に不安定にする場合には、
例えばランドトラッキングのときのみに干渉モード補償
回路12が動作するようにランドグルーブ切換え回路1
7によって制御される。
【0161】なお、グルーブトラッキングのときのみに
干渉モード補償回路12が動作するように制御すること
も可能である。また、揺動モードによっては、ランドト
ラッキングとグルーブトラッキングとで同一の位相遅れ
影響を及ぼす場合もあり、このようなときには、干渉モ
ード補償回路12の出力信号の極性を変えることも可能
である。
【0162】このとき、出力判断回路20は、上述した
第1の実施の形態と同様に、フォーカスエラー信号用ア
ンプ8から出力されたフォーカスエラー信号、及び、ト
ラッキングエラー信号用アンプ9から出力されたトラッ
キングエラー信号に外乱信号が混入したと判断した場合
には、干渉モード補償回路12による揺動モードを抑制
する駆動信号のトラック制御信号及びフォーカス制御信
号への加算動作を一時的に中断する。
【0163】以上述べたような第7の実施の形態によれ
ば、トラッキングエラー信号の極性が反転された場合で
あってもランドグルーブ切換え回路17によりランドト
ラッキングもしくはグルーブトラッキングのいずれかの
みを制御している。
【0164】また、揺動モードの励起を抑制するように
演算することによって求められた駆動信号、すなわちフ
ォーカス制御回路13から出力されるフォーカス制御信
号をトラッキング制御回路11から出力されるトラック
制御信号に加算するとともに、トラック制御回路11か
ら出力されるトラック制御信号をフォーカス制御回路1
0から出力されるフォーカス制御信号に加算することに
より、対物レンズ3が揺動する動きを抑制するような補
償を行うことができる。
【0165】これにより、対物レンズ3の揺動をなく
し、記録密度が向上した場合であっても高精度な対物レ
ンズ3の位置決めを行うことができる。
【0166】また、この第7の実施の形態のように、ラ
ンドトラックとグルーブトラックとで位相の回り方が逆
転する場合、干渉モード補償回路12でのゲインパラメ
ータの最適設定は、ランドトラッキング制御時と、グル
ーブトラッキング制御時の位相比較をそれぞれ行って設
定されるのが望ましい。
【0167】この場合、それぞれのトラッキング状態で
上述した第6の実施の形態と同様の位相比較により位相
差が検出され、ランドトラッキング制御時の位相差とグ
ルーブトラッキング制御時の位相差とが同一となるよう
に、すなわち、ランドトラッキングとグルーブトラッキ
ングで位相が異ならない状態となるようにパラメータ設
定される。
【0168】このように設定されることにより、ランド
トラッキングとグルーブトラッキングとで位相回りが逆
転する干渉モードの影響を効果的に減少させることが可
能となる。
【0169】上述した第7の実施の形態では、ランドグ
ルーブ切換え回路17は、その出力がトラッキング制御
回路11と干渉モード補償回路12とに入力されるよう
に接続されたが、図16に示したように、トラッキング
制御回路11、干渉モード補償回路12、及び出力判断
回路20に入力されるトラックエラー信号用アンプ9か
らの出力信号にその出力が入力されるように接続されて
も良い。
【0170】図16に示したような構成の場合、ランド
トラッキングとグルーブトラッキングとでの極性の切換
えがトラックエラー信号用アンプ9からの出力信号すな
わちトラックエラー信号で行われるため、干渉モード補
償回路12の極性を切換える必要がなく、制御を簡素化
することが可能となる。
【0171】また、出力判断回路20は、トラックエラ
ー信号用アンプ9から出力されたトラックエラー信号に
外乱が混入することのみを検知できればよいので、図1
6に示したように、トラックエラー信号のみにて判断す
ることも可能である。
【0172】また、図17に示したような構成の場合、
トラックエラー信号用アンプ9から出力されたトラック
エラー信号に外乱が混入するだけでなく、トラッキング
制御が外れてしまったことを検知する外れ検知回路31
が設けられている。このような構成とすることにより、
意図せずトラッキング制御が不安定になった時に即座に
これを検知して、出力判断回路20によって干渉モード
補償回路12の動作を制限することが可能となる。
【0173】なお、トラッキング制御が不安定になった
ことの検知方法としては、安定なトラッキング状態では
発生しない大きな入力、例えば1Vを超える振幅の入力
を検知することによって実現可能である。
【0174】また、ヘッダ信号は、情報記録トラック上
の情報セクタのアドレスを示す信号で、トラッキングエ
