JP2002114732A - シクロアルカノール及びシクロアルカノンの製造方法 - Google Patents
シクロアルカノール及びシクロアルカノンの製造方法Info
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- JP2002114732A JP2002114732A JP2000303403A JP2000303403A JP2002114732A JP 2002114732 A JP2002114732 A JP 2002114732A JP 2000303403 A JP2000303403 A JP 2000303403A JP 2000303403 A JP2000303403 A JP 2000303403A JP 2002114732 A JP2002114732 A JP 2002114732A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明は、エポキシ基を有する飽和又は不飽和
の炭素数6〜12の環状炭化水素(以下、エポキシシク
ロアルカン類と称する)を、ニッケル触媒の存在下、水
素と接触させて、シクロアルカノール及びシクロアルカ
ノンに変換する方法において、その触媒反応を繰り返し
てもシクロアルケン、シクロアルカジエン及びシクロア
ルカトリエン等の炭化水素の副生が増大することなく、
シクロアルカノール及びシクロアルカノンを高い収率を
維持して製造されること、すなわち、ニッケル触媒が長
寿命化できる製造法を提供することを課題としたもので
ある。 【解決手段】本発明の課題は、ニッケル触媒の存在下、
エポキシシクロアルカン類に水素を接触させてシクロア
ルカノール及びシクロアルカノンを製造する際に、過酸
化物含有量が0.2重量%以下のエポキシシクロアルカ
ン類を使用することを特徴とするシクロアルカノール及
びシクロアルカノンの製造法によって解決される。
の炭素数6〜12の環状炭化水素(以下、エポキシシク
ロアルカン類と称する)を、ニッケル触媒の存在下、水
素と接触させて、シクロアルカノール及びシクロアルカ
ノンに変換する方法において、その触媒反応を繰り返し
てもシクロアルケン、シクロアルカジエン及びシクロア
ルカトリエン等の炭化水素の副生が増大することなく、
シクロアルカノール及びシクロアルカノンを高い収率を
維持して製造されること、すなわち、ニッケル触媒が長
寿命化できる製造法を提供することを課題としたもので
ある。 【解決手段】本発明の課題は、ニッケル触媒の存在下、
エポキシシクロアルカン類に水素を接触させてシクロア
ルカノール及びシクロアルカノンを製造する際に、過酸
化物含有量が0.2重量%以下のエポキシシクロアルカ
ン類を使用することを特徴とするシクロアルカノール及
びシクロアルカノンの製造法によって解決される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シクロアルカノー
ル及びシクロアルカノンの製造法に関するものである。
特に、エポキシシクロアルカン類に水素を接触させて、
シクロアルカノール及び異性化されたシクロアルカノン
を製造する方法に関する。シクロアルカノール及びシク
ロアルカノンは、ラクタム、ラクトン又は二塩基酸に容
易に誘導されるため、ポリアミド、ポリエステル等の合
成繊維、合成樹脂の中間原料となる重要な化合物であ
る。
ル及びシクロアルカノンの製造法に関するものである。
特に、エポキシシクロアルカン類に水素を接触させて、
シクロアルカノール及び異性化されたシクロアルカノン
を製造する方法に関する。シクロアルカノール及びシク
ロアルカノンは、ラクタム、ラクトン又は二塩基酸に容
易に誘導されるため、ポリアミド、ポリエステル等の合
成繊維、合成樹脂の中間原料となる重要な化合物であ
る。
【0002】
【従来の技術】シクロアルカノール及びシクロアルカノ
ンは、シクロアルカンの空気酸化法或いは硼酸酸化法に
よって製造されるが、これらの方法では目的とするシク
ロアルカノール及びシクロアルカノンの選択性や収率が
必ずしも高いものではない。これに対し、シクロアルケ
ン、シクロアルカジエン、シクロアルカトリエン等から
エポキシシクロアルカン類を合成し、得られたエポキシ
シクロアルカン類をニッケル触媒の存在下で水素添加し
て、シクロアルカノール及びシクロアルカノンにする方
法も知られている。例えば、特公昭47−38437号
