JP2002114441A - 整列巻きｎｃトラバーサ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 線材をドラムに整列巻き取りする際に、ドラ
ム位置の変化を補正して巻き乱れが生じないようにした
整列巻きＮＣトラバーサ装置を提供する。 【解決手段】 巻き取りドラム（３０）に線材（Ｆ）を
巻き取るドラム巻き取り装置（ＡＧ）と、巻取りドラム
（３０）に線材（Ｆ）を供給し整列巻きをさせる線材供
給装置（ＴＶ）と、線材供給装置（ＴＶ）の線材供給位
置を制御する制御装置（ＮＣ）とで構成される整列巻き
ＮＣトラバーサ装置（ＮＣＴ）において、ドラム巻き取
り装置（ＡＧ）のドラム（３０）の位置を計測するドラ
ム位置検出装置（ＨＳ）を設け、ドラム位置検出装置
（ＨＳ）は制御装置（ＮＣ）に信号線（Ｌ３）で接続さ
れ、制御装置（ＮＣ）はドラム位置検出装置（ＨＳ）か
らの信号に基づいて線材供給装置（ＴＶ）の整列巻きに
おける線材供給位置を補正する機能を有している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、線状体、例えば送
電線、光ファイバー樹脂線及び鋼線等を巻き取るドラム
巻き取り装置と、その巻き取りドラムに線材供給アーム
によって線材を供給し整列巻きをさせる線材供給装置と
で構成される整列巻きＮＣトラバーサ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】図５に示すように、従来の整列巻きＮＣ
トラバーサ装置ＮＣＴは、巻き取りドラム３０に線材Ｆ
を巻き取るドラム巻き取り装置ＡＧと、ドラム３０に線
材Ｆを供給する線材供給装置ＴＶとで構成されている。
ドラム巻き取り装置ＡＧは、線材供給装置ＴＶから導き
供給される線材Ｆをドラム３０に巻き取るようにドラム
を回転させ、線材供給装置ＴＶは横行してドラム端で横
行方向を反転するように作動する。また、線材供給装置
ＴＶは、巻き取りに応じて線材の供給位置の高さを変
え、ドラム３０の巻き付け幅位置に応じてピッチを変
え、ドラム端ではドラムフランジと線材Ｆとが干渉しな
い方向からの線材供給を行う等の作用を行っている。

【０００３】図中の符号Ｄはローラ５７、５８を配して
軸心まわりに回動自在な線材供給アームであり、符号５
０は昇降支柱である。そして、昇降支柱５０は線材供給
アームＤを紙面に垂直方向に、即ちドラム３０の軸に平
行に走行するように構成されている。また、線材供給装
置ＴＶの作動制御をする制御装置ＮＣが付設されてい
る。これらは、いづれも線材供給装置ＴＶの構成装置で
ある。

【０００４】このような構成の整列巻きＮＣトラバーサ
装置ＮＣＴでは、ドラム３０が巻き取り途中で所定位置
からドラム回転軸方向に動いた場合に、移動量に応じた
制御を線材供給装置ＴＶが行っていない為、ドラム３０
に対して線材供給する位置がズレてしまう。その結果、
図６に示すような干渉、噛込み、乗上げ、図７に示すよ
うな干渉、噛込み、飛越し等によって整列巻き取りがで
きず、巻き取り乱れとなり整列巻き取りの継続が困難に
なる。そして、巻き取り乱れされた線材Ｆは、次の作業
で線材Ｆを引き出す際に線材間で引っ掛りが生じ、一定
定常の張力では引き出せず、引き出し不整等の問題とな
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記に鑑みて
なされたもので、線材をドラムに整列巻き取りする際に
ドラムの軸方向の位置をセンサーで連続的に検知して制
御装置に取り込み、整列巻き動作にドラム軸方向の移動
量に対応した補正動作を加え、安定した整列巻きが行え
るようにした整列巻きＮＣトラバーサ装置を提供するこ
とを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、巻き取りドラ
ムに線材を巻き取るドラム巻き取り装置と、その巻き取
りドラムに線材を供給し整列巻きをさせる線材供給装置
と、その線材供給装置の線材供給位置を制御する制御装
置とで構成される整列巻きＮＣトラバーサ装置におい
て、前記ドラム巻き取り装置のドラムの回転位置とドラ
ム軸方向位置を計測するドラム位置検出装置を設け、そ
のドラム位置検出装置は前記制御装置に信号線で接続さ
れ、制御装置はドラム位置検出装置からの信号に基づい
て線材供給装置の整列巻きにおける線材供給位置を算出
し、ドラム軸方向のずれがあればそれを補正する機能を
有している。

