JP2002114734A - アクロレインの製造方法 - Google Patents

アクロレインの製造方法

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JP2002114734A
JP2002114734A JP2000304660A JP2000304660A JP2002114734A JP 2002114734 A JP2002114734 A JP 2002114734A JP 2000304660 A JP2000304660 A JP 2000304660A JP 2000304660 A JP2000304660 A JP 2000304660A JP 2002114734 A JP2002114734 A JP 2002114734A
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acrolein
butyrolactone
reaction product
product gas
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JP2000304660A
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Nobuo Toratani
信雄 虎谷
Hiroaki Nakada
浩彰 中田
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 C3 炭化水素の気相接触酸化によりアクロレ
インを製造する方法において、反応生成ガスからアクロ
レインを容易に回収できるようにする。 【解決手段】 反応生成ガスをγ−ブチロラクトンと接
触させ、アクロレインをγ−ブチロラクトン中に吸収さ
せる方法であって、反応器1で生成した反応生成ガスを
吸収塔3に供給して塔内でγ−ブチロラクトンと向流接
触させ、反応生成ガス中のアクロレインをγ−ブチロラ
クトン中に吸収する吸収工程、吸収塔から流出したアク
ロレインを含むγ−ブチロラクトンを放散塔4,5系に
供給し、加熱して塔頂からアクロレインを留出させ、塔
底からγ−ブチロラクトンを流出させる放散工程、及び
放散塔系の塔底から流出したγ−ブチロラクトンを冷却
したのち吸収塔に供給する循環工程の各工程を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアクロレインを含む
反応生成ガスから、アクロレインを溶媒で吸収して回収
する方法に関するものである。アクロレインは反応性に
富んでおり、化学工業における重要な中間体である。
【0002】
【従来の技術】アクロレインの製法はいくつか知られて
いるが、プロピレンの接触酸化によるのが最も有利と考
えられている。また、最近では、プロピレンよりも安価
なプロパンの接触酸化によりアクロレインを製造するこ
とも報告されている。これらの炭化水素の接触酸化によ
るアクロレインの製造では、酸素源としては通常は空気
が用いられている。また接触酸化に供する原料ガス中に
水蒸気を供給することも行われている。
【0003】接触酸化により得られた反応生成ガスから
のアクロレインの回収法としては、反応生成ガスを吸収
塔に供給し、塔内で水と向流接触させてアクロレインを
水に吸収させる方法が知られている。吸収塔で得られた
アクロレイン水溶液からのアクロレインの分離は、アク
ロレイン水溶液を放散塔に供給し、蒸留してアクロレイ
ンと水に分離する方法が知られている。水は所定の温度
に冷却したのち吸収塔に循環してアクロレインの吸収に
用いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】反応生成ガス中のアク
ロレインを水で吸収して回収する方法は、水に対するア
クロレインの溶解度がそれほど大きくないので、大量の
水を吸収塔と放散塔との間で循環させなければならない
という問題がある。また、反応生成ガス中にはアクロレ
イン以外に副生したアクリル酸なども相当量含まれてお
り、アクロレインを水で吸収する際にはこれらも同時に
水に吸収される。従って吸収塔と放散塔との間で水を循
環させる際には、アクリル酸などの蓄積を避けるため、
水から溶解しているアクリル酸なども分離しなければな
らない。この分離は蒸留又は抽出により行い得るが、い
ずれの方法によっても多大の費用を要する。従って本発
明は水に代る溶媒を用いて反応生成ガス中のアクロレイ
ンを吸収することにより、上述の問題を解決しようとす
るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、プロピ