公報には、触媒としてラネーニッケルを用いるシクロド
デカノール及びシクロドデカノンの製法が開示されてい
る。しかしながら、この追試実験を行ったところ、エポ
キシ基の脱酸素反応によって、シクロドデカン、シクロ
ドデセン及びシクロドデカジエン等の炭化水素類が多量
に副生してしまい、目的とするシクロドデカノール及び
シクロドデカノンの選択率、収率は満足出来るものでは
なかった。さらに、触媒の繰返し使用に伴い、シクロド
デカン等の副生の増大が認められた。また、特開200
0−136156号公報には、エポキシシクロドデカン
類の接触水添反応における炭化水素類の副生を抑制する
ために、ニッケル触媒又は反応系に塩基物質を加えるこ
とを特徴としたシクロドデカノール及びシクロドデカノ
ン製造方法が開示されている。この公報の実験例では、
シクロドデカン、シクロドデセン及びシクロドデカジエ
ン等の炭化水素化合物の副生が抑制され、シクロドデカ
ノール及びシクロドデカノンが高い選択率で得られてい
る。このようにニッケル触媒又は反応系に塩基物質を添
加することは、選択性向上には一定の効果があることが
示されたが、ニッケル触媒の寿命、すなわち、ニッケル
触媒の繰返し使用に関しては何ら言及されていない。実
際に寿命試験を行うと、シクロドデカン、シクロドデセ
ン及びシクロドデカジエン等の炭化水素の副生が増大
し、シクロドデカノール及びシクロドデカノンの収率が
低下してくる場合もあることが認められた。
ンは、シクロアルカンの空気酸化法或いは硼酸酸化法に
よって製造されるが、これらの方法では目的とするシク
ロアルカノール及びシクロアルカノンの選択性や収率が
必ずしも高いものではない。これに対し、シクロアルケ
ン、シクロアルカジエン、シクロアルカトリエン等から
エポキシシクロアルカン類を合成し、得られたエポキシ
シクロアルカン類をニッケル触媒の存在下で水素添加し
て、シクロアルカノール及びシクロアルカノンにする方
法も知られている。例えば、特公昭47−38437号
公報には、触媒としてラネーニッケルを用いるシクロド
デカノール及びシクロドデカノンの製法が開示されてい
る。しかしながら、この追試実験を行ったところ、エポ
キシ基の脱酸素反応によって、シクロドデカン、シクロ
ドデセン及びシクロドデカジエン等の炭化水素類が多量
に副生してしまい、目的とするシクロドデカノール及び
シクロドデカノンの選択率、収率は満足出来るものでは
なかった。さらに、触媒の繰返し使用に伴い、シクロド
デカン等の副生の増大が認められた。また、特開200
0−136156号公報には、エポキシシクロドデカン
類の接触水添反応における炭化水素類の副生を抑制する
ために、ニッケル触媒又は反応系に塩基物質を加えるこ
とを特徴としたシクロドデカノール及びシクロドデカノ
ン製造方法が開示されている。この公報の実験例では、
シクロドデカン、シクロドデセン及びシクロドデカジエ
ン等の炭化水素化合物の副生が抑制され、シクロドデカ
ノール及びシクロドデカノンが高い選択率で得られてい
る。このようにニッケル触媒又は反応系に塩基物質を添
加することは、選択性向上には一定の効果があることが
示されたが、ニッケル触媒の寿命、すなわち、ニッケル
触媒の繰返し使用に関しては何ら言及されていない。実
際に寿命試験を行うと、シクロドデカン、シクロドデセ
ン及びシクロドデカジエン等の炭化水素の副生が増大
し、シクロドデカノール及びシクロドデカノンの収率が
低下してくる場合もあることが認められた。
【0003】ところで、エポキシシクロアルカン類から
シクロアルカノール及びシクロアルカノンを工業的な規
模で製造するには、高収率であることはもちろん、ニッ
ケル触媒の活性の維持も極めて重要な要因である。しか
し、上述のようにエポキシシクロアルカン類の接触水添
反応においては、ニッケル触媒の活性を維持する方法が
見出されていないのが現状である。
シクロアルカノール及びシクロアルカノンを工業的な規
模で製造するには、高収率であることはもちろん、ニッ
ケル触媒の活性の維持も極めて重要な要因である。しか
し、上述のようにエポキシシクロアルカン類の接触水添
反応においては、ニッケル触媒の活性を維持する方法が
見出されていないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ニッ
ケル触媒の存在下、エポキシシクロアルカン類と水素を
接触させてシクロアルカノール及びシクロアルカノンを