ラー信号に矩形波的に混入する外乱信号である。このヘ
ッダ信号は、矩形波の立ち上がりを検出するか、アドレ
ス読み取り用の回路を用いて検出するか、または和差演
算回路7にて算出可能なその他の信号を用いて検出する
ことが可能である。さらには、ヘッダ信号は、一度検出
できれば、ほぼ同一の周期で発生するため、タイミング
で検出することが可能である。
【0175】また、図18に示したような構成の場合、
干渉モード補償回路12を動作させなくても良い種類の
光ディスクが装着されたことを判断するディスク判別回
路32が設けられている。このような構成とすることに
より、ディスク判別回路32により補償制御を行う必要
がないディスクが装着されたと判断した場合、出力判断
回路20によって干渉モード補償回路12の動作を制限
することが可能となる。
【0176】また、図17に示したような外れ検知回路
31を追加した構成及び図18に示したようなディスク
判別回路32を追加した構成は、図7ないし図19に示
したような実施の形態にも適用することが可能である。
【0177】以上説明したように、この発明の光ディス
ク装置及びこの光ディスク装置に適用される調整方法に
よれば、フォーカス方向及びトラック方向の両方向に同
時に変位する干渉モードの影響を除去して、対物レンズ
保持体をフォーカス方向とトラック方向とに独立に変位
するように制御可能な対物レンズ駆動装置を内蔵した光
ディスク装置を提供することができる。
【0178】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、記録密度が向上した場合でも、フォーカス方向及び
トラック方向の両方向に同時に変位する干渉モードの影
響を抑制し、対物レンズ(対物レンズ保持体)をフォー
カス方向及びトラック方向に独立に変位するように制御
することにより、高精度な位置決め動作を実現できる対
物レンズ駆動装置を内蔵した光ディスク装置及びこの光
ディスク装置に適用される調整方法を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の光ディスク装置の構成を概
略的に示す斜視図である。
【図2】図2は、この発明の光ディスク装置に適用され
る第1の実施の形態の構成を概略的に示すブロック図で
ある。
【図3】図3は、揺動モードの影響を示すブロック図で
ある。
【図4】図4の(a)及び(b)は、従来の対物レンズ
駆動装置の装置構成を示す図である。
【図5】図5は、揺動モードの周波数特性の一例を示し
た図である。
【図6】図6は、揺動モードのトラック駆動特性への影
響を示した図である。
【図7】図7は、この発明の光ディスク装置に適用され
る第2の実施の形態の構成を概略的に示すブロック図で
ある。
【図8】図8は、この発明の光ディスク装置に適用され
る第3の実施の形態の構成を概略的に示すブロック図で
ある。
【図9】図9は、この発明の光ディスク装置に適用され
る第4の実施の形態の構成を概略的に示すブロック図で
ある。
【図10】図10は、この発明の光ディスク装置に適用
される第7の実施の形態の構成を概略的に示すブロック
図である。
【図11】図11は、この発明の光ディスク装置に適用
される第5の実施の形態の構成を概略的に示すブロック
図である。
【図12】図12の(a)は、トラッキング制御系にお
ける安定な閉ループにおける伝達特性を示す図であり、
図12の(b)及び(c)は、共振モードの影響を示す
図である。
【図13】図13は、第5の実施の形態における補償パ
ラメータの調整方法を説明するためのフローチャートで
ある。
【図14】図14は、この発明の光ディスク装置に適用
される第6の実施の形態の構成を概略的に示すブロック
図である。
【図15】図15は、第6の実施の形態における補償パ
ラメータの調整方法を説明するためのフローチャートで
ある。
【図16】図16は、この発明の光ディスク装置に適用
される他の実施の形態の構成を概略的に示すブロック図
である。
【図17】図17は、この発明の光ディスク装置に適用
される他の実施の形態の構成を概略的に示すブロック図
である。
【図18】図18は、この発明の光ディスク装置に適用
される他の実施の形態の構成を概略的に示すブロック図
である。
【図19】図19(a)および(b)は、不安定な揺動
モードを制御帯域以上に持つ場合の閉ループ特性を示す
図である。
【符号の説明】