【０００７】上記発明によれば、線材を巻き付けるドラ
ムの位置を巻きながら検出し、実際に巻き付ける線材の
位置を連続的に補正して安定した整列巻きをさせること
ができる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態を説明する。従来の装置と同形態の装置、部材
は、同符号を重複して使用する。図１は整列巻きＮＣト
ラバーサ装置の正面図を示し、図２は整列巻きＮＣトラ
バーサ装置の側面図を示し、図３は整列巻きＮＣトラバ
ーサ装置の平面図を示す。

【０００９】整列巻きＮＣトラバーサ装置ＮＣＴは、線
材Ｆをドラム３０に巻き取るドラム巻き取り装置ＡＧ
と、ドラム巻き取り装置ＡＧへ線材Ｆを供給する線材供
給装置ＴＶと、ドラム３０の位置を検出するドラム位置
検出装置ＨＳとドラム回転位置検出装置ＥＮで構成され
ている。そして、ドラム回転位置検出装置ＥＮは信号線
Ｌ１を介して、線材供給装置ＴＶは信号線Ｌ２を介し
て、ドラム位置検出装置ＨＳは信号線Ｌ３を介して制御
装置ＮＣに接続されている。

【００１０】ドラム巻き取り装置ＡＧは、線材供給装置
ＴＶとは別個に駆動制御される。そして、ドラム３０を
回転し、線材供給装置ＴＶから導き供給される線材Ｆを
ドラム３０に巻き取るように構成されている。

【００１１】線材供給装置ＴＶは、信号線Ｌ２を介して
制御装置ＮＣから入力する制御信号により駆動制御され
る。そして、横行してドラム端で横行方向を反転するよ
うに作動し、線材Ｆの巻き取りに応じて線材Ｆの供給位
置の高さを変え、ドラム３０の巻き付け幅位置に応じて
ピッチを変え、ドラム端ではドラムフランジと線材Ｆと
が干渉しない方向からの線材供給を行う等の作用を行っ
ている。

【００１２】図中の符号Ｄはローラ５７、５８を配して
軸心まわりに回動自在な線材供給アームであり、符号５
０は昇降支柱である。そして、昇降支柱５０は基台５２
上を横行し、線材供給アームＤを紙面に垂直方向に、即
ちドラム３０の軸に平行に走行するように構成されてい
る。

【００１３】ドラム位置検出装置ＨＳは、例えば非接触
のレーザー変位計測センサーを使用してドラム３０の左
右動を検出し、信号線Ｌ３を介して制御装置ＮＣに検出
信号を送信するように構成されている。なお、ドラム位
置検出装置ＨＳは、ドラム３０に接触した接触式のセン
サーであっても良い。

【００１４】ドラム位置検出装置ＨＳは、ドラム３０の
軸方向の位置を検出できるように位置検出装置支持体Ｗ
に固着されている。この位置検出装置支持体Ｗは、床な
ど可動部以外に固着されている。

【００１５】制御装置ＮＣは、信号線Ｌ１を介してドラ
ム回転位置を検出し線材供給位置を算出し、信号線Ｌ２
を介して制御信号を線材供給装置ＴＶへ出力する。ま
た、信号線Ｌ３を介してドラム位置検出装置ＨＳからド
ラム３０の軸方向の位置を受信し、基本のドラム位置に
対する補正量を算出し、信号線Ｌ２を介して補正量を加
味した制御信号を線材供給装置ＴＶへ出力する。そし
て、制御装置ＮＣから補正量を加味した制御信号を受け
た線材供給装置ＴＶは、補正動作を行い、ドラム軸方向
のズレを連続的に補正して整列巻きを継続する。

【００１６】上記構成による整列巻きＮＣトラバーサ装
置ＮＣＴの作用を説明する。図１〜図３において、線材
供給装置ＴＶは、信号線Ｌ２を介して制御装置ＮＣから
制御信号が入力し、制御装置ＮＣには信号線Ｌ１、Ｌ３
を介して検出信号が入力している。

【００１７】そして、線材供給装置ＴＶは、制御装置Ｎ
Ｃから入力する線材Ｆの巻き付ける高さ、巻きつけ幅、
線径等の基本データに基づいて駆動制御され、外部から
供給される線材Ｆをローラ５７及び５８を介してドラム
３０へ供給する。また、ドラム巻き取り装置ＡＧは、制
御装置ＮＣとは別の装置の制御信号により駆動制御さ
れ、線材供給装置ＴＶから導き供給される線材Ｆをテン
ションを持って巻き取るように進行する。