製造する際に、エポキシシクロアルカン類をシクロアル
カノール及びシクロアルカノンに高収率で変換し、か
つ、ニッケル触媒の活性を維持する製造方法を見出すこ
とである。
ケル触媒の存在下、エポキシシクロアルカン類と水素を
接触させてシクロアルカノール及びシクロアルカノンを
製造する際に、エポキシシクロアルカン類をシクロアル
カノール及びシクロアルカノンに高収率で変換し、か
つ、ニッケル触媒の活性を維持する製造方法を見出すこ
とである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、ニッケ
ル触媒の存在下、エポキシシクロアルカン類に水素を接
触させてシクロアルカノール及びシクロアルカノンを製
造する際に、エポキシシクロアルカン類中に含まれる過
酸化物量が0.2重量%以下のものを使用することを特
徴とするシクロアルカノール及びシクロアルカノンの製
造方法によって達成される。
ル触媒の存在下、エポキシシクロアルカン類に水素を接
触させてシクロアルカノール及びシクロアルカノンを製
造する際に、エポキシシクロアルカン類中に含まれる過
酸化物量が0.2重量%以下のものを使用することを特
徴とするシクロアルカノール及びシクロアルカノンの製
造方法によって達成される。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用するエポキシシクロアルカン類とは、エポ
キシ基を有する飽和又は不飽和の炭素数6〜12の環状
炭化水素化合物であり、例えば、エポキシシクロヘキサ
ン類、エポキシシクロヘプタン類、エポキシシクロオク
タン類、エポキシシクロノナン類、エポキシシクロデカ
ン類、エポキシシクロウンデカン類およびエポキシシク
ロドデカン類が挙げられ、好ましくは、エポキシシクロ
ヘキサン類、エポキシシクロオクタン類およびエポキシ
シクロドデカン類であり、より好ましくは、エポキシシ
クロドデカン類である。具体例としては、エポキシシク
ロヘキサン、エポキシシクロヘプタン、エポキシシクロ
オクタン、エポキシシクロオクテン、エポキシシクロノ
ナン、エポキシシクロデカン、エポキシシクロウンデカ
ン、エポキシシクロドデカン、エポキシシクロドデセ
ン、エポキシシクロドデカジエン等が挙げられる。好ま
しくは、エポキシシクロヘキサン、エポキシシクロオク
タン、エポキシシクロオクテン、エポキシシクロドデカ
ジエンであり、より好ましくはエポキシシクロドデカジ
エンである。エポキシシクロドデカジエンのように分子
内に二重結合を1個以上有する化合物では、二重結合の
位置が異なる構造異性体やシス体またはトランス体のよ
うな幾何異性体も存在するが、何ら問題なく使用でき
る。これらエポキシシクロアルカン類は、単独または二
種以上を混合して使用することもできる。
本発明で使用するエポキシシクロアルカン類とは、エポ
キシ基を有する飽和又は不飽和の炭素数6〜12の環状
炭化水素化合物であり、例えば、エポキシシクロヘキサ
ン類、エポキシシクロヘプタン類、エポキシシクロオク
タン類、エポキシシクロノナン類、エポキシシクロデカ
ン類、エポキシシクロウンデカン類およびエポキシシク
ロドデカン類が挙げられ、好ましくは、エポキシシクロ
ヘキサン類、エポキシシクロオクタン類およびエポキシ
シクロドデカン類であり、より好ましくは、エポキシシ
クロドデカン類である。具体例としては、エポキシシク
ロヘキサン、エポキシシクロヘプタン、エポキシシクロ
オクタン、エポキシシクロオクテン、エポキシシクロノ
ナン、エポキシシクロデカン、エポキシシクロウンデカ
ン、エポキシシクロドデカン、エポキシシクロドデセ
ン、エポキシシクロドデカジエン等が挙げられる。好ま
しくは、エポキシシクロヘキサン、エポキシシクロオク
タン、エポキシシクロオクテン、エポキシシクロドデカ
ジエンであり、より好ましくはエポキシシクロドデカジ
エンである。エポキシシクロドデカジエンのように分子
内に二重結合を1個以上有する化合物では、二重結合の
位置が異なる構造異性体やシス体またはトランス体のよ
うな幾何異性体も存在するが、何ら問題なく使用でき
る。これらエポキシシクロアルカン類は、単独または二
種以上を混合して使用することもできる。
【0007】本発明で使用するエポキシシクロアルカン
類は、その中の過酸化物の含有量が0.2重量%以下の
ものである。好ましくは、0.15重量%以下である。
エポキシシクロアルカン類中の過酸化物の含有量が0.