1…光ディスク 2…ディスクモータ 3…対物レンズ 4…光学ヘッド 5…立ち上げミラー 6…光検出器 7…和差算演算回路 8…フォーカスエラー信号用アンプ 9…トラックエラー信号用アンプ 10…フォーカス制御回路 11…トラッキング制御回路 12…干渉モード補償回路 13…フォーカシングコイル 14…トラッキングコイル 15…粗位置決め駆動機構 15A…送りモータ 15B…送りねじ 16…対物レンズ保持体 17…ランドグルーブ切換え回路 20…出力判断回路 21…外乱発生器 22…ゲイン比較器 23…位相比較器 31…外れ検知回路 32…ディスク判別回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒川 信一郎 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会社 東芝柳町事業所内 Fターム(参考) 5D118 AA13 BA01 CA07 CA08 CA11 CA13 CB03 CD02 CD03

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光ディスクに向けてビームを集光する対物
    レンズと、 前記対物レンズを保持して前記対物レンズに入射される
    光の光軸方向及びこの光軸に垂直な方向に駆動可能に支
    持された対物レンズ保持体と、 前記対物レンズ保持体を前記光軸方向に駆動するための
    フォーカシングコイルと、 前記対物レンズ保持体を前記光軸に垂直な方向に駆動す
    るためのトラッキングコイルと、 前記対物レンズ保持体の前記光軸方向の変位を検出する
    フォーカス検出手段と、 前記対物レンズ保持体の前記光軸に垂直な方向の変位を
    検出するトラック検出手段と、 前記フォーカス検出手段及び前記トラック検出手段によ
    って検出された検出信号の少なくとも一方を演算処理し
    て前記フォーカシングコイル及び前記トラッキングコイ
    ルの両方に制御信号を出力する制御手段と、 前記検出信号に外乱成分が混入したと判断した場合に一
    時的に前記制御手段の機能を制限する判断手段と、 を備えたことを特徴とする光ディスク装置。
  2. 【請求項2】情報の記録または再生が可能なランドトラ
    ック及びグルーブトラックを有する光ディスクに向けて
    ビームを集光する対物レンズと、 前記対物レンズを保持して前記対物レンズに入射される
    光の光軸方向及びこの光軸に垂直な方向に駆動可能に支
    持された対物レンズ保持体と、 前記対物レンズ保持体を前記光軸方向に駆動するための
    フォーカシングコイルと、 前記対物レンズ保持体を前記光軸に垂直な方向に駆動す
    るためのトラッキングコイルと、 前記対物レンズ保持体の前記光軸方向の変位を検出する
    フォーカス検出手段と、 前記対物レンズ保持体の前記光軸に垂直な方向の変位を
    検出するトラック検出手段と、 前記フォーカス検出手段及び前記トラック検出手段によ
    って検出された検出信号の少なくとも一方を演算処理し
    て前記フォーカシングコイル及び前記トラッキングコイ
    ルの両方に制御信号を出力する制御手段と、 所定周波数の外乱成分を発生し、前記検出信号に加算す
    る外乱発生手段と、 前記外乱成分を加算した前記検出信号に対する応答信号
    の位相と、加算した外乱成分の位相との位相差を、前記
    ランドトラックをトラック制御している場合及び前記グ
    ルーブトラックをトラック制御している場合でそれぞれ
    検出する位相差検出手段と、 を備えたことを特徴とする光ディスク装置。
  3. 【請求項3】前記制御手段は、 前記フォーカス検出手段によって検出された検出信号を
    演算処理して前記フォーカシングコイルにフォーカス制
    御信号を出力するフォーカス制御手段と、 前記トラック検出手段によって検出された検出信号を演
    算処理して前記トラッキングコイルにトラック制御信号
    を出力するトラック制御手段と、 前記トラック制御手段から出力された前記トラック制御
    信号を演算処理して前記フォーカス制御信号に加算する
    補償手段と、 によって構成されることを特徴とする請求項1または2
    に記載の光ディスク装置。
  4. 【請求項4】前記制御手段は、 前記フォーカス検出手段によって検出された検出信号を
    演算処理して前記フォーカシングコイルにフォーカス制
    御信号を出力するフォーカス制御手段と、 前記トラック検出手段によって検出された検出信号を演
    算処理して前記トラッキングコイルにトラック制御信号
    を出力するトラック制御手段と、 前記フォーカス制御手段から出力された前記フォーカス