【００１８】以下、図４に示すフローチャート図により
制御の説明をする。ステップＳ１では、整列巻きＮＣト
ラバーサ装置ＮＣＴの制御の基本データ、即ちＮＣトラ
バーサの巻き取り開始位置、ドラム基本位置、線材Ｆの
径、及びその他の基本データが制御装置ＮＣに設定され
る。ステップＳ２では、制御装置ＮＣからの制御信号に
基づいて線材供給装置ＴＶの駆動が制御され、線材Ｆの
巻き取りが行われる。（なお、ドラム３０の回転角度を
計測するエンコーダＥＮの信号は信号線Ｌ１を介して制
御装置ＮＣへ入力され、ドラム３０の回転角度に基づい
て線材Ｆの供給位置を制御している）。ステップＳ３で
は、ドラム３０がドラム基本位置から横方向へ移動した
場合に、ドラム位置検出装置ＨＳからドラム３０の軸方
向移動の検出信号が入力する。ステップＳ４では、軸方
向移動の検出信号に基づいてドラム３０の基本位置から
の軸方向移動量を算出し、巻き取り位置の横行補正量を
算出する。ステップＳ５では、算出された横行補正量を
加味した制御信号に基づいて線材供給装置ＴＶの線材供
給位置の駆動制御をする。これにより、ドラムの軸方向
移動が原因となる干渉、噛込み、乗上げ、飛越し等を生
ずることがなくなり、線材Ｆがドラム３０に整然と巻き
取られ、整列巻き取りが継続する。なお、ドラム３０が
ドラム基本位置で線材Ｆの巻き取りが継続している場合
は、ドラム位置検出装置ＨＳから検出信号が入力するこ
となく、ステップＳ３がＮＯで、ステップＳ２が継続し
て実行される。

【００１９】上述した実施例では、ドラム３０の軸方向
位置補正についての説明に限定したが、ドラム３０の上
下動についても同様な制御が可能である。

【００２０】

【発明の効果】本発明の整列巻きＮＣトラバーサ装置の
効果を、以下に列挙する。 （１） 本発明によれば、ドラム基本位置からドラムが
左右に動いた場合に、移動量を補正するので、干渉、噛
込み、乗上げ、飛越し等を生ずることがなくなり、線材
の整列巻き取りを可能にする。 （２） ドラムの位置を自動計測し、ドラムが左右に動
いた場合には移動量を補正するので、整列巻き取りの自
動化が出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態を示す整列巻きＮＣトラバー
サ装置の正面図。

【図２】図１の側面図。

【図３】図１の平面図。

【図４】制御を示すフローチャート図。

【図５】従来の整列巻きＮＣトラバーサ装置の正面図。

【図６】線材の干渉、噛込み、乗上げの発生状態を示す
説明図。

【図７】線材の干渉、噛込み、飛越しの発生状態を示す
説明図。

【符号の説明】

ＮＣＴ・・・整列巻きＮＣトラバーサ装置 ＴＶ・・・線材供給装置 ＡＧ・・・ドラム巻き取り装置 ＨＳ・・・ドラム位置検出装置 Ｆ・・・線材 Ｄ・・・線材供給アーム Ｗ・・・位置検出装置支持体 ＥＮ・・・エンコーダ Ｌ１、Ｌ２、Ｌ３・・・信号線 ３０・・・巻き取りドラム ５０・・・昇降支柱 ５２・・・基台 ５７、５８・・・ローラ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 四方田 敏文 埼玉県熊谷市久保島634 日本ジーロータ ー株式会社内 Ｆターム(参考） 3F056 CA01 CB09

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 巻き取りドラムに線材を巻き取るドラム
   巻き取り装置と、その巻き取りドラムに線材を供給し整
   列巻きをさせる線材供給装置と、その線材供給装置の線
   材供給位置を制御する制御装置とで構成される整列巻き
   ＮＣトラバーサ装置において、前記ドラム巻き取り装置
   のドラムの位置を計測するドラム位置検出装置を設け、
   そのドラム位置検出装置は前記制御装置に信号線で接続
   され、制御装置はドラム位置検出装置からの信号に基づ
   いて線材供給装置の整列巻きにおける線材供給位置を補
   正する機能を有していることを特徴とする整列巻きＮＣ
   トラバーサ装置。