2重量%より多いものを原料として本反応を行うと、シ
クロアルカンの副生が多くなり目的とするシクロアルカ
ノール、シクロアルカノンの収率が低下する。特に、ニ
ッケル触媒の繰返し反応を行うにあたっては、このよう
な過酸化物の含有量が多いものを用いると、シクロアル
カンの副生が多くなっていき、シクロアルカノール、シ
クロアルカノンの収率が低下し、ニッケル触媒の触媒寿
命低下をもたらす。
類は、その中の過酸化物の含有量が0.2重量%以下の
ものである。好ましくは、0.15重量%以下である。
エポキシシクロアルカン類中の過酸化物の含有量が0.
2重量%より多いものを原料として本反応を行うと、シ
クロアルカンの副生が多くなり目的とするシクロアルカ
ノール、シクロアルカノンの収率が低下する。特に、ニ
ッケル触媒の繰返し反応を行うにあたっては、このよう
な過酸化物の含有量が多いものを用いると、シクロアル
カンの副生が多くなっていき、シクロアルカノール、シ
クロアルカノンの収率が低下し、ニッケル触媒の触媒寿
命低下をもたらす。
【0008】なお、本発明の過酸化物は、特定の化学物
質を規定しているものではなく、過酸化水素をはじめ各
種炭化水素の過酸化物の単独または複数の混合物である
ことを示している。また、本発明の過酸化物の含有量
は、使用するエポキシシクロアルカン類をヨウ素滴定
し、得られた過酸化物の全モル数を使用するエポキシシ
クロアルカン類の過酸化物として仮定して重量%で算出
する。例えば、エポキシシクロアルカン類としてエポキ
シシクロドデカジエンを使用した場合では、エポキシシ
クロドデカジエンパーオキサイドの過酸化物が含有され
ているとする。これは、エポキシシクロドデカジエンも
空気酸化等を受けてエポキシシクロドデカジエンの過酸
化物へ変化しうるからである。
質を規定しているものではなく、過酸化水素をはじめ各
種炭化水素の過酸化物の単独または複数の混合物である
ことを示している。また、本発明の過酸化物の含有量
は、使用するエポキシシクロアルカン類をヨウ素滴定
し、得られた過酸化物の全モル数を使用するエポキシシ
クロアルカン類の過酸化物として仮定して重量%で算出
する。例えば、エポキシシクロアルカン類としてエポキ
シシクロドデカジエンを使用した場合では、エポキシシ
クロドデカジエンパーオキサイドの過酸化物が含有され
ているとする。これは、エポキシシクロドデカジエンも
空気酸化等を受けてエポキシシクロドデカジエンの過酸
化物へ変化しうるからである。
【0009】本発明で使用するニッケル触媒としては、
例えば、ラネーニッケル、酸化ニッケル、安定化ニッケ
ル等が挙げられるが、好ましくは安定化ニッケルであ
る。
例えば、ラネーニッケル、酸化ニッケル、安定化ニッケ
ル等が挙げられるが、好ましくは安定化ニッケルであ
る。
【0010】なお、前記ニッケル触媒は、珪藻土、シリ
カ、アルミナ、シリカアルミナ、ゼオライト又はカーボ
ン上に担持されていても良い。ニッケル触媒に含まれる
ニッケルの含有量は、特に規定されるものではない。ま
た、これらニッケル触媒は、単独でも二種以上を混合し
て使用しても良い。
カ、アルミナ、シリカアルミナ、ゼオライト又はカーボ
ン上に担持されていても良い。ニッケル触媒に含まれる
ニッケルの含有量は、特に規定されるものではない。ま
た、これらニッケル触媒は、単独でも二種以上を混合し
て使用しても良い。
【0011】本発明で使用する前記ニッケル触媒の量
は、使用するエポキシシクロアルカン類に対して、ニッ
ケル原子として、好ましくは0.001〜5倍モル、更
に好ましくは0.01〜2倍モルである。
は、使用するエポキシシクロアルカン類に対して、ニッ
ケル原子として、好ましくは0.001〜5倍モル、更
に好ましくは0.01〜2倍モルである。
【0012】また、これらニッケル触媒にはアルカリ金
属、アルカリ土類金属および希土類金属など活性、選択
性、その他、特性を改善するための助触媒成分を含んで
いても差し支えない。具体的には、カリウム、ナトリウ
ム、マグネシウム、セシウム等が挙げられる。助触媒の
使用量は、使用するニッケル原子に対して、好ましくは