    制御信号を演算処理して前記トラック制御信号に加算す
    る補償手段と、 によって構成されることを特徴とする請求項1または2
    に記載の光ディスク装置。
  5. 【請求項5】前記制御手段は、 前記フォーカス検出手段によって検出された検出信号を
    演算処理して前記フォーカシングコイルにフォーカス制
    御信号を出力するフォーカス制御手段と、 前記トラック検出手段によって検出された検出信号を演
    算処理して前記トラッキングコイルにトラック制御信号
    を出力するトラック制御手段と、 前記トラック制御手段から出力された前記トラック制御
    信号を演算処理して前記フォーカス制御信号に加算する
    とともに、前記フォーカス制御手段から出力された前記
    フォーカス制御信号を演算処理して前記トラック制御信
    号に加算する補償手段と、 によって構成されることを特徴とする請求項1または2
    に記載の光ディスク装置。
  6. 【請求項6】前記制御手段は、 前記フォーカス検出手段によって検出された検出信号を
    演算処理して前記フォーカシングコイルにフォーカス制
    御信号を出力するフォーカス制御手段と、 前記トラック検出手段によって検出された検出信号を演
    算処理して前記トラッキングコイルにトラック制御信号
    を出力するトラック制御手段と、 前記トラック検出手段によって検出された前記検出信号
    を演算処理して前記フォーカス制御信号に加算する補償
    手段と、 によって構成されることを特徴とする請求項1または2
    に記載の光ディスク装置。
  7. 【請求項7】前記制御手段は、 前記フォーカス検出手段によって検出された検出信号を
    演算処理して前記フォーカシングコイルにフォーカス制
    御信号を出力するフォーカス制御手段と、 前記トラック検出手段によって検出された検出信号を演
    算処理して前記トラッキングコイルにトラック制御信号
    を出力するトラック制御手段と、 前記フォーカス検出手段によって検出された前記検出信
    号を演算処理して前記トラック制御信号に加算する補償
    手段と、 によって構成されることを特徴とする請求項1または2
    に記載の光ディスク装置。
  8. 【請求項8】前記制御手段は、 前記フォーカス検出手段によって検出された検出信号を
    演算処理して前記フォーカシングコイルにフォーカス制
    御信号を出力するフォーカス制御手段と、 前記トラック検出手段によって検出された検出信号を演
    算処理して前記トラッキングコイルにトラック制御信号
    を出力するトラック制御手段と、 前記トラック検出手段によって検出された前記検出信号
    を演算処理して前記フォーカス制御信号に加算するとと
    もに、前記フォーカス検出手段によって検出された前記
    検出信号を演算処理して前記トラック制御信号に加算す
    る補償手段と、 によって構成されることを特徴とする請求項1または2
    に記載の光ディスク装置。
  9. 【請求項9】前記補償手段は、前記フォーカス制御手段
    及び前記トラック制御手段で決定される制御帯域近傍の
    周波数成分を通過するような周波数特性を有するように
    演算することを特徴とする請求項3乃至8のいずれか1
    項に記載の光ディスク装置。
  10. 【請求項10】トラック制御の状態に基づいて、前記補
    償手段における演算処理方法を切換える切換手段を有す
    ることを特徴とする請求項3乃至8のいずれか1項に記
    載の光ディスク装置。
  11. 【請求項11】前記切換手段は、前記対物レンズを所望
    の位置にトラッキングしている際に前記トラック検出手
    段によって検出される検出信号の極性が反転した場合に
    この反転を補正することを特徴とする請求項10に記載
    の光ディスク装置。
  12. 【請求項12】前記判断手段は、ヘッダ信号及びジャン
    プ信号を外乱成分として判断することを特徴とする請求
    項1に記載の光ディスク装置。
  13. 【請求項13】前記判断手段は、前記トラック検出手段
    によって検出された検出信号に外乱成分が混入したと判
    断した場合に一時的に前記補償手段の機能を制限するこ
    とを特徴とする請求項3乃至8のいずれか1項に記載の
    光ディスク装置。
  14. 【請求項14】前記判断手段は、前記トラック検出手段
    によって検出された検出信号に混入した外乱成分からト