レン及びプロパンより成る群から選ばれた炭化水素を接
触酸化して得たアクロレインを含む反応生成ガスからア
クロレインを回収するに際し、該反応生成ガスをγ−ブ
チロラクトンと接触させて反応生成ガス中のアクロレイ
ンをγ−ブチロラクトン中に吸収することにより、反応
生成ガスからアクロレインを容易に回収することができ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明では炭化水素の接触酸化に
よるアクロレインの生成そのものは、公知の任意の方法
に従って行うことができる。原料の炭化水素としてはプ
ロピレンが一般的であるが、触媒を選択することにより
反応性の乏しいプロパンを原料とすることもできる。ま
た酸素源としては通常は空気が用いられる。反応温度は
プロピレンを原料とする場合とプロパンを原料とする場
合とで異なるが、通常200〜500℃である。反応は
原料の炭化水素及び酸素を含む原料ガスを、触媒が収容
されている反応帯域に連続的に導入する連続方式により
行われる。原料ガス中には水蒸気を含有させるのが好ま
しい。
【0007】反応帯域から流出する反応生成ガスの組成
は、原料ガス組成により大きく変化するが、例えばアク
ロレイン5〜40モル%、窒素30〜80モル%、水蒸
気5〜40モル%である。主要な副生物はアクリル酸で
あり、その含有量は通常20モル%以下である。また、
他に二酸化炭素、酸素、一酸化炭素、酢酸、炭化水素な
どが含まれている。
【0008】本発明ではこの反応生成ガスをγ−ブチロ
ラクトンと接触させて、ガス中のアクロレインをγ−ブ
チロラクトン中に吸収させる。好ましくは、反応帯域か
ら流出した反応生成ガスは、冷却してガス中の水蒸気の
一部を凝縮させて除去してから、γ−ブチロラクトンと
接触させる。これによりγ−ブチロラクトンと反応生成
ガスとの接触に際し、アクロレインと一緒にγ−ブチロ
ラクトンに吸収される水を減少させることができ、ひい
てはγ−ブチロラクトンの循環使用に際しγ−ブチロラ
クトンから水を留去するのに要するエネルギーを節減す
ることができる。反応生成ガスの冷却は間接冷却方式及
び直接冷却方式のいずれでも行うことができる。直接冷
却方式の場合には、反応生成ガスから生成する凝縮液を
冷媒として、反応生成ガスと向流接触させればよい。反
応生成ガスは70℃以下、特に60℃以下にまで冷却す
るのが好ましい。アクロレインの沸点は52℃と比較的
低いが、反応生成ガス中には通常は窒素その他の非凝縮
ガスが大量に存在しているので、反応生成ガスを沸点以
下、例えば40℃程度まで冷却してもアクロレインの大
部分は凝縮せずにガス中に存在する。
【0009】所定の温度にまで冷却された反応生成ガス
は次いでγ−ブチロラクトンと接触させてガス中のアク
ロレインをγ−ブチロラクトンに吸収する。このγ−ブ
チロラクトンによるアクロレインの吸収は通常は50℃
以下、好ましくは40℃以下で行われる。γ−ブチロラ
クトンを低温で用いるほどアクロレインの吸収には有利
であるが、他方においてγ−ブチロラクトンの冷却に要
する費用が増大する。従って実用的なγ−ブチロラクト
ンの温度はせいぜい0℃までであり、0℃を下廻る温度
まで冷却するのは工業的操作としては有利ではない。γ
−ブチロラクトンとアクロレインは任意の比率で均一溶
液を形成するので、水で吸収する場合に比して少量のγ
−ブチロラクトンでアクロレインを吸収することができ
る。しかしアクロレインに対するγ−ブチロラクトンの
量が少ないと、気液平衡の関係上、吸収されずに非凝縮
ガスに同伴されて失われるアクロレイン量が増加する。
従って対象とする反応生成ガスの組成に応じて、γ−ブ
チロラクトンの温度及び使用量と、吸収されずに逸脱す
るアクロレイン量との関係を検討して、最適のγ−ブチ
ロラクトン量を決定するのが好ましい。
【0010】アクロレインを吸収したγ−ブチロラクト
ンは、次いで加熱してアクロレインを放散させる。γ−
ブチロラクトンの沸点は204℃でアクロレイン、水、
アクリル酸などの沸点よりも著しく高いので、γ−ブチ
ロラクトンを蒸発させることなく、反応生成ガス中から
吸収したこれらの成分を放散させることができる。アク
ロレインを放散した後のγ−ブチロラクトンは、通常は
50℃以下、好ましくは40℃以下に冷却したのち、再
びアクロレインの吸収に用いる。本発明方法により空気
を酸素源としてプロピレンからアクロレインを製造する
際のフローシートの1例を図−1に示す。図−1におい
て1は酸化触媒が収容されている反応器であり、プロピ
レン、空気及び水蒸気の混合ガスをこの反応器1に連続