0〜1.0倍モル、より好ましくは、0.01〜1.0
倍モル、更に好ましくは0.1〜0.5倍モルである。
属、アルカリ土類金属および希土類金属など活性、選択
性、その他、特性を改善するための助触媒成分を含んで
いても差し支えない。具体的には、カリウム、ナトリウ
ム、マグネシウム、セシウム等が挙げられる。助触媒の
使用量は、使用するニッケル原子に対して、好ましくは
0〜1.0倍モル、より好ましくは、0.01〜1.0
倍モル、更に好ましくは0.1〜0.5倍モルである。
【0013】本発明の反応においては、有機溶媒を使用
することもでき、例えばn−ヘキサン、n−ヘプタン等
のアルカン類、シクロヘキサン等のシクロアルカン類、
n−ヘキサノール、n−ヘプタノール等のアルコール
類、シクロヘキサノール等の環状炭化水素のアルコール
類が好適に用いられる。また、反応によって生成したシ
クロアルカノールやシクロアルカノン等を含んだ水添生
成物も溶媒として用いることができる。
することもでき、例えばn−ヘキサン、n−ヘプタン等
のアルカン類、シクロヘキサン等のシクロアルカン類、
n−ヘキサノール、n−ヘプタノール等のアルコール
類、シクロヘキサノール等の環状炭化水素のアルコール
類が好適に用いられる。また、反応によって生成したシ
クロアルカノールやシクロアルカノン等を含んだ水添生
成物も溶媒として用いることができる。
【0014】その他、過酸化物のような本発明の水添反
応に悪影響を与える有機化合物以外であれば、溶媒とし
て用いることができる。また、少量の水を共存させても
良い。
応に悪影響を与える有機化合物以外であれば、溶媒とし
て用いることができる。また、少量の水を共存させても
良い。
【0015】有機溶媒の使用量は、エポキシシクロアル
カン類に対して好ましくは0〜50重量倍、更に好まし
くは0〜10重量倍である。
カン類に対して好ましくは0〜50重量倍、更に好まし
くは0〜10重量倍である。
【0016】本発明の反応は、通常、水素ガス雰囲気に
て、エポキシシクロアルカン類とニッケル触媒を混合し
て、加熱撹拌する等の方法によって、常圧又は加圧下で
行われる。その際の反応温度は、好ましくは60〜25
0℃、更に好ましくは110〜250℃であり、水素圧
力は、好ましくは1〜15MPa、更に好ましくは2〜
10MPaである。
て、エポキシシクロアルカン類とニッケル触媒を混合し
て、加熱撹拌する等の方法によって、常圧又は加圧下で
行われる。その際の反応温度は、好ましくは60〜25
0℃、更に好ましくは110〜250℃であり、水素圧
力は、好ましくは1〜15MPa、更に好ましくは2〜
10MPaである。
【0017】本発明で得られたシクロアルカノールおよ
びシクロアルカノンは、例えば、蒸留等によって、分離
・精製することができる。
びシクロアルカノンは、例えば、蒸留等によって、分離
・精製することができる。
【0018】
【実施例】以下に実施例及び比較例を用いて、本発明を
具体的に説明する。 実施例1 撹拌器を備えた内容積120mlのステンレス製オート
クレーブに、過酸化物を0.11重量%(0.047m
mol)含有した1,2−エポキシ−5,9−シクロド
デカジエン(以下ECDDと称する)を8.92g(5
0.1mmol)、シクロヘキサン20.81g及び安
定化ニッケル触媒(Niとして30重量%(1.5mm
ol)含有、Ceとして30重量%(0.64mmo
l)含有、活性Al2O3ベース)を0.297gを仕込
んだ。室温にて水素で5MPaまで加圧した後、200
℃まで昇温した。反応液温が200℃に達した後、再度
水素圧を5MPaに調整し200℃一定で1時間加熱撹
拌した。反応後、室温まで冷却し、得られた反応液の分
析を行った。反応液の分析は、ガスクロマトグラフィー
により行った。その結果、ECDDは完全に消費されて
おり、シクロドデカノール(以下CDOLと称する)が
92.1モル%、シクロドデカノン(以下CDONと称
する)が2.3モル%生成し、シクロドデカン(以下C
DANと称する)は、5.3モル%生成していた。結果