    ラック制御が外れたと判断した場合に、一時的に前記補
    償手段の機能を制限することを特徴とする請求項3乃至
    8のいずれか1項に記載の光ディスク装置。
  15. 【請求項15】前記位相差検出手段は、ランドトラック
    をトラック制御している場合の位相差と、グルーブトラ
    ックをトラック制御している場合の位相差との差分値が
    所定の値以下となるように前記制御手段における演算処
    理のパラメータを設定することを特徴とする請求項2に
    記載の光ディスク装置。
  16. 【請求項16】光ディスクに向けてビームを集光する対
    物レンズと、 前記対物レンズを保持して前記対物レンズに入射される
    光の光軸方向及びこの光軸に垂直な方向に駆動可能に支
    持された対物レンズ保持体と、 前記対物レンズ保持体を前記光軸方向に駆動するための
    フォーカシングコイルと、 前記対物レンズ保持体を前記光軸に垂直な方向に駆動す
    るためのトラッキングコイルと、 前記対物レンズ保持体の前記光軸方向の変位を検出する
    フォーカス検出手段と、 前記対物レンズ保持体の前記光軸に垂直な方向の変位を
    検出するトラック検出手段と、 前記フォーカス検出手段によって検出された検出信号を
    演算処理して前記フォーカシングコイルにフォーカス制
    御信号を出力するフォーカス制御手段と、 前記トラック検出手段によって検出された検出信号を所
    定の補償係数に基づいて演算処理して前記トラッキング
    コイルにトラック制御信号を出力するトラック制御手段
    と、 前記トラック制御手段から出力された前記トラック制御
    信号を演算処理して前記フォーカス制御信号に加算する
    補償手段と、 所定周波数の外乱成分を発生し、前記トラック検出手段
    によって検出された前記検出信号に加算する外乱発生手
    段と、 前記トラック検出手段からの出力信号の振幅と、前記外
    乱発生手段により発生された前記外乱成分の振幅とを比
    較するゲイン比較手段と、 前記ゲイン比較手段による比較結果に応じて前記補償手
    段における演算処理の補償係数を調整する調整手段と、 を備えたことを特徴とする光ディスク装置。
  17. 【請求項17】光ディスクに向けてビームを集光する対
    物レンズと、 前記対物レンズを保持して前記対物レンズに入射される
    光の光軸方向及びこの光軸に垂直な方向に駆動可能に支
    持された対物レンズ保持体と、 前記対物レンズ保持体を前記光軸方向に駆動するための
    フォーカシングコイルと、 前記対物レンズ保持体を前記光軸に垂直な方向に駆動す
    るためのトラッキングコイルと、 前記対物レンズ保持体の前記光軸方向の変位を検出する
    フォーカス検出手段と、 前記対物レンズ保持体の前記光軸に垂直な方向の変位を
    検出するトラック検出手段と、 前記フォーカス検出手段によって検出された検出信号を
    演算処理して前記フォーカシングコイルにフォーカス制
    御信号を出力するフォーカス制御手段と、 前記トラック検出手段によって検出された検出信号を所
    定の補償係数に基づいて演算処理して前記トラッキング
    コイルにトラック制御信号を出力するトラック制御手段
    と、 前記トラック制御手段から出力された前記トラック制御
    信号を演算処理して前記フォーカス制御信号に加算する
    補償手段と、 所定周波数の外乱成分を発生し、前記トラック検出手段
    によって検出された前記検出信号に加算する外乱発生手
    段と、 前記トラック検出手段からの出力信号の位相と、前記外
    乱発生手段により発生された前記外乱成分の位相とを比
    較する位相比較手段と、 前記位相比較手段による比較結果に応じて前記補償手段
    における演算処理の補償係数を調整する調整手段と、 を備えたことを特徴とする光ディスク装置。
  18. 【請求項18】情報の記録または再生が可能なランドト
    ラック及びグルーブトラックを有する光ディスクに向け
    てビームを集光する対物レンズと、 前記対物レンズを保持して前記対物レンズに入射される
    光の光軸方向及びこの光軸に垂直な方向に駆動可能に支
    持された対物レンズ保持体と、 前記対物レンズ保持体を前記光軸方向に駆動するための
    フォーカシングコイルと、 前記対物レンズ保持体を前記光軸に垂直な方向に駆動す
    るためのトラッキングコイルと、 前記対物レンズ保持体の前記光軸方向の変位を検出する