的に供給してアクロレインを生成させる。反応生成ガス
の組成の1例は、アクロレイン15モル%、アクリル酸
3モル%、水蒸気17モル%、窒素57モル%であり、
他に酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、プロピレン、酢酸
などが含まれている。この反応生成ガスは、冷却器2で
所定の温度、例えば40℃まで冷却して含まれている水
分の一部を凝縮させたのち、吸収塔3に導入する。吸収
塔としては理論段数10段程度のものを用いればよい。
吸収塔の塔頂には、アクロレインに対して5〜50重量
倍、好ましくは10〜20重量倍程度のγ−ブチロラク
トンを20〜40℃で導入して塔内を流下させ、ガス中
のアクロレインを吸収させる。反応生成ガス中のアクリ
ル酸や水、酢酸なども同時にγ−ブチロラクトンに吸収
される。アクロレインを吸収したγ−ブチロラクトンは
2本の蒸留塔4、5から成る放散塔系に導入され、加熱
してγ−ブチロラクトン中に吸収されていたアクロレイ
ンや水、アクリル酸、酢酸などを放出させる。蒸留塔4
の塔頂から留出したアクロレイン等は蒸留塔5に導入
し、塔頂からアクロレインを留出させ、塔底から水やア
クリル酸などを流出させる。アクロレインは所望により
更に精留して製品とする。一方、蒸留塔4の塔底から流
出したγ−ブチロラクトンは、冷却器6で所定の温度ま
で冷却したのち、吸収塔3に循環する。なお、蒸留塔4
ではアクロレインのみを留出させ、水やアクリル酸はγ
−ブチロラクトンと一緒に塔底から流出させ、これを蒸
留塔5で蒸留して塔頂から水とアクリル酸を留出させ、
塔底からγ−ブチロラクトンを流出させるようにするこ
ともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する際のフローシートの1例であ
る。
【符号の説明】
1 反応器 2 反応生成ガス冷却器 3 吸収塔 4 蒸留塔 5 蒸留塔 6 γ−ブチロラクトン冷却器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D020 AA08 BA15 BB04 BC01 BC06 CB08 CB18 CB28 CD10 DA03 DB02 DB06 4H006 AA02 AD13 AD18 BB25 BC51 BD35 BD53

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロパン及びプロピレンより成る群から
    選ばれた炭化水素を接触酸化して得たアクロレインを含
    む反応生成ガスからアクロレインを回収する方法であっ
    て、該反応生成ガスをγ−ブチロラクトンと接触させて
    反応生成ガス中のアクロレインをγ−ブチロラクトン中
    に吸収することにより反応生成ガスから分離することを
    特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 プロパン及びプロピレンより成る群から
    選ばれた炭化水素を接触酸化して得たアクロレインを含
    む反応生成ガスからアクロレインを回収する方法であっ
    て、反応生成ガスを吸収塔に供給して塔内でγ−ブチロ
    ラクトンと向流接触させ、反応生成ガス中のアクロレイ
    ンをγ−ブチロラクトン中に吸収する吸収工程、吸収塔
    から流出したアクロレインを含むγ−ブチロラクトンを
    放散塔系に供給し、加熱して塔頂からアクロレインを留
    出させ、塔底からγ−ブチロラクトンを流出させる放散
    工程、及び放散塔系の塔底から流出したγ−ブチロラク
    トンを冷却したのち吸収塔に供給する循環工程の各工程
    を含むことを特徴とする方法。
  3. 【請求項3】 反応生成ガスを冷却してガス中の水蒸気
    の一部を凝縮させて除去したのち、ガスを吸収塔に供給
    することを特徴とする請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 反応生成ガスを60℃以下に冷却して、
    含有する水蒸気の一部を凝縮させて除去したのち、ガス
    を放散塔に供給することを特徴とする請求項2記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 γ−ブチロラクトンを40℃以下で吸収
    塔に供給することを特徴とする請求項2ないし4のいず
    れかに記載の方法。
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