を表1にまとめて示した。 過酸化物量の測定 仕込んだECDD中の過酸化物の含有量は、ヨウ素滴定
法によって測定した。すなわちECDDに含有する過酸
化物量(推定)より過剰のヨウ化カリウムを加え、消費
されずに残ったヨウ素イオンの量を0.1Nのチオ硫酸
ナトリウムで滴定し、算出される消費ヨウ素イオン量よ
りECDD中の過酸化物量を求めた。
具体的に説明する。 実施例1 撹拌器を備えた内容積120mlのステンレス製オート
クレーブに、過酸化物を0.11重量%(0.047m
mol)含有した1,2−エポキシ−5,9−シクロド
デカジエン(以下ECDDと称する)を8.92g(5
0.1mmol)、シクロヘキサン20.81g及び安
定化ニッケル触媒(Niとして30重量%(1.5mm
ol)含有、Ceとして30重量%(0.64mmo
l)含有、活性Al2O3ベース)を0.297gを仕込
んだ。室温にて水素で5MPaまで加圧した後、200
℃まで昇温した。反応液温が200℃に達した後、再度
水素圧を5MPaに調整し200℃一定で1時間加熱撹
拌した。反応後、室温まで冷却し、得られた反応液の分
析を行った。反応液の分析は、ガスクロマトグラフィー
により行った。その結果、ECDDは完全に消費されて
おり、シクロドデカノール(以下CDOLと称する)が
92.1モル%、シクロドデカノン(以下CDONと称
する)が2.3モル%生成し、シクロドデカン(以下C
DANと称する)は、5.3モル%生成していた。結果
を表1にまとめて示した。 過酸化物量の測定 仕込んだECDD中の過酸化物の含有量は、ヨウ素滴定
法によって測定した。すなわちECDDに含有する過酸
化物量(推定)より過剰のヨウ化カリウムを加え、消費
されずに残ったヨウ素イオンの量を0.1Nのチオ硫酸
ナトリウムで滴定し、算出される消費ヨウ素イオン量よ
りECDD中の過酸化物量を求めた。
【0019】実施例2および比較例1〜2 仕込みのECDDに含まれる過酸化物が、表1に記載の
重量%含有するものを用いた以外は、実施例1と同様に
反応を行った。その結果を表1に併せて示した。
重量%含有するものを用いた以外は、実施例1と同様に
反応を行った。その結果を表1に併せて示した。
【表1】 (備考) ECDD :1,2−エポキシ−5,9−シクロドデカ
ジエン、 CDOL :シクロドデカノール、 CDON :シクロドデカノン、 CDAN :シクロドデカン
ジエン、 CDOL :シクロドデカノール、 CDON :シクロドデカノン、 CDAN :シクロドデカン
【0020】実施例3 撹拌器を備えた内容積120mlのステンレス製オート
クレーブに、過酸化物を0.11重量%(0.047m
mol)含有したECDDを8.92g(50.1mm
ol)、シクロヘキサン20.81g及び安定化ニッケ
ル触媒(Niとして30重量%(1.5mmol)含
有、Kとして4.0重量%(0.19mmol)含有、
活性Al2O3ベース)0.60gを仕込んだ。室温にて
水素で5MPaまで加圧した後、200℃まで昇温し
た。反応液温が200℃に達した後、再度水素圧を5M
Paに調整し200℃一定で1時間加熱撹拌した。反応
後、室温まで冷却し、得られた反応液の分析を行った。
結果を表2に示した。また、触媒を分離回収し、触媒を
再使用して同じ反応を行った。併せて結果を表2に示し
た。
クレーブに、過酸化物を0.11重量%(0.047m
mol)含有したECDDを8.92g(50.1mm
ol)、シクロヘキサン20.81g及び安定化ニッケ
ル触媒(Niとして30重量%(1.5mmol)含
有、Kとして4.0重量%(0.19mmol)含有、
活性Al2O3ベース)0.60gを仕込んだ。室温にて
水素で5MPaまで加圧した後、200℃まで昇温し
た。反応液温が200℃に達した後、再度水素圧を5M
Paに調整し200℃一定で1時間加熱撹拌した。反応
後、室温まで冷却し、得られた反応液の分析を行った。
結果を表2に示した。また、触媒を分離回収し、触媒を
再使用して同じ反応を行った。併せて結果を表2に示し
た。
【0021】比較例3 実施例3において、ECDD原料として、クメンハイド