    フォーカス検出手段と、 前記対物レンズ保持体の前記光軸に垂直な方向の変位を
    検出するトラック検出手段と、 前記フォーカス検出手段及び前記トラック検出手段によ
    って検出された検出信号の少なくとも一方を演算処理し
    て前記フォーカシングコイル及び前記トラッキングコイ
    ルの両方に制御信号を出力する制御手段と、を備えた光
    ディスク装置の調整方法であって、 所定周波数の外乱成分を発生し、 発生した外乱成分を前記検出信号に加算し、 前記外乱成分を加算した前記検出信号に対する応答信号
    の位相と、加算した外乱成分の位相との位相差を、前記
    ランドトラックをトラック制御している場合及び前記グ
    ルーブトラックをトラック制御している場合でそれぞれ
    検出し、 ランドトラックをトラック制御している場合の位相差
    と、グルーブトラックをトラック制御している場合の位
    相差との差分値が所定の値以下となるように前記制御手
    段における演算処理のパラメータを設定する、 ことを特徴とする光ディスク装置の調整方法。
  19. 【請求項19】光ディスクに向けてビームを集光する対
    物レンズと、 前記対物レンズを保持して前記対物レンズに入射される
    光の光軸方向及びこの光軸に垂直な方向に駆動可能に支
    持された対物レンズ保持体と、 前記対物レンズ保持体を前記光軸方向に駆動するための
    フォーカシングコイルと、 前記対物レンズ保持体を前記光軸に垂直な方向に駆動す
    るためのトラッキングコイルと、 前記対物レンズ保持体の前記光軸方向の変位を検出する
    フォーカス検出手段と、 前記対物レンズ保持体の前記光軸に垂直な方向の変位を
    検出するトラック検出手段と、 前記フォーカス検出手段によって検出された検出信号を
    演算処理して前記フォーカシングコイルにフォーカス制
    御信号を出力するフォーカス制御手段と、 前記トラック検出手段によって検出された検出信号を所
    定の補償係数に基づいて演算処理して前記トラッキング
    コイルにトラック制御信号を出力するトラック制御手段
    と、 前記トラック制御手段から出力された前記トラック制御
    信号を演算処理して前記フォーカス制御信号に加算する
    補償手段と、を備えた光ディスク装置の調整方法であっ
    て、 所定周波数の外乱成分を発生し、 前記トラック検出手段によって検出された前記検出信号
    に加算し、 前記トラック検出手段からの出力信号の振幅と、前記外
    乱発生手段により発生された前記外乱成分の振幅とを比
    較し、 前記比較結果に応じて前記補償手段における演算処理の
    補償係数を調整する、 ことを特徴とする光ディスク装置の調整方法。
  20. 【請求項20】光ディスクに向けてビームを集光する対
    物レンズと、 前記対物レンズを保持して前記対物レンズに入射される
    光の光軸方向及びこの光軸に垂直な方向に駆動可能に支
    持された対物レンズ保持体と、 前記対物レンズ保持体を前記光軸方向に駆動するための
    フォーカシングコイルと、 前記対物レンズ保持体を前記光軸に垂直な方向に駆動す
    るためのトラッキングコイルと、 前記対物レンズ保持体の前記光軸方向の変位を検出する
    フォーカス検出手段と、 前記対物レンズ保持体の前記光軸に垂直な方向の変位を
    検出するトラック検出手段と、 前記フォーカス検出手段によって検出された検出信号を
    演算処理して前記フォーカシングコイルにフォーカス制
    御信号を出力するフォーカス制御手段と、 前記トラック検出手段によって検出された検出信号を所
    定の補償係数に基づいて演算処理して前記トラッキング
    コイルにトラック制御信号を出力するトラック制御手段
    と、 前記トラック制御手段から出力された前記トラック制御
    信号を演算処理して前記フォーカス制御信号に加算する
    補償手段と、を備えた光ディスク装置の調整方法であっ
    て、 所定周波数の外乱成分を発生し、 前記トラック検出手段によって検出された前記検出信号
    に加算し、 前記トラック検出手段からの出力信号の位相と、前記外
    乱発生手段により発生された前記外乱成分の位相とを比
    較し、 前記比較結果に応じて前記補償手段における演算処理の
    補償係数を調整する、 ことを特徴とする光ディスク装置の調整方法。
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