ロパーオキシドを加えて過酸化物が1.11重量%
(0.64mmol)含有したものを仕込んだ以外は、
実施例3と同様な反応を行った。触媒の繰返し反応も含
め反応液の分析結果を表2に示した。
ロパーオキシドを加えて過酸化物が1.11重量%
(0.64mmol)含有したものを仕込んだ以外は、
実施例3と同様な反応を行った。触媒の繰返し反応も含
め反応液の分析結果を表2に示した。
【0022】
【表2】 (備考) ECDD :1,2−エポキシ−5,9−シクロドデカ
ジエン、 CDOL :シクロドデカノール、 CDON :シクロドデカノン、 CDAN :シクロドデカン
ジエン、 CDOL :シクロドデカノール、 CDON :シクロドデカノン、 CDAN :シクロドデカン
【0023】実施例4(触媒繰返し使用反応) 撹拌器を備えた内容積120mlのステンレス製オート
クレーブに、過酸化物を0.11重量%(0.047m
mol)含有したECDDを8.92g(50.1mm
ol)、シクロヘキサン20.81g及び安定化ニッケ
ル触媒(Niとして30重量%(1.5mmol)含
有、Kとして4.0重量%(0.19mml)含有、A
l2O3ベース)を0.297g仕込んだ。室温にて水素
で5MPaまで加圧した後、200℃まで昇温した。反
応液温が200℃に達した後、再度水素圧を5MPaに
調整して200℃一定で1時間加熱撹拌した。反応後、
室温まで冷却し、得られた反応液の分析を行った。反応
後、分離回収した触媒を用い再び同じ反応条件でECD
Dの水添反応を行い、触媒の分離回収を行った。この操
作を30回繰り返した。触媒の使用1回目、繰返し使用
10回目、30回目での反応液の分析結果を表3に示し
た。
クレーブに、過酸化物を0.11重量%(0.047m
mol)含有したECDDを8.92g(50.1mm
ol)、シクロヘキサン20.81g及び安定化ニッケ
ル触媒(Niとして30重量%(1.5mmol)含
有、Kとして4.0重量%(0.19mml)含有、A
l2O3ベース)を0.297g仕込んだ。室温にて水素
で5MPaまで加圧した後、200℃まで昇温した。反
応液温が200℃に達した後、再度水素圧を5MPaに
調整して200℃一定で1時間加熱撹拌した。反応後、
室温まで冷却し、得られた反応液の分析を行った。反応
後、分離回収した触媒を用い再び同じ反応条件でECD
Dの水添反応を行い、触媒の分離回収を行った。この操
作を30回繰り返した。触媒の使用1回目、繰返し使用
10回目、30回目での反応液の分析結果を表3に示し
た。
【0024】比較例4(触媒繰返し使用反応) 反応に用いたECDDの過酸化物含有量が0.92重量
%(0.39mmol)のものにした以外は、実施例4
と同様な方法で反応及び触媒の繰返し使用反応を行っ
た。触媒の使用1回目、繰返し使用5回目、10回目で
の反応液の分析結果を表3に示した。
%(0.39mmol)のものにした以外は、実施例4
と同様な方法で反応及び触媒の繰返し使用反応を行っ
た。触媒の使用1回目、繰返し使用5回目、10回目で
の反応液の分析結果を表3に示した。
【0025】
【表3】 (備考) ECDD :1,2−エポキシ−5,9−シクロドデカ
ジエン、 CDOL :シクロドデカノール、 CDON :シクロドデカノン、 CDAN :シクロドデカン
ジエン、 CDOL :シクロドデカノール、 CDON :シクロドデカノン、 CDAN :シクロドデカン
【0026】
【発明の効果】本発明により、エポキシシクロアルカン
類と水素を接触させて、エポキシ基の脱酸素反応による
シクロアルカン、シクロアルケン及びシクロアルカジエ
ン等の炭化水素の副生を抑制して、目的とするシクロア
ルカノール及び異性化されたシクロアルカノンを高収率
で製造する方法を提供することが出来る。特に,本発明
では、触媒を繰返し使用しても、選択率、収率は高いレ
ベルに保持でき、触媒寿命も長くなる。以上より、本発
明はシクロアルカノール及びシクロアルカノンの工業的
に有用な製造方法である。
類と水素を接触させて、エポキシ基の脱酸素反応による
シクロアルカン、シクロアルケン及びシクロアルカジエ
ン等の炭化水素の副生を抑制して、目的とするシクロア
ルカノール及び異性化されたシクロアルカノンを高収率
で製造する方法を提供することが出来る。特に,本発明
では、触媒を繰返し使用しても、選択率、収率は高いレ
ベルに保持でき、触媒寿命も長くなる。以上より、本発
明はシクロアルカノール及びシクロアルカノンの工業的
に有用な製造方法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 49/413 C07C 49/413 (72)発明者 真鍋 卓美 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内 (72)発明者 福田 康法 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC41 AC44 BA02 BA21 BA32 BA55 BA70 BB11 BB14 BC34 BC35 BE20 BR70 FC22 FE12 4H039 CA60 CA62 CB20 CF90
Claims (3)
- 【請求項1】ニッケル触媒の存在下、エポキシシクロア
ルカン類に水素を接触させてシクロアルカノール及びシ
クロアルカノンを製造する際に、過酸化物含有量が0.
2重量%以下のエポキシシクロアルカン類を使用するこ
とを特徴とするシクロアルカノール及びシクロアルカノ
ンの製造方法。 - 【請求項2】エポキシシクロアルカン類がエポキシシク
ロドデカン類である請求項1記載のシクロアルカノール
及びシクロアルカノンの製造方法。 - 【請求項3】エポキシシクロドデカン類がエポキシシク
ロドデカジエンである請求項2記載のシクロアルカノー
ル及びシクロアルカノンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000303403A JP2002114732A (ja) | 2000-10-03 | 2000-10-03 | シクロアルカノール及びシクロアルカノンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000303403A JP2002114732A (ja) | 2000-10-03 | 2000-10-03 | シクロアルカノール及びシクロアルカノンの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002114732A true JP2002114732A (ja) | 2002-04-16 |
Family
ID=18784608
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000303403A Pending JP2002114732A (ja) | 2000-10-03 | 2000-10-03 | シクロアルカノール及びシクロアルカノンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002114732A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112661620A (zh) * | 2019-10-16 | 2021-04-16 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种环戊酮的制备方法 |
-
2000
- 2000-10-03 JP JP2000303403A patent/JP2002114732A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112661620A (zh) * | 2019-10-16 | 2021-04-16 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种环戊酮的制备方法 |
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